JP5841319B2 - 重合体微粒子および導電性微粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、異方性導電材料などに有用な重合体微粒子およびこれを用いた導電性微粒子に関するものである。
電子機器は、年々小型化、高機能化が図られており、例えば、液晶ディスプレイパネルのITO電極と駆動用LSIの接続、LSIチップと回路基板との接続、そして微細パターン電極端子間の接続など、電子機器類の微小部位間の電気的接続においては、はんだやコネクタによる従来の接続方法に代え、導電性微粒子を含む異方性導電材料を用いた接続方法の適用が広がっている。このとき、異方性導電材料中の導電性微粒子は、接続部位間を電気的に接続するとともに、接続部位間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を期待されることもある。
導電性微粒子としては、核とする基材粒子の表面に金属メッキ層を設けた導電性微粒子が用いられている。ここで基材粒子には、硬さと軟らかさの両方が求められる。すなわち、導電性微粒子は熱圧着された状態で接続部位と面接触するが、そのとき接触面積が大きいほど接触抵抗が低くなり安定した接続が可能になる。そのため、導電性微粒子の核となる基材粒子には変形を容易にするだけの柔軟性が求められる。一方、接続部位に対する導電性微粒子の接触圧を高めることによって接触抵抗を下げることも可能であり、この観点からは、ある程度の硬さを有した復元性の高い基材粒子が望まれる。また、上述したように接続後に導電性微粒子をスペーサーとして機能させる場合には、基材粒子には高い硬質性が必要になる。
そこで、コア粒子の周囲がシェル層で被覆されてなる所謂コア・シェル構造の重合体微粒子を基材粒子とし、コア粒子とシェル層の硬さ(軟らかさ)を相対的に変えることで硬さと軟らかさを両立して発現させ、接触抵抗の低い接続信頼性に優れた導電性微粒子を得ようとする技術が種々提案されている。例えば、特許文献1〜3にはコア粒子を硬くシェル層を軟らかくした微粒子を核とする導電性微粒子が記載されており、特許文献4〜6にはコア粒子を軟らかくシェル層を硬くした微粒子を核とする導電性微粒子が記載されている。
特開2001−11503号公報 特開平08−193186号公報 特開2003−318502号公報 特開2006−156068号公報 特開2002−33022号公報 特開2001−35248号公報
ところで、近年、電子機器の高性能化がさらに進むにつれ、導電性微粒子に対する接続信頼性の要望もますます高まりつつある。しかし、特許文献1〜6に記載された導電性微粒子ではその要望に十分に応えられない場合があった。
そこで、本発明は、接続信頼性に優れた電気的接続を可能にする重合体微粒子と、これを用いた導電性微粒子ならびに異方性導電材料を提供しようとするものである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、特定の圧縮試験に供したときに2段階で破壊挙動を示す重合体微粒子であれば、優れた接続信頼性を得ることができることを見出した。つまり、予備的破壊挙動と本破壊挙動の2段階の破壊挙動を示す重合体微粒子の場合、予備的破壊挙動の開始直後から本破壊挙動が生じるまでの間の状態で接続されるようにすれば、予備的破壊挙動で潰された粒子の一部(コア・シェル構造であれば実質的にはシェア層に相当する部分)が接続部位に対する接触面積を向上させるとともに、潰れずに残存している粒子の一部(コア・シェル構造であれば実質的にはコア粒子に相当する部分)が接続部位に対する接触圧を高く維持する。したがって、予備的破壊挙動と本破壊挙動の2段階の破壊挙動を示す重合体微粒子であれば、接続部位に対する接触面積と接触圧の両方の観点から接続信頼性を向上させることができることになる。しかも、上述したように潰れず残存する粒子の一部が存在するとスペーサーに求められる十分な硬質性を発現することもできる。それ故に、かかる重合体微粒子は、それ自体を液晶表示素子用スペーサーとして、また重合体微粒子を核とする導電性微粒子を液晶表示素子用導通材料(導通スペーサー)や異方性導電材料用の導電性微粒子として利用することが可能になる。本発明はこれらの知見に基づき完成したものである。
すなわち、本発明に係る重合体微粒子は、重合体微粒子を荷重負荷速度0.2275gf/secで圧縮する圧縮試験において、重合体微粒子全体が破壊する本破壊挙動を示す前に、予め重合体微粒子の一部が破壊される予備的破壊挙動を示すことを特徴とする。
本発明の重合体微粒子は、コア粒子と該コア粒子の表面に設けられたシェル層とを有することが好ましい。
本発明の重合体微粒子において推奨される態様では、前記圧縮試験においてシェル層の破壊の後でコア粒子の破壊が観察される。好ましくは、前記圧縮試験における予備的破壊挙動の開始点での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をAとし、本破壊挙動の開始点での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をBとし、前記圧縮試験に供する前の重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をCとしたときに、接続領域率(%)=[(A−B)/C]×100で求められる接続領域率が1〜50%であるのがよい。
前記コア粒子と前記シェル層はともにビニル基含有モノマーの重合体であることが好ましい。前記コア粒子および前記シェル層を構成するビニル基含有モノマーはそれぞれ、1分子中にビニル基を含めて2個以上の重合性基を有する架橋性モノマーを少なくとも含んでおり、コア粒子を構成するビニル基含有モノマー中の架橋性モノマーの含有率をXc(質量%)、シェル層を構成するビニル基含有モノマー中の架橋性モノマーの含有率をXs(質量%)としたときに、Xc≧25、Xs≧20であることが好ましい。さらに、Xc>Xsであることが好ましい。前記コア粒子の10%K値をYc(kgf/mm)、前記シェル層の10%K値をYs(kgf/mm)としたときに、Yc≧800、Ys≧600であり、かつYc>Ysであることが好ましい。シェル層の厚みが0.05μm以上であることが好ましい。
本発明に係る導電性微粒子は、上記本発明の重合体微粒子と導電性金属層を有することを特徴とする。
本発明の導電性微粒子においては、表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有していることが好ましい。
本発明に係る異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子を含有してなる。
本発明によれば、導電性微粒子の核や液晶表示素子用スペーサーとして好適な重合体微粒子と、優れた接続信頼性で確実に電気的接続を行うことができる導電性微粒子ならびに該微粒子を含有する異方性導電材料とを提供できる。
さらに詳しくは、本発明の重合体微粒子は、重合体微粒子全体が本破壊する本破壊挙動を示す前に、重合体微粒子の一部が破壊される予備的破壊挙動を示すために、予備的破壊を起こさせるに必要な圧力を付加した場合、破壊される一部の塑性変形に基づき大きな接触面積を確保できるともに、破壊されない部分が示す復元力に基づく接触圧を有するものとなる。したがって、異方性導電材料など加圧により電気的接続を行う材料として、かかる重合体微粒子を核とする導電性微粒子を用い、所定圧力(予備的破壊挙動が開始する点での圧力以上、本破壊挙動が開始する点での圧力未満)で接続することにより、導電性微粒子と電極などの被接続媒体との大きな接触面積と高い接触圧を保持する、接続信頼性に優れた接続構造体を得ることができる。
さらに、本発明の重合体微粒子がコア粒子とその表面に設けられたシェル層とを有する構造である場合、シェル層の圧縮破壊強度を制御することにより、低圧接続でも上述の効果を発揮するものとなる。例えば表示パネルの大型化や表示パネルを構成する材料(ガラス基板など)の薄膜化を実現するには、低圧での信頼性の高い電気的接続が要求されるが、本発明の重合体微粒子はそのような場合に用いる異方性導電材料用の導電性微粒子として特に有用である。
実施例1の重合体微粒子を本発明に係る圧縮試験に供して得られた圧縮変位曲線を示すグラフである。 比較例1の重合体微粒子を本発明に係る圧縮試験に供して得られた圧縮変位曲線を示すグラフである。
(重合体微粒子)
本発明の重合体微粒子は、重合体微粒子を荷重負荷速度0.2275gf/secで圧縮する圧縮試験において、重合体微粒子全体が破壊する本破壊挙動を示す前に、予め重合体微粒子の一部が破壊される予備的破壊挙動を示すものである。好ましくは、本発明の重合体微粒子は、コア粒子と該コア粒子の表面に設けられたシェル層とを有するコア・シェル構造の粒子である。
以下、重合体微粒子を前記圧縮試験に供したときの破壊挙動に関して、圧縮変位曲線を示すグラフを参照しながら説明する。図1は本発明の重合体微粒子の圧縮変位曲線を示し、図2は従来の重合体微粒子の圧縮変位曲線を示している。圧縮変位曲線とは、粒子に一定速度で荷重を負荷して圧縮していったときの荷重(すなわち粒子の圧縮を開始してからその時点までの累積荷重)と粒子の変位量(すなわち元の粒子の圧縮方向の直径からその時点での粒子の圧縮方向の直径を差し引いた値)との関係をプロットしたものであり、かかる圧縮変位曲線から粒子の破壊挙動が判断できる。
すなわち、図1から、本発明の重合体微粒子を圧縮していくと、図1中aで示す第一弾性限界点(予備的破壊挙動の開始点;以下「a点」と称する)まではグラフの傾きは緩やかでほぼ一定であり、荷重を受けて粒子径が一定速度で徐々に縮んでいく(換言すれば、弾性変形していく)ことが判る。そして、a点を越えるとグラフはほぼ横ばいに推移し、図1中bで示す第二弾性変形開始点(以下「b点」と称する)に達するまで、荷重を殆ど負荷しなくても粒子の変位量が一気に上昇していくことが判る。かかるa点からb点までの状態が予備的破壊挙動(第一塑性変形とも言う)に該当する。この予備的破壊挙動(第一塑性変形)によって重合体微粒子の一部が破壊されるのである。例えば、コア・シェル構造であれば、予備的破壊挙動ではシェル層が破壊されるのが通常であり、その態様が好ましい。
次いで圧縮し続けると、図1に示すようにグラフはb点を越えた直後に立ち上がり、図1中cで示す第二弾性限界点(本破壊挙動の開始点;以下「c点」と称する)に達するまではほぼ一定の傾きを維持する(換言すれば、新たに弾性変形する)ことになる。このことから、b点からc点までの間は荷重を負荷しても粒子が変形し難くなっている状態であると言える。これは、予備的破壊挙動で潰された粒子の一部(コア・シェル構造であればシェル層)が変形を進みにくくしていると同時に、潰れずに残存している粒子の一部(コア・シェル構造であればコア粒子)が粒子径を確実に維持しているからであると考えられる。
本発明の重合体微粒子を基材粒子として得た導電性微粒子により電気的接続を行う場合、上述したa点(第一弾性限界点)からc点(第二弾性限界点)までの間、好ましくはb点(第二弾性変形開始点)からc点(第二弾性限界点)までの間の状態で接続するようにすれば、粒子の一部が潰されたことに基づき接続部位に対する接触面積が向上するとともに、粒子の一部が潰れずに残存していることに基づき接続部位に対する接触圧が高く維持され、その結果、接続部位に対する接触面積と接触圧の両方の観点から接続信頼性を向上させることができる。換言すれば、本発明の重合体微粒子は、第一の弾性変形を示した後、塑性変形を示し、第一の塑性変形域とその後の弾性変形域に粒子を圧縮することで広い接触面積と高い接触圧を両立できると言える。
次いで圧縮し続けると、図1のグラフは、c点を越えて殆ど横ばいに推移し、図1中dで示す破壊完了点(以下「d点」と称する)に達するまで、荷重を殆ど負荷しなくても粒子の変位量が一気に上昇していく状態となる。かかるc点(第二弾性限界点)からd点(破壊完了点)までの状態が本破壊挙動(第二塑性変形とも言う)に該当する。この本破壊挙動によって重合体微粒子の全部が破壊される。例えば、コア・シェル構造であれば、予備的破壊挙動で残存していたコア粒子がこの本破壊挙動で破壊される。d点に達すると、粒子は全壊してしまい、図1のグラフは急激に立ち上がる。
一方、従来の重合体微粒子を圧縮していくと、図2に示すように、図2中eで示す弾性限界点(以下「e点」と称する)まではグラフの傾きは緩やかでほぼ一定であり、荷重を受けて粒子径が一定速度で徐々に縮められる(換言すれば、弾性変形する)ことになり、e点を越えるとグラフは殆ど横ばいに推移し、図2中fで示す破壊完了点(以下「f点」と称する)に達するまで荷重を殆ど負荷しなくても粒子の変位量が一気に上昇していく状態となる。つまり、このe点(弾性限界点)からf点(破壊完了点)までの間に本破壊挙動が生じ、重合体微粒子が全壊する。全壊後は、図1と同様、図2のグラフも急激に立ち上がることになる。このように1回の破壊挙動で全壊してしまう粒子であると、導電性微粒子の基材粒子として用いた場合、得られる導電性微粒子による電気的接続は、本破壊挙動が生じるまで(図2における始点からe点までの間)の変位量の小さい状態で行わなければならない。これに対して、本発明の重合体微粒子のように2段階の破壊挙動を示す粒子は、上述したように予備的破壊挙動の開始直後から本破壊挙動が生じるまでの間(図1のa点からc点までの間)の状態で電気的に接続させるようにすれば、粒子の一部が潰されたことに基づき接続部位に対する接触面積が向上するとともに、粒子の一部が潰れずに残存していることに基づき接続部位に対する接触圧が高く維持され、その結果、接続部位に対する接触面積と接触圧の両方の観点から接続信頼性を向上させることができる。
本発明の重合体微粒子がコア・シェル構造である場合、上述したように本発明における予備的破壊挙動では通常シェル層が破壊され、本破壊挙動では通常残存したコア粒子が破壊される。したがって、本発明の重合体微粒子の好ましい態様では、前記圧縮試験においてシェル層の破壊の後でコア粒子の破壊が観察される。
なお、本発明において、前記圧縮試験は、例えば、ダイヤモンドからなる平板圧子を備えた微小圧縮試験機を用い、室温(25℃)において行えばよい。
本発明においては、前記圧縮試験における予備的破壊挙動の開始点(図1中のa点)での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をA(μm)とし、本破壊挙動の開始点(図1中のc点)での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をB(μm)とし、前記圧縮試験に供する前の重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をC(μm)としたときに、下記式で求められる接続領域率が1〜50%であることが好ましい。
接続領域率(%)=[(A−B)/C]×100
ここで接続領域とは、本発明の重合体微粒子を基材粒子として得た導電性微粒子により電気的接続を行う場合に、良好な接触面積および接触圧で接続できる領域を意味するものであり、接続領域率とは、元の重合体微粒子の粒子径に対して、接続領域の占める比率を示したものである。接続領域率が前記範囲よりも低いと、接続領域が狭すぎて電気的接続時にちょうど接続領域にある状態で接続させるのが難しくなる傾向がある。一方、接続領域率が前記範囲よりも高いと、電気的接続時に残存する部分(コア・シェル構造であればコア粒子)の径が相対的に小さくなるので好ましくない。接続領域率の下限は、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上であり、上限は、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下であるのがよい。
また、本発明においては、前記圧縮試験における予備的破壊挙動の開始点(図1中のa点)での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をA(μm)とし、前記圧縮試験に供する前の重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をC(μm)としたときに、下記式で求められる第一弾性限界率が45〜90%であることが好ましい。
第一弾性限界率(%)=(A/C)×100
ここで第一弾性限界率は、元の重合体微粒子の粒子径に対する、予備的破壊挙動開始時の重合体微粒子の粒子径の割合を百分率で示したものである。粒子の第一弾性限界率が上記範囲であると、ACF実装において良好な接続状態を達成できる。
上述したような2段階の破壊挙動を示す粒子は、例えばコア・シェル構造の粒子を構成する重合体のモノマー組成を適切に設定することにより得られる。以下、上述した2段階の破壊挙動を発現させ得るモノマー組成について詳述する。なお、2段階の破壊挙動を示す本発明の重合体微粒子は以下のモノマー組成のものに限定される訳ではなく、2段階の破壊挙動を発現させる手段もモノマー組成の設定には限定されない。
本発明においてコア粒子およびシェル層を構成する重合体のモノマー組成は、少なくともビニル基含有モノマーを含有する態様であるのがよい。換言すれば、コア粒子とシェル層はともにビニル基含有モノマーの重合体であるのがよい。より好ましくは、コア粒子およびシェル層を構成するビニル基含有モノマーはそれぞれ、1分子中にビニル基を含めて2個以上の重合性基を有する架橋性モノマー(以下「架橋性ビニル基含有モノマー」と称することもある)を少なくとも含んでいる態様がよい。コア粒子が架橋性ビニル基含有モノマーを含むモノマー成分で構成されていると、本発明の重合体微粒子を基材粒子として得た導電性微粒子が高い接触圧を示すようになる。またシェル層が架橋性ビニル基含有モノマーを含むモノマー成分で構成されていると、予備的破壊挙動に基づく塑性変形により、接続部位と大きな接触面積を保持できる導電性微粒子を得ることができる。勿論、コア粒子およびシェル層を構成するモノマー成分は、前記ビニル基含有モノマーとして1分子中に1個のビニル基を有するモノマー(以下「非架橋性ビニル基含有モノマー」と称することもある)を含んでいてもよいし、ビニル基を含有しない他のモノマーを含んでいてもよい。
なお、本発明において「ビニル基」とは(メタ)アクリロキシ基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような重合性炭素−炭素二重結合を有する置換基も含む意味である。
また、本発明において「重合性基」とは、他のモノマーと結合を形成しうる基であればよく、ビニル基のようなラジカル重合性基のほか、カルボン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基などのエステル結合やシロキサン結合を形成可能な縮合性反応基も包含する。ここで縮合性反応基は、炭素原子、珪素原子のいずれに結合していてもよいが、好ましくは珪素原子に結合しているのがよい。好ましい重合性基としては、ビニル基、珪素原子と結合したアルコキシ基又はヒドロキシ基が挙げられる。
前記ビニル基含有モノマーのうち架橋性ビニル基含有モノマーとしては、分子中に2個以上のビニル基を有するモノマー、もしくは分子中にビニル基を1個と縮合性反応基を1個以上有するモノマーが挙げられる。前者の例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート類;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコール系ジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;アリル(メタ)アクリレート等の不飽和基含有モノ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体などの芳香族炭化水素系架橋剤(好ましくはジビニルベンゼン等のスチレン系多官能モノマー);N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸などのヘテロ原子含有架橋剤;等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル系多官能モノマー、スチレン系多官能モノマーが好ましく、特に予備的破壊挙動における変位量が大きい粒子とするうえでは、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートやジビニルベンゼンのようにビニル基間に介在する炭素の数が少ないモノマーが好ましい。後者の例としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、1−ヘキセニルトリメトキシシラン、1−ヘキセニルトリエトキシシランなどのビニルアルコキシシラン系モノマー(特にビニルC1−2アルコキシシラン系モノマー)およびこれらの加水分解縮合物などのシラン系モノマー;等が挙げられる。これらの中でも、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびこれらの混合物を示すものとする。
前記ビニル基含有モノマーのうち非架橋性ビニル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸またはその塩、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、シクロへプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレートなどの芳香環含有(メタ)アクリレート類等の(メタ)アクリル系単官能モノマー;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどのアルキルスチレン類;p−メトキシスチレンなどのアルコキシスチレン類;p−フェニルスチレンなどの芳香環含有スチレン類;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレンなどのハロゲン基含有スチレン類;p−ヒドロキシスチレンなどのヒドロキシ基含有スチレン類等のスチレン系単官能モノマー;等が挙げられる。
コア粒子およびシェル層を構成する重合体のモノマー組成として、ビニル基を含有しないモノマーを含有する場合、併用するビニル基含有モノマーの種類に応じて選択された縮合性反応基を、好ましくは分子中に1個、より好ましくは2個以上有する化合物を用いるのがよい。例えば、ビニル基含有モノマーとしてビニルアルコキシシラン系モノマーを用いる場合、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラアルコキシシラン系モノマー、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン系モノマー、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン系モノマー、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシランなどのモノアルコキシシラン系モノマー、およびこれらの加水分解縮合物等のシラン系モノマーを用いることができる。
コア粒子とシェル層を構成する各モノマー成分のモノマー組成(モノマー種や含有量)は、2段階の破壊挙動を発現させるうえで、次のような相互関係にあることが好ましい。すなわち、コア粒子を構成するビニル基含有モノマー中の架橋性モノマー(架橋性ビニル基含有モノマー)の含有率をXc(質量%)、シェル層を構成するビニル基含有モノマー中の架橋性モノマー(架橋性ビニル基含有モノマー)の含有率をXs(質量%)としたときに、Xc≧25、Xs≧20であることが好ましい。さらに、Xc>Xsであることが好ましい。より好ましくはXc≧35、Xs≧30、さらに好ましくはXc≧55、Xs≧50であるのがよい。Xc>Xsであることにより、コア粒子がシェル層よりも高い架橋密度を示すことになり、それにより上述したような2段階の破壊挙動を発現させやすくなる。ただし、上述した2段階の破壊挙動を示すには、コア粒子とシェル層の架橋密度が相対的に所定の関係を満たしているだけでは不充分な場合があり、XcとXsがそれぞれ前記範囲を満足し、コア粒子とシェル層の両方が所定の架橋密度を有していることが好ましい。
なお、コア粒子を構成するモノマー成分がビニル基を含有しないモノマーを含む場合、コア粒子のモノマー成分全量に対してビニル基含有モノマー(架橋性ビニル基含有モノマー+非架橋性ビニル基含有モノマー)の含有割合は20質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上とするのがよい。他方、シェル層を構成するモノマー成分がビニル基を含有しないモノマーを含む場合、シェル層のモノマー成分全量に対してビニル基含有モノマー(架橋性ビニル基含有モノマー+非架橋性ビニル基含有モノマー)の含有割合を20質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上とするのがよい。
本発明の重合体微粒子を得る際には、破壊挙動をコントロールするためにモノマー量や架橋度などが調整されるが、重合方法としては従来公知の製造を適宜利用することができる。本発明の重合体微粒子がコア・シェル構造を有する粒子である場合、例えば、まず、コア粒子を構成するモノマー成分として重合反応に関与しない反応性置換基を持つモノマーを含むモノマー成分を用い、該モノマー成分を乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法、ゾルゲル法等により重合させることにより、各種反応性置換基(例えばアルコキシシリル基、シラノール基、ビニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基など)を有するコア粒子を作製する。次いで得られたコア粒子の存在下でシェル層を構成するモノマー成分を乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法、ゾルゲル法等により重合させることにより、コア粒子の反応性置換基とシェル層を構成するモノマー成分とを化学的に反応させればよい。
本発明の重合体微粒子を得る際には、コア粒子およびシェル層を構成するモノマー成分の重合をシード重合法で行うことが好ましい。具体的には、モノマー成分の一部を用いてシード粒子を製造するシード製造工程、得られたシード粒子にモノマー成分の残部を吸収させる吸収工程、およびモノマー成分を重合させる重合工程を経て、粒子を得る。なお、シェル層の場合、シード製造工程では、先に作成したコア粒子の存在下シェル層を構成するモノマー成分の一部を用いてシェル層シード部分を製造するようにすればよい。このように、まずモノマー成分の一部でシード粒子(シード部分)を形成し、次いでモノマー成分の残部を吸収させた後にモノマー成分を重合させる方法によれば、コア粒子およびシェル層の硬さを制御しやすく、2段階の破壊挙動を発現するコア・シェル粒子を容易に得ることができる。
以下、シード重合法によりコア・シェル構造を有する本発明の重合体微粒子を得る際の各工程について詳しく説明する。
まず、コア粒子を構成するモノマー成分を用いてコア粒子を形成する。
シード製造工程において用いるモノマー成分の一部としては、コア粒子を構成するモノマー成分のうち、架橋性ビニル基含有モノマーであるシラン系モノマーを用いることが好ましく、例えばそのようなシラン系モノマーを水を含む溶媒中で加水分解して縮合反応させてポリシロキサン粒子を得ることが好ましい。加水分解し、縮合させるにあたっては、触媒として、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物などの塩基性触媒を好ましく用いることができる。水を含む溶媒中には、水や触媒以外に有機溶剤を含有させてもよい。また、加水分解、縮合を行う際には、従来公知の乳化剤を併用することもできる。加水分解および縮合を行う際の加熱温度は、通常0℃以上100℃以下、好ましくは0℃以上70℃以下、より好ましくは5℃以上50℃以下とするのがよく、加熱時間は、通常1分以上100時間以下、好ましくは5分以上50時間以下、より好ましくは10分以上20時間以下とするのがよい。
吸収工程においてモノマー成分を吸収させる方法は、シード粒子(コア粒子のシード部分)の存在下にモノマー成分を存在させて吸収を進行させうる方法であればよい。例えば、シード粒子(コア粒子のシード部分)を分散させた溶媒中にモノマー成分を加えてもよいし、モノマー成分を含む溶媒中に前記シード粒子を加えてもよい。好ましくは、シード粒子(コア粒子のシード部分)を反応液から取り出すことなく、当該反応液にモノマー成分を加える方法が、工程が複雑にならず、生産性に優れる。この場合、モノマー成分の添加のタイミングは特に限定されず、該モノマー成分を一括で加えておいてもよいし、数回に分けて加えてもよいし、任意の速度でフィードしてもよい。また、モノマー成分を加えるにあたっては、モノマー成分のみで添加しても、モノマー成分の溶液を添加してもよいが、モノマー成分を予め従来公知の乳化剤で水または水性媒体に乳化分散させたモノマーエマルションを添加すると、吸収がより効率よく行われるため好ましい。モノマー成分の吸収は、例えば、0℃以上60℃以下の温度範囲で、5分間以上720分間以下、撹拌しながら行うのが好ましい。なお、吸収工程においてモノマー成分がシード粒子(コア粒子のシード部分)に吸収されたかどうかの判断については、例えば、単量体組成物を加える前および吸収工程終了後に、顕微鏡により粒子を観察し、モノマー成分の吸収により粒子径が大きくなっていることを確認することで容易に判断できる。
重合工程においては、例えば、重合開始剤を用いる重合方法、紫外線や放射線を照射する重合方法、熱を加える重合方法など、いずれも採用可能である。重合開始剤としては、例えば、過酸化物系開始剤やアゾ系開始剤など従来から重合に用いられる公知のものを使用することができる。重合開始剤の使用量は、モノマー成分の総質量100質量部に対して、0.001質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは0.01質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。重合温度は、40℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上であり、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下である。重合時間は用いる重合開始剤の種類に応じて適宜変更すればよいが、通常5分以上が好ましく、より好ましくは10分以上であり、600分以下が好ましく、より好ましくは300分以下である。
コア粒子を構成するモノマー成分を用いて上記シード製造工程、吸収工程および重合工程を行うことにより、コア粒子が分散した分散液が得られる。次いで、シェル層を形成するには、コア粒子を存在させること以外は、コア粒子の形成方法と同様に、シェル層を構成するモノマー成分を用いて上記シード製造工程、吸収工程および重合工程を行えばよい。
たとえば、コア粒子が分散した分散液に、シェル層を形成するためのモノマー成分の一部として架橋性ビニル基含有モノマーであるシラン系モノマーを添加し、加水分解、縮合反応させることにより、コア粒子表面に、ポリシロキサンからなるシェル層シード部分を形成させる。加水分解、縮合させる際に用いる触媒や温度条件などの好適な態様は、コア粒子シード部分の形成の場合と同様である。次に、コア粒子表面にポリシロキサンからなるシェル層シード部分が形成された粒子が分散含有される分散液に、モノマー成分を添加、混合することにより、モノマー成分をシェル層シード部分に吸収させた後、重合することによって、コア粒子表面にシェル層を形成することができる。モノマーを吸収させる際の好適な態様、重合させる際の好適な態様はコア粒子の形成の場合と同様である。
本発明の重合体微粒子がコア・シェル構造を有する粒子である場合、コア粒子の10%K値をYc(kgf/mm)、シェル層の10%K値をYs(kgf/mm)としたときに、Yc≧800、Ys≧600であり、かつYc>Ysであることが好ましい。好ましくはYc≧900、Ys≧700であるのがよい。Yc>Ysであることにより、コア粒子がシェル層よりも高硬度となり、それにより上述したような2段階の破壊挙動を発現させやすくなる。ただし、上述した2段階の破壊挙動を示すには、コア粒子とシェル層の硬度が相対的に所定の関係を満たしているだけでは不充分な場合があり、コア粒子とシェル層の両方がある程度高硬度であることが好ましく、その点でYcおよびYsの値は前記範囲であるのがよい。なお、コア粒子の10%K値およびシェル層の10%K値は、それぞれコア粒子およびシェル層を構成するモノマー成分と同じ組成からなる試料粒子を作成し、得られた各試料粒子についての10%K値を測定することで求めることができる。
本発明の重合体微粒子の10%K値は、700kgf/mm以上、2000kgf/mm以下であることが好ましい。重合体微粒子の10%K値が700kgf/mm未満であると、異方性導電材料中の導電性微粒子として用いた場合、周囲のバインダーを十分に排除できないといったことや、電極への食い込み具合が弱いといったことにより、低い接続抵抗値を得ることができない虞があり、一方、2000kgf/mmを超えると、電極への良好な接触状態が得られない虞がある。重合体微粒子の10%K値はさらに好ましくは、750kgf/mm以上、1500kgf/mm以下である。
本発明において10%K値は、例えば前記圧縮試験を行うのと同様の圧縮試験機を用い、粒子の中心方向へ荷重負荷速度0.2275gf/secで荷重をかけて、圧縮変位が粒子径の10%となるまで粒子を変形させたときの荷重と変位量(mm)を測定し、下記式に基づき求めることができる。なお、本発明では、異なる10個の粒子の10%K値を求め、それらの平均値を重合体微粒子の10%K値とする。また、本発明の重合体微粒子がコア・シェル構造を有する粒子である場合、シェル層の10%K値については、当該シェル層を構成するモノマー成分を用いてコア粒子の作製と同様の方法で10%K値測定用の試験粒子を作製し、得られた試験粒子を用いて測定した。
(ここで、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)
、R:粒子の半径(mm)である。)
本発明の重合体微粒子がコア・シェル構造を有する粒子である場合、コア粒子の直径は、特に制限されないが、異方性導電材料として利用するのであれば、個数平均粒子径で、0.4〜10μmが好ましく、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下、最も好ましくは2.0μm以下である。なお、個数平均粒子径は、具体的には、コールター原理を使用した精密粒度分布測定装置(例えば、ベックマンコールター(株)製「コールターマルチサイザーIII型」)により測定される個数基準の値とする。
本発明の重合体微粒子がコア・シェル構造を有する粒子である場合、シェル層の厚みは、変位量の大きい予備的破壊挙動を発現させるうえで、0.05μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上であるのがよい。また、シェル層の厚みの上限は特に制限されないが、通常1μm以下である。
本発明の重合体微粒子の粒子径は、個数平均粒子径で0.5〜12μmが好ましい。個数平均粒子径が0.5μmよりも小さいと、表面を導電性金属層で被覆して導電性微粒子とした際に粒子が凝集し易く、均一な導電性金属層を形成し難い場合がある。一方、粒子径が12μmを超えると、導電性微粒子としたときの適用用途が限られ、工業上の利用分野が少なくなる傾向がある。特に、異方性導電材料に用いる導電性微粒子の基材粒子として用いる場合には、個数平均粒子径は4.0μm以下であることがより好ましく、3.5μm以下であることがさらに好ましく、3.2μm以下であることが最も好ましく、一方、下限は1μm以上であることがより好ましい。被接続媒体のファインピッチ化や低ギャップ化に伴い、異方性導電材料中の導電性微粒子にも小粒子径が要求されることになり、導電性微粒子の基材粒子とする重合体微粒子についても前記範囲のように粒子径が小さいことが要求されるが、本発明の重合体微粒子は前記のように小粒子径であっても、接続部位に対して大きな接触面積と高い接触圧を達成できるので、特に有用となる。
なお、個数平均粒子径は、具体的には、コールター原理を使用した精密粒度分布測定装置(例えば、ベックマンコールター(株)製「コールターマルチサイザーIII型」)により測定される個数基準の値とする。
本発明の重合体微粒子の粒子径における変動係数(CV値)は、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは7%以下である。なお、粒子径の変動係数とは、コールター原理を使用した精密粒度分布測定装置により測定される重合体微粒子の平均粒子径と、重合体微粒子の粒子径の標準偏差とを下記式に当てはめて求められる値である。
重合体微粒子の変動係数(%)=100×粒子径の標準偏差/平均粒子径
本発明の重合体微粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状、まゆ状等のいずれでも良いが、球状が好ましく、特に真球状が好ましい。
(導電性微粒子)
本発明の導電性微粒子では、上記本発明の重合体微粒子(以下、基材粒子と称することもある)を核として、表面に導電性金属層が形成されている。
導電性金属層を構成する金属は、導電性を持つ化合物であればよく特に限定されない。例えば、ニッケル、パラジウム、金、銀、銅、白金、鉄、スズ、鉛、コバルト、チタン、ビスマス、亜鉛、アルミニウム、インジウムなどが挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀が導電性に優れており好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル−金、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金、ニッケル−銀などが好ましく挙げられる。
導電性金属層の厚みは、0.005〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.05μm以上、0.3μm以下であるのがよい。導電性金属層が薄すぎると、導電性微粒子を異方性導電材料として用いる際に安定した電気的接続を維持し難くなる傾向がある。一方、導電性金属層が厚すぎると、導電性微粒子の表面の硬度が高くなりすぎ、本発明の重合体微粒子の特徴である2段階破壊挙動に基づく上述の効果を十分に生かせないがおそれがある。
導電性微粒子の粒子径は、個数平均粒子径で0.7〜12μmが好ましい。特に、異方性導電材料に用いる場合には、個数平均粒子径は4.2μm以下であることがより好ましく、3.7μm以下であることがさらに好ましく、3.4μm以下であることが最も好ましく、一方、下限は1.2μm以上であることがより好ましい。導電性微粒子の個数平均粒子径が小さすぎると、粒子が凝集し易く、均一な導電性金属層を形成し難い場合があり、一方、大きすぎると、適用用途が限られ、工業上の利用分野が少なくなる傾向がある。
基材粒子の表面に導電性金属層を形成する方法は特に限定されず、従来公知の方法、例えば、無電解めっき法、電解めっき法等のめっきを施す方法;金属微粉を単独でもしくはバインダーに混ぜ合わせたペースト状で重合体微粒子にコーティングする方法;真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法;などを採用すればよい。これらの中でも特に無電解めっき法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
本発明の導電性微粒子においては、表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有していることが好ましい。このように表面である導電性金属層にさらに絶縁性樹脂層が積層されていると、高密度回路の形成時や端子接続時などに生じやすい横導通を防ぐことができる。
絶縁性樹脂層を構成する樹脂は、導電性微粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力および/または加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであればよく、特に限定されない。例えば、上述したビニル基含有モノマーからなる重合体および共重合体のほか、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート重合体および共重合体;ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、SBS型スチレン−ブタジエンブロック共重合体およびこれらの水添化合物等のブロックポリマー;ビニル系重合体および共重合体などの熱可塑性樹脂や特にその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、メチルセルロースなどの水溶性樹脂およびこれらの混合物;などが挙げられる。但し、基材粒子(重合体微粒子)に比べて絶縁性樹脂層が硬過ぎる場合には、絶縁性樹脂層の破壊よりも先に基材粒子自体が破壊してしまうおそれがあるので、絶縁性樹脂層にビニル基含有モノマーからなる重合体および共重合体を用いる場合は、未架橋または比較的架橋度の低い(共)重合体を用いることが好ましい。
絶縁性樹脂層は、単層であってもよいし複数の層からなるものであってもよい。例えば、単一又は複数の皮膜状の層が形成されていてもよいし、絶縁性を有する粒状、球状、塊状、鱗片状その他の形状の粒子を導電性金属層の表面に付着したものであってもよいし、さらには、導電性金属層の表面を化学修飾することにより形成されたものであってもよく、または、これらが組み合わされたものであってもよい。
絶縁性樹脂層の厚みは0.01〜1μmであるのが好ましい。より好ましくは0.1μm以上、0.5μm以下であるのがよい。絶縁性樹脂層の厚みが薄すぎると、電気絶縁性が不十分となり、一方、厚すぎると、導通特性が低下するおそれがある。
絶縁性樹脂層を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、無電解めっき工程後の導電性微粒子の存在下で、絶縁性樹脂層を構成する樹脂の原料のモノマーを界面重合、懸濁重合または乳化重合させ、絶縁性樹脂により導電性微粒子をマイクロカプセル化する方法;絶縁性樹脂を有機溶媒に溶解した絶縁性樹脂溶液中に導電性微粒子を分散させた後、乾燥させるディッピング法;スプレードライ法、ハイブリダイゼーションによる方法;などの従来公知の方法を採用することができる。
(異方性導電材料)
本発明の異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子を含有してなるものである。異方性導電材料としては、具体的には、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど、相対向する基材間や電極端子間に設けることで電気的な接続を可能にするものが挙げられる。また、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料は、導通スペーサーおよびその組成物などの液晶表示素子用導通材料も包含するものである。
異方性導電材料は、通常、絶縁性のバインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を分散させ所望の形態とすることで製造されるが、絶縁性のバインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用して、基材間あるいは電極端子間を接続してもかまわない。バインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの熱可塑性樹脂;グリシジル基を有するモノマーやオリゴマー、イソシアネートなどの硬化剤との反応により硬化する硬化性樹脂組成物、光や熱により硬化する硬化性樹脂組成物;などが挙げられる。
本発明の異方性導電材料を用いて接続部位間を電気的に接続する際の接続方法は特に制限されないが、接続時に付加する圧力は、異方性導電材料に含まれる本発明の重合体微粒子を上述した圧縮試験に供したときに予備的破壊挙動が開始する点での圧力以上、本破壊挙動が開始する点での圧力未満(すなわち、圧縮試験で得られた圧縮変位曲線において第一弾性限界点以上、第二弾性限界点未満の間となる荷重)に設定することが好ましく、より好ましくは、予備的破壊挙動が終了した点での圧力以上、本破壊挙動が開始する点での圧力未満(すなわち、圧縮試験で得られた圧縮変位曲線において第二弾性変形開始点以上、第二弾性限界点未満の間となる荷重)に設定するのがよい。これにより、導電性微粒子と電極などの被接続媒体との接触面積を大きくするとともに、導電性微粒子と被接続媒体の間の接触圧を高く保持することができる。したがって、本発明の異方性導電材料を用いるとともに上記特定範囲の圧力を付加して接続された接続構造体は、接続信頼性に優れたものとなる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する限り、本発明の範囲に含まれる。なお、以下においては、特に断らない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
(重合体微粒子の作製)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水840.0部と、25%アンモニア水12.0部、メタノール360.0部を入れ、攪拌下、滴下口から3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM503」)70.0部を添加して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを加水分解、縮合反応させて、ポリシロキサン粒子の乳濁液を調製した。
次いで、乳化剤としてのドデシル硫酸ナトリウム0.3部をイオン交換水49部に溶解した溶液に、ジビニルベンゼン(新日鐵化学製「DVB960」)49部と、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−70」)1.2部とを加え、2時間攪拌することにより乳化分散させて、モノマー成分の乳化液を調製した。得られた乳化液をポリシロキサン粒子の乳濁液中に添加して、さらに攪拌を行った。乳化液の添加から1時間後、混合液をサンプリングして顕微鏡で観察したところ、ポリシロキサン粒子がモノマー成分を吸収して肥大化していることが確認された。
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液6.0部を加え、窒素雰囲気下で65℃に昇温させて、65℃で2時間保持し、モノマー成分をラジカル重合させた。ラジカル重合後、得られた乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、次いでメタノールで洗浄した後、窒素雰囲気下にて280℃で1時間焼成し、コア粒子(1)を得た。このコア粒子(1)の粒子径を粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により測定したところ、個数平均粒子径は1.97μm、変動係数(CV値)は3.0%であった。コア粒子(1)を構成するビニル基含有モノマー中の架橋性モノマーの含有率Xcは100質量%である。
次に、冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、コア粒子(1)65.0部、メタノール650部、25%アンモニア水1.3部、イオン交換水1300部、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液3.3部を加え、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM503」)16.3部を滴下した。滴下終了後、2時間撹拌し、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により得られたポリシロキサン被覆粒子の粒子径を測定したところ、個数平均粒子径は2.10μmであった。
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液4.0部をイオン交換水163部に溶解した溶液に、スチレン48.8部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学製「DVB960」)113.8部、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)1.8部を加え、1時間攪拌することにより乳化分散させ、モノマー成分の乳化液を調製した。得られた乳化液を、ポリシロキサン被覆粒子の乳濁液中に添加して、さらに攪拌を行った。乳化液の添加から1時間後、混合液をサンプリングして顕微鏡で観察を行ったところ、ポリシロキサン被覆粒子がモノマー成分を吸収して肥大化していることが確認された。
次いで、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて、65℃で2時間保持し、モノマー成分のラジカル重合を行い、反応を終了させた。得られた乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、次いでメタノールで洗浄した後、窒素雰囲気下120℃で2時間真空乾燥し、コア粒子の表面にシェル層を有する重合体微粒子(1)を得た。重合体微粒子(1)のシェル層を構成するビニル基含有モノマー中の架橋性モノマーの含有率Xsは72.7質量%である。
得られた重合体微粒子(1)の粒子径を粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチナイザーIII型」)により測定したところ、個数平均粒子径は3.04μmであった。また、シェル層の厚みは、コア・シェル構造の重合体微粒子(1)とコア粒子の個数平均粒子径より算出すると、0.54μmであった。
また、この重合体微粒子(1)を構成するコア粒子の10%K値(Yc)とシェル層の10%K値(Ys)を以下の方法で調べた。すなわち、重合体微粒子(1)を構成するコア粒子およびシェル層と同じ組成で粒子径が3.0μmの粒子をそれぞれ作製し、これを試料粒子とし、島津微小圧縮試験機(島津製作所製「MCT-W500」)により室温(25℃)において試料台(材質:SKS平板)上に散布した試料粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(0.2275gf/秒)で荷重をかけて、粒子の破壊時の変位(μm)、荷重値(gf)、10%変位荷重値を測定した。その結果、Yc=1148kgf/mm、Ys=882kgf/mmであった。
重合体微粒子(1)を荷重負荷速度0.2275gf/secで圧縮する圧縮試験に供したところ、図1に示すように予備的破壊挙動と本破壊挙動の2段階の破壊挙動を示すものであることが確認できた。図1中、aは予備的破壊挙動の開始点であり、このときの変位量は0.89μm、荷重は0.30gfであった。このことより、予備的破壊挙動の開始点での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径Aは、圧縮試験に供する前の重合体微粒子(1)の個数平均粒子径(3.04μm)から当該変位量(0.89μm)を差し引いた値(2.15μm)となる。図1中、cは本破壊挙動の開始点であり、このときの変位量は1.74μm、荷重は0.79gfであった。このことより、本破壊挙動の開始点での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径Bは、圧縮試験に供する前の重合体微粒子(1)の個数平均粒子径(3.04μm)から当該変位量(1.74μm)を差し引いた値(1.30μm)となる。圧縮試験に供する前の重合体微粒子の圧縮方向の粒子径Cは3.04μmであるから、得られた重合体微粒子(1)の接続領域率は28%である。
(導電性微粒子の作製)
重合体微粒子(1)に水酸化ナトリウムによるエッチング処理を施した後、二塩化スズ溶液によるセンシタイジングを施し、次いで、二塩化パラジウム溶液によるアクチベーティングを行い、パラジウム核を形成させた。このようにしてパラジウム核を形成させた重合体微粒子(1)を無電解ニッケルメッキ浴に浸漬してニッケルメッキ層を形成させた後、金置換メッキを行い、その後、イオン交換水で洗浄、メタノール置換を行って、真空乾燥を行い、導電性微粒子(1)を得た。
得られた導電性微粒子(1)を用いて、異方性導電材料を作製し、初期抵抗値を評価した。すなわち、導電性微粒子(1)2.0部をエポキシ樹脂(三井化学製「ストラクトボンド(登録商標)XN−5A」)100.0部に混ぜて分散させ、導電性接着ペーストを作製した。この導電性接着ペースト0.01部をアルミニウム電極が形成された2枚のガラス基板で挟み、180℃で20秒間熱圧着して、試験片を作製した。得られた試験片の接続抵抗値(Ω)を四端子法により測定したところ、7.8Ωであった。
〔比較例1〕
実施例1で得られたコア粒子(1)をそのまま比較用の重合体微粒子(C1)とした。
この重合体微粒子(C1)を荷重負荷速度0.2275gf/secで圧縮する圧縮試験に供したところ、図2に示すように1回の破壊挙動によって重合体微粒子の全体が破壊されてしまった。なお、図2中、eは破壊挙動の開始点であり、このときの変位量は0.856μm、荷重は0.50gfであった。
この重合体微粒子(C1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性微粒子を作製し、この導電性微粒子(C1)を用いて実施例1と同じ方法で作製した導電性接着ペーストの初期抵抗値を、実施例1と同様に評価した。その結果、得られた試験片の接続抵抗値(Ω)は20.2Ωであった。

Claims (6)

  1. 重合体微粒子と導電性金属層を有する導電性微粒子であって、
    前記重合体微粒子は、コア粒子と該コア粒子の表面に設けられた厚み0.05μm以上のシェル層とを有するものであり、
    前記コア粒子はビニル基含有モノマーの重合体又はその焼成体であり、前記シェル層はビニル基含有モノマーの重合体であり、
    前記コア粒子および前記シェル層を構成するビニル基含有モノマーはそれぞれ、1分子中にビニル基を含めて2個以上の重合性基を有する架橋性モノマーを少なくとも含んでおり、コア粒子を構成するビニル基含有モノマー中の架橋性モノマーの含有率をXc(質量%)、シェル層を構成するビニル基含有モノマー中の架橋性モノマーの含有率をXs(質量%)としたときに、Xc≧25、Xs≧20であり、かつXc>Xsであり、
    前記重合体微粒子を荷重負荷速度0.2275gf/secで圧縮する圧縮試験において、重合体微粒子全体が破壊する本破壊挙動を示す前に、予め重合体微粒子の一部が破壊される予備的破壊挙動を示すことを特徴とする導電性微粒子。
  2. 前記圧縮試験においてシェル層の破壊の後でコア粒子の破壊が観察される、請求項1に記載の導電性微粒子。
  3. 前記圧縮試験における予備的破壊挙動の開始点での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をAとし、本破壊挙動の開始点での重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をBとし、前記圧縮試験に供する前の重合体微粒子の圧縮方向の粒子径をCとしたときに、下記式で求められる接続領域率が1〜50%である、請求項1または2に記載の導電性微粒子。
    接続領域率(%)=[(A−B)/C]×100
  4. 前記コア粒子の10%K値をYc(kgf/mm2)、前記シェル層の10%K値をYs(kgf/mm2)としたときに、Yc≧800、Ys≧600であり、かつYc>Ysである、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子。
  5. 表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性微粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の導電性微粒子を含有してなる異方性導電材料。
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