JP2010106852A - チューブポンプ及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸引動作を間欠的にすることなく、小型化や薄型化を可能にするチューブポンプ及び、そのチューブポンプを備える液体噴射装置を提供する。
【解決手段】
チューブポンプ30には、締結部41内のチューブ上流端部23aとチューブ下流端部23bとの間に挟持される緩衝部材48を備える。その緩衝部材48は、弾性部材で形成され、チューブに挟持固定される被挟持部49と、その被挟持部49から径方向内側に延設される緩衝部60とを備えている。緩衝部60は、被挟持部49を略同形状からなる板状に形成されている。緩衝部60には、該緩衝部60の側面であってチューブ曲折部45,46と相対する側面には、それぞれ平面形状の当接面61と押圧面62が形成されている。緩衝部60は、押圧ローラ57の径方向に沿った急激な移動を規制して、下流側に到達した押圧ローラ57を上流側に受け渡す。
【選択図】図9

Description

本発明は、チューブポンプ及び液体噴射装置に関する。
ターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置には、記録用紙に対して液体としてのインクを噴射させるインクジェット式プリンタ(以下単に、プリンタという。)が知られている。一般に、そのプリンタには、インクを噴射する噴射ノズルを備えた記録ヘッド、その記録ヘッドを搭載して記録用紙に対して往復動するキャリッジ、及びその記録ヘッドにインクを供給する液体収容体としてのインクカートリッジ(以下単に、カートリッジという。)が備えられている。そして、プリンタは、印刷画像データに基づいて生成された画像信号をその記録ヘッドに入力すると、記録ヘッドが記録用紙に対して往復動しながらインク滴を噴射して、画像データに即した印刷を記録用紙上に行う。
こうしたプリンタでは、インクの噴射不良を低減するために、インクを噴射する噴射ノズルから気泡や増粘したインク等を吐出させるクリーニングが適宜行われている。このクリーニングでは、噴射ノズルの形成されるノズル形成面をキャップ部材で封止した後、そのノズル形成面とキャップ部材とで気密にされる空間(キャップ部材内)を吸引ポンプにより減圧している。即ち、噴射ノズルの吐出方向側に負圧となる空間を形成して、増粘したインクや気泡等を吐出させ、噴射ノズルの目詰まり等を解消し、ひいてはインクの噴射不良を回避している。
こうしたクリーニングで使用される吸引ポンプには、可撓性チューブ(以下、単にチューブという)を備えるチューブポンプが知られる。一般に、チューブポンプには、円筒状に形成されるケースの内周面(ケース内周面)に沿って配設されるチューブ、同ケース内周面に向かってチューブを押圧する押圧ローラ、及び同押圧ローラを同ケース内周面周方向に沿って転動させる回転体が備えられている。そして、モータ等の駆動機構によって回転体を回転すると、押圧ローラは、ケース内周面に向かってチューブを押し潰しながら、そのケース内周面に沿って転動する。これにより、チューブポンプ内にあるインク等が下流側に押出され、上流側にあるインク等がチューブポンプ内に吸引される。
ところが、こうしたチューブポンプでは、チューブの下流側に到達した押圧ローラが再びチューブの上流側に転動する際にそのチューブを押し潰さない状態を生じる。そのため、下流側に押出したインク等が上流側に逆流して吸引動作を間欠的にする。その結果、キャップ部材内の負圧が不要に変動して、ひいてはクリーニング不良を来す虞がある。
そこで、従来より、こうしたチューブポンプには、間欠的な吸引動作を回避するものが提案されている(例えば特許文献1,2)。特許文献1及び2のチューブポンプでは、いずれもケース内周面周方向に沿って360°以上、即ち、ケース内周面に沿ってチューブを1重以上に螺旋状に配設したチューブポンプが記載されている。このチューブポンプでは、転動する押圧ローラが、チューブの重なる部分において下流端に位置する部分のチューブを押し潰しながら上流端に位置する部分のチューブを再び押し潰し始める。これにより、チューブの上流側に接続されるキャップ部材内を連続的に吸引することができる。
特開平2001―301195号公報 特開平7―253082号公報
ところが、上記特許文献1及び2のチューブポンプでは、チューブがケース内周面に沿って1重以上に重ねて配設されるため、その重なり方向(回転体の回転軸方向)のスペースが嵩んでチューブポンプの小型化、或いは薄型化の妨げとなる。こうした問題は、図11に示すように、ケース内周面91の一部にチューブを導出する導出部92を設け、チューブ93をケース内周面に沿ってΩ字状、即ち、チューブポンプ90の上流側チューブ94と下流側チューブ95とをケース内周面91径方向に沿って束ねることにより回避することできると考えられる。
しかしながら、図11に示すように、ケース内周面91の径方向に沿ってチューブ93を束ねると、ケース内周面91の周方向にあって上流側チューブ94と下流側チューブ95とが曲折されて当接する位置に、ケース内周面91の径方向外方に窪む凹部96が形成される。この凹部96では、下流側から転動する押圧ローラ97が、ケース内周面91径方向外方に急激に移動し、凹部96の側壁を形成する上流チューブ94と衝突する。その結果、凹部96上において、チューブ93の押し潰しが間欠的となり、さらには、押圧ローラ97と上流チューブ94の衝突による振動や騒音を生じる問題となる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸引動作を間欠的にすることなく、小型化や薄型化を可能にするチューブポンプ及び、そのチューブポンプを備える液体噴射装置を提供することである。
本発明のチューブポンプは、可撓性チューブと、前記可撓性チューブの途中部分を内周面に沿って収容する有底円筒状のケースと、前記可撓性チューブの上流側から前記可撓性チューブの下流側に向かって順次前記可撓性チューブを押し潰しながら前記可撓性チューブの内側面に沿って転動する押圧ローラと、前記可撓性チューブの上流側と下流側とを前記内周面から前記内周面の径方向外側に曲折して導出する導出部とを備えるチューブポンプにおいて、前記導出部にある前記曲折する可撓性チューブの上流側と下流側との間に設けられ、その前記可撓性チューブの上流側と下流側とに挟持されるものであり、前記押圧ローラが通過するとき、前記押圧ローラの径方向に沿った移動に伴って前記可撓性チューブを押し潰して、下流側に到達する前記押圧ローラを再び上流側に受け渡す緩衝手段を備え、前記緩衝手段は、前記導出部から前記内周面の内側に突出するかたちに形成され、前記押圧ローラが通過するとき、前記周方向に撓曲して前記可撓性チューブを押し潰す板部材である。
本発明のチューブポンプによれば、緩衝手段は、導出部にある可撓性チューブに挟持されて、その導出部近傍で曲折する可撓性チューブの上流側と下流側との間に設けられる。そして、押圧ローラの径方向に沿った移動をするとき、下流側に到達する押圧ローラを再び上流側に受け渡すようになる。このとき、その緩衝手段が押圧ローラに押圧されて、可撓性チューブを押し潰すようになる。従って、導出部近傍で曲折される可撓性チューブと相対する押圧ローラを、それらの間に設けられる緩衝手段によって、曲折する方向(径方向外側)から内周面の周方向に沿って転動させることができ、その押圧ローラの押圧により曲折される可撓性チューブを押し潰すことができる。そして、可撓性チューブが同緩衝手段を挟持固定することにより、その緩衝手段の位置ずれを回避することができ、ひいては衝突による振動や騒音、並びに間欠的な押し潰しによる吸引不良を確実に回避することができる。
また、緩衝手段である板部材が、下流側に到達した押圧ローラの転動により内周面の周
方向に撓曲して、その押圧ローラを下流側に渡すようになる。従って、緩衝手段に可撓性チューブの内側面に沿った側面や、内周面の周方向に沿った側面等を形成する必要がなく、その形状をより簡易にすることができ、緩衝手段のコスト、ひいてはチューブポンプのコストを削減することができる。
このチューブポンプは、前記緩衝手段が弾性部材である。
このチューブポンプによれば、緩衝手段が弾性部材で形成される。従って、押圧ローラにより押圧されて変形する緩衝手段が、押圧ローラを受け渡した後に再び押圧される前の形状に戻ることができる。その結果、押圧ローラの受け渡し前後において、緩衝手段の形状を保持する機構等を設ける必要がなく、緩衝手段の部品点数、ひいてはチューブポンプの部品点数を削減することができる。
本発明の液体噴射装置は、液体収容体から供給された液体を噴射ノズルから噴射させる液体噴射ヘッドのノズル形成面を封止する封止手段を備えた液体噴射装置において、可撓性チューブと、前記可撓性チューブの途中部分を内周面に沿って収容する有底円筒状のケースと、前記可撓性チューブの上流側から前記可撓性チューブの下流側に向かって順次前記可撓性チューブを押し潰しながら前記可撓性チューブの内側面に沿って転動する押圧ローラと、前記可撓性チューブの上流側と下流側とを前記内周面から前記内周面の径方向外側に曲折して導出する導出部と、前記導出部にある前記曲折する可撓性チューブの上流側と下流側との間に設けられ、その両前記可撓性チューブの上流側と下流側とに挟持されるものであり、前記押圧ローラが通過するとき、前記押圧ローラの径方向に沿った移動に伴って前記可撓性チューブを押し潰して、下流側に到達する前記押圧ローラを再び上流側に受け渡す緩衝手段とからなるチューブポンプを備え、前記緩衝手段は、前記導出部から前記内周面の内側に突出するかたちに形成され、前記押圧ローラが通過するとき、前記周方向に撓曲して前記可撓性チューブを押し潰す板部材である。
本発明の液体噴射装置によれば、チューブポンプ内の導出部近傍で曲折される可撓性チューブと転動する押圧ローラとの衝突を、その間に設けられる緩衝手段の受け渡しによって回避することができ、その緩衝手段によって曲折される可撓性チューブを押し潰すことができる。さらに、可撓性チューブが同緩衝手段を挟持するチューブポンプを備えることにより、その緩衝手段の位置ずれを回避することができ、ひいては液体噴射装置における振動や騒音を低減することができ、封止手段とノズル形成面との間の空間に安定した負圧を形成することができる。
また、緩衝手段である板部材が、下流側に到達した押圧ローラの転動により内周面の周方向に撓曲して、その押圧ローラを下流側に渡すようになる。従って、緩衝手段に可撓性チューブの内側面に沿った側面や、内周面の周方向に沿った側面等を形成する必要がなく、その形状をより簡易にすることができ、緩衝手段のコスト、ひいてはチューブポンプのコストを削減することができる。
本実施形態を具体化したインクジェット式プリンタを示す斜視図。 同じく、インクジェット式プリンタを示す要部概略断面図。 同じく、可撓性チューブを示す部分斜視図。 同じく、チューブポンプを示す斜視図。 参考例のチューブポンプを示す分解斜視図。 参考例のチューブポンプの作用を説明する概略平断面図。 参考例のチューブポンプの作用を説明する概略平断面図。 参考例のチューブポンプの作用を説明する概略平断面図。 本実施形態のチューブポンプの作用を説明する概略平断面図。 本実施形態のチューブポンプの作用を説明する概略平断面図。 従来のチューブポンプを説明する概略平断面図。
(参考例)
以下、本発明を具体化した実施形態の説明に先立ち、該実施形態の参考となる構成の例を図1〜図8に従って説明する。
図1は、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ10(以下単に、プリンタ10という。)を示す斜視図である。
図1に示すように、プリンタ10には、フレーム11、ガイド部材12、キャリッジ13、液体収容体としてのインクカートリッジ14、プラテン15及び液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド16が備えられている。
フレーム11は、プリンタ10の装置全体を覆うものである。そのフレーム11には、長手方向に沿ってガイド部材12が架設されている。そのガイド部材12には、キャリッジ13が移動可能に挿通支持されている。そのキャリッジ13は、タイミングベルト17を介してキャリッジモータM1に連結駆動されている。そして、キャリッジモータM1を回転駆動すると、キャリッジ13は、タイミングベルト17を介してその駆動力を受け、ガイド部材12に沿う方向(主走査方向X)に沿って往復動する。
フレーム11には、ガイド部材12と平行にプラテン15が架設されている。プラテン15は、ターゲットとしての記録用紙Pを支持する支持台である。そのプラテン15には、紙送り機構(図示略)が紙送りモータM2に連結駆動されている。そして、紙送りモータM2を回転駆動すると、紙送り機構は、その駆動力を受け、主走査方向Xと直行する方向(副走査方向Y)に沿って記録用紙Pを給送する。
図2は、そのプリンタ10の内部を示す要部概略断面図である。
図2に示すように、キャリッジ13には、インクを収容するインクカートリッジ14が着脱可能に搭載されている。そのキャリッジ13の下部にあって記録用紙Pと対向する面には、インクカートリッジ14と連通する記録ヘッド16が搭載されている。記録ヘッド16の下面には、ノズル形成面19が形成され、そのノズル形成面19には、液体としてのインクを噴射させる図示しない多数の噴射ノズルが形成されている。その噴射ノズルには、印刷画像データに基づいて生成される画像信号を入力すると噴射ノズル内の体積を拡大縮小する圧電素子が備えられている。そして、噴射ノズル内の体積が拡大するようにその圧電素子を駆動すると、記録ヘッド16内に負圧が形成される。この負圧によって、インクカートリッジ14内に収容されるインクが記録ヘッド16内に供給される。反対に、噴射ノズル内の体積を縮小するようにその圧電素子を駆動すると、記録ヘッド16内に供給されるインクがインク滴となって記録用紙P上に噴射させる。
こうして、プリンタ10は、副走査方向Yに沿って記録用紙Pを給送すると共に主走査方向Xに沿ってキャリッジ13を往復動する。加えて、プリンタ10は、印刷画像データに基づいて生成される画像信号により圧電素子を駆動し、記録ヘッド16(噴射ノズル)からインクを噴射させて記録用紙P上に印刷を行う。
図1に示すように、フレーム11の一側部には、印刷を施すことのない非印刷可能領域(ホームポジション)が設けられ、そのホームポジションには、クリーニング機構20が備えられている。そのクリーニング機構20には、図2に示すように、封止手段としてのキャップ21、可撓性チューブとしての集束チューブ23、廃液タンク24及びチューブポンプ30が備えられている。
キャップ21は、上方を開口した箱型に形成され、フレーム11内に配設される昇降機構(図示略)によって、図2における上下方向に移動可能に支持されている。キャップ21の底面には、図2に示すように、上下方向に貫通する吸引孔21aが形成されている。そのキャップ21の内側には、図2に示すように、インク等を吸収するシート状の吸収材21bが固設されている。また、キャップ21の上縁には、その上縁を囲うように、可撓性部材からなる四角枠状の外枠21cが固設されている。そして、キャリッジモータM1を駆動して記録ヘッド16をホームポジションに移動し、昇降機構を駆動してキャップ21を上動すると、キャップ21の外枠21cがノズル形成面19に当接して、そのノズル形成面19を封止する。
そのキャップ21に形成される吸引孔21aには、集束チューブ23が接続されている。
図3は、集束チューブ23を示す斜視図である。
集束チューブ23は、図3に示すように、シリコンゴム等の可撓性部材で形成される2本のチューブ25,26が付着部27によって連結形成されるものである。集束チューブ23には、空気やインク等の流路である吸引流路25a,26aが形成されている。その集束チューブ23は、図2に示すように、チューブポンプ30を介して、吸引孔21a(キャップ21内)と廃液タンク24とを連通させている。
チューブポンプ30は、ポンプモータ(図示略)の回転駆動力を受けて駆動するポンプである。そして、ポンプモータを駆動すると、そのチューブポンプ30は、吸引孔21a及び吸引流路25a,26aを介して、キャップ21内を吸引して、そのキャップ内に負圧を形成する。この負圧によって、記録ヘッド16内にある増粘したインク等がキャップ21内に吐出される。廃液タンク24は、チューブポンプ30の吸引したインク等を収容するタンクであって、その内部には多孔質素材で形成される廃液吸収材24aが積層されている。そして、この廃液吸収材24aがインク等を吸収することによって、吸引されたインク等が廃液タンク24内に収容される。
こうして、クリーニング機構20は、キャップ21内に負圧を形成し、その負圧によって、増粘したインク等を吐出させ記録ヘッド16のクリーニングを行う。そして、吐出したインク等をチューブポンプ30に吸引させ、そのインク等を廃液タンク24に収容させてクリーニングを終了する。
次に、上記チューブポンプ30の構成について図4〜図8に従って説明する。
図4はチューブポンプ30の概略斜視図、図5はチューブポンプ30の分解斜視図である。図6〜8はチューブポンプ30を示す平断面図である。
図4に示すように、チューブポンプ30は、ケース31、締結部41及び押圧手段51を備えている。
ケース31は、図5に示すように、有底状の円筒形に形成されている。その底面32の中心には支持孔33が貫通形成されている。ケース31の内周面34には、導出部を構成する切り欠き部36が形成されている。切り欠き部36は、内周面34の上方から下方に向かって底面32の手前までを切り欠いて形成されている。その切り欠き部36には、ケース31の径方向外側に延びるようにして、上側が開口する溝部37が突設されている。その溝部37の内側には、上下方向に延びる2つの嵌合凸部38,39が互いに向かい合うように設けられている。
その溝部37には、図4に示すように、導出部を構成する締結部41が配設されている
。締結部41は、図5に示すように、略直方体形状に形成され、その対向する側面には上下方向に延びる嵌合溝42,43がそれぞれ形成されている。その締結部41には、ケース31の径方向に貫通する挿通孔44が設けられている。そして、締結部41は、図4に示すように、嵌合溝42,43をそれぞれ溝部37の嵌合凸部38,39に嵌合させ、ケース31に位置決め固定される。
その締結部41(挿通孔44)には、図5に示すように、集束チューブ23がチューブ25,26を上下方向に並べる状態で挿通されている。そして、集束チューブ23の途中部分が挿通孔44に挿通されると、その集束チューブ23は、それぞれチューブ上流端部23a、チューブ下流端部23b及びチューブ被押圧部23cに位置決めされる。
チューブ上流端部23aは、チューブポンプ30内に空気やインク等を吸入する流路側であって、締結部41内から吸引孔21aに接続されている。チューブ下流端部23bは、チューブ上流端部23a側から吸入されるインク等を排出する流路側であって、締結部41内から廃液タンク24に接続されている。チューブ被押圧部23cは、チューブ上流端部23aとチューブ下流端部23bとの間の部分であって、内周面34に沿って平面方向から見てΩ字状に配設される。即ち、そのチューブ被押圧部23cの上流側及び下流側は、それぞれ切り欠き部36に沿って曲折されるチューブ曲折部45,46を経て、同切り欠き部36から径方向外側に向かってケース31外(締結部41内)に引き出されている。
そして、キャップ22内のインク等が集束チューブ23内に吸引されると、吸引されるインク等は、チューブ上流端部23aからチューブ曲折部45を介してケース31内に送入される。ケース31内に送入されたインク等は、内周面34に沿って運ばれ、チューブ曲折部46からチューブ下流端部23bを介してチューブポンプ30外に導出され、廃液タンク24へ排出される。
そのチューブ上流端部23aとチューブ下流端部23bとの間には、図5に示すように、緩衝部材48が配設されている。緩衝部材48は、大きく弾性変形可能な弾性部材で形成され、被挟持部49と緩衝部50とを備えている。
被挟持部49は、図5に示すように、締結部41内にあって、集束チューブ23の上下方向に沿った高さ幅よりも若干大きい高さ幅を有する板状に形成されている。その被挟持部49は、締結部41に位置決めされるチューブ上流端部23aとチューブ下流端部23bとの間に配設され、これらチューブ上流端部23aとチューブ下流端部23bによって挟持固定されている。そして、この被挟持部49が挟持固定されることにより、緩衝部材48(緩衝部50)がケース31に対して位置決めされる。
緩衝部50は、図5に示すように、被挟持部49から径方向内側へ広がるように延設されている。緩衝部50は、被挟持部49の高さ幅と同高さを有する略三角柱状に形成されている。その緩衝部50には、図5に示すように、チューブ曲折部45,46の内側面に沿った当接面50a,50bがそれぞれ形成されている。そして、当接面50a,50bがそれぞれチューブ曲折部45,46と当接することにより、切り欠き部36近傍のチューブ被押圧部23cが内周面34に沿って配設される。
緩衝部50にあってこれら当接面50a,50bの間には、図5に示すように、押圧面50cが形成されている。押圧面50cは、締結部41と相対向する位置にあってチューブ曲折部45,46よりも径方向内側に形成されている。押圧面50cは、当接面50a,50bから連続形成される平面であって、締結部41と相対する位置の内周面34の延長面と相対するように形成されている。
チューブ被押圧部23cの内側には、そのチューブ被押圧部23cを上方から覆うようにして、押圧手段51が備えられている。その押圧手段51には、図5に示すように、回転部材52、支持部材53及び押圧ローラ57が備えられている。
その回転部材52には、図5に示されるように、回転軸52aが備えられている。回転軸52aは、支持孔33を介してポンプモータ(図示略)に連結駆動されている。その回転軸52aには、円盤52bが連設されている。回転軸52aは、内周面34の内径と略同じ外径からなる円盤であって、その中心が軸心A上に位置するようにして、かつ、回転軸52aと直交するようにして固設されている。そして、ポンプモータを回転駆動すると、これら回転軸52aと円盤52bが、その駆動力を受けて軸心Aを中心に回転する。
円盤52bの下側にあって円盤52bと底面32の間には、図5に示すように、支持部材53が備えられている。その支持部材53には、上板部54、下板部55、連結部56が備えられている。
上板部54は、円盤52bよりも小さい外径からなる円盤であって、円盤52bの下面と摺接可能に形成されている。その上板部54には、図5に示すように、その上側から下側を貫通する略C字状の案内溝54a(図6参照)が形成されている。案内溝54aは、上板部54の周方向に沿った略半周にわたる円弧状の溝であって、軸心Aからの径方向距離が、一端(図6における作動位置S)から周方向の他端(図8における退避位置T)に向かって徐々に短くなるように形成されている。その案内溝54aの一端には、径方向に延びる取り付け溝54b(図6参照)が形成されている。
下板部55は、上板部54の外径よりも小さい外径からなる円盤であって、ケース31の底面32と摺接可能にして上板部54と相対向するように形成されている。下板部55の外周部55aにあって案内溝54aと相対向する位置には、その外周部55aよりも小さい外径からなり案内溝54aと略同形状を有する円弧状の小径部(図示略)が形成されている。
連結部56は、これら上板部54と下板部55とを連結するものである。その連結部56には、上板部54の上面から下板部の下面までを貫通する貫通孔(図示略)が形成されている。その貫通孔は、回転軸52aの外径よりも大きい内径で形成されている。そして、その貫通孔に回転軸52aが挿通されると、支持部材53は、回転軸52aに対して径方向の移動が可能となる。その連結部56には、円盤52b(回転軸52a)にその一端が接続される図示しないバネ部材の他端が掛け止めされている。このバネ部材の弾性力により、連結部56(支持部材53)は、回転部材52と連結可能にして径方向外側へ付勢されている。そして、ポンプモータを駆動して回転軸52aを回転すると、支持部材53は、バネ部材による径方向外側の付勢に即して移動しながら、その回転駆動力を受けて回転する。
支持部材53には、図5に示すように、押圧ローラ57が備えられている。押圧ローラ57は、円柱状のローラであって、上板部54下面と下板部55上面との間の距離と略同高さ幅に形成されている。その押圧ローラ57の上面中心には、上側支軸57aが突設されている。上側支軸57aは、押圧ローラ57を案内支持するものであって、図5に示すように、上板部54の案内溝54aに貫挿されている。尚、押圧ローラ57の下側面には、その中心にあって上側支軸57aと同形状からなる図示しない下側支軸が突設されている。その下側支軸は、上側支軸57aと同じく押圧ローラ57を案内支持するものであって、下板部55に設けられる小径部に摺接可能に配設されている。因みに、この押圧ローラ57を支持部材53に取り付ける際には、この上側支軸57aを取り付け溝54bから
挿入させて、案内溝54aに貫挿させながら下側支軸を小径部の外周面に当接させる。そして、上側支軸57aが案内溝54aに貫挿されると、押圧ローラ57は、その案内溝54aに沿って略円弧状に摺動可能になる。この摺動過程において、上側支軸57aが案内溝54aの一端(作動位置S)に配置されると、押圧ローラ57の外周面は、内周面34に対して最も近接するようになる(図6参照)。反対に、上側支軸57aが案内溝54aの他端(退避位置T)に配置されると、押圧ローラ57の外周面は、内周面34に対して最も離間するようになる(図8参照)。
そして、ポンプモータを駆動して回転軸52aを正転方向D1(図6参照)に回転すると、押圧ローラ57は、連結部52cを介した回転駆動力を受け、正転方向D1に公転する。この際、前記図示しないバネ部材が連結部52cを径方向外側に付勢して、押圧ローラ57を径方向外側に付勢する。この付勢を受け、押圧ローラ57は、チューブ被押圧部23c及び押圧面50cを径方向外側に向かって押し潰す。そして、押圧ローラ57がチューブ被押圧部23c等を押し潰しながら公転すると、押圧ローラ57の外周面は、チューブ被押圧部23c内側面から摩擦力等による正転方向D1と反対方向(反転方向D2)(図8参照)の反力を受ける。この反力を受け、押圧ローラ57の上側支軸57aを中心とする自転方向D3(図6参照)に自転する。さらにまた、この反力を受け、上側支軸57a(押圧ローラ57)は、案内溝54aに沿って反転方向D2に摺動して作動位置S近傍に移動する。作動位置S近傍に位置する押圧ローラ57は、その外周面を軸心Aに対して最も外側に配置させ、チューブ被押圧部23cを大きく押し潰すようになる。即ち、回転軸52aが正転方向D1に回転すると、押圧ローラ57は、その上側支軸57aを作動位置S近傍に配置させ、チューブ被押圧部23cを押し潰しながら内周面34に沿って転動する。尚、本参考例において、前記図示しないバネ部材の弾性力は、押圧ローラ57がチューブ被押圧部23cを押し潰せる力である。その弾性力は、押圧面50cにおいても同じく、押圧ローラ57が押圧面50c及び当接面50a,50bを介してチューブ曲折部45,46を押し潰せる力である。
次に、上記のように構成されたチューブポンプ30の作用について図6〜図8に従い説明する。図6は、押圧ローラ57がチューブ被押圧部23cの下流側に位置するチューブポンプ30を示す平断面図、図7は押圧ローラ57が緩衝部材48の押圧面50cに相対するチューブポンプ30を示す平断面図、図8は押圧ローラ57を反転方向に回転したチューブポンプ30を示す平断面図である。
今、図6に示すように、回転軸52aを正転方向D1に回転すると、上流側に位置する押圧ローラ57は、その回転駆動力を受けてチューブ被押圧部23cを押し潰しながら内周面34に沿って下流側に転動し、吸引流路25a,26a内にあるインク等を下流側に押し流す。
そして、チューブ被押圧部23cの下流側を通過すると、押圧ローラ57は、緩衝部50(押圧面50c)上に移動する。この際、押圧面50cが内周面34の延長面と相対するように形成されるため、押圧ローラ57は、チューブ被押圧部23c上から押圧面50c上へと円滑に移動する。押圧面50c上に移動する押圧ローラ57は、図7に示すように、押圧面50cを径方向外側に押圧して緩衝部50を弾性変形させる。この弾性変形により、当接面50b,50aがそれぞれ順次チューブ曲折部46,45を押し潰す。即ち、押圧面50c上に円滑に移動した押圧ローラ57は、当接面50a,50bを介して、常にチューブ被押圧部23cの一部を押し潰しながら転動する。
その押圧ローラ57が押圧面50c上を通過すると、押圧ローラ57は、チューブ被押圧部23cの上流側に移動する。この際、押圧面50c上への移動と同じく、押圧ローラ57は、押圧面50c上からチューブ被押圧部23c上へと円滑に移動する。そして、押
圧ローラ57がチューブ被押圧部23cの上流側に移動すると、緩衝部50は、その弾性変形を解除してチューブ被押圧部23cの押し潰しを解除する。
つまり、チューブ被押圧部23cの下流側に到達した押圧ローラ57を上流側に移動させる過程において、押圧面50c(緩衝部50)は、押圧ローラ57の径方向に沿った急激な移動を規制して、その押圧ローラ57を円滑に受け渡す。この緩衝部50による押圧ローラ57の受け渡しは、被挟持部49がチューブ上流端部23a及びチューブ下流端部23bに挟持されることによって、緩衝部50の位置ずれ等の問題を来たすことなく常に円滑に行われる。さらに、当接面50a,50b(緩衝部50)は、押圧ローラ57の押圧によって、常にチューブ被押圧部23cの一部を押し潰す。
こうして、チューブポンプ30は、押圧ローラ57とチューブ被押圧部23c(チューブ曲折部45)との衝突、さらにはチューブ被押圧部23cの間欠的な押し潰し(吸引)を回避して、安定したインク等の吸引排出動作を行う。
因みに、インク等の吸引排出動作(クリーニング)を終了すると、チューブポンプ30は、図8に示すように、ポンプモータを回転駆動して回転軸52aを反転方向D2に回転する。すると、押圧ローラ57は、その回転駆動力を受けて反転方向D2に公転する。この際、反転方向D2の回転により、押圧ローラ57は、チューブ被押圧部23cの内側面から摩擦力等による正転方向D1の反力を受ける。この反力を受け、上側支軸57a(押圧ローラ57)は、案内溝54aに沿って正転方向D1に摺動して退避位置T近傍に移動する。上側支軸57aが退避位置T近傍に移動すると、ポンプモータを停止して押圧ローラ57の転動を停止する。これにより、押圧ローラ57の外周面が内周面34(チューブ被押圧部23cの内側面)に対して最も離間する位置に配置され、チューブ被押圧部23cの押圧を解放した状態で保持される。この解放によって、クリーニング等を行わない場合に、チューブ被押圧部23cや緩衝部50の押し潰しを回避して、チューブ被押圧部23cや緩衝部50の変形等による劣化を防止する。
上記参考例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本参考例によれば、緩衝部材48の被挟持部49をチューブ上流端部23a及びチューブ下流端部23bにより挟持固定するようにした。そして、緩衝部材48の緩衝部50に、それぞれチューブ曲折部45,46と当接する当接面50a,50bを設けた。さらに、これら当接面50a,50bの間に、同当接面50a,50bから連続して形成され、チューブ曲折部45,46よりも径方向内側に位置する押圧面50cを形成した。従って、チューブ被押圧部23cの下流側に到達した押圧ローラ57が上流側に移動するとき、押圧面50cによる案内や緩衝部50の弾性変形によって、押圧ローラ57の径方向に沿った急激な変位を回避することができる。その結果、押圧ローラ57とチューブ曲折部45,46との衝突等を回避でき、上流側と下流側との間の押圧ローラ57の円滑な受け渡しを行うことができる。また、押圧ローラ57が当接面50a,50bを介してチューブ曲折部45,46を押し潰すため、上流側と下流側との間の受け渡しにおいても、間欠的な吸引排出動作を回避することができる。
(2)本参考例によれば、押圧面50cを、締結部41と相対する位置の内周面34の延長面と相対するように形成した。従って、チューブ被押圧部23cの下流側から押圧面50cに移動するとき、或いは、押圧面50cからチューブ被押圧部23cの上流側に移動するときに、押圧ローラ57を円滑に移動させることができ、押圧ローラ57とチューブ曲折部45,46との衝突等による振動や騒音をより効果的に低減することができる。
(3)本参考例によれば、インク等の吸引排出動作を完了したチューブポンプ30の回転軸52aを、反転方向D2に回転して、押圧ローラ57の上側支軸57aを退避位置T
に配置するようにした。従って、クリーニング等を行わない時、チューブ被押圧部23cや緩衝部50を、押圧ローラ57によって押し潰されることなく保持することができる。その結果、押圧ローラ57の押し潰しによるこれらチューブ被押圧部23cや緩衝部50の劣化等を防止することができる。
(4)本参考例によれば、緩衝部材48は、緩衝部50から延出形成した被挟持部49を、締結部41に位置決めされるチューブ上流端部23aとチューブ下流端部23bとの間に挟持固定させた。従って、簡単な構成で、緩衝部材48は、ケース31に対して確実に位置決め保持される。
(実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図9〜図10に従って説明する。尚、本実施形態は、上記参考例におけるチューブポンプ30の緩衝部50の形状を変更したものであり、その他の点では参考例と同一の構成になっている。そのため、以下ではその変更点について詳細に説明する。
図9は、押圧ローラ57がチューブ被押圧部23cの下流側に位置するチューブポンプ30を示す平断面図、図10は押圧ローラ57が締結部41と相対する位置にあるチューブポンプ30を示す平断面図である。
図9に示すように、緩衝手段としての緩衝部材48には、板部材としての緩衝部60が備えられている。緩衝部60は、大きく弾性変形可能な弾性部材であって、被挟持部49と略同形状からなる板状に形成されている。その緩衝部60は、被挟持部49と一体形成されて径方向内側に向かって延設されている。その緩衝部60の側面であってチューブ曲折部45,46と相対する側面には、それぞれ平面形状の当接面61と押圧面62とが形成されている。そして、チューブ曲折部45,46間の空間にこの押圧面62(緩衝部60)を形成すると、チューブ曲折部45,46間の幅が下流側と上流側とに分割される、即ち、押圧ローラ57の径方向に沿った移動を許容する空間が削減される。
今、ポンプモータを駆動して正転方向D1に沿って回転軸52aを回転する。すると、上流側に位置する押圧ローラ57は、図9に示すように、チューブ被押圧部23cを押し潰しながら正転方向D1に沿って下流側に転動する。そして、押圧ローラ57がチューブ被押圧部23cの下流側を通過すると、その押圧ローラ57は、内周面34(切り欠き部36)に沿ってチューブ曲折部46を押し潰しながら緩衝部60の押圧面62に当接する。この当接によって、押圧ローラ57は、チューブ曲折部46の内側面に沿った移動、即ち径方向に沿った移動を規制される。
そして、押圧ローラ57が押圧面62に当接すると、緩衝部60(押圧面62)は、その押圧ローラ57の正転方向D1に沿った応力を受け、当接面61をチューブ曲折部45の内側面に当接させるようにして撓曲する。この撓曲によって、押圧ローラ57は、図10に示すように、緩衝部60(押圧面62)上を転動して押圧し、チューブ曲折部46を押し潰す。つまり、これらチューブ曲折部45,46を押し潰す過程において、緩衝部60は、押圧ローラ57の径方向に沿った急激な移動を規制して、下流側に到達した押圧ローラ57を上流側に受け渡す。
これにより、押圧ローラ57は、チューブ被押圧部23cの下流側と上流側との間を、そのチューブ被押圧部23cの一部を常に押し潰すようにして円滑に移動する。そして、押圧ローラ57がチューブ被押圧部23cの上流側に移動すると、緩衝部60は、その撓曲を解除してチューブ被押圧部23cの押し潰しを解放する。こうした緩衝部60による押圧ローラ57の受け渡しは、被挟持部49がチューブ上流端部23a及びチューブ下流
端部23bに挟持されることによって、緩衝部60の位置ずれ等の問題を来たすことなく常に円滑に行われる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態によれば、弾性部材からなる緩衝部60を、被挟持部49と略同形状からなる板状に形成して、径方向内側に向かって延設するようにした。従って、チューブ被押圧部23cの下流側に到達した押圧ローラ57が上流側に移動するとき、押圧面62と当接する押圧ローラ57の径方向に沿った急激な移動を回避することができる。その結果、押圧ローラ57とチューブ曲折部45,46との衝突等を回避でき、上流側と下流側との間の押圧ローラ57を円滑に受け渡すことができる。また、押圧ローラ57が緩衝部60を介してチューブ曲折部45を押し潰すため、上流側と下流側との間の受け渡しにおいても、間欠的な吸引排出動作を回避することができる。さらに、緩衝部60を被挟持部49と略同形状からなる板状に形成することによって、複雑な曲面等を加工する場合に比べ、緩衝部材48の加工性や量産性を向上させることができる。
(2)上記実施形態も、緩衝部材48は、被挟持部49を、締結部41に位置決めされるチューブ上流端部23aとチューブ下流端部23bとの間に挟持固定させた。従って、簡単な構成で、緩衝部材48は、ケース31に対して確実に位置決め保持される。
なお、上記実施形態あるいは参考例は以下のように変更してもよい。
・上記参考例では、当接面50a,50b及び押圧面50cを曲面として形成したが、これに限らず、平面であってもよく、押圧ローラ57を円滑に受け渡すことができ、その押圧によりチューブ曲折部45,46を押し潰すことができる形状であればよい。
・上記実施形態あるいは参考例では、一つの押圧ローラ57を備えるチューブポンプ30に具体化したが、これに限らず、押圧ローラ57を複数設ける構成にしてもよい。
・上記参考例では、被挟持部49と緩衝部50とを一体形成して緩衝部材48を具体化したが、これに限らず、被挟持部49と緩衝部50とを別体として形成してもよく、被挟持部49によって緩衝部50が位置決めされる構成であればよい。
・上記実施形態あるいは参考例では、集束チューブ23を2本のチューブ25,26にて構成したが、1本のチューブで構成されるようにしてもよく、また、3本以上のチューブで構成されるようにしてもよい。
・上記実施形態あるいは参考例では、支持部材53(バネ部材)が押圧ローラ57を径方向外側に付勢する構成とした。これを変更し、付勢されない状態でチューブ被押圧部23c、或いは緩衝部50,60を押し潰すことができる場合には、押圧ローラ57にその付勢(バネ部材)を施さない構成としてもよい。
・上記実施形態あるいは参考例では、被挟持部49を締結部41内に収容するようにしたが、これに限らず、締結部41を介して径方向外側に突出するようにしてもよく、切り欠き部36を介して締結部41に若干進入する程度であってもよい。
10…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、14…液体収容体としてのインクカートリッジ、16…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、19…ノズル形成面、21…封止手段としてのキャップ、21a…吸引孔、21b…吸収材、21c…外枠、23…集束チューブ、23a…チューブ上流端部、23b…チューブ下流端部、23c…チューブ被押圧部、24…廃液タンク、24a…廃液吸収材、25,26…チューブ、25a,26a…吸引流路、30…チューブポンプ、31…ケース、32…底面、33…支持孔、
34…内周面、36…導出部を構成する切り欠き部、37…溝部、38,39…嵌合凹部、41…導出部を構成する締結部、42,43…嵌合溝、44…挿通孔、45,46…チューブ曲折部、48…緩衝手段としての緩衝部材、49…被挟持部、50…緩衝部、50a,50b…当接面、50c…押圧面、51…押圧手段、52…回転部材、52a…回転軸、52b…円盤、53…支持部材、54…上板部、54a…案内溝、54b…取り付け溝、55…下板部、55a…外周部、56…連結部、57…押圧ローラ、57a…上側支軸、60…板部材としての緩衝部、61…当接面、62…押圧面、A…軸心、D1…正転方向、D2…反転方向、M1…キャリッジモータ、M2…紙送りモータ、P…記録用紙、S…作動位置、T…退避位置。

Claims (3)

  1. 可撓性チューブと、前記可撓性チューブの途中部分を内周面に沿って収容する有底円筒状のケースと、前記可撓性チューブの上流側から前記可撓性チューブの下流側に向かって順次前記可撓性チューブを押し潰しながら前記可撓性チューブの内側面に沿って転動する押圧ローラと、前記可撓性チューブの上流側と下流側とを前記内周面から前記内周面の径方向外側に曲折して導出する導出部とを備えるチューブポンプにおいて、
    前記導出部にある前記曲折する可撓性チューブの上流側と下流側との間に設けられ、その前記可撓性チューブの上流側と下流側とに挟持されるものであり、前記押圧ローラが通過するとき、前記押圧ローラの径方向に沿った移動に伴って前記可撓性チューブを押し潰して、下流側に到達する前記押圧ローラを再び上流側に受け渡す緩衝手段を備え、
    前記緩衝手段は、
    前記導出部から前記内周面の内側に突出するかたちに形成され、前記押圧ローラが通過するとき、前記周方向に撓曲して前記可撓性チューブを押し潰す板部材である
    ことを特徴とするチューブポンプ。
  2. 請求項1に記載のチューブポンプにおいて、
    前記緩衝手段は、弾性部材である
    ことを特徴とするチューブポンプ。
  3. 液体収容体から供給された液体を噴射ノズルから噴射させる液体噴射ヘッドのノズル形成面を封止する封止手段を備えた液体噴射装置において、
    可撓性チューブと、前記可撓性チューブの途中部分を内周面に沿って収容する有底円筒状のケースと、前記可撓性チューブの上流側から前記可撓性チューブの下流側に向かって順次前記可撓性チューブを押し潰しながら前記可撓性チューブの内側面に沿って転動する押圧ローラと、前記可撓性チューブの上流側と下流側とを前記内周面から前記内周面の径方向外側に曲折して導出する導出部と、
    前記導出部にある前記曲折する可撓性チューブの上流側と下流側との間に設けられ、その前記可撓性チューブの上流側と下流側とに挟持されるものであり、前記押圧ローラが通過するとき、前記押圧ローラの径方向に沿った移動に伴って前記可撓性チューブを押し潰して、下流側に到達する前記押圧ローラを再び上流側に受け渡す緩衝手段とからなるチューブポンプを備え、
    前記緩衝手段は、
    前記導出部から前記内周面の内側に突出するかたちに形成され、前記押圧ローラが通過するとき、前記周方向に撓曲して前記可撓性チューブを押し潰す板部材である
    ことを特徴とする液体噴射装置。
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