JPH08290046A - ポリイミダゾピロロン中空糸複合膜及びその製造方法 - Google Patents

ポリイミダゾピロロン中空糸複合膜及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08290046A
JPH08290046A JP3629696A JP3629696A JPH08290046A JP H08290046 A JPH08290046 A JP H08290046A JP 3629696 A JP3629696 A JP 3629696A JP 3629696 A JP3629696 A JP 3629696A JP H08290046 A JPH08290046 A JP H08290046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
hollow fiber
polyimidazopyrrolone
dope
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3629696A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Takatake
正義 高武
Hirotomo Nagata
寛知 永田
Nobumasa Tan
伸巨 丹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP3629696A priority Critical patent/JPH08290046A/ja
Publication of JPH08290046A publication Critical patent/JPH08290046A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は気体選択透過性能、耐熱性及び耐溶剤
性に優れた、耐久性のある高性能分離膜を提供する。 【解決手段】緻密な分離層を有する高分子層と、多孔質
支持層とが異なった高分子重合体から形成された中空糸
複合膜であって、緻密な分離層を有する高分子層がポリ
イミダゾピロロン樹脂からなる非対称膜構造である事を
特徴とする中空糸複合膜及びその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気体−気体及び液体
−気体分離等に適用される分離膜として高透過性、高分
離性能、耐溶剤性、耐熱性、耐久性を兼ね備えたポリイ
ミダゾピロロン中空糸複合膜及びその製造方法に関す
る。膜による物質の分離は、他の分離方法と比較し、エ
ネルギー的に有利で、装置が小型軽量、機構が簡単でメ
ンテナンスフリー等の特徴を有する為、各種産業分野に
活発に応用されており、本発明により得られる中空糸複
合膜は、例えば、空気の酸素/窒素分離、プラットフォ
ーミング法のオフガスからの水素の分離回収、アンモニ
ア合成時の水素の分離回収、火力発電やゴミ焼却の廃ガ
スからの二酸化炭素の回収や窒素酸化物や硫黄酸化物の
除去、油田のオフガスからの二酸化炭素の回収、天然ガ
スからの硫化水素、二酸化炭素等の酸性ガスの除去やヘ
リウムの分離等の気体分離、空気及び有機蒸気の除湿、
さらには水とアルコール分離、エステル化反応系からの
水の除去等の揮発性物質混合液体のパーベーパレーショ
ン分離、液体に溶解している気体の除去、液体中への特
定気体の溶解等に利用される。むろん本発明はこれら用
途に限定されるものでは無い。
【0002】
【従来の技術】分離膜の基本要求性能は(1)分離の目
的とする物質と他の成分との分離性能、(2)物質透過
性能、(3)膜の強度、耐熱、耐久、耐溶剤性能であ
る。膜の物質透過性能は必要膜面積及び膜モジュール、
装置の大きさ、即ちイニシャルコストを主に支配する特
性であり、物質透過性能の高い素材の開発及び分離活性
層(緻密層)の薄膜化により工業的に実用可能な性能が
実現される。一方膜の物質分離性能は緻密な膜の場合本
質的に膜素材固有の特性であり、主に分離物質の収率を
支配する特性であり、即ちランニングコストを支配する
特性である。一般に膜の物質分離特性と透過特性は相反
の関係にあり、両特性のバランスに優れる膜素材の開発
や、両特性を満足させるべく膜構造の研究、例えば物質
の分離活性層となる極めて薄い緻密層が形成される部分
と、主に膜の物理的強度を受け持つ多孔質な支持層を有
する複合膜化の検討が盛んになされている。
【0003】例えば、特開平1−99616号公報に
は、同心円状の開口部を有する湿式紡糸用ノズルの外部
円環開口部から濃度0.1〜20重量%の低濃度ポリイ
ミド溶液と、内部円環開口部から濃度10〜50重量%
で且つ低濃度ポリイミド溶液より少なくとも1重量%以
上高い高濃度ポリイミド溶液とを同時に押し出す事によ
り、再現性よくポリイミド中空糸分離膜を製造する事が
開示されている。特開平2−169019号公報には同
心円状の開口部を有する湿式紡糸用ノズルから異なる2
種の芳香族ポリイミド溶液を、外部円形開口部へ供給す
るポリイミドについては濃度を7〜25重量%とし、内
部円形開口部に供給するポリイミドについては外部に供
給するポリイミドより濃度を低くし、且つ5〜25重量
%として、同時に押し出し湿式紡糸を行う事により均一
な表皮層(緻密層又は分離活性層)と多孔層とが一体に
形成されている非対称性の外層と、多孔層のみからなる
内層とが同心円状に一体に形成されている2層構造の中
空糸膜を容易に再現性良く製造する方法が開示されてい
る。また、Polymer Preprints,Japan Vol.41,No.3,P64
4 (1992)には数種のポリイミダゾピロロン樹脂の優れた
気体選択透過基本特性について述べられており、WO9
4/12465号には、ポリイミダゾピロロンの流体分
離膜について述べられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したごとく近年、
数ある高分子素材の中でポリイミド樹脂が特に気体の分
離性と透過性のバランスに優れ且つ、強度、耐久性、耐
熱性に優れている事が発見され、ポリイミドを緻密層に
適用した複合膜化の研究が盛んに行われている。しかし
ながら、上記した先行技術による気体分離用複合膜は、
例えば、気体分離膜として実用化するには、深冷分離法
や吸着法等の他の競合技術と比較し、いまだ必ずしも満
足のゆく性能を有していなかった。また、気体分離膜用
素材としてポリイミダゾピロロン樹脂が優れた基本特
性、即ち優れた気体の選択透過性を有する事が近年発見
されたものの、実用膜として要求される例えば、強度、
耐久性等の力学物性等に大きな問題がありいまだ本素材
を用いた実用可能な気体分離複合膜は得られていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】我々は、さらに優れた気
体分離膜を得るため、いわゆる梯子状構造を有するポリ
イミダゾピロロン樹脂が、基本要求特性である気体の選
択透過特性において従来のポリイミド樹脂よりもさらに
優れている事に着目し、この基本特性を十分発揮でき且
つ、分離膜として実用に耐える事のできる強度、耐久
性、耐熱性、耐溶剤性といった物理的、化学的特性を兼
ね備えた気体分離膜を得るため、ポリイミダゾピロロン
樹脂を分離層とした複合膜化を鋭意検討の結果本発明に
至った。
【0006】即ち本発明は、(1) 緻密な分離層を有する
高分子層と、多孔質支持層とが異なった高分子重合体か
ら形成された中空糸複合膜であって、緻密な分離層を有
する高分子層がポリイミダゾピロロン樹脂からなる非対
称膜構造である事を特徴とする中空糸複合膜、(2) ポリ
イミダゾピロロン樹脂が、
【0007】
【化8】
【0008】からなる群から選ばれた1種以上のテトラ
カルボン酸二無水物と、
【0009】
【化9】
【0010】からなる群から選ばれた1種以上のテトラ
アミンとを縮重合して得られる重合体を主成分とするも
のである、上記(1)記載の中空糸複合膜、(3) ポリイミ
ダゾピロロン樹脂が下記一般式(1)
【0011】
【化10】
【0012】(一般式(1)中、Arは
【0013】
【化11】
【0014】からなる群から選ばれたテトラアミンの4
価の残基である)で表される繰り返し単位を主成分とす
るポリイミダゾピロロン樹脂である上記(1)記載の中空
糸複合膜、(4) 一般式(1)中、Arが
【0015】
【化12】
【0016】からなる群から選ばれた4価の基である上
記(3)記載の中空糸複合膜、(5) 多孔質支持層を形成す
る樹脂がポリイミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエ
ーテルイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリ
アミド樹脂、又はこれらの1種以上の樹脂であることを
特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の中空糸複合
膜、(6) 多孔質支持層の高分子層が、ポリイミド樹脂又
はポリベンゾイミダゾール樹脂と、ポリスルフォン樹脂
又はポリエーテルイミド樹脂との混合物、もしくはポリ
イミド樹脂とポリベンゾイミダゾール樹脂との混合物で
ある事を特徴とする上記(5)に記載の中空糸複合膜、
【0017】(7) ポリイミダゾピロロンからなる緻密な
分離層を有する高分子層を形成するためのポリイミダゾ
ピロロン前駆体の重合体のドープ(a)と、多孔質支持
層を形成するための重合体のドープ(b)とを、多重円
環ノズルを用い、同時に多層構造の中空糸状に共押し出
しし、次いで凝固液と接触させ凝固させた後、ポリイミ
ダゾピロロン前駆体を加熱によりポリイミダゾピロロン
化する事を特徴とする中空糸複合膜の製造方法、(8) ポ
リイミダゾピロロン前駆体のドープ(a)が、ポリアミ
ドアミノ酸体、ポリイミド体、ポリイミダゾール体及び
ポリイソイミド体からなる群から選ばれた1種以上のも
のである上記(7)記載の製造方法、(9) ポリイミダゾピ
ロロン前駆体のドープ(a)が、
【0018】
【化13】
【0019】からなる群から選ばれた1種以上のテトラ
カルボン酸二無水物と、
【0020】
【化14】
【0021】からなる群から選ばれた1種以上のテトラ
アミンを重合して得られる前駆体を主成分とするもので
ある請求項(8)記載の製造方法、(10) 多孔質高分子層を
形成するための重合体のドープ(b)が、ポリイミド樹
脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポ
リベンゾイミダゾール樹脂及びポリアミド樹脂からなる
群から選ばれた1種以上の樹脂からなるドープであるこ
とを特徴とする上記(7)〜(9)のいずれかに記載の製造方
法、(11) 多孔質高分子層を形成する為の重合体のドー
プ(b)が、ポリイミド樹脂又はポリベンゾイミダゾー
ル樹脂と、ポリスルフォン樹脂又はポリエーテルイミド
樹脂との混合物、もしくはポリイミド樹脂とポリベンゾ
イミダゾールとの混合物の樹脂のドープである事を特徴
とする上記(10)記載の製造方法、並びに、(12) 加熱
を、減圧下又は不活性ガスの雰囲気下で240℃〜40
0℃で行う事を特徴とする上記(7)〜(11)のいずれかに
記載の製造方法に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の中空糸複合膜は、緻密な
分離層を有する高分子層と多孔質支持層とからなり、高
分子層はポリイミダゾピロロン樹脂から形成され、多孔
質支持層はこれと異なった高分子重合体から形成されて
いる。高分子層とは、分離対象物質の分離活性層とな
る、実質的に連通孔を有さない緻密な分離層(以下緻密
層と略記する)を有し、多孔質構造を部分的に有する非
対称膜構造(不均質膜構造という場合もある)であるこ
とを特徴とする。高分子層は、多孔質支持層と接する側
が多孔質構造となっており、他側が緻密層となっている
ものがより好ましい。
【0023】ポリイミダゾピロロン樹脂からなる緻密層
の形成位置には特に制限は無く、例えば中空糸複合膜の
内表面及び/又は外表面に形成されていても良い。好ま
しくは、中空糸複合膜の内表面か外表面の一方に形成さ
れていることが良い。ポリイミダゾピロロンからなる高
分子層の多孔質構造部は、気体の透過抵抗がその緻密層
と比較し無視できる程度の空孔率を有しておればよく、
多孔質構造部を形成する各微多孔が実質的に連通孔であ
る事が好ましい。またポリイミダゾピロロン高分子層の
厚さは、複合膜厚全体の5%〜50%の厚さで、5〜3
0μmである事が好ましい。
【0024】本発明はまた、各実用用途に最適な寸法を
有する中空糸複合膜を提供する。例えば、中空糸の内部
加圧方式で空気中の酸素と窒素の分離用途に実用する場
合、膜強度、耐久性、圧縮空気の圧力損失、糸占有断面
積(モジュールの大きさ)等の制限要素により異なる
が、中空糸内径が130μm〜400μmであり、外径
が200μm〜800μmであり、中空糸膜の物理的強
度を受け持つ多孔質支持層の膜厚が40μm〜300μ
mである中空糸複合膜が好ましい。
【0025】本発明に記述の緻密層とは、酸素、窒素、
水素等の非凝集性気体の膜透過の機構が高々クヌーセン
流れ律速となる孔径以下の連通孔しか実質的に存在せ
ず、且つその連通孔開孔率が面積比で1×10ー3以下、
好ましくは1×10ー4以下、さらに好ましくは1×10
ー6以下であり、最も好ましく連通孔が実質的に存在せず
気体の膜透過機構が溶解−拡散律速となる緻密な薄膜層
であり、その厚さは薄いほど好ましく、厚くとも2μm
以下であり、好ましくは1μm以下であり、更に好まし
くは0.5μm以下であり、最も好ましくは0.1μm以
下である緻密な薄膜層をいう。緻密層に存在する連通孔
径が高々クヌーセン流れとなる孔径以下である事は、例
えば膜を透過する酸素と窒素の透過速度の比が誤差の範
囲内で0.935以上となる事により容易に確認でき
る。また緻密層の連通孔の開孔率が1×10ー3以下であ
る事は、該緻密層表面を、シリコーン等で連通孔の目止
め、又は厚くとも2μm以下の薄膜にコーティングした
膜の気体の透過機構の律速が、ポリイミダゾピロロン樹
脂への気体の溶解拡散律速となることで確認できる。こ
れは、気体として例えば酸素と窒素を使用した場合、シ
リコーンで上記処理を実施したポリイミダゾピロロン緻
密層の実用域の薄い膜厚域での酸素/窒素の分離係数が
ポリイミダゾピロロン樹脂素材の値の低くとも約8割以
上の値を示すことで容易に確認できる。
【0026】本発明の中空糸複合膜の高分子層を形成す
るポリイミダゾピロロン樹脂とは、一般に、テトラアミ
ンとテトラカルボン酸二無水物との反応によって得られ
る樹脂であり、下記一般式(2)で示される構造及び/
又は下記一般式(2)の立体異性体構造を繰り返し単位
として実質的に有するいわゆる梯子型ポリマーである。
【0027】
【化15】
【0028】(式中、Z1、Z2は四価の有機基であ
る。) この時、Z1、Z1は芳香族基である事が好ましい。この
ようなポリイミダゾピロロンは、一般に、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の適当な溶
媒中で、必要に応じて例えば、無水酢酸、塩化チオニ
ル、トリフルオロ酢酸無水物、ジシクロカルボジイミ
ド、ピリジン、トリエチルアミン、安息香酸等の反応助
剤を加え、等モル量のテトラアミン成分とテトラカルボ
ン酸二無水物成分を重合する事により得られる。
【0029】本発明の中空糸複合膜のポリイミダゾピロ
ロン樹脂の重合に使用できるテトラカルボン酸二無水物
成分として、例えば、ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリ
ット酸二無水物(以下PMDAと略記)、ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテト
ラカルボン酸二無水物、ヘキサフルオロイソプロピリデ
ンジフタル酸二無水物、ジフェニルスルフォンテトラカ
ルボン酸二無水物、ペリレンテトラカルボン酸二無水
物、ビス(ジカルボキシフェニル)メタン酸二無水物、
ビス(ジカルボキシフェニル)エタン酸二無水物、ビス
(ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、アント
ラセンテトラカルボン酸二無水物、アゾベンゼンテトラ
カルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水
物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘ
キサンテトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカル
ボン酸二無水物、チオフェンテトラカルボン酸二無水
物、フランテトラカルボン酸二無水物、ピリジンテトラ
カルボン酸二無水物等の複素環族テトラカルボン酸二無
水物等の一種以上の成分が使用できる。
【0030】好ましくは、4,4’−(ヘキサフルオロ
イソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(以下6FDA
と略記)、PMDA、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水
物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テト
ラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテ
トラカルボン酸二無水物等が挙げられ、特に好ましくは
6FDAが挙げられる。
【0031】またテトラアミン成分として互いにオルト
位に隣接するアミノ基のペアを有する各種テトラアミン
及びその誘導体が使用でき、例えば、3,3’,4,
4’−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3’,
4,4’−テトラアミノジフェニルメタン、3,3’,
4,4’−テトラアミノビフェニル(以下ジアミノベン
ジジンと略記)、1,2,4,5−テトラアミノベンゼ
ン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルイソ
プロピリデン、3,3’,4,4’−テトラアミノピリ
ジン、3,3’,4,4’−テトラアミノピリジン、ジ
ベンゾチオフェン−2,3,7,8−トリアミン−5,
5−ジオキシド、2,3,7,8−テトラアミノベンゾ
キノン、1,2,4,5−テトラアミノアントラキノ
ン、1,4,5,8−テトラアミノナフタレン等から選
ばれる一種以上の成分が本発明において使用できる。
【0032】好ましくは、3,3’,4,4’−テトラ
アミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テト
ラアミノジフェニルメタン、ジアミノベンジジン、1,
2,4,5−テトラアミノベンゼン、3,3’,4,
4’−テトラアミノジフェニルイソプロピリデン等が挙
げられ、特に好ましくはジアミノベンジジン又は1,
2,4,5−テトラアミノベンゼン又は3,3’,4,
4’−テトラアミノジフェニルエーテルが挙げられる。
【0033】また必要に応じてこれらテトラアミン成分
にトリアミン成分やジアミン成分を混合して使用する事
もできる。従って、前述のポリイミダゾピロロンはポリ
イミダゾピロロン構造を主成分とするものであれば、ポ
リイミドとの共重合体であってもよく、またトリアミン
成分とテトラカルボン酸二無水物を重合させて得られる
ようなポリイミドとポリイミダゾピロロンの共重合体で
あるいわゆるポリイミダゾピロロンイミドであっても良
い。
【0034】本発明には上述のように種々のポリイミダ
ゾピロロン樹脂を用いることが可能であるが、6FDA
由来の4価の基を必須成分として含有する下記一般式
(1)
【0035】
【化16】
【0036】(式中Arは、
【0037】
【化17】
【0038】からなる群から選ばれた1種以上のテトラ
アミンの4価の残基である)で表される繰り返し単位を
主成分とするポリイミダゾピロロン樹脂が好ましく、さ
らに好ましくは、Arが
【0039】
【化18】
【0040】で示される4価の基である繰り返し単位を
主成分とするポリイミダゾピロロン樹脂である。ポリイ
ミダゾピロロン樹脂はそれ自体ではもろいという欠点が
あるが、ポリイミド等の樹脂と比較して、各種気体の選
択透過特性に優れ、且つ極めて優れた耐熱性と耐溶剤性
を有し、また他のポリマーとの接着特性(相溶性)も有
しており、本発明に記載の中空糸複合膜とすることで、
耐久性のある有用な高性能分離膜を提供することができ
る。
【0041】本発明の中空糸複合膜の多孔質支持層は、
ポリイミダゾピロロン樹脂からなる高分子層と十分に接
着しており、膜の実際の使用に耐え得る十分な機械的強
度と耐熱性等の優れた物理的特性及び耐薬品性、耐候性
等の優れた化学的特性を有し、各種分離対象物の透過抵
抗が十分に小くなるよう連通細孔が多数形成されてい
る。細孔の形状、空孔率等には特に制限はなく、いわゆ
るフィンガーライク状及び/又はスポンジライクでも良
いが、これらの細孔は互いに連通している事が好まし
い。またポリイミダゾピロロンが一般の溶剤に溶けない
ことから、複合膜の製造の際、後述するように、溶剤可
溶性のポリイミダゾピロロン前駆体を加熱処理し、ポリ
イミダゾピロロン化することが好ましいため、多孔質支
持層を形成する樹脂は、このような加熱処理に耐え得る
十分な耐熱性を有する事が望ましい。
【0042】このような性質を有する多孔質支持層の形
成に好ましい樹脂としては、例えばポリアミド樹脂、ポ
リスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミ
ド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾー
ル樹脂、その他ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチ
アゾール、ポリキノキサリン、ポリピペラジン等のポリ
ヘテロ環化合物等が挙げられ、これら1種以上の樹脂の
混合物又は共重合体も用いることができる。好ましくは
多孔質支持層を形成する樹脂が、ポリイミド樹脂、ポリ
スルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリベンゾ
イミダゾール樹脂、ポリアミド樹脂からなる群から選ば
れた1種以上の樹脂である。さらに好ましくはポリイミ
ド樹脂又はポリベンゾイミダゾール樹脂と、ポリスルフ
ォン樹脂又はポリエーテルイミド樹脂との混合物、もし
くはポリイミド樹脂とポリベンゾイミダゾールとの混合
物である。またポリイミド樹脂単独でも好ましい。
【0043】ここで言うポリエーテルイミド樹脂とはエ
ーテル結合とイミド結合とを有する繰り返し単位で構成
された製膜可能な分子量を有する実質的に非結晶性のポ
リマーであり、ポリスルフォン樹脂とはパラフェニレン
ユニット及び/又はパラビフェニレンユニットがスルフ
ォン基とエーテル基及び/又はイソプロピリデン基で結
合された繰り返し単位で構成された製膜可能な分子量有
する実質的に非結晶性のポリマーである。ポリスルフォ
ン樹脂は例えば、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリアリルスルフォン又はポリフェニルサルフォ
ンとして上市されている。また、ここで言う中空糸複合
膜の多孔質支持層を形成するポリイミド樹脂は溶剤可溶
性でも、溶剤不溶性でも良い。溶剤不溶性のポリイミド
は、その前駆体である可溶性ポリイミド、ポリアミド酸
又はポリイソイミドのドープを使用し、共押し出し製膜
の後、例えば加熱、紫外線の照射等により溶剤不溶のポ
リイミドからなる多孔層を形成させる事ができる。
【0044】本発明の複合膜には、複合膜の緻密層にわ
ずかに発生したピンホール(微細孔)を塞ぐために、シ
リコーンやポリアセチレン等の気体透過性の高い素材で
緻密層表面をコーティング又は目止め処理を行っても良
いし、更に気体の選択性をさらに高めるために該緻密層
に塩素、フッ素ガスによる表面処理やプラズマ処理を施
しても良い。
【0045】次に第2の発明である上記中空糸複合膜の
製造方法について説明する。本発明は、ポリイミダゾピ
ロロンからなる緻密な分離層を有する高分子層を形成す
るためのポリイミダゾピロロン前駆体の重合体のドープ
(a)と、多孔質支持層を形成するための重合体のドー
プ(b)とを、多重円環ノズルを用い、同時に多層構造
の中空糸状に共押し出しし、ついで凝固液と接触させ凝
固させた後、ポリイミダゾピロロン前駆体を加熱により
ポリイミダゾピロロン化する事を特徴とする中空糸複合
膜の製造方法を提供する。本発明の製造方法によれば、
高分子層がポリイミダゾピロロン樹脂からなる中空糸複
合膜を工業生産レベルで提供できる。
【0046】本発明で製造できる中空糸複合膜は、多孔
質支持層と緻密な分離層(緻密層)を有する高分子層か
らなり、高分子層はポリイミダゾピロロン樹脂から形成
され、多孔質支持層はこれと異なった高分子重合体から
形成されている。高分子層は、緻密な部分のみから形成
されたいわゆる均質膜構造であってもよいが、実質的に
連通孔を有さない緻密層と多孔質構造部を一体して有す
る非対称膜構造であることが緻密層をより薄くできるこ
とからより好ましい。
【0047】本発明で用いるドープ(a)とは、ポリイ
ミダゾピロロン前駆体が溶剤に溶解したものである。こ
こでいうポリイミダゾピロロン前駆体とは、最終的にポ
リイミダゾピロロンからなる緻密な分離層を有する高分
子層を形成する重合体である。具体的には、有機溶剤に
可溶で、凝固液中で固化し膜形成可能であり、適度な加
熱によりポリイミダゾピロロン樹脂に変化する重合体で
あり、例えばポリアミドアミノ酸体、ポリイミド体、ポ
リイミダゾール体、ポリイソイミド体等の重合体が挙げ
られる。これら前駆体は一般には、テトラカルボン酸二
無水物とテトラアミン成分の等モル量を、これらモノマ
ーを例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチ
ルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホ
ラン等の反溶媒中で必要に応じて、例えばピリジン、安
息香酸、無水酢酸、トリエチルアミン、トリフルオロ酢
酸無水物、塩化チオニル、ジシクロカルボジイミド等の
反応助剤を添加して重合する事により得られる。またテ
トラカルボン酸二無水物とテトラアミンについては、前
述の複合膜の説明で述べた物を使用することができる。
【0048】好ましくは、6FDA、PMDA、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルフ
ォンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ナフタ
レン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、
3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物
から選ばれる1種以上のテトラカルボン酸二無水物と、
3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテ
ル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルメタ
ン、ジアミノベンジジン、1,2,4,5−テトラアミ
ノベンゼン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェ
ニルイソプロピリデンから得ればれる1種以上のテトラ
アミン成分を重合させて得られる、ポリイミダソピロロ
ン前駆体が好ましい。より好ましくはテトラカルボン酸
二無水物として6FDAを必須成分とするポリイミダゾ
ピロロン前駆体が好ましく、特に好ましくは、テトラカ
ルボン酸二無水物として6FDAを、テトラアミン成分
としてジアミノベンジジン又は1,2,4,5−テトラ
アミノベンゼン又は3,3’,4,4’−テトラアミノ
ジフェニルエーテルを重合させて得られるものが好まし
い。
【0049】これら前駆体中、ポリアミドアミノ酸体又
はポリイミド体を実質的な主成分とする重合体が紡糸用
ドープ(a)の調製が容易であり好ましい。例えばテト
ラアミン成分と酸二無水物成分とを重合させた重合溶液
を直接紡糸ドープとして使用する場合にはポリアミドア
ミノ酸体を主成分とする前駆体が好ましく、重合溶液か
ら一旦固形物として分離し、再度適当な溶剤に溶解させ
て紡糸ドープを調製する場合にはポリイミド体を主成分
とする前駆体が好ましい。ポリイミダゾピロロン前駆体
であるポリアミドアミノ酸体は、例えばN−メチルピロ
リドンやN,N−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒を
用い、テトラアミン成分を溶解させた溶液にテトラカル
ボン酸二無水物成分を加え、必要に応じて加熱して得ら
れる酸二無水物成分由来のカルボキシル基とトリアミン
成分由来のアミノ基が脱水縮重合した、未反応のアミノ
基とカルボキシル基を分子中に多数有する重合体であ
る。ポリイミド体は、例えば上述のようにして得られた
ポリアミドアミノ酸体溶液に、さらに反応助剤として無
水酢酸やピリジン等を添加し、必要に応じて溶液を加熱
し、該ポリアミドアミノ酸体をさらに脱水閉環させる事
により得られる。該ポリイミド体は分子中に未反応のア
ミノ基を有する。ポリアミドアミノ酸体又はポリイミド
体の重合に際し、必要に応じて反応溶液中に塩化リチウ
ム、臭化リチウム等、低分子量のポリビニルピロリドン
等のゲル化防止剤を少量添加しても良い。
【0050】紡糸に使用するポリイミダゾピロロンの前
駆体のドープはテトラカルボン酸二無水物とテトラアミ
ン成分とを反応させた溶媒そのものをドープとして直接
使用することができるし、また一旦反応溶媒中より該前
駆体を固形物として落とし、該固形物を適切な有機溶媒
に再溶解して使用する事もできる。紡糸ドープのポリマ
ー固形物の濃度は5重量%〜35重量%であれば良く、
好ましくは15重量%〜30重量%である。
【0051】本発明で用いるドープ(b)とは、多孔質
支持層を形成するための重合体を溶剤に溶解したもので
あり、多孔質支持層を形成するための重合体とは、溶剤
可溶性の例えばポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド
イミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、その他ポリ
ベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリキノ
キサリン、ポリピペラジン等のポリヘテロ環化合物等が
挙げられ、これら1種以上の樹脂の混合物又は共重合体
も用いることができる。さらに好ましくは ポリイミド
樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、
ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリアミド樹脂から選ば
れた1種以上の樹脂からなる物が挙げられ、ポリイミド
樹脂又はポリベンゾイミダゾール樹脂と、ポリスルフォ
ン樹脂又はポリエーテルイミド樹脂との混合物、もしく
はポリイミド樹脂とポリベンゾイミダゾールとの混合物
が、ドープの調製が容易であり、また得られる多孔質支
持層が耐熱性、強度、多耐久性等に優れより好ましい。
またポリイミド樹脂単独のものも好ましい。多孔質支持
層を形成するドープのポリマー固形物の濃度は10重量
%〜45重量%である事が好ましく、更に好ましくは1
5重量%〜40重量%である。ドープの溶液粘度は湿式
紡糸可能であれば特に制限はない。
【0052】本発明の中空糸複合膜の製造法のドープ
(a)及び(b)に使用できる有機溶剤は前記のポリイ
ミダゾピロロン前駆体及び多孔質支持層を形成する樹脂
を溶解するものであって、後述の凝固液と相溶性を有す
るものを使用できる。例えば、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化
アルキル、オルソクロルフェノール、パラクロルフェノ
ール、ジクロロフェノール等のハロゲン化フェノール、
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトア
ミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶剤、ジメチ
ルスルフォキシド、スルフォラン等イオウ系溶剤、ヘキ
サメチルホスホロトリアミド、γ-ブチルラクトン、ジ
オキサン等の一種以上の溶剤が使用できる。好ましく
は、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドン等の水溶性の有機溶剤
である。
【0053】また、ドープの安定性や可紡性の向上や生
成される複合膜の気体選択透過特性の向上等を目的とし
て、必要に応じて適宜、上記ドープ液に低分子量のポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドンの添加、アセ
トン、テトラヒドロフラン等の揮発性成分の添加、トル
エン、キシレン等の貧溶剤の添加、酢酸、酒石酸、酪酸
等の酸の添加、エチレンレングリコール、グリセリン等
の水溶性多価アルコール等の添加、塩化リチウム、臭化
リチウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化マグネシ
ウム、臭化マグネシウム等の無機塩類等の少量添加が可
能である。
【0054】本発明で使用する多重円環ノズルは公知の
ものが使用できる。好ましいノズルの模式図を図1に示
す。図中”1”は主に中空糸の形状を保つ為の気体又は
液体(以下芯材と称する)を流出するノズル芯部の開口
部であり、図中”2”、”3”はドープ(a)又は
(b)を流出するスリットである。中空糸複合膜の内側
部に多孔質支持層を有し、外側部に高分子層を有する複
合膜を製造する場合は、”1”より芯材を流出させなが
ら、”2”よりドープ(b)を、”3”よりドープ
(a)を同時に押し出せば良く、外側部に多孔質支持層
を有し、内側部に高分子層を有する複合膜を製造する場
合は、”1”より芯材を流出させながら、”2”よりド
ープ(a)を”3”よりドープ(b)を同時に押し出せ
ば良い。このようにすることによって、多層構造の中空
糸状の膜ができる。
【0055】本発明の製造方法によれば、例えばドープ
液の組成、濃度、温度、凝固液の組成、内管流体の組
成、紡糸条件等を適切に選ぶ事により緻密層は中空糸の
内側表面及び/又は外側表面いずれにも形成可能であ
る。これら条件は相互に強く関連し、目的の構造を得る
にはこれらバランスを取ることが必要である。例えば紡
糸ドラフトの効果に限定して述べると、一般に、紡糸ド
ラフトを高くすると緻密層を形成し、逆にドラフトを低
くすると多孔化する。このうち中空糸の外側表面に緻密
層を形成した複合膜が、例えばドープを一旦気相中に押
し出し、次いで凝固液中に浸せきし固化させるいわゆる
公知の乾湿式法で容易に製造する事ができ、その量産性
と、得られる複合膜の気体の透過選択特性に優れ好まし
い。また中空糸複合膜の寸法は、ノズルの寸法、ドープ
の押し出し量、紡糸ドラフト等を適宜調整することによ
り、実用用途に適した外径、内径等に適宜調整できる。
【0056】中空状にドープを押し出す時の芯材として
使用する流体は気体でも液体でも良く、例えば窒素、空
気等の気体又は、水、プロパノール、エタノール、メタ
ノール、グリセリン及びこれらの混合液体等の液体が使
用できる。また必要に応じて、これらの芯材に例えば、
塩化リチウム、臭化リチウム、塩化カリウム、等の無機
塩類又は、N-メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセ
トアミド等の該樹脂の溶剤又は、アセトン、メチルエチ
ルケトン、キシレン、トルエン、酢酸等のドープ樹脂の
貧溶剤等を適宜添加する事ができる。ドープを押し出す
雰囲気は、例えば空気、窒素等の気相であっても良い
し、溶剤等の蒸気雰囲気であってもよい。雰囲気は適
宜、気流の調整、また必要に応じて温度、湿度等を調整
する事ができる。
【0057】多重円環ノズルから、中空糸状に同時に押
し出された多層構造の重合体ドープは、凝固液との接触
により凝固する。凝固液は前記ポリイミダゾピロロン前
駆体及び複合膜の多孔質支持層を形成する各種重合体を
凝固するのに十分な貧溶剤であればよく、例えばN-プ
ロパノール、イソプロパノール、メタノール、エタノー
ル等の低級アルコール類、アセトアルデヒド、アセトン
等のアルデヒド又はケトン類、水又はこれらの一種以上
の混合有機液体が使用できる。好ましくは水又は水と他
の有機溶剤の混合液体である。 本発明の製造方法は更
に、このようにして得られたポリイミダゾピロロン前駆
体かならなる緻密層を有する高分子層と、多孔質支持層
形成用樹脂からなる多孔質支持層の2層構造からなる中
空糸複合膜を加熱処理する事により該ポリイミダゾピロ
ロン前駆体をポリイミダゾピロロン化する事を特徴とす
る。
【0058】加熱処理条件は、該前駆体の緻密層が実質
的にポリイミダゾピロロン樹脂に変化する条件であり、
且つ多孔層を形成する重合体の多孔質構造が加熱により
破壊されない条件であれば良い。好ましくは、減圧下又
は不活性ガス雰囲気で200℃〜450℃、より好まし
くは240〜400℃で20分〜720分、好ましくは
20〜360分間の加熱処理である。ここでいう減圧下
とは、中空糸複合膜を構成する樹脂が熱処理中酸化劣化
の影響を受けない程度であれば良く、200トール以
下、好ましくは20トール以下の減圧雰囲気である。不
活性ガスとして窒素、アルゴン、ヘリウム等が好適に挙
げられる。加熱処理は、凝固により得られた中空糸複合
膜を、そのまま連続的に加熱処理することもできるし、
適当な長さにそろえた中空糸複合膜の束の状態でも良
く、またモジュール化の後に行っても良い。
【0059】加熱処理による、前駆体からポリイミダゾ
ピロロンへの変化は赤外吸収スペクトルにより容易に確
認できる。例えば前駆体からのポリイミダゾピロロン化
により、約1760cm-1〜1790cm-1の吸収域の
イミド環の特性吸収と、約1620cm-1近傍の吸収域
のイミダゾール環の吸収が、同時に認められる事により
容易に確認できる。また得られた複合膜に残存する有機
溶剤は実質的に除去されることが好ましく、除去は例え
ば温水洗浄及び/又は残留溶剤を可溶する低沸点溶剤で
洗浄及び置換した後に真空加熱乾燥を行う等の公知の方
法で実施できる。残留有機溶剤特にドープ用溶剤の除去
はポリイミダゾピロロン化の為の加熱処理行程の前に行
う事が好ましい。
【0060】
【実施例】本発明を以下実施例によりさらに詳しく説明
する。 参考例1 窒素雰囲気下、ジアミノベンジジン0.3モルを、脱水
処理したN,N−ジメチルアセトアミド(以下DMAC
と略記する)350gに溶解した。次いでポリビニルピ
ロロドン約20gを添加した。この溶液を攪拌しなが
ら、6FDA 0.3モルを溶解させたN−メチルピロ
リドン(以下NMPと略記する)溶液350gを滴下
し、溶液を約100℃に加温し約5時間攪拌した後、室
温まで徐冷しポリアミドアミノ酸体を主成分とする重合
体の溶液を得た。
【0061】参考例2 窒素雰囲気下、ジアミノベンジジン0.18モルと2,
2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン0.12モルを、脱水処理したNM
P溶液約600gに溶解した。次いで約60に加温した
この溶液を攪拌しながら、6FDA0.3モルを溶解さ
せたNMP溶液約600gを滴下し、溶液を約70℃に
加温しNMPが蒸散しないようにして約4時間攪拌し
た。次いでこの反応溶液にNMPを加え約9重量%とし
た後、1.2モル量の無水酢酸とピリジンを添加し70
℃に加温しながら約4時間攪拌し化学イミド化を行っ
た。この反応溶液を多量のイソプロパノール中に落とし
濾過し得られた固形物を、約120℃で十分真空乾燥を
行いポリイミド体を主成分とする固形物を得た。
【0062】参考例3 窒素雰囲気下、3,4,4’−トリアミノジフェニルエ
ーテル0.1モルを、脱水処理したNMP200gに溶
解した。次いでこの溶液を70℃に加温し攪拌しなが
ら、6FDA 0.1モルと塩化リチウム約6gを溶解
したNMP450gの溶液をゆっくりと滴下した。滴下
終了後70℃に保温し約4時間攪拌した。次いでこの反
応溶液を多量のイソプロパノール中に落とし濾過し得ら
れた固形物を約100℃で真空乾燥を行いポリアミドア
ミノ酸体を主成分とする固形物を得た。
【0063】参考例4 窒素雰囲気下、ジアミノベンジジン0.24モルと1,
2,4,5−テトラアミノベンゼン0.06モルとを脱
水処理したNMP350gに溶解し、次いでポリビニル
ピロリドン約20gを添加した。この溶液を攪拌しなが
ら、6FDA0.3モルと臭化テトラエチルアンモニウ
ム0.5モルを溶解したNMP溶液350gを徐々に滴
下し、滴下終了後、溶液を約70℃に加温し約3時間攪
拌し、ポリアミドアミノ酸体を主成分とする重合体の溶
液を得た。
【0064】参考例5 窒素雰囲気下、ジアミノベンジジン0.3モルを脱水処
理したNMP700gに溶解し、次いでポリビニルピロ
リドン約20gを添加した。この溶液を攪拌しながら、
臭化テトラエチルアンモニウム0.5モルを添加した
後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物0.3モル樹徐々に添加した。添加終了後溶液
を約70℃に加温し約3時間攪拌し、ポリアミドアミノ
酸体を主成分とする溶液を得た。
【0065】参考例6 窒素雰囲気下、3,3’,4,4’−テトラアミノジフ
ェニルエーテル0.3モルを脱水処理したNMP350
gに溶解し、次いでポリビニルピロリドン約20gを添
加した。この溶液を攪拌しながら、6FDA 0.3モ
ルと臭化テトラエチルアンモニウム0.5モルを溶解さ
せたNMP溶液350gを徐々に滴下し、滴下終了後、
溶液を約70℃に加温し約3時間攪拌し、ポリアミドア
ミノ酸体を主成分とする溶液を得た。
【0066】参考例7 窒素雰囲気下、ジアミノベンジジン0.3モルを脱水処
理したNMP350gに溶解し、次いでポリビニルピロ
リドン約20gを添加した。この溶液を攪拌しながら、
6FDA 0.20モルと3,3’,4,4’−ビフェ
ニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物0.07モル
とPMDA0.03モル及び臭化テトラエチルアンモニ
ウム0.5モルを均一に混合させたNMP溶液350g
を滴下し、滴下終了後、溶液を約70℃に加温し約3時
間攪拌し、ポリアミドアミノ酸体を主成分とする溶液を
得た。
【0067】実施例1 参考例1で得られたポリアミドアミノ酸溶液を約80℃
で保温しながら濾過孔径20μmのステンレスフィルタ
ーでろ過し、さらに減圧脱泡を行い紡糸用ドープ(a)
を得た。またポリイミド(チバガイギー:商品名:マト
リイミド5218)をNMPに27重量%溶解し濾過孔
径20μmのステンレスフィルターによりろ過し、減圧
脱泡を行い紡糸用ドープ(b)を得た。円管外径よりφ
1.8−φ1.5−φ1.1−φ0.4−φ0.2[mm]
の多重円環ノズルを使用し、中心部円管より水を流しつ
つ、内側の円環よりドープ(b)を約3g/minの吐
出量で、外側の円環より約70℃に加温したポリアミド
アミノ酸のドープ液(a)を約0.6g/minの吐出
量で同時に空気雰囲気中に吐出した後、連続して5℃に
調整したイソプロピルアルコール/水の約50/50重
量比の凝固液中に導入凝固させ、連続して約18m/m
inの巻き取り速度でボビンに巻き取った。得られた中
空糸を約50℃の流水中へ浸漬し十分に洗浄した後、軽
く水切り乾燥を行い、さらにエタノールで十分に置換洗
浄し、約120℃で十分な真空乾燥を行った。ついで真
空中で350℃で4時間熱処理を行い該ポリアミドアミ
ノ酸体をポリイミダゾピロロン化した。得られた中空糸
複合膜は、内径約240μm、外径約480μmであ
り、中空糸断面の顕微鏡観察により、中空糸内側多孔質
支持層厚さ/中空糸外側ポリイミダゾピロロン層厚さの
比が約6:1であり、中空糸外側のポリイミダゾピロロ
ン層が、中空糸外表面に形成された緻密層とそれを支え
る多孔層からなる非対称構造を有することを確認した。
得られた中空糸複合膜の各気体透過特性をそれぞれ純ガ
スを使用し25℃雰囲気、ΔP=約2[kg/cm2
でASTM D1434に準じて中空糸内側を加圧する
方法で測定した。結果を第1表に示す。
【0068】実施例2 マトリイミド5218/ポリエーテルスルフォン(テイ
ジンアモコ:商品名:レーデルA−100)/NMP=
20/5/75重量%で溶解させた樹脂溶液を、濾過孔
径20μmのステンレスフィルターによりろ過し、減圧
脱泡を行い紡糸用ドープ(b)を得た。上記紡糸用ドー
プ(b)を用い、ポリイミダゾピロロン化の熱処理温度
を300℃行った以外、実施例1と同様の方法で中空糸
の外表面にポリイミダゾピロロンからなる高分子層(中
空糸外側に緻密層を有しそれを支える多孔質部分からな
る非対称構造である)を有する中空糸複合膜を得た。得
られた中空糸膜の各気体透過特性をそれぞれ純ガスを使
用し25℃雰囲気、ΔP=約2[kg/cm2]でAS
TM D1434に準じて実施例1と同様の方法で測定
した。結果を第1表に示す
【0069】実施例3 紡糸用ドープ(b)の組成がマトリイミド5218/ポ
リエーテルイミド(GEプラスチック:商品名:ウルテ
ム1000)/NMP=17.5/7.5/75重量%で
あり、ポリイミダゾピロロン化の熱処理温度を300℃
で行った以外、実施例1と同様の方法で中空糸の外表面
にポリイミダゾピロロンからなる高分子層(中空糸外側
に緻密層を有しそれを支える多孔質部分からなる非対称
構造である)を有する中空糸複合膜を得た。得られた中
空糸膜の各気体透過特性をそれぞれ純ガスを使用し25
℃雰囲気、ΔP=約2[kg/cm2]でASTM D
1434に準じて実施例1と同様の方法で測定した。結
果を第1表に示す
【0070】実施例4 紡糸用ドープ(b)の組成がポリベンゾイミダゾール/
ウルテム1000/DMAC=15/10/75重量%
であり、ポリイミダゾピロロン化の熱処理温度を320
℃で行った以外、実施例1と同様の方法で中空糸の外表
面にポリイミダゾピロロンからなる高分子層(中空糸外
側に緻密層を有しそれを支える多孔質部分からなる非対
称構造である)を有する中空糸複合膜を得た。得られた
中空糸膜の各気体透過特性をそれぞれ純ガスを使用し2
5℃雰囲気、ΔP=約2[kg/cm2]でASTM
D1434に準じて実施例1と同様の方法で測定した。
結果を第1表に示す
【0071】実施例5 参考例2で得られたポリイミド体を窒素雰囲気下、DM
ACに80℃で26重量%溶解し、80℃に保温しなが
ら濾過孔径20μmのステンレスフィルターでろ過し、
ついで減圧脱泡を行い紡糸用ドープ(a)を得た。マト
リイミド5218/NMP=25/75重量%で溶解
し、濾過孔径20μmのステンレスフィルターによりろ
過し、減圧脱泡を行い紡糸用ドープ(b)を得た。この
ドープ液(a)、(b)を使用し、ポリイミダゾピロロ
ンイミド化の為の熱処理を減圧下で340℃で約5時間
とした以外、実施例1と同様の方法で中空糸の外表面に
ポリイミダゾピロロンからなる高分子層(中空糸外側に
緻密層を有しそれを支える多孔質部分からなる非対称構
造である)を有する中空糸複合膜を得た。得られた中空
糸複合膜の各気体透過特性をそれぞれ純ガスを使用し2
5℃雰囲気、ΔP=約2[kg/cm2]でASTM
D1434に準じて実施例1と同様の方法で測定した。
結果を第1表に示す。
【0072】実施例6 参考例3で得られたポリアミドアミノ酸体を窒素雰囲気
下、NMPに80℃で26重量%溶解し、80℃に保温
しながら濾過孔径20μmのステンレスフィルターでろ
過し、ついで減圧脱泡を行い紡糸用ドープ(a)を得
た。マトリイミド5218/ウルテム1000/NMP
=17.5/7.5/75重量%で溶解し、濾過孔径2
0μmのステンレスフィルターによりろ過し、減圧脱泡
を行い紡糸用ドープ(b)を得た。このドープ液
(a)、(b)を使用し、ポリイミダゾピロロンイミド
化の為の熱処理を減圧下で300℃で約4時間とした以
外、実施例1と同様の方法で中空糸の外表面にポリイミ
ダゾピロロンからなる高分子層(中空糸外側に緻密層を
有しそれを支える多孔質部分からなる非対称構造であ
る)を有する中空糸複合膜を得た。得られた中空糸複合
膜の各気体透過特性をそれぞれ純ガスを使用し25℃雰
囲気、ΔP=約2[kg/cm2]でASTM D14
34に準じて実施例1と同様の方法で測定した。結果を
第1表に示す。
【0073】実施例7 実施例6で使用した紡糸ドープ(a)と同じドープを使
用し、紡糸用ドープ(b)の組成をポリベンゾイミダゾ
ール/マトリイミド5218/DMAC=10/15/
75重量%とし、ポリイミダゾピロロンイミド化の熱処
理温度を370℃で行った以外、実施例1と同様の方法
で中空糸の外表面にポリイミダゾピロロンからなる高分
子層(中空糸外側に緻密層を有しそれを支える多孔質部
分からなる非対称構造である)を有する中空糸複合膜を
得た。得られた中空糸膜の各気体透過特性をそれぞれ純
ガスを使用し25℃雰囲気、ΔP=約2[kg/c
2]でASTM D1434に準じて実施例1と同様
の方法で測定した。結果を第1表に示す。
【0074】実施例8 参考例4で得られた樹脂溶液を濾過孔径20μmのステ
ンレスフィルターでろ過し、さらに減圧脱泡を行い紡糸
用ドープ(a)を得た。また芳香族ポリアミド(帝人:
商品名:コーネックス)/NMP=20/80重量%で
溶解し、濾過孔径20μmのステンレスフィルターによ
りろ過し、減圧脱泡を行い紡糸用ドープ(b)を得た。
この紡糸用ドープ(a)と(b)を用い、凝固液を約1
0℃に調整した水とした以外、実施例1と同様の方法で
中空糸の外表面にポリイミダゾピロロンからなる高分子
層(中空糸外側に緻密層を有しそれを支える多孔質部分
からなる非対称構造である)を有する中空糸複合膜を得
た。得られた中空糸膜の各気体透過特性をそれぞれ純ガ
スを使用し25℃雰囲気、ΔP=約2[kg/cm2
でASTM D1434に準じて実施例1と同様の方法
で測定した。結果を第1表に示す
【0075】実施例9 参考例5で得られた樹脂溶液を濾過孔径20μmのステ
ンレスフィルターでろ過し、さらに減圧脱泡を行い紡糸
用ドープ(a)を得た。また、マトリイミド5218/
レーデルA−100/NMP=20/20/60重量%
で溶解し、濾過孔径20μmのステンレスフィルターに
よりろ過し、減圧脱泡を行い紡糸用ドープ(b)を得
た。上記紡糸用ドープ(a)と(b)を用い、凝固液を
約10℃に調整した水とした以外、実施例1と同様の方
法で中空糸の外表面にポリイミダゾピロロンからなる高
分子層(中空糸外側に緻密層を有しそれを支える多孔質
部分からなる非対称構造である)を有する中空糸複合膜
を得た。得られた中空糸膜の各気体透過特性をそれぞれ
純ガスを使用し25℃雰囲気、ΔP=約2[kg/cm
2]でASTM D1434に準じて実施例1と同様の
方法で測定した。結果を第1表に示す
【0076】実施例10 参考例6で得られた樹脂溶液を濾過孔径20μmのステ
ンレスフィルターでろ過し、さらに減圧脱泡を行い紡糸
用ドープ(a)を得た。また、ポリイミドワニス(新日
本理化:商品名:リカコートSN20)/マトリイミド
5218=85/15重量%で溶解し、濾過孔径20μ
mのステンレスフィルターによりろ過し、減圧脱泡を行
い紡糸用ドープ(b)を得た。上記紡糸用ドープ(a)
と(b)を用い、凝固液を約10℃に調整した水とした
以外、実施例1と同様の方法で中空糸の外表面にポリイ
ミダゾピロロンからなる高分子層(中空糸外側に緻密層
を有しそれを支える多孔質部分からなる非対称構造であ
る)を有する中空糸複合膜を得た。得られた中空糸膜の
各気体透過特性をそれぞれ純ガスを使用し25℃雰囲
気、ΔP=約2[kg/cm2]でASTM D143
4に準じて実施例1と同様の方法で測定した。結果を第
1表に示す
【0077】実施例11 参考例7で得られた樹脂溶液を濾過孔径20μmのステ
ンレスフィルターでろ過し、さらに減圧脱泡を行い紡糸
用ドープ(a)を得た。また、リカコートSN20/マ
トリイミド5218=85/15重量%で溶解し、濾過
孔径20μmのステンレスフィルターによりろ過し、減
圧脱泡を行い紡糸用ドープ(b)を得た。上記紡糸用ド
ープ(a)と(b)を用い、凝固液を約10℃に調整し
た水とした以外、実施例1と同様の方法で中空糸の外表
面にポリイミダゾピロロンからなる高分子層(中空糸外
側に緻密層を有しそれを支える多孔質部分からなる非対
称構造である)を有する中空糸複合膜を得た。得られた
中空糸膜の各気体透過特性をそれぞれ純ガスを使用し2
5℃雰囲気、ΔP=約2[kg/cm2]でASTM
D1434に準じて実施例1と同様の方法で測定した。
結果を第1表に示す
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】本発明は気体選択透過性能、耐熱性及び
耐溶剤性に優れた、耐久性のある高性能分離膜を提供で
きる。また本発明の製造方法によると、公知の湿式法共
押出法を用いて、簡単に複合膜を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための多層押し出しノズルの
模式図である。Aはノズル断面図、Bはノズル吐出口の
形状である。
【符号の説明】
1 内管液通路 2 ドープ液”(b)”通路 3 ドープ液”(a)”通路

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緻密な分離層を有する高分子層と、多孔
    質支持層とが異なった高分子重合体から形成された中空
    糸複合膜であって、緻密な分離層を有する高分子層がポ
    リイミダゾピロロン樹脂からなる非対称膜構造である事
    を特徴とする中空糸複合膜。
  2. 【請求項2】 ポリイミダゾピロロン樹脂が、 【化1】 からなる群から選ばれた1種以上のテトラカルボン酸二
    無水物と、 【化2】 からなる群から選ばれた1種以上のテトラアミンとを縮
    重合して得られる重合体を主成分とするものである、請
    求項1記載の中空糸複合膜。
  3. 【請求項3】 ポリイミダゾピロロン樹脂が下記一般式
    (1) 【化3】 (一般式(1)中、Arは 【化4】 からなる群から選ばれたテトラアミンの4価の残基であ
    る)で表される繰り返し単位を主成分とするポリイミダ
    ゾピロロン樹脂である請求項1記載の中空糸複合膜。
  4. 【請求項4】 一般式(1)中、Arが 【化5】 からなる群から選ばれた4価の基である請求項3記載の
    中空糸複合膜。
  5. 【請求項5】 多孔質支持層を形成する樹脂がポリイミ
    ド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹
    脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリアミド樹脂、又
    はこれらの1種以上の樹脂であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の中空糸複合膜。
  6. 【請求項6】 多孔質支持層の高分子層が、ポリイミド
    樹脂又はポリベンゾイミダゾール樹脂と、ポリスルフォ
    ン樹脂又はポリエーテルイミド樹脂との混合物、もしく
    はポリイミド樹脂とポリベンゾイミダゾール樹脂との混
    合物である事を特徴とする請求項5に記載の中空糸複合
    膜。
  7. 【請求項7】 ポリイミダゾピロロンからなる緻密な分
    離層を有する高分子層を形成するためのポリイミダゾピ
    ロロン前駆体の重合体のドープ(a)と、多孔質支持層
    を形成するための重合体のドープ(b)とを、多重円環
    ノズルを用い、同時に多層構造の中空糸状に共押し出し
    し、次いで凝固液と接触させ凝固させた後、ポリイミダ
    ゾピロロン前駆体を加熱によりポリイミダゾピロロン化
    する事を特徴とする中空糸複合膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリイミダゾピロロン前駆体のドープ
    (a)が、ポリアミドアミノ酸体、ポリイミド体、ポリ
    イミダゾール体及びポリイソイミド体からなる群から選
    ばれた1種以上のものである請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 ポリイミダゾピロロン前駆体のドープ
    (a)が、 【化6】 からなる群から選ばれた1種以上のテトラカルボン酸二
    無水物と、 【化7】 からなる群から選ばれた1種以上のテトラアミンを重合
    して得られる前駆体を主成分とするものである請求項8
    記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 多孔質高分子層を形成するための重合
    体のドープ(b)が、ポリイミド樹脂、ポリスルフォン
    樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾー
    ル樹脂及びポリアミド樹脂からなる群から選ばれた1種
    以上の樹脂からなるドープであることを特徴とする請求
    項7〜9いずれか1項に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 多孔質高分子層を形成する為の重合体
    のドープ(b)が、ポリイミド樹脂又はポリベンゾイミ
    ダゾール樹脂と、ポリスルフォン樹脂又はポリエーテル
    イミド樹脂との混合物、もしくはポリイミド樹脂とポリ
    ベンゾイミダゾールとの混合物の樹脂のドープである事
    を特徴とする請求項10記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 加熱を、減圧下又は不活性ガスの雰囲
    気下で240℃〜400℃で行う事を特徴とする請求項
    7〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
JP3629696A 1995-02-24 1996-02-23 ポリイミダゾピロロン中空糸複合膜及びその製造方法 Pending JPH08290046A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3629696A JPH08290046A (ja) 1995-02-24 1996-02-23 ポリイミダゾピロロン中空糸複合膜及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3677295 1995-02-24
JP7-36772 1995-02-24
JP3629696A JPH08290046A (ja) 1995-02-24 1996-02-23 ポリイミダゾピロロン中空糸複合膜及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08290046A true JPH08290046A (ja) 1996-11-05

Family

ID=26375331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3629696A Pending JPH08290046A (ja) 1995-02-24 1996-02-23 ポリイミダゾピロロン中空糸複合膜及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08290046A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011523589A (ja) * 2008-05-19 2011-08-18 アイユーシーエフ エイチワイユー (インダストリー ユニヴァーシティー コオペレイション ファウンデイション ハンヤン ユニヴァーシティー) 中空糸、中空糸形成用ドープ溶液組成物、およびそれを用いた中空糸の製造方法
JP2012505287A (ja) * 2008-10-09 2012-03-01 アイユーシーエフ エイチワイユー (インダストリー ユニヴァーシティー コオペレイション ファウンデイション ハンヤン ユニヴァーシティー) 高分子およびその製造方法
US8821617B2 (en) 2008-02-28 2014-09-02 Industry-University Cooperation Foundation, Hanyang University Polyimide-co-polybenzoxazole copolymer, preparation method thereof, and gas separation membrane comprising the same
KR20200135430A (ko) 2018-03-23 2020-12-02 에네오스 가부시키가이샤 수지, 수지 전구체 및 수지 전구체 용액

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8821617B2 (en) 2008-02-28 2014-09-02 Industry-University Cooperation Foundation, Hanyang University Polyimide-co-polybenzoxazole copolymer, preparation method thereof, and gas separation membrane comprising the same
JP2011523589A (ja) * 2008-05-19 2011-08-18 アイユーシーエフ エイチワイユー (インダストリー ユニヴァーシティー コオペレイション ファウンデイション ハンヤン ユニヴァーシティー) 中空糸、中空糸形成用ドープ溶液組成物、およびそれを用いた中空糸の製造方法
JP2012505287A (ja) * 2008-10-09 2012-03-01 アイユーシーエフ エイチワイユー (インダストリー ユニヴァーシティー コオペレイション ファウンデイション ハンヤン ユニヴァーシティー) 高分子およびその製造方法
KR20200135430A (ko) 2018-03-23 2020-12-02 에네오스 가부시키가이샤 수지, 수지 전구체 및 수지 전구체 용액

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0820805B1 (en) Use of a polyhydrazidoimide membrane for the seperation of air
EP0390992B1 (en) Aromatic polyimide double layered hollow filamentary membrane and process for producing same
US8337598B2 (en) Photo-crosslinked gas selective membranes as part of thin film composite hollow fiber membranes
US8575414B2 (en) Membrane system for natural gas upgrading
EP0489418B1 (en) Novel multicomponent fluid separation membranes
US5618332A (en) Process for enhancing the selectivity of mixed gas separations
EP0732143B1 (en) Fluid separation membranes prepared from blends of polyimide polymers
CA2145451C (en) Process for producing composite membranes
US20190001276A1 (en) Composite carbon molecular sieve membranes having anti-substructure collapse particles loaded in a core thereof
JP2671072B2 (ja) ガス分離膜の製造法
JPH09225273A (ja) 積層非対称膜及びその製造方法
JPH08290046A (ja) ポリイミダゾピロロン中空糸複合膜及びその製造方法
JPH0924260A (ja) ポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体分離膜及びその製造方法
JPH08243367A (ja) ポリイミド複合膜の製造方法
JPH08198964A (ja) ポリイミド気体分離膜
JPH0970523A (ja) ポリイミド分離膜、およびポリイミド中空糸複合膜の製造方法
JP2003038942A (ja) 分離膜
JP2022152519A (ja) 非対称中空糸ガス分離膜
JPH09898A (ja) フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール
JPH08323169A (ja) 表面改質ポリイミダゾピロロン分離膜及びその製造方法
JPH08323166A (ja) 分離膜の表面処理方法
JPH07236822A (ja) 表面改質ポリイミド系樹脂気体分離膜及びその製造方法
JPH02169019A (ja) ポリイミド二層中空糸膜の製法
JPH0691930B2 (ja) 気体分離膜
JPS6155401B2 (ja)