JPS6155401B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6155401B2
JPS6155401B2 JP10561981A JP10561981A JPS6155401B2 JP S6155401 B2 JPS6155401 B2 JP S6155401B2 JP 10561981 A JP10561981 A JP 10561981A JP 10561981 A JP10561981 A JP 10561981A JP S6155401 B2 JPS6155401 B2 JP S6155401B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide
aromatic
membrane
solution
dilute
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP10561981A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS588513A (ja
Inventor
Hiroshi Makino
Yoshihiro Kusuki
Takashi Harada
Hiroshi Shimazaki
Toshio Ishida
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP10561981A priority Critical patent/JPS588513A/ja
Priority to GB8218983A priority patent/GB2104411B/en
Priority to CA000406837A priority patent/CA1199534A/en
Priority to DE3225618A priority patent/DE3225618C2/de
Publication of JPS588513A publication Critical patent/JPS588513A/ja
Priority to US06/574,644 priority patent/US4528004A/en
Publication of JPS6155401B2 publication Critical patent/JPS6155401B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、芳香族ポリイミド微多孔質膜にハ
ロゲン化炭化水素、フエノール系化合物および可
溶性ポリイミドからなるポリイミド希薄溶液を塗
布し、その塗布層を乾燥し溶媒を除去して、ポリ
イミド複合分離膜を製造する方法に係る。 この発明で製造されるポリイミド複合分離膜
は、全体が(芳香族)ポリイミドのみで形成され
ているので、優れた耐熱性と機械的強度とを有
し、しかも公知のポリイミド製分離膜と比較し
て、ガス分離性能が優れており、水素、ヘリウム
などのガス成分の透過速度が優れているのであ
る。 従来、芳香族ポリイミド分離膜の製造法として
は、例えば、特開昭49−45152号公報に、製膜用
のドープ液として芳香族ポリアミツク酸の均一な
溶液を使用し、製膜用の凝固液として低級脂肪族
カルボン酸と第3級アミンとから本質的になるイ
ミド環化組成物を含有する混合溶媒を使用して、
前記ポリアミツク酸の薄膜を湿式製膜法で凝固す
ると共にポリマーをイミド環化して、ポリイミド
非対称性膜を製造する方法が記載されており、よ
く知られている。 しかしながら、前述の公知の製膜方法では、製
膜を凝固液との接触による湿式製膜法で行い、凝
固とイミド環化とを同時に凝固液中で行うため
に、安定したガス分離性能を有するポリイミド分
離膜を再現性よく製造することが極めて困難であ
り、ガス成分の分離性能が不安定でバラツキが大
きく、ガス成分の透過速度が充分に速くない非対
称性膜となつてしまうことが、しばしば起るとい
う問題があつた。 この発明者らは、前述のような欠点のないポリ
イミド分離膜の製造方法について鋭意研究した結
果、芳香族ポリイミド微多孔質膜の表面に、ハロ
ゲン化炭化水素、フエノール系化合物および可溶
性芳香族ポリイミドからなる特定のポリイミド希
薄溶液を塗布し、その塗布層を乾燥することによ
つて、高性能のポリイミド複合分離膜を安定的に
製造できることを見出し、この発明を完成した。 すなわち、この発明は、芳香族ポリイミド微多
孔質膜に、 ハロゲン化炭化水素100重量部、 フエノール系化合物0.5〜15重量部、および 可溶性芳香族ポリイミド0.01〜5重量部から なるポリイミド希薄溶液を塗布し、 その塗布層を乾燥し溶媒を徐々に除去すること
を特徴とするポリイミド複合分離膜の製法に関す
る。 この発明の方法は、芳香族ポリイミド微多孔質
膜に、芳香族ポリイミド(可溶性)の希薄溶液を
塗布し、その塗布層を乾燥して、ポリイミド微多
孔質膜の表面にポリイミド均質層の極めて薄い層
を形成するという単純な工程でポリイミド複合分
離膜を製造するので、高性能のポリイミド複合分
離膜を再現性よく安定的に製造できる新規な方法
である。 さらに、この発明の方法によつて製造されるポ
リイミド複合分離膜は、膜全体が芳香族ポリイミ
ドで形成されているので、優れた耐熱性と機械的
強度とを有しており、しかも、出発材料である芳
香族ポリイミド微多孔質膜と比較して、ガス分離
性能が著しく改善されるのであつて、例えば、水
素と一酸化炭素との分離性能(水素と一酸化炭素
との透過度Pの比;PH2/PCO)が約25以上であ
つて、前記微多孔質膜の分離性能(PH2/PCO)
の4倍以上、特に5倍以上であるのである。 以下、この発明の方法について、さらに詳しく
説明する。 この発明の方法で使用する芳香族ポリイミド微
多孔質膜は、一般式
【式】(ただし、Rは芳 香族テトラカルボン酸成分に係る芳香族残基であ
り、R′は芳香族ジアミン成分に係る芳香族残基
である)で示される反復単位から実質的になる芳
香族ポリイミドで形成されている微多孔質膜であ
り、後述するガス透過テストにおいて、例えば、
水素ガスの透過度(PH2)が約1×10-7〜1×
10-1cm3/cm2・sec・cmHg、好ましくは5×10-6
5×10-1cm3/cm2・sec・cmHgであつて、水素と一
酸化炭素との透過度Pの比(PH2/PCO)が2〜
25、好ましくは2.5〜20程度であればよい。 前記の芳香族ポリイミド微多孔質膜は、芳香族
テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを
重合して得られる芳香族ポリアミツク酸あるいは
芳香族ポリイミドを有機極性溶媒に均一に溶解し
た溶液をドープ液として使用して、乾式製膜法あ
るいは湿式製膜法によつて、製造することができ
る。 この発明者らは、芳香族ポリイミド微多孔質膜
の製造方法について、種々の方法を、特願昭55−
59472号、特願昭56−54965号、特願昭56−54966
号および特願昭56−54967号として特許出願し
た。 それらの発明は、大略、芳香族テトラカルボン
酸成分と芳香族ジアミン成分とから重合反応で得
られたポリアミツク酸、あるいはポリイミドが、
各ポリマー可溶性の有機極性溶媒とその各ポリマ
ー不溶性の有機極性溶媒との特定の混合溶媒に、
適当なポリマー濃度で均一に溶解しているポリマ
ー組成物を、製膜用のドープ液として使用して、
そのドープ液の薄膜(平膜状、中空糸状)を形成
し、加熱乾燥による乾式法で、必要があればイミ
ド環化を行い、ポリイミド微多孔質膜を製造する
方法である。 また、芳香族ポリイミド微多孔質膜は、芳香族
テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを
有機極性溶媒中、低温で重合して得られる芳香族
ポリアミツク酸または芳香族ポリイミドの均一な
溶液をドープ液として使用して、そのドープ液の
薄膜(平膜状、中空糸状)を形成し、特定の水、
低級アルコール系の凝固液を使用する湿式法で、
ポリアミツク酸またはポリイミドの凝固膜を形成
し、その凝固膜を乾燥し、必要であれば高温に加
熱してポリマーをイミド環化する方法で、製造す
ることができる。 前述の一般式()を構成することになる芳香
族残基Rに係る芳香族テトラカルボン酸成分とし
ては、例えば、3,3′,4,4′―ビフエニルテト
ラカルボン酸、2,3,3′,4′―ビフエニルテト
ラカルボン酸、3,3′,4,4′―ベンゾフエノン
テトラカルボン酸、2,2―ビス(3,4―ジカ
ルボキシフエニル)プロパン、ビス(3,4―ジ
カルボキシフエニル)メタン、ビス(3,4―ジ
カルボキシフエニル)スルホン、ビス(3,4―
ジカルボキシフエニル)エーテル、ビス(3,4
―ジカルボキシフエニル)チオエーテル、ピロメ
リツト酸、あるいはそれらの酸無水物、塩または
エステル化誘導体を挙げることができる。 前述の一般式()を構成することになる芳香
族残基R′に係る芳香族ジアミン成分としては、
例えば、4,4′―ジアミノジフエニルエーテル、
3,3′―ジメチル―4,4′―ジアミノジフエニル
エーテル、3,3′―ジメトキシ―4,4′―ジアミ
ノジフエニルエーテル、3,3′―ジアミノジフエ
ニルエーテル、3,4′―ジアミノジフエニルエー
テルなどのジフエニルエーテル系ジアミン、4,
4′―ジアミノジフエニルチオエーテル、3,3′―
ジメチル―4,4′―ジアミノジフエニルチオエー
テル、3,3′―ジアミノジフエニルチオエーテル
などのジフエニルチオエーテル系ジアミン、4,
4′―ジアミノベンゾフエノン、3,3′―ジメチル
―4,4′―ジアミノベンゾフエノン、3,3′―ジ
アミノベンゾフエノンなどのベンゾフエノン系ジ
アミン、4,4′―ジアミノジフエニルメタン、
3,3′―ジメトキシ―4,4′―ジアミノジフエニ
ルメタン、3,3′―ジアミノジフエニルメタンな
どのジフエニルメタン系ジアミン、2,2―ビス
(4―アミノフエニル)プロパン、2,2―ビス
(3―アミノフエニル)プロパンなどのビスフエ
ニルプロパン系ジアミン、4,4′―ジアミノジフ
エニルスルホン、3,3′―ジアミノジフエニルス
ルホンなどのジフエニルスルホン系ジアミン、ベ
ンチジン、3,3′―ジメチルベンチジン、3,
3′―ジメトキシベンチジン、3,3′―ジアミノビ
フエニルなどのビフエニル系ジアミン、または、
m―、p―、o―フエニレンジアミンなどを挙げ
ることができる。 前述の芳香族ポリイミド微多孔質膜の製造法に
おいて、芳香族テトラカルボン酸成分として、ビ
フエニルテトラカルボン酸、またはその酸無水
物、あるいはベンゾフエノンテトラカルボン酸、
またはその酸無水物を使用し、芳香族ジアミン成
分として、2個のベンゼン核を有するジアミン化
合物を使用して、両成分を略等モル重合して得ら
れた芳香族ポリイミドは、フエノール系溶媒、例
えばフエノール、クレゾール、キシレノール、ハ
ロゲン化フエノール、ハロゲン化クレゾールなど
に溶解するので、これらの溶液を製膜用ドープ液
として使用し、その薄膜を凝固液で凝固して多孔
質膜を製造できるし、あるいは、そのポリイミド
を前記フエノール系溶媒とポリイミド不溶性の芳
香族系溶媒との混合溶媒に溶解したポリイミド溶
液を製膜用のドープ液として使用して、微多孔質
膜を乾式法で製造することができる。 また、通常、有機極性溶媒に実質的に溶解する
ことがない芳香族ポリイミドでは、その芳香族ポ
リイミドの前駆体であるポリアミツク酸を、適当
な有機極性溶媒に均一に溶解して得られるポリア
ミツク酸の溶液を製膜用のドープ液として使用し
て、微多孔質膜を製造することができる。 この発明の方法で使用する芳香族ポリイミド微
多孔質膜は、少なくとも200℃の温度においてガ
ス成分の透過性能が悪化することがなく、しかも
約100Kg/cm2程度までの圧力でガス透過性能が悪
化することがないものであることが好ましい。 前記芳香族ポリイミド微多孔質膜は、充分に使
用に耐え得る機械的強度を示すような膜厚であれ
ばどのような膜厚のものであつてもよいが、特に
2〜500μ、さらに好ましくは5〜300μ程度であ
ることが好ましい。 この発明の方法において芳香族ポリイミド微多
孔質膜に塗布するポリイミド希薄溶液は、 (a) ハロゲン化炭化水素100重量部、 (b) フエノール系化合物0.5〜15重量部、特に1
〜12重量部、および (c) 可溶性芳香族ポリイミド0.01〜5重量部、特
に0.05〜3重量部からなるポリイミド希薄溶液
である。 前記ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ク
ロルベンゼン、o―ジクロルベンゼン、1,2,
4―トリクロルベンゼン、ブロムベンゼン、o―
ジブロムベンゼン、p―クロルトルエン、α―ク
ロルナフタリン、塩素化ナフタリンなどの芳香族
炭化水素のハロゲン化物、1,1,2,2―テト
ラクロルエタン、1,1,2,2―ブロムエタ
ン、1,2―ジクロロプロパン、ジクロルエチレ
ン、ジクロルメタン、クロロホルムなどのハロゲ
ン化炭化水素、あるいはそれらの混合物を挙げる
ことができる。 また、前記フエノール系化合物としては、例え
ば、フエノール、o―、m―またはp―クレゾー
ル、種々のキシレノールなどの一価のフエノール
化合物、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒド
ロキノンなどの二価のフエノール化合物、それら
のハロゲン化物、例えば、3―クロルフエノー
ル、4―クロルフエノール(パラクロルフエノー
ル)、4―ブロムフエノール、3―ブロムフエノ
ール、2―クロル―4―ヒドロキシトルエン、2
―クロル―5―ヒドロキシトルエン、3―クロル
―6―ヒドロキシトルエン、4―クロル―2―ヒ
ドロキシトルエン、2―ブロム―5―ヒドロキシ
トルエン、3―ブロム―5―ヒドロキシトルエ
ン、3―ブロム―6―ヒドロキシトルエン、4―
ブロム―2―ヒドロキシトルエンなど、またはそ
れらの混合物を挙げることができる。 この発明では、前記フエノール化合物として
は、ハロゲン化フエノールが特に好適である。 前記の可溶性芳香族ポリイミドとしては、前述
のハロゲン化炭化水素とフエノール系化合物との
混合溶媒に約0.01〜5重量%程度、好ましくは
0.02〜4.2重量%の濃度で均一に溶解しうる芳香
族ポリイミドであればよく、例えば、一般式 または (ただし、R′は前述の一般式()におけるR′と
おりである)で示される反復単位を80%以上、好
ましくは90%以上有する芳香族ポリイミドを好適
に挙げることができる。 前記の一般式()または()で示される反
復単位を80%以上有する芳香族ポリイミドは、ビ
フエニルテトラカルボン酸成分またはベンゾフエ
ノンテトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成
分とを、重合、およびイミド環化して得られる高
分子量のポリマーであり、種々の公知の方法で製
造することができる。 前記の可溶性芳香族ポリイミドの製造法として
は、特公昭37−97号公報、特公昭37−10945号公
報、特開昭50−113597号公報、特開昭55−65227
号公報などを挙げることができる。 前記の可溶性芳香族ポリイミドは、イミド化率
(赤外線吸収スペクトルで測定し算出)が90%以
上、特に95%以上であり、対数粘度(30℃、
0.5g/100ml溶媒;パラクロルフエノール4容量
とオルソクロルフエノール1容量との混合液)が
0.1〜7、特に0.2〜5程度であればよい。 この発明の方法においては、フエノール系化合
物Fと可溶性芳香族ポリイミドPIとの使用量比
(F/PI)は2〜50、特に3〜30であることが好
ましい。 前述のポリイミド希薄溶液は、必要であれば、
前述の(a)〜(c)の成分のほかに、他の溶媒、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキ
サン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケト
ン、二硫化炭素などが少量添加されていてもよ
い。 この発明の方法において、塗布用のポリイミド
希薄溶液は、フエノール系化合物の含有量が余り
多くなり過ぎると、芳香族ポリイミド微多孔質
膜、特に、ビフエニルテトラカルボン酸系ポリイ
ミド、ベンゾフエノンテトラカルボン酸系ポリイ
ミドなどの微多孔質膜の微多孔質部分の構造が乱
れてガスの透過速度が大きく低下するので適当で
はなく、また、フエノール系化合物の含有量が余
り少くなくなり過ぎると、ポリイミドが析出して
しまうので適当ではない。 この発明の方法において、前記ポリイミド希薄
溶液は、ポリマー濃度が余り小さくなり過ぎると
芳香族ポリイミド微多孔質膜の表面に全面的に安
定したポリイミド均質層を形成することができな
くなり、最終的に得られる分離膜のガス分離性能
が大巾には改善されないので適当ではなく、一方
ポリマー濃度が余りに大きくなり過ぎると、ポリ
マーが析出してしまつたり、微多孔質膜の表面に
形成されるポリイミド均質層が厚くなつてしま
い、最終的に得られる分離膜がガス透過性能の悪
化したものとなるので適当でない。 この発明の方法では、芳香族ポリイミド微多孔
質膜の表面にポリイミド希薄溶液を塗布する温度
は、前記希薄溶液の溶媒(ハロゲン化炭化水素、
フエノール系化合物)が蒸発して急速になくなつ
てしまわない温度であつて、希薄溶液が一部固化
したり、その各成分が析出しない温度であればよ
く、例えば、0〜80℃、特に5〜50℃程度であれ
ばよい。また、微多孔質膜、非対称性膜の変形を
抑えるということにおいてはできるだけ低温であ
ることが望ましい。 前述のポリイミド希薄溶液を微多孔質膜の表面
に塗布する方法は、種々の方法で塗布することが
できるが、例えば、微多孔質膜の表面にポリイミ
ド希薄溶液を流延して均一な厚さで塗布する方
法、微多孔質膜の表面にポリイミド希薄溶液をス
プレー(噴霧)して塗布する方法、微多孔質膜の
表面をポリイミド希薄溶液で濡らされたロールと
接触させて塗布する方法、さらに微多孔質膜をポ
リイミド希薄溶液に浸漬して塗布する方法などを
挙げることができる。 前述のようにして微多孔質膜の表面に塗布され
たポリイミド希薄溶液の塗布層の厚さは、0.1〜
200μ、特に1〜100μ、さらに好ましくは2〜80
μ程度であることが好ましい。 前述のポリイミド希薄溶液の塗布に先立つて、
芳香族ポリイミド微多孔質膜を、低級アルコー
ル、低分子量のケトン、ベンゼン系溶媒、低分子
量の脂肪酸エステル、脂肪族炭化水素、脂環族炭
化水素などの溶媒に、浸漬させて、表面のみ溶媒
を除去し、それらの溶媒を内部に含浸させた後、
前述の塗布操作を行うと、ポリイミド希薄溶液が
微多孔質膜の表面層にだけに薄く塗布できるので
好適である。 この発明の方法において、前述のようにして、
芳香族ポリイミド微多孔質膜の表面に、ポリイミ
ド希薄溶液を塗布し、その塗布層を乾燥し溶媒を
徐々に除去することを行つて、ポリイミド複合分
離膜を製造するのである。 前述の塗布層の乾燥は20〜300℃、特に25〜250
℃の加温または加熱下で、不活性気体の流通下に
行うことが好適であり、さらに前述の加温・加熱
下、減圧状態で行つてもよい。前述の塗布層の乾
燥によつて溶媒を完全に除去してしまう必要はな
く、溶媒の一部(微量)の残留があつても塗布層
が凝固または固化してガス分離膜として使用でき
る状態であればよい。 この発明において塗布層の乾燥によつて溶媒を
徐々に除去するためには、乾燥を低温から高温へ
段階的に行うことが好ましく、例えば、20〜80
℃、特に25〜60℃程度の温度で、不活性気体(例
えば、乾燥空気、乾燥窒素ガスなど)の流通下
に、0.1〜50時間、特に0.5〜30時間、風乾を行
い、次いで、80〜150℃、特に85〜140℃程度の温
度で0.1〜10時間、特に0.2〜5時間、加熱乾燥
し、さらに必要であれば、150〜300℃、特に160
〜250℃の温度で、0.1〜20時間、特に0.2〜10時
間程度、加熱乾燥することが好ましい。この発明
の方法では、塗布層の乾燥を、上述以上にさらに
多段階で昇温しながら乾燥することができる。 この発明の方法によつて製造されるポリイミド
複合分離膜は、芳香族ポリイミド多孔質層(厚さ
2〜500μ、特に5〜300μ)と、ポリイミド均質
層(厚さ5μ以下、特に1μ以下)とが一体に接
合されている複合分離膜であり、複合分離膜全体
が芳香族ポリイミドという耐熱性の素材で構成さ
れているので、ガス分離に用いる際の使用温度が
常温から約200℃まであるいは200℃以上と広範囲
である。 一方、この発明の方法で製造される芳香族ポリ
イミド複合分離膜は、ガス透過テストにおいて、
優れたガス透過速度とガス分離性能とを同時に有
しており、例えば、水素ガス透過度(PH2)が5
×10-6cm3/cm2・sec・cmHg以上であつて、水素と
一酸化炭素との分離性能(PH2/PCOで示す)が
25以上と高いのである。 以下、次に参考例、実施例を示す。 実施例において、ガス透過テストは、面積
14.65cm2のステンレス製セルに30℃で(ポリイミ
ド複合)分離膜を設置し、水素、一酸化炭素を
各々0.5〜1Kg/cm2に加圧して、分離膜を透過し
て来るガス量を流量計で測定した。 各ガスの透過度は、次の式で算出した。 透過度P=ガス透過量(STP)/膜面積×透過時間×圧力差(cm3/cm2・sec・cmHg) なお、分離膜の分離性能は、水素の透過度
(PH2)と一酸化炭素の透過度(PCO)との比
(PH2/PCO)で示す。 参考例 1 3,3′,4.4′―ビフエニルテトラカルボン酸二
無水物40mmol、4,4′―ジアミノジフエニルエ
ーテル40mmolおよびパラクロルフエノール165g
を、撹拌機と窒素ガス導入管とが付設されたセパ
ラブルフラスコに入れて、窒素ガスを流通しなが
ら、反応液を常温から180℃まで約50分間で昇温
し、さらにその反応液を180℃に8時間保持し
て、重合およびイミド環化を1段で行つて粘稠な
ポリイミド溶液を得た。 そのポリイミド溶液は、ポリマー濃度が10重量
%であり、ポリマーのイミド化率が95%以上であ
り、さらにポリマーの対数粘度(50℃、0.5g/
100mlパラクロルフエノール)が2.2であつた。 前述のようにして製造したポリイミド溶液を、
ガラス板上に25℃で流延し厚さ0.2mmの液状の薄
膜を形成し、その液状の薄膜を室温(25℃)でメ
タノール凝固液に約20時間浸漬し、凝固させて凝
固膜を形成し、その凝固膜をメタノール凝固液か
ら取り出し、さらにその凝固膜をn―ヘキサン中
に25℃で20時間浸漬した後、空気流通下、25℃で
5時間風乾し、次いで100℃1時間乾燥し、さら
に200℃で3時間加熱処理して、ポリイミド多孔
質膜を得た。 そのポリイミド多孔質膜は、膜厚が約25μであ
り、ガス透過テストによる水素の透過度(PH2
が7.1×10-3cm3/cm2・sec・cmHgであり、水素と
一酸化炭素との透過度の比(PH2/PCO)が2.8
であつた(参考例1−A)。 前記ポリイミド多孔質膜を、α―クロルナフタ
リンを10重量%含有するベンゼン溶液に25℃で5
時間浸漬した後、空気流通下、25℃で18時間風乾
し、次いで100℃で1時間乾燥し、さらに200℃で
2時間加熱処理して、改質されたポリイミド微多
孔質膜を得た。 そのポリイミド微多孔質膜は、ガス透過テスト
による水素の透過度(PH2)が4.5×10-5cm3/cm2
sec・cmHgであり、水素と一酸化炭素との透過度
の比(PH2/PCO)が8.1であつた(参考例1−
B)。 参考例 2 参考例1で得られたポリイミド溶液に、テトラ
ブロムエタン、パラクロルフエノールを適当量添
加して、テトラブロムエタン100重量部、パラク
ロルフエノール7.41重量部および芳香族ポリイミ
ド0.47重量部からなるポリイミド希薄溶液を調製
した。 参考例 3 参考例1で得られたポリイミド溶液に、テトラ
ブロムエタン、α―クロルナフタリン、パラクロ
ルフエノールを適当量添加して、テトラブロムエ
タン50重量部、α―クロルナフタリン50重量部、
パラクロルフエノール9.80重量部、および芳香族
ポリイミド0.52重量部からなるポリイミド希薄溶
液を調製した。 実施例 1 参考例1−Bの芳香族ポリイミド微多孔質膜を
25℃で、参考例2で調製されたポリイミド希薄溶
液中に約1分間浸漬して、微多孔質膜に前記希薄
溶液を塗布し、その塗布膜を、空気流通下、25℃
で18時間、風乾し、次いで100℃で3時間乾燥
し、さらに200℃で3時間加熱処理して、ポリイ
ミド複合分離膜を製造した。 その複合分離膜を、ガス透過テストした結果を
第1表に示す。 実施例 2 参考例1−Bの芳香族ポリイミド微多孔質膜を
クロルベンゼン中に25℃で20分間浸漬して、クロ
ルベンゼンから取り出した微多孔質膜の両面にろ
紙をあて、微多孔質膜の表面に付着しているクロ
ルベンゼンを除去して、内部にクロルベンゼンが
含浸されている微多孔質膜として、その微多孔質
膜を使用したほかは、実施例1と同様にして、ポ
リイミド複合分離膜を製造した。 その複合分離膜について、ガス透過テストを行
つた結果を第1表に示す。 実施例 3 クロルベンゼンにかわりトリエチレングリコー
ルを使用し、参考例2のポリイミド希薄溶液のか
わりに参考例3のポリイミド希薄溶液を使用した
ほかは、実施例2と同様にして、ポリイミド複合
分離膜を製造した。 その複合分離膜について、ガス透過テストを行
つた結果を第1表に示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 芳香族ポリイミド微多孔質膜に、 ハロゲン化炭化水素100重量部、 フエノール系化合物0.5〜15重量部、および 可溶性芳香族ポリイミド0.01〜5重量部 からなるポリイミド希薄溶液を塗布し、 その塗布層を乾燥し溶媒を徐々に除去すること
    を特徴とするポリイミド複合分離膜の製法。
JP10561981A 1981-07-08 1981-07-08 ポリイミド複合分離膜の製法 Granted JPS588513A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10561981A JPS588513A (ja) 1981-07-08 1981-07-08 ポリイミド複合分離膜の製法
GB8218983A GB2104411B (en) 1981-07-08 1982-07-01 Aromatic polyimide composite separating membrane
CA000406837A CA1199534A (en) 1981-07-08 1982-07-07 Aromatic polyimide composite separating membrane
DE3225618A DE3225618C2 (de) 1981-07-08 1982-07-08 Verbundmembran auf Polyimidbasis und Verfahren zu deren Herstellung
US06/574,644 US4528004A (en) 1981-07-08 1984-01-30 Aromatic polyimide composite separating membrane

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10561981A JPS588513A (ja) 1981-07-08 1981-07-08 ポリイミド複合分離膜の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS588513A JPS588513A (ja) 1983-01-18
JPS6155401B2 true JPS6155401B2 (ja) 1986-11-27

Family

ID=14412503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10561981A Granted JPS588513A (ja) 1981-07-08 1981-07-08 ポリイミド複合分離膜の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS588513A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5811006A (ja) * 1981-07-10 1983-01-21 Ube Ind Ltd ポリイミド複合分離膜の製造方法
JPH0691930B2 (ja) * 1986-03-18 1994-11-16 宇部興産株式会社 気体分離膜

Also Published As

Publication number Publication date
JPS588513A (ja) 1983-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4528004A (en) Aromatic polyimide composite separating membrane
JPS6153087B2 (ja)
US5141642A (en) Aromatic polyimide double layered hollow filamentary membrane and process for producing same
JP2855668B2 (ja) ポリイミド分離膜
JP2588806B2 (ja) ガス分離中空糸膜及びその製法
TWI526480B (zh) Porous polyimide film and method for producing the same
JPH03267130A (ja) ガス分離中空糸膜及びその製法
JPS6153103B2 (ja)
JPS6355974B2 (ja)
JPS6153086B2 (ja)
JP2671072B2 (ja) ガス分離膜の製造法
JPS6252605B2 (ja)
JPS6252604B2 (ja)
JPS6153090B2 (ja)
JPS6321521B2 (ja)
JPS6261228B2 (ja)
JPS63264121A (ja) ポリイミド気体分離膜
JPS6155401B2 (ja)
WO1991000774A1 (en) Separative membrane made of aromatic polyimide
JPH02251232A (ja) ポリイミド二層中空糸膜およびその製法
JPS6223972B2 (ja)
JPS6252612B2 (ja)
JPH0122006B2 (ja)
JPH0549882A (ja) 高選択性ガス分離膜及びその製法
JPH0693985B2 (ja) ポリイミド二層中空糸膜の製法