JP5653737B2 - 樹脂粒子およびこれを用いた絶縁化導電性粒子並びに異方性導電材料 - Google Patents

樹脂粒子およびこれを用いた絶縁化導電性粒子並びに異方性導電材料 Download PDF

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本発明は、例えば異方性導電フィルム(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)などの異方性導電材料として電気的接続に用いた際に良好な接続信頼性を発揮する絶縁化導電性粒子を与えうる絶縁用の樹脂粒子に関するものである。
従来、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのガラス基板やプリント配線基板に実装部品を電気的に接続する場合などに、異方性導電フィルム(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)などの異方性導電材料が使用されている。かかる異方性導電材料は、一般に導電性粒子をバインダー樹脂中に分散させてフィルム状やペースト状にすることにより得られ、その際用いられる導電性粒子としては、基材粒子の表面を導電性金属層で被覆した粒子や金属粒子などが汎用されていた。ところが近年、電子機器や電子部品の小型化などに伴い、接続対象となる接続端子のパターンが微細化して隣接する電極間が狭ピッチになり、本来は絶縁されるべき隣接する電極間に横方向の導通(いわゆる横導通)が生じ、これに起因して短絡(ショート)が起こるという問題が生じるようになった。
そこで、この問題を回避するべく、異方性導電材料に使用する導電性粒子の導電性金属層表面に絶縁層を設けることが提案されている。例えば、特許文献1には、導電性粒子の表面を、特定のゲル分率を有する絶縁性ゲル状樹脂からなる絶縁性樹脂層で被覆した絶縁被覆導電性粒子(絶縁化導電性粒子)が記載されている。また特許文献2には、表面が金属からなる粒子を絶縁粒子で被覆した絶縁被覆導電性粒子(絶縁化導電性粒子)であって、前記金属と前記絶縁粒子とが結合性を有する官能基を介して化学結合してなる粒子が記載されている。さらに特許文献3では、平均粒子径、アスペクト比、CV値が特定範囲である導電性微粒子の表面に、特定の厚さの絶縁性樹脂からなる被覆層が形成された絶縁被覆導電性粒子(絶縁化導電性粒子)が記載されている。
特開2001−195921号公報 国際公開第2003/025955号 特開2000−100249号公報
しかしながら、特許文献1〜3で開示された絶縁化導電性粒子では、異方性導電材料を作製するべくバインダー樹脂に分散させる際に、粒子同士が凝集しやすくなることがあった。このようにバインダー樹脂中での分散性が悪いと、結果として得られた異方性導電材料を用いて電気的接続を行った際に、やはり横導通が生じることがあった。
そこで、本発明は、異方性導電材料により電気的接続を行うにあたり、対向する電極間の導通は良好に保ちつつ横導通を確実に抑制することを目的とし、バインダー樹脂中での粒子の凝集を抑制して充分な分散性を発揮する絶縁化導電性粒子と、該絶縁化導電性粒子を得るための絶縁用の樹脂粒子とを提供することを課題とする。また本発明は、かかる絶縁化導電性粒子を用いて上記目的を達成しうる異方性導電材料を提供することも課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、絶縁化導電性粒子のバインダー樹脂中での凝集を抑制するために、絶縁化導電性粒子の表面に存在する絶縁用樹脂粒子の疎水性を高めることを着想し、特定の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)と架橋性単量体(B)とを所定の含有量で含む重合性成分を共重合させた疎水性の高いアクリル系架橋重合体からなる粒子を絶縁用の樹脂粒子として用いれば、得られた絶縁化導電性粒子同士の融着は抑制され、バインダー樹脂中で凝集することなく良好な分散性を発現することを見出した。加えて上述した樹脂粒子の疎水性は金属(導電性粒子)に対する密着性向上にも寄与し、絶縁化導電性粒子を得る際にも有利であることをも見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成したものである。
すなわち、本発明に係る樹脂粒子は、導電性粒子の表面に存在して該導電性粒子を絶縁するための樹脂粒子であって、炭素数4〜18のアルキル基を有する非架橋性(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)と重合性基を1分子中に2個以上有する架橋性単量体(B)とを含む重合性成分を共重合させたアクリル系架橋重合体を含み、前記架橋性単量体(B)の含有量が重合性成分中7質量%以上であることを特徴とする。前記非架橋性(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)の含有量は、重合性成分中20質量%以上であることが好ましい。また前記重合性成分は(メタ)アクリル酸メチルをも含み、その含有量が重合性成分中10質量%以上であることが好ましい。本発明の樹脂粒子の好ましい態様においては、平均粒子径が500nm以下であり、粒子径の変動係数が50%以下である。
本発明に係る絶縁化導電性粒子は、導電性粒子の表面の少なくとも一部に前記本発明の樹脂粒子が存在してなることを特徴とする。本発明の絶縁化導電性粒子の好ましい態様においては、前記導電性粒子の平均粒子径は11μm以下である。
本発明に係る異方性導電材料は、前記本発明にかかる絶縁化導電性粒子がバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする。
本発明によれば、所定の単量体から得られる樹脂粒子を用いて導電性粒子を絶縁するため、導電性粒子に対する充分な密着性を確保するとともに、得られる絶縁化導電性粒子のバインダー樹脂中での凝集を抑制して充分な分散性を発現させることができる。そして、このような絶縁化導電性粒子を用いて得られる異方性導電材料は、対向する電極間の導通は良好に保ちつつ横導通を確実に抑制することができる、という効果を奏する。
(樹脂粒子)
本発明の樹脂粒子は、導電性粒子を絶縁するために用いられるものであり、炭素数4〜18のアルキル基を有する非架橋性(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)と、重合性基を1分子中に2個以上有する架橋性単量体(B)とを必須とする重合性成分(すなわち重合性基を有する化合物)を重合させたアクリル系架橋重合体を含む。これにより樹脂粒子に高い疎水性を付与することができ、その結果、導電性粒子に対して良好な密着性を発現するとともに、絶縁化導電性粒子の凝集を抑制することができる。なお、本発明において「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とはアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルを意味する。
前記重合性成分は、前記炭素数4〜18のアルキル基を有する非架橋性(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)(以下「特定(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)」と称する)を含む。炭素数4〜18のアルキル基としては、炭素数4〜18の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基および環状アルキル基よりなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。これらのアルキル基が含まれていれば、樹脂粒子により高い疎水性を付与することができる。なお、非架橋性とは、1分子中にビニル基などの重合性基を1個のみ有することを意味する。
前記特定(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)において、前記炭素数4〜18の直鎖状アルキル基としては、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基が挙げられる。前記炭素数4〜18の分岐状アルキル基としては、t−ブチル基、イソブチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、イソへプチル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、イソウンデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル基などが挙げられる。また、前記炭素数4〜18の環状アルキル基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基、イソボルニル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
前記特定(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)の具体例としては、例えば、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどの直鎖状又は分岐状(メタ)アクリル酸アルキルエステル;ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸3−フェニルプロピル(メタ)アクリレートなどの如くアルキル基の水素原子の一部が芳香環で置換された構造の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、シクロへプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの環状(メタ)アクリル酸アルキルエステル;などが挙げられる。これらの中でも特に、炭素数4〜12、好ましくは炭素数4〜8である直鎖状又は分岐状(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、高い疎水性を付与できると同時に、粒子径の揃った樹脂粒子が得られる点で好適である。具体的には、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどが特に好ましいものとして挙げられる。なお、特定(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
前記特定(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)の含有量は、重合性成分中20質量%以上であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。重合性成分総量に対する特定(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有割合が多いほど、樹脂粒子の疎水性が高まり、導電性粒子に対する密着性の確保や絶縁化導電性粒子の凝集抑制がより容易になるので好ましい。ただし重合性成分総量に対する特定(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有割合があまりに多すぎると、樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)が低くなりすぎて樹脂粒子同士が融着する虞があるので、特定(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、重合性成分中93質量%以下であるのが好ましく、90質量%以下がさらに好ましく、80質量%以下が最も好ましい。
前記重合性成分は、前記重合性基を1分子中に2個以上有する架橋性単量体(B)(以下「架橋性単量体(B)」と称する)を含む。これにより、樹脂粒子の架橋度が増し絶縁用粒子として必要な硬さなどの特性を付与されるので導電性粒子の絶縁化が可能になるとともに、樹脂粒子同士が融着しにくくなり絶縁化導電性粒子の凝集を抑制しやすくなる。ここで架橋性単量体(B)が有する重合性基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基(アクリロイル基および/またはメタクリロイル基)が好ましく挙げられる。
前記架橋性単量体(B)の具体例としては、例えば、アリル(メタ)アクリレートなどのアリル(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの3官能以上の多官能(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体等の架橋性スチレン系単量体;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸、フタル酸ジアリル、シアン酸トリアリル等の架橋剤;ポリブタジエン、ポリイソプレン不飽和ポリエステルなどが挙げられる。なお、架橋性単量体(B)は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
前記架橋性単量体(B)の含有量は、重合性成分中7質量%以上である。好ましくは7.5質量%以上、より好ましくは8質量%以上である。架橋性単量体(B)の含有量が7質量%未満であると、導電性粒子に樹脂粒子を被覆してなる絶縁化導電性粒子をバインダー樹脂等の樹脂に分散させる際の機械的なシェアにより樹脂粒子が変形、融着する虞がある。さらに、前記機械的シェアにより樹脂粒子が変形しない場合であっても、導電接続構造体を形成する際の加熱加圧プロセスにおいて、樹脂粒子の変形量が大きくなり、十分な絶縁性が得られない虞がある。ただし重合性成分総量に対する架橋性単量体の含有割合があまりに多すぎると、導電性粒子に対する樹脂粒子の密着性が低下し、樹脂粒子が導電性粒子から脱落する傾向があり、その結果バインダー中での絶縁化導電性粒子の分散性が低下する虞がある。このため、架橋性単量体の含有量は、重合性成分中20質量%以下であるのが好ましく、18質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。
前記重合性成分において、前記特定(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)と前記架橋性単量体(B)との比率((A)/(B);質量比)は、13以下であるのが好ましく、より好ましくは12以下、さらに好ましくは10以下、一層好ましくは8以下であり、1以上であるのが好ましく、より好ましくは2以上、さらに好ましくは3以上である。前記(A)/(B)の値が前記範囲よりも大きいと、樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)が低くなりすぎて樹脂粒子同士が融着する虞がある。一方、前記(A)/(B)の値が前記範囲よりも小さいと、樹脂粒子の疎水性が不充分で、導電性粒子に対する密着性の確保や絶縁化導電性粒子の凝集抑制効果が不充分になる傾向がある。
前記重合性成分において、前記特定(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)と前記架橋性単量体(B)との合計量は、重合性成分中、27質量%以上であるのが好ましく、より好ましくは37.5質量%以上、さらに好ましくは48質量%以上である。特定(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)と架橋性単量体(B)の合計量が前記範囲であることにより、導電性粒子に対する密着性の確保や絶縁化導電性粒子の凝集抑制がより容易になる。
前記重合性成分は、必須とする前記(A)、(B)のほかに、1分子中に重合性基を1個有するその他の重合性単量体を含んでいてもよい。その他の重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの(メタ)アクリル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、イソプロペニルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フェニルアクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸またはそれらの半エステル化合物;ビニルトルエン;アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有単量体;などが挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルの如き炭素数3以下のアルキル基を有する非架橋性(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、その中でも特に、粒子径の揃った樹脂粒子を製造する上で、(メタ)アクリル酸メチルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。なお、その他の重合性単量体は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
前記重合性成分が上述したその他の重合性単量体をも含有する場合、それらの合計含有量は、必須とする前記(A)および前記(B)の合計量が前記範囲になるようにするのがよい。特に、(メタ)アクリル酸メチルを併用する場合には、その含有量は、重合性成分中10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、73質量%以下が好ましく、62.5質量%以下がより好ましく、52質量%以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂粒子の平均粒子径は、500nm以下であることが好ましい。より好ましくは350nm以下、さらに好ましくは250nm以下、特に好ましくは180nm以下である。導電性粒子の粒子径が小さいほど、そのままでは凝集し易くなるため、本発明の樹脂粒子を用いて凝集を抑制する必要性が高くなる。粒子径の小さい導電性粒子の表面に存在させるには、樹脂粒子の粒子径も前記範囲のように小さいことが好ましい。一方、樹脂粒子の平均粒子径があまりに小さすぎると、絶縁化導電性粒子として用いた場合に隣接する電極間の横導通の抑制が不十分となる虞があるので、樹脂粒子の平均粒子径は10nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましい。なお、本発明における樹脂粒子の平均粒子径は、動的光散乱法により測定される体積基準の粒度分布における平均粒子径(体積平均粒子径ともいう)を意味するものである。
本発明の樹脂粒子の粒子径における変動係数(CV値)は、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下、最も好ましくは20%以下である。なお、粒子径の変動係数とは、動的光散乱法により測定される体積平均粒子径と、体積基準の粒度分布における粒子径の標準偏差とを下記式に当てはめて求められる値である。
粒子径の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/体積平均粒子径)
本発明の樹脂粒子の体積平均粒子径は、絶縁対象とする導電性粒子の個数平均粒子径の0.005倍以上であるのが好ましく、より好ましくは0.01倍以上、さらに好ましくは0.03倍以上であり、絶縁対象とする導電性粒子の個数平均粒子径の0.3倍以下であるのが好ましく、より好ましくは0.1倍以下、さらに好ましくは0.08倍以下である。導電性粒子に対する樹脂粒子の大きさ(平均粒子径)が前記範囲であれば、効率よく凝集抑制効果を発揮できる。
本発明の樹脂粒子は、例えば、前記重合性成分(単量体組成物)を乳化重合することにより得ることができる。勿論、前記重合性成分の重合法は乳化重合法に限定されるものではないが、特に、後述する乳化重合法を採用することが、粒子径の小さい(具体的には1μm以下、好ましくは500nm以下)粒子が得られやすい点で好ましい。以下、重合性成分を重合する際の好ましい乳化重合の態様を説明する。
好ましい乳化重合の態様は、前記重合性成分を重合開始剤と界面活性剤(乳化剤)の存在下で乳化重合する重合工程と、該重合工程の後さらに界面活性剤を添加して熟成する熟成工程とを含む。乳化重合は、通常水性分散媒中で行う。
前記乳化重合に用いる重合開始剤としては、過酸化水素水と、アスコルビン酸、酒石酸およびソルビン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種類の還元剤とを組合せてなるレドックス系重合開始剤を用いることが好ましい。これにより、粒子径が小さく、かつ粒度分布の狭い粒子重合体を得ることができる。重合開始剤の添加方法としては、過酸化水素水と還元剤とをそれぞれ水溶液とした後、該水溶液を連続的もしくは断続的に反応容器内に添加してもよく、また、過酸化水素水の全量を反応容器内に前もって添加しておき還元剤を連続的に添加してもよい。
前記重合工程で使用される界面活性剤としては、アニオン系乳化剤が好ましい。これにより、粒子径が小さく、かつ粒度分布の狭い粒子重合体を得ることができる。アニオン系乳化剤としては、例えば、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられ、これらの中でも特に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。重合工程において用いる界面活性剤の量としては、重合性成分100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜7質量部がさらに好ましい。
前記重合工程における乳化重合は、公知の乳化重合法で行えばよく、例えばモノマー滴下法、プレエマルジョン法、一括仕込み重合法などを採用することができるが、粒度分布の狭い架橋粒子重合体を得るうえでは、モノマー滴下法を採用するのが好ましい。重合性成分、重合開始剤、界面活性剤の仕込み方法などは、特に制限はなく、適宜設定すればよいが、好ましくは、予め重合性成分全量の5質量%以上と重合開始剤の一部と界面活性剤とからなる重合用混合液を用いて乳化重合を開始した後、残りの重合性成分および重合開始剤を別々にあるいは混合して滴下するのがよい。前記重合工程における重合温度としては、30〜90℃が好ましい。重合時間は、重合性成分の仕込み量と反応液中の残存量とから求められる反応率に応じて適宜設定すればよいが、通常1〜12時間、好ましくは2〜8時間程度である。
前記熟成工程は、重合工程の後で、未反応の重合性成分を減少させたり、または、乳化重合で得られた粒子重合体を含む分散液を安定化させたりする目的で行われる。このとき界面活性剤を添加することにより、熟成時の架橋粒子重合体の凝集を防止することができる。熟成工程で使用される界面活性剤としては、前記重合工程で例示した界面活性剤(好ましくはアニオン系乳化剤)を用いることができ、特に好ましくは、重合工程で使用したものと同じ界面活性剤を使うことがよいが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのノニオン性界面活性剤を用いることも可能である。熟成工程で用いる界面活性剤の量としては、乳化重合で使用した重合性成分100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜7質量部がより好ましい。
前記熟成工程における熟成温度としては、50〜90℃が好ましく、70〜85℃がより好ましい。熟成温度を前記範囲内とすることにより、粒子の凝集を抑えながら、未反応の重合性成分の量を減少させることができる。熟成時間は、重合性成分の仕込み量と反応液中の残存量とから求められる反応率に応じて適宜設定すればよいが、通常1〜12時間、好ましくは2〜8時間程度である。
(絶縁化導電性粒子)
本発明の絶縁化導電性粒子は、導電性粒子の表面の少なくとも一部に前記本発明の樹脂粒子が存在してなるものである。このような絶縁化導電性粒子は、導電性粒子の表面に良好な密着性で変形し難い樹脂粒子が付着したものとなるので、異方性導電材料として電気的接続に供したときに対向する電極間の導通は良好に保ちつつ横導通を確実に抑制することができる。
まず、導電性粒子について説明する。
前記導電性粒子は、金属粒子であってもよく、基材粒子と該基材粒子表面の少なくとも一部を被覆する導電性金属層とから構成される複合粒子であってもよい。好ましくは後者の複合粒子であるのがよい。
前記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム、ニッケル−リン、ニッケル−ホウ素などの金属や金属化合物、および、これらの合金などからなる粒子が挙げられる。これらの中でも、導電性に優れ、工業的に安価である点で、金、銀、銅、ニッケルから選ばれる金属の粒子が好ましい。
前記金属粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状、まゆ状などのいずれでも良いが、球状が好ましく、特に真球状が好ましい。
前記複合粒子に用いる基材粒子としては、特に制限はなく、汎用されているものを用いることができる。基材粒子の材料としては、例えば、シリカなどの無機材料;シリコーン樹脂(ポリメチルシルセスキオキサン、ポリフェニルシルセスキオキサン)、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリブタジエンなど)、ビニル重合体樹脂((メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、(メタ)アクリル−スチレン樹脂など)、ポリスルホン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、メラミン−ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、尿素樹脂などの有機材料;無機質成分であるポリシロキサン(好ましくは、(メタ)アクリロキシ基含有シリコーン化合物を含む無機化合物原料を加水分解・縮合して得られるポリシロキサン)と有機質成分であるビニル系重合体とが任意の適切な形態(例えば、一方が他方に分散している形態、一方をコア粒子とし他方がシェル層であるコア・シェル形態、両者が分子レベルで複合または混合されている形態など)で複合したものである有機無機複合材料;などが挙げられる。これらの中でも、適度な弾性率や回復特性を有する点で、ビニル重合体樹脂((メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、(メタ)アクリル−スチレン樹脂など)、アミノ樹脂(メラミン樹脂、メラミン−ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、有機無機複合材料が好ましい。特に、有機無機複合材料としては、特開2003−183337号公報や特開平8−81561号公報などに記載されているものが好ましく用いられる。
前記複合粒子に用いる基材粒子の粒子径は、個数平均粒子径で0.5μm以上、10.0μm以下であることが好ましい。平均粒子径が小さすぎると、無電解めっきなどで導電性金属層を被覆する際に、粒子が凝集し易くなり、均一な導電性金属層を形成できない虞がある。一方、平均粒子径が大きすぎると、隣接する電極間の間隔が狭い場合には適用しにくいなど適用用途が限られて、工業上の利用分野が少なくなる傾向がある。基材粒子の平均粒子径は、より好ましくは1.0μm以上、5.0μm以下であり、さらに好ましくは1.2μm以上、3.0μm以下であり、最も好ましくは1.5μm以上、2.7μm以下である。
なお、個数平均粒子径は、具体的には、コールター原理を利用した精密粒度分布測定装置(例えば、ベックマンコールター(株)製「コールターマルチサイザーIII型」)により測定される個数基準の粒度分布における平均粒子径とする。
前記複合粒子に用いる基材粒子の粒子径における変動係数(CV値)は、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下、最も好ましくは4%以下である。なお、粒子径の変動係数とは、コールター原理を利用した精密粒度分布測定装置により測定される粒子の個数基準の粒度分布における、平均粒子径と粒子径の標準偏差とを下記式に当てはめて求められる値である。
粒子径の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/個数平均粒子径)
前記複合粒子に用いる基材粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状、まゆ状などのいずれでも良いが、球状が好ましく、特に真球状が好ましい。
前記導電性金属層を構成する金属は、導電性を持つ化合物であればよく特に限定されない。例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム、ニッケル−リン、ニッケル−ホウ素などの金属や金属化合物、および、これらの合金などが挙げられる。これらの中でも、導電性に優れる点で金、銀、銅、ニッケルおよびこれらの金属の合金が好ましく、さらに工業的に安価である点で、銀、銅、ニッケルおよびこれらの金属の合金が好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、銀、銅、ニッケルおよびこれらの金属の合金から選ばれる少なくとも1種の金属からなる層を内側の層(基材側)とし、外側がパラジウムまたは金からなる金属層で構成されることが好ましい。
前記導電性金属層の厚みは、特に制限されないが、好ましくは10〜500nm、より好ましくは20〜400nm、さらに好ましくは50〜300nmである。導電性金属層の厚みが10nm未満であると、絶縁化導電性粒子としたときに安定した電気的接続を発現し難くなるおそれがある。導電性金属層の厚みが500nmを超えると、導電性粒子としたときの表面の硬度が高くなりすぎ、回復率などの機械的特性が低下するおそれがある。
前記複合粒子における導電性金属層は、基材粒子表面の少なくとも一部を被覆していればよいが、導電性金属層の表面には、実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面が存在しないことが好ましい。ここで、「実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面」とは、電子顕微鏡(倍率2000倍)を用いて任意の10000個の導電性粒子の表面を観察したときに、導電性金属層の割れまたは基材粒子表面の露出が認められる割合が全体の5%以下であることを意味する。
前記基材粒子の表面に導電性金属層を被覆する方法は、特に限定されず、従来公知の方法、例えば、無電解めっき法、電解めっき法などのめっきを施す方法;金属微粉を単独でもしくはバインダーに混ぜ合わせたペースト状で基材粒子にコーティングする方法;真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリングなどの物理的蒸着方法;などを採用すればよい。これらの中でも特に無電解めっき法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
前記無電解めっき法では、まず基材粒子の表面に、次に行う無電解めっき処理の基点となる触媒層を形成する。触媒層を形成する方法としては、例えば、二塩化パラジウムと二塩化スズとを含む溶液を触媒化試薬とし、これに基材粒子を浸漬することにより基材粒子表面に触媒金属を吸着させ、その後、硫酸や塩酸などの酸や水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液で前記パラジウムイオンを還元することにより、基材粒子表面にパラジウムを析出させる方法(キャタリスト−アクセレレーション法)や、基材粒子を二塩化スズと接触させることによりスズイオンを基材粒子表面に吸着させた後、二塩化パラジウム溶液に浸漬させることにより、基材粒子表面にパラジウムを析出させる方法(センシタイジング−アクチベーション法)などが挙げられる。
前記無電解めっき法では、続いて、触媒層を形成した基材粒子表面に、無電解めっき処理を施して導電性金属層を形成する。無電解めっき処理は、還元剤と所望の導電性金属塩を溶解しためっき液中に触媒層を形成した基材粒子を浸漬することにより、触媒を起点として、めっき液中の金属イオンを還元剤で還元し、基材粒子表面に所望の金属を析出させて、導電性金属層を形成するものである。無電解めっき液に含有させる導電性金属塩としては、導電性金属層を構成する金属として先に例示した金属の塩化物、硫酸塩、酢酸塩などが挙げられる。
前記無電解めっき処理は、必要に応じて繰返し行ってもよい。例えば金属種の異なる無電解めっき液を用いて無電解めっき処理を繰返すことにより、基材粒子の表面に異種金属を幾層にも被覆できる。具体的には、基材粒子にニッケルめっきを施してニッケル被覆粒子を得た後、該ニッケル被覆粒子をさらに無電解金めっき液に投入して金置換めっきを行うことにより、最外層が金層で覆われ、その内側にニッケル層を有する導電性粒子が得られる。
以上のようにして得られた導電性粒子の平均粒子径は、11μm以下であることが好ましく、より好ましくは6.0μm以下であり、さらに好ましくは4.0μm以下であり、特に好ましくは2.8μm以下である。上述したように導電性粒子の粒子径が前記範囲の如く小さいほど、そのままでは凝集し易くなるため、本発明の樹脂粒子を用いて凝集を抑制する必要性が高まる。導電性粒子の平均粒子径は、好ましくは1.1μm以上、より好ましくは1.3μm以上、さらに好ましくは1.6μm以上である。
なお、本発明における導電性粒子の平均粒子径は、フロー式粒子像解析装置(例えば、シスメックス社製「FPIA−3000」)により測定される個数基準の粒度分布における平均粒子径(個数平均粒子径ともいう)を意味するものである。
導電性粒子の表面に上述した本発明の樹脂粒子を固定する方法としては、従来公知の被覆方法を採用することができる。例えば、無電解めっき処理後の導電性粒子と本発明の樹脂粒子とを有機溶媒あるいは水性媒体などの液体中に分散させた後、スプレードライを行う方法;有機溶媒あるいは水性媒体などの液体中で導電性粒子の表面に樹脂粒子を付着させた後、導電性粒子と樹脂粒子を化学結合させる方法;導電性粒子の粉体と樹脂粒子の粉体の共存下で高速撹拌機による撹拌やハイブリダイゼーション処理を行う方法;などが挙げられる。
樹脂粒子は導電性粒子の表面の少なくとも一部に存在していればよく、導電性粒子の全表面に占める樹脂粒子の存在比率(換言すれば、樹脂粒子による導電性粒子の被覆率)は、好ましくは1%以上70%以下、より好ましくは5%以上60%以下、さらに好ましくは10%以上50%以下である。樹脂粒子による導電性粒子の被覆率が前記範囲であることにより、充分な導通性を確保しつつ、隣接する絶縁化導電性粒子間を確実に絶縁することができる。なお、上記被覆率は、例えば電子顕微鏡(倍率5000倍)を用いて任意の100個の絶縁化導電性粒子の表面を観察したときに、絶縁化導電性粒子の正投影面における樹脂粒子の被覆されている部分と樹脂粒子の被覆されていない部分の面積比率を測定することにより評価できる。
(異方性導電材料)
本発明の異方性導電材料は、前記本発明の絶縁化導電性粒子がバインダー樹脂に分散してなるものである。異方性導電材料の形態としては、特に制限されないが、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど、相対向する基材間や電極端子間に設けることで電気的な接続を可能にするものが挙げられる。また、本発明の異方性導電材料には、導通スペーサーおよびその組成物などの液晶表示素子用導通材料も包含される。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、従来公知のバインダー樹脂を用いることができる。例えば、(メタ)アクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの熱可塑性樹脂;グリシジル基を有するモノマーやオリゴマー及びイソシアネートなどの硬化剤との反応により得られる硬化性樹脂組成物などの光や熱による硬化性樹脂組成物;などが挙げられる。
異方性導電フィルムは、例えば、本発明の絶縁化導電性粒子とバインダー樹脂などを含むフィルム形成用組成物に溶媒を加えて液状にし、この液をポリエチレンテレフタレート製などのフィルム上に塗布した後、溶媒を蒸発させることにより得ることができる。得られた異方性導電フィルムは、例えば、電極上に配置され、この異方性導電フィルム上に対向電極を重ね合わせ、加熱圧縮することにより電極間の接続に使用される。
異方性導電ペーストは、例えば、本発明の絶縁化導電性粒子とバインダー樹脂などを含む樹脂組成物をペースト状にすることにより得られる。得られた異方性導電ペーストは、例えば、適当なディスペンサーに入れられ、接続すべき電極上に所望の厚さで塗工され、塗工された異方性導電ペースト上に対向電極を重ね合わせ、加熱しながら加圧して樹脂を硬化させることにより、電極間の接続に使用される。
異方性導電接着剤は、例えば、本発明の絶縁化導電性粒子とバインダー樹脂などを含む樹脂組成物を所望の粘度に調整することにより得られる。得られた異方性導電接着剤は、異方性導電ペーストと同様、電極上に所望の厚さで塗工した後、対向電極を重ね合わせ、両者を接着することにより電極間の接続に使用される。
異方性導電インクは、例えば、本発明の絶縁化導電性粒子とバインダー樹脂などを含む樹脂組成物に溶媒を加えて印刷に適した粘度に調整することにより得られる。得られた異方性導電インクは、例えば、接着すべき電極上にスクリーン印刷し、溶媒を蒸発させた後、異方性導電インクによる印刷面に対向電極を重ね合わせ、加熱圧縮することにより電極間の接続に使用される。
本発明の異方性導電材料において、本発明の絶縁化導電性粒子の含有量は、用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、異方導電性材料の全量に対して2〜70体積%が好ましい。より好ましくは5体積%以上、さらに好ましくは10体積%以上であり、より好ましくは50体積%以下、さらに好ましくは40体積%以下である。絶縁化導電性粒子の含有量が少なすぎると、充分な電気的導通が得られ難い場合があり、一方、絶縁化導電性粒子の含有量が多すぎると、粒子同士が接触してしまい、異方性導電材料としての機能が発揮され難い場合がある。
本発明の異方性導電材料におけるフィルム膜厚、ペーストや接着剤の塗工膜厚、印刷膜厚などについては、使用する本発明の絶縁化導電性粒子の粒子径と、接続すべき電極の仕様とを考慮し、接続すべき電極間に絶縁化導電性粒子が狭持され、且つ接続すべき電極が形成された接合基板同士の空隙がバインダー樹脂層により充分に満たされるように、適宜設定することが好ましい。
本発明の異方性導電材料を用いて接続部位間を電気的に接続する際の接続方法は、特に制限されない。例えば、接続時の温度は、好ましくは190℃以下、より好ましくは170℃以下、さらに好ましくは150℃以下であり、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上である。接続時の圧力は、通常1〜100MPaである。接続時間(熱および圧を付加する時間)は、温度や圧力に応じて適宜設定すればよいが、通常10秒〜3600秒である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を意味する。
以下の実施例、比較例において得られた樹脂粒子の各種物性は下記の方法で測定した。
<平均粒子径・変動係数(CV値)>
樹脂粒子が分散した分散液について、動的光散乱粒度分布測定装置(ピーエスエスジャパン社製「NICOMP380」)による測定を行い、体積平均粒子径を求めるとともに、下記式に従って粒子径の変動係数(CV値)を算出した。
粒子径の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/体積平均粒子径)
(実施例1)
[樹脂粒子の作製]
攪拌機、温度計および冷却機を備えたステンレス製の反応釜に、脱イオン水820部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部(有効成分60質量%;以下「DBSNa」と称する)を加え、内温を75℃まで昇温し、同温度に保った。
他方、上記反応釜とは異なる容器で、メチルメタクリレート(以下「MMA」と称する)90部と、ブチルアクリレート(以下「BA」と称する)90部と、ジビニルベンゼン(商品名「DVB−810」(新日鐵化学株式会社製)、ジビニルベンゼン含有量81質量%、以下「DVB−810」と称する)20部とを混合して、重合性成分(単量体組成物;架橋性単量体(B)の含有量は重合性成分中8.1質量%)200部を調製した。
上記反応釜内を窒素ガスで置換した後、上記重合性成分20部(重合性成分総量の10質量%)、0.4質量%過酸化水素水50部、および0.4質量%L−アスコルビン酸水溶液50部を上記反応釜内に添加して、初期重合反応を行った。
次いで、上記重合性成分の残部(重合性成分総量の90質量%)180部、0.4質量%過酸化水素水450部、および0.4質量%L−アスコルビン酸水溶液450部を、各々異なる投入口より反応釜へ6時間かけて均一に滴下した。その後、内温を90℃まで昇温し、同温度で6時間保持して熟成した後、反応溶液を冷却して、樹脂粒子(1)が分散した樹脂粒子分散液(1)を得た。樹脂粒子(1)の各種物性(平均粒子径および変動係数(CV値))は表1に示すとおりであった。
[導電性粒子の作製]
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、界面活性剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)2部を脱イオン水に溶解した水溶液150部を仕込んだ。次いで、予め調整しておいた「DVB−810」45部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート50部およびメタクリル酸5部からなる混合物と、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)2部とを添加し、乳化分散させて、懸濁液を調製した。得られた懸濁液に、さらに脱イオン水250部を加え、窒素雰囲気下で65℃まで昇温させて、同温度で2時間保持して、ラジカル重合を行った。
次に、ラジカル重合で得られた乳濁液を固液分離し、得られたケーキを脱イオン水で洗浄し、続いてメタノールで洗浄し、さらに分級操作を行った後、窒素雰囲気下120℃で2時間真空乾燥して、ビニル重合体粒子を得た。この重合体粒子の粒子径を粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により測定したところ、個数平均粒子径は2.5μm、変動係数は3.9%であった。
上記重合体粒子を基材粒子として、該基材粒子に二塩化スズ(SnCl)溶液によるセンシタイジングを施し、続いて二塩化パラジウム(PdCl)溶液によるアクチベーションを行い、基材粒子表面にPd核を形成した。このようにしてPd核を形成した粒子を無電解ニッケルめっき浴に浸漬することにより粒子表面にNiめっきを施し、次いで、得られた粒子のニッケル層表面にさらに置換めっきにより金めっきを施して、金属層の膜厚が0.1μmであり、個数平均粒子径が2.7μmである導電性粒子(1)を得た。
なお、本明細書の実施例において、導電性粒子の個数平均粒子径、金属層の膜厚は、以下のようにして測定し算出した。
導電性粒子の個数平均粒子径:フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA−3000」)により測定し、個数基準の平均粒子径を導電性粒子の個数平均粒子径とした。
金属層の膜厚:基材粒子に用いる重合体粒子の個数平均粒子径を上述のフロー式粒子像解析装置により測定し、得られた個数平均粒子径と上述の測定により得られた導電性粒子の個数平均粒子径との差分の1/2を金属層の膜厚とした。
[絶縁化導電性粒子の作製]
樹脂粒子分散液(1)を、粒子濃度が5.0質量%になるように脱イオン水で希釈した。得られた樹脂粒子分散液100部に導電性粒子(1)50部を加え、均一に分散させた後、エバポレーターで水を留去して、導電性粒子の表面を樹脂粒子で被覆した絶縁化導電性粒子(1)を得た。
[異方性導電材料の作製]
絶縁化導電性粒子(1)20部、バインダー樹脂としてエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「YL980」)65部、エポキシ硬化剤(旭化成社製「ノバキュア(登録商標)HX3941HP」)35部、および1mmφのジルコニアビーズ200部を混合し、10分間ビーズミル分散を行い、異方性導電材料として異方性導電接着剤(1)を得た。
得られた異方性導電接着剤を用いて導電接続構造体を作製し、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
導電接続構造体の作製は、まず、離型フィルム(シリコーン樹脂またはフッ素樹脂により片面に離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム)の離型処理面に、乾燥厚みが25μmとなるように異方性導電接着剤を塗布することにより接着層を形成して、離型フィルムの片面に接着剤層を備えた異方性導電シートを作製した。
次に、得られた異方性導電シートから離型フィルムを剥がし、接着剤層のみを、150μm幅のパターンを有するITO透明電極膜が内面に形成された2枚のITO付きガラス基板の間に挟み、5MPa、185℃で15秒間加熱加圧して、導電接続構造体を得た。
<絶縁化導電性粒子の分散状態>
導電接続構造体を片面側から顕微鏡により観察し、隣接する電極間に挟まれた絶縁化導電性粒子の分散状態を顕微鏡により観察し、下記の基準に従い判定した。
○:個々の絶縁化導電性粒子が均一に分散しており、5個以上の絶縁化導電性粒子が連結した凝集体が認められない。
×:5個以上の絶縁化導電性粒子が連結した凝集体が認められる。
<導通性>
導電接続構造体を測定試料として、対向する電極間の導通抵抗を四端子法により測定した。n=50で測定を行い、抵抗値が20Ω以下となった割合(%)を求めた。
<絶縁性>
導電接続構造体を測定試料として、隣接する電極間の絶縁抵抗を四端子法により測定した。n=50で測定を行い、抵抗値が1000MΩ以上となった割合(%)を求めた。
(実施例2)
実施例1の[導電性粒子の作製]において、界面活性剤として用いたポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の使用量を2部から5部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、重合体粒子を得た。この重合体粒子の粒子径を粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により測定したところ、個数平均粒子径は1.8μm、変動係数は4.2%であった。この重合体粒子を基材粒子として用いたこと以外は実施例1と同様にして、金属層の膜厚が0.1μmであり、個数平均粒子径が2.0μmである導電性粒子(2)を得た。
次いで、実施例1の[絶縁化導電性粒子の作製]において、導電性粒子(1)に代えて導電性粒子(2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして絶縁化導電性粒子(2)を得、さらに実施例1の[異方性導電材料の作製]において、絶縁化導電性粒子(1)に代えて絶縁化導電性粒子(2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして異方性導電接着剤(2)を得た。
得られた異方性導電接着剤について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1の[樹脂粒子の作製]において、重合性成分(単量体組成物)を調製するにあたり、MMA135部とBA45部と「DVB−810」20部とを混合したこと以外は実施例1と同様にして(このとき、架橋性単量体(B)の含有量は重合性成分中8.1質量%)、樹脂粒子(3)が分散した樹脂粒子分散液(3)を得た。樹脂粒子(3)の各種物性は表1に示すとおりであった。
次いで、実施例1の[絶縁化導電性粒子の作製]において、樹脂粒子分散液(1)に代えて樹脂粒子分散液(3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして絶縁化導電性粒子(3)を得、さらに実施例1の[異方性導電材料の作製]において、絶縁化導電性粒子(1)に代えて絶縁化導電性粒子(3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして異方性導電接着剤(3)を得た。
得られた異方性導電接着剤について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1の[樹脂粒子の作製]において、重合性成分(単量体組成物)を調製するにあたり、MMA90部とラウリルメタクリレート90部と「DVB−810」20部とを混合したこと以外は実施例1と同様にして(このとき、架橋性単量体(B)の含有量は重合性成分中8.1質量%)、樹脂粒子(4)が分散した樹脂粒子分散液(4)を得た。樹脂粒子(4)の各種物性は表1に示すとおりであった。
次いで、実施例1の[絶縁化導電性粒子の作製]において、樹脂粒子分散液(1)に代えて樹脂粒子分散液(4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして絶縁化導電性粒子(4)を得、さらに実施例1の[異方性導電材料の作製]において、絶縁化導電性粒子(1)に代えて絶縁化導電性粒子(4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして異方性導電接着剤(4)を得た。
得られた異方性導電接着剤について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1の[樹脂粒子の作製]において、重合性成分(単量体組成物)を調製するにあたり、MMA90部と2−エチルヘキシルアクリレート90部と「DVB−810」20部とを混合したこと以外は実施例1と同様にして(このとき、架橋性単量体(B)の含有量は重合性成分中8.1質量%)、樹脂粒子(5)が分散した樹脂粒子分散液(5)を得た。樹脂粒子(5)の各種物性は表1に示すとおりであった。
次いで、実施例1の[絶縁化導電性粒子の作製]において、樹脂粒子分散液(1)に代えて樹脂粒子分散液(5)を用いたこと以外は実施例1と同様にして絶縁化導電性粒子(5)を得、さらに実施例1の[異方性導電材料の作製]において、絶縁化導電性粒子(1)に代えて絶縁化導電性粒子(5)を用いたこと以外は実施例1と同様にして異方性導電接着剤(5)を得た。
得られた異方性導電接着剤について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1の[樹脂粒子の作製]において、重合性成分(単量体組成物)を調製するにあたり、MMA92部とBA90部と「DVB−810」18部とを混合したこと以外は実施例1と同様にして(このとき、架橋性単量体(B)の含有量は重合性成分中7.3質量%)、樹脂粒子(6)が分散した樹脂粒子分散液(6)を得た。樹脂粒子(6)の各種物性は表1に示すとおりであった。
次いで、実施例1の[絶縁化導電性粒子の作製]において、樹脂粒子分散液(1)に代えて樹脂粒子分散液(6)を用いたこと以外は実施例1と同様にして絶縁化導電性粒子(5)を得、さらに実施例1の[異方性導電材料の作製]において、絶縁化導電性粒子(1)に代えて絶縁化導電性粒子(6)を用いたこと以外は実施例1と同様にして異方性導電接着剤(6)を得た。
得られた異方性導電接着剤について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1の[樹脂粒子の作製]において、重合性成分(単量体組成物)を調製するにあたり、MMA60部とアクリル酸ブチル90部と「DVB−810」50部とを混合したこと以外は実施例1と同様にして(このとき、架橋性単量体(B)の含有量は重合性成分中20.3質量%)、樹脂粒子(7)が分散した樹脂粒子分散液(7)を得た。樹脂粒子(7)の各種物性は表1に示すとおりであった。
次いで、実施例1の[絶縁化導電性粒子の作製]において、樹脂粒子分散液(1)に代えて樹脂粒子分散液(7)を用いたこと以外は実施例1と同様にして絶縁化導電性粒子(7)を得、さらに実施例1の[異方性導電材料の作製]において、絶縁化導電性粒子(1)に代えて絶縁化導電性粒子(7)を用いたこと以外は実施例1と同様にして異方性導電接着剤(7)を得た。
得られた異方性導電接着剤について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の[樹脂粒子の作製]において、重合性成分(単量体組成物)を調製するにあたり、MMA180部と「DVB−810」20部とを混合したこと以外は実施例1と同様にして(このとき、架橋性単量体(B)の含有量は重合性成分中8.1質量%)、比較用の樹脂粒子(C1)が分散した樹脂粒子分散液(C1)を得た。樹脂粒子(C1)の各種物性は表1に示すとおりであった。
次いで、実施例1の[絶縁化導電性粒子の作製]において、樹脂粒子分散液(1)に代えて樹脂粒子分散液(C1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして絶縁化導電性粒子(C1)を得、さらに実施例1の[異方性導電材料の作製]において、絶縁化導電性粒子(1)に代えて絶縁化導電性粒子(C1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして異方性導電接着剤(C1)を得た。
得られた異方性導電接着剤について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1の[樹脂粒子の作製]において、重合性成分(単量体組成物)を調製するにあたり、MMA180部とポリエチレングリコールジアクリレート20部とを混合したこと以外は実施例1と同様にして(このとき、架橋性単量体(B)の含有量は重合性成分中0質量%)、比較用の樹脂粒子(C2)が分散した樹脂粒子分散液(C2)を得た。樹脂粒子(C2)の各種物性は表1に示すとおりであった。
次いで、実施例1の[絶縁化導電性粒子の作製]において、樹脂粒子分散液(1)に代えて樹脂粒子分散液(C2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして絶縁化導電性粒子(C2)を得、さらに実施例1の[異方性導電材料の作製]において、絶縁化導電性粒子(1)に代えて絶縁化導電性粒子(C2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして異方性導電接着剤(C2)を得た。
得られた異方性導電接着剤について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1の[樹脂粒子の作製]において、重合性成分(単量体組成物)を調製するにあたり、MMA95部とBA90部と「DVB−810」15部とを混合したこと以外は実施例1と同様にして(このとき、架橋性単量体(B)の含有量は重合性成分中6.1質量%)、比較用の樹脂粒子(C3)が分散した樹脂粒子分散液(C3)を得た。樹脂粒子(C3)の各種物性は表1に示すとおりであった。
次いで、実施例1の[絶縁化導電性粒子の作製]において、樹脂粒子分散液(1)に代えて樹脂粒子分散液(C3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして絶縁化導電性粒子(C3)を得、さらに実施例1の[異方性導電材料の作製]において、絶縁化導電性粒子(1)に代えて絶縁化導電性粒子(C3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして異方性導電接着剤(C3)を得た。
得られた異方性導電接着剤について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005653737
表1から、所定の重合性成分で構成された共重合物からなる本発明の樹脂粒子で絶縁化した実施例1〜7の絶縁化導電性粒子は、導電接続構造体中で凝集することなく均一に分散した状態となり、その結果、導電接続構造体において対向する電極間の導通は良好に保ちつつ、横導通は抑制できることが分かる。しかも、この導電接続構造体は5MPaという高圧条件で熱圧着することにより形成されたものであり、かつ高い絶縁性を有していることから、実施例1〜7の絶縁化導電性粒子表面の絶縁用樹脂粒子は、高い荷重がかかっても安易に脱落せず導電性粒子の表面において充分な密着性で固着され、絶縁効果を発揮していることが分かる。

Claims (6)

  1. 導電性粒子の表面に存在して該導電性粒子を絶縁するための樹脂粒子であって、
    炭素数4〜18のアルキル基を有する非架橋性(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)と重合性基を1分子中に2個以上有する架橋性単量体(B)とを含む重合性成分を共重合させたアクリル系架橋重合体を含み、前記非架橋性(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)の含有量が重合性成分中20質量%以上、93質量%以下であり、前記架橋性単量体(B)の含有量が重合性成分中7質量%以上であることを特徴とする樹脂粒子。
  2. 前記重合性成分は(メタ)アクリル酸メチルをも含み、その含有量が重合性成分中10質量%以上である、請求項1に記載の樹脂粒子。
  3. 平均粒子径が500nm以下であり、粒子径の変動係数が50%以下である、請求項1または2に記載の樹脂粒子。
  4. 導電性粒子の表面の少なくとも一部に請求項1〜のいずれかに記載の樹脂粒子が存在してなることを特徴とする絶縁化導電性粒子。
  5. 前記導電性粒子の平均粒子径が11μm以下である、請求項に記載の絶縁化導電性粒子。
  6. 請求項またはに記載の絶縁化導電性粒子がエポキシ樹脂に分散してなることを特徴とする異方性導電材料。
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