JP2841698B2 - 低級アルコールの分離法 - Google Patents

低級アルコールの分離法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、メタノールなどの低級アルコールを含む
有機物混合蒸気から、ガス分離膜を用いる膜分離法によ
って、低級アルコールを工業的に分離する方法に関す
る。
この発明の方法においては、例えば、メタノール−エ
ステル系化合物、メタノール−エーテル系化合物、メタ
ノール−脂肪族又は芳香族炭化水素系化合物などの有機
物混合蒸気からメタノールなどの低級アルコールを、効
果的に膜分離することができるのである。
〔従来技術の説明〕
従来、メタノールを含む有機物溶液から、メタノール
を分離する方法としては、蒸留法が一般的に採用されて
いる。
しかし、通常の蒸留法は、溶液を蒸発させて、蒸留塔
で分離する際に、極めて膨大な熱エネルギーを必要とす
るという問題点があった。
また、通常の蒸留法では、分離不能な共沸混合物や、
沸点の接近している有機物混合溶液などの場合には、極
めて複雑な多数の工程で行う共沸蒸留法、または、エン
トレーナを添加して分離又は精製を行う特殊な蒸留分離
法、あるいは、抽出蒸留法などを用いる必要があった。
さらに、近接沸点の有機混合物の場合も、共沸混合物
での分離とほぼ同様の問題があった。
最近、従来の蒸留分離法と異なる有機物混合溶液など
の分離法として、有機物混合溶液を分離膜の供給側に直
接接触させて特定の有機物を選択的に浸透・透過させ、
そして、分離膜の透過側(減圧)に特定の有機物を気化
させて、その蒸気を得て凝縮することによって、特定の
有機物を分離する浸透気化法(パーベーパレーショ
ン)、あるいは、有機物混合溶液を蒸発させて、その蒸
気をガス分離膜の供給側に供給して、ガス分離膜の透過
側に特定の有機物を選択的に透過させて、有機物を分離
する膜分離法などが、提案されている。
例えば、アルコール水溶液の分離法としては、特開昭
60−99314号公報に、ポリアミド膜、セルロース膜、シ
リコーン膜をガス分離膜として使用する方法が記載され
ており、特開昭60−202705号公報に、セラミック膜をガ
ス分離膜として使用する方法が記載されていて、さら
に、特開昭63−267415号公報には、ポリイミド膜をガス
分離膜として使用する方法が記載されている。
さらに、ポリイミド中空糸膜に関する有機物蒸気の透
過性について記載された文献(AIST−AFME、1989.5.2
3.)があり、有機物混合蒸気の膜分離の可能性が示唆さ
れているけれども、それらの文献で用いられたポリイミ
ド中空糸膜を使用しても、有機物の蒸気透過速度が低い
ので、実用的な分離法とならなかった。
〔解決すべき問題点〕
この発明は、メタノール、エタノールなどの低級アル
コールを含む有機物混合蒸気から、ガス分離膜を用いる
ガス分離法により、低級アルコールを分離する方法にお
いて、低級アルコールが高い透過速度、しかも、高い選
択性で透過する特定の分離膜を使用して、低級アルコー
ルを効率的に分離する工業的なガス分離法を提供するこ
とである。
〔問題点を解決する手段〕
すなわち、この発明は、25℃のヘリウムガスの透過速
度と六フッ化硫黄ガスの透過速度との比である分離度が
2〜400であって、メタノールの80℃の透過速度が1.0×
10-4cm3/cm2・sec・cmHg以上である、耐熱性のポリマー
からなるガス分離膜を使用して、 そのガス分離膜の一方側(供給側)に、炭素数1〜2
の低級アルコールを含む有機物混合蒸気を、60℃以上の
温度で接触させて、前記低級アルコールを前記ガス分離
膜の他方側(透過側)へ選択的に透過させることを特徴
とする低級アルコールの分離法に関する。
以下、この発明の各要件についてさらに詳しく説明す
る。
この発明の分離法に使用するガス分離膜は、25℃の分
離度〔ヘリウムガスの透過速度と六フッ化硫黄ガスの透
過速度との比(PHe/PSF)〕が2.0〜400、好ましくは
2.0〜300程度、さらに好ましくは2.2〜280程度であっ
て、 メタノールの80℃の透過速度(PCHOH)が1.0×10
-4cm3/cm2・sec・cmHg以上、好ましくは1.5×10-4〜5
×10-3cm3/cm2・sec・cmHg、さらに好ましくは2.0×10
-4〜3×10-3cm3/cm2・sec・cmHg程度である、耐熱性の
芳香族ポリマーからなるガス分離膜である。
前記のガス分離膜は、ヘリウムガスの透過速度(PH
e)が、0.8×10-4cm3/cm2・sec・cmHg以上、特に1.0×1
0-4〜25×10-4cm3/cm2・sec・cmHg程度であって、前述
のガス分離性能を有するものであることが好ましい。
前記のガス分離膜は、例えば、芳香族ポリアミド、芳
香族ポリイミド、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニ
レンエーテル、ポリアクリルニトリルなどの耐熱性の芳
香族ポリマーで形成されていて、しかも、前述の特定の
ガス分離性能を有しており、また、極めて薄い緻密層
(厚さ0.0001〜1.0μm程度)が分離膜の厚さ方向の一
部(例えば、表層部)に形成されている、耐熱性芳香族
ポリマーからなる非対称性のガス分離膜であればよい。
この発明では、前述のガス分離性能を有して、芳香族
ポリイミドからなる非対称性のガス分離膜が、耐熱性、
および、耐溶剤性の上で好適である。前述の芳香族ポリ
イミドは、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミ
ン成分とを略等モル、重合およびイミド化して得られ
る、フェノール系溶媒に可溶性の芳香族ポリイミドであ
ることが好適である。
前記の芳香族テトラカルボン酸成分としては、例え
ば、ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、ジ
フェニルエーテルテトラカルボン酸、ジフェニルスルホ
ンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、ジフェニルプロパンテトラカルボン酸、ジフェニル
ヘキサフルオロプロパンテトラカルボン酸、または、そ
れらの酸二無水物、あるいは、それらの酸のエステル化
物などを主として(少なくとも80モル%、特に90モル%
以上の割合で)含有することが好ましい。
前記の芳香族ジアミン成分としては、例えば、 (a)ジアミノジフェニルエーテル類、ジアミノジフェ
ニルチオエーテル類、ジアミノジフェニルスルホン類、
ジアミノジフェニルメタン類、ジアミノジフェニルプロ
パン類、ジアミノジベンゾチオフェン類、ジアミノチオ
キサンテン類、ジアミノベンゾフェノン類などの『ベン
ゼン環を2個有する芳香族ジアミン化合物』、 (b)ジ(アミノフェノキシ)ベンゼン類、ジ(アミノ
フェニル)ベンゼン類などの『ベンゼン環を3個有する
芳香族ジアミン化合物』、 (c)ジ(アミノフェノキシ)−ジフェニルスルホン
類、ジ(アミノフェノキシ)−ジフェニルメタン類、ジ
(アミノフェノキシ)−ジフェニルプロパン類、ジ(ア
ミノフェノキシ)−シフェニルエーテル類、ジ(アミノ
フェノキシ)−ビフェニル類などの『ベンゼン環を4個
有する芳香族ジアミン化合物』などを主として(少なく
とも60モル%、特に70モル%以上の割合で)含有してい
ることが好ましい。
前記の芳香族ジアミン成分は、o−、m−、又はp−
フェニレンジアミン、4−メチル−m−フェニレンジア
ミンなどのフェニレンジアミン類、3,5−ジアミノ安息
香酸、2,6−ジアミノ安息香酸などの『ベンゼン環を1
個有する芳香族ジアミン化合物』、2,6−ジアミノピリ
ジンなどを少くない割合(約20モル%以下、特に10モル
%以下の割合)で含有されていてもよい。
前記の芳香族ポリイミドからなるガス分離膜は、例え
ば、芳香族ポリイミドのフェノール系溶媒溶液を使用し
て、その溶液の薄膜(平膜状、中空糸状)を、溶液流延
法、押出し法などによって形成し、次いで、その薄膜を
比較的低温の特定の凝固液と接触させてその薄膜を凝固
させて平膜状膜は中空糸状の非対称性のガス分離膜を形
成する湿式製膜法などで製造することができる。
この発明の分離法において、前述の耐熱性の芳香族ポ
リマーからなる分離膜を使用して、 そのガス分離膜の一方側(供給側)に、炭素数1〜2
の低級アルコール(メタノール等)を含む有機物混合蒸
気を、60℃以上、好ましくは60〜200℃、特に好ましく
は65〜160℃程度の温度で接触させて、前記低級アルコ
ールを前記ガス分離膜の他方側(透過側)へ選択的に透
過させることによって、メタノールなどの低級アルコー
ルを分離するのである。
この発明の分離法としては、例えば、 i)前述の平膜状又は中空糸状のガス分離膜が内蔵され
ているガス分離膜モジュールに、メタノール、エタノー
ルなどの低級アルコールを含有する有機物混合物の蒸気
を供給し、そして、前記有機物混合物の蒸気をガス分離
膜モジュール内の前記ガス分離膜の供給側と直接に接触
させ、 ii)前記のガス分離膜の透過側を、必要であれば、キャ
リヤーガス(スィープガス)を流しながら、あるいは、
ガス分離膜モジュールの外部に設置された減圧ポンプ
(又は真空ポンプ)などと連結して減圧状態としてお
き、前記の有機物混合物の蒸気から,前記のガス分離膜
を介して、低級アルコール蒸気を選択的に透過させて分
離し、 iii)最後に、前記のガス分離膜の供給側からガス分離
膜モジュールの外部へ『低級アルコール濃度の低下した
有機物混合物の蒸気(未透過蒸気)』を取り出して回収
し、また、同様に、ガス分離膜の透過側からは、ガス分
離膜モジュールの外部へ、前記のガス分離膜を透過した
『低級アルコール濃度の向上した蒸気(透過蒸気)』を
取り出し、また、必要であれば、それらの未透過蒸気お
よび透過蒸気を冷却し凝縮して回収するのである。
この発明では、ガス分離膜モジュールへ供給される低
級アルコールを含む有機物混合蒸気は、低級アルコール
と、常圧(大気圧)および50℃で液体状態である有機化
合物との混合物(有機物混合溶液も含む)の蒸気であれ
ばよい。
この発明では、前記の有機物混合蒸気は、メタノー
ル、エタノールなどの低級アルコールと、有機化合物と
の組成比が、特に、限定されるものではなく、任意の組
成比(低級アルコールの含有割合)であってもよい。
前記有機化合物としては、例えば、 (a) n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、
n−オクタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素類、 (b) ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラク
ロロエタン、ジフロロエタン、クロロホロム、四塩化炭
素、塩化メチレン、臭化エチルなどのハロゲン化脂肪族
炭化水素類、 (c) シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサンなどの脂環式炭化水素類、 (d) ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素類、 (e) フルオロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化
水素、 (f) アセトニトリル、アクリロニトリルなどのニト
リル類、 (g) メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエー
テル、ブチルエチルエーテル、ブチルビニルエーテルな
どのエーテル類、 (h) ギ酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
ビニル、ギ酸イソブチル、酢酸イソプロピル、プロピオ
ン酸メチルなどのエステル類、および、 (i) アセトン、メチルエチルケトン、ブタノン、シ
クロヘキサノンなどのケトン類、 (j) 二硫化炭素などを挙げることができる。
この発明では、有機物混合蒸気として、メタノール
と、エーテル類、エステル類、脂肪族炭化水素、又は、
芳香族炭化水素との有機物混合蒸気が特に好適に挙げる
ことができ、そして、低級アルコールと前述の複数の有
機化合物との混合物の蒸気を使用することもでき、ま
た、低級アルコールと前記有機化合物との共沸組成混合
物の蒸気を使用することもできる。
この発明では、ガス分離膜へ供給する有機物混合蒸気
は、供給温度が、60℃以上、特に60℃〜200℃の温度で
あることが好ましく、また、供給圧が、大気圧〜50kg/c
m2、特に大気圧〜30kg/cm2、特に大気圧〜20kg/cm2程度
であることが好ましい。
この発明の分離法においては、ガス分離膜モジュール
へ有機物混合蒸気を供給して分離を行う際に、ガス分離
膜の透過側の圧は、ガス分離膜の供給側の圧よりもある
程度低くする必要があるが、特に500トール(torr)以
下、さらに好ましくは200トール以下の減圧状態である
ことが好ましい。
前記のガス分離膜モジュールは、その構造、形式など
について、特に限定されないが、例えば、プレートマン
ドフレーム型モジュール、スパイラル型モジュール、中
空糸型モジュールなどを好適に挙げることができる。
〔実施例〕
以下、この発明の分離法に関する実施例を示し、この
発明をさらに詳しく説明する。
参考例1〜7の芳香族ポリイミドの製造において使用
される、芳香族テトラカルボン酸成分および芳香族ジア
ミン成分に用いられる『各化合物』の略記号を以下に示
す。
〔テトラカルボン酸成分〕
s−BPDA;3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物 a−BPDA;2,3,3′4′−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物 DSDA;3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン
酸二無水物 6FDA;2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン二無水物 〔芳香族ジアミン成分〕 TSN ;2,8−ジメチル−3,7−ジアミノジフェニレンスル
ホン、2,6−ジメチル−3,7−ジアミノジフェニレンスル
ホン、4,6−ジメチル−3,7−ジアミノジフェニレンスル
ホンの異性体混合物 DADE;4,4′−ジアミノジフェニルエーテル DADM;4,4′−ジアミノジフェニルメタン DABA;3,5−ジアミノ安息香酸 TPEQ;1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン ADA ;9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン HFIP;2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン HFMIP;2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)
ヘキサフルオロプロパン 参考例1〜7 〔ポリイミド製のガス分離中空糸膜の製造〕 第1表に示す仕込み比(組成、モル%)からなるテト
ラカルボン酸成分(酸成分)と芳香族ジアミン成分(ジ
アミン成分)とを略等モル使用して、パラクロルフェノ
ールの有機極性溶媒中、重合温度180℃で、第1表に示
す重合時間、重合およびイミド化してポリイミド溶液を
製造した。
前述のようにして生成した各ポリイミド溶液のポリマ
ー濃度および溶液粘度(100℃の回転粘度;ポイズ)を
第1表にそれぞれ示す。
前述のようにして得られたポリイミド溶液を使用し
て、凝固液(アルコール水溶液、0℃)中に中空糸状体
を押し出し、中空糸を引取り速度10m/分で引き取ること
によって中空糸を形成する半乾式の湿式製膜法を行った
後、アルコールおよび脂肪族炭化水素で洗浄し、乾燥し
て第1表に示す熱処理温度で60分間処理して、第1表に
示す形状(中空糸の内径及び膜厚)を有する芳香族ポリ
イミドからなる非対称性の中空糸分離膜をそれぞれ製造
した。
〔ガス分離膜モジュールの製造〕
前述のようにして製造された長さ7.5cmの各中空糸分
離膜を4本束ねて糸束を形成し、その糸束の一方の端部
をエポキシ樹脂で封止し、中空糸束エレメントを作成
し、有機物混合蒸気を供給する導入口と、未透過物の取
り出し口および透過物の取り出し口を有する容器内へ前
記中空糸束エレメントを内設して、ガス分離膜モジュー
ルをそれぞれ製造した。
参考例8 〔ポリスルホン製のガス分離中空糸膜の製造〕 ポリスルホン(住友化学工業(株)製、P−3500)12
重量部を、N,N−ジメチルアセトアミド88重量部に溶解
したポリスルホン溶液を使用して、中空糸紡糸ノズル
〔オリフィス・イン・チューブ、芯液として純水(25
℃)を用いる〕から、大気(約1cmの間隔)中を経由し
て、凝固液(純水、0℃)中に中空糸状体を押し出し、
中空糸の引き取り速度10m/分で引き取ることによって、
中空糸を形成する半乾式の湿式製膜法を行った後、純水
で洗浄した。
前述のようにして得られた湿潤中空糸膜を25℃で乾燥
した後、130℃で1時間加熱処理し、外径600μmおよび
内径300μmのポリスルホンからなる中空糸膜を製造し
た。
〔ガス分離膜モジュールの製造〕
前述のようにして製造された長さ7.5cmの中空糸分離
膜を4本束ねて糸束を形成したほかは、参考例1と同様
にしてガス分離膜モジュールを製造した。
参考例9 〔ポリアミド製のガス分離膜(平膜)の製法〕 で示される反復単位を有するポリアミド18重量部と塩化
リチウム5重量部を、N,N−ジメチルアセトアミド100重
量部に溶解したポリアミド溶液を調製した。
前記のポリアミド溶液をガラス板上に流延し、ドクタ
ーナイフを用いて厚さ0.2mmの均一な厚さの液状の薄膜
を形成し、凝固液(純水、5℃)中に浸漬し、湿潤状態
のポリアミド膜を製造した。
前記の湿潤状態のポリアミド膜を25℃で乾燥した後15
0℃で1時間加熱処理し、ポリアミドからなる平膜状の
ガス分離膜を製造した。
前述のようにして製造されたポリアミドからなる平膜
状のガス分離膜を、有機物混合蒸気の導入口と未透過物
の取り出し口と透過物の取り出し口とを有する容器の内
部に内設したガス分離膜モジュールを製造した。
〔ガス分離膜の蒸気透過性能の測定試験〕
参考例1〜9で得られたガス分離膜について、それぞ
れ純ガスを用いてヘリウムガスの透過速度(PHe)と、
六フッ素硫黄の透過速度(PSF)と、窒素ガスの透過
速度(PN)を、25℃の測定温度、0.5〜3kg/cm2Gの供
給圧力で、測定した。
それぞれのガス分離膜について、ヘリウムの透過速度
(PHe)、および、選択透過性(分離度)〔PHe/PSF
およびPHe/PN〕を第2表に示す。
実施例1〜9および比較例1 メタノール及びメチル−tert−ブチルエーテルの混合
溶液を、大気圧下、蒸発器で気化させて、第3表に示す
組成の『メタノール蒸気とメチル−tert−ブチルエーテ
ル蒸気との混合蒸気』を製造し、さらに、ヒーターで加
熱することにより、第3表に示す温度とした混合蒸気
を、前記の参考例1〜9で製造した各ガス分離膜モジュ
ールに供給し、そのモジュールに内蔵されている糸束エ
レメントを構成している中空糸膜(ポリイミド製または
ポリスルホン製)の供給側(中空糸膜の外側)の表面に
接触させ、中空糸膜の透過側(中空糸膜の内側)を3mmH
gの減圧に維持して、前記混合蒸気をガス分離した。
前述のようなガス分離において、ガス分離用容器の透
過物の取り出し口から得られた『メタノール蒸気の濃度
の高い透過蒸気』をドライアイス−エタノールトラップ
で凝縮して、凝縮物を捕集し、一方、中空糸膜の未透過
側(供給側)から得られた未透過蒸気は、前記蒸発器に
戻し循環して使用しながら混合蒸気のガス分離を行っ
た。
前述のトラップで捕集した凝縮物の重量を測定し、そ
して、凝縮液中に内部標準液を加え、TCD−ガスクロマ
トグラフィーによって、メタノール蒸気の透過速度(P
CHOH)、および、分離係数〔メタノール蒸気の透過速
度(PCHOH)/メチル−tert−ブチルエーテル蒸気の
透過速度(PMTBE)〕を算出し、その結果を第3表に示
す。
実施例10〜11 参考例1(1)で製造したガス分離膜モジュールを使
用し、第4表に示す温度及び濃度の『メタノールと酢酸
ビニルとの混合蒸気』を使用したほかは、実施例1と同
様な方法で混合蒸気の蒸気透過性能の測定試験を行い、
その結果を第4表に示す。
実施例12および比較例3 参考例1(1)または参考例1(3)で製造したガス
分離膜モジュールを使用して、第5表に示す温度及び濃
度の『メタノールとトルエンとの混合蒸気』を使用した
ほかは、実施例1と同様な方法で混合蒸気の蒸気透過性
能の測定試験を行い、その結果を第5表に示す。
実施例13 参考例7で製造したガス分離膜モジュールを使用し
て、第6表に示す温度及び濃度の『メタノールとn−ヘ
キサンとの混合蒸気』を使用したほかは、実施例1と同
様な方法で混合蒸気の蒸気透過性能の測定試験を行い、
その結果を第5表に示す。
〔本発明の作用効果〕 この発明の低級アルコールの分離法は、特定のガス透
過性能を有する耐熱性ポリマーからなるガス分離膜(通
常の水素、ヘリウム、窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化
炭素などの低原子量の気体の混合気体に対しては実質的
に分離性能を有していない多孔質膜)を使用して、『エ
タノールなどの低級アルコールと有機化合物との混合蒸
気』から、低級アルコールを選択的に透過させて、分離
することができ、従来、蒸留法では極めて困難であると
された『低級アルコールと共沸混合蒸気』などから、低
級アルコールを分離することも容易に行うことができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 53/22 B01D 71/64 C07C 31/02 C07C 29/76

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】25℃のヘリウムガスの透過速度と六フッ化
    硫黄ガスの透過速度との比である分離度が2〜400であ
    って、 メタノールの80℃の透過速度が1.0×10-4cm3/cm2・sec
    ・cmHg以上である、 耐熱性の芳香族ポリマーからなるガス分離膜を使用し
    て、 そのガス分離膜の一方側に、炭素数1〜2の低級アルコ
    ールを含む有機物混合蒸気を、60℃以上の温度で接触さ
    せて、前記低級アルコールを前記ガス分離膜の他方側へ
    選択的に透過させることを特徴とする低級アルコールの
    分離法。
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