JP2012036336A - 重合体微粒子および導電性微粒子 - Google Patents

重合体微粒子および導電性微粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】接続信頼性に優れた電気的接続を可能にする重合体微粒子を提供する。
【解決手段】本発明の重合体微粒子は、ビニル基含有有機モノマーと重合性シラン化合物とを少なくとも重合させてなる重合体微粒子であって、前記重合性シラン化合物は、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子および水素原子からなる群より選ばれる1種以上と、下記一般式(1)で表される重合性基の1つ以上とがケイ素原子(Si)に結合した構造を有する特定シラン系モノマー、および/または該特定シラン系モノマーを必須の構成成分とする加水分解縮合物であり、

(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、nは0又は1である。)
前記ビニル基含有有機モノマーと前記重合性シラン化合物との質量比が、ビニル基含有有機モノマー/重合性シラン化合物≧1である。
【選択図】なし

Description

本発明は、異方性導電材料などに有用な重合体微粒子およびこれを用いた導電性微粒子に関するものである。
電子機器は、年々小型化、高機能化が図られており、例えば、液晶ディスプレイパネルのITO電極と駆動用LSIの接続、LSIチップと回路基板との接続、そして微細パターン電極端子間の接続など、電子機器類の微小部位間の電気的接続においては、はんだやコネクタによる従来の接続方法に代え、導電性微粒子を含む異方性導電材料を用いた接続方法の適用が広がっている。このとき、異方性導電材料中の導電性微粒子は、接続部位間を電気的に接続するとともに、接続部位間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を期待されることもある。
導電性微粒子としては、核とする基材粒子の表面に金属メッキ層を設けた導電性微粒子が用いられている。ここで基材粒子には、硬さと軟らかさの両方が求められる。すなわち、導電性微粒子は熱圧着された状態で接続部位と面接触するが、そのとき接触面積が大きいほど接触抵抗が低くなり安定した接続が可能になる。そのため、導電性微粒子の核となる基材粒子には変形を容易にするだけの柔軟性が求められる。一方、接続部位に対する導電性微粒子の接触圧を高めることによって接触抵抗を下げることも可能であり、この観点からは、ある程度の硬さを有した復元性の高い基材粒子が望まれる。また、上述したように接続後に導電性微粒子をスペーサーとして機能させる場合には、基材粒子には高い硬質性が必要になる。
そこで、コア粒子の周囲がシェル層で被覆されてなる所謂コア・シェル構造の重合体微粒子を基材粒子とし、コア粒子とシェル層の硬さ(軟らかさ)を相対的に変えることで硬さと軟らかさを両立して発現させ、接触抵抗の低い接続信頼性に優れた導電性微粒子を得ようとする技術が種々提案されている。例えば、特許文献1〜3にはコア粒子を硬くシェル層を軟らかくした微粒子を核とする導電性微粒子が記載されており、特許文献4〜6にはコア粒子を軟らかくシェル層を硬くした微粒子を核とする導電性微粒子が記載されている。
特開2001−11503号公報 特開平08−193186号公報 特開2003−318502号公報 特開2006−156068号公報 特開2002−33022号公報 特開2001−35248号公報
ところで、近年、電子機器の小型化、高機能化がさらに進むにつれ、導電性微粒子に対する接続信頼性の要望もますます高まりつつある。しかし、特許文献1〜6に記載された導電性微粒子ではその要望に十分に応えられない場合があった。
しかも、特許文献1〜6に記載されたようなコア・シェル構造の粒子の製造には、コアを作製する工程とシェルを作製する工程の少なくとも2段階の工程が必要であり、製造上必ずしも簡便に得られるとは言えない。そのため、コア作製工程の後にシェル作製工程を行うという煩雑な方法でなくとも、通常のシード重合や懸濁重合といった簡便な重合技術により、得られる粒子の硬さと軟らかさを両立させ得る技術の開発が要望されている。
本発明は、接続信頼性に優れた電気的接続を可能にする重合体微粒子と、これを用いた導電性微粒子ならびに異方性導電材料を提供しようとするものである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、ビニル基含有有機モノマーと、該有機モノマーのビニル基と反応しうる特定構造の重合性基とアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子および水素原子からなる群より選ばれる1種以上とを有する特定シラン系モノマーおよび/または該特定シラン系モノマーの加水分解(共)縮合物とを、特定の割合で重合させることにより、ビニル基等のラジカル重合性基が重合して形成される有機重合体骨格と、特定シラン系モノマーにより導入されるポリシロキサン骨格の両方を兼ね備えた有機無機複合粒子が得られ、このような有機無機複合粒子によれば優れた接続信頼性を発現させうることを見出した。
詳しくは、かかる有機無機複合粒子(以下「重合体微粒子」と称することもある)は、荷重負荷速度0.2275gf/secで圧縮する圧縮試験に供すると、重合体微粒子全体が破壊する本破壊挙動を示す前に、予め重合体微粒子の一部が破壊される予備的破壊挙動を示す。このように予備的破壊挙動と本破壊挙動の2段階の破壊挙動を示す重合体微粒子の場合、予備的破壊挙動の開始直後から本破壊挙動が生じるまでの間の状態で接続されるようにすれば、粒子の一部が予備的破壊挙動で潰されたことに基づき接続部位に対する接触面積が向上するとともに、粒子の一部が潰れずに残存していることに基づき接続部位に対する接触圧が高く維持される。つまり、上述した有機無機複合粒子を基材粒子とした導電性微粒子であれば、接続部位に対する接触面積と接触圧の両方の観点から接続信頼性を向上させることができることになる。しかも、上述したように潰れず残存する粒子の一部が存在するとスペーサーとして十分な硬質性を発現することもできる。それ故に、かかる重合体微粒子は、それ自体を液晶表示素子用スペーサーとして、また重合体微粒子を核とする導電性微粒子を液晶表示素子用導通材料(導通スペーサー)や異方性導電材料用の導電性微粒子として利用することが可能になる。
本発明はこれらの知見に基づき完成したものである。
すなわち、本発明に係る重合体微粒子は、ビニル基含有有機モノマーと重合性シラン化合物とを少なくとも重合させてなる重合体微粒子であって、前記重合性シラン化合物は、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子および水素原子からなる群より選ばれる1種以上と、下記一般式(1)で表される重合性基の1つ以上とがケイ素原子(Si)に結合した構造を有する特定シラン系モノマー、および/または該特定シラン系モノマーを必須の構成成分とする加水分解縮合物であり、
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、nは0又は1である。)
前記ビニル基含有有機モノマーと前記重合性シラン化合物との質量比が、ビニル基含有有機モノマー/重合性シラン化合物≧1であることを特徴とする。
本発明の重合体微粒子において前記ビニル基含有有機モノマーは、1分子中にビニル基を含めて2個以上の重合性基を有する架橋性モノマーを少なくとも含んでおり、該架橋性モノマーの含有率がビニル基含有有機モノマー全量に対して30質量%以上であることが好ましい。また、本発明の重合体微粒子において前記特定シラン系モノマーはビニルトリアルコキシシランであることが好ましい。また、本発明の重合体微粒子は前記重合後に200℃以上で加熱処理が施されてなることが好ましい。
本発明の重合体微粒子において推奨される態様は、重合体微粒子を荷重負荷速度0.2275gf/secで圧縮する圧縮試験において、重合体微粒子全体が破壊する本破壊挙動を示す前に、予め重合体微粒子の一部が破壊される予備的破壊挙動を示すものである。好ましくは、前記圧縮試験における予備的破壊挙動の開始点での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をAとし、本破壊挙動の開始点での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をBとし、前記圧縮試験に供する前の重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をCとしたときに、下記式(2)で求められる接続領域率が1〜50%であるのがよい。
接続領域率(%)=[(A−B)/C]×100 (2)
本発明に係る導電性微粒子は、上記本発明の重合体微粒子と導電性金属層を有することを特徴とする。
本発明の導電性微粒子においては、表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有していることが好ましい。
本発明に係る異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子を含有してなる。
本発明によれば、導電性微粒子の核や液晶表示素子用スペーサーとして好適な重合体微粒子と、優れた接続信頼性で確実に電気的接続を行うことができる導電性微粒子ならびに該微粒子を含有する異方性導電材料とを提供できる。しかも、かかる重合体微粒子は、必ずしもコア・シェル構造である必要はないので、製造上も工程が簡略化できて有利である。
さらに詳しくは、本発明の重合体微粒子は、重合体微粒子全体が本破壊する本破壊挙動を示す前に、重合体微粒子の一部が破壊される予備的破壊挙動を示すために、予備的破壊を起こさせるに必要な圧力を付加した場合、破壊される一部の塑性変形に基づき大きな接触面積を確保できるともに、破壊されない部分が示す復元力に基づく接触圧を有するものとなる。したがって、異方性導電材料など加圧により電気的接続を行う材料として、かかる重合体微粒子を核とする導電性微粒子を用い、所定圧力(予備的破壊挙動が開始する点での圧力以上、本破壊挙動が開始する点での圧力未満)で接続することにより、導電性微粒子と電極などの被接続媒体との大きな接触面積と高い接触圧を保持する、接続信頼性に優れた接続構造体を得ることができる。
また、本発明の重合体微粒子が示す予備的破壊挙動および本破壊挙動は、重合体微粒子を構成するビニル基含有有機モノマーと重合性シラン化合物の種類や比率を調整することにより、比較的低い圧力範囲でも起こすことができる。したがって、例えば表示パネルの大型化や表示パネルを構成する材料(ガラス基板など)の薄膜化を実現するには、低圧での信頼性の高い電気的接続が要求されるが、本発明の重合体微粒子はそのような場合に用いる異方性導電材料用の導電性微粒子として特に有用である。
実施例1の重合体微粒子と比較例1の重合体微粒子をそれぞれ圧縮試験に供して得られた圧縮変位曲線を示すグラフである。 実施例5の重合体微粒子と比較例2の重合体微粒子をそれぞれ圧縮試験に供して得られた圧縮変位曲線を示すグラフである。
(重合体微粒子)
本発明の重合体微粒子は、ビニル基含有有機モノマーと特定の重合性シラン化合物とを少なくとも重合させてなるものである。詳しくは、本発明の重合体微粒子は、ビニル基含有有機モノマーが有するビニル基や重合性シラン化合物が有する特定構造の重合性基のようなラジカル重合性基の重合反応で形成される有機重合体骨格を有すると同時に、重合性シラン化合物が有するアルコキシ基等の縮合によって形成されるポリシロキサン骨格をも備えたものである。これにより、本発明の重合体微粒子は、優れた接続信頼性を与えうる導電性微粒子の基材粒子として最適な硬さと軟らかさを兼ね備えた粒子となる。
本発明におけるビニル基含有有機モノマーは、1分子中に少なくとも1個のビニル基を有する有機モノマーである。本発明において「ビニル基」とは(メタ)アクリロキシ基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような重合性炭素−炭素二重結合を有する置換基も含む意味である。また、本発明において「有機モノマー」とは、金属元素または半金属元素を含まない化合物を意味するものであり、例えば炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リンなどの非金属元素により構成されるものである。半金属元素としては、具体的には、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモンなどが挙げられ、例えばケイ素を含有するシラン化合物は有機モノマーには該当しない。
ビニル基含有有機モノマーは、1分子中にビニル基を含めて2個以上の重合性基を有する架橋性モノマー(以下「架橋性ビニル基含有有機モノマー」と称することもある)と、1分子中に1個のビニル基を有する非架橋性モノマー(以下「非架橋性ビニル基含有有機モノマー」と称することもある)とに大別される。ここで、「重合性基」とは、他のモノマーと結合を形成しうる基であればよく、ビニル基のようなラジカル重合性基のほか、カルボン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基などのエステル結合を形成可能な縮合性反応基も包含する。好ましい重合性基としては、ビニル基が挙げられる。
前記ビニル基含有有機モノマーのうち架橋性ビニル基含有有機モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート類;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコール系ジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;アリル(メタ)アクリレート等の不飽和基含有モノ(メタ)アクリレート類;などの(メタ)アクリル系モノマー;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体などの芳香族炭化水素系架橋剤(好ましくはジビニルベンゼン等のスチレン系多官能モノマー);N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸などのヘテロ原子含有架橋剤;等が挙げられる。これらの中でも、接続信頼性をより高めるうえでは、ビニル基間に介在する炭素の数が少ないモノマー(例えば、ビニル基間に介在する炭素数が8以下、好ましくは6以下、より好ましくは4以下であるモノマー)が好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートやジビニルベンゼンが好適である。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」や「アクリル及び/又はメタクリル」を示すものとする。
前記ビニル基含有有機モノマーのうち非架橋性ビニル基含有有機モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸またはその塩、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、シクロへプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレートなどの芳香環含有(メタ)アクリレート類等の(メタ)アクリル系単官能モノマー;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどのアルキルスチレン類;p−メトキシスチレンなどのアルコキシスチレン類;p−フェニルスチレンなどの芳香環含有スチレン類;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレンなどのハロゲン基含有スチレン類;p−ヒドロキシスチレンなどのヒドロキシ基含有スチレン類等のスチレン系単官能モノマー;等が挙げられる。
前記ビニル基含有有機モノマーとしては、前記架橋性ビニル基含有有機モノマーを少なくとも含有することが好ましく、さらには該架橋性ビニル基含有有機モノマーの含有率はビニル基含有有機モノマー全量に対して30質量%以上であることが好ましい。架橋性ビニル基含有有機モノマーの含有率はビニル基含有有機モノマー全量に対してより好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上であるのがよい。架橋性ビニル基含有有機モノマーの含有率が前記範囲であることにより、導電性微粒子の基材粒子として最適な硬さと軟らかさを兼ね備えた粒子となる。また、架橋性ビニル基含有有機モノマーの含有率の上限は、特に制限されず、100質量%であってもよい。
本発明における重合性シラン化合物は、特定シラン系モノマー、および/または該特定シラン系モノマーを必須の構成成分とする加水分解縮合物(以下、該加水分解縮合物を「特定ポリシロキサン化合物」と称することもある)である。
以下、特定シラン系モノマーおよび特定ポリシロキサン化合物について各々詳述するが、本発明においては特に重合性シラン化合物が特定ポリシロキサン化合物である態様が好ましい。この態様によれば、重合性シラン化合物に予めシロキサン結合が形成されているので、ポリシロキサン骨格と有機重合体骨格を効率よく導入することができる。
特定シラン系モノマーは、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子および水素原子からなる群より選ばれる1種以上と、下記一般式(1)で表される重合性基の1つ以上とがケイ素原子(Si)に結合した構造を有する。
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、nは0又は1である。)
式(1)中、Rで表されるアルキレン基又はアルケニレン基としては、例えば、n−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ヘキセニル基等が挙げられる。式(1)中、nは0であることが好ましい。一方、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子および水素原子からなる群より選ばれる1種以上としては、アルコキシ基が好ましい。
特定シラン系モノマーとしては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルアルコキシシラン系モノマー;1−ヘキセニルトリメトキシシラン、1−ヘキセニルトリエトキシシラン、イソプロペニルトリメトキシシラン、イソプロペニルトリエトキシシランなどのアルケニルアルコキシシラン系モノマー;等が挙げられる。また、これらアルコキシシラン系モノマーが有するアルコキシ基の一部または全部が加水分解した構造の化合物(例えば、ビニルトリヒドロキシシラン、ビニルジヒドロキシモノアルコキシシラン、ビニルモノヒドロキシジアルコキシシランなど)も特定シラン系モノマーとして用いることができる。これらの中でも特に、ビニルトリアルコキシシランが好ましく、より好ましくはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランがよい。
特定ポリシロキサン化合物は、前記特定シラン系モノマーを必須の構成成分とする加水分解縮合物であり、シロキサン結合を有するものである。すなわち、特定ポリシロキサン化合物は、上述した特定シラン系モノマー単独からなる加水分解縮合物であってもよいし、上述した特定シラン系モノマーと該特定シラン系モノマーと縮合可能な他のシラン系モノマーとの共加水分解縮合物であってもよい。好ましくは前者の加水分解縮合物であるのがよい。後者の共加水分解縮合物である場合には、特定シラン系モノマーと縮合可能な他のシラン系モノマーとして、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラアルコキシシラン系モノマー、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン系モノマー、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン系モノマー、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシランなどのモノアルコキシシラン系モノマー、およびこれらの誘導体(加水分解物、縮合物を含む)などを用いることができる。また、共加水分解縮合物である場合、特定シラン系モノマーと他のシラン系モノマーの合計量に対して、特定シラン系モノマーの含有量が50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
特定ポリシロキサン化合物としては、重量平均分子量が300〜5,000であるものが好ましく、重量平均分子量が500〜2,000であるものがより好ましい。重量平均分子量が前記範囲である特定ポリシロキサン化合物であれば、ビニル基含有有機モノマーとの相溶性に優れ、粒度分布の揃った重合体微粒子が得られ易い。
本発明の重合体微粒子を得る際には、ビニル基含有有機モノマーと重合性シラン化合物との質量比が、ビニル基含有有機モノマー/重合性シラン化合物≧1である。より好ましくはビニル基含有有機モノマー/重合性シラン化合物≧1.5、さらに好ましくはビニル基含有有機モノマー/重合性シラン化合物≧2.0である。ビニル基含有有機モノマーと重合性シラン化合物との質量比が前記範囲であることにより、導電性微粒子の基材粒子として最適な硬さと軟らかさを兼ね備えた粒子となる。また、ビニル基含有有機モノマーと重合性シラン化合物の質量比の上限は、2段階破壊特性において適度な圧力で予備的破壊挙動を有するものとなり易い点で、ビニル基含有有機モノマー/重合性シラン化合物≦30であるのが好ましく、ビニル基含有有機モノマー/重合性シラン化合物≦20であるのがより好ましく、ビニル基含有有機モノマー/重合性シラン化合物≦10であるのがさらに好ましい。
本発明の重合体微粒子は、上述したビニル基含有有機モノマーおよび重合性シラン化合物とともに、これらの少なくとも一方と反応しうる置換基を有するその他のモノマーを共重合させたものであってもよい。例えば、重合性シラン化合物としてビニルアルコキシシランを用いる場合であれば、アルコキシ基を有するシラン化合物(例えば、特定ポリシロキサン化合物が共加水分解縮合物である場合に用いることのできるその他のシラン系モノマーとして上述したもの等)をその他のモノマーとして併用することができる。
なお、ビニル基含有有機モノマーおよび重合性シラン化合物以外のその他のモノマーを共重合させる場合、重合に供する重合性組成物(全単量体総量)に対してビニル基含有有機モノマーおよび重合性シラン化合物の合計量が20質量%以上となるようにすることが好ましく、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上とするのがよい。
本発明の重合体微粒子は、上述したビニル基含有有機モノマーと重合性シラン化合物と、必要に応じてその他のモノマーとからなる重合性組成物を重合させることにより得られる。重合方法としては、特に制限はなく、乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法、ゾルゲル法などの従来公知の方法を適宜採用することができるが、特にシード重合法が好ましく採用される。以下、シード重合法について説明する。
シード重合法では、重合性組成物の一部を用いてシード粒子を製造するシード粒子製造工程、得られたシード粒子に重合性組成物の残部を吸収させる吸収工程、および重合性組成物を重合させる重合工程を経て、重合体微粒子を得る。
シード粒子製造工程においては、シード粒子として、重合性組成物のうち重合性シラン化合物を縮合反応させることにより特定ポリシロキサン化合物を含む粒子(以下「特定ポリシロキサン粒子」と称することもある)を形成することが好ましい。具体的には、水を含む溶媒中で重合性シラン化合物を加水分解して縮合反応させればよい。加水分解し、縮合させるにあたっては、触媒として、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物などの塩基性触媒を好ましく用いることができる。水を含む溶媒中には、水や触媒以外に有機溶剤を含有させてもよい。また、加水分解、縮合を行う際には、従来公知の乳化剤を併用することもできる。加水分解および縮合を行う際の加熱温度は、通常0℃以上100℃以下、好ましくは0℃以上70℃以下、より好ましくは5℃以上50℃以下とするのがよく、加熱時間は、通常1分以上100時間以下、好ましくは5分以上50時間以下、より好ましくは10分以上20時間以下とするのがよい。
吸収工程において、シード粒子に重合性組成物を吸収させる方法は、シード粒子の存在下に重合性組成物を存在させて吸収を進行させうる方法であればよい。例えば、シード粒子を分散させた溶媒中に重合性組成物を加えてもよいし、重合性組成物を含む溶媒中にシード粒子を加えてもよい。好ましくは、加水分解、縮合反応で得られた特定ポリシロキサン粒子を反応液(特定ポリシロキサン粒子の分散液)から取り出すことなく、当該反応液に重合性組成物を加える方法が、工程が複雑にならず、生産性に優れる。この場合、重合性組成物の添加のタイミングは特に限定されず、該重合性組成物を一括で加えておいてもよいし、数回に分けて加えてもよいし、任意の速度でフィードしてもよい。また、重合性組成物を加えるにあたっては、重合性組成物のみで添加しても、重合性組成物の溶液を添加してもよいが、重合性組成物を予め従来公知の乳化剤で水または水性媒体に乳化分散させたモノマーエマルションを添加することが、シード粒子への吸収がより効率よく行われるため好ましい。シード粒子への重合性組成物の吸収は、例えば、0℃以上60℃以下の温度範囲で、5分間以上720分間以下、撹拌しながら行うのが好ましい。なお、吸収工程において、重合性組成物がシード粒子に吸収されたかどうかの判断については、例えば、重合性組成物を加える前および吸収工程終了後に、顕微鏡により粒子を観察し、重合性組成物の吸収により粒子径が大きくなっていることを確認することで容易に判断できる。
重合工程においては、例えば、重合開始剤を用いる重合方法、紫外線や放射線を照射する重合方法、熱を加える重合方法など、いずれも採用可能である。
重合開始剤としては、例えば、過酸化物系開始剤やアゾ系開始剤など従来から重合に用いられる公知のものを使用することができる。重合開始剤の使用量は、重合性組成物の総質量100質量部に対して、0.001質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは0.01質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。重合温度は、40℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上であり、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下である。重合時間は用いる重合開始剤の種類に応じて適宜変更すればよいが、通常5分以上が好ましく、より好ましくは10分以上であり、600分以下が好ましく、より好ましくは300分以下である。
本発明の重合体微粒子は、重合後に200℃以上で加熱処理が施されたものであることが好ましい。このように加熱処理を施すことにより、得られる微粒子は効率よく2段階の破壊挙動を示すものになる。具体的には、重合で得られた反応液から、ろ過や遠心分離など公知の手法により回収した粒子を、必要に応じて洗浄した後、好ましくは窒素雰囲気下にて、200℃以上の加熱温度で保持する処理を施すことが好ましい。加熱温度は、より好ましくは200℃以上、400℃以下、さらに好ましくは200℃以上350℃以下であるのがよい。加熱時間は、例えば、10分以上、100時間以下、好ましくは20分以上、50時間以下、より好ましくは30分以上、20時間以下とする。
本発明の重合体微粒子において推奨される態様では、重合体微粒子を荷重負荷速度0.2275gf/secで圧縮する圧縮試験において、重合体微粒子全体が破壊する本破壊挙動を示す前に、予め重合体微粒子の一部が破壊される予備的破壊挙動を示す。
以下、重合体微粒子を前記圧縮試験に供したときの破壊挙動に関して、図1、図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の重合体微粒子である実施例1の微粒子の圧縮変位曲線と、比較例1の微粒子の圧縮変位曲線を示したグラフであり、図2は、本発明の重合体微粒子である実施例5の微粒子の圧縮変位曲線と、比較例2の微粒子の圧縮変位曲線を示したグラフである。圧縮変位曲線とは、粒子に一定速度で荷重を負荷して圧縮していったときの荷重(すなわち粒子の圧縮を開始してからその時点までの累積荷重)と粒子の変位量(すなわち元の粒子の圧縮方向の直径からその時点での粒子の圧縮方向の直径を差し引いた値)との関係をプロットしたものであり、かかる圧縮変位曲線から粒子の破壊挙動が判断できる。
すなわち、図1、図2から、実施例1、5の重合体微粒子を圧縮していくと、図1、図2中aで示す第一弾性限界点(予備的破壊挙動の開始点;以下「a点」と称する)まではグラフの傾きは緩やかでほぼ一定であり、荷重を受けて粒子径が一定速度で徐々に縮んでいく(換言すれば、弾性変形していく)ことが判る。そして、a点(第一弾性限界点)を越えるとグラフの傾きは変わってやや横ばいに推移する。そして、図1、図2中bで示す第二弾性変形開始点(以下「b点」と称する)に達するまでのa点からb点までの状態では、荷重を殆ど負荷しなくても粒子の変位量が一気に上昇していく傾向があり、この状態が予備的破壊挙動(第一塑性変形とも言う)に該当する。この予備的破壊挙動(第一塑性変形)によって重合体微粒子の一部が破壊されるのである。
次いで実施例1、5の重合体微粒子を圧縮し続けると、図1、図2に示すようにグラフはb点(第二弾性変形開始点)を越えた直後に立ち上がり、図1、図2中cで示す第二弾性限界点(本破壊挙動の開始点;以下「c点」と称する)に達するまではほぼ一定の傾きを維持する(換言すれば、新たに弾性変形する)ことになる。このことから、b点(第二弾性変形開始点)からc点(第二弾性限界点)までの間は荷重を負荷しても粒子が変形し難くなっている状態であると言える。これは、予備的破壊挙動で潰された粒子の一部が変形を進みにくくしていると同時に、潰れずに残存している粒子の一部が粒子径を確実に維持しているからであると考えられる。
かかる本発明の重合体微粒子を基材粒子として得た導電性微粒子により電気的接続を行う場合、上述したa点(第一弾性限界点)からc点(第二弾性限界点)までの間、好ましくはb点(第二弾性変形開始点)からc点(第二弾性限界点)までの間の状態で接続するようにすれば、粒子の一部が予備的破壊挙動で潰されたことに基づき接続部位に対する接触面積が向上するとともに、粒子の一部が潰れずに残存していることに基づき接続部位に対する接触圧が高く維持され、その結果、接続部位に対する接触面積と接触圧の両方の観点から接続信頼性を向上させることができる。換言すれば、上述した本発明の重合体微粒子は第一の弾性変形を示した後、塑性変形を示し、第一の塑性変形域とその後の弾性変形域に粒子を圧縮することで広い接触面積と高い接触圧を両立できると言える。
次いで実施例1、5の重合体微粒子を圧縮し続けると、図1、図2に示すようにグラフはc点(第二弾性限界点)を越えて横ばいに推移し、図1、図2中dで示す破壊完了点(以下「d点」と称する)に達するまで、荷重を殆ど負荷しなくても粒子の変位量が一気に上昇していく状態となる。かかるc点(第二弾性限界点)からd点(破壊完了点)までの状態が本破壊挙動(第二塑性変形とも言う)に該当する。この本破壊挙動によって重合体微粒子の全部が破壊されるのであり、予備的破壊挙動で残存していた部分がこの本破壊挙動で破壊される。d点(破壊完了点)に達すると、粒子は全壊してしまい、グラフは急激に立ち上がる。
一方、従来の重合体微粒子である比較例1、2の粒子を圧縮していくと、図1、図2に示すように、図1、図2中eで示す弾性限界点(以下「e点」と称する)まではグラフの傾きは緩やかでほぼ一定であり、荷重を受けて粒子径が一定速度で徐々に縮められる(換言すれば、弾性変形する)ことになり、e点(弾性限界点)を越えるとグラフは殆ど横ばいに推移し、図1、図2中fで示す破壊完了点(以下「f点」と称する)に達するまで荷重を殆ど負荷しなくても粒子の変位量が一気に上昇していく状態となる。つまり、このe点(弾性限界点)からf点(破壊完了点)までの間に本破壊挙動が生じ、重合体微粒子が全壊する。全壊後は、実施例1、5の粒子と同様、比較例1、2の粒子のグラフも急激に立ち上がることになる。このように1回の破壊挙動で全壊してしまう粒子であると、導電性微粒子の基材粒子として用いた場合、得られる導電性微粒子による電気的接続は、本破壊挙動が生じるまで(図1、図2における始点からe点までの間)の変位量の小さい状態で行わなければならない。これに対して、実施例1、5の重合体微粒子のように2段階の破壊挙動を示す粒子は、上述したように予備的破壊挙動の開始直後から本破壊挙動が生じるまでの間(図1、図2のa点からc点までの間)の状態で電気的に接続させるようにすれば、粒子の一部が予備的破壊挙動で潰されたことに基づき接続部位に対する接触面積が向上するとともに、粒子の一部が潰れずに残存していることに基づき接続部位に対する接触圧が高く維持され、その結果、接続部位に対する接触面積と接触圧の両方の観点から接続信頼性を向上させることができる。
なお、本発明において、前記圧縮試験は、例えば、ダイヤモンドからなる平板圧子を備えた微小圧縮試験機を用い、室温(25℃)において行えばよい。
本発明においては、前記圧縮試験における予備的破壊挙動の開始点(図1、図2中のa点)での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をA(μm)とし、本破壊挙動の開始点(図1、図2中のc点)での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をB(μm)とし、前記圧縮試験に供する前の重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をC(μm)としたときに、下記式(3)で求められる接続領域率が1〜50%であるのがよい。
接続領域率(%)=[(A−B)/C]×100 (3)
ここで接続領域とは、本発明の重合体微粒子を基材粒子として得た導電性微粒子により電気的接続を行う場合に、良好な接触面積および接触圧で接続できる領域を意味するものであり、接続領域率とは、元の重合体微粒子の粒子径に対して、接続領域の占める比率を示したものである。接続領域率が前記範囲よりも低いと、接続領域が狭すぎて電気的接続時にちょうど接続領域にある状態で接続させるのが難しくなる傾向がある。一方、接続領域率が前記範囲よりも高いと、電気的接続時に残存する粒子中心部分の径が相対的に小さくなるので好ましくない。
接続領域率の下限は、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上であり、上限は、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下であるのがよい。
また、本発明においては、前記圧縮試験における予備的破壊挙動の開始点(図1、図2中のa点)での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をA(μm)とし、前記圧縮試験に供する前の重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をC(μm)としたときに、下記式(4)で求められる第一弾性限界率が45〜90%であることが好ましい。
第一弾性限界率(%)=(A/C)×100 (4)
ここで第一弾性限界率は、元の重合体微粒子の粒子径に対する、予備的破壊挙動開始時の重合体微粒子の粒子径の割合を百分率で示したものである。粒子の第一弾性限界率が上記範囲であると、ACF実装において良好な接続状態を達成できる。
本発明の重合体微粒子の10%K値は、700kgf/mm以上、2000kgf/mm以下であることが好ましい。重合体微粒子の10%K値が700kgf/mm未満であると、異方性導電材料中の導電性微粒子として用いた場合、周囲のバインダーを十分に排除できないといったことや、電極への食い込み具合が弱いといったことにより、低い接続抵抗値を得ることができない虞があり、一方、2000kgf/mmを超えると、電極への良好な接触状態が得られない虞がある。重合体微粒子の10%K値はさらに好ましくは、750kgf/mm以上、1500kgf/mm以下である。
本発明において10%K値は、例えば前記圧縮試験を行うのと同様の圧縮試験機を用い、粒子の中心方向へ荷重負荷速度0.2275gf/secで荷重をかけて、圧縮変位が粒子径の10%となるまで粒子を変形させたときの荷重と変位量(mm)を測定し、下記式に基づき求めることができる。なお、本発明では、異なる10個の粒子の10%K値を求め、それらの平均値を重合体微粒子の10%K値とする。
(ここで、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)
、R:粒子の半径(mm)である。)
本発明の重合体微粒子の粒子径は、個数平均粒子径で0.5〜12μmが好ましい。個数平均粒子径が0.5μmよりも小さいと、表面を導電性金属層で被覆して導電性微粒子とした際に粒子が凝集し易く、均一な導電性金属層を形成し難い場合がある。一方、粒子径が12μmを超えると、導電性微粒子としたときの適用用途が限られ、工業上の利用分野が少なくなる傾向がある。特に、異方性導電材料に用いる導電性微粒子の基材粒子として用いる場合には、個数平均粒子径は4.0μm以下であることがより好ましく、3.5μm以下であることがさらに好ましく、3.2μm以下であることが最も好ましく、一方、下限は1μm以上であることがより好ましい。被接続媒体のファインピッチ化や低ギャップ化に伴い、異方性導電材料中の導電性微粒子にも小粒子径が要求されることになり、導電性微粒子の基材粒子とする重合体微粒子についても前記範囲のように粒子径が小さいことが要求されるが、本発明の重合体微粒子は前記のように小粒子径であっても、接続部位に対して大きな接触面積と高い接触圧を達成できるので、特に有用となる。
なお、個数平均粒子径は、具体的には、コールター原理を使用した精密粒度分布測定装置(例えば、ベックマンコールター(株)製「コールターマルチサイザーIII型」)により測定される個数基準の値とする。
本発明の重合体微粒子の粒子径における変動係数(CV値)は、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは7%以下である。なお、粒子径の変動係数とは、コールター原理を使用した精密粒度分布測定装置により測定される重合体微粒子の平均粒子径と、重合体微粒子の粒子径の標準偏差とを下記式に当てはめて求められる値である。
重合体微粒子の変動係数(%)=100×粒子径の標準偏差/平均粒子径
本発明の重合体微粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状、まゆ状等のいずれでも良いが、球状が好ましく、特に真球状が好ましい。
(導電性微粒子)
本発明の導電性微粒子では、上記本発明の重合体微粒子(以下、基材粒子と称することもある)を核として、表面に導電性金属層が形成されている。
導電性金属層を構成する金属は、導電性を持つ化合物であればよく特に限定されない。例えば、ニッケル、パラジウム、金、銀、銅、白金、鉄、スズ、鉛、コバルト、チタン、ビスマス、亜鉛、アルミニウム、インジウムなどが挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀が導電性に優れており好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル−金、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金、ニッケル−銀などが好ましく挙げられる。
導電性金属層の厚みは、0.005〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.05μm以上、0.3μm以下であるのがよい。導電性金属層が薄すぎると、導電性微粒子を異方性導電材料として用いる際に安定した電気的接続を維持し難くなる傾向がある。一方、導電性金属層が厚すぎると、導電性微粒子の表面の硬度が高くなりすぎ、本発明の重合体微粒子の特長である2段階破壊挙動に基づく上述の効果を十分に生かせないがおそれがある。
導電性微粒子の粒子径は、個数平均粒子径で0.7〜12μmが好ましい。特に、異方性導電材料に用いる場合には、個数平均粒子径は4.2μm以下であることがより好ましく、3.7μm以下であることがさらに好ましく、3.4μm以下であることが最も好ましく、一方、下限は1.2μm以上であることがより好ましい。導電性微粒子の個数平均粒子径が小さすぎると、粒子が凝集し易く、均一な導電性金属層を形成し難い場合があり、一方、大きすぎると、適用用途が限られ、工業上の利用分野が少なくなる傾向がある。
基材粒子の表面に導電性金属層を形成する方法は特に限定されず、従来公知の方法、例えば、無電解めっき法、電解めっき法等のめっきを施す方法;金属微粉を単独でもしくはバインダーに混ぜ合わせたペースト状で重合体微粒子にコーティングする方法;真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法;などを採用すればよい。これらの中でも特に無電解めっき法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
本発明の導電性微粒子においては、表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有していることが好ましい。このように表面である導電性金属層にさらに絶縁性樹脂層が積層されていると、高密度回路の形成時や端子接続時などに生じやすい横導通を防ぐことができる。
絶縁性樹脂層を構成する樹脂は、導電性微粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力および/または加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであればよく、特に限定されない。例えば、上述したビニル基含有有機モノマーからなる重合体および共重合体のほか、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのポリオレフィン類;ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、SBS型スチレン−ブタジエンブロック共重合体およびこれらの水添化合物等のブロックポリマー;ビニル系重合体および共重合体などの熱可塑性樹脂や特にその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、メチルセルロースなどの水溶性樹脂およびこれらの混合物;などが挙げられる。但し、基材粒子(重合体微粒子)を構成するコア粒子およびシェル層に比べて絶縁性樹脂層が硬過ぎる場合には、絶縁性樹脂層の破壊よりも先に基材粒子自体が破壊してしまうおそれがあるので、絶縁性樹脂層にビニル基含有モノマーからなる重合体および共重合体を用いる場合は、未架橋または比較的架橋度の低い(共)重合体を用いることが好ましい。
絶縁性樹脂層は、単層であってもよいし複数の層からなるものであってもよい。例えば、単一又は複数の皮膜状の層が形成されていてもよいし、絶縁性を有する粒状、球状、塊状、鱗片状その他の形状の粒子を導電性金属層の表面に付着したものであってもよいし、さらには、導電性金属層の表面を化学修飾することにより形成されたものであってもよく、または、これらが組み合わされたものであってもよい。
絶縁性樹脂層の厚みは0.01〜1μmであるのが好ましい。より好ましくは0.1μm以上、0.5μm以下であるのがよい。絶縁性樹脂層の厚みが薄すぎると、電気絶縁性が不十分となり、一方、厚すぎると、導通特性が低下するおそれがある。
絶縁性樹脂層を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、無電解めっき工程後の導電性微粒子の存在下で、絶縁性樹脂層を構成する樹脂の原料のモノマーを界面重合、懸濁重合または乳化重合させ、絶縁性樹脂により導電性微粒子をマイクロカプセル化する方法;絶縁性樹脂を有機溶媒に溶解した絶縁性樹脂溶液中に導電性微粒子を分散させた後、乾燥させるディッピング法;スプレードライ法、ハイブリダイゼーションによる方法;などの従来公知の方法を採用することができる。
(異方性導電材料)
本発明の異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子を含有してなるものである。異方性導電材料としては、具体的には、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど、相対向する基材間や電極端子間に設けることで電気的な接続を可能にするものが挙げられる。また、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料は、導通スペーサーおよびその組成物などの液晶表示素子用導通材料も包含するものである。
異方性導電材料は、通常、絶縁性のバインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を分散させ所望の形態とすることで製造されるが、絶縁性のバインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用して、基材間あるいは電極端子間を接続してもかまわない。バインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの熱可塑性樹脂;グリシジル基を有するモノマーやオリゴマー、イソシアネートなどの硬化剤との反応により硬化する硬化性樹脂組成物、光や熱により硬化する硬化性樹脂組成物;などが挙げられる。
本発明の異方性導電材料を用いて接続部位間を電気的に接続する際の接続方法は特に制限されないが、接続時に付加する圧力は、異方性導電材料に含まれる本発明の重合体微粒子を上述した圧縮試験に供したときに予備的破壊挙動が開始する点での圧力以上、本破壊挙動が開始する点での圧力未満(すなわち、圧縮試験で得られた圧縮変位曲線において第一弾性限界点以上、第二弾性限界点未満の間となる荷重)に設定することが好ましく、より好ましくは、予備的破壊挙動が終了した点での圧力以上、本破壊挙動が開始する点での圧力未満(すなわち、圧縮試験で得られた圧縮変位曲線において第二弾性変形開始点以上、第二弾性限界点未満の間となる荷重)に設定するのがよい。これにより、導電性微粒子と電極などの被接続媒体との接触面積を大きくするとともに、導電性微粒子と被接続媒体の間の接触圧を高く保持することができる。したがって、本発明の異方性導電材料を用いるとともに上記特定範囲の圧力を付加して接続された接続構造体は、接続信頼性に優れたものとなる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する限り、本発明の範囲に含まれる。なお、以下においては、特に断らない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水924.0部と25%アンモニア水1.2部、メタノール276.0部を仕込み25℃に保持した。その中へ重合性シラン化合物であるビニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM1003」)15部を滴下し、内温を25℃で15分保持した後、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液を32.0部添加し、さらに15分撹拌することにより、この重合性シラン化合物を加水分解、縮合させ、シード粒子となる特定ポリシロキサン粒子を作製した。得られたシード粒子の乳濁液をサンプリングし、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により測定したところ、個数平均粒子径は1.59μmであった。
続いて、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液1.1部をイオン交換水45.0部で溶解した溶液に、ビニル基含有有機モノマーであるスチレン18.0部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート18.0部およびトリメチロールプロパントリメタクリレート9.0部と、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)0.6部とを溶解した溶液を加えて、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)により8000rpmで5分間乳化分散させてモノマーエマルションを調製した。このモノマーエマルションをポリシロキサン粒子の乳濁液中に添加して、さらに撹拌を行った。モノマーエマルション添加から2時間後、反応液をサンプリングして顕微鏡で観察したところ、特定ポリシロキサン粒子が重合性組成物を吸収して肥大化していることが確認された。
次いで、反応液を窒素雰囲気下で65℃に昇温させて、65℃で2時間保持することによりラジカル重合を行った。反応液を冷却した後、得られた乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、次いでメタノールで洗浄した後、120℃で2時間乾燥し、重合体微粒子(1)を得た。得られた重合体微粒子の粒子径を粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により測定したところ、個数平均粒子径は2.90μmであった。
〔実施例2〕
実施例1と同様にして得た重合体微粒子(1)に、窒素雰囲気下250℃で1時間加熱処理を施して、重合体微粒子(2)を得た。得られた重合体微粒子の粒子径を実施例1と同様にして測定したところ、表1に示す通りであった。
〔実施例3、4〕
ビニル基含有有機モノマーの種類と使用量(組成)を表1に示すように変更したこと以外は実施例2と同様にして、重合体微粒子(3)、(4)を得た。得られた重合体微粒子の粒子径を実施例1と同様にして測定したところ、表1に示す通りであった。
〔実施例5、6〕
ビニル基含有有機モノマーの種類と使用量(組成)を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、重合体微粒子(5)、(6)を得た。得られた重合体微粒子の粒子径を実施例1と同様にして測定したところ、表1に示す通りであった。
〔比較例1〕
重合性シラン化合物として、ビニルトリメトキシシランに代え、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM503」)15部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、重合体微粒子(C1)を得た。得られた重合体微粒子の粒子径を実施例1と同様にして測定したところ、表1に示す通りであった。
〔比較例2〕
重合性シラン化合物として、ビニルトリメトキシシランに代え、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM503」)15部を用いたこと以外は実施例5と同様にして、重合体微粒子(C2)を得た。得られた重合体微粒子の粒子径を実施例1と同様にして測定したところ、表1に示す通りであった。
〔比較例3〕
ビニル基含有有機モノマーの種類と使用量(組成)を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、重合体微粒子(C3)を得た。得られた重合体微粒子の粒子径を実施例1と同様にして測定したところ、表1に示す通りであった。
〔比較例4〕
比較例3と同様にして得た重合体微粒子に、窒素雰囲気下280℃で1時間加熱処理を施して、重合体微粒子(C4)を得た。得られた重合体微粒子の粒子径を実施例1と同様にして測定したところ、表1に示す通りであった。
なお、表1においては、下記の略号を用いた。
St:スチレン
HXDMA:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
TMPTMA:トリメチロールプロパントリメタクリレート
TEGDMA:テトラエチレングリコールジメタクリレート
DVB:ジビニルベンゼン
VTMS:ビニルトリメトキシシラン
MPTMS:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
以上の各実施例、比較例で得られた重合体微粒子を荷重負荷速度0.2275gf/secで圧縮する圧縮試験に供したところ、実施例1〜6の重合体微粒子はいずれも2段階の破壊挙動(予備的破壊挙動と本破壊挙動)を示したが、比較例1、2、4の重合体微粒子はいずれも1回の破壊挙動しか示さなかった。また、比較例3の重合体微粒子については明確な弾性限界点が認められず、破壊挙動の有無自体を確認できなかった。各重合体微粒子について第一弾性限界点および第二弾性限界点における変位量(μm)と荷重(gf)を表1に示す。合わせて、図1のグラフに実施例1および比較例1の重合体微粒子の圧縮変位曲線を示し、図2のグラフに実施例5および比較例2の重合体微粒子の圧縮変位曲線を示す。
また、以上の各実施例、比較例で得られた重合体微粒子を用いて、下記のようにして導電性微粒子を作製し、その導電性を評価した。結果を表1に示す。
(導電性微粒子の作製)
重合体微粒子に水酸化ナトリウムによるエッチング処理を施した後、二塩化スズ溶液によるセンシタイジングを施し、次いで、二塩化パラジウム溶液によるアクチベーティングを行い、パラジウム核を形成させた。このようにしてパラジウム核を形成させた重合体微粒子を無電解ニッケルメッキ浴に浸漬してニッケルメッキ層を形成させた後、金置換メッキを行い、その後、イオン交換水で洗浄後、メタノール置換を行って、真空乾燥を行い、導電性微粒子を得た。
(導電性微粒子の評価方法)
得られた導電性微粒子を用いて、異方性導電材料を作製し、初期抵抗値を評価した。
すなわち、導電性微粒子2.0部をエポキシ樹脂(三井化学製「ストラクトボンド(登録商標)XN−5A」)100.0部に混ぜて分散させ、導電性接着ペーストを製作した。この導電性接着ペースト0.01部をアルミニウム電極が形成された2枚のガラス基板で挟み、180℃で20秒間熱圧着して、試験片を作製した。得られた試験片の接続抵抗値(Ω)を四端子法により測定した。

Claims (9)

  1. ビニル基含有有機モノマーと重合性シラン化合物とを少なくとも重合させてなる重合体微粒子であって、
    前記重合性シラン化合物は、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子および水素原子からなる群より選ばれる1種以上と、下記一般式(1)で表される重合性基の1つ以上とがケイ素原子(Si)に結合した構造を有する特定シラン系モノマー、および/または該特定シラン系モノマーを必須の構成成分とする加水分解縮合物であり、
    (式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、nは0又は1である。)
    前記ビニル基含有有機モノマーと前記重合性シラン化合物との質量比が、ビニル基含有有機モノマー/重合性シラン化合物≧1であることを特徴とする重合体微粒子。
  2. 前記ビニル基含有有機モノマーは、1分子中にビニル基を含めて2個以上の重合性基を有する架橋性モノマーを少なくとも含んでおり、該架橋性モノマーの含有率がビニル基含有有機モノマー全量に対して30質量%以上である、請求項1に記載の重合体微粒子。
  3. 前記特定シラン系モノマーはビニルトリアルコキシシランである、請求項1または2に記載の重合体微粒子。
  4. 前記重合後に200℃以上で加熱処理が施されてなる、請求項1〜3のいずれかに記載の重合体微粒子。
  5. 重合体微粒子を荷重負荷速度0.2275gf/secで圧縮する圧縮試験において、重合体微粒子全体が破壊する本破壊挙動を示す前に、予め重合体微粒子の一部が破壊される予備的破壊挙動を示す、請求項1〜4のいずれかに記載の重合体微粒子。
  6. 前記圧縮試験における予備的破壊挙動の開始点での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をAとし、本破壊挙動の開始点での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をBとし、前記圧縮試験に供する前の重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をCとしたときに、下記式(2)で求められる接続領域率が1〜50%である、請求項5に記載の重合体微粒子。
    接続領域率(%)=[(A−B)/C]×100 (2)
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の重合体微粒子と導電性金属層を有することを特徴とする導電性微粒子。
  8. 表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有する、請求項7に記載の導電性微粒子。
  9. 請求項7または8記載の導電性微粒子を含有してなる異方性導電材料。
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