JPH04193334A - 非対称性中空糸炭素膜の製法 - Google Patents

非対称性中空糸炭素膜の製法

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JPH04193334A
JPH04193334A JP32095890A JP32095890A JPH04193334A JP H04193334 A JPH04193334 A JP H04193334A JP 32095890 A JP32095890 A JP 32095890A JP 32095890 A JP32095890 A JP 32095890A JP H04193334 A JPH04193334 A JP H04193334A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、芳香族ポリイミド製の非対称性中空糸膜を
、該中空糸膜の非対称性構造が維持される250〜49
5℃の温度及び酸素含有ガス雰囲気で予備熱処理して熱
安定化し、次いて、500〜900℃の高温及び不活性
ガス雰囲気で部分的に炭化して、部分炭化された材料で
形成されている中空糸炭素膜中間体(炭素原子の含有率
か70〜93重量%とかなり高い特殊な材料で形成され
ている非対称性中空糸炭素膜中間体)を形成し、さらに
、該炭素膜中間体を、300〜400°Cの温度及び酸
素含有ガスの雰囲気で、後熱処理して、高いガス透過性
能のガス分離用の非対称性中空糸膜を製造する方法に係
わる。
この発明の非対称性中空糸炭素膜は、極めて優れた耐熱
性、耐溶剤性を有していると共に、窒素と炭酸ガスとの
混合ガスから炭酸ガスを分離する場合などのガス分離性
能(特に炭酸ガスの透過速度が優れている)が高いレベ
ルのものである。
〔従来技術の説明〕
従来、透過選択性の高い非対称性のガス努離膜は、種々
のポリマーを素材とするものが知られている。それらの
中で、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジ
アミンとを重合及びイミド化して得られた可溶性の芳香
族ポリイミドの溶液を使用して、湿式製膜法で製造され
た非対称性のガス分離膜(中空糸膜)は、特に、耐熱性
、耐薬品性か良好であるガス分離膜であることか、特開
昭61−133106号公報などにおいて、知られてい
る。
ところか、公知のガス分離膜は、分離すべき原料混合ガ
ス中に、ヘキサン、トルエンなとの有機溶剤などの不純
物を多く含む場合には、膜性能に悪影響を与えることか
あり、前述の不純物を除去するという前処理を充分にし
た後てないと、原料混合ガスの分離操作を行うことかで
きなかったのである。
最近、例えば、特開昭60−179102号公報、特開
平1−221518号公報などにおいて、有機ポリマー
製の膜を極めて高温て熱処理して多孔質有機膜を炭化し
て、耐薬品性の優れたガス分離膜用の炭素膜を製造する
方法、および、それらの方法で得られた炭素膜(中空糸
炭素膜)について、提案された。
しかし、特開昭60−179102号公報には、具体的
には、ポリアクリルニトリル製の膜を、1200°C付
近の温度で熱処理して充分な炭素化を行って、膜全体に
微細孔を形成させた分離性炭素膜を製造する方法か記載
されており、前述の製法によって得られたガス分離炭素
膜は、実質的に多孔質ガス分離膜に関するものであるの
で、その分離用炭素膜は、透過速度か比較的大きいので
あるが、選択透過性か非常に小さいものであり、実用的
なガス分離膜とはならないものであった。
また、特開平1−22151.8号公報には、概略、ポ
リアクリルニトリル、セルロース、ポリヒニルアルコー
ルなどの有機ポリマーからなる多孔質中空糸膜を、架橋
、酸化を施した後、不活性雰囲気、600〜1000°
Cの温度て炭素化し、さらに、水蒸気、炭酸ガス等の酸
化性ガスを含む雰囲気で賦活性化処理をして、細孔径1
0〜50人の多孔質構造を有する中空糸炭素膜を製造し
、最後に、前記中空糸炭素膜を、必要てあれば熱分解性
炭化水素に浸漬した後、不活性ガス中で900°C以上
の温度て1分間以上熱処理して細孔を熱収縮させて、特
殊な中空糸炭素膜を製造する方法、並びに、前述のよう
にして製造された特殊な中空糸炭素膜か記載されている
前記の公知の製法は、前述のようにして存機ボリマゴ製
の中空糸膜から製造される細孔径10〜50人の多孔質
構造を有する中空糸炭素膜を準備して使用することか必
要であり、その製造が極めて複雑であり、その後の細孔
の収縮のための熱処理も簡単ではないと共に、最初の有
機ポリマー製の中空糸膜に対する中空糸炭素膜の収率か
30%以下であり、極めて生産性の悪いものであった。
〔解決しようとする問題点〕
この発明は、公知の芳香族ポリイミドからなるガス分離
膜と比較して、実質的に同程度のガス透過速度及び高い
選択透過性(高い分離度)を有していると共に、極めて
優れた耐溶剤性及び耐熱性を有している非対称性中空糸
炭素膜を、工業的に容易に製造する方法を提供すること
を目的とするものである。
〔問題点を解決する手段〕
この発明は、芳香族ポリイミドからなる非対称性中空糸
膜を、250〜495°Cの範囲内の温度であってしか
も該中空糸膜の非対称性構造が維持される温度、および
、酸素含有ガスの雰囲気で、予備熱処理して熱安定化し
、次いて、その予備熱処理された中空糸膜を、500〜
900°Cでおよび不活性ガスの雰囲気下で部分的に炭
素化処理して、中空糸炭素膜中間体を形成し、さらに、
該炭素膜中間体を、250〜450°Cの温度てあって
酸素含有ガスの雰囲気で、後熱処理することを特徴とす
る非対称性中空糸炭素膜の製法に関する。
以下、この発明の製法の各要件についてさらに詳しく説
明する。
この発明の非対称性中空糸炭素膜の製法では、例えば、 (a)  芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミ
ン成分とを重合及びイミド化して得られる芳香族ポリイ
ミド溶液から湿式製膜法なとて製造された非対称性中空
糸膜を、 0250〜495°C(特に260〜450℃)の範囲
内の温度であってしかも該中空糸膜の非対称性構造か維
持される温度、 ■酸素含有ガス(例えば空気等)の雰囲気、■0.1〜
100時間(特に0.3〜50時間)、予備熱処理して
熱安定化し、次いで、 (b)  その予備熱処理された芳香族ポリイミド製の
非対称性中空糸膜を、 0500〜900℃(特に550〜800℃)の温度、 ■不活性ガスの雰囲気下、 ■0.5秒間〜100分間(特に1秒間〜50分間)、 部分的に炭素化処理して、部分的に炭素化されていて、
緻密層と多孔質層とを一体に有する中空糸炭素膜中間体
を形成し、さらに、 (e)  該炭素膜中間体を、 0250〜450℃(特に300〜400℃)の温度で
あって、 ■酸素含有ガスの雰囲気、 ■0.2〜50時間、特に0.5〜lO時間、後熱処理
して、 非対称性中空糸炭素膜を製造する方法を好適に挙げるこ
とかできる。
前記の芳香族ポリイミドからなる非対称性中空糸膜は、
特開昭60−150806号公報、特開昭61−133
106号公報に示されているような方法などで製造され
た単一構造(表面に緻密層と内部に多孔質層とからなる
単一非対称性構造)の非対称性中空糸膜、あるいは、特
開平2−169019号公報、特願平1−70446号
明細書などに記載されている方法などで製造された二層
押出構造(外層が表面の緻密層と内部の多孔質層とから
なり、内層が多孔質層からなる二層押出構造を有する中
空糸膜である)の非対称性中空糸膜を好適に挙げること
ができる。
前記の単一膜構造の非対称性中空糸膜は、例えば、ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカ
ルボン酸成分と、ジアミノジメチルジフェニレンスルホ
ン、ジアミノジフェニルメタン、4.4’−ジアミノジ
フェニルエーテルなどの芳香族ジアミン成分とを、略等
モル、パラクロルフェノールなどのフェノール系溶媒中
で、重合およびイミド化して、可溶性の芳香族ポリイミ
ドの溶液を調製し、その溶液を製膜用ドープ液として使
用して、チューブ・イン・オリフィスタイプの紡糸用ノ
ズルから、窒素雰囲気中に中空糸状に押し出し−次いで
、エタノール水溶液からなる凝固液中で凝固させて、非
対称性構造の中空糸膜となし、最後に、その中空糸膜を
エタノール洗浄してフェノール系溶媒を抽出して除去し
、イソオクタン溶剤によって前記エタノールの置換を行
った後、乾燥し、さらに熱処理して、好適なガス透過速
度及び選択透過性を有する非対称性中空糸膜(単一構造
)を製造することができる。
また、二層押出構造の非対称性中空糸膜は、前述の同様
にして2種の可溶性芳香族ポリイミド溶液を調製して、
それらの溶液を使用して、二層押し出しの可能な二層押
出紡糸用ノズルを使用するほかは、前述の単一構造の中
空糸膜の製法と実質的に同様にして、非対称性の二層押
出中空糸膜を製造することができる。
この発明の製法に使用される芳香族ポリイミド製の非対
称性中空糸膜は、水素ガスの透過速度(PH2,50°
C)がlXl0−’〜100XIO”Csl/car・
sec ・(1)Hg程度であって、水素ガスの透過速
度(PH2)とメタンガスの透過速度(PCI。
、50°C)との比(P H2/ P C)t、 ’)
で示される選択透過性(分離度)か30〜250程度て
あり、さらに、厚さO,OO1〜5μm程度の緻密層(
表面層)と厚さlO〜2000μm程度の多孔質層(内
部層)とか連続して一体となっている非対称性構造が形
成されている中空糸膜であることか、この発明の製法に
おいて最終的に得られる非対称性中空糸炭素膜か充分な
非対称性構造を有するようにするため、また、そのガス
分離性能を高いレベルとする上で、特に好ましい。
この発明の製法では、前述の酸素含有ガス中での予備熱
処理(熱安定化処理)は、次の炭素化処理工程において
前記の中空糸膜の非対称性構造か維持できるように、前
記中空糸膜を形成している芳香族ポリイミドを一部架橋
および/または一部環化させ、あるいは、不融化または
不溶化して、熱的に安定である芳香族ポリイミドとする
ために、250〜495°Cの範囲内の温度であって、
前記中空糸膜の非対称性構造が維持される温度で行われ
る。
前記の中空糸膜の非対称性構造か維持される温度とは、
例えば、該ポリイミドが後述する測定法で測定された軟
化温度を有する場合には、該ポリイミドの軟化温度より
も、5°C以上低い温度、特に10℃以上低い温度であ
り、また、該ポリイミドか実質的に軟化温度又は二次転
移温度を有していない場合には、その該ポリイミド製中
空糸膜の非対称性構造が電子顕微鏡などで観察して大幅
に変形したりしない温度、多孔質層の平均孔径か大幅に
(50%以下に)縮小したりしない温度であればよい。
前記の予備熱処理は、前述の温度範囲内であれば、例え
ば、280°Cの付近の温度から450°Cの付近の高
温まで徐々に昇温させなから行うことによる予備熱処理
、あるいは、250〜350°Cの温度て5〜100時
間(好ましくは10〜50時間)の熱処理し、次いで、
350〜490°Cの温度て10〜300分間(好まし
くは20〜200分間)の熱処理するというように、複
数段階で行う予備熱処理であってもよい。
前記の非対称性中空糸膜の予備熱処理は、前記芳香族ポ
リイミド製の中空糸膜(長尺の中空糸)を高温の加熱炉
に連続的に供給して連続的に行うことができ、また、複
数本の非対称性中空糸膜の糸束を形成して、その糸束を
適当な温度の加熱炉内に配置しである時間加熱炉内に放
置してバッチ的に熱処理を行うこともてきる。
前記の予備熱化処理で使用する酸素含有気体としては、
例えば、空気、又は、酸素と窒素等の他の不活性ガスと
の種々の配合割合(特に、酸素含有割合;5〜30容量
%)の混合ガスなどを好げることができる。
この発明の製法では、前述の酸素含有ガス中での予備熱
処理を行わないと、その後の工程の炭素化工程で、中空
糸膜の非対称性構造か損なわれるので適当ではなく、ま
た、予備熱処理を余りに高い温度で行うと、芳香族ポリ
イミド製の非対称性中空糸膜かその非対称性構造を最適
に維持できなくなり、非対称性構造か損なわれたり、著
しくガス分離性能の劣った構造になったりすることかあ
り、最終的な非対称性中空糸炭素膜が低い性能のガス分
離膜となるので適当ではない。
この発明の製法では、前述のようにして、予備熱処理さ
れた芳香族ポリイミド製の非対称性中空) 糸膜は、例
えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの不
活性気体の雰囲気中で、500〜900℃(好ましくは
550〜800°Cの範囲内の温度で、0.5秒間〜1
00分間(特に1秒間〜50分間)、部分的に炭素化処
理をすることか好ましい。
前述の部分的な炭素化処理は、前述の温度範囲内であれ
ば、例えば、500°C〜600°Cの付近の温度から
700°C〜800°Cの付近の高温まて昇温させなか
ら約10秒間〜60分間で行うことによる高熱処理、あ
るいは、500〜550°Cの温度付近で0.5〜60
分間(好ましくは1〜30分間)の高熱処理し、次いて
、600〜800°Cの温度付近で0.5秒間〜20分
間(好ましくは1秒間〜10分間)の高熱処理をすると
いうように複数段階で行う高熱処理であってもよい。
前記の予備加熱された芳香族ポリイミド製の非対称性中
空糸膜の炭素化処理は、前述の予備加熱と同様に、前記
中空糸膜(長尺の中空糸)を高温の加熱炉に連続的に供
給して連続的に行うことができ、また、複数本の非対称
性中空糸膜の糸束を形成して、その糸束を適当な温度の
加熱炉内に配置しである時間加熱炉内に放置してバッチ
的に高熱処理(炭素化)を行うこともてきる。
前記の中空糸炭素膜中間体は、水素の透過速度(PH2
,50℃)が3 X I O−’ 〜80 X 10−
’ai/a[r−3ec−CmHg程度であって、水素
の透過速度とメタンの透過速度との比(PH2/PCH
,,5゜”C)で示される選択透過性(分離度)か10
0以上、特に200〜800程度であることか好ましい
前記の中空糸炭素膜中間体は、前記の選択透過性(PH
2/PCH,)が余りに低いと、該炭素膜中間体をさら
に後熱処理を行っても、炭酸ガスの透過速度(PCO□
)および選択透過性が著しく低下することがあるので望
ましくはない。
また、前記の中空糸炭素膜中間体は、炭酸ガスの透過速
度(PCO□、30°C)が、0.5X10−’〜10
×1O−1iaIr/cd・SeC・―Hg程度であっ
て、しかも、炭酸ガスの透過速度と窒素の透過速度との
比(PCO2/PN2.30°C)で示される選択透過
性(分離度)がlO〜70、特に20〜60程度である
ことが最適である。
この発明の製法において、前記中空糸炭素膜中間体は、
必要であれば、濃硫酸あるいは硝酸液中に、0〜80°
C1特に5〜60°Cの温度で、約3〜30時間、特に
5〜20時間浸漬した後、イオン交換水で酸を置換する
という酸処理を行った後に、その酸処理で得られた中空
糸炭素膜中間体について前述のような後熱処理をすると
、炭酸ガスの分離性が向上することがある。
この発明の製法で得られた非対称性中空糸炭素膜は、該
中空糸炭素膜を形成している材質が、i)炭素原子の含
有率か70〜92重量%(特に70〜90重量%)、 ii)窒素原子の含有率が3.5〜7重量%(特に4.
0〜6.5重量%)、および、 ii)水素原子の含有率か1.0〜4.0重量%(特に
1.5〜3.5重量%)であって、 iv)芳香族ポリイミドを高温で熱処理して部分的に炭
素化された部分炭素化物であり、そして、 (イ)該中空糸膜の外表面に、厚さ0.0005〜5μ
m(特にO,OO1〜2μm)の緻密層を有すると共に
、 (ロ)中空糸膜の内部か、前記緻密層と連続して多
孔質支持層(平均孔径50〜20000人、特に100
〜10000人程度の微細孔を多数有する厚さ10〜2
000μm1特に20〜1000μmの多孔質支持層)
を有する非対称性中空糸炭素膜である。
前記の非対称性中空糸炭素膜は、炭酸ガスの透過速度(
PCO2,30°C)か、lXl0−’〜80X I 
O−’cut/cor −sec ・cmHg、特に2
×10−5〜60 x 10−’cor/cnr ・s
ee ・anHg程度であって、炭酸ガスの透過速度と
窒素の透過速度との比(PCO2/PN2)で示される
選択透過性(分離度)か20〜100、特に25〜80
程度である。
この発明の製法で得られた非対称性中空糸炭素膜は、そ
の外径が100〜2000μm、特に150〜1000
μm程度であることか好ましく、また、その膜厚が10
〜200μm1特に20〜150μm程度である。
この発明の製法で得られた非対称性中空糸炭素膜は、部
分的に適度に炭素化されている材料で形成されており、
極めて薄い緻密層(ガス分離活性層)と比較的厚い多孔
質層(支持層)とを一体に有する非対称性構造を有して
いるものであるので、高いガス透過性と高い選択性(分
離性)とを同時に保持していると共に、耐熱性、耐久性
が優れているガス分離膜である。
〔実施例〕
以下、この発明を参考例および実施例によってさらに詳
しく説明する。しかし、この発明はそれらの実施例によ
って限定されるものではない。
非対称性中空糸膜、非対称性中空糸炭素膜等について、
各ガスの透過性能は、次に示す方法で測定した。
まず、前述のようにして製造した非対称性中空糸炭素膜
と、ステンレスパイプと、エポキシ樹脂系接着剤とを使
用して、透過性能評価用の中空糸エレメントを作成した
透過性能の測定A そして、透過性能Aは、ステンレス容器に、透過性能評
価用の中空糸炭素膜の中空糸エレメントを装着し、水素
ガスとメタンガスとの混合ガスを用いて、50°Cの温
度、10kg/cnrの圧でガス透過試験を行い、ガス
透過速度と、各ガスの透過速度比(選択透過性、分離度
を示す)とを、ガスクロマトグラフィー分析の測定値か
ら算出した。
透過性能の測定B ステンレス容器に、透過性能評価用の中空糸炭素膜の糸
束エレメントを装着し、炭酸ガスと窒素との混合ガスを
用いて、温度30°C1圧10kg/dでガス透過試験
を行い、ガス透過速度と、各ガスの透過速度比(選択透
過性、分離度を示す)とを、ガスクロマトグラフィー分
析の測定値から算出した。
参考例1 〔ポリイミド溶液の調製〕 3.3’、4.4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物99ミリモルと、4,4゛−ジアミノジフェニルエー
テルlOミリモル、3,7−シアミツジフェニレンスル
ホン90ミ9 ル293gと共に、攪拌機と窒素ガス導入管とか付設さ
れたセパラブルフラスコに入れて、窒素ガスを流して、
反応液を攪拌しなから、180°Cの重合温度で16時
間重合させて、芳香族ポリイミド濃度か15重量%であ
る芳香族ポリイミド溶液を調製した。
二の芳香族ポリイミド溶液は、100°Cの回転粘度が
1004ポイズてあり、90°Cての回転粘度か143
2ポイズであった。この芳香族ポリイミド溶液を、40
0メツシユのステンレス金網て濾過して、紡糸用のドー
プ液を準備した。
〔単一構造の非対称性中空糸膜の製造〕その紡糸用ドー
プ液を、中空糸紡糸用ノズル(円形開口部の外径;10
00μm、円形開口部のスリット幅;200μm1芯部
開口部の外径。
400μm)を備えた紡糸装置に仕込み、そして、前記
紡糸用ノズルから中空糸状に吐出させて、その中空糸状
体を窒素雰囲気中を通した後、65重量%のエタノール
水溶液からなる一次凝固液(0’C)に浸漬し、さらに
、一対の案内ロールを備えた二次凝固装置内の二次凝固
液(0°C)中で案内ロール間を往復させて、中空糸状
体の凝固を完了させて、芳香族ポリイミド製の中空糸膜
を引き取りロールで引き取りながら(引き取り速度15
m/分)、紡糸を行った。
最後に、この中空糸膜をボビンに巻き取り、エタノール
で充分に凝固溶媒等を洗浄した後、イソオクタン(置換
溶媒)でエタノール置換し、さらに、中空糸膜を100
°Cに加熱して、イソオクタンの蒸発・乾燥を行い、さ
らに、300°Cの温度て30分間、中空糸膜の熱処理
を行って、乾燥及び熱処理された芳香族ポリイミド製の
非対称性中空糸膜を製造した。
実施例1 参考例1て得られた非対称性中空糸膜を、空気雰囲気の
オーブン中、無緊張下、400′Cて30分間予備熱処
理して熱安定化した。
次に、予備熱処理された非対称性中空糸膜は、石英ガラ
ス管中を700°Cに調節し窒素雰囲気に保たれた電気
管状炉内を、送りだしロールと引き取りロールとの間で
20an/分の等速度で通過させて、滞留時間4分間の
炭素化処理か行なわれ、中空糸炭素膜中間体Iを製造し
た。
この中空糸炭素膜中間体Iについて、透過性能の測定法
人及びBに従って、透過性能の測定を行った。その結果
を第1表に示す。
最後に、前記中空糸炭素膜中間体を、空気雰囲気のオー
ブン中で、無緊張下、300°Cて30分間、後熱処理
を行って、非対称性中空糸炭素膜を製造した。
電子顕微鏡を使用して、中空糸炭素膜の断面の1000
0倍の写真を写し、その写真における中空糸炭素膜の断
面を観察することにより、中空糸炭素膜の緻密層と多孔
質層とからなる非対称性構造を確認した。
この非対称性中空炭素膜について、透過性能の測定Bに
従って行いその結果を第2表に示す。
: 実施例2〜3 石英ガラス管内の温度(部分炭素化温度)を、800°
C(実施例2)又は900°C(実施例3)に代えたほ
かは、実施例1と同様の方法で、中空糸炭素膜中間体■
及び■をそれぞれ製造した。
これらの中空糸炭素膜中間体■及び■について、透過性
能の測定法人及びBに従って、透過性能の測定を行い、
その結果を第1表に示す。
最後に、前記の各中空糸炭素膜中間体を、空気雰囲気の
オーブン中、無緊張下、300°Cて30分間、後熱処
理を行って、非対称性中空糸炭素膜をそれぞれ製造した
各非対称性中空糸炭素膜について、透過性能の測定Bに
よるを第2表に示す。
実施例4〜5 実施例3において製造された中空糸炭素膜中間体■を、
濃硫酸中(室温)に12時間程度浸漬しく実施例4)、
又は70重量%の硝酸水溶液(室温)に12時間程度浸
漬しく実施例5)、次いて、浸漬された該中間体をそれ
ぞれイオン交換水で硫・酸を完全に洗浄した後、最後の
後熱処理を行ったほかは、実施例3と同様の方法で、非
対称性中空糸炭素膜をそれぞれ製造した。
各非対称性中空糸炭素膜について、透過性能の測定Bに
よる透過性能を第2表に示す。
実施例6 実施例3で製造された中空糸炭素膜中間体■の後熱処理
を行う時間を、30分間から120分間に変えたほかは
、実施例4と同様の方法で、非対称性中空糸炭素膜を製
造した。
非対称性中空糸炭素膜について、透過性能の測定Bによ
る透過性能を第2表に示す。
比較例1〜3 実施例1.2又は3と同様な方法で製造された中空糸炭
素膜中間体の後熱処理を、空気雰囲気に代えてアルゴン
雰囲気でそれぞれ行ったほかは、実施例1.2又は3と
同様の方法で、非対称性中空糸炭素膜をそれぞれ製造し
た。
各非対称性中空糸炭素膜について、透過性能の測定A及
びBによる透過性能を第2表に示す。
〔本発明の作用効果〕
この発明の製法によって得られる非対称性中空糸炭素膜
は、緻密層と多孔質層とを一体に有する非対称性構造を
保持しており、例えば、炭酸かスと窒素ガスとを含む混
合ガスから炭酸ガスを高い分離性能で分離することがて
き、しかも、有機溶剤などの不純物成分か混入した混合
ガスの分離においても、その分離性能(分離度等)かほ
とんと低下しないものであり、さらに、高温で長期間使
用できる高い耐熱性を有しているものであり、また、こ
の発明の製法は、前述の優れた性能の非対称性中空糸炭
素膜を、再現性よく高い生産性て容易に製造することが
できる優れた製法である。
特許出願人  宇部興産株式会社

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 芳香族ポリイミドからなる非対称性中空糸膜を250〜
    495℃の範囲内の温度であってしかも該中空糸膜の非
    対称性構造が維持される温度、および、酸素含有ガスの
    雰囲気で、予備熱処理して熱安定化し、次いで、その予
    備熱処理された中空糸膜を、500〜900℃でおよび
    不活性ガスの雰囲気下で部分的に炭素化処理して、中空
    糸炭素膜中間体を形成し、さらに、該炭素膜中間体を、
    250〜450℃の温度であって酸素含有ガスの雰囲気
    で、後熱処理することを特徴とする非対称性中空糸炭素
    膜の製法。
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