JPH08323169A - 表面改質ポリイミダゾピロロン分離膜及びその製造方法 - Google Patents

表面改質ポリイミダゾピロロン分離膜及びその製造方法

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JPH08323169A
JPH08323169A JP13166195A JP13166195A JPH08323169A JP H08323169 A JPH08323169 A JP H08323169A JP 13166195 A JP13166195 A JP 13166195A JP 13166195 A JP13166195 A JP 13166195A JP H08323169 A JPH08323169 A JP H08323169A
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gas
polyimidazopyrrolone
separation membrane
dense layer
membrane
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JP13166195A
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Inventor
Masayoshi Takatake
正義 高武
Toshikazu Suganuma
俊和 菅沼
Hirotomo Nagata
寛知 永田
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリイミダゾピロロンからなる緻密層を有す
る分離膜の緻密層表面が、塩素化又は、塩素及びフッ素
化されている事を特徴とする表面改質ポリイミダゾピロ
ロン分離膜及びその製造方法。 【効果】 気体透過性と気体選択性能に優れ、耐熱性・
耐久性を有する表面改質されたポリイミダゾピロロン気
体分離膜を提供する事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分離膜の気体透過・選
択性を向上させた表面改質されたポリイミダゾピロロン
気体分離膜及びその表面改質方法に関するものである。
【0002】膜による気体分離は、他の分離方法と比較
し、エネルギー的に有利で、装置が小型軽量、機構が簡
単でメンテナンスフリー等の特徴を有する為、各種産業
分野に活発に応用されており、本発明は例えば、空気の
酸素/窒素分離、プラットフォーミング法のオフガスか
らの水素の分離回収、アンモニア合成時の水素の分離回
収、火力発電やゴミ焼却の廃ガスからの二酸化炭素の回
収や窒素酸化物や硫黄酸化物の除去、油田のオフガスか
らの二酸化炭素の回収、天然ガスから硫化水素、二酸化
炭素等の酸性ガスや水分(水蒸気)の除去、ランドフィ
ルガスの脱炭酸及びメタン回収、空気及び有機蒸気の除
湿、有機物水溶液の脱水、揮発性物質混合液体のパーベ
ーパレーション分離、液体に溶解している気体の除去、
液体中への特定気体の溶解等に利用される。むろん本発
明はこれら用途に限定されるものではない。
【0003】
【従来の技術】気体分離膜の重要な基本要求性能は(1)
気体の分離性、(2)気体の透過性、(3)強度、耐熱、耐久
性、耐溶剤性等である。膜のガス透過性能は必要膜面積
及び膜モジュール、装置の大きさ、即ち装置のイニシャ
ルコストを支配する特性であり、ガスの透過能の高い膜
素材の開発及び膜の分離の活性層(緻密層)の薄膜化に
より工業的に必要とされるガス透過性能が達成される。
一方膜のガス選択性能は主に分離ガスの収率を支配する
特性である。即ち装置のランニングコストを支配する特
性であり、本質的に膜素材固有の特性である。一般に高
分子膜のガス透過性と選択性は相反関係にあり、透過性
が高い高分子素材は、低選択性(分離性と記す場合もあ
る)である。
【0004】そこで優れた気体分離膜を開発すべく、相
反する気体透過性と選択性のバランスに優れた膜素材の
開発及び、透過性の低下を極力抑え選択性を向上させる
技術として各種表面処理技術が盛んに検討されている。
各種有機高分子の中でポリイミダゾピロロンは強度、耐
久性、耐熱、耐溶剤性に極めて優れ、また相反する気体
透過性と選択性のバランスにも優れており分離膜用素材
として極めて優れた高分子である事が近年報告されてい
る。えばPolymer Preprints,Japan Vol.41,N
o.3,P.644(1992)には各種ポリイミダゾピ
ロロンの優れた気体選択透過特性について述べられてお
り、WO94/12465号には特定のポリイミダゾピ
ロロンからなる流体分離膜について述べられている。し
かしこれらの膜では、例えば空気分離膜として酸素と窒
素の分離に適用する場合、従来より行われている分離法
の競合技術であるPSA方式と比較し必ずしも十分な分
離性が期待できない。
【0005】また各種表面処理技術として、高分子論文
集,VOL.40,NO.1,P.35−40(Jan.,1
983)には低圧水銀灯により酸素の存在下でポリイミ
ドを光学的に架橋させる事により酸素と窒素の分離係数
が向上する事が示して有る。特開昭63−111921
号公報にはジアミン成分の一部がアミノ基に対してオル
トの位置に本質的にすべてに置換基を有し、且つ酸無水
物基は少なくとも部分的に3,3’,4,4’−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物からなり、且つ光学
的に架橋した芳香族ポリイミド気体分離膜が開示されて
いる。特開平2−169017号公報にはポリ(4−メ
チル−1−ペンテン)からなる膜表面をフルオロ酸化す
る事による気体の高選択性膜が開示されている。特公平
5−51331号公報には側鎖にオルガノシランを含む
ポリアセチレン誘導体からなる膜をフッ素反応源で処理
した酸素と窒素の気体選択性に優れた分離膜が開示され
ている。しかしこれらの表面処理先行技術は、膜の分離
特性は向上できるものの、いずれも処理による気体の透
過性能の低下が著しく、分離膜として実用可能な膜特性
を実現する事は不可能であった。
【0006】また特開平7−100342号公報には、
塩素又は臭素で分離膜を表面処理する方法が記載されて
いるが、ポリイミダゾピロロンの処理については全く言
及されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、気体透過性と分離性のバランスに優れたポリイミダ
ゾピロロン膜及び、ポリイミダゾピロロン膜に適した表
面改質の方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は分離膜用素材と
して優れた特性を有するポリイミダゾピロロンに着目
し、その気体選択特性のさらなる向上の為に鋭意検討の
結果、ポリイミダゾピロロンからなる緻密層の表面を塩
素化又は塩素とフッ素化する事により、その優れた特性
を損なう事なく、また実用可能な気体透過特性を保持さ
せたままその気体選択性を向上できる事を見い出し、さ
らにかかる分離膜を製造する為の表面改質方法を見い出
し本発明を完成するに至った。
【0009】即ち本発明の一つは、ポリイミダゾピロロ
ンからなる緻密層を有する気体分離膜の緻密層表面が塩
素化又は塩素とフッ素化されている事を特徴とする表面
改質ポリイミダゾピロロン分離膜及びその製造方法に関
する。
【0010】本発明に記述の、ポリイミダゾピロロンか
らなる緻密層とは、酸素、窒素、水素等の非凝集性気体
の膜透過の機構が高々クヌーセン流れ律速となる孔径以
下の連通孔しか実質的に存在せず、且つその連通孔開孔
率が面積比で1×10ー3以下、好ましくは1×10ー4
下、さらに好ましくは1×10ー6以下であり、最も好ま
しくは連通孔が実質的に存在せず気体の膜透過機構が溶
解−拡散律速となる、即ち連通孔開孔率が0である、緻
密なポリイミダゾピロロンからなる薄膜層である。緻密
層の厚さは薄いほど好ましく、好ましくは2μm〜0.
02μmであり、更に好ましくは0.5μm〜0.02μ
m、最も好ましくは0.1μm〜0.02μmでる。
【0011】緻密層に存在する連通孔径が高々クヌーセ
ン流れとなる孔径以下である事は、例えば膜を透過する
酸素と窒素の透過速度の比が誤差の範囲内で0.935
以上となる事により容易に確認できる。
【0012】本発明の処理は上記の如く緻密層に若干の
微少な連通孔が存在する場合にも気体の分離性を向上さ
せるのに有効である。このような膜は緻密層に本発明の
処理を施した後に、該連通孔を塞ぐ事により処理により
向上した膜の気体分離性能を十分に引き出すことができ
る。連通孔の封止は、例えばシリコーン、ポリアセチレ
ン等の極めて気体透過性能の大きい素材で該緻密層を薄
くコーティングする方法や、目止めを行う等の公知の方
法で容易に実施できる。
【0013】本発明のポリイミダゾピロロンとは、下記
(1)式で示される一般式及び/又は(1)式の立体異
性体構造を実質的な繰り返し単位として有するいわゆる
梯子型ポリマーである。
【0014】
【化5】
【0015】(式中、Z、Z1は4価の基であり芳香族
であることが好ましい。) ポリイミダゾピロロンは一般にN,N−ジメチルアセト
アミド、N−メチルピロリドン等の適当な溶媒中で、必
要に応じて例えば無水酢酸、塩化チオニル、トリフルオ
ロ酢酸無水物、ジシクロカルボジイミド、ピリジン、ト
リエチルアミン、安息香酸等の反応助剤を添加し、等モ
ル量のテトラアミン成分とテトラカルボン酸二無水物を
重縮合して得られる実質的に溶剤に可溶なポリイミダゾ
ピロロン前駆体をさらに加熱閉環する事により得られ
る。該前駆体のポリイミダゾピロロン化は例えば赤外吸
収スペクトル等により容易に確認できる。
【0016】本発明に記載のポリイミダゾピロロンの重
合に用いるテトラカルボン酸二無水物成分として、例え
ば、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニル
エーテルテトラカルボン酸二無水物、ヘキサフルオロイ
ソプロピリデンジフタル酸二無水物、ジフェニルスルフ
ォンテトラカルボン酸二無水物、ペリレンテトラカルボ
ン酸二無水物、ビス(ジカルボキシフェニル)メタン酸
二無水物、ビス(ジカルボキシフェニル)エタン酸二無
水物、ビス(ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水
物、アントラセンテトラカルボン酸二無水物、アゾベン
ゼンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等の脂環
族テトラカルボン酸二無水物、チオフェンテトラカルボ
ン酸二無水物、フランテトラカルボン酸二無水物、ピ
リジンテトラカルボン酸二無水物等の複素環族テトラカ
ルボン酸二無水物等の一種以上の成分が好適に挙げられ
る。
【0017】好ましくは、4,4’−(ヘキサフルオロ
イソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(以下6FDA
と略記)、ピロメリット酸二無水物(以下PMDAと略
記)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニ
ルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水
物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二
無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸
二無水物等が挙げられ、特に好ましくは6FDAが挙げ
られる。
【0018】またテトラアミン成分として互いにオルト
位に隣接するアミノ基のペアを有する各種テトラアミン
及びその誘導体が使用でき、例えば、3,3’,4,
4’−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3’,
4,4’−テトラアミノジフェニルメタン、3,3’,
4,4’−テトラアミノビフェニル、1,2,4,5−
テトラアミノベンゼン、3,3’,4,4’−テトラア
ミノジフェニルイソプロピリデン、3,3’,4,4’
−テトラアミノピリジン、3,3’,4,4’−テトラ
アミノピリジン、ジベンゾチオフェン−2,3,7,8
−トリアミン−5,5−ジオキシド、2,3,7,8−
テトラアミノベンゾキノン、1,2,4,5−テトラア
ミノアントラキノン、1,4,5,8−テトラアミノナ
フタレン等から選ばれる一種以上の成分が本発明におい
て使用できる。
【0019】好ましくは、3,3’,4,4’−テトラ
アミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テト
ラアミノジフェニルメタン、3,3’,4,4’−テト
ラアミノビフェニル(以下ジアミノベンジジンと略
記)、1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、3,
3’,4,4’−テトラアミノジフェニルイソプロピリ
デン等が挙げられ、特に好ましくはジアミノベンジジン
又は1,2,4,5−テトラアミノベンゼンが挙げられ
る。
【0020】また必要に応じてこれらテトラアミン成分
にトリアミン成分やジアミン成分を混合して使用する事
もできる。従って、前述のポリイミダゾピロロンはポリ
イミダゾピロロン構造を主成分とするものであれば、ポ
リイミドとの共重合体であってもよく、またトリアミン
成分とテトラカルボン酸二無水物を重合させて得られる
ようなポリイミドとポリイミダゾピロロンの共重合体で
あっても良い。
【0021】本発明の表面改質分離膜は、このようなポ
リイミダゾピロロンからなる緻密層の表面が有意に塩素
化又は、塩素化及びフッ素化されている事を特徴とす
る。該緻密層の表面の塩素化又は塩素化及びフッ素化の
程度は、分離膜の目的、用途に応じて適当に制御すれば
良い。例えば気体分離用途として、分離膜の水素、酸
素、二酸化炭素等の透過速度を実用可能な高水準に保持
し、酸素/窒素、水素/メタン、二酸化炭素/窒素等の
選択特性を向上させた分離膜は、該緻密層表面の炭素原
子数を基準とした該表面の塩素原子数の個数比の増加量
(ΔCL/C)が0.07〜1.2の範囲であることが
好ましく、さらに増加量が0.12〜0.6の範囲であ
ることがより好ましい。増加量が0.07未満であると
気体の選択性の向上に際だった効果が認めらない。
【0022】本発明において、より好ましい分離膜は、
ポリイミダゾピロロンからなる緻密層の表面が塩素化と
フッ素化が同時になされている分離膜である。該緻密層
表面の塩素原子とフッ素原子を同時に有意に増加させた
分離膜は、分離膜の気体透過・選択特性がさらに向上す
るばかりでなく、向上した特性のバラツキが極めて少
い。
【0023】塩素化及びフッ素化する場合、塩素原子と
共に該緻密層表面に新たに導入するフッ素原子の炭素原
子数に対する個数比の増加量(ΔF/C)は、0.03
〜1.2の範囲である事が好ましく、且つ新たに導入さ
れた塩素原子数に対して個数比が0.1〜5(ΔF/Δ
CL)である事が好ましい。さらに好ましくはΔF/C
が0.07〜0.5の範囲であり、且つΔF/ΔCLが
0.3〜1.5の範囲である。
【0024】該緻密層表面の塩素又は塩素化及びフッ素
化の程度は、光電子分光法(ESCA)により該表面の
原子の組成比を測定する事により容易に確認できる。E
SCAは、最表面層の数〜数十オングストロームの深さ
の原子の組成を正確に測定できる優れた分析方法であ
る。
【0025】ここで言う個数比の増加量とは、塩素化又
は塩素とフッ素化した後の該緻密層表面のESCAで測
定される塩素又はフッ素原子の炭素原子に対する個数比
から、塩素化又は塩素とフッ素化する前の該緻密層表面
の塩素又はフッ素原子の炭素原子に対する個数比を差し
引いた値である。
【0026】本発明の表面改質ポリイミダゾピロロン分
離膜は、上述のような塩素化又は、塩素化及びフッ素化
されたポリイミダゾピロロンからなる緻密層を有する分
離膜であれば、膜形状、形態に特に制限は無いが、膜形
態として好ましくは分離膜に必要とされる強度、耐久
性、気体の高透過性(緻密層の薄膜化)等の特性をバラ
ンス良く保有できる非対称膜である。好適な非対称膜と
して、例えば気体の分離活性層となる緻密層と多孔質支
持層が同一の素材からなるいわゆる不均質膜や、該緻密
層をこれと異なる素材からなる多孔質支持層上に保持し
たいわゆる複合膜等が挙げられる。また膜形状としては
少ない占有面積で大きな膜面積を得る事ができる中空糸
膜が好ましい。
【0027】緻密層表面の塩素化又は塩素化及びフッ素
化は、後述するような方法で膜を製膜した後に実施すれ
ば良い。緻密層表面の塩素化又は塩素化及びとフッ素化
の方法は、例えば、必要に応じて鉄粉、第3塩化鉄等の
ルイス酸等の該緻密層表面の塩素化又は塩素とフッ素化
の為の触媒を添加した膜素材を侵さない、例えば水、ア
ルコール類、エーテル類等の適当な液体中に膜を浸せき
し、該液体に塩素、次亜塩素酸、N−フルオロピリジニ
ュウム塩等の適当な塩素化剤又はフッ素化剤を適宜添加
する事により実施できる。また活性な塩素ガス又は塩素
ガスとフッ素ガスとの混合ガスを該緻密層表面に直接接
触させる方法や、これらガスや塩素化合物やフッ素化合
物等による低温プラズマ処理によっても実施できる。
【0028】製膜は、例えば湿式紡糸法、乾湿式紡糸
法、溶融紡糸法、湿式共押し出し法、水面展開法、溶媒
キャスト法、コーティング法、界面重合法等を応用して
行うことができる。ポリイミダゾピロロンからなる緻密
層を有する中空糸不均質膜の製造は通常行われる方法を
応用する事によりおこなえ、例えば溶剤に可溶な該ポリ
イミダゾピロロンの前駆体の紡糸用ドープを、円環ノズ
ルより中空状態を保持するための物質、例えば空気、窒
素等の気体及び水、アルコール等の適当な液体の芯材と
ともに、一旦気相中に押し出し、ついで凝固液に浸せき
しドープに溶解している樹脂を凝固製膜するいわゆる乾
湿式法によりまず該前駆体の不均質膜を製膜し、次いで
該前駆体の緻密層部がポリイミダゾピロロン化する条件
で熱処理を行う等の方法で製造できる。
【0029】またポリイミダゾピロロンからなる緻密層
を有する中空糸複合膜の製造は、例えば特開昭49−6
2380に詳しく開示されていごとく多重円環ノズルを
用いた共押し出し法を応用する事によっても製造でき
る。共押し出しによる中空糸複合膜は、一般には多重円
環ノズルを用い、後の熱処理により溶剤に不溶性のポリ
イミダゾピロロンからなる緻密層を形成する可溶性のポ
リイミダゾピロロンの前駆体の紡糸用ドープ(a)をノ
ズルの最外層の円環より、支持多孔層となる樹脂ドープ
(b)をノズルの中間円環より、そして例えば窒素等の
気体又は水、アルコール等の適当な液体の芯材をノズル
の中心部の管より同時に押し出し、凝固液に導き固化さ
せ、該前駆体の複合膜を製膜し、次いで不均質膜の製造
と同様に熱処理を行う事により製造できる。
【0030】ポリイミダゾピロロンからなる緻密層を有
する中空糸複合膜の多孔質支持層はポリイミダゾピロロ
ンからなる緻密層を有する層と十分に接着し、十分な機
械的強度と耐溶剤性等を有し、実質的に互いに連通した
細孔が形成しており、且つ該ポリイミダゾピロロン前駆
体の加熱ポリイミダゾピロロン化に十分耐える耐熱性を
有している事が好ましい。
【0031】かかる多孔層を形成するのに好適な樹脂と
して、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹
脂、ポリスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンゾ
イミダゾール樹脂から選ばれる一種以上の樹脂が好適に
挙げられる。
【0032】ここで言うポリスルフォン樹脂(ポリサル
フォンと言う場合もある)とはパラフェニレンユニット
及び/又はパラビフェニレンユニットがスルフォン基と
エーテル基及び/又はイソプロピリデン基等で結合され
た繰り返し単位で構成された製膜可能な分子量を有する
実質的に非結晶性のポリマーであり、例えば、ポリサル
フォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリルスルフォ
ン等が好適に挙げられる。
【0033】次に上記のように製膜した、ポリイミダゾ
ピロロンからなる緻密層を有する分離膜の緻密層表面
を、塩素化又は塩素化及びフッ素化し、本発明の膜を製
造する方法について説明する。
【0034】本発明の膜の第1の製造方法は、ポリイミ
ダゾピロロンからなる緻密層を有する分離膜の緻密層表
面に、塩素ガスとフッ素ガスとの混合ガスを接触させる
ことを特徴とする。本発明では、フッ素ガスと塩素ガス
との混合ガスを、ポリイミダゾピロロンからなる緻密層
表面に直接接触させる。例えば外表面に該緻密層を有す
る中空糸膜を処理する場合、処理はフッ素ガスと塩素ガ
スの混合ガスを該外表面に接触させる事によりなされ
る。この際、フッ素ガスと塩素ガスはあらかじめ混合し
ておいてもよく、また処理時に反応容器内に順次導入し
てもよい。処理はガスを流しながら行ってもバッチ式で
行ってもよい。例えば石英ガラス及びステンレス製等の
適当な反応容器中に処理する膜を入れ、塩素ガスとフッ
素ガスとの混合ガスを容器中に連続して流しながら、も
しくはバッチ式で導入し、該気体を該緻密層表面に接触
させれば良い。
【0035】本発明の処理は、塩素分圧が1トール程度
の低分圧域から数気圧の加圧塩素分圧域で行う事が可能
であるが、好ましくは5〜760トールの範囲であり、
さらに好ましくは30〜500トールの範囲である。ま
た、塩素ガスと共存させるフッ素ガスの分圧は10トー
ル以下で有ればく、0.01〜10トール、好ましくは
0.01〜2.0トール、より好ましくは0.01〜1
トールの範囲である。また、必要に応じ塩素とフッ素ガ
スの混合ガスをヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガ
スで希釈してもよく、好ましくは反応雰囲気の全圧が大
気圧以下の減圧下の処理である。
【0036】本発明の処理は、塩素ガスにわずかのフッ
素を混入させる事が重要である。フッ素分圧が高すぎる
と気体透過性能の大幅な低下を引き起こし極めて好まし
くない。また塩素ガス単独の処理では処理効果が小さ
く、選択特性を有意に向上させる事が難しい。
【0037】本発明の表面処理は、処理ガスの分圧、処
理温度、処理時間等を適当に制御する事により各種気体
の分離に適した透過性と選択性を有する膜を得る事が可
能である。例えば、二酸化炭素/窒素、二酸化炭素/窒
素、水素/メタン、及び酸素/窒素等の分離に適した膜
は、該混合ガスの分圧が30〜760トールの範囲の処
理が好ましく、さらに好ましくは50〜300トールで
あり、処理温度は15℃〜約250℃の範囲が好まし
く、さらに好ましくは15℃〜90℃であり、処理時間
は1秒〜1時間の範囲が好ましく、さらに好ましくは5
〜30分での処理である。これら処理条件は相互に関連
し、膜特性の最適化はこれら条件範囲のバランスを適切
に調整する事により実現できる。
【0038】また本発明の第2の方法としては処理を光
照射下で行なう方法である。即ち光照射した塩素ガス又
は塩素ガスとフッ素ガスの混合ガスと分離膜の緻密層表
面に接触させる方法である。本処理により膜の気体透過
・選択特性を短時間で且つより高水準に向上させること
ができる。光を照射した該ガスでの表面処理により、緻
密層表面の塩素化又は塩素・フッ素化の促進と処理層の
よりいっそうの薄膜化がなされる為であると考えられる
が、むろんこれは本発明を何等制限するものではない。
特に光照射した塩素ガスとフッ素ガスの混合ガスによる
処理は、膜の気体透過・選択特性をばらつき無く向上さ
せる事ができ、より好ましい。
【0039】処理に使用する塩素ガスの分圧は5〜76
0トールの範囲が好ましく、さらに好ましくは30〜3
00トールの範囲であり、フッ素ガスを混入させる場合
のフッ素ガスの分圧は第1の方法とほぼ同様であるが、
より好ましくはフッ素分圧が0.01〜0.07の範囲
である。また、必要に応じこれら反応性ガスをヘリウ
ム、窒素、アルゴン等の不活性ガスで希釈して使用して
も良い。
【0040】処理時間は1秒〜30分間程度が好まし
く、さらに好ましくは5〜15分間の処理である。照射
光は、可視光の短波長領域から紫外領域の光が適用で
き、200nm〜400nm域の波長成分を多く含むい
わゆる紫外光が好ましい。処理には市販の低圧水銀ラン
プ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライド
ランプ、及びキセノンランプ等の光源が適用できる。ま
た光強度は0.1〜3000mW/cm2の強度域で適
宜調整でき、好ましくは1〜600mw/cm2であ
り、更に好ましくは10〜200mw/cm2の強度域
での処理である。
【0041】処理は第1の方法と同様に、例えば透明な
石英ガラスの密閉容器中に処理する膜を入れ、塩素ガス
又はフッ素ガスをわずかに混入した塩素混合ガスを容器
中に連続して流しながら、又はバッチ式で導入し、同時
に光を照射する事により膜の表面処理を行う事ができ
る。この際光は該処理ガスの雰囲気に照射されている事
が好ましく、該緻密層表面は必ずしも直接光に曝されて
いなくても良い。
【0042】第1の方法と同様に処理ガスの各分圧、処
理温度、処理時間、光強度等の各バランスを取る事によ
り用途に適した最適な膜特性を達成できる。このように
第1、第2の方法共に、比較的簡単な装置により表面改
質された分離膜を製造することが出来る。
【0043】本発明の分離膜の緻密層表面の表面改質
は、例えば先に例示した分離膜製造後に容易に実施でき
る。即ち、まずポリイミダゾピロロンからなる緻密層を
有する分離膜を製膜し、ついで該緻密層の表面を本発明
の方法により処理を行い、膜の気体透過・選択特性をさ
らに向上させることができる。
【0044】本発明の処理によるポリイミダゾピロロン
からなる緻密層の表面改質の分離特性向上への効果は、
光電子分光法(ESCA)により測定された該緻密層へ
の塩素原子又は塩素原子とフッ素原子の導入量を代用特
性とできる。即ち、本発明の方法により、気体の透過特
性の実質的な低下が無く分離特性が有意に向上した分離
膜は、処理を行った該緻密層表面に塩素原子又は塩素原
子とフッ素原子が有意に導入されている。
【0045】本発明の方法によれば塩素原子又は塩素と
フッ素原子を該緻密層の表面のみに導入する事ができ、
気体の透過特性を実質的に犠牲にする事無く分離特性を
向上できる。
【0046】
【実施例】
<参考例1>窒素雰囲気下、ジアミノベンジジン0.3
モルを脱水処理したN−メチルピロリドン(NMP)1
000gに溶解した後トリエチルアミン約0.6モルを
添加した。次いでこの溶液を50℃に保ち攪拌しながら
この溶液に4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデ
ン)ジフタル酸二無水物(6FDA)0.3モル溶解し
たNMP850gの溶液をゆっくりと滴下した。滴下終
了後50℃に保温し約5時間攪拌した。得られた反応溶
液を多量のイソプロパノール中に落とし、濾過し固形物
を分離した。得られた固形物をさらに多量のエタノール
で十分洗浄した後、約100℃の真空オーブン中で十分
乾燥してポリイミダゾピロロン前駆体の固形物を得た。
得られた固形物を約60℃のジメチルアセトアミド(D
MAC)に24重量%溶解し、60℃保温しながら孔径
20μmのステンレスフィルターで濾過し、次いで減圧
脱泡を行いポリイミダゾピロロンの前駆体の紡糸ドープ
(a)を得た。マトリイミド(チバガイギー社:可溶性
ポリイミド)とレーデルA−100(アモコパフォーマ
ンスプロダクツ社:ポリエーテルスルフォン)の7/3
重量部の混合物をDMACに27重量部溶解し孔径20
μmのステンレスフィルターによりろ過し、減圧脱泡を
行い紡糸用ドープ(b)を得た。
【0047】これらのドープ液を、円管外径よりφ1.
8−φ1.5−φ1.1−φ0.45−φ0.23[mm]
の多重円管ノズルを使用し、中心部円管より水をを流し
つつ、内側の円環より複合膜の多孔質支持層を形成させ
る為のドープ(b)を約3g/minの吐出量で、外側
の円環より約50℃に加温したポリアミドアミノ酸のド
ープ液(a)を約0.7g/minの吐出量で同時に、
空気雰囲気中に吐出した後連続して5℃に調整したイソ
プロピルアルコール/水の比が65/35重量部の混合
液中に導入凝固させ、連続して約19m/minの巻き
取り速度でボビンに巻き取った。得られた中空糸を流水
中へ浸漬し十分に洗浄した後、水切り乾燥を行い、さら
にイソプロピルアルコールに一晩浸せきした後、約12
0℃で十分な真空乾燥を行った。次いで真空中で350
℃で8時間熱処理を行い該前駆体をポリイミダゾピロロ
ン化した。得られた中空糸複合膜は、内径約220μ
m、外径約460μm、顕微鏡観察により中空糸外表面に
緻密層を有する中空糸複合膜である事を確認した。得ら
れた中空糸複合膜の各気体透過速度をそれぞれ純ガスを
使用し25℃雰囲気、ΔP=約2[kg/cm2]でA
STM D1434に準じて圧力法で測測定した。結果
を表1に示す
【0048】
【表1】
【0049】<参考例2>窒素雰囲気下で、ジアミノベ
ンジジン0.15モルと2,2−ビス(3−アミノ−4
−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン0.1
5モルを約50℃のN−メチルピロリドン(NMP)1
200gに溶解した後トリエチルアミン0.2モルを添
加した。次いで約50℃に保ち攪拌しながらこの溶液
に、6FDA0.3モル溶解したNMP800gの溶液
をゆっくりと滴下した。滴下終了後50℃に保温し約4
時間攪拌した。得られた反応溶液を多量のイソプロパノ
ール中に落とし、濾過し固形物を分離した。得られた固
形物をさらに多量のエタノールで十分洗浄した後、約1
00℃の真空オーブン中で十分乾燥してポリイミダゾピ
ロロン共重合体の前駆体の固形物を得た。得られた固形
物をDMACに25重量%溶解し約50℃保ちながら、
孔径20μmのステンレスフィルターで濾過し、次いで
減圧脱泡を行いポリイミダゾピロロンの前駆体の紡糸ド
ープ(a)を得た。
【0050】このドープ液を、円環外径よりφ1.2−
φ0.5−φ0.2[mm]の紡糸ノズルを使用し、中心
部円管より水をを流しつつ、円環より約50℃に加温し
たドープ(a)を4g/minの吐出量で、一旦空気雰
囲気中に吐出した後連続して5℃に調整したイソプロピ
ルアルコール/水の約60/40の重量部の凝固液中に
浸せき凝固させ、連続して約25m/minの巻き取り
速度でボビンに巻き取った。得られた中空糸を流水中へ
浸漬し十分に洗浄した後、軽く水切り乾燥を行い、さら
にイソプロピルアルコールに一晩浸せきした後、約12
0℃で十分な真空乾燥を行った。次いで減圧下で180
℃で3時間熱処理を行いさらに330℃で3時間の熱処
理を行い該前駆体をポリイミダゾピロロン化し、内径約
260μm、外径約480μmの中空糸不均質膜を得た。
気体透過速度をそれぞれ純ガスを使用し25℃雰囲気、
ΔP=約2[kg/cm2]でASTM D1434に
準じて圧力法で測定した。結果を以下に示す。 酸素:25.5×10-6[cm3(STP)/cm2・sec
・cmHg] 窒素:3.70×10-6[cm3(STP)/cm2・sec
・cmHg]
【0051】(実施例1)参考例1で調製した中空糸複
合膜を長さ約15cm、糸本数約30本の束にして石英
ガラス製の反応器に入れ、ロータリー式真空ポンプで
0.1トール以下まで充分に真空引きを行った後、反応
器内圧が100トールになるまで塩素ガスを導入し、直
後にヘリウムで0.5体積%濃度に希釈したフッ素混合
ガスをさらに20トール分導入し反応器内圧を120ト
ールとし、25℃で15分間静置した。反応器内をヘリ
ウムで充分置換した後中空糸膜を取り出し、ESCAに
よる該中空糸複合膜の緻密層表面の元素分析と、参考例
1と同様に30本の糸各々の気体透過速度を測定し平均
した。結果を表2に示す。また各糸間の酸素透過速度の
変動係数は19%であり、酸素/窒素の分離係数の変動
係数は8%であった。
【0052】(実施例2)参考例1で調整した中空糸複
合膜を長さ約15cm、糸本数30本の束にして石英ガ
ラス製の反応器に入れ、ロータリー式真空ポンプで0.
1トール以下まで充分に真空引きを行った後、反応器内
圧が100トールになるまで純塩素ガスを導入した後高
圧水銀アーク灯の光を反応器の外側より15分間照射し
静置した。この際アルミ箔を光源と中空糸膜の間に挿入
し光が膜に直接照射しないようにした。反応器内をヘリ
ウムで充分置換した後中空糸膜を取り出し、実施例1と
同様に該緻密層の表面分析と気体透過速度を測定した。
結果を表2に示す。気体透過速度の測定値は糸各一本ず
つ個別に測定した値の平均値である。また各糸間の酸素
透過速度の変動係数は27%であり、酸素/窒素の分離
係数の変動係数は16%であった。
【0053】(実施例3)参考例1で調製した中空糸複
合膜を石英ガラス製の反応器に入れ、ロータリー式の真
空ポンプで0.1トール以下まで充分に真空引きを行っ
た後、ヘリウムガスで0.8%体積濃度に希釈したフッ
素と、純塩素ガスとを1/1の分圧比であらかじめバッ
ファータンク内で混合したガスを、反応器内圧が250
トールになるまですばやく導入した後、高圧水銀アーク
灯の光を反応器の外側より5分間照射し静置した。この
際、アルミ箔を光源と中空糸膜の間に挿入し、光が膜に
直接照射しないようにした。反応器内をヘリウムで充分
置換した後中空糸膜を取り出し、実施例1と同様に該表
面分析と気体透過速度を測定した。結果を表2に示す。
気体透過速度の測定値は糸各一本ずつ個別に測定し値の
平均値である。また各糸間の酸素透過速度の変動係数は
14%であり、酸素/窒素の分離係数の変動係数は6%
であった
【0054】(実施例4)参考例2で製造した中空糸不
均質膜を使用した以外実施例3と同じ方法で処理を行っ
た。各糸間の酸素透過速度の変動係数は15%であり、
酸素/窒素の分離係数の変動係数は5%であった結果を
表2に示す。
【0055】(比較例1)参考例2で調製した中空糸不
均質膜を石英ガラス製の反応器に入れ、ロータリー式真
空ポンプで0.1トール以下まで充分に真空引きを行っ
た後、反応器内圧が300トールになるまで塩素ガスを
導入し、25℃で20分間静置した。反応器内をヘリウ
ムで充分置換した後中空糸膜を取り出し、実施例1と同
様にESCAによる該表面分析と気体透過速度を測定し
た。結果を表2に示す。
【0056】(比較例2)参考例2で調製した中空糸複
合膜を石英ガラス製の反応器に入れ、ロータリー式真空
ポンプで0.1トール以下まで充分に真空引きを行った
後、ヘリウムで3体積%濃度に希釈したフッ素ガスを反
応容器に導入し反応器内圧を300トールにして25℃
で20分間静置した。反応器内をヘリウムで充分置換し
た後中空糸膜を取り出し、実施例1と同様にESCAに
よる該表面分析と気体透過速度を測定した。結果を表2
に示す。
【0057】
【表2】 QO2 QN2,QO2,QH2 ,QCH4:はそれぞれ酸素,窒素,二酸化炭素,水素, メタンの各ガス透過速度(単位:×10-6[cm3(STP)/cm2 sec cmH g])を示す。 −:未測定 ΔCL/C:炭素原子数に対する塩素原子数の比率の増加量 ΔF/C :炭素原子数に対するフッ素原子数の比率の増加量 ΔF/ΔCL:フッ素原子数と塩素原子数の増加量の比率
【0058】
【発明の効果】気体透過性と気体選択性能に優れた、特
に水素、酸素、二酸化炭素の透過性能の実質的な低下な
しに、酸素/窒素、水素/メタン、二酸化炭素/メタン
等のの選択性能に優れた、耐熱性・耐久性を有する表面
改質されたポリイミダゾピロロン気体分離膜を提供する
事ができる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミダゾピロロンからなる緻密層を
    有する分離膜の緻密層表面が、塩素化又は、塩素化及び
    フッ素化されている事を特徴とする表面改質ポリイミダ
    ゾピロロン分離膜。
  2. 【請求項2】 ポリイミダゾピロロンからなる緻密層を
    有する分離膜の緻密層表面が、塩素化及びフッ素化され
    ている事を特徴とする請求項1項に記載の表面改質ポリ
    イミダゾピロロン分離膜。
  3. 【請求項3】 ポリイミダゾピロロンが、 【化1】 で表される1種以上のテトラアミンと、 【化2】 で表される1種以上のテトラカルボン酸二無水物を主成
    分として縮重合させてなるポリイミダゾピロロンであ
    る、請求項1又は2に記載の分離膜。
  4. 【請求項4】 分離膜が中空糸不均質膜である請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の分離膜。
  5. 【請求項5】 分離膜が中空糸複合膜である請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の分離膜。
  6. 【請求項6】 ポリイミダゾピロロンからなる緻密層を
    有する分離膜の緻密層表面に、塩素ガスとフッ素ガスと
    の混合ガスを接触させることを特徴とする表面改質ポリ
    イミダゾピロロン分離膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 混合ガス中の塩素ガスの分圧が5〜76
    0トールであり、フッ素ガスの分圧が0.01〜10ト
    ールである請求項6記載の分離膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリイミダゾピロロンからなる緻密層を
    有する分離膜の緻密層表面に、光照射した、塩素ガス又
    は塩素ガスとフッ素ガスとの混合ガスを接触させること
    を特徴とする表面改質ポリイミダゾピロロン分離膜の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 緻密層表面に、光照射した塩素ガスとフ
    ッ素ガスとの混合ガスを接触させることを特徴とする分
    離膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 混合ガス中の塩素ガスの分圧が5〜7
    60トールであり、フッ素ガスの分圧が0.01〜10
    トールである請求項9に記載の分離膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 光が紫外線である請求項8〜10のい
    ずれか1項に記載の分離膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 ポリイミダゾピロロンが、 【化3】 で表される1種以上のテトラアミンと、 【化4】 で表される1種以上のテトラカルボン酸二無水物を主成
    分として縮重合させてなるポリイミダゾピロロンであ
    る、請求項6〜11のいずれか1項に記載の分離膜の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 分離膜が中空糸不均質膜である請求項
    6〜12のいずれか1項記載の分離膜の処理方法。
  14. 【請求項14】 分離膜が中空糸複合膜である請求項6
    〜12のいずれか1項記載の分離膜の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8592528B2 (en) 2010-02-11 2013-11-26 Samsung Electronics Co., Ltd. Polymer, composition and film
WO2018221684A1 (ja) * 2017-06-01 2018-12-06 東レ株式会社 ガス分離膜、ガス分離膜エレメント、ガス分離装置及びガス分離方法
KR20200101678A (ko) * 2019-02-20 2020-08-28 주식회사 엘지화학 기체 분리막의 제조 방법, 기체 분리막 및 기체 분리막 모듈

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