JP2000343717A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JP2000343717A JP2000096375A JP2000096375A JP2000343717A JP 2000343717 A JP2000343717 A JP 2000343717A JP 2000096375 A JP2000096375 A JP 2000096375A JP 2000096375 A JP2000096375 A JP 2000096375A JP 2000343717 A JP2000343717 A JP 2000343717A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイピング部材が確実に各ノズル開口におけ
るインクのメニスカスを一様に整えられること及びノズ
ル形成面に固着した異物を擦り取れること。 【解決手段】 記録ヘッドのノズル形成面94に平行に
往復移動するスライド部材46と、該スライド部材に支
持され、その一方向への移動時にはノズル形成面に対す
るワイピング動作として、その反対方向への移動時には
ノズル形成面に対するラビング動作として、その自由端
側がノズル形成面に押し付けられるワイピング部材36
と、この部材36の基端側をスライド部材に回動可能に
支持する支持部81と、ワイピング動作時にノズル形成
面への前記押し付けに伴う反作用を該ノズル形成面から
受けて回動された当該ワイピング部材をその状態のまま
前記押し付け方向に付勢して支えるバネ49と、ラビン
グ動作時にワイピング部材の回動を規制し剛的に支持す
る回動規制手段とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドの吐出
特性を維持するためのヘッド吐出特性維持装置を有する
インクジェット式記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置は、主走査方
向に往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッド
と、印刷用紙等の被記録材を副走査方向に間欠的に設定
量ずつ送る被記録材送り手段を備え、記録ヘッドを主走
査方向に移動させつつ該記録ヘッドからインク滴を対向
する前記被記録材に吐出して記録を行うように構成され
ている。
【0003】モノカラーのインクジェット式記録装置で
は、記録ヘッドは通常1つ搭載されている。フルカラー
のインクジェット式記録装置では、ブラックインクを吐
出するブラックインク用記録ヘッドと、イエロー、シア
ン、マゼンタ等の各色のインクを吐出するカラー用記録
ヘッドとの複数が搭載されている(特開平7−1326
15号公報等)。
【0004】インクジェット式記録装置は、前記記録ヘ
ッドからインクを吐出する原理が、以下のように構成さ
れている。すなわち公知のように圧力発生室でインクを
所定圧で加圧し、その圧力に基づいてインクをノズル形
成面にあるノズル開口から前記被記録材に向けてコント
ロールされた大きさのインク滴として吐出する。従っ
て、記録ヘッドのノズル開口からのインク吐出特性は、
一定に維持される必要があり、該インク吐出特性が変動
すると記録品質の低下に繋がる。
【0005】記録ヘッドのインク吐出特性は、ノズル開
口におけるインクの蒸発乾燥による粘度上昇や、インク
固化、目詰まり、更には塵埃の付着や気泡混入等が原因
となって変動する。そのため、インクジェット式記録装
置には、記録ヘッドのインク吐出特性を一定に維持する
ために前記したインク吐出特性の各変動原因を排除し、
もって記録ヘッドの吐出特性を維持するヘッド吐出特性
維持装置が設けられている。
【0006】このヘッド吐出特性維持装置は、先ず第1
に、キャッピング装置を備えている。非記録時には、こ
のキャッピング装置でノズル形成面を封止して前記ノズ
ル開口を外部と隔離しておくことにより、インクの乾燥
を抑制し、インク粘度の上昇を押さえている。
【0007】また、前記キャッピング装置でノズル形成
面を封止していてもノズル開口の目詰まりや、インク流
路内への気泡の混入等を完全には防止できない。そこ
で、該ヘッド吐出特性維持装置は、第2として前記ノズ
ル開口の目詰まりや混入した気泡を除去するためにイン
クをノズル開口から強制的に吸引排出することのできる
吸引ポンプを備えている。この吸引ポンプは、前記キャ
ッピング装置で前記ノズル形成面を封止した状態で、該
ノズル開口に負圧を作用させ、該ノズル開口からインク
を強制的に吸引排出させて前記目詰まりや混入気泡を除
去する。この吸引ポンプによるインクの強制的な吸引排
出処理は、記録装置の長時間の休止後に記録動作を再開
する場合や、ユーザーが記録画像の品質が低下したこと
を認識して操作パネルにある専用スイッチを操作した場
合に通常は実行されるようになっている。
【0008】上記のように吸引ポンプによるインクの強
制的な吸引排出処理を行うと、記録ヘッドのノズル形成
面にインクが飛び散って付着することがあると共に、各
ノズル開口におけるインクのメニスカスが乱れる。ま
た、記録ヘッドのノズル形成面には経時的に異物が付着
しやすい。そこで、該ヘッド吐出特性維持装置は、第3
として必要に応じてノズル形成面を払拭するワイピング
装置を備えている。
【0009】このワイピング装置は、一面側をゴム等の
弾性板からなるワイピング用素材、他面側をフェルト等
からなる同形状のラビング用素材で構成した複合材から
成る板状のワイピング部材を有し、該ワイピング部材の
基端側をホルダーで挟圧支持して成る。そして、ワイピ
ング部材の先端側の縁部分を前記ノズル形成面に弾性的
に押し付けつつ相対的に往動および復動させて該ノズル
形成面を清掃するようになっている。例えば往動時又は
復動時にワイピング用素材の方をノズル形成面に押し付
け、復動時又は往動時にラビング用素材の方をノズル形
成面に押し付けてノズル形成面を清掃するようになって
いる。
【0010】ワイピング部材の前記ワイピング用素材に
よる前記清掃動作は、「ワイピング動作」と言われてい
る。この「ワイピング動作」は、ノズル形成面に付着し
たインクの払拭の他に、各ノズル開口におけるインクの
メニスカスを一様に整える、即ち安定させるという重要
な役割を担っている。そのため、ワイピング用素材の前
記縁部分をノズル形成面に弾性的に押し付ける押し付け
力は、前記メニスカスを確実に安定させることができる
程度にソフトで且つ適切な強さに設定されなければなら
ないという第1の技術的要求がある。
【0011】また、ワイピング部材の前記ラビング用素
材による前記清掃動作は、「ラビング動作」と言われて
いる。この「ラビング動作」は、ノズル形成面に強固に
固着した異物を擦り取る役割を有する。そのため、該ラ
ビング用素材の縁部分をノズル形成面に押し付ける押し
付け力は、ノズル形成面に強固に固着した前記異物を擦
り取れる程度に大きく設定されなければならないという
第2の技術的要求がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来は、ワイピ
ング部材に要求される前記第1の技術的要求および第2
の技術的要求に、曲がりやすいワイピング用素材と該ワ
イピング用素材より曲がりにくいラビング用素材との両
素材の組み合わせだけで対応していたので、自ずと限界
があり、両要求を充分に満たすことは簡単ではなかっ
た。
【0013】本発明の目的は、記録ヘッドの吐出特性を
維持するためのヘッド吐出特性維持装置を有するインク
ジェット式記録装置であって、ヘッド吐出特性維持装置
の1つであるワイピング装置のワイピング部の材部分に
要求される前記第1の技術的要求および第2の技術的要
求を、簡単且つ充分に満たすことのできるインクジェッ
ト式記録装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本願請求項1に記載の発明は、インクジェット式の
記録ヘッドと、該記録ヘッドのノズル形成面を払拭する
ワイピング装置とを備えたインクジェット式記録装置で
あって、前記ワイピング装置は、前記ノズル形成面に平
行に往復移動するスライド部材と、該スライド部材に支
持され、該スライド部材の一方向への移動時には前記ノ
ズル形成面に対するワイピング動作として、該スライド
部材の反対方向への移動時には前記ノズル形成面に対す
るラビング動作として、その自由端側が該ノズル形成面
に押し付けられるワイピング部材と、該ワイピング部材
の基端側を前記スライド部材に回動可能に支持する支持
部と、前記ワイピング動作時に、ノズル形成面への前記
押し付けに伴う反作用を該ノズル形成面から受けてその
反作用力の方向に回動された当該ワイピング部材をその
状態のまま前記押し付け方向に付勢して支えるバネと、
前記ラビング動作時に、前記ワイピング部材の回動を規
制して該ワイピング部材を剛的に支持された状態にする
回動規制手段とを備えている。
【0015】本構成によれば、ワイピング動作時には、
ワイピング部材自体と前記バネの両方の弾性力を利用し
て当該ワイピング部材を記録ヘッドのノズル形成面に押
し付けるので、ワイピング部材自体だけの弾性力で押し
付ける従来構造に比して、ノズル開口におけるインクの
メニスカスを確実に安定させることができる程度にソフ
トで且つ適切な強さでワイピング部材が前記ノズル形成
面に押し付けられなければならないという第1の技術的
要求を簡単且つ充分に満たすことができる。
【0016】また、ラビング動作時には、前記回動規制
手段により前記ワイピング部材の回動を規制して該ワイ
ピング部材を剛的に支持された状態にするので、該ワイ
ピング部材はノズル形成面に強く押し付けられ、もって
ノズル形成面に強固に固着した異物を確実に擦り取るこ
とができ、第2の技術的要求を簡単且つ充分に満たすこ
とができる。
【0017】また、本願請求項2に記載の発明は、請求
項1に記載されたインクジェット式記録装置において、
前記ワイピング部材は、弾性板から成るワイピング用素
材と、該ワイピング用素材よりも曲げに対する抵抗の大
きいフェルト等のラビング用素材とが接合された複合材
から成る。本構成によれば、ワイピング動作はワイピン
グに適したワイピング用素材で行い、ラビング動作はラ
ビングに適したラビング用素材で行うので、当該バネと
の併用により前記第1の技術的要求と第2の技術的要求
を一層簡単且つ充分に満たすことができる。
【0018】また、本願請求項3に記載の発明は、請求
項2に記載されたインクジェット式記録装置において、
前記ワイピング部材の基端側を挟持すると共に前記スラ
イド部材に前期支持部を介して回動可能に軸支されるホ
ルダ部材と、該ホルダ部材の自由端側を支持すると共
に、その他端部において所定ストロークの遊びをもって
前記スライド部材に係止されるアーム部材とを備え、前
記所定ストロークの遊びの範囲で前記ワイピング部材が
前記バネの付勢力を受けるように構成されている。本構
成によれば、構造簡単にして、前記第1の技術的要求を
満たすことができる。
【0019】また、本願請求項4に記載の発明は、請求
項3に記載されたインクジェット式記録装置において、
前記アーム部材の他端部に形成された長孔と、前記スラ
イド部材に前記長孔に遊嵌するように配置された軸体と
を備え、前記軸体に対する前記長孔の移動範囲において
前記所定ストロークの遊びを持たせるように構成されて
いる。本構成によれば、前記軸体に対する前記長孔の移
動範囲において前記所定ストロークの遊びを持たせるの
で、すなわちバネの作用する範囲を限定された範囲とし
たので当該バネの付勢力を所定の強さで安定して利用す
ることができる。
【0020】また、本願請求項5に記載の発明は、請求
項1から4のいずれか1項に記載されたインクジェット
式記録装置において、前記回動規制手段は、前記ワイピ
ング部材の回動可能範囲の一方の限界位置において前記
ラビング動作が行われるように設定することで構成され
ている。本構成によれば、ワイピング部材が一方の回動
限界位置にあるときにラビング動作を行うので、ラビン
グ動作時にワイピング部材は回動できず、もって強固な
押し付け力を機械的に簡単な構造で得ることができる。
【0021】また、本願請求項6に記載の発明は、請求
項1から4のいずれか1項に記載されたインクジェット
式記録装置において、前記スライド部材には、その長手
方向に沿ってメインラックが形成され、該メインラック
に噛み合うピニオンの正逆方向への回転駆動によりスラ
イド部材が往復移動されるように構成されている。本構
成によれば、ラック−ピニオン機構によりスライド部材
を往復移動させるので、構造簡単にして、その往復移動
の安定性を高めることができる。
【0022】また、本願請求項7に記載の発明は、請求
項6に記載されたインクジェット式記録装置において、
前記スライド部材の長手方向に摺動可能となるよう配置
された差動ラックが更に具備され、前記差動ラックは該
差動ラックに噛み合うピニオンの正逆方向への回転駆動
により、メインラックと同一歩調をもって往復移動され
るように構成されると共に、前記スライド部材の往動方
向への移動終端部において、前記ピニオンによって前記
差動ラックだけが更に押し出されて往動方向に移動する
ように構成され、該差動ラックだけの移動によって前記
ワイピング部材を往動方向に傾斜させるように構成され
ている。
【0023】更に、本願請求項8に記載の発明は、請求
項7に記載されたインクジェット式記録装置において、
前記メインラックと差動ラックにおけるラックのピッチ
がほぼ同一に構成され、且つメインラックに形成された
ラックの歯数に比較して差動ラックに形成されたラック
の歯数が大きく構成されている。
【0024】これらの構成によれば、差動ラックを用い
たことで、ワイピング動作の終了後にワイピング部材を
往動方向に傾斜させることを簡単に実現することができ
る。これにより、ワイピング動作の終了後に記録ヘッド
のノズル形成面にワイピング部材を接触させずに元の位
置に戻すことができる。
【0025】また、本願請求項9に記載の発明は、請求
項7又は8に記載されたインクジェット式記録装置にお
いて、前記ワイピング部材の基端側を挟持すると共に前
記スライド部材に回動可能に軸支されるホルダ部材と、
該ホルダ部材の自由端側を支持すると共に、その他端部
において所定ストロークの遊びをもって前記差動ラック
に係止されるアーム部材とを備え、前記所定ストローク
の遊びの範囲で前記ワイピング部材が前記バネの付勢力
を受けるように構成されている。本構成によれば、差動
ラックを利用した構造においても、構造簡単にして、前
記第1の技術的要求を満たすことができる。
【0026】また、本願請求項10に記載の発明は、請
求項9に記載されたインクジェット式記録装置におい
て、前記アーム部材の他端部に形成された長孔と、前記
差動ラックに前記長孔に遊嵌するように配置された軸体
とを備え、前記軸体に対する前記長孔の移動範囲におい
て前記所定ストロークの遊びを持たせるように構成され
ている。本構成によれば、差動ラックを利用した構造に
おいても、前記軸体に対する前記長孔の移動範囲におい
て前記所定ストロークの遊びを持たせるので、前記バネ
の付勢力を安定して利用することができる。
【0027】また、本願請求項11に記載の発明は、請
求項7から10のいずれか1項に記載されたインクジェ
ット式記録装置において、前記回動規制手段は、前記両
ラックとピニオンとの同時歯合により構成されている。
本構成によれば、ピニオンと、差動ラックおよびメイン
ラックが同時に歯合している状態では、差動ラックとメ
インラックは該ピニオンによって、その移動は一体化さ
れているため、ワイピング部材は、その往動方向への回
動が規制される。従って、差動ラックを利用した構造に
おいても、ラビング動作時の強固な押し付け力を簡単な
構造で得ることができる。
【0028】また、本願請求項12に記載の発明は、請
求項1から11のいずれか1項に記載されたインクジェ
ット式記録装置において、前記ワイピング装置が、記録
ヘッドのノズル形成面を封止するキャッピング装置と共
にユニットフレームに配置され、少なくともキャッピン
グ装置が記録ヘッド側に進出してノズル形成面を封止す
るキャッピング状態およびキャッピング状態から退避し
て記録ヘッドのノズル形成面の封止を解く非キャッピン
グ状態とを採り得るように構成され、前記キャッピング
装置の退避状態における空間部に、前記ワイピング装置
を構成するワイピング部材が往復移動されるように構成
されている。
【0029】本構成によれば、前記キャッピング装置の
退避状態における空間部に、前記ワイピング装置を構成
するワイピング部材が往復移動されるように構成されて
いるので、装置をコンパクト化できる。
【0030】また、本願請求項13に記載の発明は、請
求項12に記載されたインクジェット式記録装置におい
て、前記ワイピング装置を構成するワイピング部材の往
復移動が、スライド部材の長手方向に沿って配置された
メインラックに噛み合うピニオンの正逆方向への回転駆
動によりなされ、前記キャッピング装置の進出および退
避動作がキャップ駆動カムの回転動作によってなされ、
前記ピニオンに噛み合って当該ピニオンを回転駆動する
駆動ギアと、前記キャップ駆動カムとが1つの支持軸上
に配置されて前記ワイピング部材の往復移動および前記
キャッピング装置の進出および退避動作のタイミングを
図るように構成されている。
【0031】本構成によれば、前記ピニオンに噛み合っ
て当該ピニオンを回転駆動する駆動ギアと、前記キャッ
プ駆動カムとが1つの支持軸上に配置されて前記ワイピ
ング部材の往復移動および前記キャッピング装置の進出
および退避動作のタイミングを図るので、制御を単純化
することができる。
【0032】また、本願請求項14に記載の発明は、請
求項13に記載されたインクジェット式記録装置におい
て、前記キャップ駆動カムに当接するフォロワが、前記
ユニットフレームの一部に片持ち形式で係止されたサブ
フレーム側に取り付けられ、該サブフレームの回動自由
端側に前記キャッピング装置を配置してなる。本構成に
よれば、キャッピング装置の前記進出および退避動作を
簡単なカム制御によって行うことができる。
【0033】また、本願請求項15に記載の発明は、請
求項13又は14に記載されたインクジェット式記録装
置において、前記キャッピング装置には、キャッピング
装置の内部空間を開閉するバルブ部材と、当該バルブ部
材の開閉弁動作を司るバルブ作動子が配置され、前記駆
動ギアおよびキャップ駆動カムと共に1つの支持軸上に
配置されたバルブ駆動カムによって、前記バルブ作動子
が駆動されるように構成されている。本構成によれば、
キャッピング装置の内部空間を開閉するバルブ部材の開
閉を構造簡単にして簡単なカム制御によって行うことが
できる。
【0034】また、本願請求項16に記載の発明は、請
求項13から15のいずれか1項に記載されたインクジ
ェット式記録装置において、前記ユニットフレームに
は、前記キャッピング装置の内部空間に負圧を与える吸
引ポンプがさらに配置され、前記ワイピング装置、キャ
ッピング装置と共にヘッドクリーニングユニットを構成
してなる。本構成によれば、吸引ポンプ、ワイピング装
置及びキャッピング装置がヘッドクリーニングユニット
を構成して一体化されているので、コンパクト化できる
と共に、組み付けも容易である。
【0035】また、本願請求項17に記載の発明は、請
求項1から16のいずれか1項に記載されたインクジェ
ット式記録装置において、前記スライド部材の移動方向
は、ノズル形成面に配列されているノズル列に平行な方
向である。本構成によれば、ワイピング部材は、主走査
方向ではなく副走査方向に移動することになるため、主
走査方向にワイピング動作に伴ってインクを飛散させる
虞が少なく、またマルチノズルヘッドを採用した記録装
置であっても、ワイピング動作によって、インクが混色
する虞は少ない。
【0036】また、本願請求項18に記載の発明は、請
求項17に記載されたインクジェット式記録装置におい
て、用紙搬送路は傾斜面に形成され、前記スライド部材
の移動方向は、前記傾斜面に平行で且つ往動方向が斜め
下方となるように構成されている。これにより、ワイピ
ング動作を重力に沿う向きの傾斜方向、すなわちワイピ
ング部材を斜め下方に向かってスライドしつつ行えるの
で、ワイピングによって擦り取られたインク等が、斜め
下方に向かって運ばれることになる。従って、ワイピン
グ動作に重力を利用できるので、ワイピング性能を向上
することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]以下、本願発明
の実施の形態1を図面に基づいて詳細に説明する。図1
は、本発明に係るインクジェット式記録装置を示す斜視
図であり、図2は、本発明に係るユニット化されたヘッ
ド吐出特性維持装置を示す斜視図であり、図3は、同ヘ
ッド吐出特性維持装置の内部の一部は断面で示した概略
側面図であり、図4は、同ヘッド吐出特性維持装置の内
部の一部は断面で示した概略平面図である。
【0038】このインクジェット式記録装置は、例えば
用紙幅が594mm(JIS規格のA1判)や728m
m(JIS規格のB1判)といった比較的大型のサイズ
の用紙にまで印刷できる大型のプリンタである。勿論、
このような大型ではなく、標準的なサイズのものであっ
ても本発明を適用できる。
【0039】このインクジェット式プリンタは、図1に
示したように上から斜め下の手前に向かって給紙部1、
記録部2及び排紙部3と配置されている。被記録材であ
る用紙は、前記給紙部1から記録部2、そして排紙部3
に送られる過程で所定の印刷が実行され、外部に排出さ
れる。印刷時の用紙搬送路8は、水平面に対して65度
の傾斜をもって形成されている。キャリッジ4に搭載さ
れ、ガイド軸6に沿って主走査方向に往復移動する記録
ヘッド54のノズル形成面も、前記用紙搬送路8に平行
となるように65度に傾斜して配設されている。なお、
本発明は、このような傾斜構造の記録装置に限定されな
いことは勿論である。
【0040】そして、キャリッジ4のホームポジション
となる部分に、記録ヘッド54の吐出特性を維持するた
めのヘッド吐出特性維持装置30が配設されている。そ
して、キャリッジ4がホームポジションに位置している
状態のときに該ヘッド吐出特性維持装置30によって、
記録ヘッド54の吐出特性を維持する処理が行われるよ
うになっている。図1において、符号7はキャリッジ4
を主走査方向に往復移動させるための駆動ベルト、符号
9はインクカートリッジホルダ、符号10は開状態の前
蓋を示す。
【0041】図2に示したように、ヘッド吐出特性維持
装置30は、両サイドフレーム32,33と上フレーム
34等によってほぼ箱形に形成されたユニットフレーム
31によってユニット化されている。即ちこのユニット
フレーム31の中に、必要に応じてノズル形成面を払拭
するワイピング装置35、非記録時に記録ヘッド54の
ノズル形成面に押し付けられてノズル開口を封止するた
めのキャッピング装置37、これらワイピング装置35
およびキャッピング装置37を動作させるときの駆動機
構部200、前記ノズル開口の目詰まりや混入した気泡
を除去するためにインクを強制的に吸引排出する吸引ポ
ンプ75、図2には現れていないインク除去部材55
(図3及び図4)、及びセレクト装置300(図3)等
が配設されている。ここで、インク除去部材55は、ワ
イピング装置35の能力を回復させるためのものであ
り、また、セレクト装置300は、マルチノズルヘッド
の場合に必要なノズル列に対してだけワイピング動作等
を行えるようにするためのものである。
【0042】サイドフレーム32には、キャッピング装
置37を作動させるための駆動用モータ43と、吸引ポ
ンプ75を作動させるためのポンプ用モータ44が取り
付けられている。符号45はポンプ用モータ44の動力
を吸引ポンプ75に伝える歯車を示す。
【0043】図3及び図4に基づいて、ユニットフレー
ム31の内部の構造を説明する。これらの図に示したよ
うに、ワイピング装置35と、キャッピング装置37お
よびインク除去部材55は、この順番に並んで配設され
ている。この並びの方向は、ワイピング装置35のスラ
イド部材46が往復移動する方向であり、往動の終点部
分に前記インク除去部材55が配置されている。また、
本実施の形態におけるスライド部材46の往復移動の方
向は、ノズル形成面94に対応すべく、斜めに構成され
ているが、特にスライド部材46の往動方向が前記ノズ
ル形成面に平行であって、且つ斜め下向きとなるように
構成されている。
【0044】また、図3に示したように、ワイピング装
置35の下に、吸引ポンプ75と駆動機構部200が設
けられている。この駆動機構部200のおよその全体構
造は、図21において、キャッピング装置37と共に、
大きな要素単位に分解した状態で斜視図にて示されてい
る。該駆動機構部200は、前記駆動用モータ43を動
力源として、前記キャッピング装置37が記録ヘッド5
4側に進出してノズル形成面94を封止するキャッピン
グ状態(図3の状態)と、キャッピング状態から退避し
て記録ヘッド54のノズル形成面94の封止を解く非キ
ャッピング状態(図11及び図12の状態)とを採り得
るようにするものである。更に、該駆動機構部200
は、キャッピング装置37内のバルブ部材56の開閉の
他に、ワイピング装置35のスライド部材46の往復移
動を行い、また更にセレクト装置300のセレクト動作
を司るようになっている。
【0045】図4に示したように、本実施の形態では、
マルチノズルヘッドに対応すべく、ワイピング装置35
は、1つのワイピング部材36と、それに対応するスラ
イド部材46との組を1つのワイピングユニットとし
て、3つのワイピングユニットを備えている。これら3
つのワイピングユニットは、基端側を支点にしてワイピ
ング部材36側が上下に揺動可能に配設され、さらに図
示しない押さえ板バネにより、ワイピング部材36側が
常時下方に向かって付勢されている。この押さえ板バネ
により、該ワイピングユニットの下面に設けられる後述
するラックと、ワイピングユニットとは別体のものであ
って、同じく後述するピニオン支持フレーム130に支
持されるピニオンとが歯合する定位置に、当該ワイピン
グユニットは押されて保持されている。また、3つのワ
イピングユニットに対応してインク除去部材55も同じ
く3つ設けられ、さらにキャッピング装置37の封止用
キャップ38も3つ設けられている。
【0046】次に、図5乃至図8に基づいて、ワイピン
グ装置35の構造を詳しく説明する。図5は、本発明に
係るワイピング装置の斜視図であって、ワイピング部材
36がスライド部材46の往復動方向に対して直交状態
に支持されたものを示してある。ワイピング部材36
は、ゴム等の弾性板から成るワイピング用素材47と、
該ワイピング用素材47よりも曲げに対する抵抗の大き
いフェルト等のラビング用素材48とが接合された複合
材から成る。このワイピング部材36の基端側は、ホル
ダ部材80により強固に挟持されると共に該ホルダ部材
80を介して前記スライド部材46の先端の支持部81
に回動可能に取り付けられている。
【0047】該ホルダ部材80の自由端側は、アーム部
材77で支持され、該アーム部材77の他端部は、所定
ストロークの遊びをもって別体の軸体82に係止されて
いる。この係止構造は、アーム部材77の他端部に形成
された長孔78を前記軸体82に遊嵌することで構成さ
れている。従って、アーム部材77は、前記軸体82に
対する前記長孔78の限られた移動範囲において前記所
定ストロークの遊びを持ち、これにより、当該ワイピン
グ部材36は、前記軸体82に対する前記長孔78の移
動可能量に対応する範囲において回動できるようになっ
ている。尚、該ホルダ部材80の自由端側は、前記の如
くアーム部材77で支持されているが、その支持部79
は、ワイピング部材36を回動させて傾斜させることが
可能なように、言うまでもなく回動可能に支持されてい
る。
【0048】該軸体82がスライド部材46に固定され
ている場合は、ワイピング部材36の回動できる範囲
は、前記軸体82に対する前記長孔78の移動範囲に限
られる。具体的には、ワイピング部材36は、図5に示
したスライド部材46との直交状態より往動方向へは回
動が機械的に規制されて傾斜できず、この位置が往動方
向への回動限界となる。この状態が後述するラビング動
作で利用される。
【0049】そして、軸体82が固定されている基体8
4と、アーム部材77側の左右連結部83との間にコイ
ルバネ49が縮設され、このコイルバネ49によって、
前記軸体82に対する前記長孔78の移動範囲、すなわ
ちワイピング部材36の回動できる範囲において当該ワ
イピング部材36が前記コイルバネ49の付勢力を受け
るように構成されている。該コイルバネ49の強さは、
ワイピング動作時に、ノズル形成面への押し付けに伴う
反作用を該ノズル形成面から受けてその反作用力の方向
に回動された当該ワイピング部材36をその状態のまま
前記押し付け方向に付勢して、ワイピング部材36自体
の弾性力と前記バネ49の弾性力の両方によって支える
ように設定される。
【0050】本実施の形態では、前記軸体82が取り付
けられている基体84は、スライド部材46に固定され
るのではなく、該スライド部材46に対して相対的に移
動できる差動ラック86の基体50(図6)に固定され
ている。従って、差動ラック86がスライド部材46に
対して移動できるため、ワイピング部材36はスライド
部材46の往動方向に更に回動できるようになってい
る。図7は、軸体82に対する前記長孔78の移動範囲
に対応するワイピング部材36の回動範囲を超えて更に
大きく回動した状態を示している。すなわち、スライド
部材46を停止したまま差動ラック86を更に移動させ
ることによって、前記ワイピング部材36を往動方向に
大きく傾斜させることができる。
【0051】図6は、図5の状態のワイピング装置35
を裏側から見た状態の平面図である。前記スライド部材
46には、その長手方向に沿ってメインラック85が形
成され、前記メインラック85に噛み合うピニオン52
a,52b,52c(図9参照)の正逆方向への回転駆
動によりスライド部材46が往復移動されるように構成
されている。
【0052】そして、前記スライド部材46の長手方向
に摺動可能となるよう前記差動ラック86を有する基体
50が更に設けられている。該差動ラック86は、該差
動ラック86に噛み合うピニオン52a,52b,52
cの正逆方向への回転駆動により、メインラック85と
同一歩調をもって往復移動されるように構成されてい
る。そして、前記スライド部材46の往動方向への移動
終端部において、メインラック85と前記ピニオン52
a,52b,52cとの噛み合い状態が終わり、該スラ
イド部材46が停止した後も、該差動ラック86は前記
ピニオン52a,52b,52cとの噛み合い状態を維
持し、当該差動ラック86だけが更に押し出されて往動
方向に移動するように構成されている。
【0053】具体的には、前記メインラック85と差動
ラック86におけるラックのピッチは、図6に示したよ
うにほぼ同一に構成され、且つメインラック85に形成
されたラックの歯数に比較して差動ラック86に形成さ
れたラックの歯数は、3個多く形成されている。図6
は、差動ラック86がメインラック85に対して押し出
されていない状態のものであり、差動ラック86側の最
先端に位置する歯88は、メインラック85側の最先端
に位置する歯と同じ位置に並んでいる。一方、差動ラッ
ク86側の最後端に位置する歯87は、メインラック8
5側の最後端に位置する歯よりも3ピッチ分だけ後方に
はみ出している。これにより、メインラック85の最後
端の歯と前記ピニオンとの噛み合いが外れる位置までス
ライド部材が移動して停止した後も、差動ラック86は
更に終端部の3個の歯に相当する距離だけ、移動でき
る。そして、この差動ラック86だけの移動によりワイ
ピング部材36は回動し、図7に示したように往動方向
に大きく傾斜した状態にすることができる。
【0054】図8は、図7の状態のワイピング装置35
のワイピングユニットを裏側から見た状態の平面図であ
る。差動ラック86がメインラック85に対して押し出
されており、該差動ラック86側の最先端に位置する歯
88は、メインラック85側の最先端に位置する歯より
先方に3ピッチ分だけはみ出している。一方、差動ラッ
ク86側の最後端に位置する歯87は、メインラック8
5側の最後端に位置する歯と同じ位置で並んでいる。
【0055】この状態で、前記ピニオンをメインラック
85及び作動ラック86に歯合させて逆に回転すると、
当該ワイピングユニットは、ワイピング部材36が図7
に示した傾斜状態のまま復動される。そして、メインラ
ック85の最先端の歯と前記ピニオンとの噛み合いが外
れる位置までスライド部材が復動されて停止した後も、
差動ラック86は、更に最先端の歯88を含む先端側に
はみ出ている3個の歯(図8)に相当する距離だけ、移
動できる。そして、この差動ラック86だけの復動によ
りワイピング部材36は復動方向に回動し、図5に示し
たようにワイピング部材36はスライド部材46と直交
する状態に戻る。
【0056】尚、前記軸体82が固定されている基体8
4が、前記差動ラック86の基体50に固定されている
本実施例の構造において、図5すなわち図6に示した状
態で、ピニオン52a,52b,52cが両ラック8
5,86に歯合していれば、ワイピング部材36は、図
5に示した直交状態から更なる往動方向への回動が規制
される。その理由は、両ラックとピニオンの同時歯合に
より、両ラックはその移動が一体化され、差動ラックだ
けが移動することはないからである。従って、この位置
が往動方向への回動限界となる。この状態がラビング動
作で利用される。
【0057】図9は、ワイピング装置36がピニオンと
歯合している状態を下方から見た斜視図である。3つの
ピニオン52a,52b,52cは、それぞれ、3つの
ワイピングユニット(図4参照)に対応している。
【0058】次に、図3および図4に戻って、インク除
去部材について説明する。ワイピング動作範囲の直後の
位置にワイピング部材36からインクを除去するインク
除去部材55が設けられている。該インク除去部材55
は、ワイピング動作方向にそのままスライド部材46を
移動させた時に、前記ワイピング部材36が徐々に接触
を開始する形状の前面107と、該前面107に押し付
けられることにより前記ワイピング部材36が移動方向
と反対方向に曲げられた後、一気に外れる形状の後面1
08とを有する。
【0059】前記インク除去部材55の前面107形状
は、図4及び図22、図23に示した傾斜面の他に、図
24に示した多数の凹凸を有する面109、更には、図
25に示したように、ワイピング部材36の端縁部分と
対向する位置に開口110が設けられたもの等が挙げら
れる。
【0060】いずれの場合も後面108の形状は、ワイ
ピング部材36の進行方向に直交する平面形状に形成さ
れている。
【0061】本インク除去部材55によってワイピング
部材36からインク106が除去されるため、ワイピン
グ部材36の能力を回復させることができる。この回復
動作は各ワイピング動作毎に行われることが好ましい。
また、該インク除去部材55は、前記ワイピング部材3
6が徐々に接触を開始する形状の前面107,109,
110を有しているので、インク106の付いたワイピ
ング部材36が衝当してもインク106の飛び散りを低
減することができる。更に、インク除去部材55の該前
面107,109,110に押し付けられることにより
前記ワイピング部材36が移動方向と反対方向に曲げら
れ、その後に、一気に外れる形状の後面108を有して
いるので、この外れる瞬間にインク106をワイピング
部材36から弾き飛ばすことができ、確実にワイピング
部材36の能力を回復させることができる。
【0062】さらに、本実施の形態では、図3及び図4
に示したように、前記インク除去部材55によりワイピ
ング部材36から弾き飛ばされたインク滴を受けるイン
ク吸収材41を備えている。該インク吸収材41はホル
ダ40に保持されている。本構成によれば、ワイピング
部材36から瞬間的に弾き飛ばされたインクを他に漏ら
すことなく確実に捕獲することができる。
【0063】次に、図3、図10乃至図12並びに図2
1を用いて、キャッピング装置37と、その駆動機構部
200について説明する。
【0064】先ずキャッピング装置37は、キャップ本
体部141の上面に封止用キャップ38を備え、左右一
対のガイド142(図21)が図2に示したようにサイ
ドフレーム32,33に設けられた一対のガイド受け3
9にガイドされた状態で、記録ヘッド54に対して進退
できるようになっている。また、キャッピング装置37
はキャップ本体部141の内部空間を開閉するバルブ部
材56を備え、キャップ本体部141の下面部に配置さ
れたバルブ作動子57を本体下面から離れる方向に引く
ことで当該バルブ部材56が閉弁状態から開弁状態に変
わるようになっている。そして、該バルブ作動子57
は、後述するバルブ駆動カム62によって、駆動される
ように構成されている。
【0065】キャッピング装置37の前記記録ヘッド5
4への進退移動およびバルブ部材56の開閉を司る駆動
機構部200は、図21に示したように、大きく分けて
カム体143と、該カム体143の作用によって基端を
支点にして上下に揺動するサブフレーム92とで構成さ
れている。
【0066】カム体143は、円筒形状の小径軸60の
外周面61に、周長の短いバルブ駆動カム62と周長の
長いキャップ駆動カム64が周方向に隣接して設けられ
ている。バルブ駆動カム62とキャップ駆動カム64
は、小径軸60の軸方向には、図21に示したように位
置がずれて設けられている。尚、バルブ駆動カム62の
終わりの位置からキャップ駆動カム64に連なる突曲面
63も後述する一つの機能を有するカム面になってい
る。このカム体143は、小径軸60の外周面61上の
位置であってバルブ駆動カム62の直前の位置が、カム
制御の基準位置65として利用され、該基準位置65が
図3に示した位置にあるときが、該カム体143の制御
上の初期位置として設定されている。
【0067】サブフレーム92は、その基端105にお
いて図2に示したユニットフレーム31の基端下部(矢
印500で指した部分)に、両サイドフレーム32,3
3間に跨って、且つ該基端105側を支点として他端側
が自由端140となって上下に揺動可能となるように取
り付けられる。そして該サブフレーム92は、長尺なコ
イルスプリング42によって、図2に示したように自由
端140が上方に付勢される。
【0068】サブフレーム92の底面部の中央部分に、
前記キャップ駆動カム64のカムフォロア91が設けら
れている。このカムフォロア91は、自由回転するロー
ラ構造に形成されている。また、サブフレーム92の底
面部の基端寄りの位置に支点67を有し、上下方向に回
動自在なレバー66が設けられている。該レバー66の
前記カムフォロア91と隣接する位置には前記バルブ駆
動カム62のカムフォロア71が設けられている。更
に、該レバー66の先端にはハンド部70が設けられて
いる。
【0069】キャッピング装置37は、その底部におい
てサブフレーム92の自由端140側に設けられた連結
用枠体144に一体に連結され、これにより該サブフレ
ーム92の揺動に追従して一緒に動き、前記記録ヘッド
54に対して進出および退避するようになっている。ま
た、この連結状態で前記レバー66のハンド部70をキ
ャッピング装置37の前記バルブ作動子57に係止し、
この状態で前記レバー66を押し下げて該バルブ作動子
57の被作用部58に引き下げる力を作用することで、
前記バルブ部材56が閉弁状態から開弁状態に変わる。
符号68は前記レバー66の先端部を示し、該先端部6
8は基端側と連結部69により回動可能に連結されてい
る。
【0070】次に、ワイピング装置35とその駆動機構
部200の関係を図3、図14、図21および図32を
用いて説明する。該ワイピング装置35のスライド部材
46は、上述したようにピニオン52a,52b,52
cとメインラック85及び差動ラック86とのラック−
ピニオン機構によって往復移動されるようになってい
る。本実施の形態では、ピニオン52a,52b,52
cが駆動機構部200によって回転されるように構成さ
れている。
【0071】前記ピニオン52a,52b,52cは、
駆動ホイール101の外周面上の一部に形成された駆動
ギア100から回転動力が伝えられる。駆動ホイール1
01は、図3及び図14に示したように、前記カム体1
43と同軸にしてユニットフレーム31に取り付けられ
ている。具体的には、図21に示したカム体143が図
32に示した駆動ホイール101の軸129に嵌合して
一体化され、両者が共通軸の回りに前記モータ43を動
力源として一体的に回転するように形成されている。
【0072】図3は駆動ギア100とピニオン52a,
52b,52cとが噛み合っていない状態であり、図1
4は駆動ギア100とピニオン52a,52b,52c
とが噛み合っている状態である。駆動ギア100とピニ
オン52a,52b,52cとが噛み合っている状態で
該駆動ホイール101が回転すると、ワイピング装置3
5のスライド部材46が往復移動し、両者が噛み合って
いない状態で駆動ホイール101が回転してもスライド
部材46は停止している。
【0073】本実施の形態では、カム体143と駆動ホ
イール101とは、前記の如く両者が一体化された状態
における回転方向への位相が、図14に示したように、
前記キャップ駆動カム64により前記サブフレーム91
が下方に押し下げられ、キャッピング装置37が記録ヘ
ッドから退避した状態のときに、駆動ギア100とピニ
オン52a,52b,52cとが噛み合うように構成さ
れている。従って、キャッピング装置37が記録ヘッド
54から退避して、記録ヘッド54のノズル形成面94
の下にできる空間部93をワイピング動作のための空間
として有効に利用することができる。
【0074】また、図32に示したように、前記ピニオ
ン52a,52b,52cは、軸35を共通にし、該軸
35の両端をピニオン支持フレーム130で軸支するこ
とによって、当該ピニオン支持フレーム130に回転可
能に支持されている。さらに該ピニオン支持フレーム1
30は、前記カム体134および駆動ホイール101と
共通の軸の回りに、該カム体134および駆動ホイール
101の回転に接触摩擦によって引きずられて少し回転
できるように取り付けられている。ピニオン支持フレー
ム130の一側には、突起131が設けられ、該突起1
31がサイドフレーム33に設けられた図示しない孔
に、当該ピニオン支持フレーム130の前記回転方向に
少しのクリアランスをもって挿入係止されている。
【0075】従って、ピニオン52a,52b,52c
は、その支持フレーム130の少しの回転により、その
位置を移動できるように構成されている。このように構
成した理由は以下の通りである。前記ピニオン52a,
52b,52cを前記メインラック85及び差動ラック
86と噛み合わせて一方に送り出すときに、前記ラック
の最後の歯まで使って送り出すと、送り出し終了時点で
ピニオンは前記ラックの最後の歯から外れてしまう。従
って、そのままピニオンを逆転させてもラックとは噛み
合えないため、復動させることができない。そこで、ピ
ニオンを少し移動させて前記ラックの最後の歯部分と歯
合できるようにしている。これにより、ラックの最後の
歯まで使って送り出しをしても容易に復動させてもとに
戻すことができる。
【0076】次に、図3および図10乃至図20に基づ
いて、当該インクジェット式記録装置におけるワイピン
グ動作とラビング動作を説明する。図3は、キャッピン
グ装置37が、記録ヘッド54に向かって進出してノズ
ル形成面94を封止した状態である。駆動機構部200
は初期位置の状態にある。駆動用モータ43を駆動させ
てカム体143と駆動ホイール101を一体的に共通軸
の回りに回す。
【0077】図10は、最初のカム制御状態を示す。カ
ム体143が初期位置から少し回転して、バルブ駆動カ
ム62がカムフォロア71を介してレバー66を押し下
げた状態である。これにより、バルブ部材56が閉弁状
態から開弁状態に変わる。このとき、サブフレーム92
は動かないので、キャッピング装置37は、記録ヘッド
54のノズル形成面94を封止したままである。
【0078】図11は、カム体143が更に少し回転し
てキャップ駆動カム64の手前にある突曲面63がカム
フォロア91に押し当たり、これによりサブフレーム9
2を少し下げた状態である。これにより、キャッピング
装置37は記録ヘッド54のノズル形成面94から離れ
る。この状態で記録部2において記録動作が行われる。
このとき前記バルブ駆動カム62は、前記カムフォロア
71を外れているので、バルブ部材56は閉弁状態に戻
っている。
【0079】図12は、カム体143が更に少し回転し
て、キャップ駆動カム64の先端がカムフォロア91に
押し当たり、これにより、サブフレーム92を更に押し
下げた状態である。これにより、キャッピング装置37
は大きく記録ヘッド54から退避してノズル形成面94
の下にワイピング動作に利用できる空間部93ができ
る。
【0080】図13は、駆動ホイール101の駆動ギア
100がピニオン52a,52b,52cと噛み合いを
開始し、スライド部材46が往動方向へ移動を始めた状
態を示す。
【0081】図14は、駆動ホイール101がさらに回
転されて、スライド部材46が更に移動し、記録ヘッド
54のノズル形成面94に対してワイピング動作を行っ
ている状態を示す。このとき、既に説明したように(図
5乃至図8)、ワイピング部材36は、該ワイピング部
材36自体と前記バネ49の両方の弾性力を利用して当
該ワイピング部材36を記録ヘッド54のノズル形成面
94に押し付けられるので、ワイピング部材自体だけの
弾性力で押し付ける従来構造に比して、ノズル開口にお
けるインクのメニスカスを確実に安定させることができ
る程度にソフトで且つ適切な強さで該ワイピング部材3
6を押し付けることができる。
【0082】図15は、ワイピング動作が終了し、更に
ワイピング部材36がインク除去部材55によって、そ
の能力を回復された状態を示す。インク除去部材55に
よるワイピング部材36の能力回復動作については、図
22乃至図25に対応する説明部分で既に説明した。
【0083】図16は、図15に示した状態から駆動ギ
ア100を逆転させてスライド部材46を復動させ、ノ
ズル形成面94に対してラビング動作をしている状態を
示す。このとき、既に説明したように(図5乃至図
8)、前記回動規制手段により前記ワイピング部材36
の回動を規制して該ワイピング部材36を剛的に支持さ
れた状態にするので、該ワイピング部材36は垂直状態
でその先端縁部分がノズル形成面94に強く押し付けら
れ、もってノズル形成面94に強固に固着した異物を確
実に擦り取ることができる。尚、このラビング動作は、
ワイピング動作に続いて常に行われるものではなく、必
要なときに行えるように構成されている。
【0084】図17は、図15の状態から更に駆動ギア
100を正転させ、スライド部材46が、その有するメ
インラック85とピニオンとの歯合状態が終わる位置ま
で送り出されて停止した後も前記差動ラック86と前記
ピニオンとの噛み合いによって該差動ラック86だけを
往動させ、ワイピング部材36を往動方向に大きく回動
させて傾斜させた状態を示す。
【0085】図18は、駆動ホイール101を更に少し
正転させ、後述するセレクト装置300のセレクトカム
をリセットした状態を示す。
【0086】図19は、図18の状態から駆動ホイール
101を逆転させ、駆動ギア10をピニオンと噛み合わ
せて更に逆転を続けることで、ワイピング部材36を図
のように傾斜させたままスライド部材46を復動させて
いる状態を示す。このようにワイピング部材36を傾斜
させた状態のまま復動させることが可能なのは、図6お
よび図8に示したように差動ラック86の歯数をメイン
ラック85の歯数より多くしたことに因る。すなわち、
図8に示したように、差動ラック86がメインラック8
5より先方に送り出された状態でピニオンを逆転させる
と、両ラック86,85がそのままの関係で共通のピニ
オンにより一緒に送り戻されるので、前期ワイピング部
材36は、前期傾斜状態を維持したまま復動される。こ
の傾斜状態のまま復動させることにより、ワイピング動
作の終了したノズル形成面94にワイピング部材36を
接触させることなく、当該ワイピング動作を終了させる
ことができる。
【0087】図20は、ワイピング部材36が記録ヘッ
ド54の下を通り過ぎ、ワイピング部材36が再び元の
前記スライド部材46との直交状態に戻りつつある状態
を示す。図19に示したように、スライド部材46およ
び差動ラック86は、一緒に復動されるが、スライド部
材46がメインラック85の全長分だけ移動し、該メイ
ンラック85の終端がピニオンとの歯合を終了すると、
スライド部材46はその移動を停止する。しかし、この
時点では図8から明らかなように、差動ラック86は未
だピニオンと歯合状態にある。従って、スライド部材4
6は停止したまま差動ラック86だけが復動を継続す
る。この差動ラック86だけの復動により、傾斜状態に
あったワイピング部材86が、支持部81を支点にして
回動して前記直交状態に戻る。ワイピング部材36が前
記直交状態に戻り切る時点で、差動ラック86は、その
終端の歯88とピニオンとの歯合が終了し、その移動を
停止する。また、この時点で駆動ギア100とピニオン
との歯合状態も終わるようになっており、この後は、駆
動ホイール101は回転するがピニオンは回転しない状
態となる。駆動ホイール101と一体にカム体134も
回転しているため、既に図10ないし図13で説明した
カム動作の逆をたどり、この後、図13の状態から図1
0の状態へと逆に進んで、最終的に図3に示した初期状
態に戻る。
【0088】次に、セレクト装置300と駆動機構部2
00の関係を図26乃至図31および図33乃至図36
に基づいて説明する。既に説明したように、本実施の形
態では、図4に示したようにマルチノズルヘッドに対応
すべく、ワイピング装置35は、1つのワイピング部材
36と、それに対応するスライド部材46との組を1つ
のワイピングユニットとして、3つのワイピングユニッ
トを備えている。この3つのワイピングユニットの吐出
特性の変動は、通常一様ではないため、ワイピング動作
が必要となるタイミングは異なる。従って、マルチノズ
ルヘッドの内、ワイピング動作が必要なノズル列のヘッ
ドに対応するワイピング部材36を有するワイピングユ
ニットだけを往復動させて、他は停止させておくように
すれば無駄がない。
【0089】当該セレクト装置300は、このように必
要なワイピングユニットだけ選択して駆動させることが
できるようにするためのものであり、1つ以上から全数
の3つまでの、総ての組み合わせで、駆動させるべきワ
イピングユニットを選択可能に構成されている。
【0090】当該セレクト装置300は、図28の分解
斜視図に示したように、前記した構造の駆動ホイール1
01と、該駆動ホイール101の軸129(図32)に
回転可能に軸支されるセレクトカム111と、該セレク
トカム111に対応するカムフォロアを有する3つのセ
レクトレバー72,172,272と、該セレクトレバ
ー72,172,272をリセットさせるためのリセッ
トレバー122を備えている。図28においては、軸1
29は図示を省略されている。
【0091】セレクトカム111は、図29に示したよ
うに、円筒形状の外周面が機能的に周方向に3分割され
た第1カム部126、第2カム部127及び第3カム部
128を有している。第1カム部126は、図28に示
したように、セレクトレバー72に対応し、第2カム部
127はセレクトレバー172に対応し、第3カム部1
28はセレクトレバー272に対応している。
【0092】第1カム部126は、3つのカム溝11
2,113,114を周方向に離間して有している。第
2カム部127は、カム溝124,123を周方向に離
間して有している。第3カム部128はカム溝125を
有している。カム溝124は、カム溝112と周方向の
一端側を一部同位置にして形成されていると共に、他端
側をカム溝125の一端側と一部同位置にして形成され
ている。カム溝125の周方向の中央部は、カム溝11
3と同位置に形成され、該カム溝125の他端部は、他
のカム溝と同一位置にならずに単独で形成されている。
カム溝114及びカム溝123も、図29に示したよう
に、他のカム溝と同一位置にならずに単独で形成されて
いる。このように各カム溝を配置することにより、後述
するカムフォロアとの組み合わせで、ワイピングユニッ
トをどれか1つ、又は任意の組み合わせで2つ、更に全
数の3つまで、総ての選択ができ、これにより駆動させ
るべきワイピングユニットを適宜選択できるように構成
されている。
【0093】セレクトカム111は、駆動ホイール10
1の軸129(図32)に回転可能に軸支されるが、該
駆動ホイール101と前記カム体134の間に位置する
状態で配設されている。図3においては、該セレクトカ
ム111はカム体143の後方に隠れて見えない位置に
在る。
【0094】図28に示したように、該セレクトカム1
11の駆動ホイール101と対向する面には、係止用の
リブ115が突設され、駆動ホイール101側には突起
117が突設されている。そして、該セレクトカム11
1は、駆動ホイール101の図28及び図26における
反時計方向への回転により、その突起117が前記リブ
115に係止して該リブ115を押し、これにより駆動
ホイール101と一緒に回転するように組み付けられて
いる。
【0095】また、セレクトカム111の外周面上に
は、係止用突起116が突設されている。サイドフレー
ム33の内面に固定された図示しないアームの先端部に
設けられたストッパ119が、図26に示した位置に設
けられている。そして、該セレクトカム111が、図2
6における時計方向へ回転したときに、前記係止用突起
116が前記ストッパ119に係止し、当該セレクトカ
ム111は、時計方向については、このストッパ119
への係止位置で停止するように組み付けられている。
【0096】また、セレクトカム111の第1カム部1
26、第2カム部127及び第3カム部128に設けら
れた前記各カム溝は、いずれも該セレクトカム111が
前記反時計方向に回転するときは、後述する各セレクト
レバー72,172,272の各カムフォロア120,
220,320の係止部が、当該セレクトカム111の
カム溝および外周面に順次当接係合しつつ回転できる
が、該セレクトカム111が前記時計方向に回転すると
きは、前記各カムフォロア120,220,320の係
止部が前記カム溝に係合している状態では、当該セレク
トカム111は回転が規制される形状に構成されてい
る。このときは、セレクトカム111は停止状態で、駆
動ホイール101だけが前記時計方向に回転する。
【0097】さらに、該セレクトカム111は、図示し
ないリターンバネを具備し、該リターンバネのバネ力に
より、図26における時計方向への付勢力を受けた状態
で組み付けられている。従って、セレクトカム111
は、駆動ホール101の前記突起117からの回転力
や、後述するセレクトレバー72,172,272側の
カムフォロアによって、その回転位置に拘束する力から
開放されたとき、前記リターンバネのバネ力により、図
26における時計方向へ回転して、前記係止用突起11
6が前記ストッパ119に係止し、その状態に保たれる
ように構成されている。図26は、この状態を示してお
り、セレクトカム111が、その係止用突起116を前
記ストッパ119に係止した状態で、且つ駆動ホイール
101の前記突起117がセレクトカム111側のリブ
115に係止している状態は、該セレクトカム111の
動作制御上の基準位置すなわち初期位置とされている。
【0098】図28ないし図30に示したように、セレ
クトレバー72,172,272は、前記セレクトカム
111の第1カム部126,第2カム部127および第
3カム部128の各カム溝に、それぞれ対応して係合す
る第1カムフォロア120,第2カムフォロア220及
び第3カムフォロア320を備えている。また、セレク
トレバー72,172,272は、前記サイドフレーム
32,33間に架設された支点軸73の回りに揺動可能
に形成され、基端側に設けられたバネ76の付勢力によ
り先端作用部74が上方に向かう力を受けるように形成
されている。
【0099】図26は、セレクトレバー72,172,
272の第1カムフォロア120,第2カムフォロア2
20及び第3カムフォロア320の各係止部の総てが、
セレクトカム111の前記カム溝から外れて一様な外周
面と当接係合している状態である。この状態は、セレク
トレバー72,172,272の各先端作用部74を前
記バネ76の付勢力に抗して、下方に退避させた状態で
ある。この退避状態は、前記先端作用部74が、ワイピ
ング装置35の各ワイピングユニットの下面、本実施の
形態ではスライド部材の下面と非当接状態となることに
対応する。
【0100】従って、この状態では、各ワイピングユニ
ットは、前記ワイピング部材36側が図示しない押さえ
板バネにより下方の規制位置まで下げられた状態となる
ため、当該ワイピングユニットの前記メインラック85
および差動ラック86は、前記ピニオン52a,52
b,52cと歯合状態を維持する。これは、ワイピング
動作の観点からは、図4に示した3つのワイピングユニ
ットを全部作動させる状態に対応する。
【0101】図27は、セレクトレバー72の第1カム
フォロア120の係止部121およびセレクトレバー1
72の第2カムフォロア220の係止部(図27におい
ては係止部121と重なって見えない)を、第1カム部
126のカム溝112および第2カム部127の前記カ
ム溝112と同位置にあるカム溝124にそれぞれ同時
に係合させ、これによりセレクトレバー72,172の
各先端作用部74を前記バネ76の付勢力によって上方
に進出移動させた状態を示す。この進出量は、前記係止
部121がカム溝に入り込む量に対応する。一方、セレ
クトレバー272は、その係止部321がセレクトカム
111のカム溝内ではなく外周面に係合しているため、
該セレクトレバー272に対応する先端作用部74は、
前記の如く対応するワイピングユニットの下面とは非当
接状態にある。
【0102】この状態では、セレクトレバー72,17
2に対応する各ワイピングユニットの前記メインラック
85および差動ラック86は、前記ピニオン52a,5
2bとは噛み合わない状態、すなわち非歯合状態となっ
ているため、ワイピング動作の観点からは、前記セレク
トレバー272に対応するワイピングユニットだけが動
作して往復移動し、他は非作動状態となることに対応す
る。
【0103】該第1カムフォロア120,第2カムフォ
ロア220及び第3カムフォロア320は、その位置
が、各セレクトレバー72,172,272の相対位置
とは異なって、図30に示したように、駆動ホイール1
01寄りに局在化されて並設されている。この局在化位
置は、セレクトカム111の第1カム部126,第2カ
ム部127および第3カム部128の占める幅に相当
し、これによりセレクトカム111の前記幅を小さく設
計することを可能にしている。
【0104】また、最も駆動ホイール101側の位置に
は、図30に示したように、更にリセットレバー122
が前記支点軸73に回動自在に設けられている。このリ
セットレバー122は、前記セレクトレバー72,17
2,272のセレクト状態をリセットするためのもので
ある。この実施の形態では、リセット状態は、第1カム
フォロア120,第2カムフォロア220及び第3カム
フォロア320が、総てセレクトカム111の前記カム
溝から外れて一様な外周面と当接係合している前記図2
6に示した状態である。従って、このリセット状態は、
ワイピング動作の観点からは、3つのワイピングユニッ
トを全部作動させるセレクト状態に対応する。
【0105】当該セレクト装置300によるセレクト動
作の初期位置は、前記の如く、セレクトカム111及び
駆動ホイール101が、図26に示した状態あるときと
して設定されている。すなわち、セレクトカム111
が、その係止用突起116を前記ストッパ119に係止
した状態で、且つ駆動ホイール101の前記突起117
がセレクトカム111側のリブ115に係止している状
態が、該セレクトカム111によるセレクト動作制御上
の初期位置とされている。
【0106】そして、図26に示した初期位置の状態に
ある当該セレクト装置300が、図3に示した初期位置
の状態にある前記駆動機構部200の前記カム体143
の後方に、当該セレクトカム111を位置させて、当該
駆動機構部200に組み付けられている。このようにセ
レクト装置300を駆動機構部200に組み付けること
により、図3に示された前記カム体143の初期位置か
ら、当該カム体143を前記バルブ駆動カム62および
キャップ駆動カム64を作動させる正転方向(前記時計
方向)とは逆方向に回転させると、当該セレクトカム1
11が前記駆動ホイール101の前記突起117によっ
て押されて連動回転する。このとき前記バルブ駆動カム
62およびキャップ駆動カム64は、前記各カムフォロ
ア71,91とは当接係合しないため、非作動状態とな
る。
【0107】従って、1つのカム体143の前記バルブ
駆動カム62およびキャップ駆動カム64が設けられて
いる部分以外の部分を無駄なく利用し、且つ前記バルブ
駆動カム62およびキャップ駆動カム64を作動させず
に、当該セレクトカム111だけ作動させてワイピング
ユニットのセレクト動作を実行することができる。
【0108】具体的には、図3および図26の初期位置
の状態は、3つのワイピングユニットがワイピング動作
する状態であり、この状態でカム体143を前記時計方
向に回転させれば、図3および図10乃至図20に基づ
いて既に説明したように3つのワイピングユニットがキ
ャッピング装置37の退避動作等に続いてワイピング動
作を開始する。一方、図3および図26の初期位置状態
から、先ずカム体143を反時計方向に回転させれば、
前記ワイピング動作に先だって、セレクト動作が実行さ
れることになる。
【0109】そして、該セレクトカム111によって所
定のセレクト動作が行われた後、カム体143を時計方
向に正転させる。このときセレクトカム111は、前記
セレクトレバー72,172,272の各カムフォロア
120,220,320のいずれか1つ又は2つとの前
記係合によって時計方向への回転は規制されるため、そ
のセレクト状態が維持される。このようにしてセレクト
されたワイピングユニットだけが前記ワイピング動作を
実行される。
【0110】次に、図31および図32乃至図36に基
づいて、当該セレクト装置300の作用を説明する。図
31は、図26と同じ初期位置の状態にある当該セレク
ト装置300を示す。当該セレクト装置300は、前記
カム体143との関係では、図3に示した前記カム体1
43のワイピング動作に対する初期位置の状態に対応す
る。
【0111】この状態で、カム体143を反時計方向に
回転させると、該カム体143と一体的に回転する駆動
ホイール101の突起117が、セレクトカム111側
のリブ115を押して、該セレクトカム111を、図示
しない前記リターンバネの付勢力に抗して反時計方向に
回転する。これにより、セレクトカム111の前記カム
溝に、予め選ばれたセレクトレバー72,172,27
2の各カムフォロア120,220,320のいずれか
1つ又は2つが係合する。
【0112】図33は、セレクトレバー72,172の
各カムフォロア120,220がカム溝112およびカ
ム溝124に同時に係合し、セレクトレバー272のカ
ムフォロア320だけ、セレクトカム111の外周面に
当接係合している状態を示す。このように係合したセレ
クトレバー72,172の各先端作用部74は、上昇
し、対応するワイピングユニットのワイピング部材36
側を押し上げる。これにより、前記ラック−ピニオンの
歯合状態が解除されるため、該ピニオンが回転しても対
応するワイピングユニットは非作動状態となる。
【0113】一方、図33において、セレクトカム11
1の前記カム溝に係合しないカムフォロア320を有す
るセレクトレバー272に対応するワイピングユニット
だけは、前記ラック−ピニオンの歯合状態を維持される
ため、前記ワイピング動作が実行される対象である。
【0114】前記セレクト動作が終わると、カム体13
4および駆動ホイール101は時計方向に回転される。
図34は、この状態を示している。これにより、カム体
143が図3に示した初期位置に戻り、更に時計方向に
回転させることにより、図3および図10乃至図20に
示したバルブ部材56の開閉、吸引ポンプ75による吸
引動作、キャッピング装置37の記録ヘッド54からの
退避動作、ワイピング動作、インク除去部材55による
ワイピング部材36からのインク除去動作、更に必要に
応じてラビング動作が実行される。
【0115】この実施の形態では、前記リセットレバー
122によるセレクトレバー72,172のリセット
は、図35に示したように、以下の構成で行われるよう
になっている。駆動ホイール101には図28に示した
ようにリセット用カム118が設けられている。該リセ
ット用カム118は、ワイピング動作により、ワイピン
グユニットが往動し、前記ワイピング部材36を往動方
向に傾斜させた前記図17に示した状態から、更にカム
体143と一緒に駆動ホイール101をそのまま時計方
向に回転すると、当該リセット用カム118が前記リセ
ットレバー122を押して回動するように構成されてい
る。
【0116】このリセット用カム118によるリセット
レバー122の回動により、各カムフォロア120,2
20は、前記カム溝との係止状態を解除される。これに
より、セレクトカム111は、図示しないリターンバネ
の付勢力132によって、その係止用突起116が前記
ストッパ119に当接する位置まで瞬時に戻される。図
35は、この状態を示している。
【0117】この後、駆動ホイール101は、反時計方
向に回転され、その突起117を元の位置に戻っている
セレクトカム111側のリブ115に当接させて停止さ
れる。図36は、この状態を示している。これにより、
当該駆動機構部200およびセレクト装置300は、図
3および図26に示した初期位置の状態に戻る。
【0118】[実施の形態2]続いて、本発明の実施の
形態2に係るインクジェット式記録装置について、図3
7乃至図48に基づいて説明する。なお、インクジェッ
ト式記録装置の基本構成は、前記した実施の形態1に示
されたものとほぼ同様であり、したがって、以下におい
てはワイピング手段(装置)、キャッピング手段(装
置)、負圧発生手段(装置)としての吸引ポンプ等をユ
ニット化したクリーニングユニットの全体構成と、前記
した各手段(装置)の具体的な構成について説明する。
【0119】図37はクリーニングユニットの全体構成
と、これに対向するキャリッジの構成とを主走査方向と
直交する方向から透視状態で示したものである。図37
に示す実施の形態においては、キャリッジに搭載された
記録ヘッドのノズル形成面が水平線に対して65度の傾
斜を持って配置されており、これに対応してクリーニン
グユニットも同角度を持って配置されている。
【0120】まずキャリッジ501は、その外郭がほぼ
偏平形状に構成され、その二辺にガイド受け部502
a,502bが形成されている。そして、互いに軸芯が
水平方向に対して65度の関係を持って平行状態に配置
された2本キャリッジガイド軸503a,503bを前
記ガイド受け部502a,502bが摺動可能に支承し
ており、これによりキャリッジ501は、2本のガイド
軸503a,503bに沿って主走査方向に往復移動さ
れるように構成されている。
【0121】キャリッジ501のほぼ中央部には記録ヘ
ッド504が搭載されており、周知のとおりこの記録ヘ
ッド504によって、副走査方向に順次送られる記録用
紙(図示せず)に対して印字記録が実行される。なお、
図37は、後述するキャッピング手段によって、記録ヘ
ッド504のノズル形成面504aをキャッピングした
状態を示している。
【0122】クリーニングユニット507の主要部は、
鎖線でその一部を示したユニットフレーム508によっ
て一体に保持されており、このクリーニングユニット5
07は記録装置の一端部における印字領域外(ホームポ
ジション)に配置されている。
【0123】ユニットフレーム508のほぼ中央部に
は、後述する駆動ギヤ、キャップ駆動カム、バルブ駆動
カムなどを備えた駆動部509がユニットフレーム50
8に軸支された1つの支持軸510上に回転可能に支持
されている。そしてこの駆動部509は、図には現れて
いないがユニットフレーム508の内側壁に取り付けら
れた駆動モータの動力を受けて、往復方向に回転駆動さ
れるように構成されている。
【0124】前記ユニットフレーム508における上部
のガイド軸503aに対向する部分には、後述するワイ
ピング手段511が配置されており、また前記駆動部5
09の上部には後述するキャッピング手段514の内部
空間を吸引して負圧状態を実現する吸引ポンプ512が
配置されている。そして、これらワイピング手段511
および吸引ポンプ512は、共に前記ユニットフレーム
508に取り付けられている。
【0125】なお、前記吸引ポンプ512は、一対のロ
ーラ512aによって円弧状に配置された可撓性チュー
ブ512bを順次押しつぶす動作をなすことで、ポンプ
作用を実現するいわゆるチューブポンプが用いられてい
る。
【0126】一方、ユニットフレーム508の上端部に
は、係止突起508aが形成されており、この係止突起
508aには、その端部に鉤状の係止部513aを備え
た鎖線で示すサブフレーム513が、片持ち形式で回動
可能となるように係止されている。そして前記サブフレ
ーム513の回動自由端側には、記録ヘッド504のノ
ズル形成面504aをキャッピングするキャッピング手
段514が取り付けられている。
【0127】また、ユニットフレーム508に保持され
た前記駆動部509、ワイピング手段511および吸引
ポンプ512に囲まれた空間には、セレクト機構515
が配置されており、このセレクト機構515はフレーム
508に取り付けられた支軸516を介して駆動される
ように配置されている。
【0128】さらに、ユニットフレーム508には、前
記ワイピング手段511の動作によりノズル形成面を払
拭したワイピング部材より、インクを掻き取るインク除
去部材517が一体に形成されており、またユニットフ
レーム508の端部には、前記インク除去部材517と
の接触が解かれた際に、ワイピング部材より飛翔するイ
ンク滴を受け止めるインク吸収材518も配置されてい
る。
【0129】図48は、前記キャッピング手段514の
外観構成と、このキャッピング手段514を保持してキ
ャッピング手段514を記録ヘッド504側に進退可能
に駆動するサブフレーム513を含む駆動機構の構成を
示している。前記サブフレーム513には、上部に向か
って延出された一対の腕状部521が形成されており、
この腕状部521の先端部には、それぞれ牽引バネ52
2の一端が係止され、また牽引バネ522のそれぞれの
他端は前記ユニットフレーム508に係止されている。
したがってサブフレーム513は鉤状係止部513aを
支点として牽引バネ522の作用により、サブフレーム
513の自由端側が記録ヘッド504側に付勢されるよ
うになされている。
【0130】サブフレーム513の自由端側に形成され
た一対の窓孔部523には、キャッピング手段514の
両外側に向けて形成された一対の円柱状突起524が嵌
め込まれ、サブフレーム513に対してキャッピング手
段514が取り付けられている。
【0131】また、ユニットフレーム508の内側面に
は、対向するように一対のガイドレール525が取り付
けられており、このガイドレール525には、凹陥状の
ガイド部525aがそれぞれ形成されている。また前記
キャッピング手段514の両外側に向けて函状突起52
6がそれぞれ形成されており、この一対の函状突起52
6が前記ガイドレール525に形成されたガイド部52
5aに入り込んだ形で組み上げられている。
【0132】したがって、前記サブフレーム513が鉤
状係止部513aを支点として回動した場合において、
キャッピング手段514はガイドレール525に形成さ
れたガイド部525aに沿って移動し、キャッピング手
段514を記録ヘッド504に向かって進退する動作が
なされる。
【0133】一方、サブフレーム513の内底部のほぼ
中央には、図37にも示すように長手方向に沿ってフォ
ロワホルダ531が取り付けられており、このフォロワ
ホルダ531には円柱状に形成されたフォロワ532が
回転可能に取り付けられている。また、前記フォロワホ
ルダ531の端部において、支点533を介してバルブ
レバー534が回動可能に取り付けられており、このバ
ルブレバー534のほぼ中間部には、駆動部509に配
置された後述するバルブカム539によって押し下げら
れる突起部535が形成されている。なお図には示され
ていないが、前記バルブレバー534は、バネ圧によっ
てその自由端側がキャッピング手段514側に付勢され
るように構成されている。
【0134】また、前記バルブレバー534は二つの部
材により構成されており、その自由端側の部材536に
おける先端部はL字状に形成されて、このL字状部53
7によって後述するバルブ作動子を牽引できるように構
成されている。
【0135】図48に示すように駆動部509には、キ
ャップ駆動カム538およびバルブ駆動カム539が軸
方向に隣接するようにして配置されており、前記キャッ
プ駆動カム538は、その回転駆動によってフォロワホ
ルダ531に取り付けられたフォロワ532に当接し、
またバルブ駆動カム539は、その回転駆動によってバ
ルブレバー534のほぼ中間部に形成された突起部53
5に当接するように構成されている。
【0136】よって、前記駆動部509が回転駆動され
ることで、キャップ駆動カム538の外径形状にしたが
ってフォロワ532が押し下げられ、これに伴いサブフ
レーム513も鉤状係止部513aを支点として押し下
げられる。これにより、キャッピング手段514による
記録ヘッド504のノズル形成面504aの封止が解か
れ、キャッピング手段514は退避する動作がなされ
る。またキャップ駆動カム538が回転移動して、その
カム面が小径部の位置に達した場合には、前記した牽引
バネ522の作用により、サブフレーム513の自由端
側が記録ヘッド504側に戻され、これによりキャッピ
ング手段514は記録ヘッド504側に進出して、記録
ヘッド504のノズル形成面504aを封止するように
作用する。
【0137】また同様に、前記駆動部509が回転駆動
されることで、バルブ駆動カム539の外径形状にした
がってバルブレバー534が押し下げられ、これに伴い
前記L字状部537は後述するバルブ作動子を牽引し、
キャッピング手段514内に配置された後述するバルブ
部材を開弁させるように作用する。また、バルブ駆動カ
ム539が回転移動して、そのカム面が小径部の位置に
達した場合には、バルブレバー534は後述するバルブ
作動子の牽引を停止し、キャッピング手段514内に配
置された後述するバルブ部材を閉弁させるように作用す
る。
【0138】次に、図39はキャッピング手段514の
構成を分解状態で示したものである。図39に示すよう
にキャッピング手段514には、上部が開放された直方
体状のキャップフレーム541が具備され、このフレー
ム541の両外側に前記した函状突起526がそれぞれ
一体に形成されている。フレーム541内には同様に上
部が開放された直方体状のスライダ542が、いわゆる
入れ籠状態に配置されている。
【0139】そして、フレーム541の各四隅近傍にそ
れぞれ垂直方向に開口された窓孔541aに、スライダ
542の各四隅近傍にそれぞれ水平方向に突出するよう
に形成された係止体542aが入り込んで、フレーム5
41に対してスライダ542が分離されずに、かつ上下
方向に移動できるように構成されている。なお、フレー
ム541とスライダ542との間には図には示されてい
ないが、若干のバネ力が働かされてフレーム541に対
してスライダ542が突出するように付勢されている。
【0140】また、スライダ542内には3つのバルブ
保持部材543が収納されており、このバルブ保持部材
543に形成された中空円筒部543a内に、頭部が偏
平状に成形されたバルブ部材544がそれぞれ摺動可能
となるように収納されている。前記各バルブ部材544
の下端部にはネック部が形成され、バルブ保持部材54
3の下面側においてリンク部材545に形成された狭窄
部545aに、このネック部がそれぞれ嵌め込まれて取
り付けられている。
【0141】前記リンク部材545には、それぞれ対向
するようにして三対の支点突部545bが形成されてお
り、この一対ごとの支点突部545bが各バルブ保持部
材543の下面側で回動可能に支承されている。したが
って、リンク部材545を支点突部545bにおいて回
動動作させることで、バルブ部材544は、バルブ保持
部材543に形成された中空円筒部543a内を上下に
移動するように動作する。
【0142】前記リンク部材545の自由端側には、バ
ルブ作動子546が支軸546cを介して取り付けられ
ている。このバルブ作動子546は、二段の梯子状に構
成されており、上部の水平部材546aおよび下部の水
平部材546bは、前記スライダ542およびフレーム
541を貫通してフレーム541の下底部側に突出した
状態に構成されている。
【0143】そして図37に示したように、各水平部材
546a,546bの間にバルブレバー534における
L字状部537の先端部が入り込んだ構成とされてい
る。これによりバルブレバー534の動作によって、バ
ルブ作動子546が牽引され、前記バルブ部材544を
引き下げることで、後述するようにキャッピング手段の
内部空間を大気に開放することができるように構成され
ている。
【0144】また、前記バルブ保持部材543は、それ
ぞれキャップ部材547の下底面に嵌め込まれて一体に
構成され、各キャップ部材547の上部には、そのシー
ル部が方形状に形成された軟質ゴム性のシール部材54
8が嵌め込み手段により取り付けられている。そして、
各キャップ部材547は、前記シール部材548が上部
に臨むように窓孔549aが配置され、前記スライダ5
42に嵌め込み手段によって結合されたキャップ保持体
549によって保持された構成とされている。
【0145】なお、前記各キャップ部材547の下底部
には、図には現れていないが大気開放口が形成されてお
り、前記バルブ部材544の偏平状の頭部が前記大気開
放口を閉塞した状態で閉弁状態とされ、また前記したよ
うにバルブレバー534の作動によりバルブ作動子54
6が牽引されることによって開弁され、キャッピング手
段の内部空間が大気開放される。
【0146】また、前記各キャップ部材547の下底部
には、図には現れていないがそれぞれ吸引口が形成され
ており、この各吸引口には図1に示した吸引ポンプ51
2に、図示せぬチューブを介して接続されており、前記
吸引ポンプ512の作動によってキャッピング手段の内
部空間が負圧に吸引されるように構成されている。
【0147】次に、図40および図41は、ワイピング
手段511とその駆動構成を、一部分解した状態で斜視
図によって示している。このワイピング手段511は、
外郭が偏平状の直方体形状になされたフレーム555内
に、それぞれ同一構成になされたワイピングユニット5
56が並列状態に3組配列されている。なお、図40に
おいては、1つのワイピングユニット556をフレーム
555から抜き出し、一部を分解した状態で示してい
る。
【0148】このワイピングユニット556には、キャ
リッジの移動方向に直交する副走査方向に移動するスラ
イド部材557が具備されており、図41に示すよう
に、このスライド部材557には、その長手方向に沿っ
てメインラック558が配置されている。
【0149】スライド部材557の長手方向に摺動可能
となるように、前記メインラック558と同一ピッチに
形成された差動ラック559が、メインラック558に
隣接するように配置されており、この差動ラック559
は、メインラック558に形成されたラックの歯数に比
較して若干その歯数が多く形成されている。すなわち、
前記メインラック558に形成された歯数が、例えば1
6個であるとすれば、差動ラック559の歯数は19個
具備されており、図5に示すように差動ラック559に
は、メインラック558のラック歯に比較して3つの歯
数が余分に配置されている。
【0150】一方、前記スライド部材557の先端部に
は、一対のホルダ支軸部が557a,557bが形成さ
れており、このホルダ支軸部557a,557bには、
短冊状に形成されたワイピング部材560を保持したホ
ルダ部材561が回動可能に軸支されている。なお、前
記ワイピング部材560は、一側面がゴムなどのワイピ
ング用素材560aにより構成され、他側面がフェルト
などのラビング用素材560bにより構成され、これら
が貼り合わせて一体に構成されている。
【0151】そして、前記ホルダ部材561の自由端側
には、アーム部材562の一端が軸支されており、この
アーム部材562の他端には、アーム部材562の長手
方向に沿って長孔562aが形成されている。
【0152】図41に示すように、前記長孔562a内
には、前記差動ラック559の先端部に形成された軸体
559aが、長孔562aに遊嵌するように挿入されて
いる。また、差動ラック559の先端部に形成された前
記軸体559aの基部と、アーム部材562の長手方向
のほぼ中央部に形成されたバネ受け部562bとの間に
は、その両端を拡開方向に付勢するコイル状の加重バネ
563が配置されている。
【0153】すなわち、前記アーム部材562は長孔5
62aの長手方向のストロークの遊びを持って前記差動
ラック559に係止されており、このストロークの遊び
の範囲で前記ワイピング部材560が加重バネ563の
付勢力を受けるように構成されている。
【0154】なお、図40および図41に示す状態にお
いては、ホルダ部材561の自由端側がアーム部材56
2によって牽引され、ワイピング部材560が記録ヘッ
ドのノズル形成面に直交するよう規制されており、前記
メインラック558、差動ラック559、ホルダ部材5
61およびアーム部材562の組み合わせにより、ワイ
パ角度制御機構を構成している。
【0155】また、フレーム555の上部には、三ツ又
状に形成されたリーフ状の押さえバネ564が配置され
ており、この押さえバネ564によって各ワイピングユ
ニット556は押し下げられた状態に保持されている。
【0156】一方、図40に示すように、前記駆動部5
09には、ほぼ90度の角度の範囲を持って駆動ギヤ5
67が形成された駆動ホイール568が具備されてお
り、この駆動ホイール568に摺動して摩擦クラッチ機
構を構成したピニオン群の支持フレーム569が具備さ
れている。すなわち支持フレーム569は、摩擦クラッ
チ機構の作用により駆動ホイール568の回転方向に引
きずられるように作用し、支持フレーム569の一部に
設けられたストッパ569aが、前記ユニットフレーム
508の一部に形成された窓孔(図示せず)内に臨むよ
うに配置されている。そして、前記窓孔にストッパ56
9aが当接してその回動が規制されるわずかな回動範囲
において、支持フレーム569がホイール568の回転
方向に引きずられ回動できるように構成されている。こ
れにより、支持フレーム569は遊星機構を構成してい
る。
【0157】前記ホイール568の回転駆動により、支
持フレーム569に支持されたピニオンギヤ570が駆
動ギヤ567に噛み合って回転駆動され、このピニオン
ギヤ570と同軸上に配置された3つのピニオンギヤ5
71a,571b,571cも同方向に回転駆動され
る。この場合、3つのピニオンギヤ571a〜571c
のそれぞれは、3組配列されている前記したそれぞれの
ワイピングユニット556を駆動するものであり、これ
によりワイピングユニット556によって、記録ヘッド
のワイピング動作等が実行される。
【0158】なお、図37に示したセレクト機構515
には、支軸516の長手方向に3組のセレクトレバー5
15aが配置されており、支軸516を介したそれぞれ
のセレクトレバー515aの回動動作によって、3組の
ワイピングユニット556のいずれかが、前記押さえバ
ネ564の付勢力に抗して選択的に押し上げられるよう
に構成されている。
【0159】このセレクトレバー515aによる押し上
げ作用を受けたワイピングユニット556におけるメイ
ンラック558および差動ラック559は、それぞれに
対向するピニオンギヤ571a,571b,571cと
の噛み合いが解かれ、ワイピングユニット556の往復
動作は実行されないようになされる。換言すれば、セレ
クト機構515における各セレクトレバー515aの状
態を選択することにより、3組のワイピングユニット5
56のいずれか1つまたは2つ或いは全部を同時に駆動
するように選択することができる。
【0160】図42乃至図48は、前記のように構成さ
れたクリーニングユニットにおける主にワイピング手段
511の作用を順をおって示している。なお図42乃至
図48は、図37に示した状態に対して主走査方向にお
いて反対方向から視た状態で示している。
【0161】まず図42は、キャッピング手段514に
よって記録ヘッド504のノズル形成面504aをキャ
ッピングしたキャッピング状態を示している。このキャ
ッピング状態においては、サブフレーム513の鉤状係
止部513aを支点として牽引バネ522の作用によ
り、サブフレーム513の自由端側に配置されたキャッ
ピング手段514が記録ヘッド504側に付勢される。
これによりキャッピング手段514に配置された軟質ゴ
ム性のシール部材548が記録ヘッド504のノズル形
成面504aに密着した状態になされ、キャッピング手
段514は前記牽引バネ522の作用により、図42に
Fとして示した適正な押圧力を受けた状態とされる。
【0162】このキャッピング状態における前記キャッ
ピング手段514は、記録装置の休止期間中における記
録ヘッドのノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能
する他、前記吸引ポンプ512による負圧を記録ヘッド
504に作用させて、記録ヘッドからインクを吸引する
クリーニング手段としての機能を備えている。
【0163】ここで、例えばクリーニング動作のシーケ
ンスによって、ユニットフレーム508に配置された前
記駆動部509が駆動モータの動力を受けて一方向に回
転すると、駆動部509に配置されたバルブ駆動カム5
39が、バルブレバー534に配置された突起部535
に当接し、バルブレバー534を押し下げる。これによ
りバルブレバー534に取り付けられた部材536に形
成されたL字状部537が、図43に示すようにバルブ
作動子546を同図中T方向に牽引する。したがって、
キャッピング手段514内に配置されたバルブ部材54
4はそれぞれ引下げられて、キャッピング手段514の
内部空間は大気開放される。
【0164】そして、前記シーケンスに基づいて大気解
放後に再び吸引ポンプ512を動作させることによっ
て、キャッピング手段内に排出されたインクは、吸引ポ
ンプ512を介して排出される。
【0165】前記駆動部509が駆動モータの動力を受
けてなおも同方向に回転すると、駆動部509に配置さ
れたキャップ駆動カム538がフォロワホルダ531に
取り付けられたフォロワ532に当接する。この結果、
片持ち形式で回動可能となるようにユニットフレーム5
08に係止されたサブフレーム513の自由端側を押し
出し、したがって、図44に示すようにキャッピング手
段514は、記録ヘッド504から後退して、前記ワイ
ピングユニット556が往復移動できるクリアランスが
形成される。
【0166】続いて、前記駆動部509が駆動モータの
動力を受けてなおも同方向に回転すると、駆動部509
に備えられた駆動ホイール568における駆動ギヤ56
7が、支持フレーム569に軸支されたピニオンギヤ5
70に噛み合ってこれを回転駆動する。したがって同軸
上に配置された3つのピニオンギヤ571a,571
b,571cも同方向に回転駆動される。
【0167】ここで、前記セレクト機構515を構成す
るセレクトレバー515aにより、ワイピングユニット
556が動作状態となるように選択されていると、例え
ば第1のピニオンギヤ571aにおいては、図40に示
す左端に配置されたワイピングユニット556における
互いに隣接するメインラック558および差動ラック5
59に同時に噛み合い、メインラック558および差動
ラック559を同一歩調をもって往動させる。
【0168】この時、メインラック558および差動ラ
ック559は同一歩調をもって往動するため、差動ラッ
ク559の先端部に形成された軸体559aが、アーム
部材562を手前方向に牽引した状態を保持し、この結
果、ホルダ部材561に保持されたワイピング部材56
0は図40に示したように、アーム部材562の長手方
向と直交した状態を保持する。
【0169】そして、アーム部材562がなおも往動方
向に移動して、図45に示すようにワイピング部材56
0の先端部が記録ヘッド504のノズル形成面504a
に接すると、ワイピング部材560は前記加重バネ56
3を収縮させた状態で傾斜状態になされる。すなわち、
加重バネ563によりノズル形成面に対するワイピング
部材560の押圧力が適正に制御される。
【0170】この状態でアーム部材562が往動方向に
進行すると、図41に拡大して示したように、ノズル形
成面504aに付着しているインクは、ゴム部材により
形成されたワイピング用素材560aにより掻き取られ
る。
【0171】このワイピング動作の終了後に、前記駆動
部509が同方向に回転駆動すると、前記メインラック
558に形成されたラック歯の終端に至る。したがっ
て、ピニオンギヤ571aとメインラック558との噛
み合いが外れ、同時に図には示されていないがスライド
部材557がストッパーに当接して往動方向への移動が
停止される。
【0172】しかしながら、前記したように差動ラック
559のラック歯は、メインラック558のラック歯に
比較して3つの歯数が余分に配置されており、差動ラッ
ク559はピニオンギヤ571aによってなおも前進し
て押し出される。
【0173】これにより、差動ラック559の先端部に
配置された軸体559aは前進し、加重バネ563を介
してアーム部材562も一体になって前進する。このア
ーム部材562の前進により前記ホルダ部材561がそ
の下端を支点にして回動する。この回動により、図10
に示したように、ワイピング部材560が往動方向に傾
斜する。
【0174】ワイピング部材560が前記記録ヘッド4
のノズル形成面4aに押し付けられた状態で往動するワ
イピング動作が終了し、該ワイピング部材560が、前
記ノズル形成面4aを通過してそれから離れてから、図
10に示した傾斜状態に至る前の段階で、以下の処理が
なされる。すなわち、ユニットフレーム508に一体に
形成されたリブ状のインク除去部材517に、ワイピン
グ部材560の先端部が当接し、ワイピング部材560
に付着しているインクが、このインク除去部材517に
よって掻き取られるが、この時、インク除去部材517
との接触が解かれる瞬間に当該ワイピング部材560の
先端部は、加重バネ563の作用によって、往動方向へ
弾かれる。これにより、ワイピング部材560に付着し
ているインクは、ワイピング部材560より弾き飛ばさ
れてインク吸収材518に向かって飛翔し、インク吸収
材518によって吸収される。
【0175】この後、駆動部509には逆方向の回転運
動が与えられ、各ピニオンギヤ571a〜571cを支
持する支持フレーム569は前記した遊星機構によっ
て、若干回動する。これにより各ピニオンギヤ571a
〜571cは、前記メインラック558と差動ラック5
59におけるラックの端部に噛み合うように前進し、そ
のまま両ラック558、559を復動方向に駆動する。
この場合、メインラック558と差動ラック559とは
3つの歯数に相当する分のズレを持ったまま、両ラック
558、559は同一歩調をもって復動方向に移動する
ので、前記ワイピング部材560は図47に示すように
往動方向に傾斜した状態で記録ヘッド504上を通過す
る。このため、ワイピング部材560の先端部は、その
ノズル形成面504aに接触することなく、またはわず
かに接触しつつスライド部材557はフレーム555内
に収納される。
【0176】そして、駆動部509がなおも同方向に回
転駆動することにより、前記メインラック558に形成
されたラック歯の始端に至る。したがって、ピニオンギ
ヤ571aとメインラック558との噛み合いが外れ、
同時に図には示されていないがスライド部材557がス
トッパーに当接して復動方向への移動が停止される。し
かしながら、前記したように差動ラック559のラック
歯は、メインラック558のラック歯に比較して3つの
歯数が余分に配置されており、差動ラック559はピニ
オンギヤ571aによってなおも3つの歯数に相当する
分後退する。
【0177】これにより、差動ラック559の先端部に
配置された軸体559aは後退し、ホルダ561はアー
ム部材562によって牽引されるため、ワイピング部材
560は記録ヘッドのノズル形成面に直交する方向に戻
された状態で初期状態とされる。
【0178】なお、以上はワイピング部材560の一側
面を構成するゴムなどのワイピング用素材560aを用
い、ノズル形成面のインクを払拭する一連のワイピング
動作について説明したが、ワイピング部材560の他側
面を構成するフェルトなどのラビング用素材560bを
用いてラビング動作を実行させる場合には、次のように
なされる。
【0179】すなわち、前記した図45に示すワイピン
グ動作の終了時点、換言すればスライド部材557が往
動方向終端部の若干手前に至った時に、前記駆動部50
9に逆方向の回転運動を与えると、ワイピング部材56
0を取り付けたホルダ部材561は、アーム部材562
により牽引された状態を保持しつつ復動方向に移動す
る。したがって、ワイピング部材560を構成するラビ
ング用素材560bの端面は、記録ヘッドのノズル形成
面に直交した状態で当該ノズル形成面に当接して摺動さ
れる。
【0180】この様子を図48に示しており、前記ラビ
ング用素材560bは、該ラビング用素材560bが有
するこしの強さによって、記録ヘッド504のノズル形
成面504aに強く擦り付けられる。このため、ノズル
形成面504aに固着した異物等を容易に除去すること
ができる。
【0181】
【発明の効果】本発明によれば、ワイピング動作時に
は、ワイピング部材自体と前記バネの両方の弾性力を利
用して当該ワイピング部材を記録ヘッドのノズル形成面
に押し付けるので、ワイピング部材自体だけの弾性力で
押し付ける従来構造に比して、ノズル開口におけるイン
クのメニスカスを確実に安定させることができる程度に
ソフトで且つ適切な強さでワイピング部材が前記ノズル
形成面に押し付けられなければならないという第1の技
術的要求を簡単且つ充分に満たすことができる。また、
ラビング動作時には、前記回動規制手段により前記ワイ
ピング部材の回動を規制して該ワイピング部材を剛的に
支持された状態にするので、該ワイピング部材はノズル
形成面に強く押し付けられ、もってノズル形成面に強固
に固着した異物を確実に擦り取ることができ、第2の技
術的要求を簡単且つ充分に満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット式記録装置を示す
斜視図である。
【図2】本発明に係るユニット化されたヘッド吐出特性
維持装置を示す斜視図である。
【図3】同ヘッド吐出特性維持装置の内部の概略側面図
で一部は断面で示してあり、更にカムがホームポジショ
ンの基準位置にある状態を示す。
【図4】同ヘッド吐出特性維持装置の内部の概略平面図
で一部は断面で示してある。
【図5】本発明に係るワイピング装置の斜視図であっ
て、ワイピング部材が垂直状態にあるものを示してあ
る。
【図6】図5の状態の同ワイピング装置を裏側から見た
状態の平面図である。
【図7】本発明に係るワイピング装置の斜視図であっ
て、ワイピング部材が往動方向に回動して傾斜状態にあ
るものを示してある。
【図8】図7の状態の同ワイピング装置を裏側から見た
状態の平面図である。
【図9】同ワイピング装置がピニオンと歯合している状
態を下方から見た斜視図である。
【図10】図3と同じヘッド吐出特性維持装置の内部の
側面図で、カム軸が基準位置から少し回転した状態を示
す。
【図11】図10と同じヘッド吐出特性維持装置の内部
の側面図で、カム軸が更に少し回転した状態を示す。
【図12】図11と同じヘッド吐出特性維持装置の内部
の側面図で、カム軸が更に少し回転した状態を示す。
【図13】図12と同じヘッド吐出特性維持装置の内部
の側面図で、カム軸が更に少し回転した状態を示す。
【図14】図13と同じヘッド吐出特性維持装置の内部
の側面図で、カム軸が更に少し回転した状態を示す。
【図15】図14と同じヘッド吐出特性維持装置の内部
の側面図で、カム軸が更に少し回転した状態を示す。
【図16】図15と同じヘッド吐出特性維持装置の内部
の側面図で、カム軸が少し逆に回転した状態を示す。
【図17】図15と同じヘッド吐出特性維持装置の内部
の側面図で、カム軸が終点近くまで回転した状態を示
す。
【図18】図17と同じヘッド吐出特性維持装置の内部
の側面図で、カム軸が終点まで回転した状態を示す。
【図19】図18と同じヘッド吐出特性維持装置の内部
の側面図で、カム軸が図18の状態から少し逆に回転し
た状態を示す。
【図20】図19と同じヘッド吐出特性維持装置の内部
の側面図で、カム軸が図19の状態から更に逆に回転し
た状態を示す。
【図21】本発明に係る駆動機構部とキャッピング装置
の部分の分解斜視図である。
【図22】本発明に係るインク除去部材の要部側面図で
ある。
【図23】本発明に係るインク除去部材の要部横断面図
である。
【図24】本発明に係る他のインク除去部材の要部横断
面図である。
【図25】本発明に係る他のインク除去部材の要部側面
図である。
【図26】本発明に係るセレクト装置を示す概略の側面
図である。
【図27】本発明に係るセレクト装置を示し、セレクト
カムが更に回転した状態の概略の側面図である。
【図28】本発明に係るセレクト装置を示す分解斜視図
である。
【図29】本発明に係るセレクトカムの斜視図であっ
て、図28の矢印方向から見た斜視図である。
【図30】本発明に係るセレクト装置の背面図である。
【図31】本発明に係るセレクト装置の要部側面図であ
る。
【図32】本発明に係る駆動ギアおよびピニオンの部分
を示す斜視図である。
【図33】本発明に係るセレクト装置の要部側面図であ
る。
【図34】本発明に係るセレクト装置の要部側面図であ
る。
【図35】本発明に係るセレクト装置の要部側面図であ
る。
【図36】本発明に係るセレクト装置の要部側面図であ
る。
【図37】本発明の他の実施の形態に係るインクジェッ
ト式記録装置に搭載されたクリーニングユニットの全体
構成と、これに対向するキャリッジの構成とを透視状態
で示した側面図である。
【図38】図37に示すクリーニングユニットに搭載さ
れたキャッピング手段の外観構成と、これを記録ヘッド
側に進退可能に駆動する駆動機構の構成を示した分解斜
視図である。
【図39】図38に示すキャッピング手段の構成を示し
た分解斜視図である。
【図40】図37に示すクリーニングユニットに搭載さ
れたワイピング手段と、その駆動構成を示した分解斜視
図である。
【図41】図40に示すワイピング手段の詳細な構成を
示した側面図である。
【図42】図40に示すワイピング手段が退避し、キャ
ッピング状態を示した側面図である。
【図43】図42に示すキャッピング手段内に配置され
たバルブ部材が開弁された大気開放状態を示した側面図
である。
【図44】図43に示すキャッピング手段が後退した状
態を示した側面図である。
【図45】図44に示す記録ヘッドのワイピング動作状
態を示した側面図である。
【図46】図45に示すワイピング部材よりインクを除
去する状態を示した側面図である。
【図47】図46に示すワイピング部材の復動動作状態
を示した側面図である。
【図48】図45の工程に続いて行われた記録ヘッドの
ラビング動作状態を示した側面図である。
【符号の説明】
35 ワイピング装置 36 ワイピング部材 46 スライド部材 47 ワイピング用素材 48 ラビング用素材 49 バネ 50 基体 77 アーム部材 78 長孔 80 ホルダ部材 81 支持部 82 軸体 85 メインラック 86 差動ラック

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット式の記録ヘッドと、該記
    録ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング装置とを
    備えたインクジェット式記録装置であって、 前記ワイピング装置は、 前記ノズル形成面に平行に往復移動するスライド部材
    と、 該スライド部材に支持され、該スライド部材の一方向へ
    の移動時には前記ノズル形成面に対するワイピング動作
    として、該スライド部材の反対方向への移動時には前記
    ノズル形成面に対するラビング動作として、その自由端
    側が該ノズル形成面に押し付けられるワイピング部材
    と、 該ワイピング部材の基端側を前記スライド部材に回動可
    能に支持する支持部と、 前記ワイピング動作時に、ノズル形成面への前記押し付
    けに伴う反作用を該ノズル形成面から受けてその反作用
    力の方向に回動された当該ワイピング部材をその状態の
    まま前記押し付け方向に付勢して支えるバネと、 前記ラビング動作時に、前記ワイピング部材の回動を規
    制して該ワイピング部材を剛的に支持された状態にする
    回動規制手段と、を備えたことを特徴とするインクジェ
    ット式記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ワイピング部材
    は、弾性板から成るワイピング用素材と、該ワイピング
    用素材よりも曲げに対する抵抗の大きいフェルト等のラ
    ビング用素材とが接合された複合材から成ることを特徴
    とするインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記ワイピング部材
    の基端側を挟持すると共に前記スライド部材に前期支持
    部を介して回動可能に軸支されるホルダ部材と、 該ホルダ部材の自由端側を支持すると共に、その他端部
    において所定ストロークの遊びをもって前記スライド部
    材に係止されるアーム部材とを備え、 前記所定ストロークの遊びの範囲で前記ワイピング部材
    が前記バネの付勢力を受けるように構成されていること
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記アーム部材の他
    端部に形成された長孔と、 前記スライド部材に前記長孔に遊嵌するように配置され
    た軸体とを備え、 前記軸体に対する前記長孔の移動範囲において前記所定
    ストロークの遊びを持たせるように構成されていること
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項におい
    て、前記回動規制手段は、前記ワイピング部材の回動可
    能範囲の一方の限界位置において前記ラビング動作が行
    われるように設定することで構成されていることを特徴
    とするインクジェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から4のいずれか1項におい
    て、前記スライド部材には、その長手方向に沿ってメイ
    ンラックが形成され、前記メインラックに噛み合うピニ
    オンの正逆方向への回転駆動によりスライド部材が往復
    移動されるように構成されていることを特徴とするイン
    クジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記スライド部材の
    長手方向に摺動可能となるよう配置された差動ラックが
    さらに具備され、前記差動ラックは該差動ラックに噛み
    合うピニオンの正逆方向への回転駆動により、メインラ
    ックと同一歩調をもって往復移動されるように構成され
    ると共に、前記スライド部材の往動方向への移動終端部
    において、前記ピニオンによって前記差動ラックだけが
    更に押し出されて往動方向に移動するように構成され、
    該差動ラックだけの移動によって前記ワイピング部材を
    往動方向に傾斜させるように構成されていることを特徴
    とするインクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記メインラックと
    差動ラックにおけるラックのピッチがほぼ同一に構成さ
    れ、且つメインラックに形成されたラックの歯数に比較
    して差動ラックに形成されたラックの歯数を大きく構成
    したことを特徴とするインクジェット式記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8において、前記ワイピン
    グ部材の基端側を挟持すると共に前記スライド部材に回
    動可能に軸支されるホルダ部材と、 該ホルダ部材の自由端側を支持すると共に、その他端部
    において所定ストロークの遊びをもって前記差動ラック
    に係止されるアーム部材とを備え、 前記所定ストロークの遊びの範囲で前記ワイピング部材
    が前記バネの付勢力を受けるように構成されていること
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記アーム部材の
    他端部に形成された長孔と、 前記差動ラックに前記長孔に遊嵌するように配置された
    軸体とを備え、 前記軸体に対する前記長孔の移動範囲において前記所定
    ストロークの遊びを持たせるように構成されていること
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  11. 【請求項11】 請求項7から10のいずれか1項にお
    いて、前記回動規制手段は、前記差動ラックとピニオン
    との歯合により構成されていることを特徴とするインク
    ジェット式記録装置。
  12. 【請求項12】 請求項1から11のいずれか1項にお
    いて、前記ワイピング装置が、記録ヘッドのノズル形成
    面を封止するキャッピング装置と共にユニットフレーム
    に配置され、少なくともキャッピング装置が記録ヘッド
    側に進出してノズル形成面を封止するキャッピング状態
    およびキャッピング状態から退避して記録ヘッドのノズ
    ル形成面の封止を解く非キャッピング状態とを採り得る
    ように構成され、前記キャッピング装置の退避状態にお
    ける空間部に、前記ワイピング装置を構成するワイピン
    グ部材が往復移動されるように構成されたことを特徴と
    するインクジェット式記録装置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、前記ワイピング
    装置を構成するワイピング部材の往復移動が、スライド
    部材の長手方向に沿って配置されたメインラックに噛み
    合うピニオンの正逆方向への回転駆動によりなされ、前
    記キャッピング装置の進出および退避動作がキャップ駆
    動カムの回転動作によってなされ、前記ピニオンに噛み
    合って当該ピニオンを回転駆動する駆動ギアと、前記キ
    ャップ駆動カムとが1つの支持軸上に配置されて前記ワ
    イピング部材の往復移動および前記キャッピング装置の
    進出および退避動作のタイミングを図るように構成され
    たことを特徴とするインクジェット式記録装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記キャップ駆
    動カムに当接するフォロワが、前記ユニットフレームの
    一部に片持ち形式で係止されたサブフレーム側に取り付
    けられ、該サブフレームの回動自由端側に前記キャッピ
    ング装置を配置してなることを特徴とするインクジェッ
    ト式記録装置。
  15. 【請求項15】 請求項13又は14において、前記キ
    ャッピング装置には、キャッピング装置の内部空間を開
    閉するバルブ部材と、当該バルブ部材の開閉弁動作を司
    るバルブ作動子が配置され、前記駆動ギアおよびキャッ
    プ駆動カムと共に1つの支持軸上に配置されたバルブ駆
    動カムによって、前記バルブ作動子が駆動されるように
    構成されたことを特徴とするインクジェット式記録装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項13から15のいずれか1項に
    おいて、前記ユニットフレームには、前記キャッピング
    装置の内部空間に負圧を与える吸引ポンプがさらに配置
    され、前記ワイピング装置、キャッピング装置と共にヘ
    ッドクリーニングユニットを構成してなることを特徴と
    するインクジェット式記録装置。
  17. 【請求項17】 請求項1から16のいずれか1項にお
    いて、前記スライド部材の移動方向は、ノズル形成面に
    配列されているノズル列に平行な方向であることを特徴
    とするインクジェット式記録装置。
  18. 【請求項18】 請求項17において、用紙搬送路は傾
    斜面に形成され、前記スライド部材の移動方向は、前記
    傾斜面に平行で且つ往動方向が斜め下方となるように構
    成されている特徴とするインクジェット式記録装置。
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JP2005074767A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd インクジェット式記録装置
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