JP5317396B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、往復移動するキャリッジに搭載されたヘッドユニットから記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
記録装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合機器やワークステーションの出力機器として用いられる。この記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチックシート等の記録媒体に画像を記録していくように構成されている。記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、熱転写式、感熱式、レーザービーム式等に分けることができる。また、記録装置は、走査方式により、シリアルタイプとラインタイプに分けることができる。シリアルタイプでは、記録ヘッドを記録媒体に沿って移動させる主走査と記録媒体を紙送りする副走査とを組み合わせて画像を記録する。ラインタイプでは、記録媒体の幅方向に延びる記録ヘッドを用いて1ライン分を一括して記録しながら、搬送方向の副走査のみで画像を記録する。
インクジェット記録装置においては、画像情報に基づいて、記録ヘッドに設けられた複数の吐出口から選択的にインクを吐出させることにより画像を記録する。このため、時間経過とともに、吐出口内のインクが乾燥して増粘・固着し、吐出不良になることがある。また、吐出口内のインクへの紙粉や気泡等の混入に起因する吐出不良により記録品位の低下が生じることがある。そこで、記録しないときに記録ヘッドの吐出口の保護及び乾燥防止のためにキャップでキャッピングすることが行われている。また、吐出不良の原因となる固着インクや気泡等をインクとともに排出除去するため、ポンプにより吐出口に負圧吸引力を作用させてインクを強制的に排出させる吸引回復処理が行われている。また、吐出口から記録以外のインク吐出を行う予備吐出による回復処理も行われている。さらには、吐出口周辺に付着したインクやほこりを拭き取り除去するワイピング処理も行われている。
シリアルタイプのインクジェット記録装置の場合、これら回復処理を行うための回復機構部(又はクリーニング機構部)は、一般に、記録ヘッドを搭載したキャリッジの移動範囲内であって記録領域を外れた位置に配設される。また、回復動作のための機構の一つとして、キャリッジの回復機構部への進入を利用して、キャップを保持したスライダをカム面に沿って追従移動させる構成のものが知られている。このようなスライドキャップ方式のクリーニング機構部では、記録ヘッドをキャッピングした後にキャップ内に負圧を発生させ、記録ヘッドの吐出口からインクを吸引する回復処理が行われる。このような構成は、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1の構成では、キャップにインク吸引孔と大気連通孔が設けられている。吸引を行う際には、大気連通孔を閉じた状態でポンプによる負圧を発生させることにより、記録ヘッドの吐出口からインクを吸引する。その後、キャリッジがクリーニング機構部へ移動してくると、キャップが記録ヘッドに密着したままの状態で大気連通孔の開閉弁を開く。この開弁動作は、キャリッジの移動によって、キャップの下部に設けられた大気連通弁のレバーをキャップから離れる方向へ移動させることで行われる。これによって、キャップ内の負圧が開放される。次いで、キャリッジが記録領域側へ移動する間に、記録ヘッドの吐出面のワイピングが行われる。
特許文献2の構成では、キャップにインク吸引口のみが設けられている。吸引を行う際には、キャリッジが記録ヘッドとキャップを密着させる位置まで移動し、ポンプによる負圧を発生させることで記録ヘッドからのインク吸引が行われる。吸引が終わった後、キャリッジがさらにクリーニング機構部の奥側へ進入すると、キャップホルダに設けられたカム形状部がベースのカム押下部と当接することでキャップの一端が開放される。この状態でキャップ内の負圧が開放される。そして、ポンプ駆動を引き続き行うと、キャップ内の廃インクを排出することができる。
特開2000−135794号公報 特開2004−009576号公報
しかしながら、こうした従来の構成では、以下のような解決すべき技術的課題があった。すなわち、特許文献1では、複数個の記録ヘッドからインクを個別に吸引するため、負圧発生手段であるポンプを正逆両方向に駆動する必要がある。このため、モータの数を減らそうとする場合には、動作上及び機構上の制約が多くなってしまう。また、キャップ内の負圧を開放するために余分な機構が必要になるなど、部品点数が多くなってしまう。
特許文献2では、複数の記録ヘッドの吸引回復処理を行うとき、記録ヘッドごとに個別にインクを吸引することができず、従って、一部のインク吐出部のみを吸引回復することができない。これに対処する方法として、同様な構成で、インク吐出部(又は記録ヘッド)の数に対応させて複数のキャップを設けることも考えられる。そして一部(又は片側)のキャップのみ、あるいは両方のキャップホルダにカムを設け、それぞれのインク吐出部からインクを吸引する方法が考えられる。しかしながら、このような構成では、記録ヘッドからインクを吸引する前に、ポンプを密閉したままの状態でキャッピングを行うと、記録ヘッドの吐出口部に微小な正圧をかけてしまうことになる。そして、この正圧によって吐出口近傍のインクを液室内に押し込んでしまい、予備吐出もしくは吸引回復処理を行わない限り、良好な記録品位を得ることができない。
一方、ポンプを開放状態にしたまま記録ヘッドのキャッピングを行い、その後に吸引動作を行う方法も考えられる。しかしながら、このような制御を用いた場合、チューブポンプ内における押圧ローラの位置など、ポンプの動作位置にばらつき等が生じ、吸引処理ごとのインク吸引量がばらつくといった課題が発生する。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、複数のインク吐出部を有するインクジェット記録装置において、簡単な構成で、一部のインク吐出部からのみの吸引と、複数のインク吐出部からの吸引と、を選択的に行うことができるインクジェット記録装置を提供することである。これによって、不要なインク排出を低減できるインクジェット記録装置を提供することである。
本発明は、上記目的を達成するため、記録領域において記録媒体に記録を行う第1のヘッド及び第2のヘッドを搭載して往復移動するキャリッジと、前記第1のヘッドのインク吐出部をキャッピングする第1のキャップと、前記第2のヘッドのインク吐出部をキャッピングする第2のキャップと、前記第1のキャップ及び前記第2のキャップを保持し前記キャリッジの移動に追従して前記キャリッジの移動方向及び前記インク吐出部が設けられた吐出面と直交する方向に移動するスライダと、を備えるインクジェット記録装置において、前記キャリッジが前記記録領域にあるときに、前記直交する方向において前記第1のキャップは前記第2のキャップよりも前記吐出面に近い側に配され、前記キャリッジは、前記第1のヘッドのインク吐出部が前記第1のキャップにキャッピングされ前記第2のヘッドのインク吐出部と前記第2のキャップが離間している第1のキャッピング位置と、前記記録領域に対して前記第1のキャッピング位置よりも離れた位置であって前記第1のヘッド及び前記第2のヘッドのインク吐出部がそれぞれ前記第1のキャップ及び前記第2のキャップにキャッピングされる第2のキャッピング位置と、に移動することを特徴とする。
本発明によれば、複数のインク吐出部を有するインクジェット記録装置において、簡単な構成で、一部のインク吐出部からのみの吸引と、複数のインク吐出部からの吸引と、を選択的に行うことができる。これにより、不要なインク排出を低減できるインクジェット記録装置が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1は本発明によるインクジェット記録装置の一実施形態の斜視図である。図1において、キャリッジ6には、ブラックインク吐出部を有してブラックインクで記録するブラックヘッド(第1のヘッド)7と、カラーインク吐出部を有してカラーインクで記録するカラーヘッド(第2のヘッド)8が搭載されている。キャリッジ6は、シャーシ1に設けられた2本の平行なガイドレール51、52に沿って往復移動可能に案内支持されている。キャリッジモータでキャリッジ6を駆動することにより、2個の記録ヘッド7、8は紙やプラスチックシート等からなる記録媒体に沿って移動する。本実施形態では、インク吐出部を有する2個の記録ヘッド7、8によって、キャリッジ6に搭載されるヘッドユニット50が構成されている。このキャリッジに搭載されるヘッドユニット50は、ブラックインク吐出部とカラーインク吐出部とを有する一体型の1個の記録ヘッドで構成しても良い。
記録媒体は、搬送ローラ2の回転駆動によりキャリッジ6の移動方向と交差する方向に記録部(画像形成部)を通して搬送される。画像情報に基づく記録ヘッド7、8の駆動及びキャリッジ6の主走査移動による1ライン分の記録と、搬送ローラ2による所定ピッチの紙送りとを交互に繰り返すことにより、記録媒体全体の画像が記録される。記録された記録媒体は、搬送ローラ2と同期駆動される排紙ローラ(不図示)によって装置本体外へ排出される。記録装置のキャリッジ6の移動範囲内であって記録領域を外れた所定位置に、ブラックヘッド7、カラーヘッド8のインク吐出性能を維持回復するための回復機構部(又はクリーニング機構部)30が設けられている。
図2は回復機構部30及びその周辺部を左前方から見た斜視図である。図3は本実施形態に係るインクジェット記録装置のキャリッジ6に搭載されたヘッドユニット50をインク吐出部側から見た斜視図である。図1及び図2において、回復機構部30には、ブラックヘッド7及びカラーヘッド8の吐出面(吐出口が配列されたフェイス面)に対応するキャップ(第1のキャップ)11及びキャップ(第2のキャップ)12が設けられている。これらのキャップ11、12は、それぞれのキャップホルダ15、15を介してスライダ10に保持されている。スライダ10は、回復機構部30のベース19に設けられたカム面19aに沿って、キャリッジ移動方向にスライド可能に装着されている。ブラックヘッド7は、ブラックインクを吐出するインク吐出部を構成しており、カラーヘッド8は、カラーインクを吐出するインク吐出部を構成している。
スライダ10は、回復機構部30に進入してくるキャリッジ6と係合することで、所定範囲にわたって該キャリッジに追従して移動可能である。また、スライダ10は、ベース19のカム面19aと摺動可能に係合しており、キャリッジ6に追従移動することによりブラックヘッド7、カラーヘッド8の吐出面と垂直方向に移動可能である。このスライダ10の垂直方向(図示の上下方向)の移動によって、キャップ11、12をインク吐出部の吐出面に密着させたり、離間させたりすることができる。図3において、本実施形態では、ブラックヘッド7は顔料インクであるブラックインクを吐出し、カラーヘッド8は染料インクであるカラーインクを吐出する。ブラックヘッド7の吐出面7aにはブラックインクの1列の吐出口列が形成されている。カラーヘッド8の吐出面8aにはシアン、マゼンタ及びイエローの各インクの3列の吐出口列が形成されている。
キャップ11はブラックヘッド7に対応するブラックキャップであり、キャップ12はカラーヘッド8に対応するカラーキャップである。ブラックキャップ11にはブラック吸引チューブ13が接続され、カラーキャップ12にはカラー吸引チューブ14が接続されている。これらの吸引チューブ13、14は、負圧発生手段である吸引ポンプ40へ導かれている。本実施形態では、吸引ポンプ40として、チューブをしごくことで該チューブ内に負圧を発生させるチューブポンプが使用されている。図4は吸引ポンプ40を示す斜視図である。図5は図4の吸引ポンプ40の縦断面図である。キャップ11、12をブラックヘッド7、カラーヘッド8の吐出面7a、8aに密着させて吐出口を覆った(キャッピングした)状態で吸引ポンプ40を作動させることにより、キャップ11、12の内部に負圧が導入される。キャッピング状態で負圧を作用させることで吐出口からインクを吸引することができ、キャップ内にインクを予備吐出した後に負圧を作用させることで、キャップ内の廃インクを吸引することができる。
次に、回復機構部30の吸引ポンプ40の詳細について説明する。図5において、ポンプ軸上には、軸方向に並べて2個のローラホルダ42、43が取り付けられている。各ローラホルダには、円周方向の相対向する位置に2個ずつのローラ44が回転可能に装着されている。2連のローラホルダ42、43が互いに接続された状態で回転することで、それぞれのローラ44を自転させながら公転させることができる。そして、各ローラ44の公転及び自転によって、ポンプケース41の内周面に沿って這い回されたポンプチューブ13、14を押しつぶすとともに押しつぶし位置を移動させることができる。これによって、各チューブ13、14内に負圧が発生する。
本実施形態では、吸引ポンプ40は搬送ローラ2の逆転駆動を利用して駆動される。すなわち、ブラックヘッド7、カラーヘッド8をキャッピング又はアンキャッピングした状態で搬送ローラ2を逆転駆動すると、この駆動が出力ギア3、アイドラギア4及びポンプ駆動ギア5を介して吸引ポンプ40へ伝達される。この駆動は、まず、吸引ポンプ40のローラホルダ42へ伝達される。すると、ローラホルダ42に軸支されたローラ44によって、吸引チューブと連続したポンプチューブ13、14がポンプベース41の内壁面との間でしごかれる。これによって、ポンプチューブの内部に負圧が生成される。この負圧は、吸引チューブ13、14を通してキャップ11、13内へ導入される。この負圧は、吸引回復の場合はキャッピング状態のキャップ内に導入されて吐出口からインクを吸引する。一方、アンキャッピング状態でキャップ内にインクを吐出する予備吐出(回復処理の一つ)の場合は、キャップ内に吐出された廃インクを排出(吸引)する。
所定量の吸引が完了すると、ローラホルダ42、43を逆転方向(搬送ローラ2の正転方向)に回転駆動することにより、各ローラ44を半径方向内方へ移動させる。これによって、吸引チューブ13、14の押しつぶしが解除される。これにより、吸引チューブ13、14の内部の負圧が解除され、インク吸引排出が停止される。
ブラックヘッド7、カラーヘッド8の回復処理を実行するにあたっては、インクの吸引や予備吐出動作を行うための様々な条件がある。顔料インクであるブラックインクを吐出するブラックヘッド7においては、染料インクであるカラーインクを吐出するカラーヘッド8に比べ、インクが早期に固着し易い傾向がある。このため、ブラックヘッド7では、キャッピングを一定期間継続した後に記録を行う場合は、記録開始前にブラックヘッド7の吐出口からインクを吸引する必要がある。これは、吐出口から増粘インクを除去することにより良好な記録品位を維持するためである。一方、染料インクであるカラーインク(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー)を吐出するカラーヘッド8においては、キャッピングを一定期間継続してもインクの増粘や固着は発生し難い。このため、カラーヘッド8の方は、記録開始前にいちいちインク吸引を行う必要はない。
ただし、連続して記録動作を行った場合には、吐出面へのインクミスト付着に起因する吐出不良を解消するために、予備吐出やワイピングを実行することがある。予備吐出は、記録動作の途中で所定量のインクをインク受け(キャップ)に向けて吐出する回復動作である。また、ワイピングは、ヘッド7、8の吐出面をワイパーで拭き取り除去する回復動作である。これらの回復動作によって、記録画像の品位を安定させることができる。また、何らかの理由でヘッド7、8からのインク吐出が安定しない場合には、ユーザーの判断でヘッド7、8の吐出口からインクを吸引する吸引回復動作を実行することがある。
図6は本実施形態に係るインクジェット記録装置の回復機構部30のスライダ10の部分を斜め上方から見た斜視図である。図7は図6のスライダの部分を斜め下方から見た斜視図である。図8は図6のスライダ10が待機位置にあるときの回復機構部30を記録領域側から見た部分側面図である。図9は図6のスライダがロックされたときの回復機構部を記録領域側から見た部分側面図である。図10は図6のスライダがキャリッジの戻り移動によりロック解除されるときの回復機構部を記録領域側から見た部分側面図である。図11は本実施形態に係るインクジェット記録装置のキャップ及びキャップホルダの部分を斜め上方から見た斜視図である。図12は本実施形態に係るインクジェット記録装置においてキャリッジの移動によりスライダのロックを解除するときの回復機構部の状態を斜め上方から見た斜視図である。
次に、図6〜図12を用いて、本実施形態に係る回復機構部30の詳細を説明する。図6〜図12において、ブラックキャップ11及びカラーキャップ12はそれぞれのキャップホルダ15、15に保持されており、各キャップホルダはスライダ10に対し係止爪15aにより係止されている。また、キャップホルダ15は、キャップばね16によりヘッド側へ向けて(図示上向きに)付勢されるとともに係止爪15aに係止することで、スライダ10に対する高さを規制されて保持されている。そこで、キャップホルダの係止爪15aを係止させるためにスライダ10に形成された係止面の高さを各キャップ11、12で異ならせることにより、これらのキャップ11、12の高さ方向の位置が異なるように構成されている。つまり、これらのキャップ11、12の上端の密着面の高さ(従って、キャップ開放状態におけるブラックヘッド7、カラーヘッド8の吐出面との距離)が異なるように構成されている。本実施形態では、キャップ開放状態で、ブラックキャップ11の方がカラーキャップ12よりもヘッド7、8の吐出面に近い位置に規制されている。
図6、図7において、スライダ10には、側方へ突出した複数本(両側に2本ずつ)の摺動軸10aが設けられている。これらの摺動軸10aのそれぞれがベース19に設けられたカム面19aと摺動可能に係合している。また、キャリッジ6が記録領域内に位置するとき、スライダ10は、ベース19との間に張架されたスライダばね17によって記録領域側へ付勢された状態で、ストッパーによって記録領域側の所定位置(待機位置)に保持されている。スライダ10には突出部10bが設けられており、回復機構部30へ進入してきたキャリッジ6が突出部10bを押圧することにより、該スライダは該キャリッジに追従して移動することができる。
キャリッジ6が回復機構部30へ移動(進入)して、スライダばね17に抗してスライダ10を第1のキャッピング位置まで押し込む。すると、該スライダが上昇することでブラックキャップ11がブラックヘッド7の吐出面7aに密着し、ブラックインクの吐出口をキャッピングする。このとき、カラーキャップ12の方は、ブラックキャップ11より低い位置に装着されているため、第1のキャッピング位置では未だカラーヘッド8の吐出面8aと当接していない。つまり、第1のキャッピング位置では、ブラックキャップ11のみがキャッピング状態にあり、カラーキャップ12の方は吐出面8aから離間している。
キャリッジ6が第1のキャッピング位置からさらに回復機構部30の奥側へ移動すると、スライダばね17に抗して、スライダ10はさらにカム面19aの最上昇位置に到達する。このキャリッジ6の位置を第2のキャッピング位置と呼ぶ。この第2のキャッピング位置では、ブラックキャップ11及びカラーキャップ12の両方とも、それぞれのヘッド7、8の吐出面に密着しキャッピング状態になっている。各キャップ11、12の密着面はゴム等の弾性部材で形成されており、キャッピング状態では各キャップは弾性変形することで密閉状態を維持している。従って、第2のキャッピング位置におけるブラックキャップ11の変形量は、第1のキャッピング位置における変形量より大きくなっている。キャリッジ6を第2のキャッピング位置まで移動させることにより、ブラックヘッド7及びカラーヘッド8の両方をキャッピングすることができる。
図6〜図10において、スライダ10には、トリガーばね21によって矢印Eで示す回転方向に付勢されたトリガーレバー20が取り付けられている。つまり、トリガーレバー20の先端は、トリガーばね21によって回転方向(矢印Eで示す反時計回り)に付勢されている。このため、キャリッジ6が記録領域に位置し、スライダ10が記録領域側の待機位置にあるときは、トリガーレバー20の先端はベース19の座面19bの側面に摺動可能に突き当たっている。これにより、トリガーレバー20は図示の位置に静止している(保持されている)。キャリッジ6が回復機構部30へ進入し、スライダ10が図9の位置までくると、該スライダがカム面19aに沿って上昇する。このため、トリガーレバー20はベース19の座面19bを乗り越える位置まで回転し、先端がベース面19bの上面と摺擦可能な位置に規制される。スライダ10が前述の第1キャッピング位置及び第2のキャッピング位置を移動する間、トリガーレバー20は図9に示すようなベースの座面19bを乗り越えた位置に静止している(ロック又は保持されている)。
次に、キャリッジ6をキャッピング位置から記録領域へ向けて移動させるときの状態を説明する。キャリッジ6が反転移動して記録領域側へ移動を開始するとき、トリガーレバー20の先端はベース座面19bを乗り越えた位置に保持されたままである。従って、キャリッジ6が反転移動して図9に示す位置まで戻ってくると、スライダ10はトリガーレバー20によって所定位置(ワイピング位置)にロックされる。すなわち、スライダ10がスライダばね17によって記録領域側へ移動するとともにカム面19aに沿って下降するため、スライダ上のトリガーレバー20の先端がベース座面19bの上面に当接する。このため、トリガーレバー20とベース座面19bとの間の摩擦力によって、スライダ10はワイピング位置にロックされて停止する。
スライダ10がワイピング位置にロックされると、キャリッジ6とスライダ10の追従動作が切断される。つまり、スライダ10は、キャリッジ6の戻り移動にも関わらず、ワイピング位置に停止される。一方、スライダ10の記録領域側の端部近傍には、図6に示すように、ゴムブレード(ゴム板)等からなるワイパー18が保持されている。従って、継続してキャリッジ6が記録領域へ向けて移動すると、ブラックヘッド7、カラーヘッド8の吐出面7a、8aとスライダ上のワイパー18が互いに摺擦することになる。これによって、吐出面7a、8aに付着したインクやほこり等を拭き取り除去するワイピング動作が行われる。この場合のワイピングは、静止しているワイパー18に対してブラックヘッド7、カラーヘッド8が移動することにより行われる。
そして、更にキャリッジ6が記録領域側へ移動を継続すると、図10に示すように、キャリッジ6に設けられたレバー解除部6aがトリガーレバー20の上端部に接触し、該トリガーレバーを矢印F方向へ押し倒すように作用する。これにより、トリガーレバー20の先端部(下端部)が矢印G方向へ回転し、ベース座面19bによるスライダ10のロックが解除される。つまり、トリガーレバー20は、トリガーばね21に抗して図示時計回りに回転する。そして、スライダ10が記録領域側(待機位置側)へ移動するとともにカム面19aに沿って下降することで、トリガーレバー20は図8に示す待機位置(静止位置)へ戻される。なお、図12は、図10と同じように、キャリッジ6のレバー解除部6aがトリガーレバー20に作用してスライダ10のロックを解除するときの状態を示す。ロックを解除されたスライダ10はスライダばね17によって記録領域側の待機位置(初期位置)へ戻される。
次に、以上の構成を有する回復機構部30によるブラックヘッド7、カラーヘッド8の吸引回復動作について具体的に説明する。キャリッジ6が回復機構部30を外れた位置にあるときは、吸引回復を実行する事前動作として、吸引ポンプ40を駆動し、ローラ44が吸引チューブ13、14を完全に押しつぶす位置まで回転させておく。そして、ブラックヘッド7のみの吸引回復を行う場合は、スライダ10が第1のキャッピング位置にくるようキャリッジ6を移動させる。ブラックヘッド7をキャッピングした後、再度ポンプ40を駆動することによりブラックキャップ11内に負圧を発生させ、ブラックインクの吸引を行う。その後、キャリッジ6を記録領域側へ移動させる際に、スライダ10を停止させ、該スライダ10上のブレード18によってインク吸引後のブラックの吐出面8aをワイピングする。
一方、ブラックヘッド7及びカラーヘッド8の両方からインク吸引を行う場合は次のとおりである。この場合も、先ずは、吸引ポンプ40を駆動し、ローラ44が吸引チューブ13、14を完全に押しつぶす位置まで回転させておく。そして、スライダ10が第2のキャッピング位置にくるよう、キャリッジ6を移動させる。こうしてブラックヘッド7及びカラーヘッド8をキャッピングした後、再度ポンプ40を駆動することにより、ブラックキャップ11及びカラーキャップ12内に負圧を発生させ、ブラックインク及びカラーインクの吸引を行う。その後、キャリッジ6を記録領域側へ移動させる際に、スライダ10を停止させ、該スライダ10上のブレード18によってインク吸引後のブラック吐出面7a及びカラー吐出面8aをワイピングする。
このように構成することで、通常のブラックインクのみを吸引する場合には、ポンプチューブ13、14をローラ44で押しつぶした状態でも、カラーヘッド8をキャッピングしないで行うことができる。従って、カラーヘッド8の吐出面8aにキャップ12を圧接させるとき、該キャップ内には空気の圧縮に伴う正圧を作用させることがなく、吐出口内への空気押し込みを無くすことができる。このため、ブラックインクの吸引量を容易に安定した適正な量に管理することができる。また、カラーの吐出口への空気押し込みに起因する弊害を除くための予備吐出等を実行しなくても、カラーヘッド8において安定したインク吐出を継続することができる。
また、例えば記録装置を保管するときなどには、インク吐出部におけるインク固着(インク乾燥)を防止するためにキャッピング状態が維持される。このようなキャッピング状態を維持する場合には、ポンプチューブ13、14を押し潰さない状態のまま、キャリッジ6を移動させてスライダ10をブラックヘッド7、カラーヘッド8をキャッピングする第2のキャッピング位置まで移動させる。このように、本実施形態によれば、単にキャッピングするだけの場合は、キャップ内部に通じる吸引チューブ内部を大気に開放した状態でキャッピング動作させることができ、吐出口に正圧を作用させることなくキャッピング状態に入ることができる。
以上説明した実施形態によれば、キャップが開放されている状態で、一部のキャップ(ブラックキャップ)11からブラックヘッド7までの距離が他のキャップ(カラーキャップ)12からカラーヘッド8までの距離より小さく設定している。そして、第1のキャッピング位置では、一部のキャップ11がキャッピング状態のとき、他のキャップ12がカラーヘッド8から完全に離間した状態を維持している。そして、一部のキャップ11でキャッピングした状態でポンプ40を作動させてブラックヘッド7から吸引動作を行うとき、他の開放状態にあるカラーヘッド8からは吸引動作を行わない構成とした。従って、簡単な構成で、通常では一部のインク吐出部7からのみ吸引することができ、必要な場合にのみその他のインク吐出部8からも同時に吸引することができ、不要なインク吸引量を低減することができる。また、以上の実施形態によれば、キャップ11、12をインク吐出部7、8に接近させた状態で、これらのキャップ内に予備吐出することができるので、予備吐出を行うときのインクミスト発生量を低減することができる。
図13は図1〜図12で説明した構成の回復機構部30を備えたインクジェット記録装置においてブラックインクのみの予備吐出動作を行うときの動作シーケンスを示すフローチャートである。図14は上記回復機構部30を備えたインクジェット記録装置においてブラックインクとカラーインクの予備吐出動作を同時に行うときの動作シーケンスを示すフローチャートである。予備吐出は記録を目的としないインク吐出であり、本実施形態ではキャップ内へ向けて予備吐出が行われる。本実施形態に係るインクジェット記録装置では、後述するように、予備吐出動作によって記録装置内に発生するインクミストの量を軽減するように制御することができる。なお、インクジェット記録装置においては、ヘッドからインクを吐出する場合、吐出インクを受容するための予備吐出受けは、インク吐出部(吐出口)との距離が小さいほどインクミストの発生を軽減することができる。
先ず、図13を用いて、ブラックインクのみを吸引する場合の予備吐出動作を説明する。図13において、ステップS11においてブラックインクのみの吸引動作が開始されると、ステップS12において、予備動作として、吸引ポンプ40を駆動してポンプチューブ13、14をローラ44で完全に押しつぶす。これにより、ポンプチューブを押しつぶすまでのばらつきを無くすことができ、インク吸引量のばらつきを軽減することができる。次に、ステップS13において、キャリッジ6を移動させることにより、ブラックヘッド7のみをキャッピングする第1のキャッピング位置までスライダ10を移動させる。そして、ステップS14において、吸引ポンプ40を作動させてブラックインクの吸引を行う。次いで、ステップS15において、キャリッジ6を記録領域へ向かう戻り方向へ反転移動させることにより、ブラックキャップ11の大気開放とブラックヘッド7のワイピングを実行する。
次いで、ステップS16において、再度、キャリッジ6の移動方向を回復機構部30の奥へ向かう方向へ反転させ、キャリッジ6を、スライダ10が停止(待機)している位置まで移動させる。この位置で、ブラックヘッド7からブラックキャップ11内へブラックインクを予備吐出する。そして、ステップS17において、ポンプ40を作動させることにより、ブラックキャップ11内のブラックインクを吸引チューブ13を通して吸引し、排出する。
次に、図14を用いて、ブラックインクとカラーインクを同時吸引する場合の動作を説明する。図14において、ステップS21でブラックインクとカラーインクを同時吸引が開始されると、ステップS22において、吸引ポンプ40を駆動してポンプチューブ13、14をローラ44で完全に押しつぶす予備動作を行う。次いで、ステップS23において、キャリッジ6を移動させることにより、スライダ10をブラックヘッド7及びカラーヘッド8の両方をキャッピングする第2のキャッピング位置まで移動させる。そして、ステップS24で吸引ポンプ40を作動させて、ブラックインク及びカラーインクの吸引を行う。次いで、ステップS25において、キャリッジ6を記録領域へ向かう戻り方向へ反転移動させることにより、キャップ11、12の大気開放とブラックヘッド7及びカラーヘッド8のワイピングを実行する。
その後、ステップS26において、再度キャリッジ6の移動方向を回復機構部30の奥へ向かう方向へ反転させ、キャリッジ6を、スライダ10が停止(待機)している位置まで移動させる。この位置で、カラーヘッド8からブラックキャップ11内へカラーインクの予備吐出を行う。次いで、ステップS27において、キャリッジ6をさらに回復機構部30の奥へ向かう方向へ所定距離だけ移動させ、この位置で、ブラックインク吐出部7からブラックキャップ11内へブラックインクの予備吐出を行う。その後、ステップS28において、吸引ポンプ40を作動させてブラックキャップ11内のカラーインク及びブラックインクを吸引チューブ13を通して吸引排出する。
図14のような動作シーケンスを採る理由は次のとおりである。すなわち、カラーヘッド8には複数色の吐出口列が設けられているため、カラーインクの吸引を実行した場合には、インクの混色を防ぐためには吸引後のなるべく早いタイミングで予備吐出動作を実行した方が有利であるからである。また、図13及び図14のいずれの吸引動作を実行する場合でも、インク吐出部の吐出口からキャップまでの間隔が小さいブラックキャップ11内に予備吐出を行うように構成されている。このように、吐出インクの飛翔距離を小さく(短く)することにより、予備吐出におけるインクミストの発生を軽減又は防止することができる。
図15は図1〜図12で説明した構成の回復機構部30を備えたインクジェット記録装置においてブラックインクで記録しているときに予備吐出を実行する場合の動作シーケンスを示すフローチャートである。図16は上記回復機構部30を備えたインクジェット記録装置においてカラーインクで記録しているときに予備吐出を実行する場合の動作シーケンスを示すフローチャートである。図17は上記回復機構部30を備えたインクジェット記録装置において記録しているときにワイピングを実行する場合の動作シーケンスを示すフローチャートである。
先ず、ブラックヘッド7による記録中に予備吐出を行うときの動作を説明する。図15において、ブラックヘッド7で記録しているときにステップS31において予備吐出動作の指令があると、ステップS32に進み、待機中のスライダ10の位置までキャリッジ6を移動させる。この位置で、ブラックヘッド7からブラックキャップ11内へブラックインクを予備吐出する。そして、キャリッジ6を記録領域へ戻して記録動作を継続する。記録動作を終了した後、ステップS33で、ポンプ40を作動してブラックキャップ11内のブラックインクを吸引し排出する。
次に、カラーヘッド8による記録中に予備吐出を行うときの動作を説明する。図16において、カラーヘッド8で記録しているときにステップS41において予備吐出動作の指令があると、ステップS42に進み、待機中のスライダ10の位置までキャリッジ6を移動させる。この位置で、カラーヘッド8からブラックキャップ11内へカラーインクを予備吐出する。次いで、ステップS43へ進んで、ブラックヘッド7による記録中のブラックインクの予備吐出も同時に行うか否かを判定する。ブラックインクの予備吐出も実行する場合は、ステップS45へ進み、前述の図15のブラックインクによる記録中の予備吐出のシーケンスを実行する。一方、ブラックインクの予備吐出を実行しない場合は、キャリッジ6を記録領域へ戻して記録動作を継続する。記録動作を終了した後、ステップS44へ進んで、ポンプ40を駆動し、ブラックキャップ11内のカラーインクを吸引し排出する。
次に、記録中におけるブラックヘッド7、カラーヘッド8のワイピング動作について説明する。図17において、ステップS51でワイピング動作の指令があると、ステップS52でキャリッジ6をスライダ10をトリガーレバー20によって固定(ロック)する位置までもしくは若干通り越した位置まで移動させる。そして、ステップS53において、キャリッジ6の移動方向を反転させてワイピング動作を実行する。すなわち、ステップS53では、スライダ10をロックした状態でキャリッジ6を記録領域の方向へ移動させることにより、該スライダ上のワイパー18によってブラックヘッド7、カラーヘッド8の吐出面7a、8aをワイピングする。ワイピングを実行した後、ステップS54において、前述の図16のカラー記録中の予備吐出動作のシーケンスを実行する。
図15〜図17で説明したような制御を行うことによって、記録中の予備吐動作及びワイピング動作を実行する場合においても、ヘッドの吐出口からキャップまでの間隔が小さいブラックキャップ11内へ予備吐出を行うことができる。これによって、吸引動作時のインクミストの発生を軽減又は防止することができる。また、予備吐出により、ブラックヘッド7、カラーヘッド8の吐出口内におけるインクの混色を解消することもできる。すなわち、以上説明した実施形態によれば、簡単な構成で、通常では一部のインク吐出部からのみ吸引することができ、必要な場合にのみその他のインク吐出部からも同時に吸引することができ、不要なインク排出を低減することができる。また、予備吐出を行うときのインクミスト発生量を低減することもできる。
なお、以上説明した実施形態では、ブラックインク吐出部7とカラーインク吐出部8の2つのインク吐出部を設ける場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、1つ以上のブラックインク吐出部と1つ以上のカラーインク吐出部を有する構成であれば、ブラック及びカラーのインク吐出部の数に関係なく同様に適用可能である。その場合は、キャリッジが記録領域にあるときなどキャップが開放されている状態で、ブラックインク吐出部に対応した一部のキャップを、カラーインク吐出部に対応した他のキャップよりも、インク吐出部の吐出面に近い位置に装着すれば良い。
また、以上説明した実施形態では、ヘッドユニット50を2個の記録ヘッドで構成し、一方の記録ヘッドに1本のブラック吐出口列を有するブラックインク吐出部を設け、他方の記録ヘッドにカラー吐出口列を有するカラーインク吐出部を設けた。本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、例えば、ヘッドユニットを1個の記録ヘッドで構成する場合にも同様に適用可能である。すなわち、1個の記録ヘッドに1つ以上のブラックインク吐出部と1つ以上のカラーインク吐出部を設ける構成でも良い。さらに、本発明は、例えば、ヘッドユニットを2個もしくは3個以上の記録ヘッドで構成し、各記録ヘッドにブラックインク吐出部及びカラーインク吐出部を適宜配置する場合にも同様に適用可能である。
なお、本発明は、インクジェット記録装置であれば、記録ヘッドの数や、使用するインクの種類数や性状等に関わらず、同様に適用可能なものであり、同様の作用効果を奏するものである。また、本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、撮像画像形成装置などの単体装置に限定されるものではない。本発明は、これらを組み合わせた複合装置、あるいはコンピュータシステムなどの複合装置における記録装置としても広く適用可能であり、同様の作用効果を奏するものである。
本発明によるインクジェット記録装置の一実施形態の斜視図である。 回復機構部及びその周辺部を左前方から見た斜視図である。 一実施形態に係るインクジェット記録装置のキャリッジに搭載されたヘッドユニットを底面側から見た斜視図である。 吸引ポンプを示す斜視図である。 図4の吸引ポンプの縦断面図である。 本発明によるインクジェット記録装置の一実施形態の回復機構部のスライダの部分を斜め上方から見た斜視図である。 図6のスライダの部分を斜め下方から見た斜視図である。 図6のスライダが待機位置にあるときの回復機構部を記録領域側から見た部分側面図である。 図6のスライダがロックされたときの回復機構部を記録領域側から見た部分側面図である。 図6のスライダがキャリッジの戻り移動によりロック解除されるときの回復機構部を記録領域側から見た部分側面図である。 一実施形態に係るインクジェット記録装置のキャップ及びキャップホルダの部分を斜め上方から見た斜視図である。 本発明によるインクジェット記録装置の一実施形態においてキャリッジの移動によりスライダのロックを解除するときの回復機構部の斜視図である。 本発明によるインクジェット記録装置の一実施形態においてブラックインクのみの予備吐出動作を行うときの動作シーケンスを示すフローチャートである。 本発明によるインクジェット記録装置の一実施形態においてブラックインクとカラーインクの予備吐出動作を同時に行うときの動作シーケンスを示すフローチャートである。 本発明によるインクジェット記録装置の一実施形態においてブラックインクで記録しているときに予備吐出を実行する場合の動作シーケンスを示すフローチャートである。 本発明によるインクジェット記録装置の一実施形態においてカラーインクで記録しているときに予備吐出を実行する場合の動作シーケンスを示すフローチャートである。 本発明によるインクジェット記録装置の一実施形態において記録しているときにワイピングを実行する場合の動作シーケンスを示すフローチャートである。
符号の説明
6 キャリッジ
6a レバー解除部
7 ブラックヘッド(ブラックインク吐出部)
7a 吐出面
8 カラーヘッド(カラーインク吐出部)
8a 吐出面
10 スライダ
11 ブラックキャップ
12 カラーキャップ
13 ブラック吸引チューブ(ブラックポンプチューブ)
14 カラー吸引チューブ(カラーポンプチューブ)
16 キャップばね
17 スライダばね
18 ワイパー
19 ベース
19a ベースのカム面
19b 座面
20 トリガーレバー
30 回復機構部
40 吸引ポンプ(チューブポンプ)
50 ヘッドユニット

Claims (7)

  1. 記録領域において記録媒体に記録を行う第1のヘッド及び第2のヘッドを搭載して往復移動するキャリッジと、前記第1のヘッドのインク吐出部をキャッピングする第1のキャップと、前記第2のヘッドのインク吐出部をキャッピングする第2のキャップと、前記第1のキャップ及び前記第2のキャップを保持し前記キャリッジの移動に追従して前記キャリッジの移動方向及び前記インク吐出部が設けられた吐出面と直交する方向に移動するスライダと、を備えるインクジェット記録装置において、
    前記キャリッジが前記記録領域にあるときに、前記直交する方向において前記第1のキャップは前記第2のキャップよりも前記吐出面に近い側に配され、
    前記キャリッジは、前記第1のヘッドのインク吐出部が前記第1のキャップにキャッピングされ前記第2のヘッドのインク吐出部と前記第2のキャップが離間している第1のキャッピング位置と、前記記録領域に対して前記第1のキャッピング位置よりも離れた位置であって前記第1のヘッド及び前記第2のヘッドのインク吐出部がそれぞれ前記第1のキャップ及び前記第2のキャップにキャッピングされる第2のキャッピング位置と、に移動することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記スライダは前記記録領域を外れた位置に設けられたカム面に沿って移動することにより、前記キャリッジの移動方向及び前記直交する方向に移動することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記キャップは前記直交する方向にバネ付勢されており、前記スライダの係止部によって前記直交する方向において前記スライダに対して位置決めされていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記キャップの前記ヘッドと当接する面は弾性部材で形成され、前記第2のキャッピング位置における前記第1のキャップの変形量は前記第1のキャッピング位置における前記第1のキャップの変形量よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記第1のヘッドはブラックインクを吐出するブラックヘッドであり、前記第2のヘッドはカラーインクを吐出するカラーヘッドであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記ブラックインクは顔料インクであり、前記カラーインクは染料インクであることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記第2のヘッドから前記第1のキャップへ予備吐出を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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