JPH0636854B2 - ポリイミド気体分離膜 - Google Patents

ポリイミド気体分離膜

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JPH0636854B2
JPH0636854B2 JP61169265A JP16926586A JPH0636854B2 JP H0636854 B2 JPH0636854 B2 JP H0636854B2 JP 61169265 A JP61169265 A JP 61169265A JP 16926586 A JP16926586 A JP 16926586A JP H0636854 B2 JPH0636854 B2 JP H0636854B2
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separation membrane
gas separation
polyimide
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喜博 楠木
利宗 吉永
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、気体分離膜に関するものである。更に詳しく
は本発明は、水素分離膜、炭酸ガス分離膜、水蒸気分離
膜あるいは酸素富化膜などとして有用な芳香族ポリイミ
ドからなる均質層を有する気体分離膜の改良に関するも
のである。
[従来の技術] 従来、芳香族ポリイミドのフェノール系化合物の溶液か
ら湿式製膜法で芳香族ポリイミドの半透膜または中空糸
を製造する方法は、例えば、特開昭56−126405
号公報、特開昭56−157435号公報、または特開
昭57−15819号公報などに記載の方法が知られて
いた。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、これらの文献で芳香族ポリイミド分離膜につい
ては、例えば、水素と一酸化炭素の混合ガスを使用する
場合について具体的に開示されているだけであり、さら
に他のガスに対して優れた性能を有するガス分離材料に
ついて記載されていない。従って、他のガス混合物(例
えば、炭酸ガスを含有する混合ガス)について、高い選
択性および透過速度を有する芳香族ポリイミド分離膜ま
たは中空糸を製造する方法が期待されていた。
[問題を解決するための手段] この発明者は、特に炭酸ガスを含有する混合ガスなどに
対して優れた透過性能を有する芳香族ポリイミド分離膜
(中空糸を含む)を製造する方法について鋭意研究した
結果、ビフェニルテトラカルボン酸類を主として含有し
ている芳香族テトラカルボン酸成分と、そして芳香族ジ
アミン成分として、 一般式[II]: (ただし、R′は水素原子、または有機の置換基であ
る。) 一般式[III]: 一般式[IV]: で示される各ジアミンを、各々全ジアミン成分の5〜6
0モル%の範囲で含むことを特徴とするポリイミドが、
フェノール系化合物に溶解し、しかもその溶液をドープ
液として使用し、その薄膜を形成して、アルコール類ま
たはアセトン類を高い濃度で含有する水溶液(凝固液)
で薄膜を凝固する湿式製膜法によって、炭酸ガスなどに
ついて透過速度が優れていると共に、炭酸ガスなどと他
の小さい分子のガス成分(例えば、メタン、エタン、窒
素、一酸化炭素、アルゴン)との分離性(選択透過性)
が優れているという、極めて優れたガス分離性能を有す
る芳香族ポリイミド製の分離膜(中空糸を含む)が製造
できることを見い出し、この発明を完成した。
[発明の構成] この発明において、芳香族ポリイミドとは、テトラカル
ボン酸成分とジアミン成分として、いずれも芳香族化合
物に属するモノマーを用いて、これらを重合することに
より得られたポリマーであり、後述のイミド化率が約9
0%以上の耐熱性のポリマーである。なお、イミド化率
とは、赤外線吸収スペクトル分析によって測定され算出
される値であって、ポリイミドポリマーの高分子鎖中の
イミド結合しうるすべての結合において、イミド結合と
なっている結合の割合を百分率(%)で示すものであ
る。
この発明で使用されるポリイミドは、下記一般式
[I]: (ただしRは芳香族ジアミンのアミノ基を除いた二価の
芳香族残基である。)で示される反復単位を90%以上
有するポリイミドであって、芳香族ジアミン成分とし
て、 一般式[II]: (ただし、R′は水素原子、または有機の置換基であ
る。) 一般式[III]: 一般式[IV]: で示される各ジアミンを、各々全ジアミン成分の5〜6
0モル%の範囲、好ましくは10〜50モル%の範囲の
量で含有し、また所望により、さらにその他の芳香族ジ
アミンを成分として含んだものである。
上記一般式(II)において、R′は水素原子、または有
機の置換基であり、その例としては、特に炭素数1〜6
を有する炭化水素置換基(アルキル基、アルキレン基、
アリール基など)、炭素数1〜6を有するアルコキシ基
などを挙げることができ、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基などが好適である。) なお、一般式[II]、[III]、[IV]で示されるジア
ミンは、それぞれ全ジアミン成分に対して20〜60モ
ル%、5〜30モル%、5〜30モル%の範囲にあるこ
とが好ましい。
この発明の気体分離膜の製造に一般に使用される芳香族
ポリイミドは、測定温度30℃、試料のポリマー濃度
0.5g/100ml溶媒(パラクロルフェノール4容
量部とオルトクロルフェノール1容量部との混合溶媒)
との測定条件で測定した対数粘度が、約0.3〜7.
0、特に0.4〜5.0、さらに好ましくは0.5〜
4.0程度である。
前記の芳香族ポリイミドは公知の重合方法で得ることが
でき、例えば3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸類、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸類
などのビフェニルテトラカルボン酸類を主成分として
(特に90モル%以上の割合で)含有する芳香族テトラ
カルボン酸成分と、前記の一般式[II]、[III]、[I
V]で示されるジアミンを全ジアミン成分に対して、各
々5〜60モル%、好ましくは10〜50モル%の範囲
内の割合で含有し、またさらに所望によりその他の芳香
族ジアミン成分を含んだ芳香族ジアミン成分とを、テト
ラカルボン酸成分とジアミン成分とが大略等モルとなる
ように取り、有機極性溶媒中(例えばフェノール系溶媒
中)で120〜400℃、特に150〜300℃の反応
温度で、一段で重合反応およびイミド化反応(イミド環
化反応)させることによって、製造することができる。
前述の一段法によるポリイミドの重合法では、この発明
の気体分離膜の製造に使用することができる芳香族ポリ
イミドのフェノール系化合物溶液(ドープ液)が直接得
られ、その反応混合液をそのまま、たとえば中空糸の紡
糸用のドープ液として使用できるので最適である。
また、この発明の気体分離膜の製造に利用される芳香族
ポリイミドの製造法としては、例えば前述のようなビフ
ェニルテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分と
を、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、フェノ
ール、クレゾールなどの有機極性溶媒中に、大略等モル
溶解して、約80℃以下、特に0〜60℃の温度で重合
し、対数粘度(30℃、濃度:0.5g/100ml・
N−メチル−2−ピロリドンが約0.3以上、特に0.
5〜7程度であるポリアミック酸を製造し、そのポリア
ミック酸の有機極性溶媒溶液(重合反応液をそのまま使
用してもよい)に、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ピリジンなどの第三級アミン化合物、無水酢酸、塩
化チオニル、カルボジイミドなどのイミド化促進剤を添
加し、5〜150℃でイミド化するか、あるいは、イミ
ド化促進剤を添加することなく、前記ポリアミック酸溶
液を100〜400℃、好ましくは120〜300℃に
加熱して、ポリマーのイミド化率が90%以上となるよ
うにイミド化して、粉末状の芳香族ポリイミドを沈殿さ
せて単離する方法で得ることができる。
さらに、芳香族ポリイミドの製造方法として、前述と同
様にして製造された対数粘度が約0.5以上のポリアミ
ック酸の溶液に、アセトンまたはアルコールを多量に添
加して、ポリアミック酸の粉末を沈殿させるか、あるい
は、ポリアミック酸の溶液から溶媒を蒸発して除去しな
がら、必要であれは沈殿剤などを添加して、ポリアミッ
ク酸の粉末を沈殿させ、濾過などで単離し、そのポリア
ミック酸の粉末を150〜400℃の高温に加熱して、
ポリマーのイミド化率が90%以上になるまでイミド化
して、ポリイミド粉末を製造する方法を利用することが
できる。
前述の芳香族ポリイミドの各製造法において使用される
芳香族ジアミンの成分の内、一般式[II]で示されるジ
アミン(一般にジアミノ−ジフェニレンスルホンと呼ば
れる)としては、3,7-ジアミノ-2,8-ジメチル−ジフェ
ニレンスルホン、3,7-ジアミノ-2,8-ジエチル−ジフェ
ニレンスルホン、3,7-ジアミノ-ジプロピル−ジフェニ
レンスルホン、2,8-ジアミノ−3,7-ジメチル−ジフェニ
レンスルホン、3,7-ジアミノ-2,8-ジメトキシ−ジフェ
ニレンスルホンなどを挙げることができる。
一般式[III]で示されるジアミンは一般に5,10−ビス
(4-アミノフェニル)アントラセンと呼ばれ、また一般
式[IV]で示されるジアミンはビス(4-アミノ-3-メチ
ルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-2-メチルフェニ
ル)メタンと呼ばれる。
なお、ジアミン成分としては、前述の一般式[II]、
[III]、[IV]のジアミンに加えて、他の芳香族ポリ
イミドを用いることもできる。
そのような他の芳香族ジアミンとしては、44′−ジアミ
ノ−ジフェニルスルホン、4,4′-ジアミノ-33′-ジメチ
ル−ジフェニルスルホン、3,4-ジアミノ−ジフェニルス
ルホンなどのジアミノ−ジフェニルスルホン;4,4′-ジ
アミノフェニルエーテル、3,3′-ジメチル−4,4′-ジア
ミノジフェニルエーテル、3,3′-ジメトキシ−4,4′-ジ
アミノジフェニルエーテル、3,4′-ジアミノジフェニル
エーテル、3,3′-ジアミノジフェニルエーテルなどのジ
フェニルエーテル系化合物;4,4′-ジアミノフェニルメ
タン、3,3′-ジアミノジフェニルメタン化合物などのジ
フェニルメタン系化合物;4,4′-ジアミノベンゾフェノ
ン、3,3′-ジアミノベンゾフェノン、3,4′-ジアミノベ
ンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;2,2′-ビ
ス(3-アミノフェニル)プロパン、22-ビス(4-アミ
ノフェニル)プロパンなどの2,2-ビス(フェニル)プロ
パン系化合物;3,3′-ジメチルベンチジン、3,3′-ジメ
トキシベンチジンなどのベンチジン系化合物;0-、m-ま
たはp-フェニレンジアミン;3,5-ジアミノ安息香酸;2,
6−ジアミノピリジン等などを挙げることができる。
前述の芳香族ポリイミドの各製造法において使用される
ビフェニルテトラカルボン酸類としては、例えば、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸またはその酸
二無水物、2,3,3′4′-ビフェニルテトラカルボン酸ま
たはその酸二無水物、あるいはそれらのアルコールエス
テル化物またはフェニルエステル化物、さらにそれらの
混合物などを挙げることができる。
また、上記のビフェニルテトラカルボン酸類のほかに、
他のテトラカルボン酸成分、例えば、ピロメリット酸、
3,3′,4,4′-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2-
ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,
4-ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4-ジカル
ボキシフェニル)エーテル、ビス(3,4-ジカルボキシフ
ェニル)オチエーテルなどの芳香族テトラカルボン酸、
またはブタンテトラカルボン酸などの脂肪族テトラカル
ボン酸、あるいはそれらの酸二無水物、塩またはエステ
ル化誘導体などのテトラカルボン酸類を、全テトラカル
ボン酸成分に対して10モル%以下、特に5モル%以下
の割合で含有していてもよい。
この発明の気体分離膜の製造において好ましく使用され
るドープ液は、前述の一般式[I]で表わされる反復単
位を少なくとも90%有する芳香族ポリイミドが、フェ
ノール系化合物を主成分として含有する溶剤に均一に溶
解している溶液である。このドープ液の芳香族ポリイミ
ドの濃度は約5〜30重量%、特に10〜25重量%、
さらに好ましくは12〜20重量%程度である。この下
限の濃度より低くなりすぎると、得られた分離膜(平
膜、中空糸膜等の各種形状のものを含む、以下同様)の
形状が不均一となり、炭酸ガスとメタンとの選択的な分
離性能が小さくなる。逆に、上記の上限より濃度が高く
なりすぎると、得られた分離膜(中空糸膜)の炭酸ガス
などの透過速度が小さくなる傾向がある。
上記の方法において芳香族ポリイミドを溶解させる溶媒
は、フェノール系化合物を主成分として含有する溶媒で
あればよく、フェノール系化合物が100容量%である
溶媒が好適であるが、フェノール系化合物の他に、フェ
ノール系化合物と相溶性である他の溶媒、例えば二硫化
炭素、ジクロルメタン、トリクロルメタン、ニトロベン
ゼン、o-ジクロルベンゼンなどを約40容量%以下、と
くに20容量%以下、さらに好ましくは10容量%以下
の割合で含有している混合溶媒であってもよい。
前記のフェノール系化合物としては、融点が約100℃
以下、特に好ましくは80℃以下であり、しかもその沸
点が常圧で約300℃以下、特に好まくは280℃以下
であるフェノール系化合物が好ましく、例えば、フェノ
ール、o-,m-またはp-クレゾール、3,5-キシレノール、
あるいはその一価フェノールのベンゼン環の水素をハロ
ゲンで置換したハロゲン化フェノールなどを好適に挙げ
ることができる。
前記のハロゲン化フェノールとしては、下記一般式: (ただし、R″は、水素または炭素数1〜3のアルキル
基であり、Xはハロゲンである。)で示され、しかもそ
の融点が約100℃以下であり、その沸点が常圧で約3
00℃以下であるハロゲン化フェノールが、ビフェニル
テトラカルボン酸系の芳香族ポリイミドを、均一に良く
溶解するので最適である。
前記のハロゲン化フェノール化合物としては、例えば、
3-クロルフェノール、4-クロルフェノール(パラクロル
フェノール、PCPと略記されることもある)、3-ブロ
ムフェノール、4-ブロムフェノール、2-クロル-4-ヒド
ロキシトルエン、2-クロル-5-ヒドロキシトルエン、3-
クロル-6-ヒドロキシトルエン、4-クロル-2-ヒドロキシ
トルエン、2-ブロム-4-ヒドロキシトルエン、2-ブロム-
4-ヒドロキシトルエン、2-ブロム-5-ヒドロキシトルエ
ン、3-ブロム-6-ヒドロキシトルエン、4-ブロム-2-ヒド
ロキシトルエンなどを挙げることができる。
前述の芳香族ポリイミドの製造法において述べたよう
に、ビフェニルテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン
成分とを、フェノール系化合物の融解液中で120〜4
00℃で一段で重合及びイミド化して芳香族ポリイミド
を製造する場合には、その重合反応は、そのポリイミド
濃度または溶液粘度を必要に応じて調整するだけで、直
ちに分離膜の製膜用(または中空糸の紡糸用)の芳香族
ポリイミドの樹脂溶液(ドープ液)として使用すること
ができる。
芳香族ポリイミドの製造においてポリイミドが粉末で単
離されている場合には、ポリイミド粉末をフェノール系
化合物を主成分とする溶媒中に、混合・分散して、その
混合・分散液を充分に加熱して完全にポリイミドの粉末
を溶解させて、ドープ液を調製することができる。
この発明の気体分離膜の製造に際して利用される製膜用
のドープ液は、薄膜(中空糸)の製膜用(紡糸用)のノ
ズルから、そのドープ液の薄膜状体(中空糸状体)を押
出す際のドープ液の温度である約20〜150℃、特に
30〜120度の温度範囲内において、その回転粘度
が、少なくとも500センチポアズ、特に10〜100
000ポアズ程度である均一な液状の溶液組成物とな
り、前記ノズルから容易に薄膜(中空糸)を押出し成形
(紡糸)することができるものであることが好ましい。
この発明の気体分離膜は、たとえば、前記芳香族ポリイ
ミドのフェノール系化合物溶液を製膜用(中空糸用)の
ドープ液として使用し、そのドープ液を中空糸用ノズル
から押し出して、未凝固の薄膜状体(中空糸状体)を形
成し、その薄膜状体(中空糸状体)を、アルコール類ま
たはケトン類を45重量%以上、好ましくは60〜10
0重量%の割合で含有する水溶液からなる比較的低温の
凝固液中で、凝固させることによって、ポリイミド製の
非対称性の分離膜(中空糸)として連続的に製造するこ
とができる。
上記の如く形成された未凝固体の中空糸状体は、一旦大
気中に押出し、続いて約−10〜60℃、特に−5〜5
0℃である前述の凝固液に浸漬して凝固させて(反湿式
製膜法)、中空糸として紡糸するのが適当である。
凝固液に使用されるアルコール類としては、例えば、メ
タノール、エタノール、プロピルアルコールなどの低級
アルコール類を挙げることができる。またケトン類とし
ては、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン
などの低級アルキル基を有するケトン化合物を挙げるこ
とができる。
この発明のポリイミド気体分離膜の代表的な態様である
中空糸膜状の気体分離膜は、例えば第1図に示すような
紡糸装置によって、非対称性の分離膜(中空糸)として
製造することができる。
すなわち、第1図に示すように、芳香族ポリイミド溶液
のドープ液16を、チューブ・イン・オリフィス型ノズ
ルを有する紡糸用ノズルヘッド1に供給して、そのドー
プ液に、窒素ガスライン15からの窒素ガスなどによる
背圧(約0.1〜20kg/cm2)を加え、約20〜
150℃の吐出温度になるようにドープ液を加熱してお
き、中空糸用ノズルのチューブ3に芯ガス(窒素ガスな
ど)20を供給しつつ、中空糸用ノズルのオリフィス2
の内周面とチューブ3の外周面との間の環状空隙からド
ープ液を中空糸状に押出し、そのドープ液の中空糸状体
4を形成し、この中空糸状体4に引張り力を加えて伸長
させながら、第一の凝固槽6の凝固液17に浸漬し、一
応の一次凝固させ、次いでその中空糸状体4を案内ロー
ル5、7に巻き付けて、凝固駅18の満たされた第二の
凝固槽11に供給し、その凝固槽11の内部に設置され
た一対のロール8、9に巻きかけて、そのロール間を往
復させて凝固液に複数回浸漬して二次凝固させ、最後に
凝固の完了した中空糸を、保存用の不活性溶媒19の満
たされた保存槽13へ供給して保存する。
なお、案内ロール5、7、および第二の凝固槽11の一
対のロール8、9、案内ロール12などのいずれかは、
駆動モーターと連結していて、引張りロールとして作動
するものとなっていてもよい。この引張りロールによる
中空糸状体の引き取り速度は約1〜100m/分、特に
2〜80m/分程度であることが好ましい。
芳香族ポリイミドの樹脂溶液(ドープ液)の中空糸状体
を形成する中空糸用ノズルは、ポリマー溶液のドープ液
から中空糸状体を押出して形成することができれもので
あれば、どのような形式の中空糸用ノズルであってもよ
く、例えば上記のチューブ・イン・オリフィス型(tube
in orifice type)ノズル、セグメンティッド・アーク
型(segmented arc type)ノズル等を挙げることができ
る。なかでも、チューブ・イン・オイフィス型ノズルが
中空糸用ノズルとして好適である。チューブ・イン・オ
リフィス型ノズルとしては、第2〜3図に示すように、
ノズルヘッド1の底面の中央に開口しているオリフィス
2(内径0.2〜2mm)の中央に、チューブ3(外径
0.15〜1.6mm、内径0.05〜1.4mm)が
突出していているものが好ましい。このノズルを用い
て、オリフィスの開口内周面とチューブ3の外周面との
間の環状空隙部からドープ液16を背圧で押出し、同時
にチューブ3の内孔から気体、または液体(芯液ともい
う)20を供給して、中空糸状体を形成することができ
る。
樹脂溶液(ドープ液)から中空糸状体を形成する方法と
しては、例えばドープ液を約20〜200℃、特に30
〜150℃で濾過及び脱泡して、前述の中空糸用ノズル
ヘッド槽へ供給し、そのノズルヘッド槽内のドープ液
に、約0.1〜20kg/cm2、特に0.2〜10k
g/cm2(ゲージ圧)の背圧を加え、前記の中空糸用
ノズルから約20〜150℃、特に30〜120℃の吐
出温度でドープ液を押出して、ドープ液の中空糸状体を
形成する方法を利用することができる。
そして、中空糸状体の押出しの際に、前記中空糸用ノズ
ルの内部のチューブから押し出されつつある中空糸状体
の内部へガスまたは液体(芯液)を供給しながら紡糸を
行なうのである。
この発明においては、前述のようにして、中空糸状体を
中空糸用ノズルから押出し成形した直後に、この未凝固
状態の中空糸状体を緊張して、わずかに引張り力により
伸長させながら凝固液中に浸漬し凝固させることが好ま
しい。
そして、中空糸状体を凝固液中でその中空糸状態を保持
できる程度に凝固させた後、初めて案内ロール、引張り
ロールなどに巻き掛けたり、巻き付たりして中空糸状体
の方向転換などをして、次の工程に送り込む方法が利用
される。
なお、前述のように第一番目の凝固浴中で一応の凝固
(一次凝固)をさせた中空糸状体を、さらに第二番目の
凝固浴中で複数回、凝固液中に浸漬し、中空糸状体の管
壁内に残留している溶媒)フェノール系化合物など)を
実質的に抽出して除去して凝固(二次凝固)させること
が好適である。
前述の中空糸からなる分離膜を製造する方法において、
一次凝固および二次凝固を行なう場合には、少なくとも
最初の一次凝固液(ドープ液が製膜用のノズルから中空
糸状に押出されて最初に接触して中空糸の一応の凝固を
行なうための凝固液)が、アルコール類またはケトン類
を45重量%以上好ましくは60重量%以上含有してい
ることが必要であり、次いで一応凝固した中空糸が接触
する二次凝固液は、アルコール類またはケトン類を50
重量%以上とくに55〜90重量%程度含有していれば
充分である。
さらに、前述のようにして形成された中空糸は、不活性
な溶媒で充分に洗浄した後、不活性溶媒、例えば、水の
中に浸漬したり、あるりは適当な方法で乾燥して保存す
ることができる。
[発明の作用効果] この発明の気体分離膜、特にポリイミド中空糸状気体分
離膜は耐薬品性、耐熱性、機械的強度等に優れ、特にそ
のガス分離性能については、炭酸ガスとメタンとの選択
透過性(P′CO2/P′CH4)が約20以上、特に約30〜
100程度と高く、しかも炭酸ガス透過速度(P′CO2
が約1×10-5cm3/cm2・秒・cmHg以上を示すよう
な優れたガス分離用の特に炭酸ガスの分離に適した気体
分離膜である。
[ドープ液の調製] 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
(s−BPDA)80ミリモル、および第1表に示す種
類と使用量の芳香族ジアミン化合物(合計で80ミリモ
ル)をパラクロルフェノール(溶媒)と共に、撹拌機と
窒素ガス導入管が付設されたセパラブルフラスコに入
れ、窒素ガスを流しながら、室温から180℃まで約1
時間で昇温し、180℃で第1表に示す反応時間にて重
合を行なった。なお、パラクロルフェノールの使用量
は、生成するポリマー液(ドープ液)が15重量%とな
るような量とした。その結果を第2表に示す。
[実施例1〜7および比較例1〜4] 前記のドープ液(重合液)1〜8を使用し、第1図に示
すような中空糸の紡糸装置で、下記の紡糸条件にて中空
糸(気体分離膜)の紡糸を行なった。
すなわち、第3図に示すようなチューブ・イン・オリフ
ィス型ノズルを有する中空糸の紡糸用のノズルヘッド1
へ、まず各ドープ液16を供給した。ノズルヘッド1の
中空糸用ノズルは、そのヘッド1の底面の中央に内径
1.0mmであるオリフィス2が開口されており、その
オリフィス2と同軸であって、外径が0.6mmであ
り、内径が0.3mmであるチューブ3が突出して設け
られているチューブ・イン・オリフィス型ノズルであ
る。
第1図に示すように、ノズルヘッド1内のドープ液16
に、窒素ガス供給導管15からの窒素ガスによる背圧2
〜5kg/cm2の範囲内の適正な圧にして加え、中空
糸用ノズルからドープ液を吐出する際の吐出温度を約3
0〜80℃の範囲内の最適な温度になるように加温して
おき、また、中空糸用ノズルのチューブ3内から窒素ガ
ス(芯ガス)を供給しながら、ドープ液を中空糸用ノズ
ルから押出して、ドープ液の中空糸状体を形成し、続い
て、その中空糸状体4を、第一の凝固槽6内の凝固液
(第3表に示す濃度のエタノール水溶液を使用する。液
深:14cm、温度:約0℃)17に浸漬して一次凝固
し、次いで、その中空糸状体4を、その第一凝固槽6内
の案内ロール7を経て、第2の凝固槽11内の一対のロ
ール8、9(間隔:80cm)に巻き掛けてそのロール
間を8回往復させて第2の凝固槽11内の第二の凝固液
(第3表に示す濃度のエタノール水溶液、温度:約0
℃)18に複数回浸漬して二次凝固させ、最後に、第3
の凝固浴を経て湿潤状態で巻き取った。
得られた湿潤糸をカセに巻き取り、約50℃のエタノー
ルに浸漬し、ついで約50℃のn−ヘキサンに浸漬して
溶媒置換した後に、約20℃で乾燥して、乾燥後さらに
約200℃で、1時間の熱処理をして、中空糸を得た。
[中空糸の気体分離膜としての評価] 得られた中空糸をそれぞれ束ねた糸束を、ガラス管にエ
ポキシ樹脂で固着で、ガス透過膜試験用モジュールを作
成し、それらの試験用モジュールを使用し、炭酸ガスと
メタンガスについて2kg/cm2ゲージ圧および常温
下でのガス透過速度をそれぞれ測定した。
測定された炭酸ガス透過速度(P′CO2)[単位:×10
-5cm3/cm3・秒・cmHg]、および炭酸ガスとメタン
との選択透過性(P′CO2/P′CH4)を第4表に示す。
以上の結果から、本発明に従う特定のジアミン成分を用
いたポリイミドの中空糸(気体分離膜)が、従来の利用
されているジアミン成分を用いたポリイミドの中空糸
(気体分離膜)に比較して、気体分離膜として要求され
る特性について高い性能、特に二酸化炭素とメタンなど
の他の低分子気体との分離において高い分離性能を示す
ことが明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、中空糸状の気体分離膜の製造に利用される中
空糸の紡糸装置の一例を示す断面模式図である。 第2図は、中空糸用ノズルの一例を示す側面部分断面図
であり、第3図は、その中空糸用ノズルの吐出図の底面
図である。 1:中空糸紡糸用のノズルヘッド 2:オリフィス 3:チューブ 4:中空糸状体 5、7、12:案内ロール 6:第一の凝固槽 8、9:一対のロール 10:押えロール 11:第二の凝固槽 12:巻き取りロール 14:中空糸 15:窒素ガス供給導管 16:ドープ液 17:第一の凝固液 18:第二の凝固液 20:芯ガス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I]: (ただし、Rは芳香族ジアミンのアミノ基を除いた二価
    の芳香族残基である。)で示される反復単位を90%以
    上有するポリイミドであって、芳香族ジアミン成分とし
    て、 一般式[II]: (ただし、R′は水素原子、または有機の置換基であ
    る。) 一般式[III]: 一般式[IV]: で示される各ジアミンを、各々全ジアミン成分の5〜6
    0モル%の範囲で含むことを特徴とするポリイミドから
    なる気体分離膜。
  2. 【請求項2】芳香族ジアミン成分として一般式[II]、
    [III]および[IV]により表わされる各ジアミンが各
    々全ジアミン成分の10〜50モル%の範囲で含むこと
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の気体分離膜。
  3. 【請求項3】一般式[II]、[III]および[IV]で示
    されるジアミンが、それぞれ全ジアミン成分に対して2
    0〜60モル%、5〜30モル%および5〜30モル%
    の範囲にあることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の気体分離膜。
  4. 【請求項4】ジアミン成分として更に3,5−ジアミノ
    安息香酸と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルを用
    いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の気体
    分離膜。
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