JPH0691930B2 - 気体分離膜 - Google Patents

気体分離膜

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JPH0691930B2
JPH0691930B2 JP61060031A JP6003186A JPH0691930B2 JP H0691930 B2 JPH0691930 B2 JP H0691930B2 JP 61060031 A JP61060031 A JP 61060031A JP 6003186 A JP6003186 A JP 6003186A JP H0691930 B2 JPH0691930 B2 JP H0691930B2
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separation membrane
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polymer
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術的分野] 本発明は、気体分離膜に関するものである。更に詳しく
は、水素分離膜、炭酸ガス分離膜、水蒸気分離膜あるい
は酸素富化膜などとして有用な芳香族ポリイミドからな
る均質層を有する気体分離膜の改良に関するものであ
る。
[発明の背景] 気体分離膜は、各種の気体の分離、濃縮などの目的で利
用されており、その代表的な構成としては、全体が均質
な層からなる均質膜、均質層と多孔質層とからなる非対
称性膜、そして全体が多孔質の層からなる多孔質膜など
が知られている。なお非対称性膜は、多孔質膜の片面に
塗布により均質層を形成して得た一体膜と多孔質膜の片
面に別に調製した均質膜を付設して得た複合膜とに分け
ることができる。
複合膜の例としては、特公昭59−51321号公報に開示さ
れた、多孔質膜にポリマーをコートして支持体ポリマー
固有の分離性能を利用した気体分離膜を挙げることがで
きる。
一体膜の例としては、特公昭48−17589号公報に開示さ
れた、多孔質膜にポリマー層を重層して得た気体分離膜
を挙げることができる。この分離膜では、分離性能は塗
布により形成したポリマー層に委ねられている。
これらの気体分離膜のうち、均質層を有する気体分離
膜、すなわち、均質膜および非対称性膜は高い気体分離
性能を有するところから、研究が進められている。なか
でも、均質層の材料として芳香族ポリイミド樹脂を用い
たものは、その材料の高い耐熱性および耐候性が有効に
作用するため、厳しい条件における使用に適していると
され、注目を集めている。
ところが、気体分離膜を実際に使用して気体分離操作を
行なうと時間の経過に伴ってガスの透過性の小さくなる
ことがしばしばみられる。この現象は、耐熱性ポリマー
である芳香族ポリイミドを均質膜材料として用いた気体
分離膜であっても発生するため、その改良が必要であ
る。すなわち、耐熱性の高い芳香族ポリイミドを均質膜
材料として用いた気体分離膜は、その高い耐熱性を有効
に生かすためにも、継続使用条件における気体分離性能
の低下をできるだけ少なくすることが必要である。
[発明の目的] 本発明は、気体透過性能が改良された芳香族ポリイミド
からなる均質層を有する気体分離膜を提供することを目
的とする。
本発明は、特に継続使用条件における気体分離性能の低
下が少なくなった芳香族ポリイミドからなる均質層を有
する気体分離膜を提供することを目的とする。
[発明の構成] 本発明は、芳香族ポリイミドからなる均質層を有する気
体分離膜であって、該均質層の表面が40℃以上のガラス
転移点を有するビニルポリマーおよびポリフェニレンオ
キシドから選ばれる芳香族基含有ポリマーで処理されて
いることを特徴とする気体分離膜にある。
本発明で規定したガラス転移温度は最も一般的なDSC法
による測定値であり、この測定法については、高分子学
会編、『高分子測定法−構造と物性・上』吉本敏雄、ガ
ラス転移、181頁(培風館(1972)発行)に詳しい説明
がある。
本発明における処理対象の気体分離膜の代表的な例とし
ては、炭酸ガスの透過度(P′CO2)が1×10-5cc/cm2
・秒・cmHg以上であって、炭酸ガスとメタンの透過度の
比(分離度:P′[CO2]/P′[CH4])が15以上のものを
挙げることができる。
本発明の気体分離膜は、たとえば、40℃以上(好ましく
は90℃以上)のガラス転移温度を有するビニルポリマー
あるいはポリフェニレンオキシドである芳香族基含有ポ
リマーの有機溶媒溶液に芳香族ポリイミドからなる均質
層を有する気体分離膜を浸漬したのち、乾燥することに
より得ることができる。芳香族基含有ポリマーの有機溶
媒溶液の濃度としては約0.05〜10重量%(好ましくは約
0.1〜2重量%)の濃度のものが利用される。
本発明の気体分離膜は、均質層であっても、あるいは非
対称性膜であってもよい。また、本発明の気体分離膜は
中空糸状、シート状などのいずれの形状にあってもよ
い。
本発明の気体分離膜は、芳香族ポリイミドからなる均質
層を有する気体分離膜を前記規定の芳香族基含有ポリマ
ーで処理したものである。
芳香族ポリイミドからなる均質層を有する気体分離膜
(以下、単に「ポリイミド気体分離膜」ともいう)とし
ては、これまでに各種の芳香族ポリイミドから得られた
ものが知られており、本発明の処理対象のポリイミド気
体分離膜はそのような任意の芳香族ポリイミドから得た
気体分離膜であってもよい。
芳香族ポリイミドは一般に芳香族テトラカルボン酸骨格
と芳香族ジアミン骨格とから構成されており、それぞれ
について各種の化学構造を有するものを選ぶことにより
各種の物理的・化学的特性を有する芳香族ポリイミドが
得られることが知られている。
すなわち芳香族ポリイミドの芳香族テトラカルボン酸骨
格としては、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラ
カルボン酸、および2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカ
ルボン酸、そして、これらの芳香族テトラカルボン酸の
酸二無水物、エステル、塩などから誘導されたカルボン
酸骨格を挙げることができる。これらのうち、3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸の酸二無水物と2,3,
3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸の酸二無水物な
どにより代表されるビフェニルテトラカルボン酸酸二無
水物から誘導された酸骨格を主酸骨格とする芳香族ポリ
イミド気体分離膜を利用した場合に、本発明は特に有用
である。
芳香族ポリイミドの芳香族ジアミン骨格としては、パラ
フェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、2,4−
ジアミノトルエン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、o−トリジ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,8
−ジメチル−3,7−ジアミノジベンゾチオフェン−5,5−
ジオキシド、ビス(アミノフェノキシ−フェニル)メタ
ンおよびビス(アミノフェノキシ−フェニル)スルホン
などを挙げることができる。
上記のような芳香族カルボン酸成分と芳香族ジアミン成
分とを用いてポリイミドを製造する方法も各種知られて
いる。たとえば、上記の芳香族カルボン酸成分と芳香族
ジアミン成分とを有機極性溶媒に溶解した状態で加熱し
て一段階反応にて重合とイミド化とを行ないポリイミド
を得る方法、および芳香族カルボン酸成分と芳香族ジア
ミン成分とを有機極性溶媒に溶解した状態にて室温付近
の低音で重合反応を起させて、一旦ポリアミック酸とし
たのち、このアミック酸からポリイミド均質層を得る方
法などは知られている。
本発明において使用する芳香族ポリイミドは、いずれの
方法によって得られたものであってもよい。
本発明において処理の対象とすることもできる芳香族ポ
リイミド気体分離膜の製造方法の例を、中空糸膜の形態
にある気体分離膜の製造方法を例にして以下に説明す
る。
まず、芳香族ポリイミド溶液を中空糸の紡糸用ノズルか
ら、一旦大気中を経て、または直接に凝固液中へ中空糸
状に押し出す。押し出された中空糸状体を、必要であれ
ば緊張状態で僅かに伸張させながら、好ましくは約−10
〜60℃の凝固液中で直ちに凝固させて、湿潤状態の中空
糸(凝固または固化して自己支持性を有する中空糸)を
連続的に形成し、この湿潤状態の中空糸を充分洗浄して
芳香族ポリイミド中空糸膜を得る。
これを更に詳しく述べれば、ノズルヘッドへ、濾過およ
び脱泡されたドープ液を供給し、そして、そのノズルヘ
ッドの底部のオリフィスの開口部の内周面と芯管の外周
面との間の空隙部(ドーナツ状空隙または環状空隙部)
からドープ液を適当な背圧下に押し出し、同時に前記芯
管の内部孔から気体(窒素ガスなど)または液体(芯液
ともいう)を供給しながら、ドープ液の中空糸状体を形
成し、その中空糸状体を凝固液に接触させて凝固させる
ことにより中空糸を形成するのである。
前述の凝固液は、前述の芳香族ポリイミドを実質的に溶
解せず、しかもドープ液に使用されたフェノール系化合
物と相溶性が優れている低い粘度(回転粘度)の有機極
性溶媒でなければならないことは言うまでもなく、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、n−ペンチルアルコールなどの
炭素数1〜5の低級アルキルアルコールと水との混合溶
媒などのような、低級アルコールまたは水を主として含
有する混合溶媒が好ましく、特に低級アルコールの濃度
が約40〜90容量%、さらに好ましくは45〜80容量%でア
ルコール水溶液が最適である。
洗浄工程は第一洗浄と第二洗浄の二回に分けて行なうこ
とが望ましい。第一洗浄は、上記の凝固液と同一もしく
は類似の低級アルコールを用いて行なうことが望まし
い。
第一洗浄を行なった後の、第一の洗浄液で湿潤している
中空糸について、炭化水素溶媒が主として(約70容量%
以上)含有されている第二洗浄液で、その第二洗浄液が
洗浄中の中空糸に接触した後に、中空糸の低級アルコー
ル含有量がを1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下
になる迄、第二洗浄を行なうことが望ましい。
第二洗浄液に用いる炭化水素溶媒としては、炭素数が5
〜20、特に5〜15程度であり、沸点が約25〜300℃、特
に25〜200℃程度である脂肪族または脂環式炭素水素化
合物が望ましい。脂肪族炭化水素化合物の例としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デ
カン、ドデカンなどを挙げることができる。脂環式炭素
水素化合物の例としては、シクロヘキサン、シクロペン
タン、シクロオクタン、シクロドデカン、メチルシクロ
ヘキサンなどを挙げることができる。
前記の第一洗浄は、前記低級アルコールの沸点までの温
度で、特に0℃以上であって前記低級アルコールの沸点
より5℃以上低い温度までの温度で行なうことが好まし
く、また、前記の第二洗浄は、約0℃以上であって前記
炭化水素化合物の沸点より低い温度までの範囲内の温度
で行なうことが好ましく、第二洗浄の温度は30〜100
℃、特に40〜80℃程度の温度で行なうことが好適であ
る。
洗浄工程が終了した後は、中空糸に熱処理を行なうか又
は、熱処理を行なうことなく、本発明の特徴的要件であ
るTgが40度以上のビニルポリマーあるいはポリフェニレ
ンオキシドである芳香族基含有ポリマーの処理を行な
う。
ガラス転移温度(Tg)が40℃以上の芳香族基含有ポリマ
ーによる芳香族ポリイミド気体分離膜(処理対象の気体
分離膜、以下「ベース膜」という)の処理は、たとえ
ば、芳香族基含有ポリマーを溶解しているポリマー溶液
にベース膜を浸漬し、次いで乾燥(通常は約100〜300
℃、好ましくは150〜250℃での加熱による)するような
方法が利用される。
なお、上記ポリマー溶液の溶媒が、芳香族炭化水素、ハ
ロゲン化炭化水素などのような、飽和炭化水素(例、脂
肪族炭化水素、脂環式炭化水素)以外の溶媒であった場
合には、ポリマー溶液にベース膜を浸漬してベース膜表
面に芳香族基含有ポリマーを付着させたのち、飽和炭化
水素溶媒で洗浄して、ポリマーの溶媒を飽和炭化水素で
置き換え、しかるのち乾燥熱処理を行なって乾燥膜を得
る方法を利用することが望ましい。
本発明においてベース膜の処理に利用するポリマーはTg
(ガラス転移温度)が40℃以上、好ましくは90℃以上の
ビニルポリマーあるいはポリフェニレンオキシドである
芳香族基含有ポリマーである。ゴム状ポリマー、例えば
シリコーンゴムやポリブタジエンなどのようなポリマー
で処理しても本発明の主目的である気体分離膜の長期性
能安定化効果は認められない。
本発明で処理ポリマーとして利用することのできるTg40
℃以上の芳香族基含有ポリマーの例としては下記のポリ
マーを挙げることができる。
ポリスチレン(Tg:100℃)、ポリ−α−メチルスチレン
(Tg:168℃)、ポリクロロスチレン(Tg:110℃)、ポリ
ビニルフェノール(Tg:182℃)、ポリビニルピリジン
(Tg:142℃)などのビニルポリマー(ビニルモノマーを
主繰り返し単位とする共重合体も含む)。
ポリ(オキシ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)(T
g:209℃)、ポリ(オキシ−2,6−ジフェニル−1,4−フ
ェニレン)(ポリ−2,6−ジメチルフェニレンエーテル
ともいう、Tg:220℃)などのポリフェニレンオキシド
(フェニレンオキシドを主繰り返し単位とする共重合体
も含む) 上記のような芳香族基含有ポリマー溶液の溶媒は、該ポ
リマーを0.05〜10重量%の範囲で容易に溶解し、かつベ
ース膜のポリマーを実質的に溶解しない溶媒であれば特
に限定はなく、たとえば、芳香族炭化水素(例、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン)、ハロゲン化炭化水素(例、
クロロホルム)、脂環式炭化水素(例、シクロヘキサ
ン)などが利用される。
なお、前記のように上記ポリマー溶液の溶媒が芳香族炭
化水素、ハロゲン化炭化水素などのような、飽和炭化水
素以外の溶媒であった場合には、ポリマー溶液の溶媒は
ベース膜を浸漬したのちに飽和炭化水素溶媒で洗浄し
て、ポリマーの溶媒を飽和炭化水素で置き換えることが
望ましい。この洗浄のために用いる飽和炭化水素溶媒の
例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカンなどの脂肪族炭化水素、およびシク
ロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンな
どの脂環式炭化水素が挙げられる。
なお、これまで中空糸状の気体分離膜を例に挙げて説明
したが、ベース膜として用いる気体分離膜は平膜やチュ
ーブラータイプの形状であってもよいことはいうまでも
ない。
[発明の効果] 本発明に従って表面が40℃以上のガラス転移温度を有す
る芳香族基含有ポリマーで処理された気体分離膜の気体
分離速度は、初期速度については、未処理のものに劣る
場合にあるが、長期に使用した場合の性能低下が未処理
のものに比較して顕著に少なくなるため、初期を過ぎた
時点以降については、未処理のものに比較して顕著に高
い気体分離速度を示す。
特に、40℃以上のガラス転移温度を有する芳香族基含有
ポリマーとして、ポリ−α−メチルスチレン、α−メチ
ルスチレンを主繰り返し単位とする共重合体、ポリスチ
レン、スチレンを主繰り返し単位とする共重合体、ポリ
−2,6−ジメチルフェニレンエーテル、2,6−ジメチルフ
ェニレンエーテルを主繰り返し単位とする共重合体を使
用した場合には、気体分離の初期速度は、未処理のもの
と同等もしくはそれ以上であり、また長期に使用した場
合の性能低下も未処理のものに比較して顕著に少なくな
る。
本発明において40℃以上のガラス転移温度を有する芳香
族基含有ポリマーを用いての処理を行なうことにより気
体分離膜の長期性能の向上が発現する機構については必
ずしも明確ではないが、恐らく、分離対象の気体に含ま
れる粉塵の気体分離膜の均質層(緻密層ともいう)への
付着を低減する;分離対象の気体に含まれる極性溶媒
(水、有機溶媒など)が気体分離膜の均質層を劣化させ
ることを防ぐ;および/または、気体分離膜の均質層の
経時的な緻密化(これは分離性能の低下を引き起す)
が、Tg40℃以上の芳香族基含有ポリマーを用いての処理
によって遅延するようになり、このため分離性能の低下
が抑制されるなどの機構を介しているものと推定され
る。
[実施例] 以下に、参考例、本発明の実施例、および比較例を示
す。
[参考例1] 芳香族ポリイミド溶液の調製 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
(s−BPDA)500ミリモル、2,8−ジメチル−3,7−ジア
ミノジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド450ミリモ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル50ミリモルお
よびパラクロルフェノール1470gを、攪拌機と窒素ガス
導入管及び冷却管とが付設されたセパラブルフラスコに
入れ、窒素ガスを流しながら室温から180℃まで約1時
間で加熱昇温したのち、180℃で10時間の重合を行な
い、芳香族ポリイミド溶液(重合反応液)を得た。
気体分離用中空糸膜の製造 上記の重合反応液をそのままドープ液として用い、紡糸
装置のチューブ・イン・オリフィス型の中空糸紡糸用ノ
ズル(開口部の内径が1.0mmであるオリフィスの開口部
中央から外径が0.6mmであり、内径が0.3mmである芯管が
同軸状にセットされている)に、70℃に加熱されたドー
プ液を加圧して供給し、前記芯管から窒素ガスを少量供
給しながら、前記ドープ液を紡糸用ノズルのオリフィス
の開口部内周と芯管の外周との間の環状空間から押し出
して、中空糸状体を形成し、続いて、その中空糸状体を
約70重量%のエタノール水溶液からなる凝固液(約70
℃)に充分に浸漬し凝固させて、湿潤状態で凝固(固
化)している中空糸(パラクロルフェノールの含有率:5
重量%)を形成した。この中空糸は湿潤状態のままカセ
に巻き取り、さらに、その中空糸の糸巻体を約50℃のエ
タノール(第一洗浄液)の流れの中に浸漬し、次いで第
一洗浄の終った湿潤状態の糸巻体を50℃のn−ヘキサン
(第二洗浄液)の流れの中に浸漬して、第二洗浄を行な
った。最後に、第二洗浄の終了した中空糸を、150℃で
1時間、熱風乾燥・熱処理して、芳香族ポリイミド製の
気体分離用中空糸膜を得た。
[実施例1、比較例1] 芳香族ポリイミド製の気体分離用中空糸膜を長さ25cmの
カセに巻き取り、第1表に示す芳香族基含有ポリマーの
1重量%溶液に室温で1時間浸漬し、ついでこれを取り
出し、次にn−ヘキサン溶媒に室温で1時間浸漬して溶
液を置換したのち、熱風乾燥器にて200℃で熱処理し
た。
上記中空糸についてガス透過試験用モジュールを作成
し、そのモジュールを使用し、炭酸ガスとメタンガスに
ついて2kg/cm2G、常温でのガス透過速度(初期性能)
をそれぞれ測定した。
さらにこのモジュール内に空気を常圧下でみかけの線速
度3.5m/秒の流速で20時間流した後のガス透過速度(空
気流通後の性能)をそれぞれ測定した。
測定された炭酸ガスの透過速度、および炭酸ガスの透過
速度の測定値とメタンガスの透過速度の測定値に基づい
て算出された選択透過性を第1表に示す。なお、各数値
の表示は下記による。
炭酸ガスの透過速度(P′CO2): ×10-5cm3/cm2・秒・cmHg 選択透過性α(炭酸ガスとメタンガスとの選択透過
性):α=P′CO2/P′CH4 結果を第1表に示す。
ポリスチレン[ベンゼン]、ポリ−α−メチルスチレン
[シクロヘキサン]、ポリ(オキシ−2,6−ジフェニル
−1,4−−1,4−フェニレン)[トルエン/シクロヘキサ
ン=3/1(体積比)]、ポリ−2,6−ジメチルフェニレン
エーテル[トルエン]、ポリジメチルシロキサン[n−
ヘキサン] 第1表の結果から明らかなように、無処理の気体分離用
中空糸膜は炭酸ガス透過速度の顕著な低下が見られる。
一方、本発明に従って芳香族基含有ポリマーで処理した
気体分離用中空糸膜は炭酸ガス透過速度の低下が少なく
なっている。
[実施例2] 芳香族ポリイミド製の気体分離用中空糸膜の処理ポリマ
ーとしてポリスチレンを選び、処理溶液のポリマー濃度
を、0.2%、1%、2%と変動させた以外は実施例1と
同様な処理を行ない、同様なモジュールにて気体透過実
験を行なった。
結果を第2表に示す。
[実施例3] 芳香族ポリイミド製の気体分離用中空糸膜を、ポリビニ
ルフェノール0.4重量%を含むエタノール溶液に室温で
1時間浸漬後、ポリビニルピリジン0.4重量%を含むエ
タノール溶液に室温で1時間浸漬したのち、ヘキサンで
洗浄し、次いで150℃で1時間熱処理を行なった以外は
実施例1と同様な処理を行ない、同様なモジュールにて
気体透過実験を行なった。
結果は下記の通りである。
初期性能: P′CO2=5.5×10-5、α=43 空気流通後の性能: P′CO2=4.5×10-5、α=28 [実施例4] 芳香族ポリイミド製の気体分離用中空糸膜の処理ポリマ
ーとしてポリスチレンを選び、処理溶液の溶媒をシクロ
ヘキサンに変え、ポリマー濃度を2%に変えた以外は実
施例1と同様な処理を行ない、同様なモジュールにて気
体透過実験を行なった。
n−ヘキサン溶媒による溶媒置換を行なわなかった以外
は上記と同様な処理を行ない、同様なモジュールにて気
体透過実験を行なった。
結果を第3表に示す。
[実施例6、比較例2] 芳香族ポリイミド製の気体分離用中空糸膜の処理ポリマ
ーとして、ポリ−α−スチレンとポリ−2,6−ジメチル
フェニレンエーテルとを選び、実施例1記載の方法でそ
れぞれのポリマーを処理して、同様なモジュールを得
た。それぞれの初期性能を測定したのち、各モジュール
内に、窒素を常圧下でみかけの線速度3.5m/秒の流速
で、500時間流した後のガス透過性能(長期使用後性
能)を調べた。
なお、同様にしてポリマー無処理の芳香族ポリイミド製
の気体分離用中空糸膜モジュールを製造し、このモジュ
ールを用いて同様の測定を行なった。
結果を第4表に示す。
第4表の結果から明らかなように、無処理の気体分離用
中空糸膜は炭酸ガス透過速度の顕著な低下が見られる。
一方、本発明に従って芳香族基含有ポリマーで処理した
気体分離用中空糸膜は炭酸ガス透過速度の低下が少なく
なっている。上記の結果は先に示した第1表にも現われ
ていたが、第4表の結果から運転時間を長期になった場
合に、その傾向が更に顕著に現われることがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリイミドからなる均質層を有する
    気体分離膜であって、該均質層の表面が40℃以上のガラ
    ス転移点を有するビニルポリマーおよびポリフェニレン
    オキシドから選ばれる芳香族基含有ポリマーで処理され
    ていることを特徴とする気体分離膜。
  2. 【請求項2】芳香族基含有ポリマーが、ポリスチレン、
    ポリ−α−スチレン、ポリ(オキシ−2,6−ジフェニル
    −1,4−フェニレン)、およびポリ−2,6−ジメチルフェ
    ニレンエーテルからなる群より選ばれたものである特許
    請求の範囲第1項記載の気体分離膜。
JP61060031A 1986-03-18 1986-03-18 気体分離膜 Expired - Lifetime JPH0691930B2 (ja)

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