JP2002301831A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプチューブと廃液タンク間における接続
作業の簡素化を図ることができるインクジェット式記録
装置を提供すること。 【解決手段】 キャッピング手段９に接続されキャップ
部材９ａ内に連通する可撓性チューブ５１およびこの可
撓性チューブ５１を支持するポンプフレーム４４を有す
るチューブポンプ１０と、可撓性チューブ５１からのイ
ンク廃液を受ける廃液タンク５５とを備えたインクジェ
ット式記録装置であって、可撓性チューブ５１に接続可
能なインク誘導用の管体９１をポンプフレーム４４に配
設し、この管体９１のインク排出口９３ａとポンプフレ
ーム４４のチューブ導出口４４ａとは、記録ヘッド１２
の移動方向において互いに異なる部位に配置されている
構成とされる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、吸引ポンプによっ
て発生する負圧を利用し、記録ヘッドよりインクを吸引
排出するインク吐出能力回復手段を備えたインクジェッ
ト式記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】インクジェット式記録装置は、印刷時の
騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で
形成することができるため、昨今においてはカラー印刷
を含めた多くの印刷に使用されている。このようなイン
クジェット式記録装置には、インクカートリッジからの
インクの供給を受ける記録ヘッドと、この記録ヘッドに
対して記録用紙を相対的に移動させる紙送り手段とが備
えられている。そして、印字信号に応じて記録ヘッドを
移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させてドット
を形成することで記録が行われる。この場合、キャリッ
ジ上に例えばブラック，イエロー，シアンおよびマゼン
タのインクの吐出が可能な記録ヘッドを搭載し、各イン
クの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可
能としている。

【０００３】このようなインクジェット式記録装置にお
いては、インクをノズルからインク滴として記録用紙に
吐出させて印刷を行う関係上、次に示すような問題を抱
えている。すなわち、ノズル開口からのインク溶媒の蒸
発に起因するインク粘度の上昇やノズル形成面における
インクの固化，塵埃の付着によってノズル開口に目詰ま
りが発生し、さらには記録ヘッド内に気泡が混入し、印
刷不良を起こすという問題である。

【０００４】このため、インクジェット式記録装置に
は、前記した記録ヘッドおよび紙送り手段に加え、非印
刷時に記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャッピン
グ手段と、このキャッピング手段内にインクを吸引排出
する吸引ポンプと、この吸引ポンプによるインクの吸引
排出後に記録ヘッドのノズル形成面を清掃するワイピン
グ手段とを備えている。そして、前記したノズル開口の
目詰まり発生および記録ヘッド内への気泡混入を防止す
るために、吸引ポンプによって記録ヘッドからインクを
強制的にキャッピング手段内に吸引排出させた後、ワイ
ピング手段によって記録ヘッドのノズル形成面を払拭
（ワイピング）することが行われる。

【０００５】このような記録ヘッドの目詰まり解消のた
め、または記録ヘッド内に気泡が残留している場合にな
されるインクの強制的な排出処理は、クリーニング操作
と呼ばれる。そして、記録装置における長時間の休止後
に印刷を再開する場合や、ユーザが印字かすれ等の印字
品質不良を認識してクリーニングスイッチを操作した場
合に実行される。

【０００６】ところで、前記したクリーニング操作は、
吸引ポンプを駆動してキャッピング手段内に負圧を印加
することにより実行される。この吸引ポンプには、比較
的構造が簡単で小型化が図り易く、しかもインクの吸引
・排出する機構部分で汚染を生じさせない、いわゆるチ
ューブポンプが用いられている。このような吸引ポンプ
をキャッピング状態において動作させると、記録ヘッド
のノズル開口よりインクがキャッピング手段内に吸引排
出される。また、記録ヘッドよりインクの吸引が終了し
た時点で、キャッピング状態を解除して吸引ポンプを動
作させると、キャッピング手段内のインクがポンプチュ
ーブを介して廃液タンク内に排出される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この種のイン
クジェット式記録装置においては、廃液タンクが通常吸
引ポンプの下方位置（非印刷領域内）に配置されるが、
設計の都合によって例えば記録用紙を案内するガイドの
下方位置（印刷領域内）に配置されることがあるため、
次に示すような問題がある。

【０００８】すなわち、廃液タンクが印刷領域内に配置
されると、ポンプチューブと廃液タンク間の接続がポン
プチューブを引き回し、かつその先端部を廃液タンク内
のインク吸収体中に押し込ませて行われることとなるた
め、その接続作業を煩雑にするという問題である。特
に、ポンプチューブが可撓性部材によって形成されてい
るため、チューブ押し込み時にポンプチューブに弾性復
帰力が作用し、ポンプチューブと廃液タンク間の接続作
業を一層困難なものにしていた。

【０００９】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、ポンプチューブと廃液タンクとを接続するに際
してポンプチューブを引き回す作業を不要とし、もって
ポンプチューブと廃液タンク間における接続作業の簡素
化を図ることができるインクジェット式記録装置を提供
することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ためになされた本発明に係るインクジェット式記録装置
は、インク滴を吐出するノズル開口を有し印刷領域と非
印刷領域との間を往復するインクジェット式の記録ヘッ
ドと、この記録ヘッドのノズル開口を封止可能なキャッ
プ部材を有し前記ノズル開口からインクを吸引排出する
ためのキャッピング手段と、このキャッピング手段に接
続され前記キャップ部材内に連通するポンプチューブお
よびこのポンプチューブを支持するポンプフレームを有
する吸引用のチューブポンプと、前記ポンプチューブか
らのインク廃液を受ける廃液タンクとを備えたインクジ
ェット式記録装置であって、前記ポンプチューブに接続
可能なインク誘導用の管体を前記ポンプフレームに配設
し、この管体のインク排出口と前記ポンプフレームのチ
ューブ導出口とは、前記記録ヘッドの移動方向において
互いに異なる部位に配置されていることを特徴とする。

【００１１】このように構成されているため、ポンプチ
ューブと廃液タンクとの接続が、ポンプチューブあるい
は管体を廃液タンクに対しタンク配置位置に応じて選択
的に接続することにより行われる。すなわち、廃液タン
クが管体のインク排出口近傍に配置されている場合に
は、ポンプチューブを管体に接続し、この管体のインク
排出口を廃液タンクに接続する。一方、廃液タンクがポ
ンプフレームのチューブ導出口近傍に配置されている場
合には、ポンプチューブのインク排出口を廃液タンクに
接続する。したがって、ポンプチューブと廃液タンクと
を接続するに際してポンプチューブを引き回す必要がな
くなるため、ポンプチューブと廃液タンク間における接
続作業の簡素化を図ることができる。

【００１２】ここで、前記管体が硬質素材によって形成
されていることが望ましい。このように構成されている
ため、管体を廃液タンク内のインク吸収体に押し込んで
もその先端部が変形する（流路径が変化する）ことはな
い。したがって、管体から廃液タンクにインクの排出が
円滑に行われるため、ポンプチューブと廃液タンク間の
接続構造としてインク流通の良好な接続構造を得ること
ができる。また、前記管体が前記ポンプフレームに一体
に設けられていることが望ましい。このように構成され
ているため、ポンプフレームの形成時に管体を形成する
ことができる。

【００１３】さらに、前記管体に、前記ポンプチューブ
内に圧入可能なチューブ接続部が設けられていることが
望ましい。このように構成されているため、管体に対す
るポンプチューブの接続が、チューブ接続部のポンプチ
ューブ内への圧入によって強固に行われる。そして、前
記ポンプフレームに、前記管体に前記ポンプチューブを
接続するためのチューブ誘導路が設けられている構成と
される。このように構成されているため、ポンプチュー
ブと廃液タンクとを接続するに際し、ポンプチューブを
インク導出口からチューブ誘導路内に導いて管体に接続
することができる。また、前記管体が、前記廃液タンク
内に臨む垂直部およびこの垂直部に連接する水平部を有
する折曲管によって形成されている構成も採用し得る。
このように構成されているため、ポンプチューブを管体
に接続すると、吸引ポンプからのインクを水平方向およ
び垂直方向に誘導して廃液タンク内に排出することがで
きる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明が適用されたインク
ジェット式記録装置につき、図に示す実施の形態に基づ
いて説明する。図１は本発明が適用されたインクジェッ
ト式記録装置の全体構成を示すものである。図１におい
て、符号１で示すキャリッジは、キャリッジモータ２に
よって駆動されるタイミングベルト３を介し、ガイド部
材４に案内されてプラテン５の軸方向に往復移動し得る
ように構成されている。なお、前記ガイド部材４は、互
いに対向する左右二つのフレーム３１，３２に支架され
ている。両フレーム３１，３２は背面板３３および底板
３４によって連結されている。

【００１５】このキャリッジ１の下面部（記録用紙６に
対向する側）にはインクジェット式の記録ヘッド１２が
装着され、またその上面部には記録ヘッド１２にインク
を供給するブラックインクカートリッジ７およびカラー
インクカートリッジ８が着脱可能に装着されている。

【００１６】前記キャリッジ１の非印字領域（ホームポ
ジション）にはキャッピング手段９が配置されている。
このキャッピング手段９は前記記録ヘッド１２が直上に
移動した時に上昇し、前記記録ヘッド１２のノズル形成
面を封止し得るように構成されている。キャッピング手
段９の下方には、キャップ部材９ａ（キャッピング手段
９）の内部空間に負圧を与えるためのポンプユニットと
しての吸引ポンプ（チューブポンプ）１０が配置されて
いる。

【００１７】前記キャッピング手段９は、記録装置の休
止期間中における記録ヘッド１２のノズル開口の乾燥を
防止する蓋体としての機能を備えている。また、印刷と
は関係のない駆動信号を記録ヘッド１２に印加してイン
ク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受けと
しての機能、およびチューブポンプ１０からの負圧を記
録ヘッド１２に作用させてインクを吸引するクリーニン
グ手段としての機能も兼ね備えている。

【００１８】そして、キャッピング手段９における印字
領域側部の近傍には、ワイピング手段１１が前記記録ヘ
ッド１２の移動経路と直角な水平方向に進退可能となる
ように配置されている。なお、前記ワイピング手段１１
の移動動作と、前記キャッピング手段９の内部空間を負
圧にするポンプの吸引動作には、用紙ガイド板（図示せ
ず）上の記録用紙６を搬送する紙送りモータ（後述）の
駆動力が利用される。

【００１９】次に、前記したポンプユニットの駆動力伝
達機構につき、図２を用いて説明する。図２は、前記し
た記録装置に装備された給排紙機構および吸引ポンプに
対する駆動力伝達機構の一例を示したものである。図２
おいて、符号２１で示すものは紙送りローラで、この紙
送りローラ２１の一端部には歯車２２が配置されてい
る。そして、紙送りモータ２３の軸上に配置されたピニ
オン２４からアイドラ２５を介して駆動されるように構
成されている。また、給紙ローラ駆動軸２６の一端部に
は、クラッチ機構を構成する移動歯車２８を介して前記
歯車２２に噛合する歯車２７が配置されている。そし
て、図示せぬカットシートフィーダに動力を伝達し、記
録用紙の給紙（ローディング）が行われるように構成さ
れている。

【００２０】前記移動歯車２８は、常時はスプリング
（図示せず）によって図２に示すように両歯車２２，２
７から離れた位置に保持されている。そして、ホームポ
ジションと対向する端部に移動するキャリッジ１に押圧
されて軸方向に移動し、両歯車２２，２７間に介在して
両者の噛み合いが実現するように構成されている。

【００２１】前記チューブポンプ１０は、前記紙送りモ
ータ２３からの動力が前記ピニオン２４，アイドラ２９
および排紙ローラ３１上の排紙ローラ歯車３０に伝達さ
れ、さらにこの排紙ローラ歯車３０からの動力が前記排
紙ローラ３１上の歯車３２に伝達され、この歯車３２に
よって駆動される。このチューブポンプ１０の駆動軸３
３には、前記歯車３２にアイドラ３４を介して噛合する
歯車３５が装着されている。また、この駆動軸３３に
は、その背面に配置されたスプリング３６に押されて摩
擦回転するアーム３７を備えたクリーナカム３８が遊転
自在に取り付けられている。そして、アーム３７の回転
によってゴム等の弾性部材で形成されたワイピング部材
３９（ワイピング手段１１）が、記録ヘッド１２の移動
経路と直角な水平方向に移動し得るように構成されてい
る。

【００２２】これにより、紙送りモータ２３の一方向へ
の回転により、ワイピング部材３９が記録ヘッド１２の
移動軌跡に進行し、そのノズル形成面を払拭し得るよう
になされる。また、紙送りモータ２３の他方向への回転
により、ワイピング部材３９が記録ヘッド１２の移動軌
跡から退避されるように作用する。

【００２３】また、前記チューブポンプ１０の駆動軸３
３には、ラチェットホイル４０，中間伝達ホイル４１お
よびポンプホイル４２が軸線方向に隣接するようにして
配置されている。前記ラチェットホイル４０における中
間伝達ホイル４１と対向する面には突起４０ａが設けら
れており、前記中間伝達ホイル４１の両面にはそれぞれ
突起４１ａ，４１ｂが設けられている。さらに、前記ポ
ンプホイル４２における中間伝達ホイル４１と対向する
面には突起４２Ａが設けられている。

【００２４】これにより、ラチェットホイル４０が回転
して、その突起４０ａが中間伝達ホイル４１の突起４１
ａに当接することで、中間伝達ホイル４１に回転力が伝
達される。さらに、中間伝達ホイル４１の突起４１ｂが
ポンプホイル４２の突起４２Ａに当接することで、ポン
プホイル４２に回転力が伝達される。したがって、紙送
りモータ２３の回転方向が切り替わると、ラチェットホ
イル４１とポンプホイル４２との間には回転伝達に最大
で２回転近くの遅れを発生させる回転遅延機構が構成さ
れている。

【００２５】なお、この回転遅延機構は、用紙先端の位
置決めとバックラッシュ取りを実行するために、記録用
紙６のローディングを前記カットシートフィーダから実
施するに際して紙送りモータ２３を多少正転および逆転
駆動させる必要があり、この場合においてチューブポン
プ１０に動力を伝達させないように作用する。

【００２６】次に、本発明が適用されたインクジェット
式記録装置の要部につき、図３〜図７を用いて説明す
る。図３は、本発明の第一実施形態に係るインクジェッ
ト式記録装置の内部構造を示す断面図である。図４は、
本発明の第一実施形態に係るインクジェット式記録装置
における吸引ポンプの取付状態を示す斜視図である。図
５（ａ）〜（ｃ）は、本発明の第一実施形態に係るイン
クジェット式記録装置の吸引ポンプを示す側面図と斜視
図である。また、図６はポンプを正転駆動させてポンプ
作用を実行させたリース状態を示し、図７はポンプを逆
転駆動させてレリース状態とした場合を示している。図
３に示す装置筐体８１は、前記キャッピング手段９を収
容する箱体によって形成されている。この装置筐体８１
には、印刷領域内および非印刷領域内一部（後述するガ
イド台の非印刷領域）において前記インクカートリッジ
７，８を着脱可能な開口窓８７が設けられている。

【００２７】前記装置筐体８１内には、前記記録ヘッド
１２の下方に位置し、かつ記録用紙６を案内するガイド
面６１ａを有するガイド台（用紙ガイド板）６１が配設
されている。前記ガイド台６１の下方には、前記チュー
ブポンプ１０の可撓性チューブ５１に管体（後述）を介
して接続する廃液トレイ５５が配設されている。この廃
液トレイ５５内には、前記チューブポンプ１０からのイ
ンクを吸収・保持するウレタンフォーム等の多孔質性部
材からなるインク吸収保持体６２が収納されている。ま
た、前記装置筐体８１内には、前記ワイピング手段１１
を摺動可能なガイド面８２ａを有する固定フレーム８２
が配置されている。この固定フレーム８２の非印刷領域
側には、前記キャッピング手段９の下方に位置する前記
チューブポンプ１０が取り付けられている。

【００２８】前記チューブポンプ１０は、図６および図
７に示すように、前記キャッピング手段９にインク排出
管８０を介して接続する可撓性チューブ５１と、この可
撓性チューブ５１の外形を円弧状に規制するチューブ支
持面５２を有するポンプフレーム４４とを備えている。
また、一対のローラ支持溝４２ａ，４２ｂを有するポン
プホイル４２と、このポンプホイル４２のローラ支持溝
４２ａ，４２ｂに沿って移動するローラ４３ａ，４３ｂ
とを備えている。

【００２９】前記ポンプフレーム４４は、前記可撓性チ
ューブ５１を外部に導出するためのチューブ導出口４４
ａを有し、全体が硬質素材によって形成されている。こ
のポンプフレーム４４の外周縁には、前記可撓性チュー
ブ５１に接続可能なインク誘導用の管体９１が取付片４
４ｂを介して一体に設けられている。これにより、可撓
性チューブ５１と廃液タンク５５とを接続する際に管体
９１の先端部（インク排出口）を廃液トレイ５５内のイ
ンク吸収保持体６２中に押し込んでも、その先端部の変
形（流路径の変化）を防止し得るように構成されてい
る。このため、可撓性チューブ５１から廃液タンク５５
へのインクの排出が円滑に行われ、可撓性チューブ５１
と廃液タンク５５間の接続構造としてインク流通の良好
な接続構造を得ることができる。

【００３０】前記管体９１は、図４および図５（ａ）〜
（ｃ）に示すように、水平方向に延在する水平部９２お
よびこの水平部９２に連接して下方に延在する垂直部９
３を有する逆Ｌ字状の折曲管によって形成されている。
前記水平部９２の自由端部には、前記可撓性チューブ５
１のインク排出口５１ａ内に圧入して接続可能なチュー
ブ接続部９２ａが設けられている。

【００３１】このチューブ接続部９２ａの内径は他の部
分（管体９１におけるチューブ接続部以外の部分）の内
径より小さい寸法に設定され、かつ前記可撓性チューブ
５１の内径より若干大きい寸法に設定されている。これ
により、可撓性チューブ５１と廃液タンク５５とを接続
する際にチューブ接続部９２ａを可撓性チューブ５１の
インク排出口５１ａ内に圧入し、管体９１に対する可撓
性チューブ５１の接続を強固に行えるように構成されて
いる。

【００３２】一方、前記垂直部９３の自由端部には、前
記廃液トレイ５５に対するインク排出口９３ａが設けら
れている。そして、前記管体９１（垂直部９３）のイン
ク排出口９３ａと前記ポンプフレーム４４のチューブ導
出口４４ａとは、前記記録ヘッド１２の移動方向におい
て互いに異なる位置に配置されている。すなわち、図３
に示すように、前記インク排出口９３ａは前記固定フレ
ーム８２の印刷領域側に、また前記チューブ導出口４４
ａは前記固定フレーム８２の非印刷領域側に配置されて
いる。

【００３３】なお、前記ポンプフレーム４４には平面Ｌ
字状の係止溝４４ｄ，４４ｅが設けられ、これら各係止
溝４４ｄ，４４ｅにはそれぞれガイド部材５３ａ，５３
ｂが係止されている。これにより、ガイド部材５３ａ，
５３ｂは、ポンプホイル４２の回動に伴い各ローラ４３
ａ，４３ｂをローラ支持溝４２ａ，４２ｂのホイル回転
後退方向（ホイル回転方向と反対の方向）に案内するよ
うに作用する。

【００３４】以上の構成により、可撓性チューブ５１と
廃液タンク５５との接続が、可撓性チューブ５１あるい
は管体９１を廃液タンク５５に対しタンク配置位置に応
じて選択的に接続することにより行われる。すなわち、
図３に示すように廃液タンク５５が管体９１（垂直部９
３）のインク排出口９３ａ近傍に配置されている場合に
は、可撓性チューブ５１を管体９１（水平部９２のチュ
ーブ接続部９２ａ）に接続し、この管体９１（垂直部９
３のインク排出口９３ａ）を廃液タンク５５に接続す
る。一方、廃液タンク５５がポンプフレーム４４のチュ
ーブ導出口４４ａ近傍（チューブポンプ１０の下方）に
配置されている場合には、可撓性チューブ５１のインク
排出口５１ａを廃液タンク５５に接続する。したがっ
て、本実施形態においては、可撓性チューブ５１と廃液
タンク５５とを接続するに際し可撓性チューブ５１を引
き回す必要がなくなるため、可撓性チューブ５１と廃液
タンク５５間における接続作業の簡素化を図ることがで
きる。

【００３５】なお、前記チューブポンプ１０において、
図６に示すようにポンプホイル４２を正方向（矢印Ａ方
向）に回転させると、各ローラ４３ａ，４３ｂがローラ
支持溝４２ａ，４２ｂの外周方向に移動し、可撓性チュ
ーブ５１を矢印Ａ方向に順次押し潰し（扱き）ながら回
転する。これにより、可撓性チューブ５１内に圧力を発
生させてキャッピング手段９に負圧を与えるようになさ
れる。そして、記録ヘッド１２から負圧により強制的に
インクを排出させるとともに、さらにキャッピング手段
９内に排出されたインクを吸引して廃液タンク５５に送
り出す。

【００３６】一方、図７に示すようにポンプホイル４２
を逆方向（矢印Ｂ方向）に回転させると、各ローラ４３
ａ，４３ｂがローラ支持溝４２ａ，４２ｂの内周方向に
移動する。これにより、ローラ４３ａ，４３ｂが可撓性
チューブ５１に少しだけ接するレリース状態を保ち、ロ
ーラ４３ａ，４３ｂの可撓性チューブ５１への貼り付き
などの故障発生が防止される。

【００３７】次に、本発明の第二実施形態につき、図８
を用いて説明する。図８は本発明の第二実施形態に係る
インクジェット式記録装置における吸引ポンプの取付状
態を示す斜視図で、同図において図３〜図７と同一の部
材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略す
る。図８において、前記ポンプフレーム４４には、前記
管体９１に前記可撓性チューブ５１を接続するためのチ
ューブ誘導路４４ｃが設けられている。

【００３８】このような構成においては、可撓性チュー
ブ５１と廃液タンク５５との接続が、可撓性チューブ５
１あるいは管体９１を廃液タンク５５に対しタンク配置
位置に応じて選択的に接続することにより行われる。す
なわち、廃液タンク５５が管体９１（垂直部９３）のイ
ンク排出口９３ａ近傍に配置されている場合には、可撓
性チューブ５１をチューブ導出口４４ａからチューブ誘
導路４４ｃ内に導いて管体９１（水平部９２のチューブ
接続部９２ａ）に接続し、この管体９１（垂直部９３の
インク排出口９３ａ）を廃液タンク５５に接続する。一
方、廃液タンク５５がポンプフレーム４４のチューブ導
出口４４ａ近傍（チューブポンプ１０の下方）に配置さ
れている場合には、可撓性チューブ５１のインク排出口
５１ａを廃液タンク５５に接続する。したがって、本実
施形態においては、第一実施形態と同様に、可撓性チュ
ーブ５１と廃液タンク５５とを接続するに際し可撓性チ
ューブ５１を引き回す必要がなくなるため、可撓性チュ
ーブ５１と廃液タンク５５間における接続作業の簡素化
を図ることができる。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェット式記録装置によると、ポンプチューブと廃液
タンクとを接続するに際しポンプチューブを引き回す作
業が不要となるため、ポンプチューブと廃液タンク間に
おける接続作業の簡素化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用されたインクジェット式記録装置
の全体構成を示す外観斜視図である。

【図２】本発明が適用されたインクジェット式記録装置
に装備された給排紙機構および吸引ポンプに対する駆動
力伝達機構を示す断面図である。

【図３】本発明の第一実施形態に係るインクジェット式
記録装置の内部構造を示す断面図である。

【図４】本発明の第一実施形態に係るインクジェット式
記録装置における吸引ポンプの取付状態を示す斜視図で
ある。

【図５】（ａ）〜（ｃ）は、本発明の第一実施形態に係
るインクジェット式記録装置の吸引ポンプを示す側面図
と斜視図である。

【図６】本発明が適用されたインクジェット式記録装置
における吸引ポンプのポンプ駆動状態を説明するために
示す透視図である。

【図７】本発明が適用されたインクジェット式記録装置
における吸引ポンプのレリース状態を説明するために示
す透視図である。

【図８】本発明の第二実施形態に係るインクジェット式
記録装置における吸引ポンプの取付状態を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ キャリッジ ２ キャリッジモータ ３ タイミングベルト ４ ガイド部材 ５ プラテン ６ 記録用紙 ７ ブラックインクカートリッ
ジ ８ カラーインクカートリッジ ９ キャッピング手段 ９ａ キャップ部材 １０ チューブポンプ １１ ワイピング手段 １２ 記録ヘッド ４２ ポンプホイル ４２ａ，４２ｂ ローラ支持溝 ４３ａ，４３ｂ ローラ ４４ ポンプフレーム ４４ａ チューブ導出口 ４４ｂ 取付片 ５１ 可撓性チューブ ５１ａ インク排出口 ５２ チューブ支持面 ５５ 廃液トレイ ６１ ガイド台 ６１ａ ガイド面 ６２ インク吸収保持体 ８０ インク排出管 ８２ 固定フレーム ９１ 管体 ９２ 水平部 ９２ａ チューブ接続部 ９３ 垂直部 ９３ａ インク排出口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2C056 EA27 JA13 JC08 JC13 JC20

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インク滴を吐出するノズル開口を有し、
   印刷領域と非印刷領域との間を往復するインクジェット
   式の記録ヘッドと、 この記録ヘッドのノズル開口を封止可能なキャップ部材
   を有し、前記ノズル開口からインクを吸引排出するため
   のキャッピング手段と、 このキャッピング手段に接続され、前記キャップ部材内
   に連通するポンプチューブおよびこのポンプチューブを
   支持するポンプフレームを有するインク吸引用のチュー
   ブポンプと、 前記ポンプチューブからのインク廃液を受ける廃液タン
   クとを備えたインクジェット式記録装置であって、 前記ポンプチューブに接続可能なインク誘導用の管体を
   前記ポンプフレームに配設し、 この管体のインク排出口と前記ポンプフレームのチュー
   ブ導出口とは、前記記録ヘッドの移動方向において互い
   に異なる位置に配置されていることを特徴とするインク
   ジェット式記録装置。
2. 【請求項２】 前記管体が硬質素材によって形成されて
   いることを特徴とする請求項１に記載されたインクジェ
   ット式記録装置。
3. 【請求項３】 前記管体が前記ポンプフレームに一体に
   設けられていることを特徴とする請求項１または請求項
   ２に記載されたインクジェット式記録装置。
4. 【請求項４】 前記管体に、前記ポンプチューブ内に圧
   入可能なチューブ接続部が設けられていることを特徴と
   する請求項１乃至請求項３のいずれかに記載されたイン
   クジェット式記録装置。
5. 【請求項５】 前記ポンプフレームに、前記管体に前記
   ポンプチューブを接続するためのチューブ誘導路が設け
   られていることを特徴とする請求項１乃至請求項４のい
   ずれかに記載されたインクジェット式記録装置。
6. 【請求項６】 前記管体が、前記廃液タンク内に臨む垂
   直部およびこの垂直部に連接する水平部を有する折曲管
   によって形成されていることを特徴とする請求項１乃至
   請求項５のいずれかに記載されたインクジェット式記録
   装置。