JP4067045B2 - 水分散型ポリウレタン組成物 - Google Patents

水分散型ポリウレタン組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の成分から得られる水分散型ポリウレタン組成物に関する。より詳しくは、ハイドロタルサイトを原料に用いた水分散型ポリウレタン組成物に関し、該水分散型ポリウレタン組成物から得られる塗膜や成形体は、優れた耐水性、耐熱性、引張物性を与えるものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン樹脂は、耐摩耗性、接着性、非粘着性、ゴム弾性を有する塗膜や成形品を与えることから、塗料、接着剤、バインダー、コーティング剤として広く用いられている。近年、対環境汚染、労働衛生等の安全性の面から水分散型ポリウレタン組成物が多数報告されているが、水分散型ポリウレタン組成物は、溶剤系或いは無溶剤系のものに比べて耐水性、耐熱性、引張特性等の物性が劣ると云う問題点を有している。特許文献1には、ハイドロタルサイトとポリウレタンエマルションの混合物を染料定着層に用いたインクジェット用被記録媒体が報告されている。しかし、これは、ポリウレタン自身の耐水性、耐熱性、物性を改善するものではない。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−264500号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、得られる塗膜や成形品について、耐水性、耐熱性、引張特性の改善された水分散型ポリウレタン組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題の解決のため検討を重ねた結果ハイドロタルサイトを原料に用いた配合から得られる水分散型ポリウレタン組成物が優れた耐水性、耐熱性、引張特性を示すことを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、ジイソシアネートと必要に応じて用いられるイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートを含有してなるポリイソシアネート成分(a)、ジオールと必要に応じて用いられるヒドロキシル基を3個以上有するポリオールを含有してなるポリオール成分(b)、アニオン性基導入化合物(c)、アニオン性基中和剤(d)、ハイドロタルサイト及び水を必須成分とし、ポリアミンと必要に応じて用いられる他の鎖延長剤を含有してなる鎖延長剤成分(e)を任意成分として、これらの成分から得られる水分散型ポリウレタン組成物において、ハイドロタルサイトの使用量が、ハイドロタルサイトを除く固形分100質量部に対して、0.5〜15質量部である水分散型ポリウレタン組成物を提供する。本発明は、前記発明においてハイドロタルサイトが、下記一般式(I)で表される水分散型ポリウレタン組成物を提供する。
Znx Mgy Al2 (OH)2(x+y+2)CO3 ・nH2 O (I)
(式中、xは0〜3を示し、yは1〜6を示し、また、x+yは4〜6を示す。nは0〜10を示す。)
ポリイソシアネート成分(a)のジイソシアネートが、脂環式ジイソシアネートである前記発明の水分散型ポリウレタン組成物を提供する。ポリイソシアネート成分(a)のジイソシアネートが、脂環式ジイソシアネートである前記発明の水分散型ポリウレタン組成物を提供する。ポリオール成分(b)のジオール成分がポリエステルジオールである前記発明の水分散型ポリウレタン組成物を提供する。本発明は、更にアニオン性基導入化合物(c)のアニオン性基がカルボキシル基又はスルホン酸基である前記発明の水分散型ポリウレタン組成を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の水分散型ポリウレタン組成物は、アニオン性ポリウレタンの有するアニオン性基が、ハイドロタルサイトとの結合基として作用していることが特徴である。ハイドロタルサイトとポリウレタンの反応については、赤外線吸収スペクトル測定(IR測定)によるカルボキシルイオンの吸収の変化から確認できる。層状化合物であるハイドロタルサイトの層間及び/又は表面にポリウレタンが存在することで、本発明の効果を発揮すると考察される。また、本発明の水分散型ポリウレタン組成物の分散状態は、エマルション、サスペンション、ディスパーション、コロイダル分散液のいずれでもよい。
【0008】
本発明に係るジイソシアネート成分(a)とは、ジイソシアネート及び必要に応じて用いられるイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートからなるものであり、その配合等により制限を受けるものではない。必須成分であるジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス及び/又はシス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4及び/又は(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類等;及びこれらの混合物が挙げられ、得られる塗膜の耐水性がよいので脂環式ジイソシアネートが好ましく、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートがより好ましい。これらは、カルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性等の変性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によってブロックされたブロックイソシアネートの形で用いてもよい。これらのジイソシアネートのポリイソシアネート成分(a)中の含有量(質量%)は、50%より小さいと塗膜の可撓性が不十分になるおそれがあるので50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
【0009】
また、上記のポリイソシアネート成分(a)において、必要に応じて用いられるイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物としては、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート、これらの混合物等の3官能以上のイソシアネート、これらの3官能以上のイソシアネートのカルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性等の変性物、これらを各種のブロッキング剤によってブロックされたブロックイソシアネート、上記例示のジイソシアネートのイソシアヌレート3量体、ビウレット3量体等が挙げられる。
【0010】
本発明に係るポリオール成分(b)とは、分子中に上記のポリイソシアネート成分(a)のイソシアネート基と反応してウレタン結合を形成せしめるジオール及び必要に応じて用いられるヒドロキシル基を3個以上有する他のポリオールからなるものであり、その配合等により制限を受けるものではない。
【0011】
ポリオール成分に用いられるジオール及びヒドロキシル基を3個以上有するポリオールとしては、低分子ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエステルポリカーボネートポリオール類、結晶性又は非結晶性のポリカーボネートポリオール類が挙げられる。
【0012】
上記低分子ポリオール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等脂環式ジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキシトール類、ペンチトール類、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパン等の3価以上のポリオールが挙げられる。
【0013】
ポリエーテルポリオール類としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のプロピレンオキサイド付加物、上記の低分子ポリオールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0014】
ポリエステルポリオール類としては、上記に例示の低分子ポリオール等のポリオールと、その化学量論量より少ない量の多価カルボン酸又はそのエステル、無水物、ハライド等のエステル形成性誘導体、及び/又は、ラクトン類、若しくはその加水分解開環して得られるヒドロキシカルボン酸との直接エステル化反応及び/又はエステル交換反応により得られるものが挙げられる。多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類、トリメリト酸、トリメシン酸、ひまし油脂肪酸の3量体等のトリカルボン酸類、ピロメリット酸等のテトラカルボン酸類などの多価カルボン酸が挙げられる。これらの多価カルボン酸のエステル形成性誘導体としては、これらの酸無水物、該多価カルボン酸のクロライド、ブロマイド等のハライド、該多価カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、アミルエステル等の低級脂肪族エステルが挙げられる。上記ラクトン類としてはγ−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
【0015】
本発明に係るポリオール成分(b)のジオールとしては、ジカルボン酸と低分子ジオールから得られるポリエステルジオールが、耐水性と引張物性が良好なので好ましい。
【0016】
本発明に係るアニオン性基導入化合物(c)とは、ポリウレタンにアニオン性基を導入するために用いられる化合物である。アニオン性基を導入する目的は、アニオン性基を中和剤で中和することで水に対する分散性を付与することと、ハイドロタルサイトとの結合基を付与することにある。アニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、ホウ酸基等が挙げられるが、水に対する分散性、ハイドロタルサイトとの反応性が良好であり、ポリウレタンに対して導入が容易なので、カルボキシル基、スルホン酸基が好ましい。また、アニオン性基導入方法は、アニオン性基を有するジオールを用いるのが、アニオン性基の導入量(数)の設定が容易であり、操作性も良好であるので好ましい。
【0017】
アニオン性基導入化合物としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基を含有するポリオール類、1,4−ブタンジオール−2−スルホン酸等のスルホン酸基を含有するポリオール類が挙げられる。該アニオン性基導入ポリオールの使用量は、モル比でポリオール成分(b)に含まれるポリオールを100とすると、5より小さいと分散安定性が低下し、1000より大きいと水分散型ポリウレタン組成物から得られる塗膜等の耐水性が悪化する場合があるので、5〜1000が好ましく10〜500がより好ましい。
【0018】
本発明に係るアニオン性基中和剤(d)とは、ポリウレタンに水分散性を与えるためにアニオン性基を中和させる化合物であり、例えば、トリメチルアミンやトリエチルアミン等のトリアルキルアミン類、N,N−ジアルキルアルカノールアミン類、N−アルキル−N,N−ジアルカノールアミン類、トリアルカノールアミン類等の3級アミン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等塩基性化合物が挙げられる。また、これらの中和剤の使用量は、アニオン性基1モルに対して過不足が大きいと水分散型ポリウレタン組成物から得られる塗膜等の耐水性、強度、伸び等の物性が低下するおそれがあるので0.2〜2.0モルが好ましく、0.5〜1.5モルがより好ましい。
【0019】
本発明に係るハイドロタルサイトは、天然鉱物でもよく、合成品でもよい。ハイドロタルサイトの使用量は、水分散型ポリウレタン樹脂組成物のハイドロタルサイトを除く固形分100質量部に対して、0.5質量部より小さいとその使用効果を得ることができず、15質量部を超えると本発明の水分散型ポリウレタン組成物の分散状態が悪化するばかりではなく、耐水性、引張特性等の本発明の効果を阻害するので0.5質量部〜15質量部であり、0.5質量部〜10質量部が好ましく、1.0質量部〜10質量部がより好ましい。
【0020】
上記のハイドロタルサイトの組成については、制限を受けず、周知一般のものを使用できる。組成については、品質が安定しており、得られる水分散型ポリウレタン組成物の物性等をコントロールしやすいので、前記一般式(I)で表されるものが好ましい。また、平均粒径、比表面積、表面処理の有無についても、制限を受けず、任意のものを使用できる。粒径は、大きくなると分散性が悪化する場合があるので、平均粒子経(D50)で5.0μm以下が好ましく、2.5μm以下がより好ましい。比表面積については、1〜200m2/gのものが好ましく、5〜50m2/gのものがより好ましい。また、表面処理については、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸、オレイン酸アルカリ金属塩等の脂肪族カルボン酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等の有機スルホン酸金属塩、脂肪族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸エステル、ワックス、活性剤、シランカップリング剤で被覆する方法が挙げられる。
【0021】
本発明に係る鎖延長剤成分(e)とは、ポリウレタンの分子量を増加させる目的で用いられるものであり、ポリアミン又はポリアミンと他の鎖延長剤との混合物である。
【0022】
ポリアミン化合物としては、前記例示の低分子ジオールのアルコール性水酸基がアミノ基に置換されたものであるエチレンジアミン、プロピレンジアミン等の低分子ジアミン類、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のポリエーテルジアミン類、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の脂環式ジアミン類、m−キシレンジアミン、α−(m/pアミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジメチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等の芳香族ジアミン類が挙げられる。中でも低分子ジアミン類が低コストなので、好ましく、1,2−エチレンジアミン、1,2−又は1,3−プロピレンジアミンがより好ましい。
【0023】
他の鎖延長剤としては、上記のポリエステルポリオールに用いられる多価カルボン酸で例示したジカルボン酸とヒドラジンとの反応生成物が挙げられる。中でも脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジドは、得られる塗膜や成形体の熱による劣化が少なく、さらに水分散型ポリウレタン組成物の分散安定性を保つことができるので好ましく、アジピン酸ジヒドラジドがより好ましい。鎖延長剤成分(e)は、ポリアミン化合物とジカルボン酸ジヒドラジドを併用するのが好ましく、併用する場合のジカルボン酸ジヒドラジドのモル比率(%)は、5%より少ないと使用効果が得られず、95%を超えると分散安定性が低下する場合があるので5〜95%が好ましく、10〜80%がより好ましい。
【0024】
本発明の水分散型ポリウレタン組成物において、その製造方法については、制限を受けず、周知一般の方法を適用することができる。製造方法としては、反応に不活性且つ水との親和性の大きい溶媒中で反応させプレポリマーを合成してから、これを水にフィードして分散させるプレポリマー法が好ましい。また、ハイドロタルサイトは、プレポリマー合成に使用してもよいが、他の成分と反応し、所望の物性が得られなくなる場合があるので、プレポリマー合成後に加える方法が好ましく、プレポリマーを水にフィードした後に水に分散させた形態で使用するのがより好ましい。
【0025】
上記の好適な製造方法に使用される反応に不活性で水との親和性の大きい溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。これらの溶媒は、通常、プレポリマーを製造するために用いられる上記原料の合計量に対して、3〜100質量%が用いられる。これら溶媒のなかで、沸点100℃以下の溶媒はプレポリマー合成後、減圧留去することが好ましい。
【0026】
上記の製造方法において、各成分の配合比については、制限を受けるものではない。該配合比は、反応させる段階でのイソシアネート基と各成分のイソシアネート反応性基とのモル比に置き換えることができ、該モル比については、イソシアネート基1に対して、イソシアネート反応性基は0.3〜2が好ましく、0.5〜1.5がより好ましい。
【0027】
また、本発明の水分散ポリウレタン組成物において、その固形分は、制限を受けず、任意の値を選択できる。固形分は1〜60質量%が分散性や塗膜、成形体を得るための操作性が良好なので好ましく、5〜40質量%がより好ましい。
【0028】
本発明の水分散型ポリウレタン組成物には、必要に応じて、周知一般に用いられるポリウレタン分子に架橋構造を与える架橋剤を用いてもよい。水分散型ポリウレタン組成物に好適な架橋剤としては、メラミン、モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、ブチル化メチロールメラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。中でもポリウレタンの分散性が優れ、コストも低いのでメラミンが特に好ましい。
【0029】
本発明の水分散型ポリウレタン組成物には、必要に応じて、水分散性ポリウレタンに使用される周知一般の乳化剤を用いてもよい。乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子系界面活性剤、反応性界面活性剤等を使用することができる。中でも、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤がコストも低く、良好な乳化が得られるので好ましい。
【0030】
上記のアニオン性界面活性剤としては、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェート等のアルキルサルフェート類;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート、アンモニウムポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート等のポリオキシエチレンエーテルサルフェート類;ナトリウムスルホリシノレート;スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホネート;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオレート、トルエタノールアミンアビエテート等の脂肪酸塩;ナトリウムベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等のアルキルアリールスルホネート;高アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;ポリオキシエチレンエーテルリン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩;N−アシルアミノ酸塩;N−アシルメチルタウリン塩等が挙げられる。
【0031】
またノニオン性界面活性剤としては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等の多価アルコールの脂肪酸部分エステル類;ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル類;ポリグリセリン脂肪酸エステル類;炭素数1〜18のアルコールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物;アルキルフェノールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物;アルキレングリコール及び/又はアルキレンジアミンのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。該ノニオン性界面活性剤を構成する炭素数1〜18のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、第3ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、第3アミルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、デカンアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。
【0032】
また、アルキルフェノールとしては、フェノール、メチルフェノール、2,4−ジ第3ブチルフェノール、2,5−ジ第3ブチルフェノール、3,5−ジ第3ブチルフェノール、4−(1,3−テトラメチルブチル)フェノール、4−イソオクチルフェノール、4−ノニルフェノール、4−第3オクチルフェノール、4−ドデシルフェノール、2−(3,5−ジメチルヘプチル)フェノール、4−(3,5−ジメチルヘプチル)フェノール、ナフトール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられ、アルキレングリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、アルキレンジアミンとしては、これらのアルキレングリコールのアルコール性水酸基がアミノ基に置換されたものが挙げられる。また、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物とは、ランダム付加物でもブロック付加物でもよい。
【0033】
これらの乳化剤を使用する場合の使用量は、制限を受けず任意の量を使用することができるが、ポリウレタン化合物1に対する質量比で0.01より小さいと充分な分散性が得られない場合があり、0.3を超えると水分散型ポリウレタン組成物から得られる塗膜等の耐水性、強度、伸び等の物性が低下するおそれがあるので0.01〜0.3が好ましく、0.05〜0.2がより好ましい。
【0034】
また、本発明の水分散型ポリウレタン組成物には、さらに必要に応じて、周知一般に用いられる各種添加剤を用いてもよい。該添加剤としては、例えば、顔料;染料;造膜助剤;硬化剤;外部架橋剤;粘度調整剤;レベリング剤;消泡剤;ゲル化防止剤;界面活性剤等の分散安定剤;ヒンダードアミン等の光安定剤;フェノール系化合物、リン系化合物、硫黄系化合物等の酸化防止剤;トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール系化合物からなる紫外線吸収剤;ラジカル捕捉剤;耐熱性付与剤;無機及び有機充填剤;可塑剤;滑剤;帯電防止剤;補強剤;触媒;揺変剤;抗菌剤;防カビ剤;防腐触剤;防錆剤等が挙げられる。また、塗料やコーティング剤に用いる場合は、基材に対して特に強固な密着性を与えるシランカップリング剤、コロイダルシリカ、テトラアルコキシシラン及びその縮重合物、キレート剤、エポキシ化合物を用いてもよい。
【0035】
上記の各種添加剤の中でも、本発明の水分散型ポリウレタン組成物を塗膜や塗装に用いられる場合には、ヒンダードアミン系光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤を使用するのが好ましい。
【0036】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメチルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメチルメタクリレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第3−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第3オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−[トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−[トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。
【0037】
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第3オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第3オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第3ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第3オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第3ブチルフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第3アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;
【0038】
2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第3ブチルフェニル−3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩又は金属キレート、特にニッケル又はクロムの塩又はキレート類等が挙げられる。
【0039】
リン系抗酸化剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第3ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−ジ第3ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第3ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第3ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,5−ジ第3ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第3ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第3ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第3ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、トリス(2−〔(2,4,7,9−テトラキス第3ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第3ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
【0040】
フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第3ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル・3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第3ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第3ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ第3ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第3ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第3ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第3ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第3ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ第3ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第3ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−第3ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−第3ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−第3ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
【0041】
硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
【0042】
ヒンダードアミン系光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤のそれぞれの使用量は、本発明の水分散型ポリウレタン組成物の固形分100質量部に対して0.001質量部より小さいと充分な添加効果を得られない場合があり、10質量部より大きいと分散性や塗装物性に影響を及ぼすおそれがあるので0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。また、これらのヒンダードアミン系光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤の添加方法は、ポリオール成分に添加する方法、プレポリマーに添加する方法、水分散時に水相に添加する方法、水分散後に添加する方法が挙げられるが、操作が容易なのでポリオール成分に添加する方法、プレポリマーに添加する方法が好ましい。
【0043】
本発明の水分散型ポリウレタン組成物の用途としては、塗料、接着剤、表面改質剤、有機及び/又は無機粉体のバインダー、成形体等が挙げられ、具体的には、ガラス繊維集束剤、感熱紙コート剤、インクジェット紙コート剤、印刷インクのバインダー剤、鋼板用コート剤、農業用フィルム用コート剤、ガラス、スレート、コンクリート等無機系構造材用塗料、木工塗料、繊維処理剤、スポンジ、パフ、手袋、コンドーム等が挙げられる。
【0044】
【実施例】
以下、製造例、実施例、比較例、評価例等をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例、評価例等によって何ら制限を受けるものではない。なお、使用される原材料についての略号は以下の通りである。
【0045】
(ポリイソシアネート成分)
HMDI;ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、IPDI;イソホロンジイソシアネート
(ポリオール成分)
NPG/AA;ネオペンチルグリコールとアジピン酸のポリエステルポリオール、1,6HD/AA/IPA;1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸:イソフタル酸=1:1モルのポリエステルポリオール、1,6HD/TPA;1,6−ヘキサンジオール/テレフタル酸のポリエステルポリオール、MPD/AA;2−メチル−1,3−プロパンジオール/アジピン酸のポリエステルポリオール、PEG;ポリエチレングリコール
(アニオン性基導入化合物)
DMPA;ジメチロールプロピオン酸、BDSA;1,4−ブタンジオール−2−スルホン酸
(アニオン性基中和剤)
TEA;トリエチルアミン
(鎖延長剤成分)
EDA;エチレンジアミン、ADH;アジピン酸ジヒドラジド
(架橋剤)
MM;メラミン
【0046】
(製造例)ウレタンプレポリマーの製造
表1に記載のポリイソシアネート成分、ポリオール成分、架橋剤、アニオン性基導入ポリオール及び全成分の総質量の15質量%のN−メチル−2−ピロリドンを反応フラスコに仕込み、窒素気流下で、125℃で2時間反応させ、更に中和剤を加え、更に1時間撹拌し、プレポリマー組成物;PP−1〜PP−7を得た(表1)。
【0047】
【表1】
Figure 0004067045
【0048】
(実施例1〜9)
上記で得られたプレポリマー組成物200gを、シリコーン系消泡剤SE−21(ワッカーシリコン社製)0.4gを溶解した370gのイオン交換水に15分で滴下した。その後、鎖延長剤成分としてエチレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド(エチレンジアミン:アジピン酸ジヒドラジド=5:1(モル比))を表2に記載の量で加え、25℃で30分撹拌しポリウレタン分散液を得た。また、ディスパーをセットした容器にイオン交換水180gを入れ、2000rpmで撹拌しながら、表1に記載のハイドロタルサイト60gを少量ずつ加え、全量仕込んでから、更に30分撹拌し、ハイドロタルサイト分散液を得た。ポリウレタン分散液を120g、表2に記載の量のハイドロタルサイト分散液を加え、60℃で、3時間撹拌した後、これをディスパーをセットした容器に移し、2000〜3000rpm、20〜30℃でpHの変化がなくなるまで撹拌し、水分散型ポリウレタン組成物PU−1〜PU−9を得た(表2)。
【0049】
【表2】
Figure 0004067045
【0050】
前記実施例2について、ハイドロタルサイト分散液を使用する前のポリウレタン分散液とPU−2のIR(塗膜法)測定とpHを測定し、ポリウレタンとハイドロタルサイトの反応について確認した。1700cm-1のCOOH基由来の吸収と1540cm-1のCOO−基由来の吸収の面積比;(COO−)/(COOH+COO−)は、ハイドロタルサイト分散液を使用する前のポリウレタン分散液では、0.357であり、PU−2では、0.438であった。これはポリウレタンのアニオン性基がハイドロタルサイトの炭酸イオンと交換反応して、塩を生成していることを示すものである。また、pHは、8.5から9.4に上昇しており、これもポリウレタンとハイドロタルサイトの反応を示すものである。
【0051】
(比較例1〜2)
前記実施例1と同様の手順で表3の配合により、ポリウレタン組成物HPU−1、HPU−2を調製した(表3)。
【0052】
【表3】
Figure 0004067045
【0053】
(評価例1)
上記の実施例1〜4で得た水分散型ポリウレタン組成物PU−1〜4、比較例1〜2で得た水分散型ポリウレタン組成物HPU−1〜HPU−2について以下の評価を行った。結果を表4に示す。
(耐水性)
PETフィルム上に前記で得た水分散型ポリウレタン組成物をバーコーターを用いて塗布し、25℃24時間の乾燥、120℃1時間熱硬化して作成した面積85cm2、厚さ100μmの試験片を25℃の水に24時間浸した後の質量の増加率(吸水率)を測定した。
(耐熱性)
前記の耐水性試験片と同様の方法で、ステンレス鋼板に塗膜を形成し、この塗膜について、30分の条件で融解の有無を観察した。融解が観察されたものは、×、融解がなかったものを○で示す。
(引張特性)
水分散型ポリウレタン組成物を用いて、25℃、24時間の乾燥、120℃、1時間の熱硬化により形成した厚さ100μmのダンベル形状2号片について、テストスピード500mm/分、スパン間40mmの条件での25℃における引張試験により、破断応力と伸び率を測定した。
【0054】
【表4】
Figure 0004067045
【0055】
(評価例2および評価比較例1)
前記実施例5〜9で得た水分散型ポリウレタン組成物PU−5〜9についてと、それぞれの対応する水分散型ポリウレタン組成物からハイドロタルサイト分散液を使用していない水分散ポリウレタン組成物について、前記評価例1と同様に耐水性と引張特性について測定を行い、ハイドロタルサイトの使用効果を変化率(ハイドロタルサイト使用/ハイドロタルサイト未使用)により評価した。結果を表5に示す。
【0056】
【表5】
Figure 0004067045
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、ハイドロタルサイトを用いることにより、得られる塗膜や成形品について、耐水性、耐熱性等の物性が改善された水分散型ポリウレタン組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. ジイソシアネートと必要に応じて用いられるイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートを含有してなるポリイソシアネート成分(a)、ジオールと必要に応じて用いられるヒドロキシル基を3個以上有するポリオールを含有してなるポリオール成分(b)、アニオン性基導入化合物(c)、アニオン性基中和剤(d)、ハイドロタルサイト及び水を必須成分とし、ポリアミンと必要に応じて用いられる他の鎖延長剤を含有してなる鎖延長剤成分(e)を任意成分として、これらの成分から得られる水分散型ポリウレタン組成物において、ハイドロタルサイトの使用量が、ハイドロタルサイトを除く固形分100質量部に対して、0.5〜15質量部である水分散型ポリウレタン組成物。
  2. ハイドロタルサイトが、下記一般式(I)で表される請求項1の水分散型ポリウレタン組成物。
    Znx Mgy Al2 (OH)2(x+y+2)CO3 ・nH2 O (I)
    (式中、xは0〜3を示し、yは1〜6を示し、また、x+yは4〜6を示す。nは0〜10を示す。)
  3. ポリイソシアネート成分(a)のジイソシアネートが、脂環式ジイソシアネートである請求項1又は2に記載の水分散型ポリウレタン組成物。
  4. ポリオール成分(b)のジオール成分がポリエステルジオールである請求項1〜3のいずれかに記載の水分散型ポリウレタン組成物。
  5. アニオン性基導入化合物(c)のアニオン性基がカルボキシル基又はスルホン酸基である請求項1〜4のいずれかに記載の水分散型ポリウレタン組成物。
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