JP2003327853A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP2003327853A JP2002134038A JP2002134038A JP2003327853A JP 2003327853 A JP2003327853 A JP 2003327853A JP 2002134038 A JP2002134038 A JP 2002134038A JP 2002134038 A JP2002134038 A JP 2002134038A JP 2003327853 A JP2003327853 A JP 2003327853A
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membered cyclic
meth
compound
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Hiroshi Aoki
啓 青木
Nobushige Numa
伸茂 奴間
Yasuhisa Saito
康久 斉藤
Hiroaki Omoto
博明 尾本
Yoshinori Takanohashi
義則 高野橋
Toshio Yamamoto
登司男 山本
Takeshi Endo
剛 遠藤
Toyoji Miyagawa
豊治 宮川
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JAPAN PAINT MANUFACTURERS ASSOCIATION
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JAPAN PAINT MANUFACTURERS ASSOCIATION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料状態における安定性にすぐれると共に、
耐候性などにすぐれた塗膜を形成しうる硬化性組成物の
提供。 【解決手段】 化合物1分子当り2個以上の5員環環状
カーボネート基を有する化合物(A)とヒドラジド基ま
たはセミカルバジド基を有する化合物(B)とよりなる
硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、5員環環状カーボ
ネート化合物とヒドラジド、セミカルバジド類からなる
新規な熱硬化性組成物であり、水性、粉体塗料のいずれ
にも応用可能で、塗料状態での安定性と硬化塗膜の耐久
性に優れるため、塗料、コーティング剤及び印刷インキ
等の被覆剤、不織布用等の接合剤、接着剤、充填剤、成
形材料並びにレジスト等の種々の用途に賞用され得るも
のである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】最近、揮発性有機物質
(VOC)による大気汚染の問題に対応するために、塗
料は環境対応型にシフトしており、環境対応型塗料とし
て有機溶剤を含まない水性塗料または粉体塗料が望まれ
ている。しかし、一般的には水性塗料または粉体塗料に
はそれぞれ別々の架橋システムを用いることが多く、商
品開発に時間やコストがかかる。したがって、水性塗料
および粉体塗料の双方の塗料形態に共通して利用できる
架橋システムを用いれば、設計情報、性能情報の共有
化、原材料費の削減等が可能で、社会のニーズに迅速に
対応した開発が可能となる。水性塗料および粉体塗料双
方に使用できる架橋システムとしてはメラミン架橋系、
ブロックイソシアネート架橋系、環状カーボネート/ポ
リカルボン酸系が従来使われてきている。
【0003】しかし、ブロックイソシアネート架橋系で
は架橋反応時にブロック剤が有害な揮散物として放出さ
れ、大気を汚染したり、塗装ラインの汚染源になるとい
う問題があり、メラミン架橋系では架橋反応時に有害な
ホルマリンが放出されるだけでなく、塗膜の耐酸性が低
い問題があり、5員環環状カーボネート/ポリカルボン
酸系では架橋時に二酸化炭素を放出するために塗膜にピ
ンホール発生があったり、良好な外観が得られないとい
う問題がある。また、上記以外で5員環環状カーボネー
トやヒドラジド類を用いた関連する先行技術として例え
ば、特開平7−252441号公報(先行技術1)に
は、5員環環状カーボネート/ポリアミン架橋系水性塗
料が開示されており、ヒドラジド/ポリケトン架橋系水
性塗料(先行技術2)が知られており、また米国特許第
3345336号(先行技術3)にはヒドラジド/ポリ
エポキシ架橋系粉体塗料が開示されている。
【0004】しかしながら、先行技術1では塗料状態で
反応性が速く、安定性が低く、硬化塗膜は架橋結合がウ
レタン結合で強固であって硬化塗膜の安定性がよくない
という問題がある。先行技術2では、塗料状態で徐々に
反応するため塗料状態での安定性に欠け、架橋結合が炭
素窒素二重結合で硬化塗膜の耐水性が不十分であるとい
う問題がある。先行技術3では、塗料状態での安定性が
不十分であり、架橋結合が炭素窒素単結合で硬化塗膜の
耐候性が低いという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】5員環環状カーボネート
とヒドラジド基を有する硬化性組成物は、架橋反応で得
られる結合としてウレタンユニットを持つため、耐候
性、耐薬品性、耐水性に優れる。また、硬化時にブロッ
ク剤やホルマリンなど有害な揮散物を発生しない。さら
に、ヒドラジド基は求核性が低いため低温域では反応性
が低く、塗料状態における安定性が極めて高いことを見
いだした。すなわち、本発明は、化合物1分子当り2個
以上の5員環環状カーボネート基を有する樹脂(A)と
ヒドラジド基またはセミカルバジド基を有する化合物
(B)とよりなる硬化性組成を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】上記5員環環状カーボネート基含
有化合物(A)としては、5員環環状カーボネート基を
含有するアクリル樹脂、エポキシ化合物、エポキシ樹
脂、ポリエーテル樹脂などが用いられる。上記5員環環
状カーボネート基含有アクリル樹脂として、グリシジル
(メタ)アクリレート、4−ブチルグリシジル(メタ)
アクリレートまたは3,4−シクロヘキシル(メタ)ア
クリレートと二酸化炭素とを反応させて得られた5員環
環状カーボネート基含有アクリルモノマーで、それぞれ
下記一般式(3)、(4)および(5)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、Rは水素原子またはメチル基であ
る。)、
【0009】
【化4】
【0010】(式中、Rは水素原子またはメチル基であ
る。)、および
【0011】
【化5】
【0012】(式中、Rは水素原子またはメチル基であ
る。)で表わされるモノマーを重合して得られるものを
好適に使用することができる。上記5員環環状カーボネ
ート基含有モノマーは、グリシジルメタクリレートと二
酸化炭素とを、公知の方法、例えば、特開昭62−45
584号公報に記載されているように、触媒の存在下に
エポキシドを二酸化炭素と反応させることによって2−
オキソ−1,3−ジオキソランを製造する方法におい
て、少なくとも1種のエポキシ化合物を不活性溶媒の存
在下または不存在で少なくとも1種の触媒と混合し、そ
して40ないし150℃の温度で常圧または僅かに高め
られた圧力において二酸化炭素の導入下に対応する5員
環環状カーボネートへと反応せしめることを特徴とする
方法である。
【0013】上記5員環環状カーボネート基含有アクリ
ル樹脂は、5員環環状カーボネート基含有アクリルモノ
マーと共重合可能なエチレン性不飽和二重結合含有モノ
マーとを重合開始剤存在下、水性媒体中で乳化重合せし
めることによって得られる。このとき、乳化剤、共溶剤
を用いても良い。例えば、一般的な乳化重合方法で、一
般的な界面活性剤を乳化剤とし、5員環環状カーボネー
ト基含有単量体、及び必要に応じてその他単量体の共重
合を行うことにより、容易に調製される。乳化重合の具
体的な方法としては、共重合する単量体を、水性媒体中
にラジカル重合性界面活性剤を乳化剤として使用して分
散させ、重合開始剤の存在下に加熱攪拌する方法、及び
共重合する単量体を、乳化剤を使用して分散して水性乳
濁液とし、当該水性乳濁液を水性媒体中に添加しつつ、
重合開始剤の存在下に加熱攪拌する方法等を挙げること
ができる。
【0014】又、必要に応じて、重合体の分子量を調節
するために、連鎖移動剤を使用することができる。乳化
重合で使用される重合開始剤の種類及び割合、並びに適
用される重合温度及び単量体の供給方法は、使用する単
量体、及び目的に応じて適宜選択すればよい。重合温度
としては、通常使用する重合開始剤に適した重合温度を
採用する。上記単量体の例として、(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン及び、α−
メチルスチレン、並びにビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン及びγ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基
を有するエチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
【0015】(メタ)アクリレートとしては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、nブチル(メタ)アク
リレート、isoブチル(メタ)アクリレート、ペンチ
ル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸アルキル、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート及びイソボロニル(メタ)アク
リレート等の脂環式(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレー
ト、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート及び2−
エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシア
ルキル(メタ)アクリレート、並びにヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル、グリ
シジル(メタ)アクリレート、並びに(メタ)アクリル
酸N,N−ジエチルアミノエチルを挙げることができ
る。
【0016】連鎖移動剤としては、ドデシルメルカプタ
ン、キサントゲン酸ジスルフィド、ジアゾチオエーテル
及び2−プロパノール等が挙げられる。重合開始剤とし
ては、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等の過硫
酸塩、並びに過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド及
びt−ブチルハイドロパーオキサイド等の過酸化物等が
挙げられる。これらは、重亜硫酸ナトリウム及びアスコ
ルビン酸等の還元剤を併用し、レドックス系開始剤とし
て使用しても良い。これらの中でも、水溶性の重合開始
剤が好ましい。
【0017】乳化剤としては、求められる特性等に応じ
て、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
ナトリウム及びアルキルジフェニルエーテルジスルホン
酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、並びにポリオ
キシエチレン高級アルコールエーテル及びポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性界面活
性剤等が挙げられる。乳化剤としては、得られる共重合
体が耐水性に優れる点で、ラジカル重合性界面活性剤を
使用することが好ましい。ラジカル重合性界面活性剤を
乳化剤として使用する場合、前記単量体を乳化重合する
際に容易に共重合体の第三成分として共重合体の中に組
み込まれるものである。
【0018】ラジカル重合性界面活性剤については、特
公昭46−12472号公報、特公昭56−29657
号公報、特開昭56−28208号公報、特開昭56−
127697号公報、特開昭62−100502号公
報、特開平2−162287号公報等で知られ、すでに
市販品としてラテムル[商品名、花王(株)製]、エレ
ミノール[商品名、三洋化成(株)製]、アクアロン
[商品名、第一工業製薬(株)製]、アデカリアソープ
[商品名、旭電化工業(株)製]等が知られている。本
発明の5員環環状カーボネート基含有化合物(A)は、
5員環環状カーボネート基含有水溶性樹脂であってもよ
い。
【0019】該5員環環状カーボネート基含有水性樹脂
として、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4
−ブチルグリシジル(メタ)アクリレートまたは3,4
−シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートとN−メ
チルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド
などの水溶性アクリルアミド類とのラジカル共重合によ
り得られる水溶性共重合体と二酸化炭素とを臭化ベンジ
ルトリメチルアンモニウムなどの触媒の存在下、反応さ
せて得られる5員環環状カーボネート基含有水性アクリ
ル樹脂があげられる。
【0020】本発明において、5員環環状カーボネート
基含有水性アクリル樹脂を水性媒体中に分散または水溶
化させて5員環環状カーボネート基含有アクリル樹脂と
することができる。本発明において、5員環環状カーボ
ネート基含有水性樹脂は、またポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテルを、触媒存在下二酸化炭素と反応
させることにより得ることができる。
【0021】上記ポリエチレングリコールとして、平均
分子量が数百〜数万、好ましくは数百〜数千の範囲のも
のを使用することができる。該平均分子量が数百未満で
は水溶性が無くなり、好ましくなく、数万を越えると架
橋性が低下するため好ましくない。5員環環状カーボネ
ート基含有化合物(A)において、化合物1分子当りの
5員環状カーボネート基の数が2未満では、架橋構造が
得られず、また9未満では十分な硬化性が得られない場
合がある。本発明で用いる5員環環状カーボネート基含
有粉体化合物(A)は、ガラス転移温度が40〜100
℃、好ましくは50〜80℃の範囲及び数平均分子量が
1,500〜15,000、好ましくは2,500〜
6,000の範囲のものが好ましい。
【0022】ガラス転移温度が40℃以下では樹脂は粘
着性があり、得られる粉体塗料は粒子同士の融着が起こ
り、すなわちブロッキング性が劣るので好ましくない。
ガラス転移温度が100℃より高い場合は樹脂の溶融フ
ロー性が劣り、塗膜の仕上り外観が劣るので好ましくな
い。また、数平均分子量が1,500を下回ると粉体塗
料のブロッキング性が劣り、かつ耐擦傷性、耐候性等の
塗膜性が劣る。数平均分子量が15,000を越えると
塗膜の仕上り外観が劣るので好ましくない。該ガラス転
移温度は、例えばDSC(示差走査熱量測定)によって
求めることができる。
【0023】5員環環状カーボネート基含有粉体樹脂
(A)は5員環環状カーボネート基含有アクリルモノマ
ーと(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニルモノマ
ー及びその他ビニルモノマーとを組合わせて共重合させ
たものが使用できる。該5員環環状カーボネート基含有
アクリルモノマーとして、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、4−ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、
3,4−シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート
と、二酸化炭素とを反応させて得られるものなどがあげ
られる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば
メチル(メタ)アクリル酸エステル、エチル(メタ)ア
クリル酸エステル、n−ブチル(メタ)アクリル酸エス
テル、iso−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、t
ert−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル
酸のアルキル又はシクロアルキルエステル類が挙げられ
る。
【0024】芳香族ビニルモノマーとしては、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙
げられる。その他のビニルモノマーとしては、例えば
(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。5員環環
状カーボネート基含有粉体樹脂(A)を構成する5員環
環状カーボネート基含有アクリルモノマーの割合は20
〜70重量%、好ましくは30〜45重量%である。5
員環環状カーボネート基含有アクリルモノマーの割合が
20重量%を下回ると耐擦傷性が劣り、70重量%を越
えると粉体塗料の貯蔵安定性が劣り、また仕上り外観も
劣るので好ましくない。また、該5員環環状カーボネー
ト基含有アクリルモノマー以外のモノマーの配合割合
は、例えばガラス転移温度が上記した範囲に入るように
配合すれば良いが、好ましくは(メタ)アクリル酸のア
ルキル又はシクロアルキルエステル類30〜55重量
%、芳香族ビニルモノマー0〜30重量%、その他モノ
マー0〜30重量%が良い。本発明においてヒドラジド
基含有化合物は、一般式(1):
【0025】
【化6】
【0026】(式中、nは1以上の整数である。)で表
わされるヒドラジド基含有化合物を用いる。上記一般式
(1)中、nは1以上、好ましくは4〜8 の整数であ
る。上記ヒドラジド基含有化合物の例として、マロン酸
ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒ
ドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒド
ラジド、イタコン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒド
ラジド及びフタル酸ジヒドラジド等のジカルボン酸ジヒ
ドラジド化合物;トリメリット酸トリヒドラジド等のト
リカルボン酸トリヒドラジド化合物並びに炭酸ジヒドラ
ジド等が挙げられる。本発明において、セミカルバジド
基含有化合物は、一般式(2):
【0027】
【化7】
【0028】(式中、Rはポリイソシアネート化合物あ
るいは、変性ポリイソシアネート樹脂の残基であり、n
は2以上の整数である。)で表わされるセミカルバジド
基含有化合物である。セミカルバジド基を有する化合物
の例としては、ビスセミカルバジド及びポリイソシアネ
ートにジヒドラジドを反応させて得られる化合物等が挙
げられる。前記ポリイソシアネートとしては、ヘキサメ
チレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネー
ト等のジイソシアネート、ジイソシアネートから誘導さ
れるポリイソシアネート、及びポリイソシアネートと活
性水素基を有する化合物との反応物等が挙げられる。
【0029】本発明の組成物を構成する5員環環状カー
ボネート基含有化合物(A)とヒドラジド基またはセミ
カルバジド基含有化合物(B)との配合割合は、官能基
モル比で(A)/(B)=0.1〜10、好ましくは
0.5〜2.0の範囲にある。該(A)成分が上記範囲
を下回ったり、その上限を越えたりすると十分な硬化性
が得られず、好ましくない。本発明の上記硬化性組成物
は、これに従来の塗料で使用されている種々の添加剤を
配合し、塗料組成物として使用し、加熱条件下に架橋硬
化させて、硬化塗膜を形成することができる。硬化条件
は、80℃〜220℃、好ましくは140℃〜180℃
である。
【0030】本発明の組成物の製造方法としては、種々
の方法が採用できる。水性塗料の好ましい方法は、製造
が容易である点で、(A)成分を含むエマルションに、
(B)成分及び必要に応じてその他の成分を配合し、撹
拌・混合する方法等が挙げられる。また、粉体塗料の好
ましい方法は、5員環環状カーボネート基含有アクリル
樹脂、ヒドラジド、セミカルバジド化合物、酸化防止剤
など必要成分をミキサーで粉砕し、ドライブレンドした
後、エクストルーダーで溶融混練することにより容易に
製造できる。
【0031】また、本発明の組成物は水性硬化性組成
物、粉体硬化性組成物に限定されるものではなく、溶剤
型硬化性組成物にも応用が可能である。本発明の組成物
は、種々の用途に使用可能であり、被覆剤、繊維用の硬
化仕上げ剤、撥水剤、シーリング剤、バインダー、接着
剤及び粘着剤等に用いることができ、特に好適に使用で
きる。この場合、適用可能な基材としては、例えば、ガ
ラス、スレート、金属、木材、プラスチック及びコンク
リート等が挙げられる。被覆剤の用途を具体的に示す
と、土木・建築用の塗料、耐酸性雨用塗料、防汚性塗
料、及び撥水剤、電気電子部品の防湿コーティング剤及
び磁気テープのバックコート剤が挙げられる。
【0032】本発明の組成物は、被覆剤の中でも特に塗
料として有用であり、特に屋外塗料として有用である。
塗料として使用する際、従来の塗料で使用されている種
々の添加剤を配合することができる。添加剤としては、
例えば、クレー、タルク及びチタンホワイト等の充填
剤、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール及びジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテル等の造膜助剤、ジ
ブチルフタレート及びジオクチルフタレート等の可塑
剤、ロジン、テルペンフェノール及び石油樹脂等の粘着
付与剤、湿潤、分散及び消泡等の目的に用いられる各種
界面活性剤、増粘剤、チクソ剤、並びに凍結防止剤等が
挙げられる。組成物の使用方法としては、常法に従えば
よく、たとえば、該分散体を基材に塗工し、加熱乾燥す
る方法等が挙げられる。
【0033】本発明の水性塗料組成物は、(A)成分中
の5員環環状カーボネート基が、水分の蒸発とともに加
熱条件下で(B)成分と反応し、三次元架橋する。ま
た、粉体塗料組成物では、(A)成分中の5員環環状カ
ーボネート基とヒドラジド、セミカルバジド誘導体が、
加熱とともに溶融し、素早く架橋する。いずれの場合も
揮散物を生じることなく架橋するため、従来技術のよう
な揮散物による汚染の問題もなく、塗料状態も極めて安
定である。
【0034】
【実施例】本発明について実施例を掲げて詳細に説明す
る。なお、実施例及び比較例において「部」及び「%」
はそれぞれ重量基準である。 製造例1 (5員環環状カーボネート基含有アクリルモノマーの合
成)攪拌装置、還流冷却管、二酸化炭素吹き込み管、温
度計を備えた1lの4つ口フラスコにグリシジルメタク
リレート(以下GMA)140部、リチウムブロマイド
(LiBr)4部、およびジメチルホルムアミド(DM
F)560部をそれぞれ仕込み、この混合物を100℃
に維持し、二酸化炭素を反応混合物中にバブリングし
た。反応の程度を薄層クロマトグラフィー(TLC)お
よびエポキシド滴定の両方でモニターした。エポキシド
滴定で測定して、GMAのエポキシドと二酸化炭素の反
応が98%よりも進行した時点を反応の終点とした。そ
の後DMFを加熱減圧下で除き、LiBrを炉別した。
このようにして、5員環カーボネート基をもつアクリル
モノマー(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル)メチル−2−メチル−2−プロペノエート(以後G
MA−5CCと略す)が得られた。
【0035】製造例2 (5員環環状カーボネート基含有アクリル樹脂エマルシ
ョンの製造例)攪拌装置、温度計、還流冷却管及び、滴
下装置を備えた4つ口のセバラブルフラスコにイオン交
換水50部及び、炭酸水素ナトリウム0.5部、アデカ
リアソープ SE−10N(旭電化工業(株)製)α−
スルホ−ω−(1−(ノニルフェノキシ)メチル−2−
(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−
1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩;エチレンオ
キシド平均付加モル数10モル)0.5部をそれぞれ仕
込み、フラスコ内部を窒素で置換しながら80℃まで昇
温した後、過硫酸カリウム0.5部を加え、予め別容器
で攪拌混合しておいたスチレン10部、メタクリル酸メ
チル30部、アクリル酸n−ブチル48部、アクリル酸
ヒドロキシエチル2部、5員環環状カーボネートモノマ
ー(製造例1)10部、SE−10N1.5部、イオン
交換水50部からなる単量体乳化物を3時間かけて連続
滴下した。その後、80℃で2時間攪拌を続けながら熟
成して30℃まで冷却して、加熱残分48%、粘度39
2cps、pH2.4、粒子径177nm、MFT22
℃の5員環環状カーボネート基含有アクリル樹脂エマル
ションを得た。
【0036】製造例3 (5員環環状カーボネート基含有粉体型アクリル樹脂の
製法)攪拌装置、温度計、還流冷却管を備えたの4つ口
フラスコに、トルエン400部を入れ、加熱攪拌しトル
エンが還流し始めたら、5員環環状カーボネートモノマ
ー(製造例1)40部、n−ブチルメタクリレート30
部、メチルメタクリレート15部、スチレン15部及び
重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)
6部を約2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3
時間還流後、還流管をはずしトルエンを系外へ流去させ
た。反応混合物の温度が150℃に達したとき、減圧蒸
留により残りのトルエンを流去し、粉体アクリル樹脂を
得た。 分子量 3500 不揮発分 100%
【0037】製造例4 (エポキシ基含有粉体型アクリル樹脂の製法)製造例3
で5員環環状カーボネートモノマーをグリシジルメタク
リレート37部、メチルメタクリレート18部に代えた
以外は同様の方法で粉体樹脂を合成した。 分子量 3600 不揮発分 100%
【0038】製造例5 (OH基含有粉体型アクリル樹脂の製法)攪拌装置、温
度計、還流冷却管を備えたの4つ口フラスコに、トルエ
ン400部を入れ、加熱攪拌しトルエンが還流し始めた
ら、ヒドロキシエチルメタアクリレート(製造例1)1
0部、n−ブチルメタクリレート40部、メチルメタク
リレート35部、スチレン15部、及び重合開始剤とし
てアゾイソブチロニトリル(AIBN)6部を約2時間
かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間還流後、還
流管をはずしトルエンを系外へ流去させた。反応混合物
の温度が150℃に達したとき、減圧蒸留により残りの
トルエンを流去し、粉体アクリル樹脂を得た。 分子量 3500 不揮発分 100%
【0039】製造例6 (水酸基含有アクリル樹脂水溶液の製法)温度計、サー
モスタット、攪拌器、還流冷却器および滴下装置を備え
た反応容器に、ブチルセロソルブ70部を仕込み、窒素
ガスを吹き込みながら、115℃に加熱して、スチレン
15部、メチルメタクリレート30部、n−ブチルアク
リレート20部、2−エチルヘキシルアクリレート3.
5部、ヒドロキシエチルメタアクリレート25部、アク
リル酸6.5部、アゾビスイソブチロニトリル4部の混
合液を約3時間かけて滴下した。滴下終了後115℃で
1時間放置し、更に、アゾビスイソブチロニトリル0.
3部、ブチルセロソルブ10部を1時間かけて滴下し、
滴下終了後1時間115℃で放置し、反応を終了した。
得られたアクリル樹脂の酸価は50mgKOH/g、水
酸基価は50mgKOH/g、数平均分子量45000
であった。ついでこのアクリル樹脂のカルボキシル基を
ジメチルアミノエタノールで当量中和し、固形分含有率
55%のアクリル樹脂水溶液を得た。
【0040】製造例7 (セミカルバジドの製法)反応容器に、イソホロンジイ
ソシアネート(IPDI)のヌレート型オリゴマー(旭
化成社製)222部とTHF200部を加え溶解させ
た。次に、温度計、還流冷却管、および攪拌装置を備え
た反応容器に入れたTHF223部にヒドラジン1水和
物150部を室温で30分かけて攪拌しながら加え、さ
らに1時間攪拌して溶解させた。この反応溶液に先で調
整したイソホロンジイソシアネート(IPDI)のヌレ
ート型オリゴマーのTHF溶液を室温で1時間かけて滴
下しその後9時間、室温で攪拌することによりセミカル
バジドのTHF溶液を得た。さらにこの反応溶液からT
HFを加熱減圧条件下で除去することにより、セミカル
バジドの固形物を得た。
【0041】製造例8 (セミカルバジド水溶液の製法)還流冷却器、温度計お
よび攪拌装置を有する反応器にアセトン23部、「デュ
ラネートV3000」(旭化成工業(株)製、ヘキサメ
チレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアナート
のコビュレット型オリゴマー(NCO基含量15.6w
t%、75.4%酢酸エチル溶液))23部、「ユニオ
ックスM1000」(日本油脂(株)製、水酸基価5
6.9のポリオキシエチレンメチルエーテル)10部、
触媒としてジブチル錫ジラウレート0.001部を入れ
60℃にて4時間反応した。次に還流冷却器、温度計お
よび攪拌装置を有する反応器に入れたアセトン421部
にヒドラジン1水和物74部を攪拌しながら30分かけ
て室温で添加した後更に1時間攪拌した。この反応液に
先に得られた反応物を40℃にて攪拌しながら1時間か
けて添加しその後更に40℃にて4時間攪拌した。その
後1183部の水を30分かけて40℃で添加しさらに
30分攪拌を続けた。得られた反応液中のアセトン、酢
酸エチル、ヒドラジン、アセトンとヒドラジンの反応
物、水等を加熱減圧下に留去することにより固形分25
%のセミカルバジド組成物の水溶液を得た。
【0042】実施例1 (5員環環状カーボネート基含有粉体型アクリル樹脂/
ADH系粉体塗料の製法)製造例3で得られた5員環環
状カーボネート基含有粉体型アクリル樹脂100部およ
びアジピン酸ジヒドラジド19部の混合物をヘンシェル
ミキサーでドライブレンドし次いでエクストルーダーで
溶融混練した。冷却後粗粉砕、微粉砕を行ない150メ
ッシュで濾過して製造した。
【0043】実施例2 (5員環環状カーボネート基含有粉体型アクリル樹脂/
セミカルバジド系粉体塗料の製法)製造例3で得られた
5員環環状カーボネート基含有粉体型アクリル樹脂10
0部、製造例7で得られたセミカルバジド55部の混合
物をヘンシェルミキサーでドライブレンドし次いでエク
ストルーダーで溶融混練した。冷却後粗粉砕、微粉砕を
行ない150メッシュで濾過して製造した。
【0044】実施例3 (5員環環状カーボネート含有エマルション/ADH系
水性塗料の製法)製造例2で得られた5員環環状カーボ
ネートをもつエマルション100部にアジピン酸ジヒド
ラジド2.25部を混合して製造した。 実施例4 (5員環環状カーボネート含有エマルション/セミカル
バジド系水性塗料の製法)製造例2で得られた5員環環
状カーボネートをもつエマルション100部と製造例8
で得られたセミカルバジド水溶液26部を混合して製造
した。
【0045】比較例1 (水酸基含有アクリル樹脂/ブロックイソシアネート系
粉体塗料の製造例)製造例5で得られた水酸基含有粉体
型アクリル樹脂770部およびε−カプロラクタムブロ
ツク化イソホロンジイソシアネート330部の混合物を
ヘンシェルミキサーでドライブレンドを行い、次いでエ
クストルーダーで溶融混練した。冷却後粗粉砕、微粉砕
を行った後、150メッシュで濾過して製造した。
【0046】比較例2 (アクリル樹脂/メラミン樹脂系水性塗料の製造例)製
造例6で得られたアクリル樹脂水溶液136部、ブチル
エーテル化メチロールメラミン樹脂(商品名:「ユーバ
ン28−60」、三井化学社製)42部を混合して製造
した。 比較例3 (5員環環状カーボネート基含有アクリル樹脂/DDA
系粉体塗料の製法)製造例3で得られた5員環環状カー
ボネート基含有粉体型アクリル樹脂100部およびドデ
カン二酸(DDA)25部の混合物をヘンシェルミキサ
ーでドライブレンドし、次いでエクストルーダーで溶融
混練した。冷却後粗粉砕、微粉砕して150メッシュで
濾過して製造した。
【0047】比較例4 (エポキシ基含有アクリル樹脂/DDA系粉体塗料の製
法)製造例4で得られたエポキシ基含有粉体型アクリル
樹脂100部およびドデカン二酸30部の混合物をヘン
シェルミキサーでドライブレンドし、次いでエクストル
ーダーで溶融混練した。冷却後粗粉砕、微粉砕して15
0メッシュで濾過して製造した。実施例および比較例に
おける性能試験を下記のとおり行なった。
【0048】粉体塗料塗膜作成条件 粉体塗料を用いて、塗装及び硬化塗膜の作成を行なっ
た。リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル
鋼板上にエポキシ系カチオン電着塗料を乾燥塗膜約20
μmとなるように電着塗装し、焼付けた電着塗膜上に自
動車塗りサーフェーサーを乾燥膜厚約20μmとなるよ
うに塗装焼付けした後、#400のサンドペーパーで水
研ぎし、水切り乾燥した。次いでマジクロンベースコー
トHM−22(関西ペイント社製、メタリック塗料、商
品名)を硬化膜厚で約15μmとなるように塗装し、電
気熱風乾燥機で140℃、30分間加熱硬化せしめて試
験用の素材とした。この素材上に粉体塗料を膜厚が70
μmとなるように静電塗装し、160℃、30分間加熱
硬化せしめた。
【0049】粉体塗料塗膜試験方法 塗料の安定性(耐ブロッキング性):粉体塗料を、底面
積が約20cm2 の円筒容器に高さが6cmになるよう
に入れ、30℃で7日間静置する。その後、粉体塗料を
取り出して状態を観察した。評価基準は次のとおりであ
る。 ○:カタマリが全く認められないもの △:米粒状のカタマリが認められるもの ×:容器の形のままに固まったもの 塗膜外観:塗膜の仕上り外観をツヤ感、平滑感から次の
基準で評価した。 ◎:非常に良好、○:良好、×:不良 60°光沢:60°で鏡面反射率を測定した。 耐酸性:40%硫酸を試験塗板に0.4ml滴下し、8
5℃に加熱したホットプレート上で、15分間加熱した
後、水洗し、塗面を観察し、次の基準で評価した。 ○:全く変化のないもの。 △:塗面に異常はないが、滴下部と非滴下部の境界にわ
ずかに段差が認められるもの。 ×:塗面が白化したもの。 耐候性:サンシャインウェザオメーターに1,500時
間曝露した後の塗膜を観察し、次のように評価した。 ○:異常なし。 △:ツヤボケ、小さいひび割れが少し発生。 ×:著しいツヤボケ、ひび割れが発生。
【0050】水性塗料の塗膜作成条件および諸性能の評
水性塗料組成物を、各別に、厚さが0.8mmなるリン
酸亜鉛処理鋼板の「ボンデライト44」に、乾燥膜厚で
約25ミクロンになるようにスプレー塗装し、次いで、
焼き付けて硬化塗膜を得、諸性能の評価を行った。な
お、塗料ならびに硬化塗膜の諸性能の評価は、次のよう
な要領で行ったものである。塗料の安定性…40℃に7
日間保存したのちの、塗料の粘度変化の度合いを観測し
た。
【0051】ゲル分率の測定方法 水性硬化性樹脂組成物をガラス板に乾燥膜厚が30μm
となるようにドクターブレードで塗布し、20℃または
50℃雰囲気に静置する。経時で、塗膜をはがし、20
0メッシュステンレス金網にはがした塗膜を包み、沸騰
しているアセトンに6時間浸漬し、不溶分の割合をゲル
分率(%)とした。 塗膜外観…60度光沢値で以て表示した。 耐酸性…5%硫酸水溶液中に、40℃で、24時間浸漬
させたのちの塗膜の状態の変化を、目視により判定し
た。 耐候性…サンシャインウェザオメーターを用いて、1,
000時間に亘る促進耐候性試験を行ったのちの、60
度鏡面反射率に基づく光沢の保持率を「%」で以て表示
した。 実施例および比較例における組成物の配合の組合せを表
1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】実施例および比較例における組成物および
該組成物を用いて形成される塗膜の性能試験結果を表2
に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明において、5員環環状カーボネー
ト基とヒドラジド基またはセミカルバジド基を有する硬
化性組成物は、架橋反応で得られる結合としてウレタン
ユニットを持つため、耐候性、耐薬品性、耐水性に優れ
る。また、硬化時にブロック剤やホルマリンなど有害な
揮散物を発生しない。さらに、ヒドラジド基またはセミ
カルバジド基は求核性が低いため低温域では反応性が低
く、塗料状態における安定性が極めて高いといった効果
がある。本発明の組成物は、5員環環状カーボネートと
ヒドラジド、セミカルバジド類からなる新規な硬化性組
成物であり、水性、粉体塗料のいずれにも応用可能で、
塗料状態での安定性と硬化と膜の耐久性に優れるため、
塗料など広範囲の用途に使用できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年5月8日(2003.5.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】上記5員環環状カーボネート基含有アクリ
ル樹脂は、5員環環状カーボネート基含有アクリルモノ
マーと共重合可能なエチレン性不飽和二重結合含有モノ
マーとを重合開始剤存在下、水性媒体中で乳化重合せし
めることによって得られる。このとき、乳化剤、共溶剤
を用いても良い。例えば、一般的な乳化重合方法で、一
般的な界面活性剤を乳化剤とし、5員環環状カーボネー
ト基含有単量体、及び必要に応じてその他単量体の共重
合を行うことにより、容易に調製される。また、乳化重
合法で得られる重合体粒子をコアシェル構造としても良
い。シェル部に5員環環状カーボネート基を高濃度に存
在させることにより架橋反応性を向上させることができ
る。さらに、重合体粒子にあらかじめ架橋構造をとらせ
ても良い。これにより塗膜性能を向上させることが出来
る。乳化重合の具体的な方法としては、共重合する単量
体を、水性媒体中にラジカル重合性界面活性剤を乳化剤
として使用して分散させ、重合開始剤の存在下に加熱攪
拌する方法、及び共重合する単量体を、乳化剤を使用し
て分散して水性乳濁液とし、当該水性乳濁液を水性媒体
中に添加しつつ、重合開始剤の存在下に加熱攪拌する方
法等を挙げることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】(メタ)アクリレートとしては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、nブチル(メタ)アク
リレート、isoブチル(メタ)アクリレート、ペンチ
ル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸アルキル、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート及びイソボロニル(メタ)アク
リレート等の脂環式(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレー
ト、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート及び2−
エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシア
ルキル(メタ)アクリレート、並びにヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル、グリ
シジル(メタ)アクリレート、並びに(メタ)アクリル
酸N,N−ジエチルアミノエチルを挙げることができ
る。また、架橋構造を導入するにはエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、アリル
(メタ)アクリレート等を用いることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】本発明の組成物は、被覆剤の中でも特に塗
料として有用であり、特に屋外塗料として有用である。
塗料として使用する際、従来の塗料で使用されている種
々の添加剤を配合することができる。添加剤としては、
例えば、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン
(DBU)等のアミン系反応促進剤、クレー、タルク及
びチタンホワイト等の充填剤、ブチルセロソルブ、ブチ
ルカルビトール及びジプロピレングリコールモノブチル
エーテル等の造膜助剤、ジブチルフタレート及びジオク
チルフタレート等の可塑剤、ロジン、テルペンフェノー
ル及び石油樹脂等の粘着付与剤、湿潤、分散及び消泡等
の目的に用いられる各種界面活性剤、増粘剤、チクソ
剤、並びに凍結防止剤等が挙げられる。組成物の使用方
法としては、常法に従えばよく、たとえば、該分散体を
基材に塗工し、加熱乾燥する方法等が挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/14 C08L 33/14 71/02 71/02 (72)発明者 斉藤 康久 東京都渋谷区恵比寿三丁目12番8号 社団 法人 日本塗料工業会内 (72)発明者 尾本 博明 東京都渋谷区恵比寿三丁目12番8号 社団 法人 日本塗料工業会内 (72)発明者 高野橋 義則 東京都渋谷区恵比寿三丁目12番8号 社団 法人 日本塗料工業会内 (72)発明者 山本 登司男 東京都渋谷区恵比寿三丁目12番8号 社団 法人 日本塗料工業会内 (72)発明者 遠藤 剛 山形県米沢市門東町2丁目4番33号 (72)発明者 宮川 豊治 山形県米沢市大町1丁目1番25号 Fターム(参考) 4J002 BC071 BC091 BF011 BF021 BG011 BG041 BG051 BG061 BG071 BG101 BQ001 CD191 CH051 EQ026 FD010 FD020 FD146 GH00 GH01 GJ01 GJ02 GK02 GL00 GP03 GQ00 4J005 AA04 BA00 BD00 4J100 AL08P AL10P BA02P BA11P BC54P BC58P BC60P CA01 CA31 DA38 EA07 HA41 HA61 HB35 HE41 JA01 JA03 JA05 JA11 JA38 JA43 JA67

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物1分子当り2個以上の5員環環状
    カーボネート基を有する化合物(A)とヒドラジド基ま
    たはセミカルバジド基を有する化合物(B)とよりなる
    硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 該5員環環状カーボネート基含有化合物
    (A)が5員環環状カーボネート基含有アクリル樹脂で
    ある請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 該5員環環状カーボネート基含有アクリ
    ル樹脂がグリシジル(メタ)アクリレート、4−ブチル
    グリシジル(メタ)アクリレートおよび3,4−シクロ
    ヘキシルメチル(メタ)アクリレートの少くとも1種と
    二酸化炭素とを反応させて得られた5員環環状カーボネ
    ート基含有アクリルモノマーを重合して得られることを
    特徴とする請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 該5員環環状カーボネート基含有化合物
    が5員環環状カーボネート基含有粉体化合物である請求
    項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 該5員環環状カーボネート基含有化合物
    が5員環環状カーボネート基含有水性化合物である請求
    項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 該5員環環状カーボネート基含有水性化
    合物が5員環環状カーボネート基含有アクリル樹脂エマ
    ルションの状態にある請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 該5員環環状カーボネート基含有化合物
    が、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ブチルグリ
    シジル(メタ)アクリレートおよび3,4−シクロヘキ
    シルメチル(メタ)アクリレートの少くとも1種と(メ
    タ)アクリルアミド類とのラジカル共重合により得られ
    る水溶性共重合体と二酸化炭素とを触媒の存在下に反応
    させて得られる5員環環状カーボネート基含有水性アク
    リル樹脂である請求項5記載の組成物。
  8. 【請求項8】 5員環環状カーボネート基含有水性樹脂
    がポリエチレングリコールジグリシジルエーテルと二酸
    化炭素とを反応させて得られる請求項5記載の組成物。
  9. 【請求項9】 該ヒドラジド基含有化合物が、一般式
    (1): 【化1】 (式中、nは1以上の整数である。)で表わされるヒド
    ラジド基含有化合物である請求項1記載の組成物。
  10. 【請求項10】 該セミカルバジド基含有化合物が、一
    般式(2): 【化2】 (式中、Rはポリイソシアネート化合物あるいは、変性
    ポリイソシアネート樹脂の残基であり、nは2以上の整
    数である。)で表わされるセミカルバジド基含有化合物
    である請求項1記載の組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005042023A (ja) * 2003-07-23 2005-02-17 Asahi Kasei Chemicals Corp セミカルバジド硬化剤組成物
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JP2014105265A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Mitsubishi Rayon Co Ltd (メタ)アクリル酸エステル、およびその(共)重合体

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