JP2782770B2 - 有機物水溶液の浸透気化分離法 - Google Patents

有機物水溶液の浸透気化分離法

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JP2782770B2 JP1087080A JP8708089A JP2782770B2 JP 2782770 B2 JP2782770 B2 JP 2782770B2 JP 1087080 A JP1087080 A JP 1087080A JP 8708089 A JP8708089 A JP 8708089A JP 2782770 B2 JP2782770 B2 JP 2782770B2
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    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/58Other polymers having nitrogen in the main chain, with or without oxygen or carbon only
    • B01D71/62Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ビフェニルテトラカルボン酸類を主成分
とするテトラカルボン酸成分と、特定の芳香族ジアミン
化合物を含有する芳香族ジアミン成分とから得られた可
溶性の芳香族ポリイミドで形成されている非対称性分離
膜(例えば、平膜、又は中空糸膜など)を使用して、有
機物水溶液を前記非対称性分離膜に直接接触させて水分
を選択的に浸透気化させる浸透気化分離法(パーベーパ
レーション法)で、有機水溶液から水分を除去して、有
機物を濃縮したり、分離したりする分離法に係わる。
〔従来技術の説明〕
従来、有機物水溶液を有機物と水分とに分離する方法
として、蒸留法が知られている。しかし、蒸留法では、
共沸混合物、あるいは近沸点混合物、熱で化学変化を起
こし易い有機化合物を分離することは、極めて困難であ
った。
これらの問題点を解決するために、分離膜を用いて分
離する方法が研究されている。分離膜を用いて有機物水
溶液を濃縮、分離する方法において、一部の低濃度の有
機物水溶液の濃縮に対しては、有機物水溶液を分離膜と
接触させて特定の液状成分を浸透圧の差で選択的に透過
させる逆浸透法が用いられてきた。しかしながら、逆浸
透法は分離液の浸透圧以上の圧力を加える必要があるた
めに、浸透圧が高くなる高濃度の有機物水溶液について
適用できないのであり、従って分離可能な有機物水溶液
の濃度範囲に限界がある。
これに対して、浸透圧の影響を受けない分離法ととし
て、浸透気化分離法(パーベーパレーション法)が、新
しい分離膜使用の分離法として、注目されつつある。こ
の浸透気化分離法は、選択透過性を有する分離膜の一方
の側(供給側)に、分離されるべき有機物水溶液を液状
のままで供給し、分離膜の供給側と直接に接触させ、分
離膜の他方の側(透過側)を真空又は減圧状態となし、
その結果、分離膜の供給側から透過側へ選択的に透過す
る物質(水分など)を気体状で取り出し、有機物水溶液
を濃縮したり、有機物と水分などとを分離する方法であ
る。
一方、芳香族ポリイミドは、ポリアミド膜、セルロー
ス膜、酢酸セルロース膜などよりも耐熱性、耐薬品性な
どに極めて優れているので、分離膜の素材として最近注
目されてきており、芳香族ポリイミド製の非対称性分離
膜が、有機物水溶液の蒸気の水分離用にも提案されつつ
ある。しかし、従来の公知の芳香族ポリイミド膜は、高
温下、有機物水溶液又は水と長時間接触していると、芳
香族ポリイミドの加水分解作用により、ポリマーの劣化
が開始し、次第にその劣化が進行するので、非対称性分
離膜の透過性能や機械的強度などの著しい低下を招くと
いうことがあり、耐久性において問題があり、有機物水
溶液の膜分離法においては、必ずしも充分に満足できる
ものではなかった。また、公知の芳香族ポリイミド膜
は、有機物水溶液の浸透気化分離法に使用した場合に、
水などの透過速度、有機物と水との選択的な分離性能な
どにおいても必ずしも満足すべきものではないという問
題点もあった。
〔解決すべき問題点〕
この発明の目的は、芳香族ポリイミド製の非対称性分
離膜を使用する有機物水溶液の浸透気化分離方法におい
て、公知の浸透気化法における欠点もなく、有機物水溶
液から水分を効率的および選択的に浸透気化法で分離す
ることができ、しかも、工業的に長期間浸透気化分離法
を実施できる『芳香族ポリイミド膜を用いる浸透気化分
離法』を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕 この出願の第1発明は、有機物水溶液を、耐熱性重合
体からなる非対称性分離膜と接触させて、有機物水溶液
から主として水分を選択的に浸透気化させる浸透気化分
離法において、 前記の耐熱性重合体が、 一般式I で示される反復単位を60〜100モル%含有し、そして、
残部の反復単位がビフェニルテトラカルボン酸類とベン
ゼン環を2〜5個有する他の芳香族ジアミン化合物であ
る芳香族ジアミン成分とから形成された反復単位である
可溶性の芳香族ポリイミドであることを特徴とする有機
物水溶液の浸透気化分離法に関する。
また、この出願の第2の発明は、前述の第1の発明に
おけると同様の浸透気化分離法において、耐熱性重合体
が、 一般式II で示される反復単位Aと、 一般式III 一般式IV または、一般式V で示される反復単位Bとから主としてなり、前記の反復
単位のモル比(A:B)が30:70〜90:10である可溶性の芳
香族ポリイミドであることを特徴とする有機物水溶液の
浸透気化分離法に関する。
以下、この各発明の各要件についてさらに詳しく説明
する。
本発明の浸透気化分離法において使用する非対称性分
離膜は、概略、前述一般式Iを主として有するか、ある
いは、一般式IIの反復単位Aと一般式III、IV又はVの
反復単位Bとを主として有する可溶性の芳香族ポリイミ
ドから形成されており、選択的な分離性能に直接的に係
わる極めて薄い均質層(好ましくは厚さ約0.001〜5μ
mの均質層)と、その均質層の支持を行っている比較的
厚いポーラスな多孔質層(好ましくは厚さ約10〜2000μ
mの多孔質層)とを連続的に一体に有していて、有機物
水溶液中の水分を選択的に透過させる性能を有する、例
えば、平膜状、中空糸状などの形状の非対称性分離膜
(厚さ方向において、均質でなく、非対称性な微細孔状
態を有する分離膜)である。
前記の非対称性分離膜を形成している可溶性の芳香族
ポリイミドは、前述の一般式Iで示される反復単位を、
60モル%以上、好ましくは65〜95モル%、特に70〜90モ
ル%含有しており、反復単位の残部がビフェニルテトラ
カルボン酸類とベンゼン環を2〜5個、特に2〜4個有
する他の芳香族ジアミン化合物である芳香族ジアミン成
分とから形成された反復単位であるような『フェノール
系の有機溶媒などに可溶性である高分子量の芳香族ポリ
イミド』であるか、あるいは、 一般式IIで示される反復単位Aと、一般式III、IV又
はVで示される反復単位Bとから主としてなり(好まし
くは前記反復単位AとBとの合計の含有率が約90モル%
以上、特に95モル%以上であり)、前記の反復単位のモ
ル比(A:B)が、30:70〜90:10、好ましくは35:65〜85:1
5である『フェノール系の有機溶媒などに可溶性である
高分子量の芳香族ポリイミド』である。
前記の各芳香族ポリイミドは、例えば、ビフェニルテ
トラカルボン酸類を60モル%以上、好ましくは80モル%
以上含有する『芳香族テトラカルボン酸成分』と、 (1)ジ(アミノフェノキシ)ベンゼン類(一般式Iの
反復単位に対応)を60モル%以上、好ましくは80モル%
以上、あるいは、 (2)(a) 1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン(一般式IIに対応)(A)と、 (b) ジアミノジフェニルエーテル類(一般式IIIに
対応)、1,3−ジ(アミノフェノキシ)ベンゼン類(一
般式IVに対応)または4,4−ジ(アミノフェノキシ)ビ
フェニル類(一般式Vに対応)(B)とを、 A:Bが30:70〜90:10、好ましくは35:65〜85:15となるよ
うに、好ましくは80モル%以上 含有する『芳香族ジアミン成分』とを、略等モル、 フェノール系有機溶媒中に添加し均一に溶解させなが
ら、その溶液を約150〜250℃の高温に加熱するか、ある
いは、約10〜100℃程度の低温でイミド化剤の存在下に
反応させるかして、前記溶液中の両成分を重合およびイ
ミド化することによって生成することができる。
前記のビフェニルテトラカルボン酸類としては、2,3,
3′,4′−又は3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸又はそれらの酸二無水物、あるいは、それらの酸の塩
または低級アルコールエステル化物等を挙げることがで
きる。
前記のビフェニルテトラカルボン酸類としては、特
に、2,3,3′,4′−または3,3′,4,4′−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物が、可溶性の芳香族ポリイミドを
製造する上で好ましい。
前記のテトラカルボン酸成分としては、前記のビフェ
ニルテトラカルボン酸類と共に、例えば、ピロメリット
酸、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン
酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、又はそれら
の酸無水物などを、少ない割合(特に好ましくは20モル
%以下、さらに好ましくは10モル%以下の割合)で併用
されているものであってもよい。
前記の各芳香族ポリイミドの製法において、テトラカ
ルボン酸成分中のビフェニルテトラカルボン酸類の含有
割合が余りに少なくなり過ぎると、得られる芳香族ポリ
イミドは、フェノール系有機溶媒に対して溶解性の低い
ものとなったり、品質の安定した非対称性分離膜を製造
することができなくなったり、得られた非対称性分離膜
の浸透気化法における分離性能が劣るので好ましくな
い。
前記の一般式Iで示される反復単位を形成するための
芳香族ジアミン成分の主成分として使用されるジ(アミ
ノフェノキシ)ベンゼン類は、 一般式VI で示される芳香族ジアミン化合物であり、例えば、1,4
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼンなどの1,4−ビス
(アミノフェノキシ)ベンゼン類、1,3−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゼンなどの1,3−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン類などを好適に挙げることができる。
前記の一般式IIIで示される反復単位を形成するため
の芳香族ジアミン成分の主成分の一つとして使用される
ジアミノジフェニルエーテル類としては、例えば、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテ
ルを挙げることができる。
前記の一般式IVで示される反復単位を形成するための
芳香族ジアミン成分の主成分の一つとして使用される1,
3−ジ(アミノフェノキシ)ベンゼン類は、すでに示し
た1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン類を好
適に挙げることができる。
さらに、前記の一般式Vで示される反復単位を形成す
るための芳香族ジアミン成分の主成分の一つとして使用
される4,4−ジ(アミノフェノキシ)ビフェニル類は、
例えば、4,4−ビスジ(4−アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、4,4−ビスジ(3−アミノフェノキシ)ビフェニ
ルなどを挙げることができる。
この出願の第1の発明の非対称性分離膜を形成してい
る芳香族ポリイミドにおいては、前述の一般式Iで示さ
れる反復単位60モル%以上含有していて、その残部が、
ビフェニルテトラカルボン酸類とベンゼン環を2〜5個
有する他の芳香族ジアミン化合物である芳香族ジアミン
成分とから形成された反復単位である。
前記のベンゼン環を2〜5個有する他の芳香族ジアミ
ン化合物としては、前述のジアミノジフェニルエーテル
類、ジ〔(アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル類を
好適に挙げることができるが、さらに、4,4−ジ(アミ
ノフェノキシ)ビフェニル類、o−ジアニシジン、o−
トリジン、m−トリジンなどのジアミノビフェニル類、
ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルプロパ
ンなどのジアミノジフェニルアルカン類、ジアミノジフ
ェニルチオエーテル類、ジアミノジフェニルスルホン
類、ジアミノジベンゾチオフェン類、ジアミノチオキサ
ンテン類などのベンゼン環を2個有する芳香族ジアミン
化合物、ビス(アミノフェニル)ベンゼン類などのベン
ゼン環を3個有する芳香族ジアミン化合物、あるいは、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテ
ル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エ
ーテル、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エーテル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕エーテルなどのビス〔(アミノフェノキシ)フ
ェニル〕エーテル類、ジ〔(アミノフェノキシ)フェニ
ル〕アルカン類などのベンゼン環を4個有する芳香族ジ
アミン化合物を挙げることができる。
なお、前記の芳香族ジアミン成分は、フェニレンジア
ミン類、ジアミノ安息香酸類などの『ベンゼン環を1個
有する芳香族ジアミン化合物』などが少い割合(10モル
%以下の含有割合)で含有されていてもよい。
この出願の第2の発明の浸透気化分離法で、特に、一
般式IIで示される反復単位(A)と、一般式III、IV又
はVで示される反復単位(B)とから主としてなり、前
記の反復単位のモル比(A:B)が30:70〜90:10である可
溶性の芳香族ポリイミドからなる耐熱性の非対称性分離
膜を使用することが、前記分離膜が極めて耐水性、耐エ
タノール性に優れており、特に熱水処理(150℃、20時
間)後、または、熱エタノール水溶液処理(150℃、20
時間)後における透過性能の保持率および引張り強度な
どの保持率が高い点において優れているので好適であ
る。
この発明において使用される前述の芳香族ポリイミド
からなる各非対称性分離膜は、芳香族ポリイミドのフェ
ノール系溶媒溶液を使用して、その溶液の薄膜(平膜
状、中空糸状)を、流延法、押出し法などによって形成
し、次いで、その薄膜を比較的低温の凝固液と接触させ
てその薄膜を凝固させて平膜状又は中空糸状の非対称性
分離膜を形成する湿式製膜法で製造することができ、例
えば、特開昭56-21602号、特開昭56-157435号公報など
に記載されているような従来公知の製膜方法によって製
造することができる。
前記の非対称性分離膜の製造法において、湿式製膜法
で製造された非対称性分離膜は、適当な有機溶媒(例え
ば、炭素数1〜6の低級アルコール類、および、炭素数
1〜8の低級脂肪族又は脂環式炭化水素溶媒など)で洗
浄し、さらに、充分に乾燥した後、さらに、窒素、空気
などの気体の雰囲気下、約150〜420℃、特に180〜400℃
の温度で0.1〜5時間程度の熱処理することが適当であ
る。
この発明で使用する非対称性分離膜は、有機物水溶液
(有機物濃度:50重量%)を使用して浸透気化分離を行
った場合に、選択的に透過する水分の透過速度Qが、約
0.2kg/m2・Hr以上、特に約0.4〜5.0kg/m2・Hr程度であ
って、透過した水分と透過しなかった有機物との分離性
能(後で述べる分離係数α=水の透過速度/エタノール
の透過速度)が、100以上、特に120以上、さらに好まし
くは130〜1000程度であることが好ましい。
この発明の浸透気化分離法は、 (a) 前述の芳香族ポリイミドからなる非対称性分離
膜(平膜状、中空糸状)が内蔵されている分離膜モジュ
ールに、有機物水溶液を供給し、そして、有機物水溶液
を分離膜モジュール内の前記非対称性分離膜の供給側と
直接に接触させ、 (b) 前記非対称性分離膜の透過側を、必要であれ
ば、キャリヤーガス(スイープガス)を流しながら、あ
るいは、分離膜モジュールの外部に設置された減圧ポン
プなどと連結して減圧状態としておき、前記の供給され
た有機物水溶液から、前記非対称性分離膜を介して、水
分を選択的に浸透・透過させ、そして、気化させて分離
し、 (c) 最後に、前記の非対称性分離膜の未透過側(供
給側)から分離膜モジュールの外部へ、前記分離膜を透
過しなかった濃縮された残部の有機物水溶液を取り出し
て回収し、同時に、非対称性分離膜の透過側から分離膜
モジュールの外部へ、前記の分離膜を選択的に透過した
水分を主成分とする透過蒸気(透過物)を取り出し、必
要であればその透過蒸気(透過物)を冷却し凝縮して回
収するのである。
この発明では、分離膜モジュールへ供給される有機物
水溶液は、約25〜120℃、特に好ましくは50〜100℃程度
の温度であることが好ましい。
この発明の浸透気化分離法では、分離法に適用される
圧力が、通常、分離膜の透過側の圧を供給側の圧よりも
低圧とし、しかも、供給側の圧を大気圧〜60kg/cm2、好
ましくは大気圧〜30kg/cm2と程度することが好ましい。
前記の分離膜モジュール内の非対称性分離膜の透過側
は、有機物水溶液の浸透気化分離を行う際に、スイープ
ガスを流すか、または、減圧状態とすればよいが、その
減圧状態は、大気圧より低圧となっていればよく、特に
好ましくは約200トール以下、さらに好ましくは100トー
ル以下に減圧されていることが好ましい。
この発明における有機物混合液の浸透気化分離法を適
用することができる有機物水溶液としては、種々の有機
物の水溶液を使用することができるが、例えば、前記有
機物としては、例えば、メタノール、エタノール、n−
プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、se
c−ブタノール、、tert−ブタノール、エチレングリコ
ールなどの脂肪族アルコール、シクロヘキサノールの脂
環式アルコール、ベンジルアルコールなどの芳香族アル
コール、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの有機カ
ルボン酸、酢酸ブチル、酢酸エチル、マロン酸メチルエ
ステルなどの有機カルボン酸エステル、アセトン、メチ
ルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、
ジオキサンなの環状エーテル類、アセトニトリル、アク
リルニトリルなどのニトリル類、ホルムアルデヒド、セ
トアルデヒドなどのアルデヒド類などを挙げることがで
き、それらの二種以上の混合物であってもよい。
本発明の浸透気化分離法では、前記の有機物水溶液の
濃度は、特に限定されるものではなく、任意の割合で有
機物が含有されている有機物水溶液を分離又は濃縮する
ことができる。
前記の分離膜モジュールの構造、形式などは、特に限
定されるものではないが、特に限定されるものではない
が、例えば、プレートアンドフレーム型モジュール、ス
パイラル型モジュール、中空糸膜型モジュールなどであ
ることが好ましい。
〔実施例〕
以下、この発明の浸透気化分離法に関する実施例、お
よび比較例を示し、さらに詳しくこの発明を説明する。
実施例および比較例において、透過速度Qおよび分離
係数αは、膜を透過した気化成分を冷却・凝縮させて採
集し、その重量を測定し、そして、凝縮液中に内部標準
液として脱水n−プロパノールを加え、TCD−ガスクロ
マトグラフィーによって水と有機物との重量比が測定さ
れ、次に示す計算式によって算出された。
参考例において、芳香族テトラカルボン酸成分および
芳香族ジアミン成分に使用される各化合物の略記号を以
下に示す。
BPDA;3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物 TPEQ;1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン TPER;1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン BAPE;ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
エーテル 4,4′−DADE;4,4′−ジアミノジフェニルエーテル 3,4′−DADE;3,4′−ジアミノジフェニルエーテル BAPB;4,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル DM;4,4′−ジアミノジフェニルメタン TSN;o−トリジンスルホン PASN;ビス(4−アミノフェニル)スルホン BAPS;ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
スルホン BAPP;2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン DABA;3,5−ジアミノ安息香酸 参考例1 〔芳香族ポリイミド溶液の調製〕 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物1
00モル%からなるテトラカルボン酸成分と、1,4−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPEQ)(85モル
%)および4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(DAD
E)15モル%からなるジアミン成分とを、等モル、パラ
クロルフェノール(PCP)中、180℃の温度で20時間重合
して得られた高分子量の芳香族ポリイミドのPCP溶液
(濃度:17重量%)を調製した。
〔芳香族ポリイミド製の中空糸膜の紡糸〕
中空糸紡糸用ノズルを備えた紡糸装置に、前記の芳香
族ポリイミド溶液を供給し、凝固液(温度:5℃、エタン
ール−水系凝固液)を用いる湿式製膜法によって、非対
称性の中空糸分離膜を形成し、第1表に示す熱処理温度
で熱処理して、芳香族ポリイミド製の中空糸分離膜を製
造した。
その中空糸膜は、外径が432μmであって、内径が266
μmである(膜厚は約83μmである)連続した長尺の中
空糸であった。
前記中空糸膜の引張り強度(kg/糸)および伸び率
(%)、並びに、150℃の熱水または熱エタノール水溶
液に20時間浸漬した後の引張り強度と伸び率の保持率
(%)を、第1表に示す。
参考例2〜15 第1表に示した種類と、組成とを有するジアミン成分
を使用したほかは、参考例1と同様にして、第1表に示
す濃度および回転粘度の芳香族ポリイミドのPCP溶液
を、それぞれ調製し、得られた芳香族ポリイミド溶液を
使用し、第1表に示す熱処理温度での熱処理をしたほか
は参考例1と同様の湿式製膜法によって、参考例1で得
られた中空糸膜と同じ程度の外径、内径および肉厚を有
する芳香族ポリイミド製の非対称性分離膜からなる中空
糸膜をそれぞれ製造した。
それらの各中空糸膜について、引張り強度および伸び
率、並びに、150℃の熱水または熱エタノール水溶液に2
0時間浸漬した後の引張り強度と伸び率の保持率を、第
1表に示す。
実施例1〜13および比較例1〜7 各参考例で製造された非対称性中空糸分離膜を第1表
に示した熱処理温度で熱処理した後、4本束ねて糸束を
形成し、その糸束の一方の端部をエポキシ樹脂で封止
し、中空糸束エレメントを作成し、有機物水溶液を供給
する導入口と、未透過物の取出し口および透過物の取り
出し口を有する容器内へ前記中空糸束エレメントを内設
して、分離膜モジュールを製造した。
前記の分離膜モジュールへ80重量%のエタノール水溶
液を90℃で供給し、分離膜モジュール内の中空糸エレメ
ントの中空糸内部を3トール以下の減圧状態で、浸透気
化を行い、透過物蒸気を冷却し、回収した。
その浸透気化における透過速度Qおよび水分と有機物
との分離係数αを第2表に示す。
各参考例で製造した非対称性中空糸分離膜を、次に示
す耐熱水試験をそれぞれ行い、その試験結果を第2表に
示す。
中空糸膜を150℃の熱水中で20時間、保持した後、室
温下、減圧して乾燥し、そして、パラクロルフェノール
(PCP)とオルトクロルフェノール(OCP)との混合溶媒
(PCP/OCP=4/1の重量比)を用いて、中空糸膜を形成し
ているポリイミドを溶解し、30℃での対数粘度を測定
し、その保持率を次に示す計算式によって算出した。
実施例14〜16および比較例8 参考例5、参考例9、参考例10および参考例11で得ら
れ芳香族ポリイミド製の非対称性中空糸分離膜を、150
℃の水、又は60重量%のエタノール水溶液中に20時間浸
漬処理した。
前述のように熱処理した芳香族ポリイミド製の非対称
性中空糸分離膜を、60℃、減圧下、乾燥させた後、実施
例1と同様の方法で、中空糸束エレメント、分離膜モジ
ュールを制作し、80重量%のエタノール水溶液を90℃で
供給し、浸透気化における透過速度Qおよび水分と有機
物との分離係数αを第3表に示す。
〔本発明の作用効果〕 この発明の浸透気化分離法は、特定の芳香族ポリイミ
ド製の非対称性分離膜を用いる浸透気化法に係わる分離
法であるので、種々の有機物質の水溶液の分離、濃縮に
使用することができ、そして、広範囲な濃度の有機物水
溶液について使用可能であって、しかも、充分な耐熱
性、耐水性、耐溶剤性および耐久性を有しており、さら
に、高い透水性と分離性能とを有する特定のポリイミド
製の非対称性膜を使用しているので、長時間、安定した
浸透気化法による分離を行うことができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−218233(JP,A) 特開 昭63−175602(JP,A) 特開 昭60−255112(JP,A) 特開 昭61−103505(JP,A) 特開 昭62−227422(JP,A) 特開 昭63−185405(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 61/36 B01D 71/64

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機物水溶液を、耐熱性重合体からなる非
    対称性分離膜と接触させて、有機物水溶液から主として
    水分を選択的に浸透気化させる浸透気化分離法におい
    て、 前記の耐熱性重合体が、 一般式I で示される反復単位を60〜100モル%含有し、そして、
    残部の反復単位がビフェニルテトラカルボン酸類とベン
    ゼン環を2〜5個有する他の芳香族ジアミン化合物であ
    る芳香族ジアミン成分とから形成された反復単位である
    可溶性の芳香族ポリイミドであることを特徴とする有機
    物水溶液の浸透気化分離法。
  2. 【請求項2】有機物水溶液を、耐熱性重合体からなる非
    対称性分離膜と接触させて、有機物水溶液から主として
    水分を選択的に浸透気化させる浸透気化分離法におい
    て、 前記の耐熱性重合体が、 一般式II で示される反復単位Aと、 一般式III 一般式IV または、一般式V で示される反復単位Bとから主としてなり、前記の反復
    単位のモル比(A:B)が30:70〜90:10である可溶性の芳
    香族ポリイミドであることを特徴とする有機物水溶液の
    浸透気化分離法。
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