JP5046689B2 - 異方導電性接着フィルム - Google Patents

異方導電性接着フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP5046689B2
JP5046689B2 JP2007060336A JP2007060336A JP5046689B2 JP 5046689 B2 JP5046689 B2 JP 5046689B2 JP 2007060336 A JP2007060336 A JP 2007060336A JP 2007060336 A JP2007060336 A JP 2007060336A JP 5046689 B2 JP5046689 B2 JP 5046689B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
mass
adhesive film
monomer
conductive adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007060336A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008222785A (ja
Inventor
健敏 臼井
博実 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei E Materials Corp
Original Assignee
Asahi Kasei E Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei E Materials Corp filed Critical Asahi Kasei E Materials Corp
Priority to JP2007060336A priority Critical patent/JP5046689B2/ja
Publication of JP2008222785A publication Critical patent/JP2008222785A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5046689B2 publication Critical patent/JP5046689B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、微細パターンの電気的接続において、微小面積の電極の電気的接続性に優れると共に、微細な配線間の絶縁破壊(ショート)が起こりにくく、長期信頼性を与える接続が可能な、保存安定性の高い異方導電性接着フィルムに関する。
異方導電性接着フィルムは、絶縁性バインダー樹脂中に導電粒子を分散させたフィルムであり、液晶ディスプレイと半導体チップやTCPとの接続又はFPCとTCPとの接続、FPCとプリント配線板との接続を簡便に行うために使用される接続部材で、例えば、ノート型パソコンや携帯電話の液晶ディスプレイと制御ICとの接続用として広範に用いられ、最近では、半導体チップを直接プリント基板やフレキシブル配線板に搭載するフリップチップ実装にも用いられている(非特許文献1)。
この分野では近年、接続される配線パターンや電極パターンの寸法が益々微細化されている。微細化された配線や電極の幅は10数μmレベルまで微細化される場合も多くなってきている一方で、これまで用いられてきた導電粒子の平均粒子径は、配線や電極の線幅と同レベルの数μmから10μmレベルの粒子であった。そうすると、接続される電極パターンの寸法が小さくなると、導電粒子がランダムに分散配置されている異方導電性接着フィルムでは、導電粒子の分布に偏差が生じているため、接続すべき電極パターンが導電粒子の存在しない位置に配置されてしまい、電気的に接続されない場合が、確率論として避けられない。
この問題点を解決するためには、より小さな導電粒子を高密度でフィルム内に均一に分散させることが有効であるが、導電粒子の寸法を小さくすると、表面積が急激に大きくなって2次凝集し易くなり、隣接電極間の絶縁を保持できなくなり、逆に、絶縁を保持するために導電粒子の密度を下げると、今度は、接続されない電極パターンが発生してしまうため、接続信頼性を保ったまま微細化に対応することは困難とされていた。
さらに、導電粒子を小粒子径化すればするほど、用いる絶縁性バインダー樹脂によっては、絶縁抵抗が低くなったり、接続抵抗が高くなったり、隣接電極間でショートが発生したりといった長期接続信頼性が低下する場合が多くなることが判り、その対策が併せて求められていた。
このような課題に対しては従来から電極端子間で固定される導電粒子の弾性構造に着目した検討が行われている。特に、導電粒子の樹脂粒子を構成する樹脂の弾性率等の選択によってこれを解決する検討も公開されている(特許文献1、2、3)。これらの検討によれば、対向する端子間は異方導電性接着フィルム中の導電粒子を捕捉することで電気的接続を行う。この際、対向電極間に挟まれた導電粒子は一定の弾性変形を起こし球体から扁平な形状に変形する。これによって、電極に対する接地面積を増やし安定した接続信頼性を実現するものである。また、設計された対向電極間の間隔は接続後も一定の高さのばらつきを有する。このようなばらつきは配線の微細化及び導電粒子の微小化に従って、電極に対する接地面積の低下を促し、結果として信頼性低下の原因となりうる。これらの解決のためには、捕捉された個々の導電粒子の変形の度合いによってこれらを吸収し、かつ導電粒子を一定の応力を保持しつつ端子間に固定されることが要求される。このような考察から、上記特許文献1〜3には、一定の弾性率範囲の導電粒子を選択することによって所定の扁平構造を維持し、信頼性を向上する検討が公開されている。
しかしながら、異方導電性接着フィルムによる接続工程は、絶縁性バインダー樹脂の流
動、導電粒子の流動および電極端子間での捕捉、絶縁性バインダー樹脂の硬化反応といった短時間での連続的かつ複雑な過程を経る。このため、導電粒子を構成する特定の樹脂成分を用いて弾性構造を選択するだけでは、電極サイズが急激に極小化する本分野において要求される高度な信頼性の確保は不十分であった。
また、導電粒子の樹脂粒子を構成する樹脂の組成についてはジビニルベンゼン及びエチルビニルベンゼンを使用して架橋分子構造を実現する検討も公開されている(特許文献4)。しかし、ジビニルベンゼン量が多い組成構造については金属メッキ層との密着性が不良となる難点があり十分な検討がなされていない。
さらに、特許文献5〜7には弾性率の低い樹脂粒子を用いた検討、特許文献8〜9にはジビニルベンゼンと単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子を用いた検討が公開されている。ここで、単量体の分子構造を比較した場合、エチルビニルベンゼンが単独で重合した樹脂は、そのガラス転移温度(Tg)がスチレンないしジビニルベンゼンと同等の100℃以上と考えられる。このため、ジビニルベンゼンの一部をエチルビニルベンゼンに替えても樹脂粒子の弾性率への影響は小さいと予想される。その結果、当該分野ではジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体の三者を使用した架橋構造を有する樹脂粒子を用いた導電粒子の検討は十分に行われていない。
一方、絶縁性バインダー樹脂の組成に関しては、特許文献5に、弾性率の低い導電粒子、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂及び潜在性硬化剤からなる異方導電性接着フィルムに対する検討が開示されている。また、特許文献9に、弾性率の低い導電粒子、エポキシ樹脂及び通常の硬化剤からなる異方導電性接着フィルムに対する検討が開示されている。ここで、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂及び潜在性硬化剤からなる絶縁性バインダー樹脂は保存中の温度(約5℃)においては不活性であるが、一旦潜在性硬化剤の活性温度以上の環境に置かれると、熱硬化反応後に急激に弾性率が向上する特性を有する。かかる、急速な弾性率変化にさらされた結果、硬化後の異方導電性接着フィルム内部には残留応力が多分に発生する。このような配合の絶縁性バインダー樹脂に、上記に示したような弾性率の低い導電粒子を使用することは、特に電極間の導通接点における局所的な残留応力を緩和する効果も有すると考えられる。しかしながら、上記したようにエチルビニルベンゼンはガラス転移温度(Tg)が通常100℃以上と極めて高く、粒子の弾性率を増加させる効果があると予想される。このためか、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂及び潜在性硬化剤からなる異方導電性接着フィルムの検討においては、ジビニルベンゼンと単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体を用いた弾性率の低い導電粒子の検討は公開されているが、あえて高いガラス転移温度(Tg)を実現するエチルビニルベンゼンとの組み合わせに関する検討は十分になされていない。
加えて、本分野におけるガラス回路板やシリコンチップを実装するための絶縁性バインダー樹脂においては、シランカップリング剤を配合することが知られている。しかし、特に日本国内のように高温多湿な自然環境下では、使用前の異方導電性接着フィルムが空気中の水分を吸湿しシランカップリング剤と空気中の水分が反応し、保存安定性が著しく低下することが予想される。そのためか、当該分野ではシランカップリング剤を使用した異方導電性接着フィルムについての検討は十分に行われていない。
特開2003−323813号公報 再公表特許WO2005/002002 特開2005−166934号公報 特開昭61−277105号公報 特開平9−199206号公報 特開平8−225625号公報 特開平9−185069号公報 特開2003−306782号公報 特開2006−196411号公報 菅沼克昭「ここまできた導電性接着剤技術」、2004年1月発行、工業調査会
本発明は、微細パターンの電気的接続において、微小面積の電極の電気的接続性に優れると共に、微細な配線間の絶縁破壊(ショート)が起こりにくく、長期信頼性を与える接続が可能な、保存安定性の高い異方導電性接着フィルムの提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の単量体組成に着目して作成した導電粒子と特定の絶縁性バインダー樹脂組成物を組み合わせることで微細なパターンの回路接続において高度な信頼性を実現することを見出した。
特に、絶縁性バインダー樹脂の組成構造のうち、特定のシランカップリング剤との組み合わせによって著しい信頼性の向上を見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記の通りである。
1.
(1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂及び(4)潜在性硬化剤からなる異方導電性接着フィルム。
2.
(1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂、(4)潜在性硬化剤および(5)シランカップリング剤からなる異方導電性接着フィルム。
3.
(1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂及び(4)潜在性硬化剤からなる異方導電性接着フィルム。
4.
(1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂、(4)潜在性硬化剤および(5)シランカップリング剤からなる異方導電性接着フィルム。
5.
導電粒子(1)が12〜94.7質量%のジビニルベンゼン、0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン及び5〜80質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体(ただし合計100質量%)から重合される樹脂粒子表面に金属をメッキした導電粒子である1.又は2.記載の異方導電性接着フィルム。
6.
導電粒子(1)が12〜94.4質量%のジビニルベンゼン、0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン、5〜79質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及び0.3〜70質量%のその他の単量体(ただし合計100質量%
)か
ら重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子である3.又は4.記載の異方導電性接着フィルム。
7.
単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体が1,3−ブタジエンである樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子(1)である、1.〜6.のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルム。
8.
単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体がポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートである樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子(1)である、1.〜6.のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルム。
9.
単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体がブタジエンオリゴマーの両末端(メタ)アクリル変生物である樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子(1)である、1.〜6.のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルム。
10.
1.〜9.のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルムを用いて相互に対向する端子を有する回路基板と回路部材を接続することを特徴とする回路構造体。
11.
相互に対向する端子を有する回路基板と回路部材の間に1.〜9.のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルムを挿入し、150〜250℃の温度加熱を行って接続することを特徴とする回路構造体の製造方法。
本発明の異方導電性接着フィルムは、保存安定性が高く、微細面積の電極の電気的接続性に優れると共に、微細な配線間の絶縁破壊(ショート)を起こしにくく、微細ピッチの接続性に優れると共に、長期信頼性を与える接続を可能にする効果を有する。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明は、厚さ方向に加圧することで導電性を有する異方導電性接着フィルムに関する。
本発明は、特定の樹脂粒子の表面に金属をメッキして製造される導電粒子を用いることが必須である。特に樹脂粒子を構成する単量体は、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体を用いることが必須である。
特に12〜94.7質量%のジビニルベンゼンと0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン及び5〜80質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体を用いることで初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。導電粒子に用いられる樹脂粒子の分子構造が、異方導電性接着フィルムの性能に大きな影響を及ぼす原理は明らかではない。しかし、以下のような樹脂粒子の架橋構造の特異性によって、対向する電極間に力学的に接続される際に、特異な弾性構造を発現し、電極間での粒子捕捉性を向上させたと考えられる。ここでベンゼン骨格上に2つのビニル基を有するジビニルベンゼンと一方のビニル基が飽和したエチル基で構成されるエチルビニルベンゼンとは構造が極めて似ているため、ラジカル重合において交互共重合が非常に高く形成されることが予想される。この際、立体障害性の極めて大きいエチル基がジビニルベンゼンの残されたビニル基の反応を抑制する。この結果、ジビニルベンゼンとスチレンの単純な共重合物に比べて架橋密度が低くかつ共重合された樹脂の自由体積の大きな樹脂粒子を実現できると考えられる。これによって、絶縁性バインダー樹脂を硬化するのに必要な20
0℃付近において、導電粒子が力学的に捕捉される際の好適な条件が満たされると考えられるからである。
ジビニルベンゼン/エチルビニルベンゼン/及び5〜80質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体の質量比(但し、合計で100質量%)は、好ましくは15〜70質量%/10〜35質量%/20〜60質量%であり、特に好ましくは20〜40質量%/15〜30質量%/30〜50質量%である。
単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体とは、当該単量体を乳化重合、溶液重合等により重合して得られた重合物を示差走査熱量計にて昇温速度10℃/分で測定した場合のガラス転移温度が0℃以下である単量体を言い、例えば共役ジエン単量体、脂肪族単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体および低ガラス転移温度(Tg)ポリマーの末端変性単量体などから選択される。
共役ジエン単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3ペンタジエン、クロロプレン、2−クロロ−1,3ブタジエン、シクロブタジエンなどを挙げることができ、これらを単独で、又は2種以上組み合わせて使用できる。
脂肪族単量体単量体としては、例えばブチルエチレン、ドデシルエチレン、デシルエチレン、エチレン、エチルエチレン、プロピレンなどを挙げることができ、これらを単独で、又は2種以上組み合わせて使用できる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えばn−ブチルアクリレ−ト、t−ブチルアクリレ−ト、sec−ブチルアクリレ−ト、イソブチルアクリレ−ト、シクロドデシル(メタ)アクリレ−ト、ドデシル(メタ)アクリレ−ト、ドデシル(メタ)アクリレ−ト、3−エトキシプロピルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ヘプチルアクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、メチルブチルアクリレート、1,3−ジメチルブチルアクリレート、ノニルアクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルアクリレート、3−ペンチル(メタ)アクリレート、プロピルアクリレート、プロピレングリコ−ルアクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルエトキシアクリレ−ト、メトキシポリエチレングリコ−ルアクリレ−トなどを挙げることができ、これらを単独で、又は2種以上組み合わせて使用できる。
低ガラス転移温度(Tg)ポリマーの末端変性単量体とは、低ガラス転移温度(Tg)ポリマーないしオリゴマーにビニル基、アリル基、(メタ)アクリレート基などのラジカル重合可能な官能基を導入したものであり、導入した官能基を用いて単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下であるものをいう。
低ガラス転移温度(Tg)ポリマーないしオリゴマーとは例えば上記の共役ジエン単量体、脂肪族単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合したポリマーないしオリゴマーのほか、ポリアルキレンオキサイド、ポリシロキサン等が用いられる。ポリアルキレンオキサイドとしてはポリオキシブタジエン、ポリオキシブトキシメチルエチレン、ポリオキシブチルエチレン、ポリオキシエトキシメチルエチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチルエチレン、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシトリメチレン等が用いられる。ポリシロキサンとしてはポリジメチルシロキサン、ポリオキシジメチルシルレン等が用いられる。これらの低ガラス転移温度(Tg)ポリマーないしオリゴマーの末端に反応性官能基を導入することで低ガラス転移温度(Tg)ポリマーの末端変性単量体が得られる。
低ガラス転移温度(Tg)ポリマーの末端変性単量体としては、例えば、ブタジエンオリゴマーの両末端アクリル変生物として日本曹達株式会社製、商品名TEA−1000(1,2−ビニル結合85%以上、1,4−トランス結合15%以下)、ブタジエンオリゴマーの両末端メタアクリル変生物として日本曹達株式会社製、商品名TEA−2000(1,2−ビニル結合85%以上、1,4−トランス結合15%以下)が用いられる。(下記式(1)にTEA−1000の構造式を示す。但し、nは1〜30の整数。下記式(2)にTEA2000の構造式を示す。但し、nは1〜30の整数。)。また、ポリアルキレンオキサイドの両末端アクリル変生物として日本油脂株式会社製ブレンマーPDEシリーズ(ポリエチレングリコールジメタクリレート)、ブレンマーADEシリーズ(ポリエチレングリコールジアクリレート)、ブレンマーPDPシリーズ(ポリプロピレングリコールジメタクリレート)、ブレンマーADPシリーズ(ポリプロピレングリコールジアクリレート)、ブレンマーPDTシリーズ(ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、下記式(3)にその構造式を示す。但し、nは1〜30の整数。)、ブレンマーPDET、ADETシリーズ(ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート)、ブレンマーPDPT、ADPTシリーズ(ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコールジ)(メタ)アクリレート)、ブレンマーPDCシリーズ(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールジメタクリレート、ブレンマーADCシリーズ(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールジアクリレート)が用いられる。この他、ポリシロキサンの片末端メタクリル変生物として信越化学工業株式会社製、X−22−2426(下記式(4)にその構造式を示す。但し、nは5〜180の整数。)が用いられる。
Figure 0005046689
Figure 0005046689
Figure 0005046689
Figure 0005046689
(式中R、Rはアルキル基)
本発明では、特に単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体を5〜80質量%用いた場合に、著しく信頼性が向上する。本発明において、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体を用いた場合に、異方導電性接着フィルムの性能が向上する理由は明らかではない。しかし、以下の様な理由が考えられる。ジビニルベンゼンとエチルビニルベンゼンが共重合した樹脂は適度な密度に架橋し、かつ約100℃程度の高いガラス転移温度を有する。また、両者の化学構造の類似性から両単量体は選択的に反応し弾性率の高い樹脂ブロック(ハードセグメント)を樹脂粒子内に有すると考えられる。ここへ、化学構造、反応性の全く異なる、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体を共重合成分として導入すると、後者の単量体は、自身と選択的に反応し、樹脂粒子内に弾性率の低い樹脂ブロック(ソフトセグメント)を構成すると考えられる。この導電粒子中のソフトセグメントの存在により、接続時に高い圧力で圧縮される際に、充分変形し、対向する電極との接触面積を保ち導通性能
の向上を実現すると考えられる。他方、200℃という高温での接続温度下では、硬化前の絶縁性バインダー樹脂組成物は溶融し、電極の上下位置を保持する機能が失われる。この際、電極間の保持応力を一定に保つためには、電極間に捕捉される導電粒子が一定の弾性反発を有する必要がある。樹脂粒子の耐熱性が不良であって、樹脂粒子の反発応力が消失すると、電極と樹脂粒子の接触が不良となり結果として導通不良が生じる。本発明ではジビニルベンゼンとエチルビニルベンゼンの共重合に由来する導電粒子中のハードセグメントの存在から、かかる高温でも弾性反発力を失わずに、電極間隔を保持し良好な導通性能を実現するものと考えられる。すなわち、本発明は、ジビニルベンゼンとエチルビニルベンゼンの存在によって架橋密度の調整された弾性率の高い樹脂ブロック(ハードセグメント)と、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体に起因する弾性率の低い樹脂ブロック(ソフトセグメント)を導電粒子内に共存させ良好な導通性能、信頼性能を実現したものと考えられる。
このことは、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体として、あらかじめブロック化したポリマーないしオリゴマーを利用した低ガラス転移温度(Tg)ポリマーの末端変性単量体を用いた場合に初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である点とも符合する。
さらに、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体として、1,3−ブタジエンを用いた場合に初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。この理由は、1,3−ブタジエンが共重合した場合には、通常1、4−トランス結合、1,4−シス結合、1,2−ビニル結合の構造を取り、未反応の二重結合をその高分子主鎖内に有することに由来すると考えられる。すなわち、ソフトセグメントを構成する共重合体が樹脂粒子内に形成した場合、重合操作中に粒子内全体に拡散することが考えられる。しかし、ブタジエンポリマーの未反応の二重結合が相互に反応してソフトセグメンもまた架橋構造を形成しやすくなるため、粒子内にソフトセグメントのブロックが局所的に生成しうるからである。
また、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体として、1,2−ビニル結合が85%以上のブタジエンオリゴマーの両末端アクリル変生物を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性がさらに良好である。このことは、通常のラジカル重合でブタジエンポリマーを重合した場合、1、4−トランス結合、1,4−シス結合の合計割合が90%以上であって、1,2−ビニル結合の割合が5%以下である点と密接に関係すると考えられる。すなわち1,2−ビニル結合が架橋反応に寄与する確率は1、4−トランス結合、1,4−シス結合に比べて格段に高く、これにより粒子内にソフトセグメントのブロックを局所的に生成しうるからである。
必要に応じて本発明に用いられるその他の単量体としては、芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、エチレン不飽和カルボン酸単量体、シアン化ビニル単量体、(メタ)アクリルアミド単量体、カルボン酸ビニルエステル単量体、アミノ基含有エチレン性単量体、ハロゲン化ビニル、スルホン酸基、リン酸基含有単量体、ラジカル重合性の二重結合を2個以上有しているビニル単量体、多官能(メタ)アクリレート、架橋性官能基含有ビニル単量体、架橋性官能基含有シランカップリング剤等が挙げられる。
その他の単量体が用いられる場合、ジビニルベンゼン/エチルビニルベンゼン/単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体/その他の単量体の質量比(但し、合計で100質量%)は、12〜94.4質量%/0.3〜40質量%/5〜79質量%/0.3〜70質量%であり、好ましくは15〜65質量%/10〜35質量%/20〜60質量%/3〜55質量%であり、特に好ましくは20〜40質量%/15〜30質量%/30〜50質量%/5〜30質量%である。
芳香族ビニル単量体としては、エチルビニルベンゼンの以外の芳香族ビニル単量体が挙げられる。例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン,o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニルベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、などを挙げることができ、これらを単独で、又は2種以上組み合わせて使用できる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、プロピルメタクリレ−ト、n−ブチルメタクリレ−ト、t−ブチルメタクリレ−ト、イソブチルメタクリレ−ト、n−アミル(メタ)アクリレ−ト、イソアミルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、オクチルメタアクリレ−ト、ノニル(メタ)アクリレ−ト、フェニル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、フェノキシポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、フェノキシエチル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−トなどを挙げることができ、これらを単独に、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン不飽和カルボン酸単量体としては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなどを挙げることができ、これらを単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
シアン化ビニル単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどを挙げることができ、これらを単独に、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリルアミド単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドやN−メチル(メタ)アクリルアミドなどのN−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのN,Nジアルキル(メタ)アクリルアミド、グリシジルメタアクリルアミド、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などをあげることができ、これらを単独又に、は2種以上組み合わせて用いることができる。
カルボン酸ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニルなどを用いることができる。
アミノ基含有エチレン性単量体としては、例えばアミノエチル(メタ)アクリレ−トやジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト及び2−ビニルピリジンなどをあげることができ、これらを単独又に、は2種以上組み合わせて用いることができる。
ハロゲン化ビニルとしては、例えば塩化ビニルや塩化ビニリデンなどをあげることができ、これらを単独又に、は2種以上組み合わせて用いることができる。
スルホン酸基含有単量体としては、例えばスチレンスルホン酸塩や2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸及び(メタ)アリルスルホン酸塩などをあげることができ、これらを単独又に、は2種以上組み合わせて用いることができる。
燐酸基含有単量体としては、例えば燐酸エチレン(メタ)アクリレ−トや燐酸プロピレン(メタ)アクリレ−ト及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェ−トなどを挙げることができ、これらを単独に、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合性の二重結合を2個以上有しているビニル単量体としてはジビニルベンゼン以外のラジカル重合性の二重結合を2個以上有しているビニル単量体が挙げられる。例えば、トリビニルベンゼン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン酸、フタル酸ジアリル、ジアリルカルビノール、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる
多官能(メタ)アクリレートとしてはポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1−3−ブチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,4−ブチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,5−ペンタジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、テトラエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、テトラメチロ−ルメタンテトラ(メタ)アクリレ−ト、アリル(メタ)アクリレ−ト2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
架橋性官能基含有ビニル単量体としては例えば、エポキシ基含有単量体(例えばグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジル(メタ)アクリレート)、メチロール基含有単量体(例えばN−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチロール(メタ)アクリルアミド)、アルコキシメチル基含有単量体(例えばN−メトキシメチルアクリルアミド 、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等)、ヒドロキシル基含有単量体等が挙げられる。
架橋性官能基含有シランカップリング剤としては例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−2−メトキシエトキシビニルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
0.3〜70質量%のその他の単量体を用いた場合、信頼性が向上する。本効果の理由は明らかではないが、その他の単量体がエチルビニルベンゼンと相補ってジビニルベンゼンと共重合し、樹脂粒子中の弾性率の高い樹脂ブロック(ハードセグメント)の架橋密度を調整するためと考えられる。
本発明に用いられる導電粒子の樹脂粒子は、水性媒体中で、単量体や連鎖移動剤などを乳化剤、懸濁剤、ラジカル重合開始剤、及び必要に応じてその他の添加剤を用いる従来公知の乳化重合方法ないし懸濁重合法によって得られる。
連鎖移動剤としては、例えばα−メチルスチレンダイマ−などの核置換α−メチルスチレンの二量体、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン,n−ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン及びt−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン、テトラメチルチウラムジスルフィド及びテトラエチルチウラムジスルフィドなどのジスルフィド、2−エチルヘキシルチオグリコレ−ト、タ−ピノ−レンなどを単独、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
乳化剤としては、例えば脂肪族石鹸、ロジン酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルアリ−ルスルホン酸塩、アルキル硫酸エタノールアミン、アルキルスルホコハク酸塩、
ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルアリ−ル硫酸塩などのアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルアリ−ルエ−テル及びポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマ−などのノニオン性乳化剤など公知のものを単独、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。又これらの他に親水基と親油基を有する界面活性剤の化学構造式の中にエチレン性二重結合を導入した反応性乳化剤も好適に使用でき、更に、ベタイン型などの両性乳化剤及びポリビニルアルコ−ル、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子の保護コロイド乳化剤なども必要に応じて用いることができる。
ラジカル重合開始剤は、熱又は還元性物質の存在下、ラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるものであり、無機開始剤及び有機開始剤のいずれも使用できる。このようなものとしては、例えば水溶性及び油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物などが挙げられ、具体的には、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルーパーオキシベンゾエート、t−ブチルーパーオキシオクトエート、t−ブチルーパーオキシアセテート、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリル、2,2−アゾビスイソバレロニトリル、クメンハイドロパ−オキサイド等を挙げることができ、又他に、POLYMER HANDBOOK(3rd.edition)、J.Brandrup及びE.H.Immergut著、John Willy&Sons刊(1989)に記載されている化合物も用いることができる。又、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリットなどの還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いる、いわゆるレドックス重合法を採用することもできる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、全単量体の質量に基づき、通常0.1〜10.0質量%、好ましくは0.2〜5.0質量%である。
懸濁剤としては、ゼラチン、デンプン、ポリアクリル酸、メチルセルロース、ポリメタクルアミド、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイドモノステアレート、ソルビタンテトラオレエート、グリセリルモノオレエート、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースのような水溶性ポリマーや、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの不溶性粉末などを単独、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
その他の添加剤として、例えばpH調整剤や重合調整剤が挙げられる。
pH調整剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。
重合調整剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどの各種キレ−ト剤等が挙げられる。
本発明の樹脂粒子の重合温度は通常5〜120℃である。
本発明の樹脂粒子の製造における単量体混合物の重合系への添加は一括添加法、連続的にあるいは断続的に添加する方法、これらの方法を組み合わせた方法(例えば、単量体混合物の一部添加した後に重合の進行に従って連続的もしくは断続的に添加する方法)などいずれでも良い。
又、重合にあたって、シ−ド重合方法もとることができる。シ−ド用ラテックスの組成は樹脂粒子の組成と同じであっても異なってもよく、シ−ド用ラテックスも同一反応容器で製造したもの、異なる他の反応容器で製造したものを用いてもよい。
本発明に用いられる導電粒子は、樹脂粒子の表面を金属薄膜でメッキした構造をとることが必須である。被覆する金属としては、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、
錫、鉛、半田、インジウム、パラジウム等の中から1種あるいは2種以上組み合わせてメッキ等により金属被覆することが必須である。金属薄膜の厚さは0.005μm以上1μm以下の範囲が、接続安定性と粒子の凝集性の観点から好ましい。金属薄膜は均一に被覆されていることが接続安定性上好ましい。これら導電粒子の表面を更に絶縁被覆した粒子も使用することができる。
メッキの方法としては無電解メッキ、真空蒸着、イオンスパッタ−リング等の方法が用いられる。無電解メッキによって導電粒子を製造した場合、導通信頼性が良好である。
主な無電解メッキの方法としては硫酸銅とホルムアルデヒド等を用いた無電解銅メッキ、金属硫酸塩や塩化金属と次亜リン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、水素化ホウ素塩、ヒドラジン、ホルムアルデヒド等の還元剤を用いた無電解コバルトメッキ、無電解ニッケルメッキなどが挙げられる。また、金シアン錯体と水素化ホウ素塩、またはジメチルアミンボランを用いた無電解金メッキ、シアン化銀と水素化ホウ素塩、またはジメチルアミンボランを用いた無電解銀メッキ、塩化パラジウムと次亜リン酸塩を用いた無電解パラジウムメッキなどが挙げられる。樹脂粒子の表面に対して無電解ニッケルメッキを行ない、更に無電解金メッキを行うことが接続安定性上好ましい。
導電粒子の平均粒子径は、0.5μm以上10.0μm未満の範囲が粒子の凝集性と異方導電性の観点から好ましい。更に好ましくは、1.0μm以上7.0μm未満、更に好ましくは、1.5μm以上6.0μm未満、更に好ましくは、2.0μm以上5.5μm未満、更に好ましくは、2.5μm以上5.0μm未満である。導電粒子の粒子径の標準偏差は、小さいほど好ましく、平均粒子径の50%以下が好ましい。更に好ましくは20%以下、一層好ましくは10%以下、更に一層好ましくは5%以下である。
本発明では、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂及び潜在性硬化剤からなる絶縁性バインダー樹脂を構成とすることが必須である。
この場合のフェノキシ樹脂/エポキシ樹脂/潜在性硬化剤の質量比(但し、合計で100質量%)は、10〜80質量%/5〜85質量%/1〜40質量%であり、好ましくは10〜75質量%/10〜80質量%/3〜25質量%であり、更に好ましくは20〜50質量%/30〜70質量%/5〜20質量%である。

本発明の異方導電性接着フィルムは、導電粒子を本絶縁性バインダー樹脂に対して体積分率で0.1〜20%分散して構成されることが好ましい。導電粒子の分散方法は、絶縁性バインダー樹脂の各原料と導電粒子を有機溶剤中で分散し、これを溶剤の乾燥によってフィルム状に形成する方法、あるいは絶縁性バインダー樹脂のフィルム形成後にフィルムの片面に静電気等によって分散、散布し、フィルム中に埋め込む方法等が挙げられる。
また本発明で用いられる絶縁性バインダー樹脂には必要に応じて、その他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を加えることも可能である。これらの樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、SBR、SBS、NBR、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエーテルテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルオキシド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、スチレンブタジエン樹脂、カルボキシル変性ニトリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等又はそれらの変性樹脂が挙げられる。
本発明で用いられるフェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールAビスフェノールF混合型フェノキシ
樹脂、ビスフェノールAビスフェノールS混合型フェノキシ樹脂、フルオレン環含有フェノキシ樹脂、カプロラクトン変性ビスフェノールA型フェノキシ樹脂等が例示される。フェノキシ樹脂の重量平均分子量は2万以上10万未満が好ましい。
本発明で用いられるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エーテル型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環族エポキサイド等があり、これらエポキシ樹脂はハロゲン化や水素添加されていても良く、また、ウレタン変性、ゴム変性、シリコーン変性等の変性されたエポキシ樹脂でも良い。
本発明で用いられる潜在性硬化剤としては、ホウ素化合物、ヒドラジド、3級アミン、イミダゾール、ジシアンジアミド、無機酸、カルボン酸無水物、チオール、イソシアネート、ホウ素錯塩及びそれらの誘導体等の硬化剤が好ましい。潜在性硬化剤の中でも、マイクロカプセル型の硬化剤が好ましい。マイクロカプセル型硬化剤は、前記硬化剤の表面を樹脂皮膜等で安定化したもので、接続作業時の温度や圧力で樹脂皮膜が破壊され、硬化剤がマイクロカプセル外に拡散し、エポキシ樹脂と反応する。マイクロカプセル型潜在性硬化剤の中でも、アミンアダクト、イミダゾールアダクト等のアダクト型硬化剤をマイクロカプセル化した潜在性硬化剤が安定性と硬化性のバランスに優れ好ましい。
さらに、本発明の異方導電性接着フィルムには絶縁粒子、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤等を含有することもできる。絶縁粒子や充填剤を含有する場合、これらの最大径は、導電粒子の平均粒子径未満である事が好ましい。
カップリング剤としては、ケチミン基、ビニル基、アクリル基、アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基含有シランカップリング剤が、接着性の向上の点から好ましい。
具体的なシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3(又は2)−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
本発明においては、エポキシ基含有シランカップリング剤、特に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いた場合に、耐熱性、耐水性が特に良好である。また絶縁性
バインダー樹脂対して0.05〜1.5質量部の量で用いられる場合に、接続信頼性の面で良好であり、0.05質量部以上用いた場合に粒子捕捉性が良好である。シランカップリング剤の構造が異方導電性接着フィルムの性能に大きな影響を及ぼす原理は明らかではない。しかし、以下のような異方導電性接着フィルムの接続原理から、電極間での粒子捕捉性を向上させたと考えられる。ここで異方導電性接着フィルムは、通常200℃付近の高温で絶縁性バインダー樹脂を溶融し、続いて対向する電極で加圧し異方導電性接着フィルム内部の導電粒子を捕捉し、同時に余分な絶縁性バインダー樹脂を流動させて排除することで電極間の導通を得る。また、電極で対向加圧されていない部分にあっては、絶縁性バインダー樹脂により、絶縁性が確保される。このような工程で固定された異方導電性接着フィルムが潜在性硬化剤の熱による顕在化により熱硬化する。このように異方導電性接着フィルムにおいては、接続時の絶縁性バインダー樹脂および内部の導電粒子の流動性能が重要な意味合いを有する。一方、200℃で高温溶融した絶縁性バインダー樹脂の内部で、シランカップリング剤のアルコキシル基は接続部材であるチップ表面のシリコン、ガラス基板上の酸化ケイ素、電極を構成する金属および導電粒子の表面上の金属部に選択的に吸着すると考えられる。この際、導電粒子上に吸着したシランカップリング剤は導電粒子の流動を抑制するため、導電粒子は電極間に滞留する時間が長くなると考えられる。このため、結果として電極上に捕捉される粒子数が増加すると考えられる。また、シランカップリング剤のアルコキシル基は水分に接すると直ちにシラノール基に変化し絶縁性バインダー樹脂、の親水性を増加させる。このため一定以上の使用は耐水性を悪化させ、結果として信頼性を低下させると考えられる。さらに、シランカップリング剤は種々存在するが、エポキシ基含有シランカップリング剤を用いる場合にはエポキシ樹脂の硬化の際に樹脂の架橋構造に取り込まれ接着構造を強化し、結果として信頼性を向上させると考えられる。
絶縁性バインダー樹脂の各成分を混合する場合、必要に応じ、溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
異方導電性接着フィルムの製造は、例えば、各成分を溶剤中で混合、塗工液を作成し、基材上にアプリケーター塗装等により塗工、オーブン中で溶剤を揮散させる事で製造できる。
本発明の異方導電性接着フィルムの厚みは、5μm以上50μm以下が好ましく、更に好ましくは6μm以上35μm以下、更に好ましくは7μm以上25μm以下、更に好ましくは8μm以上22μm以下である。
本発明の異方導電性接着フィルムは、剥離シート上に形成されていてもよい。該剥離シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PET、PEN等のポリエステル、ナイロン、塩化ビニール、ポリビニルアルコール等のフィルムが例示される。好ましい剥離シート用の樹脂としては、ポリプロピレン、PETが挙げられる。該剥離シートはフッ素処理、シリコーン処理、アルキド処理等の表面処理を行っていることが好ましい。
異方導電性接着フィルムは、以上のような工程を経て生産されるが、市販される場合には、一般に所望の幅にスリットされ、リール状に巻き取られた上で流通に乗せられる。
本発明の異方導電性接着フィルムの接続温度は、150〜250℃が好ましく、この範囲の接続温度において初期導通性、信頼性、粒子捕捉性が良好である。接続温度の範囲と特定の導電粒子を用いた異方導電性接着フィルムの性能の関係は明らかではない。しかし、以下の様な理由が考えられる。絶縁性バインダー樹脂に用いられる熱硬化樹脂は一般に低温では硬化反応が不十分であり熱硬化後の弾性率の増加が充分でない。また、非常に高
温において硬化を行った場合、導電粒子を捕捉する圧力に達する前に硬化反応が終了してしまう。さらに樹脂を樹脂粒子に用いた導電粒子の接続時の力学的な弾性率は、接続時の温度によって変化する。すなわち、ジビニルベンゼンとエチルビニルベンゼンを有する特異な架橋構造を有する導電粒子を用いた場合、本導電粒子の接続温度での弾性率変化と絶縁性バインダー樹脂の弾性率変化は接続温度の選択により独立した経過を経るが、150〜250℃において電極間で加圧と捕捉がなされる場合に初期導通性、信頼性、粒子捕捉性に最適な条件が実現されるためと考えられる。
このようにして製造された本発明の異方導電性接着フィルムは、線幅が10数〜数10μmクラスのファインピッチ接続用に好適に用いることができ、液晶ディスプレイとTCP、TCPとFPC、FPCとプリント配線基板との接続、あるいは、半導体シリコンチップを直接基板に実装するフリップチップ実装に好適に用いることができる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
[接続抵抗測定]
日置電機(株)製3541RESISTANCE HiTESTERを用いて接続抵抗を測定した。
[絶縁抵抗測定]
TOA社製ULTRA MEGOHMMETER SM−8210を用いて絶縁抵抗を測定した。
[参考製造例]
(樹脂粒子の製造)
攪拌装置と温度調節用ジャケットを備えた耐圧反応容器に、窒素置換の後、イオン交換水794質量部、800nmの平均粒子径を有するスチレン重合体シ−ド粒子の水分散体6質量部(固形分30質量%)、ポリビニルアルコール水溶液100質量部(固形分5質量%)、真空脱気により酸素を除去したジビニルベンゼン36.2質量部、エチルビニルベンゼン23.8質量部、1,3−ブタジエン40質量部からなる単量体混合物を入れ、内温を25℃に維持して回転数280rpmで1時間攪拌した。
次に、過酸化ベンゾイル5質量部、ラウリル硫酸トリエタノールアミン25質量部(固形分40質量%)、ポリビニルアルコール水溶液70質量部(固形分5質量%)混合物を添加し、さらに12時間攪拌した。
その後、イオン交換水600質量部、ポリビニルアルコール水溶液400質量部(固形分5質量%)を添加後85℃で10時間攪拌し、単量体混合物を反応させた。
重合終了後、水酸化ナトリウムを加えて反応系のpHを約8.0に調整した。次いで、スチ−ムストリッピングで残留単量体を除去し、冷却し、80メッシュの濾布で濾過した。さらに、グラスフィルターで水分を除去し、イオン交換水で洗浄後乾燥して樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒子径は日機装株式会社製、MICROTRAC粒度分布径(型式:9230UPA)を用いて数平均粒子径を測定したところ3.0μmであった。
なお、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼンの調整は新日鉄化学製DVB−570(ジビニルベンゼン含有量57.8%、エチルビニルベンゼン含有量37.9%)、DVB−810(ジビニルベンゼン含有量81.8%、エチルビニルベンゼン含有量17.5%)、DVB−960(ジビニルベンゼン含有量96.2%、エチルビニルベンゼン含有量3.2%)を所定量混合して行った。ポリビニルアルコール水溶液は日本合成化学製ゴーセノールKM−11(けん化度約73mol%)をイオン交換水に溶解して用いた。ラウリル硫酸トリエタノールアミンについては花王製エマールTDを用いた。
シード粒子はスチレン100質量部、t−ドデシルメルカプタン0.4質量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1質量部(固形分)、ペルオキソ二硫酸カリ0.7質量部を用いて
90℃で8時間乳化重合して得られたものを用いた。
(導電粒子の製造)
得られた樹脂粒子10gを硫酸ニッケル26g/L、エチレンジアミン90g/L、次亜リン酸ナトリウム11g/Lからなるメッキ浴2Lに60℃で10分間浸漬し無電解ニッケルメッキを施した。これをグラスフィルターで水分を除去し、イオン交換水で洗浄後乾燥してニッケルメッキ樹脂粒子を得た。
続いて、得られたニッケルメッキ樹脂粒子をジシアノ金(I)酸カリウム5.8g/L、シアン化カリウム13g/L、水酸化カリウム11.2g/L、水素化ホウ素カリウム21.6g/Lからなるメッキ浴2Lに75℃で10分間浸漬し無電解金メッキを施した。これをグラスフィルターで水分を除去し、イオン交換水で洗浄後乾燥して導電粒子Aを得た。
(異方導電性接着フィルムの製造)
フェノキシ樹脂(InChem社製、商品名:PKHC,重量平均分子量43000)30質量部、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:AER2603)30質量部、マイクロカプセル型潜在性硬化剤と液状エポキシ樹脂の重量比で1:2の混合物(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:ノバキュアHX−3941HP)40質量部、エポキシシランカップリング剤(ジーイー東芝シリコーン:商品名A−187(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン))0.5質量部、酢酸エチル150質量部を混合し、接着剤ワニスを得た。本接着剤ワニスの固形分の100体積部に対して導電粒子Aを
5体積部に相当する量を添加し、混合して異方導電性接着フィルムのワニスを得た。これを離型処理した50μmのPETフィルム製剥離シート上にブレードコーターを用いて塗布し、70℃で10分間乾燥して溶剤を除去した。得られた膜厚20μmのフィルム状の異方導電性接着フィルムには離型処理した38μmのPET製剥離フィルムをカバーして接続テスト用サンプルを作成した。
なお、本接着剤ワニスの固形分の体積に対する導電粒子の添加体積は、本接着剤ワニスの固形分および導電粒子の比重から算出して行った。また、本接着剤ワニスの固形分についてはワニスを70℃で10分間乾燥して質量を測定して求めた。さらに、比重についてはルシャテリエ比重びんを用いて測定し、本接着剤ワニスの固形分については1.2g/cm、導電粒子Aについては3.2g/cmであった。
(ITOガラス基板上でのベアチップとの接続)
25μm×100μmの金バンプがピッチ40μmで並んだベアチップとベアチップに対応した接続ピッチを有するITOガラス基板を準備し、異方導電性接着フィルムを、カバーした離型フィルムからはがして、ITOガラス基板に70℃、5Kg/cm、2秒間の条件で熱圧着した。さらに剥離シートを剥がした後、ベアチップをフリップチップボンダー(東レエンジニアリング株式会社製FC2000、以下同じ)を用いて位置合わせをし、コンスタントヒートで2秒後に180℃に到達し、その後一定温度となる条件で30Kg/cm、20秒間加熱加圧し、ベアチップをITOガラス基板に接続した。本サンプルを、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製、商品名:VHX−100、以下同じ)で観察した結果、12個の電極上の導電粒子数は一電極当たり平均15個であった。接続抵抗を、ベアチップ側で接続された隣接した2つのITO電極から引き出された電圧測定用の引出配線上および電流測定用の引出配線上に、それぞれ電圧測定用プローブと電流測定用プローブを接触し、4端針で測定した。接続抵抗は16Ωであった。一方、絶縁抵抗を、ベアチップ側電極が独立している隣接した2つのITO電極から引き出されたITO配線上で測定した。絶縁抵抗は10Ω以上であり、隣接電極間でショートの発生はなかった。本サンプルを85℃、湿度85%の高温高湿下で1000時間静置後、上記と同様に接続抵抗、絶縁抵抗を測定した。接続抵抗は17Ωであり、絶縁抵抗は10Ω以
上であった。
更に、5℃で6か月保存した異方導電性接着フィルム(以下の表5.〜11.では保存試料と表記する。)を用いて、上記と同様に接続を行った。本サンプルを、マイクロスコープで観察した結果、12個の電極上の導電粒子数は一電極当たり平均17個であった。4端針法による接続抵抗は17Ωであった。一方、絶縁抵抗は10Ω以上であり、隣接電極間でショートの発生はなかった。本サンプルを85℃、湿度85%の高温高湿下で1000時間静置後、接続抵抗は17Ωであり、絶縁抵抗は10Ω以上であった。
(ITOガラス基板上FPC接続)
100μm巾の金電極がピッチ200μmで並んだFPC試験基材((株)キョウデン製、AY001)とFPC試験基材に対応した接続ピッチを有するITOガラス基板を準備し、2mm幅で調整した異方導電性接着フィルムを、カバーした離型フィルムからはがして、ITOガラス基板に70℃、5Kg/cm、2秒間の条件で熱圧着した。さらに剥離シートを剥がした後、FPC圧着装置(大崎エンジニアリング(株)製、T1174)により200℃、35Kg/cm、10秒間の条件で熱圧着して接続した。本サンプルを、マイクロスコープで観察した結果、電極上の導電粒子数密度は4200個/mmであった。接続抵抗を、ITOガラス基板側で接続された隣接した2つの金電極から引き出されたFPC試験基材上の金配線間に、4端針プローブを接触し測定した。接続抵抗は17mΩであった。一方、絶縁抵抗を、ITOガラス基板側電極が独立している隣接した2つの金電極から引き出されたFPC試験基材上の金配線間で測定した。絶縁抵抗は10Ω以上であり、隣接電極間でショートの発生はなかった。本サンプルを85℃、湿度85%の高温高湿下で1000時間静置後、接続抵抗は17mΩであり、絶縁抵抗は10Ω以上であった。
更に、5℃で6か月保存した異方導電性接着フィルムを用いて、上記と同様に接続を行った。本サンプルを、マイクロスコープで観察した結果、接続面の導電粒子数密度は4300個/mmであった。上記と同様に測定した接続抵抗は18mΩであり、絶縁抵抗は10Ω以上であり、隣接電極間でショートの発生はなかった。本サンプルを85℃、湿度85%の高温高湿下で1000時間静置後、接続抵抗は18mΩであり、絶縁抵抗は10Ω以上であった。
以下、実施例、比較例において、参考例で示した原料の他、ブタジエンオリゴマーの両末端(メタ)アクリル変生物として日本曹達株式会社製、商品名:TEA−1000(1,2−ビニル結合85%以上、1,4−トランス結合15%以下)、TEA−2000(1,2−ビニル結合85%以上、1,4−トランス結合15%以下)、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレートとして日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーPDT−800、ポリシロキサンの片末端メタクリル変生物として信越化学工業株式会社製、商品名:X−22−2426、トリメチロールプロパントリアクリレートとして、新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステル A−TMPT、フェノキシ樹脂としてInChem社製、商品名:PKHB,重量平均分子量32000、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としてジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:YL983U、ナフタレン型エポキシ樹脂として大日本インキ株式会社製、商品名:HP4032D、熱可塑性樹脂として旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:タフプレン315、非潜在性の硬化剤としてジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:ジェーイーアールキュアT、アミノシランカップリング剤としてジーイー東芝シリコーン株式会社製、商品名:A−1100(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)をそれぞれ用いた。
なお、実施例で用いた単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体である1,3−ブタジエン、ブチルアクリレート、TEA−1000、TEA−2000、PDT−800、X−22−2426についての共重合体のガラス転移温度(Tg)は下記の様に測定した。単量体100質量部、t−ドデシルメルカプタン0.4質量部
、ラウリル硫酸ナトリウム0.1質量部(固形分)、ペルオキソ二硫酸カリ0.7質量部を用いて85℃の乳化重合により単独重合し共重合物を作成した。得られた共重合物(ラテックス)をガラス板上に流延し、90℃、30分で加熱乾燥して皮膜を形成させる。次いで得られた皮膜をTg測定容器に入れ、蓋をし、示差走査熱量計(セイコ−電子社製)にセットして昇温速度10℃/分で測定した。得られたガラス転移温度(Tg)は1,3−ブタジエンについて−72℃、ブチルアクリレートについて−54℃、TEA−1000について−60℃、TEA−2000について−55℃、PDT−800について−70℃、X−22−2426について−90℃でありいずれも0℃以下であった。また、得られた1,3−ブタジエン共重合物についての赤外分光法による構造分布は1,2−ビニル結合20%、1,4−トランス結合63%、1,4−シス結合17%であり、TEA−1000についての共重合物についての赤外分光法による構造分布は1,2−ビニル結合85%、1,4−トランス結合13%、1,4−シス結合2%、TEA−2000についての共重合物についての赤外分光法による構造分布は1,2−ビニル結合85%、1,4−トランス結合13%、1,4−シス結合2%であった。
[実施例1〜24]
表1.〜表3.の単量体組成を用いる点を除き、参考例と同様にして樹脂粒子を製造し、導電粒子A〜Xを得た。これらを用いて参考例と同様の操作により異方導電性接着フィルムを作成作成し、評価した。次いで参考例と同様にして得られた評価結果を表5.〜表7.に示す。
[比較例1〜4]
表4.の単量体組成を用いる点を除き、参考例と同様にして樹脂粒子を製造し、導電粒子a〜fを得た。これらを用いて参考例と同様の操作により異方導電性接着フィルムを作成作成し、評価した。次いで参考例と同様にして得られた評価結果を表8.に示す。
[実施例25〜31]
表1.の導電粒子Gを用いて表9.の接着剤組成を用いて参考例と同様の操作により異方導電性接着フィルムを作成し、評価した。次いで参考例と同様にして得られた評価結果を同表9.に示す。
[比較例5〜7]
表1.の導電粒子Gを用いて表10.の接着剤組成を用いて参考例と同様の操作により異方導電性接着フィルムを作成し、評価した。次いで参考例と同様にして得られた評価結果を同表10.に示す。
[実施例32〜35]
表1.の導電粒子Gを用いて接続温度が異なる以外は実施例7と同様に評価した。得られた評価結果を同表11.に示す。
Figure 0005046689
Figure 0005046689
Figure 0005046689
Figure 0005046689
Figure 0005046689
Figure 0005046689
Figure 0005046689
Figure 0005046689
Figure 0005046689
Figure 0005046689
Figure 0005046689
[実施例1〜10、15〜18、21〜22と比較例1〜4の比較]
表5.、表7.〜表8.の結果から、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が顕著に良好である。
[実施例11〜14、19〜20、23〜24と比較例1〜4の比較]
表6.〜表8.の結果から、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
[実施例1〜10、15〜18、21〜22、25〜31と比較例5〜7の比較]
表5.、表7.、表9.〜表10.の結果から、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合さ
れる樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂及び潜在性硬化剤を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が顕著に良好である。
[実施例11〜14、19〜20、23〜24と比較例5〜7の比較]
表6.〜表7.、表10.の結果から、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂及び潜在性硬化剤を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が顕著に良好である。
[実施例1〜10、15〜18、21〜22、25〜27、29〜31と実施例28の比較]
表5.、表7.、表9.の結果から、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤及びシランカップリング剤を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
[実施例11〜14、19〜20、23〜24と実施例28の比較]
表6.〜表7.、表9.の結果から、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤及びシランカップリング剤を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
[実施例7と比較例6の比較]
表5.、表10.の結果から、硬化剤として潜在性硬化剤を用いた場合に、特に保存安定性、信頼性の点で良好である。
[実施例1〜27、29〜30と実施例28、31の比較]
表5.〜表7.、表9.の結果から、シランカップリング剤を0.05質量%〜1.5質量%用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。シランカップリング剤が絶縁性バインダー樹脂組成に対して0.05質量%以上の場合に粒子捕捉性が特に良好である。
[実施例1〜10、15〜18と実施例21〜22の比較]
表5.、表7.の結果から、12〜94.7質量%のジビニルベンゼン、0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン及び5〜80質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体からなる混合単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
[実施例11〜14、19〜20と実施例23〜24の比較]
表6.〜表7.の結果から、12〜94.4質量%のジビニルベンゼン、0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン、5〜79質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及び0.3〜70質量%のその他の単量体からなる混合単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
[実施例1〜5、11〜20と実施例6の比較]
表5.〜表7.の結果から、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体が1,3−ブタジエンである樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
[実施例9と実施例6の比較]
表5.の結果から、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体がポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートである樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
[実施例7、8と実施例6の比較]
表5.の結果から、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体がポリブタジエン(メタ)アクリレートである樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
[実施例7、33〜34と実施例32、35の比較]
表11.の結果から、150〜250℃の温度加熱を行って接続した場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
本発明の異方導電性接着フィルムは、保存安定性が高く、微細面積の電極の電気的接続性に優れると共に、微細な配線間の絶縁破壊(ショート)を起こしにくく、微細ピッチの接続性に優れると共に、長期に渡り接続安定性を保持でき、微細パターンの電気的接続用途において好適に利用できる。

Claims (11)

  1. (1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂及び(4)潜在性硬化剤からなる異方導電性接着フィルム。
  2. (1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂、(4)潜在性硬化剤および(5)シランカップリング剤からなる異方導電性接着フィルム。
  3. (1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂及び(4)潜在性硬化剤からなる異方導電性接着フィルム。
  4. (1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂、(4)潜在性硬化剤および(5)シランカップリング剤からなる異方導電性接着フィルム。
  5. 導電粒子(1)が12〜94.7質量%のジビニルベンゼン、0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン及び5〜80質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体(ただし合計100質量%)から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子である請求項1又は2記載の異方導電性接着フィルム。
  6. 導電粒子(1)が12〜94.4質量%のジビニルベンゼン、0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン、5〜79質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及び0.3〜70質量%のその他の単量体(ただし合計100質量%)から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子である請求項3又は4記載の異方導電性接着フィルム。
  7. 単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体が1,3−ブタジエンである請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルム。
  8. 単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体がポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートである請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルム。
  9. 単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体がブタジエンオリゴマーの両末端(メタ)アクリル変生物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルムを用いて相互に対向する端子を有する回路基板と回路部材を接続することを特徴とする回路構造体。
  11. 相互に対向する端子を有する回路基板と回路部材の間に請求項1〜9のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルムを挿入し、150〜250℃の温度加熱を行って接続することを特徴とする回路構造体の製造方法。
JP2007060336A 2007-03-09 2007-03-09 異方導電性接着フィルム Active JP5046689B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007060336A JP5046689B2 (ja) 2007-03-09 2007-03-09 異方導電性接着フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007060336A JP5046689B2 (ja) 2007-03-09 2007-03-09 異方導電性接着フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008222785A JP2008222785A (ja) 2008-09-25
JP5046689B2 true JP5046689B2 (ja) 2012-10-10

Family

ID=39841781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007060336A Active JP5046689B2 (ja) 2007-03-09 2007-03-09 異方導電性接着フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5046689B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011231143A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Asahi Kasei E-Materials Corp 異方導電性接着フィルム及び接続方法
JP5410387B2 (ja) * 2010-08-31 2014-02-05 デクセリアルズ株式会社 導電性粒子及びその製造方法、並びに異方性導電フィルム、接合体、及び接続方法
JP5653737B2 (ja) * 2010-12-08 2015-01-14 株式会社日本触媒 樹脂粒子およびこれを用いた絶縁化導電性粒子並びに異方性導電材料
JP6800129B2 (ja) 2017-11-07 2020-12-16 古河電気工業株式会社 フィルム状接着剤、フィルム状接着剤を用いた半導体パッケージの製造方法

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0689068B2 (ja) * 1985-05-31 1994-11-09 積水ファインケミカル株式会社 導電性微球体の製造方法
JPH0689069B2 (ja) * 1985-05-31 1994-11-09 積水ファインケミカル株式会社 導電性微球体
JPS63102102A (ja) * 1986-10-18 1988-05-07 ジェイエスアール株式会社 導電性ポリマ−粒子
JP3046081B2 (ja) * 1990-12-13 2000-05-29 住友ベークライト株式会社 異方導電フィルム
JPH08315885A (ja) * 1995-05-16 1996-11-29 Hitachi Chem Co Ltd 回路接続材料
JP3651624B2 (ja) * 1995-11-21 2005-05-25 日立化成工業株式会社 回路用接続部材
JPH1173817A (ja) * 1997-08-28 1999-03-16 Ricoh Co Ltd 導電性粒子および異方導電性接着材および液晶表示装置
JP2000034306A (ja) * 1998-07-21 2000-02-02 Sekisui Chem Co Ltd 微粒子の製造方法及び微粒子、液晶表示素子用スペーサ及び液晶表示素子、並びに、導電性微粒子及び導電接続構造体
JP2002260446A (ja) * 2001-02-27 2002-09-13 Sekisui Chem Co Ltd 導電性微粒子及び導電接続構造体
JP2003157717A (ja) * 2001-11-20 2003-05-30 C Uyemura & Co Ltd 導電性粒子及び導電接続部材並びに導電接続方法
JP3786409B2 (ja) * 2002-01-15 2006-06-14 日立化成工業株式会社 接着剤
JP2003306782A (ja) * 2002-04-17 2003-10-31 Sekisui Chem Co Ltd 導電性微粒子及び導電接続構造体
JP4278374B2 (ja) * 2002-09-24 2009-06-10 積水化学工業株式会社 導電性微粒子、導電性微粒子の製造方法および導電材料
DE602004024672D1 (de) * 2003-06-25 2010-01-28 Hitachi Chemical Co Ltd Schaltglied-verbindungsstruktur und herstellungsverfahren dafür
JP4654599B2 (ja) * 2004-05-12 2011-03-23 日立化成工業株式会社 異方導電性接着フィルム及びその製造方法並びにそれらを用いた回路接続構造体
JP2006196411A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Sekisui Chem Co Ltd 導電性微粒子及び異方性導電材料
KR20070117562A (ko) * 2005-03-31 2007-12-12 닛신보세키 가부시키 가이샤 구상 폴리머 미립자 및 그 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008222785A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100893550B1 (ko) 코팅된 미립자 및 그 제조 방법 및 전도성 미립자
KR102172942B1 (ko) 기재 입자, 도전성 입자, 도전 재료 및 접속 구조체
TW200916551A (en) Circuit-connecting material, and connection structure for circuit member
JP5046689B2 (ja) 異方導電性接着フィルム
JP5821551B2 (ja) 導電粒子、異方導電材料及び導電接続構造体
TWI780137B (zh) 導電性粒子、導電材料及連接構造體
JP6613326B2 (ja) 基材粒子、導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP5147263B2 (ja) 回路接続用異方導電性接着フィルム
TW202045626A (zh) 樹脂粒子、導電性粒子、導電材料及連接構造體
JP2014026971A (ja) 導電性粒子、導電材料及び接続構造体
KR101534841B1 (ko) 돌기형 도전성 미립자 및 이를 포함하는 이방 도전성 필름
JP6734161B2 (ja) 導電性粒子、導電フィルム、接続構造体及び接続構造体の製造方法
JP6951398B2 (ja) 基材粒子、導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP5821552B2 (ja) 撥水性導電粒子、異方導電材料及び導電接続構造体
JP2016094555A (ja) 重合体微粒子、導電性微粒子および異方性導電材料
JP6357413B2 (ja) 導電材料及び接続構造体
JPWO2015174195A1 (ja) 導電性粒子、導電材料及び接続構造体
WO2023171634A1 (ja) 導電粒子、回路接続用接着フィルム及びその製造方法、並びに、接続構造体及びその製造方法
WO2023171633A1 (ja) 導電粒子、回路接続用接着フィルム及びその製造方法、並びに、接続構造体及びその製造方法
WO2023171631A1 (ja) 導電粒子、回路接続用接着フィルム及びその製造方法、並びに、接続構造体及びその製造方法
WO2023171630A1 (ja) 導電粒子、回路接続用接着フィルム及びその製造方法、並びに、接続構造体及びその製造方法
JP7271543B2 (ja) 絶縁性粒子付き導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP7348776B2 (ja) 絶縁部付き導電性粒子、絶縁部付き導電性粒子の製造方法、導電材料及び接続構造体
TWI768068B (zh) 導電性粒子、導電性粒子之製造方法、導電材料及連接構造體
JP4674119B2 (ja) 導電性微粒子、異方性導電材料、及び、接続構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090401

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120717

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150727

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5046689

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250