JP4618272B2 - チューブポンプおよびこれを用いたインクジェット式記録装置 - Google Patents
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Description
このようなインクジェット式記録装置には、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式の記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段とが備えられている。そして、印字信号に応じて記録ヘッドを移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させてドットを形成することで記録が行われる。
このような記録ヘッドの目詰まり解消のため、または記録ヘッド内に気泡が残留している場合になされるインクの強制的な排出処理は、クリーニング操作と呼ばれる。そして、記録装置における長時間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザが印字かすれ等の印字品質不良を認識し、クリーニングスイッチを操作した場合に実行される。
このチューブポンプは例えば図15および図16に示すような構成とされている。なお、図15はポンプを正転駆動させてポンプ作用を実行させたリース状態を示し、また図16はポンプを逆転駆動させてレリース状態とした場合を示している。
これにより、可撓性チューブ51内に圧力を発生させてキャッピング手段に負圧を与えるようになされる。そして、記録ヘッドから負圧により強制的にインクを排出させるとともに、さらにキャッピング手段内に排出されたインクを吸引して廃インクタンクに送り出す。
これにより、ローラ43a,43bが可撓性チューブ51に少しだけ接するレリース状態を保ち、ローラ43a,43bの可撓性チューブ51への貼り付きなどの故障発生が防止される。
このような構成のチューブポンプにおいては、ローラ43a,43bが可撓性チューブ51に対する接触領域から外れた瞬間に、可撓性チューブ51による反発力を受けてはじき飛ばされるようにして移動し、そのローラ軸のローラ支持溝端部への衝突によって衝撃音が発生する。
なお、図15および図16に示す形態においては、ポンプフレーム44にL字状の係止溝44a,44bが形成され、これら各係止溝44a,44bにそれぞれガイド部材53a,53bが係止されている。
すなわち、ローラ43a,43bが可撓性チューブ51からの反発力を受けてはじき飛ばされた場合に、ローラ支持溝端部へのローラ軸の衝突を阻止して衝撃音が発生しないよう構成するには、ガイド部材53a,53bを図に示した構成よりも長く形成する必要がある。
一方、ガイド部材53a,53bを長く形成すると、ローラ43a,43bがガイド部材53a,53bを変形させたまま、チューブポンプが駆動停止されることがある。この変形をガイド部材53a,53bに残したまま、ポンプが駆動されると、ローラ43a,43bがガイド部材53a,53bを巻き込んで、ポンプが故障するという不具合が発生する。
また、インクジェット式記録装置に前記チューブポンプを採用した場合には、ポンプより衝撃音が発生するために静粛性に劣り、商品価値を低下させる要因ともなっていた。
また、ポンプフレーム44内に前記した各ポンプ構成部品が配置されることにより、ポンプユニットの故障要因が増加することとなり、ポンプ駆動上の信頼性を低下させる一因ともなる。
さらに、前記した一対のローラ43a,43bによってそれぞれ可撓性チューブ51を押し潰す状態が瞬間的に発生するために、負荷変動が大きいという問題も抱えている。
また、このチューブポンプを用いることにより静粛性に優れたインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
また、前記ポンプフレームには、前記切欠きから引き出された前記可撓性チューブを配置するチューブ支持溝が形成される。
このように構成されているため、ポンプ組立時にチューブをチューブ支持溝に配置して可撓性チューブを引き回すことができ、チューブ引き回し作業を円滑に行うことができる。
また、切欠きから引き出されたチューブをチューブ支持溝に配置することは、ポンプフレームからの可撓性チューブの抜け発生を防止することができる。
したがって、可撓性チューブとローラとの接触領域を180度に設定した場合に必要としたガイド部材およびダンパー部材が不要となるため、部品点数を削減して構造全体の簡素化を図ることができるとともに、ポンプ組立作業効率を高めることができる。
また、部品点数を削減できることは、それだけポンプ故障要因が減少することとなるため、ポンプ品質上の信頼性を高めることができる。
さらに、ローラが単数である場合には、可撓性チューブに作用するローラによる押し潰し力が一対のローラを備えた場合と比較して小さくなるため、可撓性チューブに対する負荷変動が小さくなる。
このように構成されているため、ローラがポンプ駆動時に凹部内に導かれる動作に伴い、ローラ軸がローラ支持溝のホイル外周部側に移動し、ローラの可撓性チューブへの加圧によって確実なポンプ作用を開始させることができる。
また、前記ポンプフレームに、前記チューブ導入部および前記チューブ導出部を前記ポンプホイルの駆動軸方向に前後してそれぞれ配置するチューブ支持溝が形成されていることが望ましい。
このように構成されているため、ポンプ組立時にチューブ導入部およびチューブ導出部をそれぞれ対応するチューブ支持溝に配置して可撓性チューブを引き回すことができ、チューブ引き回し作業を円滑に行うことができる。
さらに、好ましくは、前記ポンプフレームの背面部であって、前記チューブ重なり部に対応する部位に、前記前後両チューブ支持溝のうち後方側のチューブ支持溝に前記可撓性チューブを引き出すための切欠きが設けられている構成とされる。
このように構成されているため、ポンプ組立時に前後両チューブ支持溝のうち後方側のチューブ支持溝に切欠きからポンプフレーム内の可撓性チューブを円滑に引き出すことができ、チューブ引き出し作業の簡素化を図ることができる。
このように構成されているため、可撓性チューブのチューブ重なり部がローラ側に接近し、ローラの可撓性チューブに対する加圧接触領域が長くなる。
なお、交差角θが180°である場合には、可撓性チューブの引き出し方向が接線方向に一致し、チューブ重なり部が円周に沿って配置され、ローラの可撓性チューブに対する加圧接触領域が最も長くなる。
このように構成されているため、ローラと可撓性チューブとの接触領域がほぼ全周にわたる接触領域となり、ほぼ半周にわたる接触領域とした場合と比較して接触領域が円周方向に長くなって、単一のローラでは高い負圧を確実に得ることができる。
このように構成されているため、チューブ引き出し角度が鋭角であると、チューブ引き出し時に可撓性チューブをポンプフレーム内に折り返して配置する必要がなくなる。
したがって、チューブ引き出し時に可撓性チューブに作用する弾性復帰力が小さくなるため、チューブ引き出し作業の簡素化を図ることができる。
また、可撓性チューブの折り返しが不要であることは、可撓性チューブの圧潰を阻止することができるため、チューブ損傷およびポンプ吸引不能の発生を防止することができる。
さらに、チューブ引き出し角度が鋭角であることは、ローラがチューブ重なり部においてチューブ導入部およびチューブ導出部のうちいずれか一方に加圧接触するため、ポンプ駆動時にローラをチューブ導入部およびチューブ導出部の一方に接触させると、他方から離脱させることができる。
このように構成されているため、ローラがチューブ重なり部においてチューブ導入部およびチューブ導出部のうちいずれか一方に加圧接触し、可撓性チューブへの負荷を軽減することができる。
このように構成されているため、可撓性チューブを徐々に傾斜させて傾斜面に配置することができ、ポンプ組立時における可撓性チューブへの負荷変動を低減することができる。
このように構成されているため、ローラが可撓性チューブに両傾斜面に跨って加圧接触した場合にその一部を空間部に逃がすことができ、可撓性チューブの一部が両傾斜面で圧潰されず、良好なポンプ吸引動作を得ることができる。
このように構成されているため、ローラエッジが可撓性チューブに加圧接触せず、ローラエッジの可撓性チューブへの接触によるチューブ損傷発生を防止することができる。
このように構成されているため、例えばヘッドクリーニング状態においてローラによる衝撃音が発生せず、商品価値を向上させることができる。
このように構成されているため、印刷実行中においてレリース方向に回転駆動されると、チューブポンプから騒音が発生することがなく、印刷実行中においても静粛性を保つことができる。
同図において、符号1で示すキャリッジは、キャリッジモータ2によって駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。
同図において、符号21は紙送りローラを示しており、この紙送りローラ21の一端には歯車22が配置され、紙送りモータ23の軸上に配置されたピニオン24からアイドラ25を介して駆動されるように構成されている。また、給紙ローラ駆動軸26の一端には歯車27が配置され、クラッチ機構を構成する移動歯車28を介して前記歯車22と噛合して図示せぬカットシートフィーダに動力を伝達し、記録用紙の給紙(ローディング)が行われるように構成されている。
ここで、ポンプ作用とは、ポンプホイル42の一方向への回転によって、ローラ43a,43bがホイル外周部に偏って可撓性チューブ51をチューブ支持面52との間で加圧して吸引作用を生じさせる作用をいう。一方、レリース作用とは、ポンプホイル42の他方向への回転によって、ローラ43a,43bがホイル42のホイル中心部に偏って可撓性チューブ51を加圧しない作用をいう。
図3乃至図6は、本発明の第一実施形態に係るチューブポンプを示す図である。図3はポンプホイルを正転駆動させてポンプ作用を開始させる状態を示す。図4はポンプホイルの正転駆動によりローラが可撓性チューブに食い込む状態を示す。図5はポンプホイルの正転駆動によりローラが可撓性チューブを加圧変形させてポンプ作用を呈している状態を示す。図6はポンプホイルを逆転駆動させてレリース状態とした場合を示している。
なお、図3乃至図5に示したチューブポンプは、既に図15および図16において説明したチューブポンプと基本構成はほぼ同一であり、したがって相当する部分はそれぞれ同一符号で示しており、その説明は適宜省略する。
また、可撓性チューブ51における導入部51aおよび導出部51bをそれぞれのチューブ支持溝44c,44dにポンプホイル42の駆動軸方向に前後して配置することは、ポンプフレーム44からの可撓性チューブ51の抜け発生を防止することができる。
このローラ43は、前記ポンプホイル42の一方向への回転駆動力を受けることにより、前記可撓性チューブ51を順次加圧変形させて圧力を発生させる単一のローラ、すなわち前記可撓性チューブ51への加圧位置がホイル回転方向に移動する単一のローラによって構成されている。
このとき、ポンプホイル42の回転駆動に伴い、例えば図3に示すように可撓性チューブ51が交差するチューブ重なり部Mの凹部60にローラ43が到達して落ち込むと、ローラ43は図4に示すように確実にローラ支持溝42aのホイル外周部に移動する。
そして、ローラ43が可撓性チューブ51のチューブ重なり部Mを走査すると、可撓性チューブ51における導入部51aと導出部51bとが同時に加圧変形を受けるように作用する。この作用によって、チューブポンプの駆動中においては、可撓性チューブ51は常にいずれかの部分において加圧変形を受けることになり、瞬間的に圧力が開放されるという問題は回避される。
また、可撓性チューブ51が受けるローラ43による押し潰し作用の回数も半数となるので、チューブポンプとしての耐久性も向上させることができる。
また、可撓性チューブ51とローラ43との接触領域が全周にわたる接触領域とすることができるため、確実なポンプ駆動動作を保証することができる。
また、本実施形態において、部品点数を削減できることは、それだけポンプ故障の要因が減少することとなるため、ポンプ品質上の信頼性を高めることができる。
さらに、本実施形態において、ローラが単数であることは、可撓性チューブに作用するローラによる押し潰し力が一対のローラを備えた場合と比較して小さくなるため、可撓性チューブに対する負荷変動が小さくなる。
図7および図8は本発明の第二実施形態に係るチューブポンプを示し、図9および図10は同じく本発明の第二実施形態に係るチューブポンプにおけるポンプフレームを示し、図11はポンプフレームにおけるチューブ支持面を示す。これら図9乃至図11において、図3乃至図6と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
なお、前記チューブ重なり部Mの交差角θを90°より小さくする場合および180°より大きくする場合には、可撓性チューブ51のチューブ重なり部Mがチューブ円周から離間して遠くなり、前記ローラ43の前記可撓性チューブ51への加圧接触が前記チューブ重なり部Mで絶たれる。
これにより、導入部51aおよび導出部51bのうちいずれか一方が、ローラ43がチューブ重なり部Mに位置付けられている状態において加圧される。すなわち、チューブ重なり部Mにおいて、ポンプ駆動時にローラ43を導入部51aおよび導出部51bのうち一方(導入部)に接触させると、他方(導出部)から即座に離脱させることができる。このため、導入部51aおよび導出部51bが共に加圧される場合と比較して可撓性チューブ51への負荷を軽減することができる。
さらに、可撓性チューブ51の折り返しが不要であることは、可撓性チューブ51の圧潰を阻止することができるため、チューブ損傷およびポンプ吸引不能の発生を防止することができる。
一方、ポンプホイル42が逆方方向(図6の矢印B方向)に回転駆動された場合には、ローラ43が可撓性チューブ51に少しだけ接するレリース作用を得ることができる。
また、可撓性チューブ51とローラ43との接触領域が全周にわたる接触領域とすることができるため、確実なポンプ駆動動作を保証することもできる。
また、本実施形態において、部品点数の削減によってポンプ故障の要因が減少することとなるため、ポンプ品質上の信頼性が高められることは、第一実施形態と同様である。
さらに、本実施形態において、可撓性チューブに作用するローラによる押し潰し力が一対のローラを備えた場合と比較して小さくなるため、可撓性チューブに対する負荷変動が小さくなることも、第一実施形態と同様である。
また、本発明に係るチューブポンプをインクジェット式記録装置のポンプユニットに用いると、記録時の静粛性が確保されるから、商品価値を高めることができる。
Claims (2)
- 可撓性チューブを規制する支持面を有するポンプフレームと、
前記ポンプフレーム内に回転自在に配設され、径方向と交差する溝を有するポンプホイルと、
前記ポンプホイルに回転かつ転動自在に配設され、前記溝に沿って移動可能なローラとを備え、
前記ローラの加圧接触による前記可撓性チューブの変形によって圧力を発生させるチューブポンプであって、
前記可撓性チューブは、前記ポンプフレーム内において前記ポンプホイルの駆動軸方向に前後して交差する重なり部を有し、ほぼ全周にわたって前記支持面に沿って円状に配置され、
前記ポンプフレームには、前記支持面と交差する背面における前記重なり部に対応する部位に、前記重なり部のうち前記背面側の可撓性チューブを挿通する切欠きが設けられ、前記背面側とは反対側の前面側に前記重なり部のうち前記前面側の可撓性チューブを配置する第1チューブ支持溝が形成されるとともに、前記背面側には前記切欠きに挿通させた前記可撓性チューブを配置する第2チューブ支持溝が形成され、
前記第1チューブ支持溝は、前記前面側に開口する溝で構成され、
前記第2チューブ支持溝は、前記背面側に開口する溝で構成されていることを特徴とするチューブポンプ。 - 印刷データに対応してインク滴を吐出するインクジェット式の記録ヘッドと、
前記記録ヘッドのノズル形成面を封止するとともに、ポンプユニットからの負圧を受けて前記記録ヘッドよりインクを吸引するキャッピング手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、
前記ポンプユニットとして、請求項1に記載のチューブポンプが具備されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
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JPH07253082A (ja) * | 1994-03-14 | 1995-10-03 | Seiko Epson Corp | インクジェット記録装置用のチューブポンプ |
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