JP4035756B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドのノズル形成面に付着したインクを掻き取るワイピング手段(クリーナ)を備えたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成することができるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。
このようなインクジェット式記録装置には、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式の記録ヘッドと、この記録ヘッドに対して記録用紙を相対的に移動させる紙送り手段とが備えられている。
そして、印字信号に応じて記録ヘッドを移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させてドットを形成することで記録が行われる。この場合、キャリッジ上に例えばブラック,イエロー,シアンおよびマゼンタのインクの吐出が可能な記録ヘッドを搭載し、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
【0003】
このように、インクジェット式記録装置においては、インクをノズルからインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、次に示すような問題を抱えている。すなわち、ノズル開口からのインク溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇やノズル形成面におけるインクの固化,塵埃の付着によってノズル開口に目詰まりが発生し、さらには記録ヘッド内に気泡が混入し、印刷不良を起こすという問題である。
【0004】
このため、インクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャッピング手段と、このキャッピング手段内にインクを吸引排出する吸引ポンプと、この吸引ポンプによるインクの吸引排出後に記録ヘッドのノズル形成面を清掃するワイピング手段(クリーナ)とを備えている。
そして、前記したノズル開口の目詰まり発生および記録ヘッド内への気泡混入を防止するために、吸引ポンプによって記録ヘッドからインクを強制的にキャッピング手段内に吸引排出させた後、クリーナによって記録ヘッドのノズル形成面を払拭(ワイピング)することが行われる。
【0005】
このような記録ヘッドの目詰まり解消のため、または記録ヘッド内に気泡が残留している場合になされるインクの強制的な排出処理は、クリーニング操作と呼ばれる。そして、記録装置における長時間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザが印字かすれ等の印字品質不良を認識し、クリーニングスイッチを操作した場合に実行される。
【0006】
図17は、従来におけるワイピング手段の一例を示したものである。同図において、符号100で示すワイピング部材は、スライド部材(ホルダ)101の上部に直立した状態に取り付けられており、全体がゴム等の弾性素材からなる矩形片によって形成されている。
そして、クリーニング時に待機位置から記録ヘッドの移動経路(ワイピング位置)に進行し、クリーニング終了後にはワイピング位置から待機位置に退避し得るように構成されている。
【0007】
ところで、前記したインクジェット式記録装置のクリーニング時には、図18(a)に示すように記録ヘッド102の印刷領域側(矢印A方向)への移動に伴いワイピング部材100が記録ヘッド102のノズル形成面に当接しつつ弾性変形する。さらに、記録ヘッド102の矢印A方向への移動によってワイピング部材100の先端部が弾性変形しながら記録ヘッド102のノズル形成面に摺接し、その表面が払拭される。
一方、クリーニング終了後(記録ヘッド102がワイピング部材100の配置位置を通過した直後)には、図18(b)に示すようにワイピング部材100が弾性復帰力(自己復元力)によって矢印C方向に復帰し、初期の形状に復元される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、この種のインクジェット式記録装置においては、記録ヘッド102の移動経路を含む水平・鉛直各面と直角な軸線回りにワイピング部材100(ワイピング手段)を回動規制する機能を備えておらず、このためワイピング手段の進退動作に伴うがたつきが発生していた。この結果、ワイピング手段の円滑な進退動作を得ることができず、ワイピング手段動作上の信頼性が低下するという問題があった。
また、ワイピング手段を(特に鉛直面内において)回動規制する機能を有しないことは、記録ヘッド102のノズル形成面に対するワイパ代(ワイピング手段の接触寸法)にばらつきが発生し、十分なワイピング能力を保証することができないという問題もあった。
【0009】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、ワイピング手段動作上の信頼性を高めることができるとともに、十分なワイピング能力を保証することができるインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされた本発明に係るインクジェット式記録装置は、固定ベースに対して往復移動可能なキャリッジと、このキャリッジ上に装着され、印刷データに対応してノズル形成面からインク滴を吐出するインクジェット式の記録ヘッドと、この記録ヘッドの移動経路の近傍に進退自在に配設され、前記ノズル形成面を払拭するワイピング部材を有するワイピング手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記固定ベースには、ワイピング手段を進退方向に沿って案内するガイド面と、前記ワイピング手段の進退方向に延在する長孔とが設けられ、前記ワイピング手段には、前記キャリッジの往復方向と直角な水平方向に延在し、かつ上下方向に並列する一対の凸部が設けられ、前記一対の凸部のうち上方の凸部は前記固定ベースの上方端縁を覆い、下方の凸部は前記長孔に挿通すると共に、前記一対の凸部はワイピング手段の進退動作に伴い前記ガイド面上を摺動することを特徴とする。
【0011】
このように構成されているため、ワイピング手段の進退方向に沿って固定ベースのガイド面上を各凸部が摺動する。
したがって、記録ヘッドの移動経路を含む水平・鉛直面内でワイピング手段を回動規制することができるため、ワイピング手段の進退動作に伴うがたつき発生を防止することができる。
これにより、ワイピング手段の円滑な進退動作を得ることができ、ワイピング手段動作上の信頼性を高めることができる。
また、ワイピング手段を回動規制できることは、記録ヘッドのノズル形成面に対するワイパ代のばらつき発生を防止することができ、十分なワイピング能力を保証することができる。
【0012】
この場合、前記凸部に、所定の曲率をもった摺動用の突子が設けられていることが望ましい。
このように構成されているため、突子によって固定ベースのガイド面に対する凸部の摺動面積が狭くなり、ワイピング手段の円滑な進退動作が一層効果的に得られる。
さらに、前記ガイド面が前記固定ベースの印刷領域側に配置されている構成とされる。
このように構成されているため、固定ベースのガイド面上を印刷領域側からワイピング手段の凸部が摺動する。
【0013】
また、前記凸部が鉤形状の係止用爪部によって形成されていることが望ましい。
このように構成されているため、係止用爪部を固定ベースに係止した状態でワイピング手段が記録ヘッドの移動経路と直角な方向に進退する。そして、前記固定ベースの長孔に前記凸部のうち一の凸部を挿通させた場合には、一の凸部が長孔の縁部に係止してワイピング手段が進退するため、固定ベースの印刷領域側から非印刷領域側へのワイピング手段の抜け止めが行われる。
【0014】
また、前記ワイピング部材における付着物を除去するワイパクリーナを前記ワイピング手段の進退経路の近傍に固定したことが望ましい。
このように構成されているため、ワイピング手段の進退に伴う摺接によってワイピング部材における付着物がワイパクリーナによって除去される。この際、キャリッジの動作方向にワイピング手段が移動規制され、ワイパクリーナがワイピング部材に一定の接触寸法をもって摺接する。
【0015】
さらに、前記ワイピング手段の駆動機構が、インク吸引用ポンプを駆動するポンプ駆動軸およびこのポンプ駆動軸の回転によって駆動する歯車装置を有するカム機構からなる構成とされる。
このように構成されているため、ポンプ駆動軸が回転すると、この回転力が歯車装置を介してワイピング手段に進退力として伝達される。
この場合、前記固定ベースが前記インク吸引用ポンプのフレーム取付用ベースからなることが望ましい。
このように構成されているため、ワイピング手段の駆動機構がフレーム取付用ベースに配置される。
【0016】
また、前記駆動機構が、前記ポンプ駆動軸の吸引方向の回転によって前記移動経路に進行させ、かつ吸引方向と反対方向の回転によって前記移動経路から退避させるような駆動力を前記ワイピング手段に付与する駆動機構からなる構成も採用し得る。
このように構成されているため、ポンプ駆動軸がインク吸引方向に回転すると、ワイピング手段が記録ヘッドの移動経路外から移動経路内に進行する。一方、ポンプ駆動軸がインク吸引方向と反対方向に回転すると、ワイピング手段が記録ヘッドの移動経路内から移動経路外に退避する。
【0017】
この場合、前記駆動力が、前記キャリッジの往復方向と直角な水平方向の進退力である構成とされている。
このように構成されているため、ポンプ駆動軸の回転によってワイピング手段が記録ヘッドの移動経路と直角な水平方向に進退する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るインクジェット式記録装置につき、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明が適用されたインクジェット式記録装置におけるキャッピング手段およびワイピング手段の構成を模式的に示したものである。図1および図2は、側方から見た非キャッピング状態とキャッピング状態を示す。
符号1で示すキャリッジは、キャリッジモータ(後述)によって往復移動するタイミングベルト(図示せず)の一部に結合されている。そして、ガイドロッド2に案内され、用紙ガイド板3に対向して平行に往復移動し得るように構成されている。
【0019】
前記キャリッジ1には、印刷時に用紙ガイド板3上の記録用紙4に対向するように記録ヘッド5が装着されている。これにより、記録ヘッド5がインクの供給を受けると、印刷データに対応して用紙ガイド3上の記録用紙4にインク滴を吐出して印刷を実行し得るように構成されている。
【0020】
前記記録ヘッド5のノズル形成面を封止することが可能なキャッピング手段6は、記録装置の片側端部における非印刷領域(ホームポジション)に配置されている。このキャッピング手段6は、記録ヘッド5のノズル形成面を封止し得る例えばエラストマーなどの弾性素材からなるキャップ部材7を有している。そして、非印刷時に記録ヘッド5のノズル形成面を封止してノズル開口のインクの乾燥を防止する機能と、クリーニング動作時に後述する吸引ポンプからの負圧を受けて記録ヘッド5からインクを強制的に排出させる機能とを備えている。
【0021】
前記キャッピング手段6に配置されたキャップ部材7の底部には、インク排出口(図示せず)が設けられている。このキャップ部材7のインク排出口には、吸引ポンプ(後述)の一部を構成するチューブ(図示せず)の一方端部が接続されている。これにより、クリーニング指令を受けた場合には、記録ヘッド5のノズル形成面を封止した状態において吸引ポンプによる負圧がキャッピング手段6の内部空間に印加され、記録ヘッド5からインクを強制的に排出させることができる。
なお、前記キャップ部材7内にはインク吸収シート(図示せず)が収容され、前記記録ヘッド5からのインクを吸収して一時的に保持し得るように構成されている。
【0022】
また、前記キャップ部材7は、キャップホルダ9に対して例えば二色成形法などの手段によって一体に設けられている。このキャップホルダ9は矩形箱からなり、両側壁にはそれぞれ平板状のばね受部(図示せず)が水平方向に突出して設けられている。そして、キャップホルダ9は、スライダ昇降機構を構成するスライダ10上に保持され、前記スライダ10と前記ばね受部(図示せず)との間に弾装された圧縮ばね11によって記録ヘッド側に常時付勢されている。
【0023】
なお、前記キャップホルダ9の一端中央部および他端両側部には係合部(図示せず)が設けられており、これら係合部にそれぞれ対応する係止部材(図示せず)が前記スライダ10に設けられている。これにより、キャップホルダ9は、前記各係合部が前記各係止部材によって係止されることにより、上方移動すなわち記録ヘッド側への移動が規制されている。
【0024】
前記スライダ10の底部には一対の長孔12がほぼ水平方向に延在して形成されており、これら各長孔12にはスライダ回動用のアーム14の自由端部に位置する一対の第一水平軸15aがそれぞれ移動可能に保持されている。そして、前記アーム14の反自由端部は、フレーム部材13に第二水平軸15bを介して回動可能に保持されている。これにより、スライダ10がフレーム部材13に対しアーム14を介して円弧状の軌跡をもって立ち上がることができる。
【0025】
また、前記スライダ10の非印刷領域側の両側端部にはそれぞれガイド片10bが設けられている。これら各ガイド片10bは、前記フレーム部材13に設けられた各案内溝16によって保持されるように構成されている。これら各案内溝16の両端部にはそれぞれ低所部16aと高所部16bが配置されており、これら両部16a,16b間には傾斜部16cが配置されている。
【0026】
さらに、前記両ガイド片10bのうち一方のガイド片は、図2に示すように前記フレーム部材13に引張ばね17を介して連結されている。これにより、スライダ10が印刷領域方向に接近し、かつ記録ヘッド5から離間する方向に、すなわち図2から図1に示す状態になるように下方に付勢されている。
【0027】
そして、図1に示すように前記キャリッジ1が前記キャッピング手段6の直上に移動した際、前記キャリッジ1に設けられた係合体1aが前記スライダ10に直立するように設けられた係合部10cに当接することで、図2に示すように引張ばね17の弾撥力に抗してスライダ10がアーム14を介して立ち上がる。これにより、記録ヘッド5のノズル形成面をキャップ部材7で封止することができる。
【0028】
また、前記キャリッジ1が印刷領域側に移動した場合には、前記係合部10cに対する前記係合体1aの当接が解除され、前記スライダ10が引張ばね17の弾撥力によって図1に示す状態になされる。これにより、キャップ部材7による記録ヘッド5におけるノズル形成面の封止を解除することができる。
【0029】
なお、前記キャップ部材7におけるシール面、すなわち前記記録ヘッド5のノズル形成面に当接する上方端面は、図1に示すように前記記録ヘッド5のノズル形成面に対して非平行状態となるように配置されている。換言すれば、前記キャップ部材7のシール面は、ホームポジション側(図1における右側)端部に対して印刷領域側端部が僅かに下方に位置するように傾斜状態に配置されている。
【0030】
そして、前記キャップ部材7は、記録ヘッド5のノズル形成面を封止する場合に、先ずホームポジション側端部からノズル形成面に当接し、スライダ10の上昇にしたがって記録ヘッド5のノズル形成面の全体を封止するように作用する。また、前記キャップ部材7は、記録ヘッド5のノズル形成面を封止解除する場合に、記録ヘッド5のノズル形成面に対し、先ず印刷領域側端部から離間し、キャップ部材7の上方端面が非平行状態になされる。
【0031】
一方、図2に示すように、前記キャッピング手段6に隣接する印刷領域側には、前記キャリッジ1の移動に伴って前記記録ヘッド5のノズル形成面を払拭(ワイピング)するワイピング手段(クリーナ)20が配置されている。このワイピング手段20は、例えばゴム等の弾性素材からなるワイピング部材(クリーニング部材)21およびこのワイピング部材21を保持するホルダ22を有している。
【0032】
このワイピング手段20は、後述するように前記キャリッジ1の往復方向と直角な水平方向に移動し、前記記録ヘッド5の移動経路内のワイピング位置に進行し、かつこの進行位置から移動経路外に退避するように構成されている。
したがって、クリーニング操作時にワイピング部材21によってインク吸引前においてノズル形成面に付着する塵埃や紙粉などが除去され、またインク吸引後においてノズル形成面に付着するインクが払拭される。
【0033】
この場合、前記ワイピング手段20の移動動作と、前記キャッピング手段6の内部空間を負圧にするポンプの吸引動作には、前記用紙ガイド3上の記録用紙4を搬送する紙送りモータ(後述)の駆動力が利用される。そして、前記ワイピング手段20(ワイピング部材21)は、吸引ポンプの駆動動作に伴い前記記録ヘッド5の移動経路内外を前記キャリッジ1の往復方向と直角な水平方向に進退するように構成されている。
【0034】
以上の構成において、図1に示す状態からキャリッジモータの駆動によってキャリッジ1が非印刷領域(ホームポジション)側に移動すると、キャリッジ1の係合体1aがスライダ10の係合部10cに係合する。そして、なおもキャリッジ1がホームポジション側に移動することで、図2に示すように引張ばね17の弾撥力に抗してスライダ10がアーム14を介して上昇する。この場合、スライダ10のガイド片10bが案内溝16の低所部16aから傾斜部16cを経て高所部16bに移動する。これにより、記録ヘッド5のノズル形成面がキャップ部材7によって封止される。
このようにして、キャップ部材7によるノズル形成面の封止が完了した段階でキャップ部材7が大気との連通を遮断して気密状態となり、ノズル開口からのインクの蒸発を抑制し、記録ヘッド5の目詰まりを防止する。
【0035】
一方、図2に示す状態からキャリッジモータの駆動によってキャリッジ1が印刷領域側に移動すると、キャリッジ1の係合体1aがスライダ10の係合部10cから離間する。
したがって、引張ばね17の弾撥力によってスライダ10がアーム14を介して下降する。この場合、スライダ10のガイド片10bが高所部16bから傾斜部16cを介して低所部16aに移動する。これにより、記録ヘッド5のキャップ部材7による封止状態が解除される。
【0036】
次に、前記した記録装置のワイピング手段に対する駆動力伝達機構につき、図3を用いて説明する。図3は、前記した記録装置に装備された給排紙機構,吸引ポンプおよびワイピング手段に対する駆動力伝達手段(共通)の一例を示したものである。
同図において、符号31は紙送りローラを示しており、この紙送りローラ31の一端には歯車32が配置され、紙送りモータ33の軸上に配置されたピニオン34からアイドラ35を介して駆動されるように構成されている。また、給紙ローラ駆動軸36の一端には歯車37が配置され、クラッチ機構を構成する移動歯車38を介して前記歯車32と噛合してカットシートフィーダ(図示せず)に動力を伝達し、記録用紙の給紙(ローディング)が行われるように構成されている。
【0037】
前記移動歯車38は、常時は図示しないスプリングにより図3に示すように両歯車32,37から離れた位置に保持され、またホームポジションと対向する端部に移動するキャリッジ1に押圧されて軸方向(矢印A方向)に移動し、両歯車32,37間に介在して両者の噛み合いが実現するように構成されている。
【0038】
一方、紙送りモータ33からの動力がピニオン34,アイドラ39および排紙ローラ41上の排紙ローラ歯車40に伝達され、さらにこの排紙ローラ歯車40からの動力が同じく排紙ローラ41上の歯車42,アイドラ44,従動歯車45を介して駆動軸43に伝達され、吸引ポンプが駆動される。そして、この吸引ポンプは、板金製の固定ベース(ポンプフレームの取付用ベース)46に対して、ポンプフレーム(後述)を取り付けた状態で組み付けられている。吸引ポンプの駆動軸43は、前記固定ベース46およびポンプフレーム(後述)に回転自在に軸支されている。
【0039】
次に、前記した吸引ポンプとしてのチューブポンプにつき、図4および図5を用いて説明する。図4および図5は、前記した記録装置に装着された吸引ポンプとしてのチューブポンプを示すものである。図4はチューブポンプを正転駆動させてポンプ作用を実行させた場合を示し、図5はチューブポンプを逆転駆動させてレリース状態をした場合を示す。
図4および図5において、符号50で示すチューブポンプ(吸引ポンプ)は、固定ベースとしてのポンプフレーム53と、前記駆動軸43によって回動するポンプホイル54と、このポンプホイル54の回動によって回転・転動するローラ55a,55bとを備えている。
【0040】
前記ポンプフレーム53は可撓性チューブ51の外形を円弧状に規制するチューブ支持面52を有し、前記ポンプホイル54はホイル中心部とホイル外周部との間でホイル径方向に交差するような勾配をもった一対のローラ支持溝54a,54bを有している。また、前記ローラ55a,55bは、前記各ローラ支持溝54a,54b内を移動可能なローラ軸55A,55Bを有している。
【0041】
このようなチューブポンプにおいては、図4に示すようにポンプホイル54を正方向(矢印C方向)に回転させることにより、各ローラ55a,55b(ローラ軸55A,55B)をローラ支持溝54a,54bのホイル外周部に移動させ、可撓性チューブ51をホイル回転方向に連続して押し潰す状態とされる。
これにより、可撓性チューブ51内に圧力を発生させてキャッピング手段6内に負圧を与えるようになされる。そして、記録ヘッド5から前記負圧によって強制的にインクが排出されるとともに、さらにキャッピング手段6内に排出されたインクが廃タンク(図示せず)に送り出される。
【0042】
一方、図5に示すように、ポンプホイル54を逆方向(矢印D方向)に回転させることにより、各ローラ55a,55b(ローラ軸55A,55B)をローラ支持溝54a,54bのホイル中心部(ホイル内周部)に移動させ、各ローラ55a,55bが可撓性チューブ51に少しだけ接するレリース状態とされる。
これにより、各ローラ55a,55bに対する可撓性チューブ51の貼り付きなどの故障発生が防止される。
【0043】
また、前記ポンプフレーム53のチューブ支持面52に対向する部位には、ガイド部材57a,57bおよびダンパ部材58を取り付けるための係止溝(L字溝)56a,56bが設けられている。
前記各ガイド部材57a,57bは、ゴム等の弾性素材によって形成されている。これにより、ポンプホイル54の回動に伴い各ローラ55a,55bが各ガイド部材57a,57bに当接すると、各ローラ軸55A,55Bがローラ支持溝54a,54bのホイル回転方向と反対の方向へ案内される。
【0044】
すなわち、図4に示すようにポンプホイル54が正転駆動されると、ローラ55a,55bがガイド部材57a,57bによってポンプホイル54の回転方向と反対の方向に押し戻される作用を受け、ローラ軸55A,55Bがローラ支持溝54a,54bのホイル外周部に移動する。
したがって、可撓性チューブ51を各ローラ55a,55bによってホイル回転方向に連続して押し潰す状態とされ、ポンプ駆動作用の信頼性が高められる。
【0045】
一方、図5に示すようにポンプホイル54が逆転駆動されると、ローラ55a,55bがガイド部材57a,57bに接触して押し戻される作用を受ける。換言すれば、ポンプホイル54の回転に伴いローラ55a,55bがガイド部材57a,57bを倒しつつローラ支持溝54a,54bのホイル内周部に移動することにより、可撓性チューブ51の押し潰し作用が解除され、レリース状態とされる。
【0046】
前記ダンパ部材58は、前記ポンプフレーム53内のチューブ支持面52に対向する位置に配置されており、全体がゴムなどの弾性素材からなる円弧状体によって形成されている。これにより、ローラ55a,55bが可撓性チューブ51との接触領域を外れてもダンパ部材58に接するようになされ、ローラ55a,55b(ローラ軸55A,55B)のローラ支持溝54a,54bでの自由移動が規制される。換言すれば、ローラ55a,55bの移動に伴ってガイド部材57a,57bの変形が弾性復帰された瞬間において、ガイド部材57a,57bのはじき飛ばしによるローラ55a,55bのローラ支持溝端部への衝突動作がダンパ部材58によって阻止され、衝撃音の発生が防止される。
【0047】
次に、本発明におけるインクジェット式記録装置の要部につき、図6乃至図15を用いて説明する。図6乃至図11は、本発明が適用されたインクジェット式記録装置におけるワイピング手段を記録ヘッドの移動経路から退避させたワイパリセット(クリーナリセット)状態を示す。図12乃至図15は、同じく本発明が適用されたインクジェット式記録装置におけるワイピング手段を記録ヘッドの移動経路に進行させたワイパセット(クリーナセット)状態を示す。
図6乃至図8において、前記固定ベース46の印刷領域側部には、前記ワイピング手段20を進退方向に沿って案内するガイド面46bが設けられている。そして、前記ワイピング手段20が安定した進退動作を実行し得るように構成されている。また、前記固定ベース46には、図8に示すように前記ワイピング手段20の進退方向に延在する長孔46dが設けられている。
【0048】
図10乃至図13において、符号71で示すものは前記ワイピング手段(クリーナ)20の駆動機構(カム機構)で、図6乃至図9に示すように前記固定ベース46と前記ポンプフレーム53との間に配設されている。そして、この駆動機構71は、太陽歯車72を有する前記駆動軸(ポンプ軸)43と、この駆動軸43のヘッド移動方向(キャリッジ1の往復方向)に前後して位置するクリーナ駆動レバー73およびギア保持レバー74とを備えている。
【0049】
前記クリーナ駆動レバー73は、前記駆動軸43が挿通する円環状の基部73aおよびこの基部73aに突出する舌片状のレバー部73bを有し、前記ギア保持レバー74の反ポンプ側に配設され、かつ前記駆動軸43に所定の回動ストローク(回動ストロークを回動角θとすると、θ≦66°を満足する範囲)内で回転自在に枢支されている。このクリーナ駆動レバー73のレバー部73bには、ポンプ側(水平方向)に突出する円柱状の駆動ピン75が一体に設けられている。また、クリーナ駆動レバー73の基部73aには、前記レバー部73bと反対側に突出し、立ち上がり壁76aを外周縁に有する平面扇形状の延在部76が一体に設けられている。この延在部76の立ち上がり壁76aには、円周方向に沿う内歯77が設けられている。
【0050】
前記ワイピング手段20のホルダ22には、前記キャリッジ1の往復方向と直角な水平方向に延在し、かつ上下方向に並列する一対の凸部22A,22Bが設けられている。これら各凸部22A,22Bは、図7に示すように先端面(摺動面)が所定の曲率をもった突子222a,222bを有する鉤(逆L字)形状の係止用爪部によって形成されている。このうち上方の凸部22Aは前記固定ベース46の上方端縁を覆うようにし、また下方の凸部22Bは前記長孔46dに挿通するようにして、それぞれ前記ワイピング手段20の進退動作に伴い前記ガイド面46b上を前記各突子222a,222bが摺動し得るように構成されている。
【0051】
前記ワイピング手段20におけるホルダ22の上方端部には、前記ワイピング部材21を取り付けるための三角柱状の爪部22aおよびポンプ側に突出する円柱状のスライドピン22bが設けられている。前記ホルダ22の下方端部には、前記記録ヘッド5の移動経路と直角な水平方向に延在する凹溝22cが設けられている。また、前記ホルダ22には、上下方向に延在し、かつ前記駆動ピン75を案内する凹溝22dが設けられている。
【0052】
前記ポンプフレーム53の上方端部には、左右方向(記録ヘッド5の移動経路および凹溝22dの延在方向と直角な方向)に延在し、かつ前記スライドピン22bを案内する凹溝53aが設けられている。ポンプフレーム53のヘッド移動経路側には、ワイピング手段側に突出し、前記凹溝22c内に臨む円柱状の固定ピン53bが設けられている。ポンプフレーム53の下方端部には、図10および図13に示すように後述するギア保持レバー74の回動停止二位置に対応し、かつ円周方向に所定の間隔をもって並列する二つのストッパ53c,53dが設けられている。
【0053】
また、前記ポンプフレーム53のヘッド移動経路側には、前記ワイピング手段(クリーナ)20の進退経路に臨むワイパクリーナ202が立ち上がり部53eを介して固定されている。そして、ワイパクリーナ202は、前記ワイピング手段20の進退時に前記ワイピング部材21の摺接によって弾性変形し、前記ワイピング部材21のインク払拭部(ワイピング部材21の非印刷領域側部)を清掃し得るように構成されている。
【0054】
一方、ギア保持レバー74は、前記駆動軸43が挿通する円環状の基部74aおよびこの基部74aの放射方向に突出する矩形片状のレバー部74bを有し、前記駆動軸43に回動停止二位置間で回転自在に枢支されている。このギア保持レバー74のレバー部74bには、前記両ストッパ53c,53dに係合可能なストッパ係合部74C,74Dが設けられている。また、レバー部74bには、前記クリーナ駆動レバー73の内歯77に噛合可能な遊星歯車78が前記太陽歯車72に噛合して回転自在に保持されている。そして、レバー部74bは、前記各ストッパ係合部74C,74Dが前記各ストッパ53c,53dに係合する状態において、前記クリーナ駆動レバー73の回動による外力を受けて弾性変形し得るように構成されている。これにより、ギア保持レバー74が回動停止し、クリーナ駆動レバー73が回動した場合における遊星歯車78と内歯77との噛合による衝撃が吸収される。
【0055】
なお、前記内歯77と前記遊星歯車78との噛合が解除されるに際し、トーションスプリング(図示せず)によって前記クリーナ駆動レバー73がワイパセット位置とワイパリセット位置に位置決めされることが望ましい。この場合、トーションスプリングの弾撥力は、前記ワイピング手段20の進退動作時における前記クリーナ駆動レバー73の円滑な回動動作を妨げないような大きさに設定されている。これにより、レバー位置決め時にワイパセット位置およびワイパリセット位置におけるクリーナ駆動レバー73のがたつき発生を防止することができ、安定したクリーニング(ワイピング)動作を得ることができる。
【0056】
以上の構成において、図10に示すワイパリセット状態から、太陽歯車72(駆動軸43)が正方向(反時計方向)に回動を開始すると、この回動力が遊星歯車78を介してギア保持レバー74に伝達され、ギア保持レバー74が反時計方向(矢印e方向)に回動する。
この場合、ギア保持レバー74が矢印e方向に回動すると、ストッパ係合部74Dがストッパ53dから離間する。
なお、太陽歯車72の回動開始状態においては、遊星歯車78と内歯77との噛合が解除されているため、クリーナ駆動レバー73が太陽歯車72からの駆動力を受けず、図10に示すように回動開始位置に停止したままである。
また、駆動ピン75およびスライドピン22bがそれぞれ凹溝22dの始端部(上端部)と凹溝53aの始端部(左端部)に位置付けられているとともに、固定ピン53bが凹溝22cの始端部(右端部)に位置付けられている。
【0057】
そして、太陽歯車72がなおも反時計方向に回動すると、ギア保持レバー74が矢印e方向にさらに回動し、ストッパ係合部74Cをストッパ53cに係合させて一方側の回動停止位置に配置される。
この場合、ギア保持レバー74が矢印e方向に回動すると、遊星歯車78が内歯77に噛合して時計方向に回転しながら内歯77上を転動する。このため、ストッパ係合部74Cがストッパ53cに係合するまでは、クリーナ駆動レバー73が矢印f方向に(ワイピング手段20を進行させる方向)に回動することはない。
【0058】
この状態、すなわちストッパ係合部74Cがストッパ53cに係合した状態のまま、太陽歯車72がさらに反時計方向に回動すると、遊星歯車78が時計方向に回転し、クリーナ駆動レバー73が時計方向(矢印f方向)への回動を開始する。
この場合、太陽歯車72からの回動力が遊星歯車78を介してギア保持レバー74に伝達されるが、レバー部74bのストッパ係合部74Cがストッパ53cに係合しているため、ギア保持レバー74が反時計方向(矢印e方向)に回動することはない。
このため、太陽歯車72からの回動力が遊星歯車78を介してギア保持レバー74に伝達されると、レバー部74bがストッパ係合部74Cを押圧するような方向に撓む。
【0059】
そして、太陽歯車72がさらに反時計方向に回動すると、遊星歯車78がさらに時計方向に回動し、クリーナ駆動レバー73が矢印f方向に回動する。
この場合、ワイピング手段20が固定ベース46のガイド面46b上を摺動しながら、図16(a)に示す位置から同図(b)に示す位置を経て同図(c)に示す位置に移動する。そして、図13に示すように矢印g方向に沿って記録ヘッド5の移動経路外から移動経路内に進行し、記録ヘッド5の移動に伴いノズル形成面が払拭される。
また、ワイピング手段20の進行動作に伴いワイパクリーナ202がワイピング部材21に摺接し、ワイピング部材21からインク廃液等の付着物が除去される。
【0060】
なお、ワイピング手段20が記録ヘッド5の移動経路内に進行する(クリーナ駆動レバー73が回動開始位置から時計方向に66°回動する)と、ギア保持レバー74のレバー部74bが弾性復帰し、図13に示すように遊星歯車78と内歯77との噛合が解除される。このため、クリーナ駆動レバー73が太陽歯車72からの駆動力を受けず、回動終了位置に配置される。
また、駆動ピン75が凹溝22dの始端部(上端部)から移動して終端部(下端部)に位置付けられるとともに、スライドピン22bが凹溝53aの始端部(左端部)から移動して終端部(右端部)に位置付けられる。また、固定ピン53bが凹溝22cの終端部(左端部)に位置付けられる。
【0061】
一方、図13に示すワイパセット状態から、太陽歯車72(駆動軸43)が逆方向(時計方向)に回動を開始すると、この回動力が遊星歯車78を介してギア保持レバー74に伝達され、ギア保持レバー74が時計方向(矢印f方向)に回動する。
この場合、ギア保持レバー74が矢印f方向に回動すると、ストッパ係合部74Cがストッパ53cから離間する。
なお、太陽歯車72の回動開始状態においては、遊星歯車78と内歯77との噛合が解除されているため、クリーナ駆動レバー73が太陽歯車72からの駆動力を受けず、図13に示すように回動終了位置に停止したままである。
また、駆動ピン75およびスライドピン22bがそれぞれ凹溝22dの終端部(下端部)と凹溝53aの終端部(右端部)に位置付けられているとともに、固定ピン53bが凹溝22cの終端部(左端部)に位置付けられている。
【0062】
そして、太陽歯車72がなおも時計方向に回動すると、ギア保持レバー74が矢印f方向にさらに回動し、ストッパ係合部74Dをストッパ53dに係合させて他方側の回動停止位置に配置される。
この場合、ギア保持レバー74が矢印f方向に回動すると、遊星歯車78が内歯77に噛合して反時計方向に回転しながら内歯77上を転動する。このため、ストッパ係合部74Dがストッパ53dに係合するまでは、クリーナ駆動レバー73が矢印e方向(ワイピング手段20を退避させる方向)に回動することはない。
【0063】
この状態、すなわちストッパ係合部74Dがストッパ53dに係合した状態のまま、太陽歯車72がさらに時計方向に回動すると、遊星歯車78が反時計方向に回動し、クリーナ駆動レバー73が反時計方向(矢印e方向)への回動を開始する。
この場合、太陽歯車72からの回動力が遊星歯車78を介してギア保持レバー74に伝達されるが、レバー部74bのストッパ係合部74Dがストッパ53dに係合しているため、ギア保持レバー74が矢印f方向に回動することがない。
このため、太陽歯車72からの回動力が遊星歯車78を介してギア保持レバー74に伝達されると、レバー部74bがストッパ係合部74Dを押圧するような方向に撓む。
【0064】
そして、太陽歯車72がさらに時計方向に回動すると、遊星歯車78が反時計方向に回転し、クリーナ駆動レバー73が矢印e方向に回動する。
この場合、ワイピング手段20が固定ベース46のガイド面46b上を摺動しながら、図16(c)に示す位置から同図(b)に示す位置を経て同図(c)に示す位置に移動し、図10の矢印h方向に記録ヘッド5の移動経路内から移動経路外に退避する。
また、ワイピング手段20の退避動作に伴いワイパクリーナ202がワイピング部材21に摺接し、ワイピング部材21からインク廃液等の付着物が除去される。
【0065】
なお、ワイピング手段20が記録ヘッド5の移動経路外に退避する(クリーナ駆動レバー73が回動終了位置から反時計方向に66°回動する)と、ギア保持レバー74のレバー部74cが弾性復帰し、図10に示すように遊星歯車78と内歯77との噛合が解除される。このため、クリーナ駆動レバー73が太陽歯車72からの駆動力を受けず、回動開始位置に配置される。
ここで、ワイピング手段20が退避動作によって記録ヘッド5から離間すると、記録ヘッド5がクリーニング位置から印刷領域側に移動する。すなわち、記録ヘッド5が移動経路内におけるクリーニング位置を通過する直前に遊星歯車78と内歯77との噛合を解除してクリーニング動作が終了する。
【0066】
また、駆動ピン75が凹溝22dの終端部(下端部)から移動して始端部(上端部)に位置付けられるとともに、スライドピン22bが凹溝53aの終端部(右端部)から移動して始端部(左端部)に位置付けられる。また、固定ピン53bが凹溝22cの始端部(右端部)に位置付けられる。
【0067】
したがって、本実施形態においては、ワイピング手段20の進退方向に沿って固定ベース46のガイド面46b上を凸部22A,22Bの突子222a,222bが摺動する。
これにより、記録ヘッド5の移動経路を含む水平・鉛直各面内でワイピング手段20を回動規制することができるため、ワイピング手段20のがたつき発生を防止することができる。
このため、ワイピング手段20の円滑な進退動作を得ることができ、ワイピング手段動作上の信頼性を高めることができる。
【0068】
また、本実施形態において、ワイピング手段20を鉛直面内で回動規制できることは、記録ヘッド5のノズル形成面に対するワイパ代のばらつき発生を防止することができるため、十分なワイピング能力を保証することができる。
さらに、本実施形態においては、記録ヘッド5の移動経路を含む水平・鉛直各面内でワイピング手段20を回動規制できることは、ワイピング部材21に所定の接触寸法をもってワイパクリーナ202を摺接させることができるため、ワイピング手段20に対するワイパクリーナ202による良好なクリーニングを行うことができる。
【0069】
なお、本実施形態においては、ガイド面46bを固定ベース46の印刷領域側に配置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、その非印刷領域側に配置しても実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態においては、ワイパクリーナ202をポンプフレーム53に取り付ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、ワイパカバー等他の固定部材に取り付けても差し支えない。
【0070】
また、本実施形態においては、ワイピング手段20を回動規制するために、凸部22Aが固定ベース46の上方端縁を覆うようにし、凸部22Bが長孔46dに挿通するようにしてガイド面46b上を摺動する構造としたが、本発明はこれに限定されず、例えば次に示すような構造(1),(2)としてもよい。
(1)固定ベース46にワイピング手段20の進退方向に延在する上下二つの長孔(図示せず)を設け、これら両長孔にそれぞれ凸部22A,22Bが挿通するようにしてガイド面46b上を摺動する構造。
(2)固定ベース46の上下両端縁をそれぞれ凸部22A,22Bが共に覆ようにしてガイド面46b上を摺動する構造。
【0071】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなとおり、本発明に係るインクジェット式記録装置によると、ワイピング手段動作上の信頼性を高めることができるとともに、十分なワイピング能力を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたインクジェット式記録装置の非キャッピング状態を模式的に示す側面図である。
【図2】本発明が適用されたインクジェット式記録装置のキャッピング状態を模式的に示す側面図である。
【図3】吸引ポンプおよびワイピング手段等の駆動力伝達機構を示す平面図である。
【図4】吸引ポンプにおけるポンプホイルの正転駆動によりローラが可撓性チューブを加圧変形させてポンプ作用を呈している状態を示す透視図である。
【図5】吸引ポンプにおけるポンプホイルを逆転駆動させてレリース状態とした場合を示す透視図である。
【図6】本発明が適用されたインクジェット式記録装置におけるワイピング手段を記録ヘッドの移動経路から退避させたワイパリセット状態を示す平面図である。
【図7】本発明が適用されたインクジェット式記録装置におけるワイピング手段を記録ヘッドの移動経路から退避させたワイパリセット状態を示す側面図である。
【図8】本発明が適用されたインクジェット式記録装置におけるワイピング手段を記録ヘッドの移動経路から退避させたワイパリセット状態を印刷領域側から見た斜視図である。
【図9】本発明が適用されたインクジェット式記録装置におけるワイピング手段を記録ヘッドの移動経路から退避させたワイパリセット状態を非印刷領域側から見た斜視図である。
【図10】本発明が適用されたインクジェット式記録装置におけるワイピング手段を記録ヘッドの移動経路から退避させたワイパリセット状態を示す透視図である。
【図11】本発明が適用されたインクジェット式記録装置のワイパリセット状態におけるワイピング手段およびその駆動機構を示す斜視図である。
【図12】本発明が適用されたインクジェット式記録装置におけるワイピング手段を記録ヘッドの移動経路に進行させたワイパセット状態を非印刷領域側から見た斜視図である。
【図13】本発明が適用されたインクジェット式記録装置におけるワイピング手段を記録ヘッドの移動経路に進行させたワイパセット状態を示す透視図である。
【図14】本発明が適用されたインクジェット式記録装置のワイパセット状態におけるワイピング手段およびその駆動機構を非印刷領域側から見た斜視図である。
【図15】本発明が適用されたインクジェット式記録装置のワイパセット状態におけるワイピング手段およびその駆動機構を印刷領域側から見た斜視図である。
【図16】(a)〜(c)は、本発明が適用されたインクジェット式記録装置におけるワイピング手段の動作について説明するために示す平面図である。
【図17】クリーニング手段を示す斜視図である。
【図18】(a)および(b)は、図17のクリーニング手段を用いてワイピング作用を説明するために示す側面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 ガイドロッド
3 用紙ガイド板
5 記録ヘッド
6 キャッピング手段
7 キャップ部材
20 ワイピング手段
21 ワイピング部材
22 ホルダ
22b スライドピン
22c,22d 凹溝
22A,22B 凸部
222a,222b 突子
43 駆動軸(ポンプ軸)
46 固定ベース
46b ガイド面
46d 長孔
50 チューブポンプ
53 ポンプフレーム
53a 凹溝
53b 固定ピン
53c,53d ストッパ係合部
71 駆動機構
72 太陽歯車
73 クリーナ駆動レバー
74 ギア保持レバー
74C,74D ストッパ
75 駆動ピン
77 内歯
78 遊星歯車

Claims (9)

  1. 固定ベースに対して往復移動可能なキャリッジと、このキャリッジ上に装着され、印刷データに対応してノズル形成面からインク滴を吐出するインクジェット式の記録ヘッドと、この記録ヘッドの移動経路の近傍に進退自在に配設され、前記ノズル形成面を払拭するワイピング部材を有するワイピング手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、
    前記固定ベースには、ワイピング手段を進退方向に沿って案内するガイド面と、前記ワイピング手段の進退方向に延在する長孔とが設けられ、
    前記ワイピング手段には、前記キャリッジの往復方向と直角な水平方向に延在し、かつ上下方向に並列する一対の凸部が設けられ、
    前記一対の凸部のうち上方の凸部は前記固定ベースの上方端縁を覆い、下方の凸部は前記長孔に挿通すると共に、前記一対の凸部はワイピング手段の進退動作に伴い前記ガイド面上を摺動することを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 前記凸部に、所定の曲率をもった摺動用の突子が設けられていることを特徴とする請求項1に記載されたインクジェット式記録装置。
  3. 前記ガイド面が前記固定ベースの印刷領域側に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたインクジェット式記録装置。
  4. 前記凸部が鉤形状の係止用爪部によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたインクジェット式記録装置。
  5. 前記ワイピング部材における付着物を除去するワイパクリーナを前記ワイピング手段の進退経路の近傍に固定したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたインクジェット式記録装置。
  6. 前記ワイピング手段の駆動機構が、インク吸引用ポンプを駆動するポンプ駆動軸およびこのポンプ駆動軸の回転によって駆動する歯車装置を有するカム機構からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載されたインクジェット式記録装置。
  7. 前記固定ベースが前記インク吸引用ポンプのフレーム取付用ベースからなることを特徴とする請求項6に記載されたインクジェット式記録装置。
  8. 前記駆動機構が、前記ポンプ駆動軸の吸引方向の回転によって前記移動経路に進行させ、かつ吸引方向と反対方向の回転によって前記移動経路から退避させるような駆動力を前記ワイピング手段に付与する駆動機構からなることを特徴とする請求項6または請求項7に記載されたインクジェット式記録装置。
  9. 前記駆動力が、前記キャリッジの往復方向と直角な水平方向の進退力であることを特徴とする請求項8に記載されたインクジェット式記録装置。
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