JP5951977B2 - 導電性微粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性微粒子に関するものであり、詳細には、接続信頼性の高い導電性微粒子に関するものである。
従来、電子機器の組み立てにおいて、対向する多数の電極や配線間の電気的接続を行うために、異方性導電材料による接続方式が採用されている。異方性導電材料は、導電性微粒子をバインダー樹脂等に混合した材料であり、例えば異方性導電ペースト(ACP)、異方性導電フィルム(ACF)、異方性導電インク、異方性導電シート等がある。ここで異方性導電材料に用いられる導電性微粒子としては、金属粒子や基材とする樹脂粒子の表面を導電性金属層で被覆したものが使用されている。
異方性導電材料に用いられる導電性微粒子では、導電性微粒子を圧縮変形して異方導電接続する際に、電極等との接続抵抗を低減させ、その接続安定性を高めることが求められる。導電性微粒子の接続安定性を高める手段としては、導電性微粒子や基材粒子の圧縮弾性率を適切に調整することが重要となる。例えば、特許文献1,2には、導通不良を防止し、接続抵抗を低減化するために、基材粒子または導電性微粒子の10%K値と圧縮変形回復率を所定範囲に調整した導電性微粒子が開示されている。また、特許文献3には、導電性微粒子の荷重低下率や20%K値を所定範囲に調整した導電性微粒子が開示されている。これらの特許文献には、実際に作製された基材粒子の平均粒子径が具体的に記載されていないか、平均粒子径が4μmの基材粒子を用いたことが記載されている。
ところで、近年、電子機器の小型化、高機能化が益々進展している。それに伴い、電気機器に搭載される電子部品の小型化、高密度実装化が進んでおり、電子回路における電極や配線は一層微細化、狭小化する流れにある。このように電子回路の電極や配線の微細化、狭小化が進むなか、異方性導電材料に用いられる導電性微粒子についても粒子径がより小さなものが要求されており、粒子径の小さな導電性微粒子であってもその接続安定性が求められている。
特開2007−035574号公報 特開2007−035575号公報 特開2005−327509号公報
前述した平均粒子径4μm程度を含む従来の粒子径の大きい導電性微粒子(例えば、平均粒子径4〜10μm程度)では、高い接続信頼性が得られていたにも関わらず、近年の小型化、高機能化に合わせて導電性微粒子の粒子径を小さくしていくと、導電性微粒子の接続信頼性の確保が難しくなる場合があった。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、粒子径の小さな導電性微粒子であっても接続信頼性の高い導電性微粒子を提供することにある。
ところで基材粒子に導電性金属層(金属メッキ層など)を形成して導電性微粒子を形成する場合、導電性金属層(金属メッキ層)の厚みを基材粒子径に応じて調整することはなく(すなわち基材粒子径を小さくするほど導電性金属層を薄くするということは行われておらず)、該厚みは導電性確保の観点から決定され、一定厚み以上とされることが多い。従って基材粒子径が小さくなるほど、基材粒子径に対する導電性金属層の厚みの割合が増大する関係にある。本発明者らは、前記課題を解決するために種々検討した結果、基材粒子の粒子径が小さくなると、導電性金属層の機械的影響が大きくなりはじめ、基材粒子としての圧縮弾性特性と、導電性金属層を形成した後での圧縮弾性特性の両特性が導電性微粒子の接続信頼性に影響を与えること、よって前記両特性の比を適切に調整すれば、基材粒子径を小さくしても接続信頼性を確保できることを見出した。
すなわち、本発明の導電性微粒子は、基材粒子と、該基材粒子の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、基材粒子の個数平均粒子径が1.0μm〜2.8μmであり、基材粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)をKcとし、導電性微粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)をKmとしたとき、Km/Kcの比が2.0以下であるところに特徴を有する。本発明の導電性微粒子は、基材粒子の10%K値と導電性微粒子の10%K値との比を適正な範囲に調整することにより、個数平均粒子径が1.0μm〜2.8μmという微細な基材粒子を用いた場合でも、接続信頼性の高いものとなる。
導電性微粒子のKm/Kcの比を2.0以下にするためには、例えば、導電性金属層の膜厚を基材粒子の個数平均粒子径に対し適正な範囲となるように調整すればよい。例えば、導電性金属層の膜厚をdとし、基材粒子の個数平均粒子径をDとしたとき、d/Dの比が0.01〜0.10の範囲となるように調整すればよく、より好ましくは0.015〜0.08程度、さらに好ましくは0.02〜0.06程度にすることが推奨される。あるいは、導電性金属層のリン濃度を調整することによっても、Km/Kcの比を調整することができる。この場合は、例えば、導電性金属層のリン含有率CPが、導電性金属層の膜厚dと基材粒子の個数平均粒子径Dに対し、44.4(d/D)+2.56≦CP(%)≦18の関係を満たすようにすればよい。導電性金属層としては、ニッケル層、またはその外側にさらに金層を形成したニッケル/金の二層金属層などが好適に採用できる。
本発明はまた、本発明の導電性微粒子を含む異方性導電材料も提供する。
本発明の導電性微粒子は、基材粒子の10%K値と導電性微粒子の10%K値との比を適正な範囲に調整することにより、粒子径が小さいにも関わらず、接続信頼性に優れるものとなる。
本発明の導電性微粒子は、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して好適に使用されるものであり、従って、該導電性微粒子は、微細な基材粒子の表面に少なくとも一層の導電性金属層を形成することによって構成されている。そしてこの導電性微粒子では、基材粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)をKcとし、導電性微粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)をKmとしたとき、Km/Kcの比が2.0以下となっている。基材粒子が微細なとき(個数平均粒子径が、例えば、2.8μm以下のとき)、導電性金属層の圧縮弾性特性の影響を無視することができない。この様な微細な導電性微粒子を加圧接続(圧縮接続)するときには、基材粒子の圧縮弾性率と、さらに導電性金属層を形成した後(導電性微粒子)の圧縮弾性率の両関係(Km/Kc)を前記範囲に制御することによって、接続信頼性を確保することが可能となる。Km/Kcの比は好ましくは2.0未満であり、より好ましくは1.9以下、さらに好ましくは1.8以下である。一方、導電性金属層を形成した後(導電性微粒子)の10%K値は、その前(基材粒子)の10%K値より大きくなることが一般的であることから、前記Km/Kc比は、通常、1.0より大きい。このKm/Kcの比は、1.1以上がより好ましく、1.2以上がさらに好ましく、1.3以上が特に好ましい。
導電性微粒子と基材粒子の10%K値は、公知の微小圧縮試験機を用いた圧縮試験にて測定すればよい。例えば、公知の微小圧縮試験機(例えば、島津製作所製「MCT−W500」等)を用い、室温で粒子の中心方向へ一定の荷重負荷速度で荷重をかける圧縮試験において、粒子の直径が10%変位するまで粒子を変形させたときの圧縮荷重(N)と圧縮変位(mm)を測定し、下記式に基づき求めることができる。
(上記式中、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)を表す。)
以下、本発明の導電性微粒子のさらなる特徴について、導電性微粒子の構成ごとに詳しく説明する。
1.基材粒子
本発明の導電性微粒子は、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して好適に使用可能なものであり、従って、基材粒子は微細なものであることが好ましい。この点から、基材粒子の個数平均粒子径は1.0μm以上であり、好ましくは1.1μm以上、より好ましくは1.2μm以上、さらに好ましくは1.3μm以上であり、また2.8μm以下であり、好ましくは2.7μm以下、より好ましくは2.6μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下である。基材粒子の個数平均粒子径が前記範囲内であれば、微細な導電性微粒子が得られ、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。基材粒子の個数平均粒子径は、コールターカウンターにより測定した値であり、分散状態の基材粒子について測定される。
基材粒子の粒子径(個数基準)の変動係数(CV値)は、10.0%以下であることが好ましく、より好ましくは8.0%以下、さらに好ましくは5.0%以下、さらにより好ましくは4.0%以下、最も好ましくは3.0%以下である。このように粒子径の変動係数が小さい基材粒子は、単に一次粒子径の大きさが揃っているだけでなく、一次粒子径の単一分散性が極めて高い。そのため、このような基材粒子を用いることにより、粒子径が揃っており、かつ凝集が抑制された導電性微粒子が得られる。基材粒子の粒子径の変動係数は、コールターカウンターにより測定した値であり、分散状態の基材粒子について測定される。
基材粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状、まゆ状等のいずれでもよいが、球状が好ましく、特に真球状が好ましい。
基材粒子の10%K値(Kc)は特に限定されないが、基材粒子の10%K値が大きすぎる場合は、電極等との接触面積が十分確保されず、導電性微粒子の接続抵抗値が高くなるおそれがある。一方、基材粒子の10%K値が小さすぎる場合は、導電性微粒子とするために導電性金属層を形成する際、もしくは異方性導電材料とするためにバインダー樹脂等に分散させる際など、電気接続に供するまでに基材粒子が変形し、従来の形状を維持できないおそれがある。なお、本発明の導電性微粒子は、平均粒子径が2.8μm以下と非常に微細であるため、基材粒子の10%K値の好適範囲が基材粒子の個数平均粒子径に応じて変わり得る。具体的には、基材粒子の個数平均粒子径が大きいほど、基材粒子の10%K値を小さくすることが好ましい。従って、例えば、基材粒子の個数平均粒子径が1.0μm以上1.5μm未満の場合は、基材粒子の10%K値は20,000N/mm2以上が好ましく、30,000N/mm2以上がより好ましく、70,000N/mm2以下が好ましく、60,000N/mm2以下がより好ましい。基材粒子の個数平均粒子径が1.5μm以上2.0μm未満の場合は、基材粒子の10%K値は10,000N/mm2以上が好ましく、45,000N/mm2以下が好ましく、40,000N/mm2以下がより好ましい。基材粒子の個数平均粒子径が2.0μm以上2.5μm未満の場合は、基材粒子の10%K値は5,000N/mm2以上が好ましく、6,000N/mm2以上がより好ましく、30,000N/mm2以下が好ましく、25,000N/mm2以下がより好ましい。基材粒子の個数平均粒子径が2.5μm以上2.8μm以下の場合は、基材粒子の10%K値は4,000N/mm2以上が好ましく、5,000N/mm2以上がより好ましく、25,000N/mm2以下が好ましく、20,000N/mm2以下がより好ましい。
樹脂粒子
基材粒子は、樹脂成分を含む樹脂粒子であることが好ましい。樹脂粒子を用いることで、弾性変形特性に優れた導電性微粒子が得られる。前記樹脂粒子としては、例えば、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル樹脂等のビニル重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類;ポリカーボネート類;ポリアミド類;ポリイミド類;フェノールホルムアルデヒド樹脂;オルガノシロキサン等が挙げられる。これらの樹脂粒子を構成する材料は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの中でも、導電性微粒子の異方導電接続の際の接続信頼性を高める点から、ビニル重合体、アミノ樹脂、オルガノポリシロキサンが好ましく、ビニル重合体及びアミノ樹脂がより好ましく、特にビニル重合体が好ましい。ビニル重合体を含む材料は、ビニル基が重合して形成された有機系骨格を有し、加圧接続時の弾性変形に優れる。特に、ジビニルベンゼン及び/又はジ(メタ)アクリレートを重合成分として含むビニル重合体は、導電性金属被覆後の粒子強度の低下が少ない。
ビニル重合体粒子
基材粒子としてビニル重合体粒子を用いる場合、ビニル重合体粒子はビニル重合体により構成されるものであればよい。ビニル重合体は、ビニル系単量体(ビニル基含有単量体)を重合(ラジカル重合)することによって形成でき、このビニル系単量体はビニル系架橋性単量体とビニル系非架橋性単量体とに分けられる。なお、「ビニル基」には、炭素−炭素二重結合のみならず、(メタ)アクリロキシ基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような官能基と重合性炭素−炭素二重結合から構成される置換基も含まれる。なお、本明細書において「(メタ)アクリロキシ基」、「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」は、「アクリロキシ基及び/又はメタクリロキシ基」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」や「アクリル及び/又はメタクリル」を示すものとする。
前記ビニル系架橋性単量体とは、ビニル基を有し架橋構造を形成し得るものであり、具体的には、1分子中に2個以上のビニル基を有する単量体(単量体(1))、又は、1分子中に1個のビニル基とビニル基以外の結合性官能基(カルボキシル基、ヒドロキシ基等のプロトン性水素含有基、アルコキシ基等の末端官能基等)を有する単量体(単量体(2))が挙げられる。ただし、単量体(2)によって架橋構造を形成させるには、当該単量体(2)の結合性官能基と反応(結合)可能な相手方単量体の存在が必要である。
前記ビニル系架橋性単量体のうち前記単量体(1)(1分子中に2個以上のビニル基を有する単量体)の例として、例えば、アリル(メタ)アクリレート等のアリル(メタ)アクリレート類;アルカンジオールジ(メタ)アクリレート(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等)、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族炭化水素系架橋剤(好ましくはジビニルベンゼン等のスチレン系多官能モノマー);N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のヘテロ原子含有架橋剤;等が挙げられる。
これらの中でも、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート類(多官能(メタ)アクリレート)や、芳香族炭化水素系架橋剤(特にスチレン系多官能モノマー)が好ましい。前記1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート類(多官能(メタ)アクリレート)の中でも、前記1分子中に2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(ジ(メタ)アクリレート)が特に好ましく、前記スチレン系多官能モノマーの中では、ジビニルベンゼンのように1分子中に2個のビニル基を有する単量体が好ましい。単量体(1)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル系架橋性単量体のうち前記単量体(2)(1分子中に1個のビニル基とビニル基以外の結合性官能基を有する単量体)としては、例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシ基含有スチレン類等のヒドロキシ基を有する単量体;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類等のアルコキシ基を有する単量体;等が挙げられる。単量体(2)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル系非架橋性単量体としては、1分子中に1個のビニル基を有する単量体(単量体(3))か、もしくは相手方単量体が存在しない場合の前記単量体(2)(1分子中に1個のビニル基とビニル基以外の結合性官能基を有する単量体)が挙げられる。
前記ビニル系非架橋性単量体のうち前記単量体(3)(1分子中に1個のビニル基を有する単量体)には、(メタ)アクリレート系単官能モノマーやスチレン系単官能モノマーが含まれる。(メタ)アクリレート系単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類が挙げられ、メチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。スチレン系単官能モノマーとしては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン(エチルビニルベンゼン)、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン基含有スチレン類等が挙げられ、スチレンが好ましい。単量体(3)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル系単量体としては、少なくとも前記ビニル系架橋性単量体(1)を含む態様が好ましく、中でも前記ビニル系架橋性単量体(1)と前記ビニル系非架橋性単量体(3)とを含む態様(特に単量体(1)と単量体(3)との共重合体)が好ましい。具体的には、構成成分として、スチレン系単官能モノマー、スチレン系多官能モノマー、多官能(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種を含む態様が好ましい。さらに好ましくは、スチレン系多官能モノマー及び多官能(メタ)アクリレートを必須構成成分とする態様;スチレン系多官能モノマー及びスチレン系単官能モノマーを必須構成成分とする態様;多官能(メタ)アクリレート及びスチレン系単官能モノマーを必須構成成分とする態様;である。上記態様において、スチレン系単官能モノマーとしてはスチレンが好ましく、スチレン系多官能モノマーとしてはジビニルベンゼンが好ましく、多官能メタ(アクリレート)としてはジ(メタ)アクリレートが好ましい。従って、ジビニルベンゼン及びジ(メタ)アクリレートを必須構成成分とする態様;ジビニルベンゼン及びスチレンを必須構成成分とする態様;ジ(メタ)アクリレート及びスチレンを必須構成成分とする態様が特に好ましい。
前記ビニル重合体粒子は、ビニル重合体の特性を損なわない程度に、他の成分を含んでいてもよい。この場合、ビニル重合体粒子は、ビニル重合体を50質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
前記他の成分としては、特に限定されないが、ポリシロキサン成分が好ましい。ビニル重合体粒子に、ポリシロキサン骨格を導入することで、加圧接続時の弾性変形に優れるものとなる。
前記ポリシロキサン骨格は、シラン系単量体を用いることによって形成でき、このシラン系単量体はシラン系架橋性単量体とシラン系非架橋性単量体とに分けられる。また、シラン系単量体としてシラン系架橋性単量体を用いると、架橋構造を形成し得る。シラン系架橋性単量体により形成される架橋構造としては、ビニル重合体とビニル重合体とを架橋するもの(第一の形態);ポリシロキサン骨格とポリシロキサン骨格とを架橋するもの(第二の形態);ビニル重合体骨格とポリシロキサン骨格とを架橋するもの(第三の形態);が挙げられる。
第一の形態(ビニル重合体間架橋)を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、テトラビニルシラン等の2つ以上のビニル基を有するシラン化合物が挙げられる。第二の形態(ポリシロキサン間架橋)を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シラン系単量体;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の3官能性シラン系単量体等が挙げられる。第三の形態(ビニル重合体−ポリシロキサン間架橋)を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を有するジ又はトリアルコキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等のビニル基を有するジ又はトリアルコキシシラン;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するジ又はトリアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するジ又はトリアルコキシシラン;が挙げられる。これらのシラン系架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シラン系非架橋性単量体として、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルシラン等の2官能性シラン系単量体;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のトリアルキルシラン等の1官能性シラン系単量体等が挙げられる。これらのシラン系非架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に前記ポリシロキサン骨格は、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合(例えば、(メタ)アクリロイル基等のビニル基)を有する重合性ポリシロキサン由来の骨格であることが好ましい。つまり、ポリシロキサン骨格は、構成成分として、少なくとも前記第三の形態(ビニル重合体−ポリシロキサン間架橋)を形成し得るシラン系架橋性単量体(好ましくは(メタ)アクリロイル基を有するもの、より好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン)を加水分解及び縮合することにより形成されたポリシロキサン骨格であることが好ましい。
前記ビニル重合体粒子に、ポリシロキサン骨格を導入する場合、ビニル系単量体の使用量は、シラン系単量体100質量部に対して5質量部以上が好ましく、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上であり、1000質量部以下が好ましく、より好ましくは750質量部以下、さらに好ましくは500質量部以下である。
前記ビニル重合体粒子は、構成する単量体成分としてビニル系架橋性単量体やシラン系架橋性単量体の架橋性単量体を含むことが好ましい。この際、ビニル重合体粒子を構成する全単量体に占める架橋性単量体(ビニル系架橋性単量体及びシラン系架橋性単量体の合計)の割合は、弾性変形と復元力に優れる点から、1質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。架橋性単量体の割合が上記範囲内であれば、優れた弾性変形特性を維持しつつ、復元力を向上させることができる。架橋性単量体の割合の上限は、特に限定されないが、用いる架橋性単量体の種類によっては、架橋性単量体の割合が多すぎると硬くなりすぎて異方導電接続時に圧縮変形させるために高い圧力が必要となる場合がある。そのため、架橋性単量体の割合は、95質量%以下が好ましく、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。
前記ビニル重合体粒子は、例えば、ビニル系単量体を重合することによって製造することができるが、具体的には、(i)ビニル系単量体を重合成分として含む単量体組成物を用いて、従来公知の水性懸濁重合、分散重合、乳化重合する方法;(ii)シラン系単量体を用いてビニル基含有ポリシロキサンを得た後、このビニル基含有ポリシロキサンとビニル系単量体とを重合(ラジカル重合)する方法;(iii)シード粒子に、ビニル系単量体を吸収させた後、ビニル系単量体をラジカル重合する、いわゆるシード重合する方法;が好ましい。
前記製造方法(i)では、ビニル系単量体として、前記2つ以上のビニル基を有するシラン化合物、ビニル基を有するジ又はトリアルコキシシラン等のビニル基を有するシラン化合物を併用してもよい。前記製造方法(ii)においては、少なくとも前記第三の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体を用いることによって、ポリシロキサン骨格が導入されたビニル重合体粒子が得られる。
前記製造方法(iii)において、シード粒子としては、非架橋又は架橋度の低いポリスチレン粒子、ポリシロキサン粒子を用いることが好ましい。シード粒子にポリシロキサン粒子を用いることで、ビニル重合体にポリシロキサン骨格を導入できる。
ポリシロキサン粒子としては、前記第三の形態(ビニル重合体−ポリシロキサン間架橋)を形成し得るシラン系架橋性単量体を含む組成物を、(共)加水分解縮合して得られるポリシロキサン粒子が好ましく、特にビニル基含有ポリシロキサン粒子が好ましい。ポリシロキサン粒子がビニル基を有する場合、得られるビニル重合体粒子が、ビニル重合体とポリシロキサン骨格がポリシロキサンを構成するケイ素原子を介して結合するため、弾性変形性及び接触圧に特に優れたものとなる。ビニル基含有ポリシロキサン粒子は、例えば、ビニル基を有するジ又はトリアルコキシシランを含むシラン系単量体(混合物)を(共)加水分解縮合することによって製造できる。
また、前記ビニル重合体粒子がポリシロキサン骨格を含む場合、基材粒子に加熱処理を施すことも好ましい態様である。前記加熱処理は空気雰囲気下又は不活性雰囲気下で行うことが好ましく、不活性雰囲気下(例えば、窒素雰囲気下)で行うことがより好ましい。前記加熱処理の温度は120℃(より好ましくは180℃、さらに好ましくは200℃)以上が好ましく、熱分解温度(より好ましくは350℃、さらに好ましくは330℃)以下が好ましい。前記加熱処理の時間は、0.3時間(より好ましくは0.5時間、さらに好ましくは0.7時間)以上が好ましく、10時間(より好ましくは5.0時間、さらに好ましくは3.0時間)以下が好ましい。
アミノ樹脂粒子
基材粒子としてアミノ樹脂粒子を用いる場合、アミノ樹脂粒子は、アミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物により構成されるものが好ましい。前記アミノ化合物としては、例えば、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、アセトグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン、スピログアナミン等のグアナミン化合物、メラミン等のトリアジン環構造を有する化合物等の多官能アミノ化合物が挙げられる。これらの中でも、多官能アミノ化合物が好ましく、トリアジン環構造を有する化合物がより好ましく、特にメラミン、グアナミン化合物(特にベンゾグアナミン)が好ましい。前記アミノ化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ樹脂粒子は、アミノ化合物中、グアナミン化合物を10質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。アミノ化合物中のグアナミン化合物の含有割合が上記範囲であれば、より粒度分布がシャープであり、粒子径が精密にコントロールされたものとなる。なお、アミノ化合物として、グアナミン化合物のみを用いることも好ましい。
アミノ樹脂粒子は、例えば、水性媒体中でアミノ化合物とホルムアルデヒドを反応(付加縮合反応)させることにより得られる。通常、この反応は加熱下(50〜100℃)で行う。また、ドデシルベンゼンスルホン酸、硫酸等の酸触媒の存在下で反応を行うことにより、架橋度を高めることができる。
アミノ樹脂粒子の製造方法としては、例えば、特開2000−256432号公報、特開2002−293854号公報、特開2002−293855号公報、特開2002−293856号公報、特開2002−293857号公報、特開2003−55422号公報、特開2003−82049号公報、特開2003−138023号公報、特開2003−147039号公報、特開2003−171432号公報、特開2003−176330号公報、特開2005−97575号公報、特開2007−186716号公報、特開2008−101040号公報、特開2010−248475号公報等に記載のアミノ樹脂架橋粒子及びその製造方法を適用することが好ましい。
具体例としては、前記多官能アミノ化合物とホルムアルデヒドを、水性媒体(好ましくは塩基性の水性媒体)中で反応(付加縮合反応)させて縮合物オリゴマーを生成させ、該縮合物オリゴマーが溶解又は分散する水性媒体にドデシルベンゼンスルホン酸や硫酸等の酸触媒を混合して硬化させることによって、架橋されたアミノ樹脂粒子を製造することができる。縮合物オリゴマーを生成させる段階、架橋構造のアミノ樹脂とする段階は、いずれも、50〜100℃の温度で加熱された状態で行うことが好ましい。また、付加縮合反応を、界面活性剤の存在下で行うことにより、粒度分布のシャープなアミノ樹脂粒子が得られる。
オルガノポリシロキサン粒子
基材粒子としてオルガノポリシロキサン粒子を用いる場合、オルガノポリシロキサン粒子は、ビニル基を含有しないシラン系単量体(シラン系架橋性単量体、シラン系非架橋性単量体)の1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することによって得られるものであればよい。前記ビニル基を含有しないシラン系単量体としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等の3官能性シラン系単量体;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するジ又はトリアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するジ又はトリアルコキシシラン等が挙げられる。
2.導電性金属層
本発明の導電性微粒子は、基材粒子の表面に少なくとも一層の導電性金属層が設けられる。導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、スズが導電性に優れた導電性微粒子となることから好ましい。また、コスト的な観点からは、ニッケル、ニッケル合金(Ni−Au、Ni−Pd、Ni−Pd−Au、Ni−Ag、Ni−P、Ni−B、Ni−Zn、Ni−Sn、Ni−W、Ni−Co、Ni−Ti);銅、銅合金(CuとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg,P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg、Ni、Sn、Znとの合金);銀、銀合金(AgとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg−Ni、Ag−Sn、Ag−Zn);スズ、スズ合金(たとえばSn−Ag、Sn−Cu,Sn−Cu−Ag,Sn−Zn、Sn−Sb、Sn―Bi―Ag、Sn―Bi―In、Sn−Au、Sn―Pb等)等が好ましい。これらの中でもニッケル、ニッケル合金が好ましい。
導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル(合金)−金(合金)、ニッケル(合金)−パラジウム(合金)、ニッケル(合金)−パラジウム(合金)−金(合金)、ニッケル(合金)−銀(合金)等の組み合せが好ましく挙げられる。
前記導電性金属層は、必要に応じて、リンを含有していてもよい。適量のリンを含有させることによって導電性金属層を柔らかくでき、基材粒子の10%K値(Kc)と導電性微粒子の10%K値(Km)との比(Km/Kc)を所定値以下に抑制するのが容易になる。この点から、導電性金属層のリン濃度は3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。一方、導電性金属層のリン濃度が高くなりすぎると導電性金属層の導電性が低下するおそれがある。従って導電性金属層のリン濃度は18質量%以下とすることが好ましく、17質量%以下がより好ましく、16質量%以下がさらに好ましい。なおリン濃度は、後述の導電性金属層形成方法において、メッキ液組成やメッキ液のpHを適宜コントロールすること等によって調節できる。
導電性金属層は、基材粒子表面の少なくとも一部を被覆していればよいが、導電性金属層の表面には、実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面が存在しないことが好ましい。ここで、「実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面が存在しない」とは、電子顕微鏡(倍率1000倍)を用いて任意の10000個の導電性微粒子の表面を観察したときに、導電性金属層の割れ、および、基材粒子表面の露出が、実質的に目視で観察されないことを意味する。
導電性金属層の膜厚は適宜設定できるが、基材粒子径が小さくなるほど、該膜厚を薄くすることが推奨される。膜厚を調節することで導電性金属層の機械的影響を低減でき、導電性微粒子のKm/Kcの比を所定値以下にするのが容易になる。具体的には、導電性金属層の膜厚をdとし、基材粒子の個数平均粒子径をDとしたとき、d/Dの比を0.10以下にすることが好ましく、0.08以下がより好ましく、0.06以下がさらに好ましい。一方、d/Dの比を小さくし過ぎると、導電性金属層が薄くなりすぎて接続信頼性が低下するおそれがある。従ってd/Dの比は0.01以上であることが好ましく、0.015以上がより好ましく、0.02以上がさらに好ましい。
導電性金属層の膜厚は、導電性金属層を硝酸や王水等の酸性溶液により溶解させ、得られた溶液中の金属成分をICP発光分析装置を用いて分析することにより求められる。導電性金属層を溶解させる酸性溶液は、導電性金属層を構成する金属種に応じて適宜選択すればよい。導電性金属層の膜厚の算出方法は、実施例(製造例)において詳述する。
なお、上記に説明したように、導電性金属層のリン濃度の絶対値を調整することはKm/Kcの比の調整に効果的であるが、このリン濃度(具体的にはリン濃度の下限値)を、導電性金属層の膜厚dと基材粒子の個数平均粒子径Dの比(d/D)によって変えれば、Km/Kcをより適切に調整できる。具体的には、導電性金属層のリン濃度CPが下記式を満足することが好ましい。
44.4(d/D)+2.56≦CP(%)≦18
[上記式中、dは導電性金属層の膜厚を表し、Dは基材粒子の個数平均粒子径を表す。]
導電性金属層のリン濃度を上記式を満たすように調整することにより、導電性微粒子のKm/Kcの比を2.0以下にすることが容易になる。なお、上記式において、リン濃度CPの下限は44.4(d/D)+3.56(%)であることが好ましく、44.4(d/D)+4.56(%)であることがさらに好ましい。また、リン濃度CPの上限は17%であることがより好ましく、16%であることがさらに好ましい。さらに、Km/Kcの比を2.0以下の範囲に調整するためには、d/Dの比を上述した範囲に制御するとともに、導電性金属層のリン濃度CPが上記した式を満足するように制御することが特に好ましい。
導電性金属層の形成方法
導電性金属層の形成方法は特に限定されず、例えば、基材粒子表面に無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;基材粒子表面に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等により形成できる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
無電解メッキ工程に供される基材粒子には、触媒化処理が施される。また、基材粒子自体が親水性を有さず、導電性金属層との密着性が良好でない場合は、触媒化処理工程前に、エッチング処理工程を設けることが好ましい。
エッチング処理工程では、クロム酸、無水クロム酸−硫酸混合液、過マンガン酸等の酸化剤;塩酸、硫酸、フッ酸、硝酸等の強酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ溶液;その他市販の種々のエッチング剤等を用いて、基材粒子の表面に親水性付与し、その後の無電解メッキ液に対する濡れ性を高める。また、微小な凹凸を形成させ、その凹凸のアンカー効果によって、後述する無電解メッキ後の基材粒子と導電性金属層との密着性の向上を図る。
触媒化処理工程では、基材粒子表面に貴金属イオンを捕捉させた後、これを還元して前記貴金属を基材粒子表面に担持させ、基材粒子の表面に次工程の無電解メッキの起点となりうる触媒層を形成させる。基材粒子自体が貴金属イオンの捕捉能を有さない場合、触媒化を行う前に、表面改質処理を行うことも好ましい。表面改質処理は、表面処理剤を溶解した水又は有機溶媒に、基材粒子を接触させることで行うことができる。
触媒化処理は、例えば、塩化パラジウムや硝酸銀のような貴金属塩の希薄な酸性水溶液に、エッチングした基材粒子を浸漬させた後、基材粒子を分離し水洗する。引き続き水に分散させて、これに還元剤を加えて貴金属イオンの還元処理を行う。触媒化処理で用いられる還元剤としては、例えば、次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ヒドラジン、ホルマリン等が挙げられる。還元剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、スズイオン(Sn2+)を含有する溶液に基材粒子を接触させることによりスズイオンを基材粒子表面に吸着させ感受性化処理を施した後、パラジウムイオン(Pd2+)を含有する溶液に浸漬させることにより、基材粒子表面にパラジウムを析出させる方法(センシタイジング−アクチベーティング法)等を用いてもよい。スズイオン含有溶液、パラジウムイオン含有溶液に基材粒子を浸漬する際の液温、浸漬時間は、各イオンが樹脂粒子に十分に吸着できれば特に限定されず、適宜調整すればよいが、液温は10℃〜60℃が好ましく、浸漬時間は1分〜120分が好ましい。
無電解メッキ工程では、前記触媒化工程にて貴金属触媒を吸着させた触媒化樹脂粒子表面に、導電性金属層を形成する。具体的には、還元剤と所望の金属塩を溶解したメッキ液中に触媒化基材粒子を浸漬することにより、貴金属触媒を起点として、メッキ液中の金属イオンを還元剤で還元し、基材粒子表面に所望の金属を析出させて、導電性金属層を形成する。
無電解メッキ工程では、まず、触媒化基材粒子を水に十分に分散させ、触媒化基材粒子の水性スラリーを調製する。ここで、安定した導電特性を発現させるためには、触媒化基材粒子を、メッキ処理を行う水性媒体に十分分散させておくことが好ましい。触媒化基材粒子を水性媒体に分散させる手段としては、例えば、通常撹拌装置、高速撹拌装置、コロイドミル又はホモジナイザーのような剪断分散装置等従来公知の分散手段を採用すればよく、必要に応じて超音波や分散剤(界面活性剤等)を併用してもよい。
次に、所望の導電性金属の塩、還元剤、錯化剤及び各種添加剤等を含有する無電解メッキ液に、上記で調製した触媒化基材粒子の水性スラリーを添加することにより、無電解メッキ反応を生じさせる。無電解メッキ反応は、触媒化基材粒子の水性スラリーを添加すると速やかに開始する。また、この反応には水素ガスの発生を伴うので、水素ガスの発生が認められなくなった時点をもって無電解メッキ反応を終了すればよい。無電解メッキ反応の終了後、反応系内から導電性金属層が形成された基材粒子を取り出し、必要に応じて洗浄、乾燥を施すことにより、導電性微粒子を得ることができる。
前記導電性金属塩としては、導電性金属層を構成する金属として例示した金属の塩化物、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。例えば、導電性金属層としてニッケル層を形成する場合には、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル等を無電解メッキ液に含有させればよい。これらのニッケル塩は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。また、導電性金属層として銅層を形成する場合には、塩化銅、硫酸銅、酢酸銅、炭酸銅、硝酸銅等の銅塩等を無電解メッキ液に含有させればよい。銅合金層を形成する場合には、前記銅塩に加えて、銅合金層に含ませる金属の塩(例えば、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル等のニッケル塩)を無電解メッキ液に含有させればよい。無電解メッキ液中における導電性金属塩の濃度は、所望の膜厚の導電性金属層が形成されるように、基材粒子のサイズ(表面積)等を考慮して適宜決定すればよい。
前記還元剤としては、例えば、ホルムアルデヒド、次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、テトラヒドロホウ酸カリウム、グリオキシル酸、ヒドラジン等が挙げられる。還元剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、導電性金属層にリンを含有させるには、還元剤として次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸塩を用いることが好ましい。例えば、次亜リン酸塩の添加量を調整することにより、導電性金属層のリン濃度を調整することができる。
前記錯化剤としては、導電性金属のイオンに対して錯化作用のある化合物が使用できる。例えば、銅に対して錯化作用のある化合物としては、グリセロール、酒石酸、イミノ二酢酸、クエン酸、ヒドロキシ酢酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸又はそれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩等のカルボン酸(塩);D−ソルビトール、ズルシトール等の糖類;グリシン等のアミノ酸;エチレンジアミン、トリエタノールアミン、アルキルアミン等のアミン類;その他のアンモニウム、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)又はその塩(例えば、EDTA4Na(エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム)等)、2,2’−ビピリジン、ピロリン酸(塩);等が挙げられる。錯化剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
無電解メッキ液のpHは、限定されないが、例えば4〜14である。なお、無電解メッキ液が次亜リン酸塩等のリン化合物を含む場合、無電解メッキ液のpHを調整することにより、導電性金属層のリン濃度を調整することもできる。例えば、無電解メッキ液のpHを高くすることにより導電性微粒子のリン濃度を下げることができる。この際、導電性金属層のリン濃度を上記説明した範囲に容易に調整できる点から、無電解メッキ液のpHは4.3以上とすることが好ましく、4.4以上がより好ましく、また6.2以下が好ましく、6.0以下がさらに好ましい。
無電解メッキ工程は、必要に応じて繰返し行ってもよい。例えば金属種の異なる無電解メッキ液を用いて無電解メッキ工程を繰返すことにより、基材粒子の表面に異種金属を幾層にも被覆できる。具体的には、基材粒子に銅メッキを施して銅被覆粒子を得た後、該銅被覆粒子をさらに無電解金メッキ液に投入して金置換メッキを行うことにより、最外層が金層で覆われ、その内側に銅層を有する導電性微粒子が得られる。
導電性金属層の膜厚を調整するには、具体的には、無電解メッキ処理を行う際の基材粒子濃度(処理液あたりの基材粒子の量)や無電解メッキ処理で使用する無電解メッキ液の濃度、pH、あるいは無電解メッキ処理の反応温度等を調整すればよい。例えば、無電解メッキ処理の処理液に対する基材粒子の量を増やしたり、無電解メッキ処理で使用する無電解メッキ液の濃度を薄くしたりすると、導電性金属層の膜厚は薄くなる。
なお、無電解メッキ工程に先立って、触媒化基材粒子表面の貴金属触媒を活性化させる活性化工程を設けることが好ましい。貴金属触媒を活性化させることにより、導電性金属層と基材粒子との密着性を高めることができ、また、無電解メッキにおける金属の析出を促進できる。活性化工程では、触媒化基材粒子を、活性化剤を含有する活性化液(アクセレーター溶液)中に浸漬することにより行う。活性化剤としては、例えば、硫酸、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア溶液等が挙げられる。
3.導電性微粒子
基材粒子表面に導電性金属層を形成することにより、導電性微粒子が得られる。導電性微粒子の平均粒子径は特に限定されないが、導電性微粒子の個数平均粒子径は1.03μm以上が好ましく、1.1μm以上がより好ましく、1.2μm以上がさらに好ましく、1.3μm以上が特に好ましく、また3.0μm以下が好ましく、2.8μm以下がより好ましく、2.7μm以下がさらに好ましく、2.6μm以下がより一層好ましく、2.5μm以下がさらに一層好ましく、2.4μm以下が特に好ましい。個数平均粒子径がこの範囲内であれば、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。
なお、導電性微粒子の個数平均粒子径としては、フロー式粒子像解析装置を用いて求めた1000個の粒子の個数基準の平均粒子径を採用することもできる。
導電性微粒子の10%K値(Km)は特に限定されず、基材粒子の10%K値(Kc)の2倍以下であればよい。従って、導電性微粒子の10%K値の好適範囲の上限は、上記に説明した基材粒子の10%K値の好適範囲の上限を2倍した値であればよい。一方、導電性微粒子の10%K値の好適範囲の下限は、上記に説明した基材粒子の10%K値の好適範囲の下限値より大きい値であることが好ましい。
本発明の導電性微粒子は、表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有していてもよい。つまり、導電性微粒子は、導電性金属層の表面にさらに絶縁性樹脂層が設けられてもよい。このように表面の導電性金属層にさらに絶縁性樹脂層が積層されていると、高密度回路の形成時や端子接続時などに生じやすい横導通を防ぐことができる。
前記絶縁性樹脂層としては、導電性微粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力及び/又は加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート重合体および共重合体;ポリスチレン;等の熱可塑性樹脂やその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂等)等の熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂およびこれらの混合物;等が挙げられる。
前記絶縁性樹脂層は、単層であっても、複数の層からなるものであってもよい。例えば、単一又は複数の皮膜状の層が形成されていてもよいし、絶縁性を有する粒状、球状、塊状、鱗片状その他の形状の粒子を導電性金属層の表面に付着させた層であってもよいし、さらには、導電性金属層の表面を化学修飾することにより形成された層であってもよく、または、これらが組み合わされたものであってもよい。絶縁性樹脂層の膜厚は0.005μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、また1μm以下が好ましく、0.8μm以下がより好ましい。絶縁性樹脂層の膜厚が前記範囲内であれば、導電性粒子による導通特性を良好に維持しつつ、粒子間の電気絶縁性が良好となる。
本発明の導電性微粒子は、その表面が平滑であっても凹凸状であってもよい。表面に凹凸状の突起を有していると、異方性導電材料などとして使用する際に、バインダー樹脂を効果的に排除して電極との接続を行えることができ、電極間の接続信頼性を高めることができる。
4.異方性導電材料
本発明の導電性微粒子は、異方性導電材料として有用である。異方性導電材料としては、導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなるものが挙げられる。異方性導電材料の形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インク等様々な形態が挙げられる。これらの異方性導電材料を相対向する基材同士や電極端子間に設けることにより、良好な電気的接続が可能になる。なお、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサー及びその組成物)も含まれる。
前記バインダー樹脂としては、絶縁性の樹脂であれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂組成物には、必要に応じて充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤(顔料、染料)、酸化防止剤、各種カップリング剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導向上剤、有機溶剤等を配合することができる。
なお、異方性導電材料は、前記バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散させ、所望の形態とすることで得られるが、例えば、バインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用し、接続しようとする基材間や電極端子間に導電性微粒子をバインダー樹脂とともに存在させることによって接続してもかまわない。
異方性導電材料において、導電性微粒子の含有量は、用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、異方性導電材料の全量に対して0.01体積%以上が好ましく、より好ましくは0.03体積%以上、さらに好ましくは0.05体積%以上であり、50体積%以下が好ましく、より好ましくは30体積%以下、さらに好ましくは20体積%以下である。導電性微粒子の含有量が少なすぎると、充分な電気的導通が得られ難い場合があり、一方、導電性微粒子の含有量が多すぎると、導電性微粒子同士が接触してしまい、異方性導電材料としての機能が発揮され難い場合がある。
異方性導電材料におけるフィルム膜厚、ペーストや接着剤の塗工膜厚、印刷膜厚等については、使用する導電性微粒子の粒子径と、接続すべき電極の仕様とを考慮し、接続すべき電極間に導電性微粒子が狭持され、且つ接続すべき電極が形成された接合基板同士の空隙がバインダー樹脂層により充分に満たされるように、適宜設定することが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記の実施例(製造例)により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断らない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
(1)測定・評価方法
(1−1)基材粒子の個数平均粒子径
粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径を測定し、個数基準の平均粒子径を算出した。なお、基材粒子の粒子径測定では、基材粒子0.005部に界面活性剤(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標) N−08」)の1%水溶液20部を加え、超音波で10分間分散させた分散液を測定試料とした。シード粒子の粒子径測定では、加水分解、縮合反応で得られた分散液を、界面活性剤(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標) N−08」)の1%水溶液により希釈したものを測定試料とした。
(1−2)導電性金属層の膜厚
導電性微粒子0.05gに王水を8ml添加して80℃で撹拌し、導電性微粒子の導電性金属層を王水中に溶解させた。得られた溶液をICP発光分析装置(理学電機社製、CIROS120)を用いて分析し、下記式(1)より導電性金属層の膜厚を算出した。なお、下記の製造例では、基材粒子表面に導電性金属層としてニッケル層またはニッケル層+金層を設けたが、下記式(1)中、rは基材粒子の半径(μm)、tはニッケル層の厚み(μm)、dNiはニッケル層の密度、dbaseは基材粒子の密度、Wはニッケル層成分含有率(質量%)、Xは金層成分含有率(質量%)を表す。ここで、ニッケル層成分とは、ニッケル層に含まれるニッケル元素またはニッケル合金元素を表し、金層成分とは、金層に含まれる金元素または金合金元素を表す。
導電性金属層としてニッケル層を設けた場合は、上記式(1)においてX=0として、ニッケル層の厚みtを算出した。導電性金属層としてニッケル層+金層を設けた場合は、次いで、下記式(2)により金層の厚みを算出した。下記式(2)中、aは金層の厚み(μm)、dPrecは金層の密度、d(base+Ni)は、基材粒子にニッケル層を設けた粒子の密度、Xは金層成分含有率(質量%)を表す。なお、前記密度d(base+Ni)は、下記式(3)から算出した。下記式(3)中、dNi、dbase、Wは上記と同じ意味を表す。
(1−3)導電性金属層のリン濃度
導電性微粒子0.05gに王水8mLを加え、加熱下で撹拌することにより導電性金属層を溶解しろ別した。その後、ろ液をICP発光分析装置(理学電機社製、CIROS120)を用いて、金属(ここでは、ニッケル)及びリンの含有量を分析した。
(1−4)基材粒子と導電性微粒子の10%K値
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、「標準表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(2.2295mN/秒)で荷重をかけ、圧縮変位が粒子径の10%になったときの荷重値(mN)とそのときの変位量(μm)を測定した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。そして、得られた荷重値(mN)を圧縮荷重(N)に換算し、得られた変位量(μm)を圧縮変位(mm)に換算し、基材粒子の平均粒子径(μm)から粒子の半径(mm)を算出し、これらを用いて下記式に基づき10%K値(粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率)を算出した。
(ここで、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。)
10%K値は基材粒子と導電性微粒子それぞれについて算出し、基材粒子の10%K値をKcとし、導電性微粒子の10%K値をKmとして、Km/Kcの比を求めた。
(1−5)導電性微粒子の接続信頼性
導電性微粒子10部に、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(三菱化学社製、「JER828」)100部、硬化剤(三新化学社製、「サンエイド(登録商標) SI−150」)2部およびトルエン100部を加えた。この混合物にさらに1mmのジルコニアビーズ50部を加えて、ステンレス製の2枚攪拌羽根を用いて300rpmで10分間分散を行い、ペースト状組成物を得た。得られたペースト状組成物をバーコーターで剥離処理PETフィルム上に塗布し、乾燥させて、異方性導電フィルムを得た。得られた異方性導電フィルムを、抵抗測定用の線を有する全面アルミ蒸着ガラス基板と20μmピッチに銅パターンを形成したポリイミドフィルム基板間に挟み込み、導電性微粒子を粒子径の20%変形させ、200℃の圧着条件で熱圧着して測定試料を作製した。この試料について、電極間の抵抗値(初期抵抗値)を評価した。また、測定試料を、温度80℃、湿度90%で1000時間放置した後の電極間の抵抗値についても同様に測定し、下記式により抵抗値上昇率を求めた。
抵抗値上昇率(%)=[(温度80℃、湿度90%、1000時間後抵抗値)−(初期抵抗値)]/(初期抵抗値)×100
初期抵抗値について、下記基準に基づき評価した。
○:5Ω以下
×:5Ωを超える
また、抵抗値上昇率について、接続信頼性として、下記基準に基づき評価した。
◎:1%以下
○:1%を超え3%以下
×:3%を超える
(2)導電性微粒子の製造
(2−1)製造例1
(基材粒子の製造)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水2400部と、25%アンモニア水4.0部、メタノール1200部を入れ、撹拌下、滴下口から、重合性シラン化合物(単量体成分)として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)28.5部とビニルトリメトキシシラン(VTMS)41.5部の混合液を添加し、シラン化合物の加水分解、縮合反応を行って、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の乳濁液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は1.95μmであった。
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標) NF−08」)の20%水溶液1.2部をイオン交換水17.5部に溶解した溶液に、吸収モノマー(単量体成分)としてDVB960(新日鐵化学社製、ジビニルベンゼン含量96質量%)17.5部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)1.2部とを溶解した溶液を加え、乳化分散させて吸収モノマーの乳化液を調製した。乳化分散の開始から2時間後、得られた乳化液を、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の乳濁液中に添加して、さらに撹拌を行った。乳化液の添加から1時間後、混合液をサンプリングして顕微鏡で観察を行ったところ、ポリシロキサン粒子が吸収モノマーを吸収して肥大化していることが確認された。
次いで、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の20%水溶液6.0部を加え、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて、65℃で2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、窒素雰囲気下280℃で1時間焼成し、基材粒子1を得た。基材粒子1の個数平均粒子径は2.5μmであった。
(導電性金属層の形成)
基材粒子1に、水酸化ナトリウム水溶液によるエッチング処理を施した後、二塩化スズ溶液に接触させ、その後、二塩化パラジウム溶液に浸漬させることにより(センシタイジング−アクチベーティング法)、パラジウム核を形成させた。パラジウム核を形成させた基材粒子10部をイオン交換水5000部に添加し、超音波照射により十分に分散させ、懸濁液を得た。この懸濁液を70℃に加熱して撹拌しながら、70℃に加熱したニッケルメッキ液460mLを添加した。前記ニッケルメッキ液は、乳酸を35.0g/L、コハク酸を55.0g/L、硫酸ニッケルを110.0g/L、次亜リン酸ナトリウムを230g/L含有しておりpHは4.6に調整されていた。液温を70℃で保持し、水素ガスの発生が停止したことを確認してから、60分間撹拌した。その後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順で洗浄することにより、ニッケルメッキを施した導電性微粒子1を得た。導電性微粒子1の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は125nmで、導電性金属層のリン濃度は7.0質量%であった。
(2−2)製造例2
製造例1において、ニッケルメッキ液を、乳酸を52.5g/L、リンゴ酸を10.5g/L、硫酸ニッケルを110.0g/L、次亜リン酸ナトリウムを230g/L(pHは4.6に調整)に変更した以外は、製造例1と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子2を得た。導電性微粒子2の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は125nmで、導電性金属層のリン濃度は11.0質量%であった。
(2−3)製造例3
(基材粒子の製造)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1800部と、25%アンモニア水24部、メタノール600部を入れ、撹拌下、滴下口から、重合性シラン化合物(単量体成分)として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)50部を添加し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有するポリシロキサン粒子(シード粒子)の乳濁液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は1.25μmであった。
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標) NF−08」)の20%水溶液5.0部をイオン交換水200部に溶解した溶液に、吸収モノマー(単量体成分)としてスチレン160部および1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(HXDMA)40部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)2.5部とを溶解した溶液を加え、乳化分散させて吸収モノマーの乳化液を調製した。乳化分散の開始から2時間後、得られた乳化液を、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の乳濁液中に添加して、さらに撹拌を行った。乳化液の添加から1時間後、混合液をサンプリングして顕微鏡で観察を行ったところ、ポリシロキサン粒子が吸収モノマーを吸収して肥大化していることが確認された。
次いで、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の20%水溶液12.5部とイオン交換水1000部を加え、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて、65℃で2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、窒素雰囲気下120℃で2時間真空乾燥し、基材粒子2を得た。基材粒子2の個数平均粒子径は2.5μmであった。
(導電性金属層の形成)
次いで、製造例1の導電性金属層の形成において、基材粒子2を用いて、ニッケルメッキ液量を270mLに変更した以外は、製造例1と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子3を得た。導電性微粒子3の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は75nmで、導電性金属層のリン濃度は6.5質量%であった。
(2−4)製造例4
製造例3において、ニッケルメッキ液の組成を、乳酸を52.2g/L、リンゴ酸を10.5g/L、硫酸ニッケルを110.0g/L、次亜リン酸ナトリウムを230g/L(pHは4.5に調整)に変更した以外は、製造例3と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子4を得た。導電性微粒子4の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は75nmで、導電性金属層のリン濃度は15.0質量%であった。
(2−5)製造例5
(基材粒子の製造)
製造例3の基材粒子2の製造において、吸収モノマーの種類と使用量を、スチレン100部および1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(HXDMA)100部に変更したこと以外は、製造例3と同様の方法により基材粒子3を得た。基材粒子3の個数平均粒子径は2.5μmであった。
(導電性金属層の形成)
次いで、製造例2の導電性金属層の形成において、基材粒子3を用いて、ニッケルメッキ液量を730mLに変更した以外は、製造例2と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子5を得た。導電性微粒子5の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は200nmで、導電性金属層のリン濃度は12.0質量%であった。
(2−6)製造例6
(基材粒子の製造)
製造例1の基材粒子1の製造において、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製するにあたり、イオン交換水の使用量を2800部に、メタノールの使用量を800部に変更したこと以外は、製造例1と同様の方法により基材粒子4を得た。なお、シード粒子の個数基準の平均粒子径は1.51μmであり、基材粒子4の個数平均粒子径は2.0μmであった。
(導電性金属層の形成)
次いで、製造例2の導電性金属層の形成において、基材粒子4を用いて、ニッケルメッキ液のpHを4.4に変更した以外は、製造例2と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子6を得た。導電性微粒子6の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は100nmで、導電性金属層のリン濃度は16.0質量%であった。
(2−7)製造例7
(基材粒子の製造)
製造例3の基材粒子2の製造において、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製するにあたり、イオン交換水の使用量を2100部に、メタノールの使用量を300部に変更したこと以外は、製造例3と同様にしてメタクリロイル基を有する重合性ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は0.75μmであった。さらに、吸収モノマーの種類と使用量をスチレン200部に変更し、乾燥温度を80℃に、乾燥時間を4時間に変更したこと以外は、製造例2と同様にシード粒子への吸収モノマーの吸収およびラジカル重合を行うことによって、基材粒子5を得た。基材粒子5の個数平均粒子径は1.5μmであった。
(導電性金属層の形成)
次いで、製造例2の導電性金属層の形成において、基材粒子5を用いて、ニッケルメッキ液量を360mL、ニッケルメッキ液のpHを4.5に変更した以外は、製造例1と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子7を得た。導電性微粒子7の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は75nmで、導電性金属層のリン濃度は15.0質量%であった。
(2−8)製造例8
(基材粒子の製造)
製造例3の基材粒子2の製造において、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製するにあたり、イオン交換水の使用量を1600部に、メタノールの使用量を800部に変更したこと以外は、製造例3と同様の方法により基材粒子6を得た。なお、シード粒子の個数基準の平均粒子径は1.40μmであり、基材粒子6の個数平均粒子径は2.8μmであった。
(導電性金属層の形成)
次いで、製造例1の導電性金属層の形成において、基材粒子6を用いて、ニッケルメッキ液量を230mL、ニッケルメッキ液の組成を、グリシン38g/L、酢酸ナトリウム57.0g/L、硫酸ニッケル110.0g/L、次亜リン酸ナトリウム230g/L(pHは5.8に調整)に変更した以外は、製造例1と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子8を得た。導電性微粒子8の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は70nmで、導電性金属層のリン濃度は5.5質量%であった。
(2−9)製造例9
(基材粒子の製造)
製造例8の基材粒子6の製造において、吸収モノマーの種類と使用量を、スチレン100部および1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(HXDMA)100部に変更したこと以外は、製造例8と同様の方法により基材粒子7を得た。基材粒子7の個数平均粒子径は2.8μmであった。
(導電性金属層の形成)
次いで、製造例1の導電性金属層の形成において、基材粒子7を用いて、ニッケルメッキ液量を360mL、ニッケルメッキ液のpHを5.0に変更した以外は、製造例1と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子9を得た。導電性微粒子9の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は110nmで、導電性金属層のリン濃度は9.0質量%であった。
(2−10)製造例10
製造例9と同様の方法により基材粒子7を得た。次いで、製造例1の導電性金属層の形成において、基材粒子7を用いて、ニッケルメッキ液量を520mLに変更した以外は、製造例1と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子10を得た。導電性微粒子10の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は160nmで、導電性金属層のリン濃度は6.2質量%であった。
(2−11)製造例11
製造例1と同様の方法により導電性微粒子1(ニッケルメッキ粒子)を得た。次いで、導電性微粒子1(ニッケルメッキ粒子)を、シアン化金カリウムを5g/L、クエン酸三ナトリウムを12g/L、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウムを10g/L含有する置換金メッキ液に加え、0.02μmの金メッキ厚みになるまで置換金メッキを行い、ニッケルメッキと金メッキを施した導電性微粒子11を得た。導電性微粒子11の導電性金属層(ニッケル層+金層)の膜厚は130nmで、導電性金属層のリン濃度は7.2質量%であった。
(2−12)製造例12
製造例3と同様の方法により基材粒子2を得た。次いで、製造例8の導電性金属層の形成において、基材粒子2を用いて、ニッケルメッキ液量を270mL、ニッケルメッキ液のpHを6.3に変更した以外は、製造例8と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子12を得た。導電性微粒子12の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は75nmで、導電性金属層のリン濃度は3.0質量%であった。
(2−13)製造例13
製造例5と同様の方法により基材粒子3を得た。次いで、製造例8の導電性金属層の形成において、基材粒子3を用いて、ニッケルメッキ液量を730mL、ニッケルメッキ液のpHを5.8に変更した以外は、製造例8と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子13を得た。導電性微粒子13の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は200nmで、導電性金属層のリン濃度は5.0質量%であった。
(2−14)製造例14
製造例9と同様の方法により基材粒子7を得た。次いで、製造例1の導電性金属層の形成において、基材粒子7を用いて、ニッケルメッキ液量を980mLに変更した以外は、製造例2と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子14を得た。導電性微粒子14の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は300nmで、導電性金属層のリン濃度は10.0質量%であった。
(2−15)製造例15
製造例3と同様の方法により基材粒子2を得た。次いで、製造例2の導電性金属層の形成において、基材粒子2を用いて、ニッケルメッキ液量を270mL、ニッケルメッキ液のpHを4.2に変更した以外は、製造例2と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子15を得た。導電性微粒子15の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は75nmで、導電性金属層のリン濃度は19.0質量%であった。
(2−16)製造例16
(基材粒子の製造)
製造例3の基材粒子2の製造において、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製するにあたり、イオン交換水の使用量を1400部に、メタノールの使用量を1000部に変更したこと以外は、製造例3と同様にしてメタクリロイル基を有する重合性ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は1.60μmであった。さらに、吸収モノマーの種類と使用量をスチレン100部および1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(HXDMA)100部に変更したこと以外は、製造例2と同様にシード粒子への吸収モノマーの吸収およびラジカル重合を行うことによって、基材粒子8を得た。基材粒子8の個数平均粒子径は3.2μmであった。
(導電性金属層の形成)
次いで、製造例1の導電性金属層の形成において、基材粒子8を用いて、ニッケルメッキ液量を1000mLに変更した以外は、製造例1と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子16を得た。導電性微粒子16の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は350nmで、導電性金属層のリン濃度は6.0質量%であった。
(2−17)製造例17
製造例16と同様の方法により基材粒子8を得た。次いで、製造例2の導電性金属層の形成において、基材粒子8を用いて、ニッケルメッキ液量を1000mLに変更した以外は、製造例1と同様の方法によりニッケルメッキを施した導電性微粒子17を得た。導電性微粒子17の導電性金属層(ニッケル層)の膜厚は350nmで、導電性金属層のリン濃度は12.0質量%であった。
(3)評価
製造例1〜11で得られた導電性微粒子は、基材粒子の平均粒子径が1.0μm〜2.8μmと微細であるにも関わらず、Km/Kcの比を2.0以下に調整することにより、異方性導電材料として用いた場合に初期抵抗値と接続信頼性に優れるものとなった。一方、製造例12〜15で得られた導電性微粒子は、Km/Kcの比が2.0より大きく、接続信頼性の低いものとなった。なお、製造例16〜17の導電性微粒子は、基材粒子の平均粒子径が大きく、Km/Kcの比が2以下であっても2より大きくても、接続信頼性に優れるものとなった。
本発明の導電性微粒子は、例えば、LCD用導通スペーサや、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インク等の異方性導電材料に好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 基材粒子と、該基材粒子の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、
    前記基材粒子の個数平均粒子径が1.0μm〜2.8μmであり、
    前記導電性金属層の膜厚をdとし、基材粒子の個数平均粒子径をDとしたときの、d/Dの比が0.01〜0.10であり、
    前記導電性金属層がニッケルとリンを含有し、前記導電性金属層のリン含有率C p が、導電性金属層の膜厚dと基材粒子の個数平均粒子径Dに対し、下記式の関係を満たすものであり、
    44.4(d/D)+2.56≦C p (%)≦18
    前記基材粒子の個数平均粒子径が1.0μm以上1.5μm未満の場合は、基材粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)は20,000N/mm2以上、70,000N/mm2以下であり、基材粒子の個数平均粒子径が1.5μm以上2.0μm未満の場合は、基材粒子の10%K値は10,000N/mm2以上、45,000N/mm2以下であり、基材粒子の個数平均粒子径が2.0μm以上2.5μm未満の場合は、基材粒子の10%K値は5,000N/mm2以上、30,000N/mm2以下であり、基材粒子の個数平均粒子径が2.5μm以上2.8μm以下の場合は、基材粒子の10%K値は4,000N/mm2以上、25,000N/mm2以下であり、且つ
    前記基材粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)をKcとし、前記導電性微粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)をKmとしたとき、Km/Kcの比が2.0以下であることを特徴とする導電性微粒子。
  2. 前記導電性金属層のリン濃度が、4質量%以上、18質量%以下である請求項1に記載の導電性微粒子。
  3. 前記基材粒子が樹脂粒子である請求項1又は2に記載の導電性微粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子を含むことを特徴とする異方性導電材料。
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