JP2000342944A - 部分炭素化された非対称性中空糸分離膜とその製法およびガス分離方法 - Google Patents

部分炭素化された非対称性中空糸分離膜とその製法およびガス分離方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族ポリイミドからなる非対称
性中空糸分離膜を部分炭素化して得られる部分炭素化さ
れた非対称性中空糸分離膜の膜性能をさらに改良して、
透過速度と選択性とが改良された部分炭素化された非対
称性中空糸分離膜を得る。 【解決手段】 膜厚が薄い芳香族ポリイミドから
な非対称性中空糸分離膜(前駆体膜)を、得られる部分
炭素化膜の炭素含有率が先駆体膜の1.05倍以上でか
つ90重量%以下となるように熱処理して部分炭素化す
ることによって、透過速度と選択性とが改良された部分
炭素化された非対称性中空糸分離膜を得ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド中空糸
分離膜を部分炭素化して得られたガス分離性能が著しく
高められた非対称性構造を有する中空糸分離膜に関す
る。また、その分離膜を使用してガス混合物からハロゲ
ン化合物ガスを効率的に分離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透過性の高い非対称性ガス分離膜
として、種々のポリマーを素材とするものが知られてい
るが、近年、例えば、特開昭60−179102号公
報、特開平1−221518号公報などにおいて、有機
ポリマー製の膜を高温で処理して、耐薬品性の優れたガ
ス分離膜用の多孔性炭素膜を製造する方法、および、そ
れらの方法で得られた炭素膜(中空糸炭素膜)が提案さ
れた。
【0003】しかしながら、特開昭60−179102
号公報で開示されているのは、ポリアクリロニトリルな
どの膜を高温で長時間加熱して得られた実質的に炭素で
構成された炭化膜ならびに黒鉛化膜のいずれをも含有す
る非対称性構造の分離膜であるが、この膜の二酸化炭素
ガスと窒素ガスのガス透過速度比は極めて低レベルのも
のであった。また、この公報では、ポリマー製の膜を部
分炭化して得られた膜については全く言及されていな
い。
【0004】また、特開平1−221518号公報で開
示されているのは、3乃至5オングストロームの多数の
微多孔が腹部に存在し、6オングストローム以上の大き
さの分子の吸着量が0.1cm3/g以下である中空糸
炭素膜繊維であるので、孔径が6オングストローム以上
の多孔性構造を有する部分(多孔質層)が大部分を占め
る非対称性構造を有する膜とは全く異なるものである。
【0005】一方、特開平4−11933号公報、特開
平4−193334号公報、特開平5−220360号
公報には、芳香族ポリイミドからなる非対称性構造を有
する中空糸膜を部分炭素化して得られた非対称性構造を
有する中空糸分離膜およびその製造方法が開示されてい
る。
【0006】ところで、ガス絶縁開閉装置、ガス遮断
機、ガス絶縁変圧器、管路気中送電等のガス絶縁電気機
器の電気絶縁ガスとして、SF6(六フッ化イオウ)ガ
ス、フロンガス、四塩化炭素ガスなどを中心とするハロ
ゲン化合物が用いられている。最近は、地球規模で課題
となっている地球温暖化ガスとしての対策から、その使
用量を削減するため、ハロゲン化合物とそれ以外の電気
絶縁性ガス(キャリアーガス)からなる混合ガスをガス
絶縁電気機器の電気絶縁ガスとして使用する試みがなさ
れている。
【0007】また、半導体産業では、ガスが関与する半
導体プロセスにおいて、エッチングや洗浄などに、CF
4、C26、C38、C410、SF6、NF3等のパーフ
ルオロ化合物がもっぱら使用されつつある。これらパー
フルオロ化合物ガスは、純粋な状態で、あるいは例えば
空気、窒素もしくは他の不活性ガスで希釈した状態で、
または他のパーフルオロ化合物ガスもしくは他のキャリ
ヤーガス(例えば、不活性ガス)との混合物の状態で使
用される。
【0008】これら、キャリアーガス中に含まれるパー
フルオロ化合物ガスのほとんどは、地球温暖化などの環
境に悪影響を及ぼすガスであり、大気中に排出せず、回
収再利用される必要がある。
【0009】本発明者らは、特願平10−365598
号において、これらのパーフルオロ化合物ガスの分離回
収に、芳香族ポリイミドからなる非対称性構造を有する
中空糸分離膜を部分炭素化して得られた非対称性構造を
有する中空糸分離膜を使用することを提案し、パーフル
オロ化合物ガスを効率的に分離回収できることを示し
た。
【0010】しかしながら、ガスの分離回収の効率は高
い程好ましく、また回収するガスを再利用するためには
ガスの純度をより高める必要があるため、さらに高い分
離性能を有する分離膜が要求されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の芳香族ポリイミドからなる非対称性構造を有する中空
糸分離膜を部分炭素化して得られた非対称性構造を有す
る中空糸分離膜を遥かに超える極めて高い透過速度およ
び高い選択性を有する中空糸分離膜を提供することであ
る。また、上記のパーフルオロ化合物を含めたハロゲン
化合物とキャリヤーガス(窒素など)との混合物からハ
ロゲン化合物を、従来の方法より遥かに効率良く分離回
収する方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ポリイ
ミドからなる非対称性構造を有する中空糸分離膜(前駆
体膜)を部分炭素化して得られた非対称性構造を有する
中空糸分離膜において、 (1)部分炭素化される芳香族ポリイミド中空糸膜(前
駆体膜)の膜厚が8〜50μmであり (2)部分炭素化して得られた中空糸分離膜の膜厚が8
〜45μmであり (3)部分炭素化して得られた中空糸分離膜の炭素含有
率(重量%)が、部分炭素化される芳香族ポリイミド中
空糸膜(前駆体膜)の炭素含有率の1.05倍以上であ
り、かつ、90重量%以下であることを特徴とする部分
炭素化された非対称性中空糸分離膜に関する。
【0013】また、本発明は、芳香族ポリイミドからな
る非対称性構造を有する中空糸分離膜(前駆体膜)を部
分炭素化して、非対称性構造を有する部分炭素化された
中空糸分離膜を製造する方法において、 (1)部分炭素化される芳香族ポリイミド中空糸膜(前
駆体膜)の膜厚が8〜50μmであり (2)部分炭素化して得られた中空糸分離膜の膜厚が8
〜45μmであり (3)部分炭素化して得られた中空糸分離膜の炭素含有
率(重量%)が、部分炭素化される芳香族ポリイミド中
空糸膜(前駆体膜)の炭素含有率の1.05倍以上であ
り、かつ、90重量%以下であることを特徴とする、部
分炭素化された非対称性中空糸分離膜の製造方法に関す
る。
【0014】また、本発明は、少なくとも1種のハロゲ
ン化合物ガスおよび少なくとも1種のキャリアーガスを
包含する混合ガスを、前記に記載の部分炭素化された非
対称性中空糸分離膜に供給し、膜の透過側からハロゲン
化合物の含有量の減少した少なくとも1種のキャリアー
ガスからなるガスを取り出し、膜の非透過側から少なく
とも1種のハロゲン化合物が濃縮されたガスを回収する
ことを特徴とする、ハロゲン化合物ガスの分離方法に関
する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明の分離膜は、芳香族ポリイミドからなる非
対称性構造を有する中空糸分離膜(前駆体膜)を部分炭
素化して得られた非対称性構造を有する中空糸分離膜で
あり、部分炭素化される芳香族ポリイミド中空糸分離膜
(前駆体膜)の膜厚が8〜50μm(好ましくは20〜
50μm)であり、炭素化して得られた中空糸分離膜の
膜厚が8〜45μm(好ましくは14〜45μm)であ
り、その炭素含有率(重量%)が、部分炭素化される芳
香族ポリイミド中空糸膜(前駆体膜)の炭素含有率の
1.05倍以上(好ましくは1.1倍以上)であり、か
つ、90重量%以下のものである。ここで、炭素含有率
とは、中空糸分離膜全体の重量に対する前記中空糸分離
膜に含有される炭素の重量%のことである。
【0016】本発明の部分炭素化された非対称性構造を
有する中空糸分離膜は、膜の少なくともひとつの表面層
が0.001〜2μm、好ましくは0.005〜0.5
μm程度の極めて薄い緻密層(均質層)であり、膜の内
層部を含む残りの層は孔径が0.005〜0.5μm程
度の孔を多数含んでいる多孔質層であり、前記の緻密層
(均質層)と前記の多孔質層とから構成された非対称構
造を有する膜であり、中心部に貫通した中空部を有する
中空糸を形成しているものである。
【0017】本発明の芳香族ポリイミド分離膜を部分炭
素化した非対称性構造を有する中空糸分離膜は、極めて
優れた耐熱性、耐溶剤性を有していると共に、ハロゲン
化合物ガスと窒素などのキャリアーガスとの混合ガスか
らハロゲン化合物ガスを分離する場合のガス分離性能が
改良された極めて高いレベルのものである。
【0018】部分炭素化とは、非対称性構造を有する中
空糸分離膜を不活性ガスの雰囲気下で熱処理することに
より、分離膜成分中の炭素成分の割合(炭素含有率)を
増すことを意味する。
【0019】本発明における炭素化は、炭素化されて得
られた中空糸分離膜の炭素含有率(重量%)が、炭素化
される芳香族ポリイミド中空糸膜(前駆体膜)の1.0
5倍以上で、かつ、90重量%以下となるような部分炭
素化であり、好ましくは、1.1倍以上で、かつ、90
重量%以下のものである。部分炭素化しても、得られた
中空糸分離膜の炭素含有率が部分炭素化される芳香族ポ
リイミド中空糸膜(前駆体膜)の1.05倍未満であれ
ば、得られた中空糸分離膜のガス分離性能は改良された
ものではない。また、部分炭化の程度を増して分離膜の
炭素含有率が90重量%を超えても、得られた中空糸分
離膜のガス分離性能は改良されたものではない。更にそ
れ以上炭素化して実質的に炭素で構成された中空糸分離
膜(いわゆる炭素膜)とした場合も、ガス分離性能は低
く、実用的に使用出来るものではなくなる。
【0020】即ち、例えば、芳香族ポリイミド中空糸膜
(前駆体膜)の炭素含有率が54.4重量%のものを部
分炭素化して得られる本発明の部分炭素化された中空糸
分離膜は、炭素含有率が57.1重量%〜90.0重量
%のものである。(実施例に記載)また、例えば、芳香
族ポリイミド中空糸膜(前駆体膜)の炭素含有率が6
7.9重量%のものを部分炭素化して得られる本発明の
部分炭素化された中空糸分離膜は、炭素含有率が71.
3重量%〜90.0重量%のものである。(実施例に記
載なし)
【0021】部分炭素化される前の非対称性構造を有す
る芳香族ポリイミド中空糸膜(前駆体膜)は、その膜厚
が8〜50μmの薄膜である。膜厚がこのように薄い中
空糸膜の場合、部分炭素化するための熱処理時に膜にか
かる応力が小さく、中空糸分離膜の分離活性層に欠陥が
生じにくい。そのため、極めて高い分離性能を有する中
空糸分離膜を得ることができる。膜厚が50μmを超え
ると、部分炭素化するための熱処理時に分離膜の内部と
外部との収縮差により、中空糸分離膜の表面近くの分離
層に欠陥が生じやすくなる。一方、膜厚が薄くなると、
中空糸の機械的強度が小さくなり破損しやすくなるため
実用的でなくなる。このため、膜厚は8μm以上であ
り、好ましくは20μm以上である。
【0022】また、部分炭素化して得られた非対称性構
造を有する中空糸分離膜の膜厚は、8〜45μmであ
り、好ましくは14〜45μmである。膜厚が8μmよ
り小さいと、中空糸の機械的強度が小さく、破損しやす
いため実用的でない。また、膜厚が45μmより大きい
と膜表面の分離層に欠陥が発生しやすくなり、分離度が
低下する。
【0023】本発明においては、部分炭素化による中空
糸分離膜の膜厚の収縮率は0.1〜30%が好ましく、
更に、部分炭素化による中空糸分離膜の膜厚の収縮率は
0.1〜25%が特に好ましい。部分炭素化による中空
糸分離膜の膜厚の収縮率は、部分炭素化される芳香族ポ
リイミド中空糸膜(前駆体膜)の膜厚と部分炭素化され
た中空糸分離膜の膜厚との差を、部分炭素化される芳香
族ポリイミド中空糸膜(前駆体膜)の膜厚に対する百分
率で表現される。収縮率が30%を超えると、炭素化時
に中空糸膜にかかる応力が大きく、得られる中空糸炭素
膜の分離活性層に欠陥が生じやすくなるので、高いレベ
ルの分離性能を得ることが出来ず好ましくない。
【0024】この発明において、前記の芳香族ポリイミ
ドからなる非対称性構造を有する中空糸分離膜(前駆体
膜)は、特開昭60−150806号公報、特開昭61
−133106号公報などに示されているような方法で
製造された単一構造の非対称性構造(表面に緻密層及び
内部に多孔質層からなる単一非対称性構造)を有する中
空糸分離膜、あるいは、特開平2−169019号公
報、特開平2−251232号明細書などに記載されて
いる方法などで製造された二層押出構造の非対称性構造
(外層が表面の緻密層と内部の多孔質層とからなり、内
層が多孔質層からなる二層押出非対称性構造)を有する
中空糸膜を好適に挙げることができる。
【0025】前記の単一膜構造の非対称性構造を有する
中空糸膜の製法は、例えば、ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸成分と、ジア
ミノジメチルジフェニレンスルホン、ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなど
の芳香族ジアミン成分とを、略等モル、パラクロロフェ
ノールなどのフェノール系溶媒中で、重合およびイミド
化して、可溶性の芳香族ポリイミドの溶液を調製し、そ
の溶液を製膜用ドープ液として使用して、チューブ・イ
ン・オリフィスタイプの紡糸用ノズルから、窒素雰囲気
中に中空糸状に押し出し、次いで、エタノール水溶液か
らなる凝固液中で凝固させて、非対称性構造の中空糸膜
となし、最後に、その中空糸膜をエタノール洗浄してフ
ェノール系溶媒を抽出して除去し、イソオクタン溶剤に
よって前記エタノールの置換を行った後、乾燥し、さら
に熱処理して、好適なガス透過速度及び選択透過性を有
する非対称性構造を有する中空糸分離膜を製造する方法
を挙げることができる。
【0026】また、二層押出非対称性構造の非対称性構
造を有する中空糸分離膜の製法は、前述の単一構造の中
空糸分離膜の製法と同様にして2種の可溶性芳香族ポリ
イミド溶液を調製して、それらの溶液を使用して、二層
押し出しが可能である二層押出紡糸用ノズルを使用する
ほかは、前述の単一構造の中空糸膜の製法とほとんど同
様にして、二層押出非対称性構造を有する中空糸膜を製
造する方法を挙げることができる。
【0027】本発明の特徴の一つは、膜厚の小さい中空
糸分離膜を部分炭素化することによって、分離層に欠陥
の少ない中空糸分離膜を得ることである。具体的には、
芳香族ポリイミドからなる非対称構造を有する中空糸分
離膜(前駆体膜)の膜厚を8〜50μmとし、部分炭素
化の程度(炭素含有率)が適切な範囲となるように、さ
らに好ましくは部分炭素化に伴う膜厚の収縮率が適切な
範囲となるように部分炭化することによって、分離性能
を大幅に向上させた部分炭素化された非対称性中空糸分
離膜を得ることにあるので、部分炭素化の方法は特に限
定されず、前記の条件を満たすものであればどの様な方
法であっても構わない。
【0028】本発明の部分炭素化は、例えば以下のとお
りである。即ち、前述のようにして製造された所定の膜
厚を有する芳香族ポリイミドからなる非対称性構造を有
する中空糸分離膜(前駆体膜)を準備し、その中空糸分
離膜を、250〜495℃、好ましくは260〜450
℃の範囲内の温度であって、しかも該中空糸分離膜の非
対称性構造が維持される温度、および、酸素ガス含有雰
囲気で、0.1〜100時間(特に0.3〜50時
間)、予備熱処理して熱安定化し、次いでその予備熱処
理された中空糸膜を、500〜900℃、好ましくは5
50〜800℃の温度範囲で、窒素ガス、ヘリウムガ
ス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下、部分炭素
化の程度が適切な範囲(所定の炭素含有率や収縮率の範
囲内)になるように、熱処理することによって部分炭素
化をおこなう。不活性ガスの雰囲気下での熱処理時間
は、部分炭素化の程度が適切な範囲内(所定の炭素含有
率や収縮率の範囲内)であれば特に限定されないが、概
して1時間以下であり、処理効率を考えれば0.1分間
〜30分間が好ましく、特に0.1分間〜15分間が好
ましい。
【0029】前述の酸素含有ガス中での予備熱処理(熱
安定化処理)は、次の炭素化処理工程において前記の芳
香族ポリイミドからなる非対称性構造を有する中空糸分
離膜(前駆体膜)の非対称性構造が維持できるように、
前記中空糸膜を形成している芳香族ポリイミドを一部架
橋および/または一部環化させ、あるいは、不融化また
は不溶化して、熱的に安定である芳香族ポリイミドとす
るために、250〜495℃の範囲内の温度であって、
前記中空糸膜の非対称性構造が維持される温度で行われ
る。
【0030】前記の芳香族ポリイミドからなる非対称性
構造を有する中空糸分離膜(前駆体膜)の非対称性構造
が維持される温度とは、例えば、該ポリイミドが熱機械
分析(TMA)法で測定された軟化温度を有する場合に
は、該ポリイミドの軟化温度よりも、5℃以上低い温
度、特に10℃以上低い温度であり、また、該ポリイミ
ドが実質的に軟化温度又は二次転移温度を有していない
場合には、その該ポリイミド製中空糸膜の非対称性構造
が電子顕微鏡などで観察して大幅に変形したりしない温
度、多孔質層の平均孔径が大幅に(50%以下に)縮小
したりしない温度であればよい。
【0031】前記の予備熱処理は、前述の温度範囲内で
あれば、例えば、200℃の付近の温度から450℃の
付近の高温まで徐々に昇温させながら行うことによる予
備熱処理、あるいは、200〜350℃の温度で0.5
〜100時間(好ましくは1〜50時間)の熱処理し、
次いで、350〜490℃の温度で10〜300分間
(好ましくは20〜200分間)の熱処理するというよ
うに、複数段階で行う予備熱処理であってもよい。
【0032】前記の非対称性中空糸膜の予備熱処理は、
前記芳香族ポリイミドからなる非対称性構造を有する中
空糸分離膜(前駆体膜)(長尺の中空糸)を高温の加熱
炉に連続的に供給して連続的に行うことができ、また、
多数本の非対称性中空糸膜の糸束を形成して、その糸束
を適当な温度の加熱炉内に配置してある時間加熱炉内に
放置してバッチ的に熱処理を行うこともできる。
【0033】前記の予備熱化処理で使用する酸素含有気
体としては、例えば、空気、又は、酸素と窒素等の他の
不活性ガスとの種々の配合割合(特に、酸素含有割合;
5〜30容量%)の混合ガスなどを挙げることができ
る。上記の製法では、前述の酸素含有ガス中での予備熱
処理を行わないと、その後の工程の部分炭素化工程で、
中空糸膜の非対称性構造が損なわれるので適当ではな
く、また、予備熱処理を余りに高い温度で行うと、芳香
族ポリイミド製の非対称性中空糸膜がその非対称性構造
を最適に維持できなくなり、非対称性構造が損なわれた
り、著しくガス分離性能の劣った構造になったりするこ
とがあり、最終的な非対称性中空糸分離膜が低い性能の
ガス分離膜となるので適当ではない。
【0034】前記の予備加熱された芳香族ポリイミドか
らなる非対称性構造を有する中空糸膜の部分炭素化処理
(熱処理)は、前述の予備加熱と同様に、前記中空糸膜
(長尺の中空糸)を高温の加熱炉に連続的に供給して連
続的に行うことができ、また、多数本の非対称性中空糸
膜の糸束を形成して、その糸束を適当な温度の加熱炉内
に配置してある時間加熱炉内に放置してバッチ的に行う
こともできる。
【0035】この製法では、前述のようにして製造され
た非対称性中空糸炭素膜を、さらに、250〜450℃
(特に300〜400℃)の温度であって、酸素含有ガ
スの雰囲気で、0.2〜50時間、特に0.5〜10時
間、後熱処理してもよい。
【0036】次に、本発明の部分炭素化された非対称性
構造を有する中空糸分離膜をハロゲン化合物ガスの分離
回収に使用する方法について、具体的に説明する。
【0037】本発明のハロゲン化合物ガスの分離回収方
法は、少なくとも1種のハロゲン化合物ガスおよび少な
くとも1種のキャリアーガスを包含する混合ガスを、前
記部分炭素化された非対称性構造を有する中空糸分離膜
に供給し、膜の透過側からハロゲン化合物の含有量の減
少した少なくとも1種のキャリアーガスからなるガスを
取り出し、膜の非透過側から少なくとも1種のパーフル
オロ化合物が濃縮されたガスを回収することを特徴とす
る。
【0038】ガス混合物を分離する場合、ガス混合物は
中空糸の外側から供給して中空糸の内側(孔側)から透
過ガスを取り出す方法で行っても、またガス混合物を中
空糸の一方の内側から供給して中空糸内を流動通過させ
てもう一方の内側から排出される間に、透過ガスを中空
糸の外側に透過させる方法で行ってもよいが、後者の方
法の方が効率がよいので好適である。
【0039】ハロゲン化合物ガスとしては、CF4、C2
6、C38、C410、SF6、NF3などのパーフルオ
ロ化合物ガスやフルオロカーボン、フロンガス、四塩化
炭素などの塩素化合物ガス、およびそれらの混合物から
なる群から選ばれることが好ましい。パーフルオロ化合
物は、半導体産業において半導体製造プロセスにおいて
エッチングや洗浄などの目的で多量に使用されているも
のである。また、SF6ガスは、無色無臭で無毒の不活
性ガスであり、気圧を上げることにより優れた絶縁耐力
を示し、かつ、液化温度も低く、低温でも加圧して使用
できることから、電気絶縁ガスとして好ましく利用され
るものである。
【0040】さらに、キャリアーガスとしては、窒素ガ
ス、炭酸ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、空気等を
挙げることができる。
【0041】SF6ガスとこれらのガスとの混合ガス
は、絶縁耐力が大きく、膜に対する透過速度比が大き
く、ガス絶縁電気機器用に好ましいものである。特に、
窒素ガスは毒性が無く入手が容易であるので、SF6
スと窒素ガスの混合ガスはガス絶縁電気機器用に特に好
ましく使用されている。
【0042】混合ガスとしては、少なくとも1種の前記
のハロゲン化合物ガスと少なくも1種の前記のキャリア
ーガスを包含する混合ガスである。これらは用途におい
て種々の混合割合で使用されている。本発明においては
混合ガスの成分組成や濃度は特に限定されない。
【0043】本発明の部分炭素化して得られた非対称性
構造を有する中空糸分離膜は、例えば中空糸を適当な長
さに切断して多数(例えば100〜1000000本)
束ねて形成させた中空糸膜束が、その両端の中空(孔)
が塞がらないように両端をエポキシ樹脂の如き樹脂で一
体的に固着して、モジュ−ル化し、これを少なくとも気
体混合物(原料ガス)の供給口、未透過気体の排出口及
び透過気体の排出口を有する容器に収納し、ガス分離回
収装置として用いられる。
【0044】本発明の部分炭素化して得られた非対称性
構造を有する中空糸分離膜をハロゲン化合物の分離回収
に用いる場合に使用するガス分離回収装置の一例を図1
に示した。ハロゲン化合物ガスとしてSF6を例に取
り、以下に説明する。ガス分離回収装置1は多数の中空
糸2の形状をした分離膜が密封容器6内に内蔵されてい
る。SF6と他の1種類以上のキャリアーガスからなる
混合ガスはコンプレッサー、ブロワーなどによってガス
分離回収装置1の混合ガス供給口3から連続的に供給さ
れ、中空糸2の内側を非透過ガス排出口4側に流動す
る。その間に分離膜を選択的に透過したガス(主にキャ
リアーガス)は透過ガス排出口5より排出し、分離膜を
透過しなかったガス(主にSF6)は非透過ガス排出口
4より排出されるので、SF6を非透過ガス排出口4よ
り分離回収することができる。なお、図1の樹脂壁7は
中空糸2の両端部をエラストマ系樹脂、アクリレート系
樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの適当な熱硬
化性樹脂を固化して形成された円板状の樹脂壁で、樹脂
壁内を各中空糸が貫通しており、中空糸内部の孔が樹脂
壁の外に向かって開口している。樹脂壁7は接着剤など
を使用して密封容器6の内壁に密封固着されている。ま
た分離回収効率をより高めるためにガス分離装置1にお
いて透過ガス排出口5に真空ポンプ等を接続して透過ガ
スを減圧して回収することも有効であり、また、透過ガ
ス排出口5のうちの一方から混合ガス中に含まれない他
の種類のガスをパージガスとして供給し、透過ガス排出
口の他方から透過ガスと共に排出することもできる。
【0045】本発明のハロゲン化合物の分離回収方法に
おいては、混合ガスを前記ガス分離回収装置へ供給する
前に、必要に応じて吸着装置、フィルター、スクラバー
などによって処理される。また、前記ガス分離回収装置
から分離回収された濃縮されたハロゲン化合物ガスを、
別のガス分離膜装置、吸着装置、精留装置などを用いて
更に後処理することが出来る。また、本発明のハロゲン
化合物の分離回収方法は常温でも加温状態でもおこなう
事が出来る。加温する場合は、前記ガス分離回収装置の
耐熱性を考慮して150℃以下でおこなうことが望まし
い。
【0046】
【実施例】以下、この発明を参考例および実施例によっ
てさらに詳しく説明する。しかし、この発明はそれらの
実施例によって限定されるものではない。芳香族ポリイ
ミド中空糸膜(前駆体膜)、部分炭素化して得られた非
対称性構造を有する中空糸分離膜等について、各ガスの
ガス透過性能および炭素含有率は、次に示す方法で測定
した。
【0047】〔ガス透過性能〕まず、以下の実施例など
で製造した中空糸膜と、ステンレスパイプと、エポキシ
樹脂系接着剤とを使用して、透過性能評価用の中空糸エ
レメントを作成した。そして、純N2ガスの透過性能
は、ステンレス容器に、透過性能評価用の中空糸膜の中
空糸エレメントを装着し、50℃の温度、10kgf/
cm2Gの供給圧で、ガス透過試験を行い、ガス透過速
度を算出した。また、N2とSF6、N2とCF4、N2
26との混合ガスの透過性能は、50℃の温度、2k
gf/cm2Gの供給圧で、ガス透過試験を行い、ガス
透過速度と、N2とSF6、N2とCF4、および、N2
26との透過速度比(選択透過性、分離度を示す)と
を、ガスクロマトグラフィーの測定値から算出した。
〔炭素含有率〕元素分析装置(パーキンエルマー社製、
240C型)を用いて測定した。
【0048】参考例1 [ポリイミド溶液の調整]ポリイミド原料の酸成分とし
て、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物(BPDA) 40ミリモル、2,2’−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン二無水物(6FDA) 45ミリモル、ピロメリッ
ト酸二無水物(PMDA) 15ミリモル、ジアミン成
分としてジメチル−3,7−ジアミノジベンゾチオフェ
ン−5,5−ジオキシド(TSN) 50ミリモル、
2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン(TC
B) 50ミリモルとを、パラクロロフェノール 33
1gとともに、攪拌機と窒素ガス導入管とが付設された
セパラブルフラスコに入れて、窒素ガスを流して、反応
液を攪拌しながら、180℃の重合温度で18時間重合
させて、芳香族ポリイミド濃度が16重量%である芳香
族ポリイミド溶液を調整した。このポリイミド溶液は、
100℃の回転粘度が1600ポイズであった。この芳
香族ポリイミド溶液を、400メッシュのステンレス金
網で濾過して、紡糸用のドープ液を準備した。
【0049】〔単一構造の非対称性中空糸膜の製造〕そ
の紡糸用ドープ液を中空糸紡糸用ノズル(円形開口部の
外径;1000μm、円形開口部のスリット幅;200
μm、芯部開口部の外径;400μm)を備えた紡糸装
置に仕込み、そして、窒素ガスを前記紡糸用ノズルの芯
部開口部から吐出させながら、紡糸用ドープ液を前記紡
糸用ノズルから中空糸状に吐出させて、その中空糸状体
を窒素雰囲気中を通した後、70重量%のエタノール水
溶液からなる一次凝固液(0℃)に浸漬し、さらに、一
対の案内ロールを備えた二次凝固装置内の二次凝固液
(0℃)中で案内ロール間を往復させて、中空糸状体の
凝固を完了させて、芳香族ポリイミド製の中空糸膜を引
き取りロールで引き取りながら(引き取り速度10m/
分)、紡糸を行った。
【0050】最後に、この中空糸膜をボビンに巻き取
り、エタノールで充分に凝固溶媒等を洗浄した後、イソ
オクタン(置換溶媒)でエタノールを置換し、さらに、
中空糸膜を100℃に加熱して、イソオクタンの蒸発・
乾燥を行い、さらに、270℃の温度で30分間、中空
糸膜の熱処理を行って、乾燥及び熱処理された芳香族ポ
リイミド製の非対称性中空糸膜(中空糸膜の外径:35
6μm、その膜厚:43μm)を製造した。
【0051】参考例2 参考例1と同様な方法で、芯部の窒素吐出量と前記紡糸
用ドープ液の吐出量とを変化させて、中空糸膜の外径2
20μm、膜厚42μmの芳香族ポリイミド製の非対称
性中空糸膜を製造した。
【0052】参考例3 参考例1と同様な方法で、芯部の窒素吐出量と前記紡糸
用ドープ液の吐出量とを変化させて、中空糸膜の外径4
28μm、膜厚75μmの芳香族ポリイミド製の非対称
性中空糸膜を製造した。
【0053】参考例4 中空糸紡糸用ノズル(円形開口部の外径;1000μ
m、円形開口部のスリット幅;100μm、芯部開口部
の外径;400μm)を用い、芯部の窒素吐出量と前記
紡糸用ドープ液の吐出量と変化させた以外は、参考例1
と同様な方法で、中空糸膜の外径275μm、膜厚22
μmの芳香族ポリイミド製の非対称性中空糸膜を製造し
た。
【0054】実施例1 参考例1で得られた非対称性中空糸膜を、空気雰囲気の
オーブン中、無緊張下、400℃で30分間、予備熱処
理して熱安定化した。次に、予備熱処理された非対称性
中空糸膜は、石英ガラス管中を500℃に調節し窒素雰
囲気に保たれた電気管状炉内を、送りだしロールと引き
取りロールとの間で20cm/分の等速度で通過させ
て、滞留時間4分間の熱処理が行なわれ、部分炭素化さ
れた非対称性中空糸分離膜を製造した。
【0055】前述のようにして製造した部分炭素化され
た非対称性中空糸分離膜について、電子顕微鏡を使用し
て、中空糸分離膜破断面の10000倍の写真を写し、
その写真における中空糸分離膜の断面を観察することに
より、部分炭素化された緻密層(表面層)及び多孔質層
(緻密層に隣接した多孔質層)からなる非対称性構造を
確認した。この中空糸分離膜について、前記の測定法に
従って、ガス透過性能や炭素含有率などの測定を行っ
た。それらの結果を表1〜表4に示す。(尚、表中、例
えばP’(N2)/P’(SF6)は、窒素ガスとSF6
ガスとの透過速度比を表す。)
【0056】実施例2−5 実施例1の炭素化温度を550℃(実施例2)、600
℃(実施例3)、650℃(実施例4)、700℃(実
施例5)とした以外は、実施例1と同様な方法で部分炭
素化処理を行い、部分炭素化された非対称性中空糸分離
膜を製造した。製造した中空糸分離膜は、実施例1と同
様に非対称性構造を確認し、ガス透過性能や炭素含有率
などの測定を行った。その結果を表1〜表4に示す。
【0057】実施例6 参考例2で得られた非対称性中空糸膜を使用した以外
は、実施例1と同様な方法で部分炭素化処理を行い、部
分炭素化された非対称性中空糸分離膜を製造した。製造
した中空糸分離膜は、実施例1と同様に非対称性構造を
確認し、ガス透過性能や炭素含有率などの測定を行っ
た。その結果を表1〜表4に示す。
【0058】実施例7,8 部分炭素化温度を550℃(実施例7)、600℃(実
施例8)とした以外は、実施例6と同様な方法で部分炭
素化処理を行い、部分炭素化された非対称性中空糸分離
膜を製造した。製造した中空糸分離膜は、実施例1と同
様に非対称性構造を確認し、ガス透過性能や炭素含有率
などの測定を行った。その結果を表1〜表4に示す。
【0059】実施例9,10 参考例4で得られた非対称性中空糸膜を使用し、部分炭
素化温度を550℃(実施例9)、600℃(実施例1
0)とした以外は、実施例1と同様な方法で部分炭素化
処理を行い、部分炭素化された非対称性中空糸分離膜を
製造した。製造した中空糸分離膜は、実施例1と同様に
非対称性構造を確認し、ガス透過性能や炭素含有率など
の測定を行った。その結果を表1〜表4に示す。
【0060】比較例1 参考例3で得られた非対称性中空糸膜を使用した以外
は、実施例3と同様な方法で部分炭素化処理を行い、部
分炭素化された非対称性中空糸分離膜を製造した。製造
した中空糸炭素膜は、実施例1と同様に非対称性構造を
確認し、ガス透過性能や炭素含有率などの測定を行っ
た。その結果を表1〜表4に示す。
【0061】比較例2 部分炭素化温度を650℃とした以外は、比較例1と同
様な方法で部分炭素化処理を行い、部分炭素化された非
対称性中空糸分離膜を製造した。製造した中空糸分離膜
は、実施例1と同様に非対称性構造を確認し、ガス透過
性能や炭素含有率などの測定を行った。その結果を表1
〜表4に示す。
【0062】比較例3 参考例1で得られた非対称性中空糸膜を、実施例1と同
様の方法で予備加熱処理したのち450℃に調整した以
外は同一の条件で(部分炭素化の程度が低い)熱処理を
行った。製造した中空糸分離膜は、実施例1と同様に非
対称性構造を確認し、ガス透過性能や炭素含有率などの
測定を行った。その結果を表1〜表4に示す。
【0063】比較例4 参考例1で得られた非対称性中空糸膜を、実施例1と同
様の方法で予備加熱処理したのち1000℃に調整した
以外は同一の条件で(部分炭素化の程度が過剰になるよ
うな)熱処理を行った。製造した中空糸分離膜は、実施
例1と同様に非対称性構造を確認し、ガス透過性能や炭
素含有率などの測定を行った。その結果を表1〜表4に
示す。
【0064】比較例5 参考例1で得られた非対称性中空糸膜を、実施例1と同
様の方法で予備加熱処理したのち1200℃に調整した
以外は同一の条件で(部分炭素化の程度が過剰になるよ
うな)熱処理を行った。製造した中空糸分離膜は、実施
例1と同様に非対称性構造を確認し、ガス透過性能や炭
素含有率などの測定を行った。その結果を表1〜表4に
示す。
【0065】一般に、分離膜の性能に関しては、ガスの
透過速度と混合ガスの透過速度比(分離度)が互いにト
レードオフの関係にあり、透過速度が大きい分離膜は分
離度が小さく、あるいは、分離度が大きい分離膜は透過
速度が小さい傾向がある。本実施例、比較例および参考
例で得られた透過速度と透過速度比の関係を図2〜図4
に示した。図2〜図4から分かるように、本発明の実施
例は、図の右上に位置し、透過速度が大きくても、さら
に透過速度比(分離度)が大きく、比較例に比べ、混合
ガスを極めて効率的に分離できることが分かる。
【0066】表2〜表4には、測定混合ガスの透過速
度、透過速度比(分離度)とともに、膜性能を示す総合
的評価尺度として、透過速度と透過速度比(分離度)の
積Sを示した。表1からわかるように、膜厚が50μm
以下のポリイミド中空糸膜を部分炭素化して得られた膜
厚が45μm以下の中空糸膜は、有機膜(前駆体膜)あ
るいは膜厚の厚い部分炭素化して得られた分離膜に比較
して、大きな窒素の透過速度と著しく大きな窒素とハロ
ゲン化合物との透過速度比を有し、膜性能を示す総合的
評価尺度である透過速度と透過速度比(分離度)の積S
において、極めて著しい改善が見られる。
【0067】一方、膜厚が8μmより小さいポリイミド
中空糸膜あるいはそれを部分炭化して得られる膜厚が8
μmより小さい中空糸分離膜は、機械的強度が小さくの
で実用的なものではない。
【0068】また、表1〜表4から、部分炭素化の程度
が適当である範囲においてのみ、前記の分離性能の著し
い改善が見られ、部分炭素化の程度が小さい場合および
部分炭素化の程度が過剰な場合には、前記の改良された
分離性能は示さないことがわかる。
【0069】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0070】
【発明の効果】以上のように、芳香族ポリイミドからな
る非対称性構造を有する中空糸分離膜(前駆体膜)を部
分炭素化して得られた非対称性構造を有する中空糸分離
膜において、部分炭素化前の中空糸分離膜(前駆体膜)
の厚さを薄くし、部分炭化して得られた非対称性中空糸
分離膜の膜厚を8〜45μmとすること、および、部分
炭素化された中空糸分離膜の炭素含有率を前駆体膜の
1.05倍以上で90重量%以下とすることによって、
また、好ましくは膜厚の収縮率が0.1〜30以下とす
ることによって、炭素化時の分離層の欠陥の発生を抑制
し、前駆体膜および従来の部分炭素化された非対称性中
空糸分離膜を超える高い透過速度および高い選択性を有
する極めて有用な中空糸分離膜を得ることができる。ま
た、この膜を使用して、ハロゲン化合物の分離回収を極
めて高効率で行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の部分炭素化された非対称中空糸分離
膜をハロゲン化合物ガスを分離回収する際に使用する装
置の1例を示す断面図である。
【図2】N2とSF6との混合ガスの透過速度比とN2
透過速度との関係を示す図である。
【図3】N2とCF4との混合ガスの透過速度比とN2
透過速度との関係を示す図である。
【図4】N2とC26との混合ガスの透過速度比とN2
透過速度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1;ガス分離回収装置 2;部分炭素化された非対称性中空糸分離膜 3;原料ガス供給口(混合ガス供給口) 4;非透過ガス排出口 5;透過ガス排出口 6;密封容器 7;樹脂壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 6/74 D01F 6/74 A 9/14 9/14 // C08L 79:08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリイミドからなる非対称性構造を
    有する中空糸分離膜(前駆体膜)を部分炭素化して得ら
    れた非対称性構造を有する中空糸分離膜において、
    (1)部分炭素化される芳香族ポリイミド中空糸膜(前
    駆体膜)の膜厚が8〜50μmであり(2)部分炭素化
    して得られた中空糸分離膜の膜厚が8〜45μmであり
    (3)部分炭素化して得られた中空糸分離膜の炭素含有
    率(重量%)が、部分炭素化される芳香族ポリイミド中
    空糸膜(前駆体膜)の炭素含有率の1.05倍以上であ
    り、かつ、90重量%以下であることを特徴とする、部
    分炭素化された非対称性中空糸分離膜。
  2. 【請求項2】芳香族ポリイミドからなる非対称性構造を
    有する中空糸分離膜(前駆体膜)を部分炭素化して得ら
    れた非対称性構造を有する中空糸分離膜において、部分
    炭素化による中空糸分離膜の膜厚の収縮率が0.1〜3
    0%であることを特徴とする、前記請求項1に記載の部
    分炭素化された非対称性中空糸分離膜。
  3. 【請求項3】芳香族ポリイミドからなる非対称性構造を
    有する中空糸分離膜(前駆体膜)を部分炭素化して得ら
    れた非対称性構造を有する中空糸分離膜において、窒素
    ガスとSF6ガスとの50℃におけるガス透過速度比
    (窒素ガスの透過速度/SF6ガスの透過速度)が50
    0以上であることを特徴とする、前記請求項1に記載の
    部分炭素化された非対称性中空糸分離膜。
  4. 【請求項4】芳香族ポリイミドからなる非対称性構造を
    有する中空糸分離膜(前駆体膜)を部分炭素化して、非
    対称性構造を有する部分炭素化された中空糸分離膜を製
    造する方法において、 (1)部分炭素化される芳香族ポリイミド中空糸膜(前
    駆体膜)の膜厚が8〜50μmであり (2)部分炭素化して得られた中空糸分離膜の膜厚が8
    〜45μmであり (3)部分炭素化して得られた中空糸分離膜の炭素含有
    率(重量%)が、部分炭素化される芳香族ポリイミド中
    空糸膜(前駆体膜)の炭素含有率の1.05倍以上であ
    り、かつ、90重量%以下であることを特徴とする、部
    分炭素化された非対称性中空糸分離膜の製造方法。
  5. 【請求項5】芳香族ポリイミドからなる非対称性構造を
    有する中空糸分離膜(前駆体膜)を部分炭素化して、非
    対称性構造を有する部分炭素化された中空糸分離膜を製
    造する方法において、部分炭素化による中空糸分離膜の
    膜厚の収縮率が0.1〜30%であることを特徴とす
    る、前記請求項4に記載の部分炭素化された非対称性中
    空糸分離膜の製造方法。
  6. 【請求項6】芳香族ポリイミドからなる非対称性構造を
    有する中空糸分離膜(前駆体膜)を部分炭素化して、非
    対称性構造を有する部分炭素化された中空糸分離膜を製
    造する方法において、部分炭素化して得られた中空糸分
    離膜の窒素ガスとSF6ガスとの50℃におけるガス透
    過速度比(窒素ガスの透過速度/SF6ガスの透過速
    度)が500以上であることを特徴とする、前記請求項
    4に記載の部分炭素化された非対称性中空糸分離膜の製
    造方法。
  7. 【請求項7】少なくとも1種のハロゲン化合物ガスおよ
    び少なくとも1種のキャリアーガスを包含する混合ガス
    を、前記請求項1〜3のいずれかに記載の部分炭素化さ
    れた非対称性中空糸分離膜に供給し、膜の透過側からハ
    ロゲン化合物の含有量の減少した少なくとも1種のキャ
    リアーガスからなるガスを取り出し、膜の非透過側から
    少なくとも1種のハロゲン化合物が濃縮されたガスを回
    収することを特徴とする、ハロゲン化合物ガスの分離方
    法。
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