JP5046689B2 - 異方導電性接着フィルム - Google Patents
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Description
さらに、導電粒子を小粒子径化すればするほど、用いる絶縁性バインダー樹脂によっては、絶縁抵抗が低くなったり、接続抵抗が高くなったり、隣接電極間でショートが発生したりといった長期接続信頼性が低下する場合が多くなることが判り、その対策が併せて求められていた。
動、導電粒子の流動および電極端子間での捕捉、絶縁性バインダー樹脂の硬化反応といった短時間での連続的かつ複雑な過程を経る。このため、導電粒子を構成する特定の樹脂成分を用いて弾性構造を選択するだけでは、電極サイズが急激に極小化する本分野において要求される高度な信頼性の確保は不十分であった。
また、導電粒子の樹脂粒子を構成する樹脂の組成についてはジビニルベンゼン及びエチルビニルベンゼンを使用して架橋分子構造を実現する検討も公開されている(特許文献4)。しかし、ジビニルベンゼン量が多い組成構造については金属メッキ層との密着性が不良となる難点があり十分な検討がなされていない。
特に、絶縁性バインダー樹脂の組成構造のうち、特定のシランカップリング剤との組み合わせによって著しい信頼性の向上を見出し本発明を完成した。
1.
(1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂及び(4)潜在性硬化剤からなる異方導電性接着フィルム。
2.
(1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂、(4)潜在性硬化剤および(5)シランカップリング剤からなる異方導電性接着フィルム。
3.
(1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂及び(4)潜在性硬化剤からなる異方導電性接着フィルム。
(1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂、(4)潜在性硬化剤および(5)シランカップリング剤からなる異方導電性接着フィルム。
5.
導電粒子(1)が12〜94.7質量%のジビニルベンゼン、0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン及び5〜80質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体(ただし合計100質量%)から重合される樹脂粒子表面に金属をメッキした導電粒子である1.又は2.記載の異方導電性接着フィルム。
6.
導電粒子(1)が12〜94.4質量%のジビニルベンゼン、0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン、5〜79質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及び0.3〜70質量%のその他の単量体(ただし合計100質量%
)か
ら重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子である3.又は4.記載の異方導電性接着フィルム。
単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体が1,3−ブタジエンである樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子(1)である、1.〜6.のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルム。
8.
単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体がポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートである樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子(1)である、1.〜6.のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルム。
9.
単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体がブタジエンオリゴマーの両末端(メタ)アクリル変生物である樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子(1)である、1.〜6.のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルム。
10.
1.〜9.のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルムを用いて相互に対向する端子を有する回路基板と回路部材を接続することを特徴とする回路構造体。
11.
相互に対向する端子を有する回路基板と回路部材の間に1.〜9.のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルムを挿入し、150〜250℃の温度加熱を行って接続することを特徴とする回路構造体の製造方法。
本発明は、厚さ方向に加圧することで導電性を有する異方導電性接着フィルムに関する。
本発明は、特定の樹脂粒子の表面に金属をメッキして製造される導電粒子を用いることが必須である。特に樹脂粒子を構成する単量体は、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体を用いることが必須である。
特に12〜94.7質量%のジビニルベンゼンと0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン及び5〜80質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体を用いることで初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。導電粒子に用いられる樹脂粒子の分子構造が、異方導電性接着フィルムの性能に大きな影響を及ぼす原理は明らかではない。しかし、以下のような樹脂粒子の架橋構造の特異性によって、対向する電極間に力学的に接続される際に、特異な弾性構造を発現し、電極間での粒子捕捉性を向上させたと考えられる。ここでベンゼン骨格上に2つのビニル基を有するジビニルベンゼンと一方のビニル基が飽和したエチル基で構成されるエチルビニルベンゼンとは構造が極めて似ているため、ラジカル重合において交互共重合が非常に高く形成されることが予想される。この際、立体障害性の極めて大きいエチル基がジビニルベンゼンの残されたビニル基の反応を抑制する。この結果、ジビニルベンゼンとスチレンの単純な共重合物に比べて架橋密度が低くかつ共重合された樹脂の自由体積の大きな樹脂粒子を実現できると考えられる。これによって、絶縁性バインダー樹脂を硬化するのに必要な20
0℃付近において、導電粒子が力学的に捕捉される際の好適な条件が満たされると考えられるからである。
単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体とは、当該単量体を乳化重合、溶液重合等により重合して得られた重合物を示差走査熱量計にて昇温速度10℃/分で測定した場合のガラス転移温度が0℃以下である単量体を言い、例えば共役ジエン単量体、脂肪族単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体および低ガラス転移温度(Tg)ポリマーの末端変性単量体などから選択される。
脂肪族単量体単量体としては、例えばブチルエチレン、ドデシルエチレン、デシルエチレン、エチレン、エチルエチレン、プロピレンなどを挙げることができ、これらを単独で、又は2種以上組み合わせて使用できる。
低ガラス転移温度(Tg)ポリマーないしオリゴマーとは例えば上記の共役ジエン単量体、脂肪族単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合したポリマーないしオリゴマーのほか、ポリアルキレンオキサイド、ポリシロキサン等が用いられる。ポリアルキレンオキサイドとしてはポリオキシブタジエン、ポリオキシブトキシメチルエチレン、ポリオキシブチルエチレン、ポリオキシエトキシメチルエチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチルエチレン、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシトリメチレン等が用いられる。ポリシロキサンとしてはポリジメチルシロキサン、ポリオキシジメチルシルレン等が用いられる。これらの低ガラス転移温度(Tg)ポリマーないしオリゴマーの末端に反応性官能基を導入することで低ガラス転移温度(Tg)ポリマーの末端変性単量体が得られる。
の向上を実現すると考えられる。他方、200℃という高温での接続温度下では、硬化前の絶縁性バインダー樹脂組成物は溶融し、電極の上下位置を保持する機能が失われる。この際、電極間の保持応力を一定に保つためには、電極間に捕捉される導電粒子が一定の弾性反発を有する必要がある。樹脂粒子の耐熱性が不良であって、樹脂粒子の反発応力が消失すると、電極と樹脂粒子の接触が不良となり結果として導通不良が生じる。本発明ではジビニルベンゼンとエチルビニルベンゼンの共重合に由来する導電粒子中のハードセグメントの存在から、かかる高温でも弾性反発力を失わずに、電極間隔を保持し良好な導通性能を実現するものと考えられる。すなわち、本発明は、ジビニルベンゼンとエチルビニルベンゼンの存在によって架橋密度の調整された弾性率の高い樹脂ブロック(ハードセグメント)と、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体に起因する弾性率の低い樹脂ブロック(ソフトセグメント)を導電粒子内に共存させ良好な導通性能、信頼性能を実現したものと考えられる。
さらに、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体として、1,3−ブタジエンを用いた場合に初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。この理由は、1,3−ブタジエンが共重合した場合には、通常1、4−トランス結合、1,4−シス結合、1,2−ビニル結合の構造を取り、未反応の二重結合をその高分子主鎖内に有することに由来すると考えられる。すなわち、ソフトセグメントを構成する共重合体が樹脂粒子内に形成した場合、重合操作中に粒子内全体に拡散することが考えられる。しかし、ブタジエンポリマーの未反応の二重結合が相互に反応してソフトセグメンもまた架橋構造を形成しやすくなるため、粒子内にソフトセグメントのブロックが局所的に生成しうるからである。
その他の単量体が用いられる場合、ジビニルベンゼン/エチルビニルベンゼン/単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体/その他の単量体の質量比(但し、合計で100質量%)は、12〜94.4質量%/0.3〜40質量%/5〜79質量%/0.3〜70質量%であり、好ましくは15〜65質量%/10〜35質量%/20〜60質量%/3〜55質量%であり、特に好ましくは20〜40質量%/15〜30質量%/30〜50質量%/5〜30質量%である。
シアン化ビニル単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどを挙げることができ、これらを単独に、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
カルボン酸ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニルなどを用いることができる。
ハロゲン化ビニルとしては、例えば塩化ビニルや塩化ビニリデンなどをあげることができ、これらを単独又に、は2種以上組み合わせて用いることができる。
スルホン酸基含有単量体としては、例えばスチレンスルホン酸塩や2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸及び(メタ)アリルスルホン酸塩などをあげることができ、これらを単独又に、は2種以上組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合性の二重結合を2個以上有しているビニル単量体としてはジビニルベンゼン以外のラジカル重合性の二重結合を2個以上有しているビニル単量体が挙げられる。例えば、トリビニルベンゼン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン酸、フタル酸ジアリル、ジアリルカルビノール、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる
。
0.3〜70質量%のその他の単量体を用いた場合、信頼性が向上する。本効果の理由は明らかではないが、その他の単量体がエチルビニルベンゼンと相補ってジビニルベンゼンと共重合し、樹脂粒子中の弾性率の高い樹脂ブロック(ハードセグメント)の架橋密度を調整するためと考えられる。
連鎖移動剤としては、例えばα−メチルスチレンダイマ−などの核置換α−メチルスチレンの二量体、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン,n−ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン及びt−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン、テトラメチルチウラムジスルフィド及びテトラエチルチウラムジスルフィドなどのジスルフィド、2−エチルヘキシルチオグリコレ−ト、タ−ピノ−レンなどを単独、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルアリ−ル硫酸塩などのアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルアリ−ルエ−テル及びポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマ−などのノニオン性乳化剤など公知のものを単独、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。又これらの他に親水基と親油基を有する界面活性剤の化学構造式の中にエチレン性二重結合を導入した反応性乳化剤も好適に使用でき、更に、ベタイン型などの両性乳化剤及びポリビニルアルコ−ル、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子の保護コロイド乳化剤なども必要に応じて用いることができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、全単量体の質量に基づき、通常0.1〜10.0質量%、好ましくは0.2〜5.0質量%である。
その他の添加剤として、例えばpH調整剤や重合調整剤が挙げられる。
pH調整剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。
重合調整剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどの各種キレ−ト剤等が挙げられる。
本発明の樹脂粒子の製造における単量体混合物の重合系への添加は一括添加法、連続的にあるいは断続的に添加する方法、これらの方法を組み合わせた方法(例えば、単量体混合物の一部添加した後に重合の進行に従って連続的もしくは断続的に添加する方法)などいずれでも良い。
又、重合にあたって、シ−ド重合方法もとることができる。シ−ド用ラテックスの組成は樹脂粒子の組成と同じであっても異なってもよく、シ−ド用ラテックスも同一反応容器で製造したもの、異なる他の反応容器で製造したものを用いてもよい。
錫、鉛、半田、インジウム、パラジウム等の中から1種あるいは2種以上組み合わせてメッキ等により金属被覆することが必須である。金属薄膜の厚さは0.005μm以上1μm以下の範囲が、接続安定性と粒子の凝集性の観点から好ましい。金属薄膜は均一に被覆されていることが接続安定性上好ましい。これら導電粒子の表面を更に絶縁被覆した粒子も使用することができる。
主な無電解メッキの方法としては硫酸銅とホルムアルデヒド等を用いた無電解銅メッキ、金属硫酸塩や塩化金属と次亜リン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、水素化ホウ素塩、ヒドラジン、ホルムアルデヒド等の還元剤を用いた無電解コバルトメッキ、無電解ニッケルメッキなどが挙げられる。また、金シアン錯体と水素化ホウ素塩、またはジメチルアミンボランを用いた無電解金メッキ、シアン化銀と水素化ホウ素塩、またはジメチルアミンボランを用いた無電解銀メッキ、塩化パラジウムと次亜リン酸塩を用いた無電解パラジウムメッキなどが挙げられる。樹脂粒子の表面に対して無電解ニッケルメッキを行ない、更に無電解金メッキを行うことが接続安定性上好ましい。
この場合のフェノキシ樹脂/エポキシ樹脂/潜在性硬化剤の質量比(但し、合計で100質量%)は、10〜80質量%/5〜85質量%/1〜40質量%であり、好ましくは10〜75質量%/10〜80質量%/3〜25質量%であり、更に好ましくは20〜50質量%/30〜70質量%/5〜20質量%である。
本発明の異方導電性接着フィルムは、導電粒子を本絶縁性バインダー樹脂に対して体積分率で0.1〜20%分散して構成されることが好ましい。導電粒子の分散方法は、絶縁性バインダー樹脂の各原料と導電粒子を有機溶剤中で分散し、これを溶剤の乾燥によってフィルム状に形成する方法、あるいは絶縁性バインダー樹脂のフィルム形成後にフィルムの片面に静電気等によって分散、散布し、フィルム中に埋め込む方法等が挙げられる。
樹脂、ビスフェノールAビスフェノールS混合型フェノキシ樹脂、フルオレン環含有フェノキシ樹脂、カプロラクトン変性ビスフェノールA型フェノキシ樹脂等が例示される。フェノキシ樹脂の重量平均分子量は2万以上10万未満が好ましい。
カップリング剤としては、ケチミン基、ビニル基、アクリル基、アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基含有シランカップリング剤が、接着性の向上の点から好ましい。
具体的なシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3(又は2)−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
バインダー樹脂対して0.05〜1.5質量部の量で用いられる場合に、接続信頼性の面で良好であり、0.05質量部以上用いた場合に粒子捕捉性が良好である。シランカップリング剤の構造が異方導電性接着フィルムの性能に大きな影響を及ぼす原理は明らかではない。しかし、以下のような異方導電性接着フィルムの接続原理から、電極間での粒子捕捉性を向上させたと考えられる。ここで異方導電性接着フィルムは、通常200℃付近の高温で絶縁性バインダー樹脂を溶融し、続いて対向する電極で加圧し異方導電性接着フィルム内部の導電粒子を捕捉し、同時に余分な絶縁性バインダー樹脂を流動させて排除することで電極間の導通を得る。また、電極で対向加圧されていない部分にあっては、絶縁性バインダー樹脂により、絶縁性が確保される。このような工程で固定された異方導電性接着フィルムが潜在性硬化剤の熱による顕在化により熱硬化する。このように異方導電性接着フィルムにおいては、接続時の絶縁性バインダー樹脂および内部の導電粒子の流動性能が重要な意味合いを有する。一方、200℃で高温溶融した絶縁性バインダー樹脂の内部で、シランカップリング剤のアルコキシル基は接続部材であるチップ表面のシリコン、ガラス基板上の酸化ケイ素、電極を構成する金属および導電粒子の表面上の金属部に選択的に吸着すると考えられる。この際、導電粒子上に吸着したシランカップリング剤は導電粒子の流動を抑制するため、導電粒子は電極間に滞留する時間が長くなると考えられる。このため、結果として電極上に捕捉される粒子数が増加すると考えられる。また、シランカップリング剤のアルコキシル基は水分に接すると直ちにシラノール基に変化し絶縁性バインダー樹脂、の親水性を増加させる。このため一定以上の使用は耐水性を悪化させ、結果として信頼性を低下させると考えられる。さらに、シランカップリング剤は種々存在するが、エポキシ基含有シランカップリング剤を用いる場合にはエポキシ樹脂の硬化の際に樹脂の架橋構造に取り込まれ接着構造を強化し、結果として信頼性を向上させると考えられる。
本発明の異方導電性接着フィルムの厚みは、5μm以上50μm以下が好ましく、更に好ましくは6μm以上35μm以下、更に好ましくは7μm以上25μm以下、更に好ましくは8μm以上22μm以下である。
本発明の異方導電性接着フィルムは、剥離シート上に形成されていてもよい。該剥離シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PET、PEN等のポリエステル、ナイロン、塩化ビニール、ポリビニルアルコール等のフィルムが例示される。好ましい剥離シート用の樹脂としては、ポリプロピレン、PETが挙げられる。該剥離シートはフッ素処理、シリコーン処理、アルキド処理等の表面処理を行っていることが好ましい。
異方導電性接着フィルムは、以上のような工程を経て生産されるが、市販される場合には、一般に所望の幅にスリットされ、リール状に巻き取られた上で流通に乗せられる。
温において硬化を行った場合、導電粒子を捕捉する圧力に達する前に硬化反応が終了してしまう。さらに樹脂を樹脂粒子に用いた導電粒子の接続時の力学的な弾性率は、接続時の温度によって変化する。すなわち、ジビニルベンゼンとエチルビニルベンゼンを有する特異な架橋構造を有する導電粒子を用いた場合、本導電粒子の接続温度での弾性率変化と絶縁性バインダー樹脂の弾性率変化は接続温度の選択により独立した経過を経るが、150〜250℃において電極間で加圧と捕捉がなされる場合に初期導通性、信頼性、粒子捕捉性に最適な条件が実現されるためと考えられる。
このようにして製造された本発明の異方導電性接着フィルムは、線幅が10数〜数10μmクラスのファインピッチ接続用に好適に用いることができ、液晶ディスプレイとTCP、TCPとFPC、FPCとプリント配線基板との接続、あるいは、半導体シリコンチップを直接基板に実装するフリップチップ実装に好適に用いることができる。
[接続抵抗測定]
日置電機(株)製3541RESISTANCE HiTESTERを用いて接続抵抗を測定した。
[絶縁抵抗測定]
TOA社製ULTRA MEGOHMMETER SM−8210を用いて絶縁抵抗を測定した。
(樹脂粒子の製造)
攪拌装置と温度調節用ジャケットを備えた耐圧反応容器に、窒素置換の後、イオン交換水794質量部、800nmの平均粒子径を有するスチレン重合体シ−ド粒子の水分散体6質量部(固形分30質量%)、ポリビニルアルコール水溶液100質量部(固形分5質量%)、真空脱気により酸素を除去したジビニルベンゼン36.2質量部、エチルビニルベンゼン23.8質量部、1,3−ブタジエン40質量部からなる単量体混合物を入れ、内温を25℃に維持して回転数280rpmで1時間攪拌した。
その後、イオン交換水600質量部、ポリビニルアルコール水溶液400質量部(固形分5質量%)を添加後85℃で10時間攪拌し、単量体混合物を反応させた。
重合終了後、水酸化ナトリウムを加えて反応系のpHを約8.0に調整した。次いで、スチ−ムストリッピングで残留単量体を除去し、冷却し、80メッシュの濾布で濾過した。さらに、グラスフィルターで水分を除去し、イオン交換水で洗浄後乾燥して樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒子径は日機装株式会社製、MICROTRAC粒度分布径(型式:9230UPA)を用いて数平均粒子径を測定したところ3.0μmであった。
シード粒子はスチレン100質量部、t−ドデシルメルカプタン0.4質量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1質量部(固形分)、ペルオキソ二硫酸カリ0.7質量部を用いて
90℃で8時間乳化重合して得られたものを用いた。
得られた樹脂粒子10gを硫酸ニッケル26g/L、エチレンジアミン90g/L、次亜リン酸ナトリウム11g/Lからなるメッキ浴2Lに60℃で10分間浸漬し無電解ニッケルメッキを施した。これをグラスフィルターで水分を除去し、イオン交換水で洗浄後乾燥してニッケルメッキ樹脂粒子を得た。
続いて、得られたニッケルメッキ樹脂粒子をジシアノ金(I)酸カリウム5.8g/L、シアン化カリウム13g/L、水酸化カリウム11.2g/L、水素化ホウ素カリウム21.6g/Lからなるメッキ浴2Lに75℃で10分間浸漬し無電解金メッキを施した。これをグラスフィルターで水分を除去し、イオン交換水で洗浄後乾燥して導電粒子Aを得た。
フェノキシ樹脂(InChem社製、商品名:PKHC,重量平均分子量43000)30質量部、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:AER2603)30質量部、マイクロカプセル型潜在性硬化剤と液状エポキシ樹脂の重量比で1:2の混合物(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:ノバキュアHX−3941HP)40質量部、エポキシシランカップリング剤(ジーイー東芝シリコーン:商品名A−187(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン))0.5質量部、酢酸エチル150質量部を混合し、接着剤ワニスを得た。本接着剤ワニスの固形分の100体積部に対して導電粒子Aを
5体積部に相当する量を添加し、混合して異方導電性接着フィルムのワニスを得た。これを離型処理した50μmのPETフィルム製剥離シート上にブレードコーターを用いて塗布し、70℃で10分間乾燥して溶剤を除去した。得られた膜厚20μmのフィルム状の異方導電性接着フィルムには離型処理した38μmのPET製剥離フィルムをカバーして接続テスト用サンプルを作成した。
なお、本接着剤ワニスの固形分の体積に対する導電粒子の添加体積は、本接着剤ワニスの固形分および導電粒子の比重から算出して行った。また、本接着剤ワニスの固形分についてはワニスを70℃で10分間乾燥して質量を測定して求めた。さらに、比重についてはルシャテリエ比重びんを用いて測定し、本接着剤ワニスの固形分については1.2g/cm3、導電粒子Aについては3.2g/cm3であった。
25μm×100μmの金バンプがピッチ40μmで並んだベアチップとベアチップに対応した接続ピッチを有するITOガラス基板を準備し、異方導電性接着フィルムを、カバーした離型フィルムからはがして、ITOガラス基板に70℃、5Kg/cm2、2秒間の条件で熱圧着した。さらに剥離シートを剥がした後、ベアチップをフリップチップボンダー(東レエンジニアリング株式会社製FC2000、以下同じ)を用いて位置合わせをし、コンスタントヒートで2秒後に180℃に到達し、その後一定温度となる条件で30Kg/cm2、20秒間加熱加圧し、ベアチップをITOガラス基板に接続した。本サンプルを、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製、商品名:VHX−100、以下同じ)で観察した結果、12個の電極上の導電粒子数は一電極当たり平均15個であった。接続抵抗を、ベアチップ側で接続された隣接した2つのITO電極から引き出された電圧測定用の引出配線上および電流測定用の引出配線上に、それぞれ電圧測定用プローブと電流測定用プローブを接触し、4端針で測定した。接続抵抗は16Ωであった。一方、絶縁抵抗を、ベアチップ側電極が独立している隣接した2つのITO電極から引き出されたITO配線上で測定した。絶縁抵抗は109Ω以上であり、隣接電極間でショートの発生はなかった。本サンプルを85℃、湿度85%の高温高湿下で1000時間静置後、上記と同様に接続抵抗、絶縁抵抗を測定した。接続抵抗は17Ωであり、絶縁抵抗は109Ω以
上であった。
更に、5℃で6か月保存した異方導電性接着フィルム(以下の表5.〜11.では保存試料と表記する。)を用いて、上記と同様に接続を行った。本サンプルを、マイクロスコープで観察した結果、12個の電極上の導電粒子数は一電極当たり平均17個であった。4端針法による接続抵抗は17Ωであった。一方、絶縁抵抗は109Ω以上であり、隣接電極間でショートの発生はなかった。本サンプルを85℃、湿度85%の高温高湿下で1000時間静置後、接続抵抗は17Ωであり、絶縁抵抗は109Ω以上であった。
100μm巾の金電極がピッチ200μmで並んだFPC試験基材((株)キョウデン製、AY001)とFPC試験基材に対応した接続ピッチを有するITOガラス基板を準備し、2mm幅で調整した異方導電性接着フィルムを、カバーした離型フィルムからはがして、ITOガラス基板に70℃、5Kg/cm2、2秒間の条件で熱圧着した。さらに剥離シートを剥がした後、FPC圧着装置(大崎エンジニアリング(株)製、T1174)により200℃、35Kg/cm2、10秒間の条件で熱圧着して接続した。本サンプルを、マイクロスコープで観察した結果、電極上の導電粒子数密度は4200個/mm2であった。接続抵抗を、ITOガラス基板側で接続された隣接した2つの金電極から引き出されたFPC試験基材上の金配線間に、4端針プローブを接触し測定した。接続抵抗は17mΩであった。一方、絶縁抵抗を、ITOガラス基板側電極が独立している隣接した2つの金電極から引き出されたFPC試験基材上の金配線間で測定した。絶縁抵抗は109Ω以上であり、隣接電極間でショートの発生はなかった。本サンプルを85℃、湿度85%の高温高湿下で1000時間静置後、接続抵抗は17mΩであり、絶縁抵抗は109Ω以上であった。
更に、5℃で6か月保存した異方導電性接着フィルムを用いて、上記と同様に接続を行った。本サンプルを、マイクロスコープで観察した結果、接続面の導電粒子数密度は4300個/mm2であった。上記と同様に測定した接続抵抗は18mΩであり、絶縁抵抗は109Ω以上であり、隣接電極間でショートの発生はなかった。本サンプルを85℃、湿度85%の高温高湿下で1000時間静置後、接続抵抗は18mΩであり、絶縁抵抗は109Ω以上であった。
、ラウリル硫酸ナトリウム0.1質量部(固形分)、ペルオキソ二硫酸カリ0.7質量部を用いて85℃の乳化重合により単独重合し共重合物を作成した。得られた共重合物(ラテックス)をガラス板上に流延し、90℃、30分で加熱乾燥して皮膜を形成させる。次いで得られた皮膜をTg測定容器に入れ、蓋をし、示差走査熱量計(セイコ−電子社製)にセットして昇温速度10℃/分で測定した。得られたガラス転移温度(Tg)は1,3−ブタジエンについて−72℃、ブチルアクリレートについて−54℃、TEA−1000について−60℃、TEA−2000について−55℃、PDT−800について−70℃、X−22−2426について−90℃でありいずれも0℃以下であった。また、得られた1,3−ブタジエン共重合物についての赤外分光法による構造分布は1,2−ビニル結合20%、1,4−トランス結合63%、1,4−シス結合17%であり、TEA−1000についての共重合物についての赤外分光法による構造分布は1,2−ビニル結合85%、1,4−トランス結合13%、1,4−シス結合2%、TEA−2000についての共重合物についての赤外分光法による構造分布は1,2−ビニル結合85%、1,4−トランス結合13%、1,4−シス結合2%であった。
表1.〜表3.の単量体組成を用いる点を除き、参考例と同様にして樹脂粒子を製造し、導電粒子A〜Xを得た。これらを用いて参考例と同様の操作により異方導電性接着フィルムを作成作成し、評価した。次いで参考例と同様にして得られた評価結果を表5.〜表7.に示す。
[比較例1〜4]
表4.の単量体組成を用いる点を除き、参考例と同様にして樹脂粒子を製造し、導電粒子a〜fを得た。これらを用いて参考例と同様の操作により異方導電性接着フィルムを作成作成し、評価した。次いで参考例と同様にして得られた評価結果を表8.に示す。
表1.の導電粒子Gを用いて表9.の接着剤組成を用いて参考例と同様の操作により異方導電性接着フィルムを作成し、評価した。次いで参考例と同様にして得られた評価結果を同表9.に示す。
[比較例5〜7]
表1.の導電粒子Gを用いて表10.の接着剤組成を用いて参考例と同様の操作により異方導電性接着フィルムを作成し、評価した。次いで参考例と同様にして得られた評価結果を同表10.に示す。
[実施例32〜35]
表1.の導電粒子Gを用いて接続温度が異なる以外は実施例7と同様に評価した。得られた評価結果を同表11.に示す。
表5.、表7.〜表8.の結果から、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が顕著に良好である。
[実施例11〜14、19〜20、23〜24と比較例1〜4の比較]
表6.〜表8.の結果から、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
表5.、表7.、表9.〜表10.の結果から、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合さ
れる樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂及び潜在性硬化剤を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が顕著に良好である。
[実施例11〜14、19〜20、23〜24と比較例5〜7の比較]
表6.〜表7.、表10.の結果から、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂及び潜在性硬化剤を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が顕著に良好である。
表5.、表7.、表9.の結果から、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤及びシランカップリング剤を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
[実施例11〜14、19〜20、23〜24と実施例28の比較]
表6.〜表7.、表9.の結果から、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤及びシランカップリング剤を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
表5.、表10.の結果から、硬化剤として潜在性硬化剤を用いた場合に、特に保存安定性、信頼性の点で良好である。
[実施例1〜27、29〜30と実施例28、31の比較]
表5.〜表7.、表9.の結果から、シランカップリング剤を0.05質量%〜1.5質量%用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。シランカップリング剤が絶縁性バインダー樹脂組成に対して0.05質量%以上の場合に粒子捕捉性が特に良好である。
表5.、表7.の結果から、12〜94.7質量%のジビニルベンゼン、0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン及び5〜80質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体からなる混合単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
[実施例11〜14、19〜20と実施例23〜24の比較]
表6.〜表7.の結果から、12〜94.4質量%のジビニルベンゼン、0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン、5〜79質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及び0.3〜70質量%のその他の単量体からなる混合単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
表5.〜表7.の結果から、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体が1,3−ブタジエンである樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
[実施例9と実施例6の比較]
表5.の結果から、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体がポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートである樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
表5.の結果から、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体がポリブタジエン(メタ)アクリレートである樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子を用いた場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
[実施例7、33〜34と実施例32、35の比較]
表11.の結果から、150〜250℃の温度加熱を行って接続した場合に、初期導通性、信頼性、保存安定性、粒子捕捉性が良好である。
Claims (11)
- (1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂及び(4)潜在性硬化剤からなる異方導電性接着フィルム。
- (1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン及び単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂、(4)潜在性硬化剤および(5)シランカップリング剤からなる異方導電性接着フィルム。
- (1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂及び(4)潜在性硬化剤からなる異方導電性接着フィルム。
- (1)ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及びその他の単量体から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子、(2)フェノキシ樹脂、(3)エポキシ樹脂、(4)潜在性硬化剤および(5)シランカップリング剤からなる異方導電性接着フィルム。
- 導電粒子(1)が12〜94.7質量%のジビニルベンゼン、0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン及び5〜80質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体(ただし合計100質量%)から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子である請求項1又は2記載の異方導電性接着フィルム。
- 導電粒子(1)が12〜94.4質量%のジビニルベンゼン、0.3〜40質量%のエチルビニルベンゼン、5〜79質量%の単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体及び0.3〜70質量%のその他の単量体(ただし合計100質量%)から重合される樹脂粒子の表面に金属をメッキした導電粒子である請求項3又は4記載の異方導電性接着フィルム。
- 単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体が1,3−ブタジエンである請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルム。
- 単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体がポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートである請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルム。
- 単独重合した場合のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である単量体がブタジエンオリゴマーの両末端(メタ)アクリル変生物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルム。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルムを用いて相互に対向する端子を有する回路基板と回路部材を接続することを特徴とする回路構造体。
- 相互に対向する端子を有する回路基板と回路部材の間に請求項1〜9のいずれか1項に記載の異方導電性接着フィルムを挿入し、150〜250℃の温度加熱を行って接続することを特徴とする回路構造体の製造方法。
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