JP5883283B2 - 導電性粒子及び異方性導電材料 - Google Patents
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Description
その中で、微細な基材粒子に導電性金属層を形成した導電性粒子では、導電性粒子の圧縮変形量を大きくすると、導電性金属層の破断が発生し、かえって接続抵抗値が上昇することが判明した。これは、基材粒子の粒子径が非常に小さい導電性粒子では、導電性金属層が湾曲する際の曲率が非常に大きくなるため、導電性金属層が基材粒子の変形に追随できず、破断するためである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、微細な導電性粒子であって、電気接続に用いた場合に抵抗値を低減できる導電性粒子を提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明の導電性粒子は、基材粒子と、該基材粒子の表面を被覆する導電性金属層とを有しており、前記基材粒子の個数平均粒子径が1.0μm〜3.0μmであり、前記導電性金属層が、鉛、ビスマス、タリウム、アンチモン、バナジウム及びモリブデンよりなる群から選択される少なくとも一種の重金属を含有し、導電性金属層中の重金属の含有量が、50μg/g〜1500μg/gであることを特徴とする。
前記導電性金属層の厚さは、0.001μm〜0.15μmであることが好ましい。前記導電性金属層は、ニッケル層を含むことが好ましく、ニッケルに対する重金属の含有量は50μg/g〜3000μg/gであることが好ましい。
本発明には、前記導電性粒子と、バインダーとを含有する異方性導電材料も含まれる。
本発明は、基材粒子と該基材粒子の表面に形成された一層以上の導電性金属層から構成される導電性粒子に関する発明である。本発明の特徴の一つとして、該導電性粒子の粒径が極めて小さいことと、導電性金属層が特定の重金属を所定量含有する点が挙げられる。導電性粒子を小さくすることにより、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。一方、導電性粒子が極めて小さくなると、導電性金属層が破断する虞が生じるが、重金属を含有させることによってこのような可能性を低減できる。詳述すれば、導電性粒子を用いて加圧接続する場合、導電性粒子が圧縮変形することとなり、この際、導電性金属層は基材粒子の変形に追随して、湾曲することとなる。基材粒子の粒子径が非常に小さい導電性粒子では、導電性金属層の湾曲部の曲率が非常に大きくなるため、導電性金属層は基材粒子の変形に追随できず、破断することがある。そのため、従来のように、導電性金属層としてニッケルメッキのような高硬度金属を用いたものでは、導電性粒子の粒子径が小さくなるほど、接続抵抗値が一層高くなる傾向があった。しかし、導電性金属層に重金属を所定量含有させることにより、導電性金属層の破断を抑制できる。よって、本発明の導電性粒子は、基材粒子が微小径であるにもかかわらず、電気接続に用いた場合に、低抵抗値を実現できる。
上記特定の重金属としては、鉛、ビスマス、タリウム、アンチモン、バナジウム及びモリブデンが挙げられる。これらの中でも、鉛、ビスマス、タリウムが好ましく、より好ましくはビスマスである。
前記導電性金属層は、上述したように基材粒子表面に形成される。この基材粒子としては、樹脂成分を含む樹脂粒子が好ましい。樹脂粒子を用いることで、弾性変形特性に優れた導電性粒子が得られる。前記樹脂粒子としては、例えば、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル樹脂等のビニル重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類;ポリカーボネート類;ポリアミド類;ポリイミド類;フェノールホルムアルデヒド樹脂;オルガノポリシロキサン等が挙げられる。これらの樹脂粒子を構成する材料は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの中でも、ビニル重合体、アミノ樹脂、オルガノポリシロキサンが好ましく、ビニル重合体及びアミノ樹脂がより好ましく、特にビニル重合体が好ましい。ビニル重合体を含む材料は、ビニル基が重合して形成された有機系骨格を有し、加圧接続時の弾性変形に優れる。特に、ジビニルベンゼン及び/又はジ(メタ)アクリレートを重合成分として含むビニル重合体は、導電性金属被覆後の粒子強度の低下が少ない。
ビニル重合体粒子は、ビニル重合体により構成される。ビニル重合体は、ビニル系単量体(ビニル基含有単量体)を重合(ラジカル重合)することによって形成でき、このビニル系単量体はビニル系架橋性単量体とビニル系非架橋性単量体とに分けられる。なお、「ビニル基」には、炭素−炭素二重結合のみならず、(メタ)アクリロキシ基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような官能基と重合性炭素−炭素二重結合から構成される置換基も含まれる。なお、本明細書において「(メタ)アクリロキシ基」、「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」は、それぞれ「アクリロキシ基及び/又はメタクリロキシ基」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」や「アクリル及び/又はメタクリル」を示すものとする。
前記他の成分としては、特に限定されないが、ポリシロキサン成分が好ましい。ビニル重合体粒子に、ポリシロキサン骨格を導入することで、加圧接続時の弾性変形に優れるものとなる。
ポリシロキサン粒子としては、前記第三の形態(ビニル重合体−ポリシロキサン間架橋)を形成し得るシラン系架橋性単量体を含む組成物を、(共)加水分解縮合して得られるポリシロキサン粒子が好ましく、特にビニル基含有ポリシロキサン粒子が好ましい。ポリシロキサン粒子がビニル基を有する場合、得られるビニル重合体粒子が、ビニル重合体とポリシロキサン骨格がポリシロキサンを構成するケイ素原子を介して結合するため、弾性変形性及び接触圧に特に優れたものとなる。ビニル基含有ポリシロキサン粒子は、例えば、ビニル基を有するジ又はトリアルコキシシランを含むシラン系単量体(混合物)を(共)加水分解縮合することによって製造できる。
アミノ樹脂粒子は、アミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物により構成されるものが好ましい。
前記アミノ化合物としては、例えば、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、アセトグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン、スピログアナミン等のグアナミン化合物、メラミン等のトリアジン環構造を有する化合物等の多官能アミノ化合物が挙げられる。これらの中でも、多官能アミノ化合物が好ましく、トリアジン環構造を有する化合物がより好ましく、特にメラミン、グアナミン化合物(特にベンゾグアナミン)が好ましい。前記アミノ化合物は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
アミノ樹脂粒子の製造方法としては、例えば、特開2000−256432号公報、特開2002−293854号公報、特開2002−293855号公報、特開2002−293856号公報、特開2002−293857号公報、特開2003−55422号公報、特開2003−82049号公報、特開2003−138023号公報、特開2003−147039号公報、特開2003−171432号公報、特開2003−176330号公報、特開2005−97575号公報、特開2007−186716号公報、特開2008−101040号公報、特開2010−248475号公報等に記載のアミノ樹脂架橋粒子及びその製造方法を適用することが好ましい。
オルガノポリシロキサン粒子は、ビニル基を含有しないシラン系単量体(シラン系架橋性単量体、シラン系非架橋性単量体)の1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することによって得られる。
前記ビニル基を含有しないシラン系単量体としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等の3官能性シラン系単量体;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するジ又はトリアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するジ又はトリアルコキシシラン等が挙げられる。
本発明の導電性粒子において、導電性金属層は無電解メッキ法により形成することが好ましい。無電解メッキ法であれば、重金属を含有するメッキ液を使用することで、重金属を含有する導電性金属層が得られる。
以下、導電性金属層としてニッケル層を形成する場合を例にとって、導電性金属層の形成方法を工程順に説明する。なお、後述するように重金属は対応する試薬を用いることによって導電性金属層に含有させることができるため、下記方法を適宜応用すれば、他の金属を用いて導電性金属層を形成する場合でも所定の重金属を所定量含有させることができる。
エッチング処理工程では、クロム酸、無水クロム酸−硫酸混合液、過マンガン酸等の酸化剤;塩酸、硫酸、フッ酸、硝酸等の強酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ溶液;その他市販の種々のエッチング剤等を用いて、基材粒子の表面に親水性付与し、その後の無電解メッキ液に対する濡れ性を高める。また、微小な凹凸を形成させ、その凹凸のアンカー効果によって、後述する無電解メッキ後の基材粒子と導電性金属層との密着性の向上を図る。
前記触媒化処理では、基材粒子表面に貴金属イオンを捕捉させた後、これを還元して前記貴金属を基材粒子表面に担持させ、基材粒子の表面に次工程の無電解メッキの起点となりうる触媒層を形成させる。基材粒子自体が貴金属イオンの捕捉能を有さない場合、触媒化を行う前に、表面改質処理を行うことも好ましい。表面改質処理は、表面処理剤を溶解した水又は有機溶媒に、基材粒子を接触させることで行うことができる。
無電解メッキ工程では、前記触媒化工程にてパラジウム触媒を吸着させた触媒化基材粒子表面に、導電性金属層を形成する。ここで、無電解メッキ液として、ニッケル塩、還元剤に加えて、重金属化合物を含有するメッキ液を用いて、無電解メッキ処理を行うことにより、重金属を含有するニッケル層を形成できる。
有機カルボン酸としては、例えば、ヒドロキシ酢酸、乳酸、グルコン酸等のモノカルボン酸;マロン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等のジカルボン酸;クエン酸等のトリカルボン酸;等が挙げられる。前記有機カルボン酸の塩としては、例えば、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム)塩、アンモニウム塩等が挙げられる。前記アミン化合物としては、グリシン、グルタミン酸等のアミノ酸;エチレンジアミン、アルキルアミン等のアミン酸;その他のアンモニウム、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、ピロリン酸(塩);等が挙げられる。
導電性粒子はその表面が平滑であっても凹凸状であっても良いが、バインダー樹脂を効果的に排除して電極との接続を行える点で複数の突起を有することが好ましい。突起を有することで、導電性粒子を電極間の接続に用いた際の接続信頼性を高めることができる。
本発明の導電性粒子は、表面の少なくとも一部に絶縁層を有する態様(絶縁被覆導電性粒子)であってもよい。このように表面の導電性金属層にさらに絶縁層が積層されていると、高密度回路の形成時や端子接続時等に生じやすい横導通を防ぐことができる。
絶縁粒子はその表面に導電性粒子への付着性を高めるため官能基を有していても良い。前記官能基としては、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、リン酸基、シラノール基、アンモニウム基、スルホン酸基、チオール基、ニトロ基、ニトリル基、オキサゾリン基、ピロリドン基、スルホニル基、水酸基等が挙げられる。
本発明の導電性粒子は、異方性導電材料として有用である。
前記異方性導電材料としては、前記導電性粒子がバインダー樹脂に分散してなるものが挙げられる。異方性導電材料の形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インク等様々な形態が挙げられる。これらの異方性導電材料を相対向する基材同士や電極端子間に設けることにより、良好な電気的接続が可能になる。なお、本発明の導電性粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサー及びその組成物)も含まれる。
1−1.個数平均粒子径
<基材粒子>
粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径を測定し、個数基準の平均粒子径、粒子径の標準偏差を求めるとともに、下記式に従って粒子径の個数基準のCV値(変動係数)を算出した。
粒子の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/個数基準平均粒子径)
導電性粒子に含まれる金属層を完全に液中に溶解させる。例えば、導電性粒子0.05gに王水8mlを加え、加熱することにより金属層を溶解し、ろ別した後、ろ液をICP発光分析装置を用いて金属層成分を分析する。ここで金属層を溶解させる方法は、金属種に応じて適宜選択すればよい。例えば、ニッケル−リン合金層及び金層からなる導電性粒子の場合、以下の式(1)からニッケル層の厚みを算出した。なお、式中、rは基材粒子の半径(μm)、tはニッケル層の厚み(μm)、dNiはニッケル層の密度、dbaseは基材粒子の密度、Wはニッケル層成分(ニッケル、リン)含有率(質量%)、Xは金の含有率(質量%)である。
導電性粒子0.1gに王水20gを加え、加熱しながら攪拌することにより、導電性金属層を完全に溶解させ、金属溶解液を得た。得られた金属溶解液を用いて重金属含有量を誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)(アジレント・テクノロジー社製、「Agilent 7700s ICP−MS」)により分析し、導電性金属の全量に対する重金属の濃度(μg/g)、ニッケルに対する重金属含有量(μg/g)を求めた。
抵抗測定キット付微小圧縮試験機(島津製作所製、「MCT−W201」)を用い、先端50μmの平型圧子にて、0.29mN/secの負荷速度で、元の粒径から30%圧縮変形させた時の抵抗値を測定した。10個の導電性粒子を測定したときの測定値の平均値を抵抗値(Ω)とした。
2−1.合成例1
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1800部と、25%アンモニア水24部、メタノール550部を入れ、攪拌下、滴下口から3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン50部及びメタノール50部の混合液を添加して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、オルガノポリシロキサン粒子の乳濁液を調製した。次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標) NF−08」)の20%水溶液35部をイオン交換水200部で溶解した溶液に、スチレン120部、ジビニルベンゼン960(新日鉄化学社製:ジビニルベンゼン96%、ビニル系非架橋性単量体(エチルビニルベンゼン等)4%含有品)30部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、「V−65」)2.5部を溶解した溶液を加え、乳化分散させて単量体成分の乳化液を調製した。反応開始から2時間後、得られた乳化液を、ポリシロキサン粒子の乳濁液中に添加して、さらに攪拌を行った。乳化液の添加から2時間後、混合液をサンプリングして顕微鏡で観察を行ったところ、ポリシロキサン粒子が単量体を吸収して肥大化していることが確認された。
合成例1において、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製するにあたり、イオン交換水の使用量を1600部に、メタノールの使用量を800部に変更したこと以外は合成例1と同様の手法により基材粒子(2)を得た。この基材粒子(2)の個数平均粒子径は3.0μm、変動係数(CV値)は3.5%であった。
合成例1において、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製するにあたり、イオン交換水の使用量を1400部に、メタノールの使用量を1000部に変更したこと以外は合成例1と同様の手法により基材粒子(3)を得た。この基材粒子(3)の個数平均粒子径は3.2μm、変動係数(CV値)は3.4%であった。
3−1.製造例1
ビーカーに「ピンクシューマー(日本カニゼン株式会社製)」50部と、イオン交換水400部を入れ混合し、混合液を調製した。別途、イオン交換水50部に基材粒子(1)10部を超音波分散させたものを準備し、これを前記混合液に投入し30℃で10分間攪拌して懸濁液とした。この懸濁液を固液分離し、得られたケーキを、イオン交換水、メタノールの順で洗浄し、窒素雰囲気下100℃で2時間真空乾燥を行って、乾燥粒子を得た。
続いて、イオン交換水50部に、前記乾燥粒子10部を超音波分散させ、これを、「レッドシューマー(日本カニゼン株式会社製)」100部とイオン交換水350部とを混合した溶液に投入し、30℃で10分間攪拌して懸濁液とした。この懸濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールの順で洗浄し、窒素雰囲気下100℃で2時間真空乾燥を行い、基材粒子(1)の表面にパラジウムを吸着させた。
パラジウムにより活性化された基材粒子(1)をイオン交換水500部に添加し、超音波処理を30分間行い、粒子を十分分散させて粒子懸濁液を得た。この粒子懸濁液を50℃で攪拌しながら、硫酸ニッケル6水和物50g/L、次亜リン酸ナトリウム1水和物40g/L、クエン酸ナトリウム50g/L、硝酸ビスマス110mg/Lからなる無電解メッキ液を徐々に粒子懸濁液に添加して、基材粒子(1)の無電解ニッケルメッキを行った。基材粒子表面に0.08μmの厚みのニッケルメッキ層(ビスマスを含むメッキ層)が形成された時点で無電解メッキ液の滴下を終了した。
次いで、5g/Lのシアン化金カリウムを含有する置換金メッキ液に得られたニッケルメッキ粒子を加え、0.02μmの金メッキ厚みになるまで置換金メッキを行った。得られたニッケル・金メッキ基材粒子を濾別し、イオン交換水で洗浄した後、さらにメタノールで洗浄し、60℃で12時間真空乾燥を行い、導電性粒子(1)を得た。
製造例1において、硝酸ビスマスを170mg/Lに変更したこと以外は製造例1と同様の手法により導電性粒子(2)を得た。
製造例1において、硝酸ビスマスを370mg/Lに変更したこと以外は製造例1と同様の手法により導電性粒子(3)を得た。
製造例1において、硝酸ビスマスを560mg/Lに変更したこと以外は製造例1と同様の手法により導電性粒子(4)を得た。
製造例1において、硝酸ビスマスを870mg/Lに変更したこと以外は製造例1と同様の手法により導電性粒子(5)を得た。
製造例1において、硝酸ビスマスを1250mg/Lに変更したこと以外は製造例1と同様の手法により導電性粒子(6)を得た。
製造例1において、硝酸ビスマス110mg/Lを、酢酸鉛330mg/Lに変更したこと以外は製造例1と同様の手法により導電性粒子(7)を得た。
製造例1において、硝酸ビスマス110mg/Lを、硫酸タリウム380mg/Lに変更したこと以外は製造例1と同様の手法により導電性粒子(8)を得た。
製造例3において、基材粒子(1)を合成例2で得られた基材粒子(2)に変更したこと以外は、製造例3と同様の手法により導電性粒子(9)を得た。
製造例1において、硝酸ビスマスを50mg/Lに変更したこと以外は製造例1と同様の手法により導電性粒子(10)を得た。
製造例1において、硝酸ビスマスを1650mg/Lに変更したこと以外は製造例1と同様の手法により導電性粒子(11)を得た。
製造例3において、基材粒子(1)を合成例3で得られた基材粒子(3)に変更したこと以外は、製造例3と同様の手法により導電性粒子(12)を得た。
製造例10において、基材粒子(1)を合成例3で得られた基材粒子(3)に変更したこと以外は、製造例10と同様の手法により導電性粒子(13)を得た。
導電性粒子(10)は、導電性金属層中の重金属含有量が50μg/g未満である。この粒子では、導電性評価結果が5.5Ωと抵抗値が上昇した。これは、圧縮変形により導電性金属層が破断したためと考えられる。
導電性粒子(11)は、導電性金属層が1500μg/gを超えるものである。この粒子では、導電性評価結果が6.2Ωと抵抗値が上昇した。これは、重金属含有量が多すぎるため、導電性金属層自体の導電性が低下したためと考えられる。
導電性粒子(12)、(13)は、基材粒子に比較的粒子径が大きなもの(3.2μm)を用いた場合である。これらを比較すると、それぞれの導電性評価結果は、導電性粒子(12)が3.3Ω、(13)が3.2Ωであり、いずれも低抵抗である。つまり、導電性粒子(13)のように、基材粒子が大きければ、導電性金属層中の重金属層が少ない場合でも、導電性金属層の破断が発生し難く、抵抗値が増大するという問題は生じない。
Claims (3)
- 基材粒子と、該基材粒子の表面を被覆する導電性金属層とを有する導電性粒子であって、
前記導電性金属層が、ニッケル層を含み、
前記基材粒子の個数平均粒子径が1.0μm〜2.9μmであり、
前記導電性金属層が、鉛、ビスマス、タリウム、アンチモン、バナジウム及びモリブデンよりなる群から選択される少なくとも一種の重金属を含有し、導電性金属層中の重金属の含有量が、50μg/g〜1500μg/gであることを特徴とする導電性粒子。 - 前記導電性金属層の厚さが、0.01μm以上である請求項1に記載の導電性粒子。
- 請求項1又は2に記載の導電性粒子と、バインダーとを含有することを特徴とする異方性導電材料。
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