JP4032336B2 - チューブポンプおよびこれを用いたインクジェット式記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円弧状に配置された可撓性チューブをローラによって加圧し、チューブの変形を利用して圧力を発生させるチューブポンプ、およびこのチューブポンプを搭載し、チューブポンプにより発生する負圧を利用して記録ヘッドからインクを排出するインク吐出能力の回復手段を備えたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を中心とした多くの印刷に使用されている。
このようなインクジェット式記録装置には、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式の記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段とが備えられている。そして、印字信号に応じて記録ヘッドを移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させてドットを形成することで記録が行われる。
【0003】
インクジェット式記録装置においては、このようにインクという液体を扱う関係上、記録ヘッドへのインクの充填や、インク溶媒の揮散によるノズル開口の目詰まりを防止するために、記録ヘッドからインクを強制的に吸引排出させるインク吐出能力の回復処理が実行される。
このような記録ヘッドの目詰まり解消のため、または記録ヘッド内に気泡が残留している場合になされるインクの強制的な排出処理は、クリーニング操作と呼ばれる。そして、記録装置における長時間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザが印字かすれ等の印字品質不良を認識し、クリーニングスイッチを操作した場合に実行される。
【0004】
このクリーニング操作においては、記録ヘッドをキャッピング手段により封止して負圧を作用させることで、記録ヘッドのノズル開口よりインクを排出させるとともに、キャッピング手段内に排出されたインクを負圧により吸引して廃インクタンクに送り出す。その後、ゴムなどの弾性板からなるクリーニング部材により、記録ヘッドのノズルプレート(ノズル形成面)を払拭(ワイピング)するシーケンスが実行される。
【0005】
前記キャッピング手段内に負圧を与える手段としては、比較的構造が簡単で小形化が図りやすく、しかもインクの吸引および排出する機構部分で汚染を生じさせない、いわゆるチューブポンプが用いられている。
このチューブポンプは例えば図15および図16に示すような構成とされている。なお、図15はポンプを正転駆動させてポンプ作用を実行させたリース状態を示し、また図16はポンプを逆転駆動させてレリース状態とした場合を示している。
【0006】
このチューブポンプには、可撓性チューブ51の外形を円弧状に規制するチューブ支持面52を有するポンプフレーム44と、紙送りモータ等によって回動するポンプホイル42と、このポンプホイル42に形成された一対のローラ支持溝42a,42bに沿って移動するローラ43a,43bとが具備されている。
【0007】
このようなチューブポンプにおいては、図15に示すように、ポンプホイル42を正方向(矢印A方向)に回転させると、各ローラ43a,43b(ローラ軸)がローラ支持溝42a,42bのホイル外周部側に移動し、チューブ51を矢印A方向に順次押し潰しながら回転する。
これにより、可撓性チューブ51内に圧力を発生させてキャッピング手段に負圧を与えるようになされる。そして、記録ヘッドから負圧により強制的にインクを排出させるとともに、さらにキャッピング手段内に排出されたインクを吸引して廃インクタンクに送り出す。
【0008】
また、図16に示すように、ポンプホイル42を逆方向(矢印B方向)に回転させると、各ローラ43a,43b(ローラ軸)がローラ支持溝42a,42bのホイル内周部側に移動する。
これにより、ローラ43a,43bが可撓性チューブ51に少しだけ接するレリース状態を保ち、ローラ43a,43bの可撓性チューブ51への貼り付きなどの故障発生が防止される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したチューブポンプにおいては、ローラ43a,43bの可撓性チューブ51に対する接触領域が180度未満(好ましくは173度)に設定されている。
このような構成のチューブポンプにおいては、ローラ43a,43bが可撓性チューブ51に対する接触領域から外れた瞬間に、可撓性チューブ51による反発力を受けてはじき飛ばされるようにして移動し、そのローラ軸のローラ支持溝端部への衝突によって衝撃音が発生する。
【0010】
また、ローラ43a,43bが可撓性チューブ51に接していない区間では、ローラ43a,43bの位置が定まらないために、仮にポンプホイル42が正方向に回転駆動されても、可撓性チューブ51の加圧位置にローラ43a,43bが入り込まず、したがって負圧を得ることができない場合がある。
【0011】
このような問題の対策として、図15および図16に示すように、ポンプフレーム44に形成されたチューブ支持面52と対向する位置に、ポンプホイル42の中心方向に突出させた弾性素材による一対のガイド部材53a,53bを配置した構成が提案されている。
なお、図15および図16に示す形態においては、ポンプフレーム44にL字状の係止溝44a,44bが形成され、これら各係止溝44a,44bにそれぞれガイド部材53a,53bが係止されている。
【0012】
このような構成によると、一対のガイド部材53a,53bは、ポンプホイル42の回動に伴い各ローラ43a,43bをローラ支持溝42a,42bのホイル回転後退方向(ホイル回転方向と反対の方向)に案内するように作用する。すなわち、図16に示す状態から図15に示すようにポンプホイル42が正転駆動されると、ローラ43a,43bが弾性素材によるガイド部材53a,53bによって押し戻される作用を受ける。これにより、ローラ43a,43bがローラ支持溝42a,42bのホイル外周部側に移動して、可撓性チューブ51が矢印A方向に順次押し潰すようになされ、ポンプの駆動作用の信頼性を向上させることができる。
【0013】
この場合、前記したガイド部材53a,53bを、ローラ43a,43bが可撓性チューブ51に対する接触領域から外れた瞬間の受けとして作用させることにより、ローラ軸のローラ支持溝端部への衝突を阻止して衝撃音の発生を防止することができる。
【0014】
しかしながら、ガイド部材53a,53bを前記した案内機能と、ローラの受け機能(衝撃音の発生防止機能)を兼用するように作用させることには、以下に示すような問題点を抱えている。
すなわち、ローラ43a,43bが可撓性チューブ51からの反発力を受けてはじき飛ばされた場合に、ローラ支持溝端部へのローラ軸の衝突を阻止して衝撃音が発生しないよう構成するには、ガイド部材53a,53bを図に示した構成よりも長く形成する必要がある。
一方、ガイド部材53a,53bを長く形成すると、ローラ43a,43bがガイド部材53a,53bを変形させたまま、チューブポンプが駆動停止されることがある。この変形をガイド部材53a,53bに残したまま、ポンプが駆動されると、ローラ43a,43bがガイド部材53a,53bを巻き込んで、ポンプが故障するという不具合が発生する。
【0015】
このため、ガイド部材53a,53bの長さは適切に調整しなければならず、ガイド部材53a,53bの巻き込みを防止するためにガイド部材53a,53bの長さを短くして、ローラ43a,43b(ローラ軸)のローラ支持溝端部への衝突による衝撃音の発生を抑制するように作用させることは困難である。特に、図16に示すように、ポンプホイル42を逆方向に駆動するレリース状態においては、ローラ軸の挿入開口54aとローラ支持溝42aとの連通部にローラ軸が突き当たり、衝撃音が発生する度合いが増大する。
また、インクジェット式記録装置に前記チューブポンプを採用した場合には、ポンプより衝撃音が発生するために静粛性に劣り、商品価値を低下させる要因ともなっていた。
【0016】
そこで、ポンプフレーム44内に180度未満に形成されたチューブ支持面52と対向する位置に、可撓性素材によって円弧状に形成された図示せぬダンパー部材を配置することで、前記したローラのはね飛びによる衝撃音の発生を抑制するように構成したチューブポンプも提案されている。
【0017】
しかしながら、前記した一対のガイド部材53a,53bに加え、前記したダンパー部材を備えることは、部品点数が嵩むことは勿論のこと、ポンプの組立作業効率が著しく低下するという問題を抱えることになる。
また、ポンプフレーム44内に前記した各ポンプ構成部品が配置されることにより、ポンプユニットの故障要因が増加することとなり、ポンプ駆動上の信頼性を低下させる一因ともなる。
さらに、前記した一対のローラ43a,43bによってそれぞれ可撓性チューブ51を押し潰す状態が瞬間的に発生するために、負荷変動が大きいという問題も抱えている。
【0018】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、前記したようなガイド部材およびダンパー部材等の構成部品を用いずに、ローラのはね飛びによる衝撃音の発生を抑制し、確実なポンプ駆動動作を保証し得るチューブポンプを提供することを目的とするものである。
また、このチューブポンプを用いることにより静粛性に優れたインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされた本発明に係るチューブポンプは、可撓性チューブの外形を円弧状に規制するチューブ支持面を有するポンプフレームと、このポンプフレーム内に回転自在に配設され、ホイル中心部とホイル外周部との間でホイル径方向と交差するような勾配をもったローラ支持溝を有する駆動用のポンプホイルと、このポンプホイルに回転かつ転動自在に配設され、前記ローラ支持溝に沿って移動可能なローラ軸を有するローラとを備え、このローラの加圧接触による前記可撓性チューブの変形によって圧力を発生させるチューブポンプであって、前記可撓性チューブは、チューブ導入部とチューブ導出部とを交差させることにより形成されるチューブ重なり部を有し、このチューブ重なり部を含み前記チューブ支持面に沿ってほぼ全周にわたって配置され、前記ローラは、前記ポンプホイルの一方向への回転駆動力を受けることにより、前記可撓性チューブへの加圧位置がホイル回転方向に移動する少なくとも一個のローラからなり、前記ポンプフレームに、前記チューブ導入部および前記チューブ導出部を前記ポンプホイルの駆動軸方向に前後してそれぞれ配置するチューブ支持溝が形成され、前記ポンプフレームの背面部であって、前記チューブ重なり部に対応する部位に、前記前後両チューブ支持溝のうち後方側のチューブ支持溝に前記可撓性チューブを引き出すための切欠きが設けられていることを特徴とする。
【0020】
このように構成されているため、可撓性チューブとローラとの接触領域が全周にわたる接触領域とすることができるため、ローラのはね飛び現象による衝撃音の発生要因を無くすことができるとともに、確実なポンプ駆動動作を保証することができる。
したがって、可撓性チューブとローラとの接触領域を180度に設定した場合に必要としたガイド部材およびダンパー部材が不要となるため、部品点数を削減して構造全体の簡素化を図ることができるとともに、ポンプ組立作業効率を高めることができる。
また、部品点数を削減できることは、それだけポンプ故障要因が減少することとなるため、ポンプ品質上の信頼性を高めることができる。
さらに、ローラが単数である場合には、可撓性チューブに作用するローラによる押し潰し力が一対のローラを備えた場合と比較して小さくなるため、可撓性チューブに対する負荷変動が小さくなる。
【0022】
特に、前記ポンプフレームに、前記チューブ導入部および前記チューブ導出部を前記ポンプホイルの駆動軸方向に前後してそれぞれ配置するチューブ支持溝が形成されているため、ポンプ組立時にチューブ導入部およびチューブ導出部をそれぞれ対応するチューブ支持溝に配置して可撓性チューブを引き回すことができ、チューブ引き回し作業を円滑に行うことができる。
また、チューブ導入部およびチューブ導出部をそれぞれのチューブ支持溝にポンプホイルの駆動軸方向に前後して配置することは、ポンプフレームからの可撓性チューブの抜け発生を防止することができる。
【0023】
さらに、前記ポンプフレームの背面部であって、前記チューブ重なり部に対応する部位に、前記前後両チューブ支持溝のうち後方側のチューブ支持溝に前記可撓性チューブを引き出すための切欠きが設けられているため、ポンプ組立時に前後両チューブ支持溝のうち後方側のチューブ支持溝に切欠きからポンプフレーム内の可撓性チューブを円滑に引き出すことができ、チューブ引き出し作業の簡素化を図ることができる。
【0025】
さらに、前記ローラが、前記チューブ重なり部に位置付けられている状態において、前記チューブ導入部および前記チューブ導出部を共に加圧するローラであることが望ましい。
このように構成されているため、ローラと可撓性チューブとの接触領域がほぼ全周にわたる接触領域となり、ほぼ半周にわたる接触領域とした場合と比較して接触領域が円周方向に長くなって、単一のローラでは高い負圧を確実に得ることができる。
【0028】
そして、前記ローラが、前記チューブ重なり部に位置付けられている状態において、前記チューブ導入部および前記チューブ導出部のうちいずれか一方を加圧するローラであることが望ましい。
このように構成されているため、ローラがチューブ重なり部においてチューブ導入部およびチューブ導出部のうちいずれか一方に加圧接触し、可撓性チューブへの負荷を軽減することができる。
【0029】
また、前記チューブ支持面の一部には前記可撓性チューブを徐々に傾斜させる傾斜面を有し、前記傾斜面を介して前記可撓性チューブを前記切欠きから引き出すことが望ましい。
このように構成されているため、可撓性チューブを徐々に傾斜させて傾斜面に配置することができ、ポンプ組立時における可撓性チューブへの負荷変動を低減することができる。
【0030】
この場合、好ましくは、前記傾斜面は複数の傾斜面を備え、前記複数の傾斜面のうちそれぞれが互いに隣接する二つの傾斜面と前記可撓性チューブとの間に、前記ローラの前記可撓性チューブへの非加圧接触状態において空間部を形成した構成とされる。
このように構成されているため、ローラが可撓性チューブに両傾斜面に跨って加圧接触した場合にその一部を空間部に逃がすことができ、可撓性チューブの一部が両傾斜面で圧潰されず、良好なポンプ吸引動作を得ることができる。
【0032】
一方、本発明に係るインクジェット式記録装置は、印刷データに対応してインク滴を吐出するインクジェット式の記録ヘッドと、この記録ヘッドのノズル形成面を封止するとともにポンプユニットからの負圧を受けて記録ヘッドよりインクを吸引するキャッピング手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、ポンプユニットとして前記した構成のチューブポンプが具備される。
このように構成されているため、例えばヘッドクリーニング状態においてローラによる衝撃音が発生せず、商品価値を向上させることができる。
【0033】
この場合、前記チューブポンプの駆動動作と記録用紙の排紙ローラの駆動動作とを単一の駆動モータによって実行させる駆動力伝達機構が具備されていることが望ましい。
このように構成されているため、印刷実行中においてレリース方向に回転駆動されると、チューブポンプから騒音が発生することがなく、印刷実行中においても静粛性を保つことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るチューブポンプを用いたインクジェット式記録装置につき、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
図1は本発明が適用されたインクジェット式記録装置の全体構成を示すものである。
同図において、符号1で示すキャリッジは、キャリッジモータ2によって駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。
【0035】
このキャリッジ1の記録用紙6に対向する側には、図には現れていないがインクジェット式の記録ヘッドが搭載され、その上部には前記記録ヘッドにインクを供給するブラックインクカートリッジ7およびカラーインクカートリッジ8が着脱可能に装填されている。
【0036】
図中符号9は、非印字領域(ホームポジション)に配置されたキャッピング手段であって、前記キャリッジ1に搭載された記録ヘッドが直上に移動した時に上昇し、記録ヘッドのノズル形成面を封止できるように構成されている。そして、このキャッピング手段9の下方には、キャッピング手段9の内部空間に負圧を与えるためのポンプユニットとしてのチューブポンプ10が配置されている。
【0037】
前記キャッピング手段9は、記録装置の休止期間中における記録ヘッドのノズル開口の乾燥を防止する蓋体としての機能を備えている。また、印刷とは関係のない駆動信号を記録ヘッドに印加してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受けとして機能、およびチューブポンプ10からの負圧を記録ヘッドに作用させてインクを吸引するクリーニング手段としての機能も兼ね備えている。
【0038】
そして、キャッピング手段9における印字領域側の近傍には、ゴムなどの弾性板を備えたワイピング手段11が、水平方向に進退可能となるように配置されていて、前記キャリッジ1がキャッピング手段9側に往復移動する際に、記録ヘッドの移動経路上にワイピング部材が進出できるように構成されている。
【0039】
図2は、前記した記録装置に装備された記録用紙の給排紙機構および吸引ポンプに対する駆動力伝達機構の一例を示したものである。
同図において、符号21は紙送りローラを示しており、この紙送りローラ21の一端には歯車22が配置され、紙送りモータ23の軸上に配置されたピニオン24からアイドラ25を介して駆動されるように構成されている。また、給紙ローラ駆動軸26の一端には歯車27が配置され、クラッチ機構を構成する移動歯車28を介して前記歯車22と噛合して図示せぬカットシートフィーダに動力を伝達し、記録用紙の給紙(ローディング)が行われるように構成されている。
【0040】
前記移動歯車28は、常時は図示しないばねにより図2に示すように両歯車22,27から離れた位置に保持され、またホームポジションと対向する端部に移動するキャリッジ1に押圧されて軸方向に移動し、両歯車22,27間に介在して両者の噛み合いが実現するように構成されている。
【0041】
一方、チューブポンプ10は、紙送りモータ23からの動力がピニオン24,アイドラ29および排紙ローラ31上の排紙ローラ歯車30に伝達され、さらにこの排紙ローラ歯車30からの動力が同じく排紙ローラ31上の歯車32に伝達され、この歯車32によって駆動される。チューブポンプ10の駆動軸33には、歯車32にアイドラ34を介して噛合する歯車35が装着されている。
【0042】
この歯車35が装着された駆動軸33には、その背面に配置されたばね36に押されて摩擦回転するアーム37を備えたクリーナカム38が遊転自在に取り付けられている。そして、アーム37の回転によりゴム等の弾性部材により形成されたワイピング部材39が、水平方向に移動できるように構成されている。
【0043】
これにより、モータ23の一方向への回転により、ワイピング部材39は記録ヘッドの移動軌跡に進出して、そのノズル形成面が払拭できるようになされ、またモータ23の他方向への回転により、ワイピング部材39は記録ヘッドの移動軌跡から退避されるように作用する。
【0044】
また、チューブポンプ10の駆動軸33には、ラチェットホイル40,中間伝達ホイル41およびポンプホイル42が軸線方向に積層して装着されている。ラチェットホイル40における中間伝達ホイル41と対向する面には突起40aが形成されており、中間伝達ホイル41の両面にはそれぞれ突起41a,41bが形成されている。さらに、ポンプホイル42における中間伝達ホイル41と対向する面には、突起42cが形成されている。
【0045】
これにより、ラチェットホイル40が回転して、その突起40aが中間伝達ホイル41の突起41aに当接することで、中間伝達ホイル41に回転力が伝達される。さらに、中間伝達ホイル41の突起41bがポンプホイル42の突起42cに当接することで、ポンプホイル42に回転力が伝達される。したがって、紙送りモータ23の回転方向が切り替わると、ラチェットホイル41とポンプホイル42との間には最大で2回転近くの回転伝達に遅れを発生させる回転遅延機構が構成されている。
【0046】
なお、前記回転遅延機構は、記録用紙を前記カットシートフィーダからローディングするに際して、用紙先端の位置決めとバックラッシュ取りを実行するために、紙送りモータ23を多少正転および逆転駆動させる必要があり、この場合においてチューブポンプ10には動力を伝達させないように作用する。
【0047】
前記ポンプホイル42は、それぞれが互いに異なる二つの方向への回転によってポンプ作用とレリース作用に切り換えられるように構成されている。
ここで、ポンプ作用とは、ポンプホイル42の一方向への回転によって、ローラ43a,43bがホイル外周部に偏って可撓性チューブ51をチューブ支持面52との間で加圧して吸引作用を生じさせる作用をいう。一方、レリース作用とは、ポンプホイル42の他方向への回転によって、ローラ43a,43bがホイル42のホイル中心部に偏って可撓性チューブ51を加圧しない作用をいう。
【0048】
次に、本発明の参考例のチューブポンプにつき、図3乃至図6を用いて詳細に説明する。
図3乃至図6は、本発明の参考例のチューブポンプを示す図である。図3はポンプホイルを正転駆動させてポンプ作用を開始させる状態を示す。図4はポンプホイルの正転駆動によりローラが可撓性チューブに食い込む状態を示す。図5はポンプホイルの正転駆動によりローラが可撓性チューブを加圧変形させてポンプ作用を呈している状態を示す。図6はポンプホイルを逆転駆動させてレリース状態とした場合を示している。
なお、図3乃至図5に示したチューブポンプは、既に図15および図16において説明したチューブポンプと基本構成はほぼ同一であり、したがって相当する部分はそれぞれ同一符号で示しており、その説明は適宜省略する。
【0049】
図3乃至図6に示すチューブポンプにおけるポンプフレーム44の背面部には、チューブ支持面52がほぼ全周(360°)にわたって形成されている。このポンプフレーム44のチューブ支持面52には、前記可撓性チューブ51が導入部51aと導出部51bとを交差させることにより形成されたチューブ重なり部(後述)を含ませて配置されている。そして、前記ポンプフレーム44には、前記導入部51aと前記導出部51bとが、前記ポンプホイル42の駆動軸61方向に前後して配置されるように(互いに反対の方向に開口させて)チューブ支持溝44c,44dがそれぞれ形成されている。
【0050】
これにより、ポンプ組立時に導入部51aおよび導出部51bをそれぞれ対応するチューブ支持溝44c,44dに配置して可撓性チューブ51を引き回すことができ、チューブ引き回し作業を円滑に行うことができる。
また、可撓性チューブ51における導入部51aおよび導出部51bをそれぞれのチューブ支持溝44c,44dにポンプホイル42の駆動軸方向に前後して配置することは、ポンプフレーム44からの可撓性チューブ51の抜け発生を防止することができる。
【0051】
前記可撓性チューブ51は、前記チューブ支持面52に沿ってほぼ全周にわたって配置されている。この可撓性チューブ51における導入部51aと導出部51bとは、前記ポンプホイル42の駆動軸方向に前後するように交錯して引き出されている。そして、この交錯する部分には、チューブ内面において形成される円環状の軌跡に対して、外側にくぼみ部(凹部)60が形成されている。すなわち、前記導入部51aと前記導出部51bとを交差させることにより形成されるチューブ重なり部Mには、前記ポンプホイル42の外周部に後述するローラを導くための凹部60が設けられている。そして、この凹部60を形成する可撓性チューブ51におけるポンプフレーム44内への導入部51aとポンプフレーム44内からの導出部51bとが、ポンプ駆動時にローラの走査によって同時に加圧変形を受けるように構成されている。
【0052】
前記ポンプホイル42には、ホイル軸芯方向とホイル外周方向との間にホイル径方向に勾配をもって、すなわちホイル中心部とホイル外周部との間でホイル径方向と交差するような勾配をもって形成されたローラ支持溝42aが設けられている。このポンプホイル42の軸線方向端面と同一の平面内には、前記ローラ支持溝42aに沿って移動可能なローラ軸43aを有するローラ43が回転かつ転動自在に配設されている。
このローラ43は、前記ポンプホイル42の一方向への回転駆動力を受けることにより、前記可撓性チューブ51を順次加圧変形させて圧力を発生させる単一のローラ、すなわち前記可撓性チューブ51への加圧位置がホイル回転方向に移動する単一のローラによって構成されている。
【0053】
以上の構成において、ポンプホイル42が正方向(矢印A方向)に回転駆動された場合には、ローラ43はポンプホイル42のローラ支持溝42aに沿ってホイル外周部に移動しようとする作用を受ける。
このとき、ポンプホイル42の回転駆動に伴い、例えば図3に示すように可撓性チューブ51が交差するチューブ重なり部Mの凹部60にローラ43が到達して落ち込むと、ローラ43は図4に示すように確実にローラ支持溝42aのホイル外周部に移動する。
そして、ローラ43が可撓性チューブ51のチューブ重なり部Mを走査すると、可撓性チューブ51における導入部51aと導出部51bとが同時に加圧変形を受けるように作用する。この作用によって、チューブポンプの駆動中においては、可撓性チューブ51は常にいずれかの部分において加圧変形を受けることになり、瞬間的に圧力が開放されるという問題は回避される。
【0054】
この状態でポンプホイル42が矢印A方向に継続して回転駆動されると、図5に示すようにローラ43は可撓性チューブ51を順次押し潰しながら円周方向に回転移動する。これにより、可撓性チューブ51内に連続的に圧力を発生させ、キャッピング手段9の内部空間に負圧を与えるように作用する。
【0055】
一方、図6に示すように、ポンプホイル42を逆方向(矢印B方向)に回転駆動された場合には、ローラ43はローラ支持溝42aのホイル内周部に移動する。これにより、ローラ43は可撓性チューブ51に少しだけ接するレリース状態を保ち、ローラ43へのチューブ貼り付きなどの故障発生が防止される。
【0056】
以上のように、単一のローラ43が可撓性チューブ51を全周にわたって順次押し潰すことによりポンプ作用を発生するので、従来例として示した180度未満の範囲で一対のローラによって可撓性チューブを押し潰す状態が瞬間的に発生することがなく、負荷変動を小さくさせることができる。
また、可撓性チューブ51が受けるローラ43による押し潰し作用の回数も半数となるので、チューブポンプとしての耐久性も向上させることができる。
【0057】
そして、前記ローラ43はポンプ作用を呈する時には、可撓性チューブ51に対して深く食い込んで回転され、またレリース状態においても可撓性チューブ51にわずかに接するようになされるので、ローラ43(ローラ軸)がローラ支持溝42a内を移動して騒音を発生させるという従来の課題要因を皆無にすることができ、より一層静粛性を保証するチューブポンプを提供することができる。
また、可撓性チューブ51とローラ43との接触領域が全周にわたる接触領域とすることができるため、確実なポンプ駆動動作を保証することができる。
【0058】
したがって、参考例においては、可撓性チューブとローラとの接触領域を180度に設定した場合に必要としたガイド部材およびダンパー部材が不要となるため、部品点数を削減して構造全体の簡素化を図ることができるとともに、ポンプ組立作業効率を高めることができる。
また、参考例において、部品点数を削減できることは、それだけポンプ故障の要因が減少することとなるため、ポンプ品質上の信頼性を高めることができる。
さらに、参考例において、ローラが単数であることは、可撓性チューブに作用するローラによる押し潰し力が一対のローラを備えた場合と比較して小さくなるため、可撓性チューブに対する負荷変動が小さくなる。
【0059】
次に、本発明の実施形態に係るチューブポンプにつき、図7乃至図11を用いて詳細に説明する。
図7および図8は本発明の実施形態に係るチューブポンプを示し、図9および図10は同じく本発明の実施形態に係るチューブポンプにおけるポンプフレームを示し、図11はポンプフレームにおけるチューブ支持面を示す。これら図9乃至図11において、図3乃至図6と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0060】
図7乃至図10に示すポンプフレーム44には、参考例と同様に、前記チューブ支持面52に沿って前記可撓性チューブ51が導入部51aと導出部51bとを交差させることにより形成されたチューブ重なり部Mを含ませて配置されている。このポンプフレーム44の背面部であって、前記チューブ重なり部Mに対応する部位には、図7に示すように、前記前後両チューブ支持溝44c,44dのうち後方側のチューブ支持溝44cに前記可撓性チューブ51(導入部51a)を引き出すための切欠き71が設けられている。これにより、可撓性チューブ51(導出部51b)のポンプフレーム44におけるチューブ引き出し口が大きくなるため、ポンプフレーム44から可撓性チューブ51を切欠き71に挿通させてチューブ支持溝44dに円滑に引き出すことができ、チューブ引き出し作業の簡素化を図ることができる。
【0061】
そして、前記ポンプホイル42の駆動軸61と直角な平面内で形成される前記チューブ重なり部Mの交差角θは、図7に示すように、90°≦θ≦180°を満足するような角度、例えばθ=143°46' に設定されている。これにより、可撓性チューブ51のチューブ重なり部Mがローラ側(チューブ円周)に接近し、ローラ43の可撓性チューブ51に対する加圧接触領域が長くなる。
なお、前記チューブ重なり部Mの交差角θを90°より小さくする場合および180°より大きくする場合には、可撓性チューブ51のチューブ重なり部Mがチューブ円周から離間して遠くなり、前記ローラ43の前記可撓性チューブ51への加圧接触が前記チューブ重なり部Mで絶たれる。
【0062】
また、前記ポンプホイル42の駆動軸61を含む平面内で導入部51aおよび導出部51b(導入部51aおよびポンプホイル42)によって形成されるチューブ引き出し角度δは、図8に示すように、0≦δ≦90°(δ≠0,90)を満足するような角度、例えばδ=29°18' (鋭角)に設定されている。
これにより、導入部51aおよび導出部51bのうちいずれか一方が、ローラ43がチューブ重なり部Mに位置付けられている状態において加圧される。すなわち、チューブ重なり部Mにおいて、ポンプ駆動時にローラ43を導入部51aおよび導出部51bのうち一方(導入部)に接触させると、他方(導出部)から即座に離脱させることができる。このため、導入部51aおよび導出部51bが共に加圧される場合と比較して可撓性チューブ51への負荷を軽減することができる。
【0063】
また、チューブ引き出し角度δが鋭角であると、チューブ引き出し時に可撓性チューブ51をポンプフレーム44内の角部44Aに図12に矢印Sで示すように折り返して配置する必要がなくなる。したがって、チューブ引き出し時に可撓性チューブ51に作用する弾性復帰力が小さくなるため、チューブ引き出し作業の簡素化を図ることができる。
さらに、可撓性チューブ51の折り返しが不要であることは、可撓性チューブ51の圧潰を阻止することができるため、チューブ損傷およびポンプ吸引不能の発生を防止することができる。
【0064】
なお、前記した交差角θが90°≦θ≦180°を満足するような角度に設定されるとともに、チューブ引き出し角δがδ=0に設定される場合には、可撓性チューブ51における導入部51aおよび導出部51bが、ローラ43がチューブ重なり部Aに位置付けられている状態において共に加圧される。したがって、ローラ43と可撓性チューブ51との接触領域が全周にわたる接触領域となるため、ほぼ半周にわたる接触領域とした場合と比較して接触領域が円周方向に長くなるから、高い負圧を得ることができる。
【0065】
特に、前記した交差角θがθ=180°(δ=0)である場合には、図13に示すように、可撓性チューブ51の引き出し方向が接線方向に一致し、チューブ重なり部Mが円周に沿って配置され、ローラ43の可撓性チューブ51に対する加圧接触領域が最も長くなる。
【0066】
また、前記ポンプフレーム44におけるチューブ支持面52の一部は、図10に示すように、複数の傾斜面52a〜52cで形成されている。これら傾斜面52a〜52cに前記導入部51aを支持することにより、前記チューブ引き出し角度δが設定されている。これにより、可撓性チューブ51を徐々に傾斜させて傾斜面51a〜51cに配置することができ、ポンプ組立(チューブ引き出し)時における可撓性チューブ51への負荷変動を低減することができる。
【0067】
そして、図11に示すように、前記傾斜面52a〜52cのうちそれぞれが互いに隣接する二つの傾斜面52a,52bと前記可撓性チューブ51との間に、前記ローラ43の前記可撓性チューブ51への非加圧接触状態において空間部Gが形成されている。これにより、ローラ43が可撓性チューブ51に両傾斜面52a,52bに跨って加圧接触した場合にその一部を空間部Gに逃がすことができる。したがって、可撓性チューブ51の一部が両傾斜面52a〜52cで圧潰されないため、良好なポンプ吸引動作を得ることができる。
【0068】
なお、図14に示すように、前記ローラ43の軸線方向寸法Rは、前記チューブ重なり部Aのホイル駆動軸方向寸法rより大きい寸法に設定されていることが望ましい。これにより、ローラエッジが可撓性チューブ51に加圧接触せず、ローラエッジの可撓性チューブ51への接触によるチューブ損傷発生を防止することができる。
【0069】
以上の構成において、ポンプホイル42が正方向(図3乃至図5の矢印A方向)に回転駆動された場合には、ローラ43が可撓性チューブ51に加圧接触して連続的に圧力を発生させ、ポンプ作用を得ることができる。
一方、ポンプホイル42が逆方方向(図6の矢印B方向)に回転駆動された場合には、ローラ43が可撓性チューブ51に少しだけ接するレリース作用を得ることができる。
【0070】
このため、本実施形態においては、参考例と同様に、ローラ43(ローラ軸)がローラ支持溝42a内を移動して騒音を発生させるという従来の課題要因を皆無にすることができ、より一層静粛性を保証するチューブポンプを提供することができる。
また、可撓性チューブ51とローラ43との接触領域が全周にわたる接触領域とすることができるため、確実なポンプ駆動動作を保証することもできる。
【0071】
したがって、本実施形態においては、可撓性チューブとローラとの接触領域を180度に設定した場合に必要としたガイド部材およびダンパー部材が不要となるため、参考例と同様に、部品点数を削減して構造全体の簡素化を図ることができるとともに、ポンプ組立作業効率を高めることができる。
また、本実施形態において、部品点数の削減によってポンプ故障の要因が減少することとなるため、ポンプ品質上の信頼性が高められることは、参考例と同様である。
さらに、本実施形態において、可撓性チューブに作用するローラによる押し潰し力が一対のローラを備えた場合と比較して小さくなるため、可撓性チューブに対する負荷変動が小さくなることも、参考例と同様である。
【0072】
また、本発明に係るチューブポンプは、特に排紙動作とポンプ駆動動作とを単一の駆動モータによって実現させる駆動力伝達機構(図2に示す)を具備したインクジェット式記録装置に利用した場合において、印刷動作中における静粛性を向上させることができるという好ましい作用効果を得ることができる。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなとおり、本発明にかかるチューブポンプによると、ガイド部材およびダンパー部材等の構成部品を用いずに、ローラのはね飛びによる衝撃音の発生を抑制し、確実なポンプ駆動動作を保証し得るチューブポンプを提供することができる。
また、本発明に係るチューブポンプをインクジェット式記録装置のポンプユニットに用いると、記録時の静粛性が確保されるから、商品価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されたインクジェット式記録装置の構成を示した斜視図である。
【図2】 図1に示す記録装置に具備された駆動力伝達機構の例を示した断面図である。
【図3】 本発明の参考例のチューブポンプのポンプホイルを正転駆動させてポンプ作用を開始させる状態を示す透視図である。
【図4】 同じく本発明の参考例のチューブポンプにおけるポンプホイルの正転駆動によりローラが可撓性チューブに食い込む状態を示す透視図である。
【図5】 本発明の参考例のチューブポンプにおけるポンプホイルの正転駆動によりローラが可撓性チューブを加圧変形させてポンプ作用を呈している状態を示す透視図である。
【図6】 本発明の参考例のチューブポンプにおけるポンプホイルを逆転駆動させてレリース状態とした場合を示す透視図である。
【図7】 本発明の実施形態に係るチューブポンプを示す平面図である。
【図8】 同じく本発明の実施形態に係るチューブポンプを示す断面図である。
【図9】 本発明の実施形態に係るチューブポンプにおけるポンプフレームをフレーム背面部側から見た斜視図である。
【図10】 本発明の実施形態に係るチューブポンプにおけるポンプフレームをポンプホイル側から見た斜視図である。
【図11】 本発明の実施形態に係るチューブポンプにおけるポンプフレームのチューブ支持面を示す断面図である。
【図12】 チューブ引き出し時に可撓性チューブをポンプフレーム内に折り返して配置した場合を示す正面図である。
【図13】 チューブ導入部およびチューブ導出部を交差することにより形成されるチューブ交差角を180°に設定した場合の可撓性チューブを示す平面図である。
【図14】 チューブポンプにおけるローラと可撓性チューブとの配置例を示す断面図である。
【図15】 従来のチューブポンプを正転駆動させてポンプ作用を実行させた状態を示す透視図である。
【図16】 従来のチューブポンプを逆転駆動させてレリース状態とした場合を示す透視図である。
Claims (6)
- 可撓性チューブの外形を円弧状に規制するチューブ支持面を有するポンプフレームと、
このポンプフレーム内に回転自在に配設され、ホイル中心部とホイル外周部との間でホイル径方向と交差するような勾配をもったローラ支持溝を有する駆動用のポンプホイルと、
このポンプホイルに回転かつ転動自在に配設され、前記ローラ支持溝に沿って移動可能なローラ軸を有するローラとを備え、
このローラの加圧接触による前記可撓性チューブの変形によって圧力を発生させるチューブポンプであって、
前記可撓性チューブは、チューブ導入部とチューブ導出部とを交差させることにより形成されるチューブ重なり部を有し、このチューブ重なり部を含み前記チューブ支持面に沿ってほぼ全周にわたって配置され、
前記ローラは、前記ポンプホイルの一方向への回転駆動力を受けることにより、前記可撓性チューブへの加圧位置がホイル回転方向に移動する少なくとも一個のローラからなり、
前記ポンプフレームに、前記チューブ導入部および前記チューブ導出部を前記ポンプホイルの駆動軸方向に前後してそれぞれ配置するチューブ支持溝が形成され、
前記ポンプフレームの背面部であって、前記チューブ重なり部に対応する部位に、前記前後両チューブ支持溝のうち後方側のチューブ支持溝に前記可撓性チューブを引き出すための切欠きが設けられていることを特徴とするチューブポンプ。 - 前記チューブ支持面の一部には前記可撓性チューブを徐々に傾斜させる傾斜面を有し、前記傾斜面を介して前記可撓性チューブを前記切欠きから引き出すことを特徴とする請求項1に記載されたチューブポンプ。
- 前記傾斜面は複数の傾斜面を備え、前記複数の傾斜面のうちそれぞれが互いに隣接する二つの傾斜面と前記可撓性チューブとの間に、前記ローラの前記可撓性チューブへの非加圧接触状態において空間部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載されたチューブポンプ。
- 前記ローラが、前記チューブ重なり部に位置付けられている状態において、前記チューブ導入部および前記チューブ導出部を共に加圧するローラであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載されたチューブポンプ。
- 前記ローラが、前記チューブ重なり部に位置付けられている状態において、前記チューブ導入部および前記チューブ導出部のうちいずれか一方を加圧するローラであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載されたチューブポンプ。
- 印刷データに対応してインク滴を吐出するインクジェット式の記録ヘッドと、
この記録ヘッドのノズル形成面を封止するとともに、ポンプユニットからの負圧を受けて前記記録ヘッドよりインクを吸引するキャッピング手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、
前記ポンプユニットとして、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載されたチューブポンプが具備されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
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