JP2003020321A - 安定化されたポリウレタン樹脂 - Google Patents

安定化されたポリウレタン樹脂

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JP2003020321A
JP2003020321A JP2001206124A JP2001206124A JP2003020321A JP 2003020321 A JP2003020321 A JP 2003020321A JP 2001206124 A JP2001206124 A JP 2001206124A JP 2001206124 A JP2001206124 A JP 2001206124A JP 2003020321 A JP2003020321 A JP 2003020321A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性の改善されたポリウレタン樹脂を提供
する。 【解決手段】 ポリオール成分(A)とポリイソシアネ
ート成分(B)とを必須構成成分として製造されるポリ
ウレタン樹脂において、下記一般式(1)で表される基
を分子中に含有することを特徴とする安定化されたポリ
ウレタン樹脂。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性に優れたポ
リウレタン樹脂に関し、より詳細には、NOx や酸性雨
等の酸性環境下に曝されることによる耐候性の低下が抑
制された特定のピペリジン化合物を分子中に導入するこ
とによって得られた変性ポリウレタン樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリウ
レタン樹脂は、優れた特性を有しており、各種成型品、
人工皮革、繊維、塗料、シーラント等の広範な用途に用
いられている。しかし、ポリウレタン樹脂は耐候性に劣
るため屋外での使用が制限されていた。そのために、フ
ェノール系、ホスファイト系等の酸化防止剤、ベンゾフ
ェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ピ
ペリジン化合物等を単独あるいは併用して添加すること
が提案されているが、これら添加型の光安定剤を使用し
た場合には溶媒によって抽出されたり、加工時に揮発し
たり、成型品がブリードあるいはブルームを生じる等の
欠点を有している。
【0003】これらの欠点を解消するために、例えば、
特開昭56−43478号公報及び特開昭59−102
950号公報には、ポリウレタンの末端停止剤としてピ
ペリジン化合物を使用することが提案され、特開昭53
−1294号公報、特開昭53−39395号公報、特
開昭53−39396号公報及び特開昭56−1528
27号公報には、ピペリジン化合物をポリウレタン樹脂
の主鎖中に導入することが提案されているが、抽出性、
揮発性、ブルームあるいはブリード等の欠点は解消され
ているが、未だ耐候性に関しては十分な改良が行われて
いない。
【0004】さらに、特開昭63−175072号公報
には、ヒンダードアミン化合物とハイドロタルサイトと
の組み合わせによる安定化が提案されている。また、米
国特許第5,096,950号公報には、ニトロキシア
ルキル構造を有するヒンダードアミン化合物を農業用ポ
リオレフィンに用いることが提案されている。
【0005】しかし、化学薬品に長く接触する用途の場
合や、酸性雨に曝される等の酸性環境下で使用される用
途の場合には、ポリウレタン樹脂の劣化が短時間で進行
し易いため、ポリウレタン樹脂の特性のさらなる長期維
持、安定化手段の出現が望まれていた。
【0006】このような酸性条件下での耐候性の低下を
抑制する方法としては、特開平1−132562号公報
や特開平8−302063号公報には、ヒンダードアミ
ン化合物のカルバモイル化合物は、低塩基性で塗料や農
業用フィルムに対して優れた耐光性持続効果を有するこ
とが提案されている。しかし、提案されているカルバモ
イル化合物は多価のヒンダードアミン化合物と1価のイ
ソシアネート化合物の反応物か、多価のイソシアネート
化合物と1価のヒンダードアミン化合物の反応物であ
り、揮散性や分散性により十分な安定化効果が得られて
いない。
【0007】従って、本発明の目的は、耐候性の改善さ
れたポリウレタン樹脂を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で表
される基を分子中に含有することにより、上記目的が達
成し得ることを知見した。
【0009】すなわち、本発明は、ポリオール成分
(A)とポリイソシアネート成分(B)とを必須構成成
分として製造されるポリウレタン樹脂において、下記一
般式(1)で表される基を分子中に含有することを特徴
とする安定化されたポリウレタン樹脂を提供するもので
ある。
【化4】
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の安定化されたポリ
ウレタン樹脂について詳細に説明する。
【0011】本発明のポリウレタン樹脂は、ポリオール
成分とポリイソシアネート成分とを用い、必要に応じて
鎖延長剤等を添加し、常法であるワンショット法、プレ
ポリマー法、擬似プレポリマー法等を用いて製造するこ
とができる。その際に、上記の一般式(1)で表される
基の導入を行うが、導入段階は特に限定されず、どの段
階において導入しても構わない。例えば、N−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノー
ル又は該化合物とモノ(又はポリ)カルボン酸とのエス
テルを導入する方法がある。これらの化合物は、ポリオ
ールとして、イソシアネートと反応させてポリウレタン
分子(主鎖)中に導入されたり、あるいは末端停止剤と
して、さらにペンダント状にポリウレタンの側鎖に導入
される。その他、下記一般式(2)及び/又は下記一般
式(3)で表される化合物を本発明に係るポリオール成
分又はポリイソシアネート成分の一部又は全部として導
入する方法が挙げられる。
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】本発明のポリウレタン樹脂において使用さ
れる上記一般式(1)で表される基を含む化合物として
は、水酸基及び/又はイソシアネート基を末端に持つ化
合物が挙げられ、例えば下記に示される化合物1〜13
が例示される。本発明では、以下に例示する化合物は各
々単独又は2種以上を混合して使用しても構わない。但
し、本発明で用いられる化合物は、以下の例示の構造に
より何ら制限を受けるものではない。
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】
【化11】
【0020】
【化12】
【0021】
【化13】
【0022】
【化14】
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】
【化17】
【0026】
【化18】
【0027】
【化19】
【0028】本発明のポリウレタン樹脂に使用されるポ
リオール成分(A)としては、慣用のポリエステルポリ
オール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリカプロラクトンポリオール等の高分子量
ポリオールが挙げられ、これらは単独又は数種類を併用
して用いることができる。
【0029】上記ポリエステルポリオールとしては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−
ヘキサンジオール、ヘキサメチレングリコール、3−メ
チルペンタンジオール、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、
ペンタエリスリトール、ソルビトール、水添ビスフェノ
ールA等、又はこれらの活性水素を2個以上有する低分
子量ポリオールとアルキレンオキサイドの付加物からな
るポリオールとコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セ
バチン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、トリメリット酸、テトラヒドロフタル酸、エ
ンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタ
ル酸等の多塩基酸あるいは炭酸との縮合物であるポリエ
ステルポリオールが挙げられる。
【0030】また、上記ポリエーテルポリオールとして
は、水、上記低分子ポリオール又はアンモニア、メチル
アミン、エチルアミン、アニリン、フェニレンジアミ
ン、イソホロンジアミン等の活性水素を2個以上有する
化合物への炭素原子数2〜4のアルキレンオキサイド
(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレ
ンオキサイド)の付加物が挙げられ、さらに具体的には
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリエチレン/ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレングリ
コール等のポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0031】上記ポリオールの平均分子量は、300以
上、好ましくは500〜5000であり、分子量が30
0未満のものを用いると伸びが小さくなるため好ましく
ない。また、分子量が5000超のものを用いると得ら
れるポリウレタン樹脂の粘度が高くなり、作業上問題が
生じる。
【0032】本発明のポリウレタン樹脂に使用されるポ
リイソシアネート成分(B)としては、脂肪族、脂環式
及び芳香族ポリイソシアネート、その他変性ポリイソシ
アネート等が挙げられる。
【0033】脂肪族ポリイソシアネートとしては、テト
ラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレン
ジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、
2,2,4(2,2,4)−トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート、リシンジイソシアネート等が挙げら
れる。
【0034】脂環式ポリイソシアネートとしては、イソ
ホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−
4,4’−ジイソシアネート、トランス−1,4−シク
ロヘキシルジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレ
ンジイソシアネート、リジンジイソシアネートエスエ
ル、ノルボルネンジイソシアネートが挙げられる。
【0035】芳香族ポリイソシアネートとしては、2,
2−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3、
3’−ジメチルジフェニル−4、4’−ジイソシアネー
ト、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0036】さらに、三官能以上のポリイソシアネート
としては、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチ
ルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメ
チルトリフェニルメタンテトライソシアネートが挙げら
れる。
【0037】上記に挙げたポリイソシアネートは、カル
ボジイミド変性、イソシアヌレート変成、ビウレット変
性等の変性物の形で用いてもよく、各種ブロッキング剤
によってブロックされたブロックイソシアネートの形で
用いてもよい。
【0038】上記に挙げたポリイソシアネート成分は、
単独又は数種類を併用して用いることができる。
【0039】上記ポリイソシアネートは、上記ポリオー
ル、カルボキシル基又はスルホン酸基を有するポリオー
ル及び鎖延長剤の活性水素の合計に対し、好ましくは
1.1〜3.0倍当量、より好ましくは1.5〜2.5
倍当量となるように使用される。該イソシアネートの使
用量が1.1倍当量未満の場合には、末端がイソシアネ
ート基でないプレポリマーとなり、本発明の効果が得ら
れない。また、3.0倍当量より多い場合には、イソシ
アネートが未反応のまま残存し、特性を低下させるおそ
れがある。
【0040】また、本発明のポリウレタン樹脂を製造す
るために、必要に応じて鎖延長剤を用いても良い。鎖延
長剤としては、通常用いられる鎖延長剤が用いられ、例
えば、平均分子量200未満の低分子量ポリオール化合
物及び低分子ポリアミン化合物が挙げられる。
【0041】上記低分子量ポリオール化合物としては、
上記ポリエステルポリオールの製造に用いられる上記低
分子ポリオールやその他のポリオール、アミン類、アミ
ノアルコール類が挙げられる。その他のポリオールとし
て、1,4−ジクロヘキサンジメタノール、トリメチロ
ールプロパン、ヘキサントリオール、1,4−ビス(β
−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、N,N’−ビス(β
−ヒドロキシエチル)アニリンが挙げられる。アミン類
としては、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、
4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’
−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、トリレンジアミン、ナフチレンジアミン、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルチオエ
ーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,
3’−ジメチルー4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、3.3’−ジクロロー4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、1,6−ヘキサメチレンジアミン等が挙げら
れる。アミノアルコール類としては、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、
ジプロパノールアミン等が挙げられる。
【0042】鎖延長剤の使用量は、目的とするポリウレ
タン樹脂を構成する全成分100質量部に対して0.5
〜10質量部が用いられる。
【0043】また、本発明のポリウレタン樹脂を製造す
るために、必要に応じて有機溶媒を使用してもよい。有
機溶剤の例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、メ
チルエチルケトン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルホルムアミド等の溶媒を用いることができ
る。
【0044】また、本発明のポリウレタン樹脂の製造に
際し、反応温度は20〜150℃の範囲から適宜選択さ
れる。
【0045】また、本発明のポリウレタン樹脂の製造に
際し、トリエチレジアミン等の三級アミンやジラウリル
錫ジアルコレート等の有機金属化合物を反応促進剤とし
て使用することができる。
【0046】上述のように、これらの原料からポリウレ
タン樹脂を製造することは周知であり、これらの原料の
仕込み順序を適宜変更したり、あるいは分割して仕込む
ことも可能である。
【0047】また、本発明のポリウレタン樹脂を水に分
散させて水系ポリウレタン樹脂組成物にする場合は、イ
オン性基として分子中にカルボキシル基又はスルホン酸
基を有する低分子量ポリオール化合物が使用され、例え
ば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−メチ
ロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、1,4−ブ
タンジオール−2−スルホン酸等を用いることができ
る。また、分子中に塩基性を有するポリオールとして
は、例えば、N−メチルジエタノールアミン、ブチルジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプ
ロパノールアミン等が挙げられ、特にカルボキシル基を
有するポリオールを用いた場合には、分散性に優れる水
系ポリウレタン樹脂組成物が得られるので、好ましい。
特に、自己乳化分散性を付与したポリウレタン樹脂を水
に分散させて自己乳化型の水系ポリウレタン樹脂組成物
を調製する場合は、上記イオン性基の一部又は全部とし
て、該分子中にカルボキシル基又はスルホン酸基を有す
る低分子ポリオール化合物を用いることが好ましい。こ
の場合、該分子中にカルボキシル基又はスルホン酸基を
有する低分子ポリオール化合物は、上記高分子量ポリオ
ール化合物に対して好ましくは5〜50質量%、さらに
好ましくは5〜30質量%が用いられ、5質量%未満の
場合は自己乳化性が不十分となり、また、50質量%を
超えて用いると伸び等の物性を低下させるおそれがあ
る。
【0048】また、上記分子中にカルボキシル基又はス
ルホン酸基を有する低分子量ポリオール化合物を用いた
場合には、ポリウレタン樹脂の製造時又は製造後に中和
剤によって中和することによって自己乳化性とすること
ができるが、この中和剤としては、例えば、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリ
ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等の有機アミン、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基が挙げられ、こ
れらはカルボキシル基又はスルホン酸基を中和するのに
十分な量が用いられる。
【0049】さらに、分子中に塩基性を有するポリオー
ルを用いた場合の中和剤としては、ギ酸、酢酸、こはく
酸等のカルボン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機ス
ルホン酸、塩酸、リン酸等の無機酸、ジアルキル硫酸、
ハロゲン化アルキル等の4級化剤が挙げられ、これらは
アミノ基を中和するのに十分な量が用いられる。
【0050】また、水系ポリウレタン樹脂組成物の製造
の場合には、原料の一部として乳化剤を使用してもよ
い。乳化剤としては、水分散性ポリウレタン樹脂組成物
に使用される周知一般のアニオン性界面活性剤、ノニオ
ン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性
剤、高分子系面活性剤、反応性界面活性剤等を使用する
ことができる。これらの中でも、アニオン性界面活性
剤、ノニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤が
コストも低く、良好な乳化が得られるので好ましい。
【0051】両性あるいはカチオン性界面活性剤として
は、例えばドデシルベタイン等のアルキルベタイン並び
にラウリルピリジニウム−ヒドロクロライド等のアルキ
ルピリジニウム塩、さらにはオキシエチル−ドデシル−
アンモニウムクロライド等のアルキルアンモニウム塩等
を挙げることができる。
【0052】ノニオン性界面活性剤としては、エーテル
型としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルアリ
ルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、
ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマ
ー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル
エーテルが挙げられ、エーテルエステル型としてはグリ
セリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビ
タンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビト
ールエステルのポリオキシエチレンエーテルが挙げら
れ、エステル型としてポリエチレングリコール脂肪酸エ
ステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステ
ル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステ
ル、ショ糖エステルが挙げられ、含窒素型としては脂肪
酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミ
ド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられ
る。
【0053】上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル
は、炭素数8〜25の直鎖又は分岐の高級アルコールに
1〜200モルのエチレンオキサイドを付加反応させて
製造され、具体的に使用される高級アルコールとして
は、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリル
アルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘ
ニルアルコール等の第1級アルコール、2−ドデカノー
ル、2−テトラデカノール、2−ヘキサデンカノール、
2−オクチルドデカノール等の第2級アルコール等、や
し油還元アルコール、牛脂還元アルコール、マッコー
(抹香)アルコール等の天然アルコールが挙げられる。
また、上記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルは、炭素数1〜20のアルキル基が置換されているフ
ェノールに1〜200モルのエチレンオキサイドを付加
反応させて製造され、具体的に使用されるアルキルフェ
ノールとしてはドデシルフェノール、オクチルフェノー
ル、オクチルクレゾール、クミルフェノールが挙げられ
る。
【0054】上記アニオン性界面活性剤としては、例え
ば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシ
ルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェート等
のアルキルサルフェート;ナトリウムドデシルポリグリ
コールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリシノ
ート;スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スルホ
ン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホネ
ート;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオ
レート、トリエタノールアミンアビエテート、ラウリン
酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ヤシ油せっけん、
ミスチリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、パ
ルミチン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイ
ン酸カリウム等の脂肪酸塩;ナトリウムベンゼンスルホ
ネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアル
カリ金属サルフェート等のアルキルアリールスルホネー
ト;高アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンス
ルホン酸ホルマリン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸
塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;ポリ
オキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等が挙
げられる。
【0055】上記界面活性剤の添加量は、界面活性剤の
種類やポリマーの疎水性の程度により異なるが、全エマ
ルジョンに対して0.05〜10質量%添加され、好ま
しくは0.1〜5質量%添加される。
【0056】本発明により得られるポリウレタン樹脂又
は水系ポリウレタン樹脂組成物組成物は、溶剤系や水系
の各種塗料、シーラント、スパンデックス等の合成繊
維、自動車用ポリウレタンエラストマー、インクジェッ
ト受像層バインダー、ウレタンハードコート、印刷用染
料バインダー等に好適に用いられる。これらの中でも特
に紫外線や塩素水に晒される水着やスキーウェア等の衣
料品に用いられるスパンデックス、色素の耐候性が重要
なインクジェット受像層バインダー用途に好適に用いら
れる。
【0057】本発明のポリウレタン樹脂には、必要に応
じて、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リ
ン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光
安定剤、帯電防止剤、コロイダルシリカ又はコロイダル
アルミナ等の無機質コロイドゾル、シランカップリング
剤、着色剤、ワックス剤、防腐剤、消泡剤、可塑剤、滑
剤、触媒、粘度調整剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、
フィラー、溶剤、造膜助剤、分散剤、造粘剤、香料等の
慣用の添加剤を加えることができる。また、ポリウレタ
ン塗料、ラッカー等に用いる場合は、硝酸セルロース、
セルロースアセテート−プロピロネートセルロースアセ
テート−ブチレートのようなセルロース誘導体を加える
ことができる。
【0058】これらの添加剤は、ポリウレタン樹脂の製
造時に加えることもできるし、ポリウレタン樹脂の成型
前に加えることもできる。
【0059】上記フェノール系酸化防止剤としては、
2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフ
ェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリ
ル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5
−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン
酸アミド〕、4,4' −チオビス(6−第三ブチル−m
−クレゾール)、2,2' −メチレンビス(4−メチル
−6−第三ブチルフェノール)、2,2' −メチレンビ
ス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,
4' −ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾー
ル)、2,2' −エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチ
ルフェノール)、2,2' −エチリデンビス(4−第二
ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフ
ェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチ
ル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシ
アヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,
3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−
第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキ
シ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノー
ル、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、チオジエチレングリコー
ルビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス
〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グ
リコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル
−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチル
ベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−ト
リス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テ
トラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、3,
9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル
オキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビ
ス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
【0060】上記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、
チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジ
ミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジア
ルキルチオジプロピオネート類、及びペンタエリスリト
ールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)
等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸
エステル類が挙げられる。
【0061】上記リン系酸化防止剤としては、トリスノ
ニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブ
チルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル
−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、
トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファ
イト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(ト
リデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ
(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチ
ル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
フィト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−
ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノー
ルジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4' −
n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェ
ノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第
三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキ
ス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホ
スホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10
−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,
2' −メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−
2−エチルヘキシルホスファイト、2,2' −メチレン
ビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホ
スファイト、2,2' −エチリデンビス(4,6−ジ第
三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2
−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベン
ゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6
−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブ
チルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチ
ルフェノールのホスファイト等が挙げられる。
【0062】これらの酸化防止剤は、ポリウレタン樹脂
100質量部に対して0.001〜10質量部、より好
ましくは0.05〜5質量部用いられる。これらの酸化
防止剤の使用量が0.001質量部未満では安定化効果
が得られず、10質量部以上用いても安定化効果は殆ど
向上せずポリウレタン樹脂の物性低下を引き起こした
り、経済的に不利になる。
【0063】上記紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベ
ンゾフェノン、5,5' −メチレンビス(2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシ
ベンゾフェノン類;2−(2' −ヒドロキシ−5' −メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒド
ロキシ−3' ,5' −ジ第三ブチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−
3' −第三ブチル−5' −メチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−5'
−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジクミルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2,2' −メチレンビス(4−第
三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2
−(2' −ヒドロキシ−3' −第三ブチル−5' −カル
ボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2' −
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニル
サリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,
4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェ
ニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエ
ート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−
2' −エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4' −ド
デシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−
α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル
−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニ
ル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2
−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビ
ス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジ
ン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−
4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒド
ロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,
6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリ
アジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。
【0064】上記ヒンダードアミン系光安定剤として
は、1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジノ−ル、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジノ−ル、2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレー
ト、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベ
ンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス
(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカル
ボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,
2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネー
ト、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル
重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン
重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロ
ロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6
−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オク
チルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,1
2−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ア
ミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,1
2−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキ
ス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s
−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラ
アザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス
(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル
アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビ
ス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6
−イルアミノウンデカン等が挙げられる。
【0065】上記の紫外線吸収剤又はヒンダートアミン
系光安定剤は、ポリウレタン樹脂100質量部に対し
て、好ましくは0.001〜30質量部、より好ましく
は0.05〜10質量部が用いられる。0.001質量
部未満では安定効果が得られず、30質量部を超えて用
いても安定化効果は殆ど向上せず、ポリウレタン樹脂の
物性の低下を引き起こしたり、経済的に不利になる。
【0066】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。しかしながら、本発明はこれらの実施例によって制
限を受けるものではない。なお、表1〜3の配合数値
は、全て質量部基準である。
【0067】〔実施例1〕 <ポリウレタン樹脂の耐候性評価>平均分子量2000
のポリテトラメチレングリコール(PTMG)80.0
質量部にイソシアネート成分として4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MDI)を18.0質量
部、さらに実施例用試料化合物又は比較化合物No.1
を表1に示す量を各々加えて、さらに溶剤としてN,N
−ジメチルアセトアミドを64質量部加えて、80℃、
3時間反応させた。その後、40℃に冷却し、N,N−
ジメチルアセトアミドを128質量部加え、10℃に冷
却し、エチレンジアミン1.4質量部、ジエチルアミン
0.4質量部を加えて10分間反応させて鎖延長を行っ
た。比較例1−3は、比較化合物No.2を加えてポリ
ウレタン溶液とした。
【0068】得られたポリウレタン溶液をアルミ板にコ
ートし、140℃、10分間加熱し、60μmの厚さの
フィルムを作成し、得られた硬化物を試験片としてキセ
ノン(ブラックパネル温度89℃、雨なし)で評価し
た。試験開始から50時間目の黄色度(ΔYI)を測定
した。また、フイルムが破断するまでの時間を測定し
た。これらを耐候性の評価とし、結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【化20】
【0071】
【化21】
【0072】〔実施例2〕 <ポリウレタン樹脂の繊維用途及びその耐候性、耐酸性
>実施例1で調製したポリウレタン溶液に、さらにフェ
ノール系酸化防止剤として3,9−ビス〔1,1−ジメ
チル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカ
ンをウレタン固形分に対し1.0質量部、紫外線吸収剤
として2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾールをウレタン固形分に対して1.
0質量部配合し、混合した。得られたポリウレタン樹脂
溶液を単軸押出し機付き紡糸機により、紡糸温度225
℃、紡糸速度500m/分、見かけドラフト率847、
紡糸テンション0.1g/d、紡糸速度差25m/分で
紡糸し、40デニール/1フィラメントのポリウレタン
繊維を得た。
【0073】得られたポリウレタン繊維をキセノン89
℃、雨なしで500時間後の強度保持率をJIS L
1013により測定した強伸度から求めて耐候性として
評価した。また、酢酸/酢酸ソーダ水溶液(*3)で1
00℃、1時間処理し、JIS L1013に準拠して
300時間後に測定した強伸度の保持率から耐酸性を評
価した。いずれも高い数値ほど好ましいことを示す。こ
れらの結果を表2に示す。
【0074】*3:1リットルの純水に染色助剤として
ニューポンTS100(商品名:日華化学社製)0.5
g、酢酸0.5g、酢酸ソーダ0.25gを溶解する。
【0075】
【表2】
【0076】〔実施例3〕 <水系ウレタン樹脂のインクジェット記録紙用途及びそ
の耐候性>二塩基成分としてイソフタル酸/アジピン酸
(モル比1/1)を用い、グリコール成分として1,6
−ヘキサンジオールを用いた末端に水酸基を有する平均
分子量2000のポリエステルポリオール660質量部
に、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(水添MDI)273質量部、さらに実施例3−1〜3
−3及び比較例3−2の試料化合物(化合物2、3、
8、比較化合物No.1)10質量部、ジメチロールプ
ロピオン酸(DMPA)38.4質量部及びN−メチル
ピロリドン332質量部を反応容器に採り、80〜10
0℃で2時間反応させた後、中和剤トリエチルアミン2
9.4質量部を加え、さらに1時間撹拌してプレポリマ
ーを得た。
【0077】比較例3−3については、試料化合物を加
えることなく、上記と同様にプレポリマーを調製し、そ
の後、プレポリマーに比較化合物No.2を10質量部
を添加した。
【0078】次いで、シリコーン系消泡剤SE−21
(ワッカーシリコン社製)2.3質量部を溶解した12
91質量部の水に、上記で得られたプレポリマーを15
分で滴下した。その際、鎖伸長剤としてエチレンジアミ
ン14.4質量部、アジピックジヒドラジド(ADH)
13.8質量部を加えて25℃で30分間撹拌して樹脂
固形分38質量%の水系ポリウレタンエマルジョンを得
た。但し、比較例3−1については、試料化合物を全く
加えず、上記の手段で水系ポリウレタンエマルジョンを
調製した。
【0079】上記の方法で得られた水系ポリウレタンエ
マルジョンを、シリカ/水系ポリウレタン=3/1と
し、水で希釈して20質量%の水溶液に調整した。乾燥
質量10g/m2 になるように普通紙に塗工して120
℃、1分間乾燥し試験用紙を作成した。得られた試験用
紙にインクジェットプリンター(商品名:EPSONP
M−800C、エプソン社製)を用いてマゼンタ色を3
mm幅の縞模様に印刷した。印刷された試験用紙をキセ
ノン、63℃、20時間照射後の色差(試験前後)によ
り耐候性を評価した。結果を表3に示す。
【0080】
【表3】
【0081】上記表1〜表3により、ポリイソシアネー
ト成分又はポリオール成分と反応性のない添加型のピペ
リジン化合物を製造時に配合したポリウレタン樹脂や本
発明で用いられる特定のピペリジン化合物以外の化合物
を組み込んだポリウレタン樹脂は、耐候性が悪く、耐酸
性にも問題がある。これに対し、本発明の特定のピペリ
ジル基を有する基を導入したポリウレタン樹脂は、耐候
性に優れ、耐酸性にも優れることが確認できた。
【0082】
【発明の効果】本発明の特定のピペリジル基を導入した
ポリウレタン樹脂は、耐候性に優れ、また、酸性条件下
でも長期の耐候性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 康隆 埼玉県南埼玉郡菖蒲町昭和沼20番地 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4J034 BA03 CA04 CA22 CB03 CC28 CC33 CC45 CC52 CC61 CC65 CC67 DB04 DC16 DC22 DC35 DC37 DC42 DF01 DF16 DF20 DF21 DG03 DG04 DG05 HA01 HA02 HA07 HC03 HC12 HC17 HC22 HC24 HC32 HC46 HC52 HC61 HC64 HC69 HC71 HC73 MA14 MA15 QB15 RA07 RA09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール成分(A)とポリイソシアネ
    ート成分(B)とを必須構成成分として製造されるポリ
    ウレタン樹脂において、下記一般式(1)で表される基
    を分子中に含有することを特徴とする安定化されたポリ
    ウレタン樹脂。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)で表される基を分子中
    に含有するポリオールをポリオール成分の一部又は全部
    として用いた請求項1記載のポリウレタン樹脂。
  3. 【請求項3】 上記一般式(1)で表される基を分子中
    に含有するポリイソシアネート化合物をポリイソシアネ
    ート成分の一部又は全部として用いた請求項1又は2記
    載のポリウレタン樹脂。
  4. 【請求項4】 上記一般式(1)で表される基を分子中
    に含有するポリオールが、下記一般式(2)で表される
    化合物である請求項2記載のポリウレタン樹脂。 【化2】
  5. 【請求項5】 上記一般式(1)で表される基を分子中
    に含有するポリイソシアネート化合物が、下記一般式
    (3)で表される化合物である請求項3記載のポリウレ
    タン樹脂。 【化3】
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のポリウ
    レタン樹脂が、水に乳化分散されている水系ポリウレタ
    ン樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のポリウ
    レタン樹脂又は水系ポリウレタン樹脂組成物からなるス
    パンデックス。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のポリウ
    レタン樹脂又は水系ポリウレタン樹脂組成物からなるイ
    ンクジェット受像層バインダー。
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