JPH0924260A - ポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体分離膜及びその製造方法 - Google Patents

ポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体分離膜及びその製造方法

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JPH0924260A
JPH0924260A JP17592395A JP17592395A JPH0924260A JP H0924260 A JPH0924260 A JP H0924260A JP 17592395 A JP17592395 A JP 17592395A JP 17592395 A JP17592395 A JP 17592395A JP H0924260 A JPH0924260 A JP H0924260A
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imide
imidazopyrrolone
poly
copolymer
diamine
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JP17592395A
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English (en)
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Masayoshi Takatake
正義 高武
Hirotomo Nagata
寛知 永田
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Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定のテトラカルボン酸二無水物(A)と、
(A)と等モル量であって、特定のテトラアミン(B)
と特定のジアミン(C)とを必須成分として含有するア
ミン成分(D)を縮重合させた、ポリ(イミダゾピロロ
ン−イミド)共重合体からなる緻密層を有する分離膜。 【効果】 特に優れた気体透過・分離性を示し、且つ実
用膜として適用可能な優れた可とう性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は気体−気体及び液体−気
体分離等に適用される気体分離膜として、高透過性及び
高分離性能並びに耐溶剤性、耐熱性、耐久性を兼ね備え
た、ポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体からな
る緻密層を有する分離膜に関する。
【0002】膜による物質の分離は、他の分離方法と比
較し、エネルギー的に有利で、装置が小型軽量、機構が
簡単でメンテナンスフリー等の特徴を有する為、各種産
業分野に活発に応用されており、本発明の分離膜は、例
えば空気の酸素/窒素分離、プラットフォーミング法の
オフガスからの水素の分離回収、アンモニア合成時の水
素の分離回収、火力発電やゴミ焼却の廃ガスからの二酸
化炭素の回収や窒素酸化物や硫黄酸化物の除去、油田の
オフガスからの二酸化炭素の回収、天然ガスからの硫化
水素、二酸化炭素等の酸性ガスの除去や水分(水蒸気)
の除去、ランドフィルガスの脱炭酸ガス及びメタン回
収、空気及び有機蒸気の除湿、有機物水溶液の脱水、水
とアルコールの分離、エステル化反応系からの水の除去
等の揮発性物質混合液体のパーベーパレーション分離、
また液体に溶解している気体の除去、液体中への特定気
体の溶解等に利用される。むろん本発明はこれら用途に
限定されるものでは無い。
【0003】
【従来の技術】分離膜の基本要求性能は、(1)分離の
目的とする物質と他の成分との分離性能、(2)物質透
過性能、(3)膜の強度、耐熱、耐久、耐溶剤等の性能
である。膜の物質透過性能は必要膜面積及び膜モジュー
ル、装置の大きさ、即ちイニシャルコストを主に支配す
る特性であり、物質透過性能の高い素材の開発及び分離
活性層(緻密層)の薄膜化により工業的に実用可能な性
能が実現される。一方膜の物質分離性能は緻密な膜の場
合本質的に膜素材固有の特性であり、主に分離物質の収
率を支配する特性、即ちランニングコストを支配する特
性である。
【0004】高分子膜の物質分離特性と透過特性は一般
に相反の関係にあり、透過性が高い高分子素材は低分離
性(選択性と記す場合もある)である。従って、優れた
分離膜を開発するには、相反する両特性のバランスに優
れた膜素材の開発が必須であり、さらにこの膜素材を使
用した最適な製膜方法の開発が必須である。
【0005】近年、各種高分子の中でポリイミダゾピロ
ロンが気体の透過・選択性のバランスに特に優れてお
り、気体分離膜用素材としてのその優れた可能性がいく
つか報告されている。
【0006】例えば、高分子予稿集(Polymer Preprint
s,Japan) Vol.41,No.3,pp644 (1992)には数種のポリイ
ミダゾピロロンの優れた気体選択透過基本特性について
述べられている。ジャーナル オブ メンブレン サイ
エンス(Journal of Membrane Science) 55,pp99-117 (1
991)及びポリマー ジャーナル (Polymer Journal) Vo
l.23,No.5,pp481-490(1991)には数種のポリイミドとと
もに、4,4'−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジ
フタル酸二無水物(以下6FDAと略記する)とテトラ
アミノジフェニルエーテルを縮重合して得た特定のポリ
イミダゾピロロンの優れた気体透過・選択特性について
述べてある。
【0007】WO94/12465号には、6FDAと
4,4'−オキシジアニリンと3,3',4,4'−テトラア
ミノジフェニルエーテルとの縮重合による、ポリ(イミ
ダゾピロロン−イミド)共重合体分離膜について述べて
いるが、本発明で必須のジアミン成分については、全く
記載がない。
【0008】また、緻密層と多孔層が実質的に異なる素
材からなる複合膜は、分離膜として要求される各種特性
をバランス良く保持させる事が可能でありまたその優れ
た量産性により現在最も盛んに研究されている。
【0009】例えば特開昭49−62380号公報に
は、共押出により同種又は異種のポリマーからなる薄い
緻密層と多孔層とを有する逆浸透膜を製造する方法が開
示されている。また、ガス分離技術の進展開,(株)東
レリサーチセンター,PP39(1990年7月25日
発行)には、この製造方法のガス分離用膜の製造への適
用が記述されている。
【0010】特開昭62−191019号公報には、セ
ルロースアセテート、セルローストリアセテート、ニト
ロセルロース等のセルロースエステル系樹脂、ポリアク
リルニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル
等のビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂等の樹脂濃度が30〜60重量%である種々の濃度
の複数の樹脂溶液を使用し、同心円状に開口した紡糸用
口金の内側から順次濃度を高くした樹脂溶液を同時に押
し出し、複数の層を有する中空糸分離膜を製造する方法
が開示されている。
【0011】特開昭平1−99616号公報には、同心
円状の開口部を有する湿式紡糸用ノズルの外部円環開口
部から、濃度0.1〜20重量%の低濃度ポリイミド溶
液と、内部円環開口部から濃度10〜50重量%で且つ
低濃度ポリイミド溶液より少なくとも1重量%以上高い
高濃度ポリイミド溶液とを同時に押し出す事により、再
現性よくポリイミド中空糸分離膜を製造する事が開示さ
れている。
【0012】特開平2−169019号公報には、同心
円状の開口部を有する湿式紡糸用ノズルから異なる2種
の芳香族ポリイミド溶液を、外部円形開口部へ供給する
ポリイミドについては濃度を7〜25重量%とし、内部
円形開口部に供給するポリイミドについては外部に供給
するポリイミドより濃度を低くし、且つ5〜25重量%
として、同時に押し出し湿式紡糸を行う事により均一な
表皮層(緻密層)と多孔層とが一体に形成されている非
対称性の外層と、多孔層のみからなる内層とが同心円状
に一体に形成されている2層構造の中空糸膜を容易に再
現性良く製造する方法が開示されている。
【0013】特開平4−277019号公報には複合膜
製造方法として公知の共押出法により製造された特定の
ポリアミド樹脂又は特定のポリイミド樹脂を分離層とす
る気体分離用複合膜が開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述したポリイミド又
はポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体は、気体
透過性と分離性のバランスに比較的優れているものの、
例えば空気分離膜として酸素富化膜もしくは窒素富化膜
として使用する場合にはその分離性は必ずしも十分では
なかった。また上述したポリイミダゾピロロン樹脂は一
般に可撓性に劣り、ゲル化しやすい、あるいは重合性が
悪いなど、膜素材として要求される力学物性や、製造面
に難点を有していた。従っていまだ本素材を用いた実用
可能な気体分離膜は得られていない。
【0015】
【課題を解決するための手段】我々は、優れた気体分離
膜を得るため鋭意検討の結果、特定の酸二無水物成分
(A)と、特定のテトラアミンと特定のジアミンとを必
須成分とするアミン成分(D)とを共重合した、ポリ
(イミダゾピロロン−イミド)共重合体が特に優れた気
体透過・分離性を示し、且つ実用膜として適用可能な可
撓性、耐熱性、耐溶剤性等を有する事を発見し、本発明
を完成するに至った。即ち本出願の第一の発明は、
【0016】
【化7】
【0017】から選ばれる一種以上のテトラカルボン酸
二無水物(A)、並びに該テトラカルボン酸二無水物
(A)と等モル量であって、
【0018】
【化8】
【0019】から選ばれる一種以上のテトラアミン
(B)と
【0020】
【化9】
【0021】から選ばれる一種以上のジアミン(C)と
を必須成分として含有するアミン成分(D)を縮重合さ
せたポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体からな
る緻密層を有することを特徴とする、ポリ(イミダゾピ
ロロン−イミド)共重合体分離膜に関する。
【0022】以下本発明をさらに詳しく説明する。本発
明に記載のポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体
とは、分子鎖中にイミダゾピロロン構造を有するいわゆ
る梯子型の結合部分と、イミド構造を有する結合部分が
混在するポリマーであり、且つ緻密な薄膜を形成するの
に十分な分子量を有するポリマーを言う。かかるポリマ
ーは一般に、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドン等の適当な溶媒中で、必要に応じて例え
ば、無水酢酸、塩化チオニル、トリフルオロ酢酸無水
物、ジシクロカルボジイミド、ピリジン、トリエチルア
ミン、安息香酸等の一種以上の反応助剤を加え、テトラ
カルボン酸二無水物成分(A)と、これと等モル量のア
ミン成分(D)(テトラアミン(B)とジアミン(C)
を必須成分とする混合物)を重合させ、まず成膜可能な
実質的に溶剤に可溶な該共重合体の前駆体を経て、つい
で該前駆体を適当な温度で熱処理し、該前駆体をさらに
閉環させることにより得られる。ここでいう実質的に溶
剤に可溶な該前駆体としては、例えば、ポリアミド体、
ポリイミド体、ポリイソイミド体、ポリイミダゾール体
等の一種以上構造を有する重合体が挙げられる。むろん
該前駆体は適当な溶剤に可溶であり、且つ適度の加熱に
よりポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体を生成
する物で有ればどのような構造体であっても良く、本発
明を何等制限するものでは無い。
【0023】本発明の分離膜の緻密層を形成するポリ
(イミダゾピロロン−イミド)共重合体の重合に用いる
テトラカルボン酸二無水物(A)は、6FDA、ピロメ
リット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニ
ルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,
4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水
物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水
物からなる群から選ばれる一種以上のテトラカルボン酸
二無水物である。好ましくは6FDAである。
【0024】テトラアミン(B)は、3,3',4,4'−
テトラアミノジフェニルエーテル、3,3',4,4'−テ
トラアミノジフェニルメタン、3,3’,4,4'−テト
ラアミノビフェニル(以下ジアミノベンジジンと略記す
る)、1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、3,3',
4,4'−テトラアミノジフェニルイソプロピリデン、
3,3',4,4'−テトラアミノジフェニルヘキサフルオ
ロイソプロピリデンからなる群から選ばれる一種以上の
テトラアミンである。好ましくは、ジアミノベンジジ
ン、1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、3,3',4,
4'−テトラアミノジフェニルエーテルから選ばれる一
種以上のテトラアミンである。
【0025】ジアミン(C)は、
【0026】
【化10】
【0027】からなる群から選ばれる一種以上のジアミ
ン、即ち、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデ
ン)ビス[2−アミノ−フェノール)、3,3'−ジヒド
ロキシ−4,4'−ジアミノビフェニル(以下3,3'−ジ
ヒドロキシベンジジンと略記する)、3、3'−ジアミ
ノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニル、3,5−ジアミ
ノ安息香酸、2,4−ジアミノフェノール、ビス(4−
アミノ−3−カルボキシフェニル)メタン等の群から選
ばれる一種以上のジアミンである。好ましくは4,4’
−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス[2−アミ
ノ−フェノール)、3,3'−ジヒドロキシベンジジン、
3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニルか
ら選ばれる一種以上のジアミンである。
【0028】本発明に記載のポリ(イミダゾピロロン−
イミド)共重合体としてより好ましくは、ジアミノベン
ジジン、1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、3,3',
4,4'−テトラアミノジフェニルエーテルから選ばれる
一種以上のテトラアミン(B)と4,4’−(ヘキサフ
ルオロイソプロピリデン)ビス[2−アミノ−フェノー
ル)、3,3'−ジヒドロキシベンジジン、3,3'−ジア
ミノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニルから選ばれる一
種以上のジアミン(C)を必須成分とするアミン成分
(D)と、これと実質的に等モル量の6FDAを縮重合
させた共重合体である。
【0029】本発明に用いるアミン成分(D)は、その
中にテトラアミン(B)とジアミン(C)とを必須成分
とする事を特徴とし、好ましくはアミン成分中の(B)
と(C)の混合モル割合が7/3〜3/7、好ましくは
7/3〜4/6の範囲であり、且つ(B)と(C)の合
計モル量が全アミン成分(D)のモル量の30%〜10
0%であり、より好ましくは50%〜100%である。
【0030】本発明に使用できるアミン成分(D)中に
含まれる、テトラアミン(B)及びジアミン(C)以外
のアミン成分としては、酸二無水物成分と反応し、成膜
可能なポリマーを生成する2官能以上のアミンであれば
良く、(B)以外のテトラアミン、トリアミン、(C)
以外のジアミンが使用できる。トリアミンとして例え
ば、1,3,4−トリアミノベンゼン、3,4,4'−トリ
アミノジフェニルエーテル等が好適に挙げられる。
【0031】また、ジアミン類はポリイミドの重合に一
般に用いられる全てのジアミンが実質的に使用できる。
具体例として、例えば、m−フェニレンジアミン等のフ
ェニレンジアミン、又はこのベンゼン環骨格の水素の一
部をアルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、
アルコキシ基、ハロゲン等で置換した、例えば2,4−
ジアミノトルエン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレ
ンジアミン、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレ
ンジアミン、2−クロロ−1,5−フェニレンジアミ
ン、2−メトキシ−1,4−フェニレンジアミン、2−
クロロ−5−メチル−1,4−フェニレンジアミン、3
−トリフルオロメチル−1,5−フェニレンジアミン等
又はこれらの各種異性体や、1,5−ナフタレンジアミ
ン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、
9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、
2,6−ジアミノアントラキノン、1,5−ジアミノアン
トラキノン、3,3'−ジメチルナフチジンや、
【0032】二個以上のベンゼン環をエーテル基、チオ
エーテル基、カルボニル基、スルフォン基、スルフィド
基、メチレン基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロ
イソプロピリデン基、アミノ基、アミド基等で結合した
ジアミン成分又はこれらのベンゼン環水素の一部をアル
キル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン、カルボ
キシル基等で置換した、例えば4,4'−ジアミノジフェ
ニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノジ
フェニルスルフォン、4,4'−ジアミノ−2,2'−ジメ
チルジフェニルスルフォン、4,4'−ジアミノ−3,3'
−ジメチルジフェニルスルフォン、4,4'−ジアミノジ
フェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジフェニルメ
タン、4,4'−ジアミノ−3,3',5,5'−テトラメチ
ルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメ
チル−5,5'−ジエチルジフェニルメタン、4,4'−ジ
アミノ−3,3',5,5'−テトラエチルジフェニルメタ
ン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジクロロジフェニルメ
タン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチル
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−
メチル−5−エチルフェニル)プロパン、
【0033】2,2−ビス(4−アミノ−3−メチルフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミ
ノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4'−ジアミ
ノベンズアニリド、O−トルイジンスルフォン、ジベン
ゾチオフェン−3,7−ジアミン−5,5'−ジオキシ
ド、3,6−ジアミノカルバゾール、2,7−ジアミノフ
ルオレン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル]スルフォン、4,4'−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,
4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等や、
ベンジジン及びベンジジン骨格の水素をアルキル基、ハ
ロゲン、アルコキシ基、トリフルオロメチル基等で置換
した例えば、2,2',6,6'−トリメチルベンジジン、
3,3'−ジメチルベンジジン、3,3'−ジメトキシベン
ジジン、2,2'−ジクロロ−5,5'−ジメトキシベンジ
ジン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジ
ン、その他アミノ官能シランやシロキサン等の群から選
ばれた一種以上の成分が使用可能である。
【0034】さらに、本発明に記載の緻密層を有する高
分子層を形成するポリマーとして、本発明のポリ(イミ
ダゾピロロン−イミド)共重合体に必要に応じて適当な
ポリイミドを混合したいわゆるブレンドポリマーも適用
することができる。かかるブレンドに適用できるポリイ
ミドとして、本発明のポリ(イミダゾピロロン−イミ
ド)共重合体に用いた酸二無水物成分とジアミン成分と
を主成分として重合させて成るポリイミドが好ましい。
これらのブレンドは例えば、本発明のポリ(イミダゾピ
ロロン−イミド)共重合体の該前駆体の状態で、後述の
紡糸ドープに適用する適当な溶剤に両成分を溶解する事
により容易に実施できる。
【0035】本発明のポリ(イミダゾピロロン−イミ
ド)共重合体からなる緻密層を有する分離膜の、製造方
法、膜形態及び膜形状には特に制限はなく、本発明の分
離膜は、例えば湿式紡糸法、乾式紡糸法、乾湿式紡糸
法、水面展開法、溶媒キャスト法、コーティング法、界
面重合法等を適宜応用して得る事ができる。また、膜形
態として好ましくは分離膜として必要とされる強度、耐
久性、気体透過・選択特性等の特性をバランス良く保有
できる非対称膜形態である。かかる非対称膜として、例
えば緻密層と多孔質支持層が同一の素材からなるいわゆ
る不均質膜や、緻密層をこれと異なる素材からなる多孔
質支持層上に保持したいわゆる複合膜が好適にあげられ
る。また膜形状としては平膜状、管状、中空糸状等のい
ずれでも良いが、少ない占有面積で大きな膜面積を得る
事のできる中空糸膜が好ましい。本発明の分離膜の最も
好ましい形態、形状は中空糸複合膜である。
【0036】緻密層の形成位置には特に制限は無く、例
えば片側表面又は両側表面に形成されていても良い。好
ましくは、膜の片側表面に形成されていることが良い。
本発明に記述の緻密層とは、酸素、窒素、水素等の非凝
集性気体の膜透過の機構が高々クヌーセン流れ律速とな
る孔径以下の連通孔しか実質的に存在せず、且つ連通孔
の開孔率が面積比で1×10ー3以下、好ましくは1×1
ー4以下、さらに好ましくは1×10ー6以下であり、最
も好ましく連通孔が実質的に存在せず気体の膜透過機構
が溶解−拡散律速となる緻密な薄膜層であり、その厚さ
は薄いほど好ましく、好ましくは2μm〜0.02μm
であり、さらに好ましくは0.5μm〜0.02μmであ
り、最も好ましくは0.1μm〜0.02μmである。緻
密層に存在する連通孔径が高々クヌーセン流れとなる孔
径以下である事は、例えば、分離する混合気体として酸
素と窒素の混合気体を使用した場合、膜を透過する両気
体の透過速度の比が誤差の範囲内で0.935以上とな
る事により容易に確認できる。
【0037】本発明の不均質膜又は複合膜は、実質的な
緻密層を有する高分子層と多孔質支持層とからなり、高
分子層はポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体か
ら形成され、多孔質支持層は不均質膜の場合これと同じ
高分子から、複合膜の場合これと実質的に異なった高分
子から形成されている事を特徴とする。本発明に記載の
実質的な緻密層を有する高分子層の膜形態は均質構造で
も良いが、分離活性層となる薄い緻密層とこれを支持す
る多孔質層を有するいわゆる非対称膜構造であることが
好ましい。ポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体
からなる高分子層の多孔質構造部は、気体の透過抵抗
が、その緻密層と比較し実質的に無視できる程度に小さ
くなるよう、多孔質構造部を形成する各微多孔が、実質
的に連通孔である事が好ましい。また該高分子層の厚さ
は、膜厚全体の5%〜50%の厚さで且つ5〜30μm
である事が好ましい。
【0038】本発明はまた、各実用用途に最適な寸法を
有する中空糸複合膜を提供する。例えば、中空糸の内部
加圧方式で空気中の酸素と窒素の分離用途に実用する場
合、膜強度、耐久性、圧縮空気の圧力損失、糸占有断面
積(モジュールの大きさ)等の制限要素により、中空糸
内径が130μm〜400μmであり、外径が200μ
m〜800μmであり、中空糸膜の物理的強度を実質的
に受け持つ多孔質支持層の膜厚が40μm〜300μm
である好ましい中空糸複合膜を提供できる。
【0039】本発明の中空糸複合膜の多孔質支持層は、
ポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体からなる高
分子層と十分に接着しており、膜の実際の使用に耐え得
る十分な機械的強度と耐熱性等の優れた物理的特性及
び、耐薬品性、耐候性等の優れた化学的特性を有し、各
種分離対象物の透過抵抗が十分に小くなるよう連通細孔
が多数形成されている事を特徴とする。細孔の形状、空
孔率等には特に制限はなく、いわゆるフィンガーライク
状及び/又はスポンジライクでも良い。
【0040】また多くの場合ポリ(イミダゾピロロン−
イミド)共重合体が実質的に一般の溶剤に溶けないこと
から、複合膜の製造の際、後述するように、溶剤可溶性
のポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体の前駆体
を用いて製膜した後、該前駆体を加熱処理し、ポリ(イ
ミダゾピロロン−イミド)化することが好ましいため、
多孔質支持層を形成する樹脂は、このような加熱処理に
耐え得る十分な耐熱性を有する事が望ましい。これら特
性を有する多孔質支持層に適用できる好ましい樹脂とし
て例えば芳香族ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド
イミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリベンゾ
オキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリキノキサリ
ン、ポリピペラジン等のポリヘテロ環化合物等から選ば
れる1種以上の樹脂からなる混合物又は共重合体が好適
に挙げられる。また必要に応じてさらにこれら樹脂にポ
リ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体を混合しても
よい。
【0041】より好ましくはポリイミド樹脂、ポリスル
フォン樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、芳香族ポリ
アミド樹脂から選ばれるの1種以上の樹脂からなる混合
物であり、さらに好ましくは芳香族ポリアミド樹脂、又
は芳香族ポリアミド樹脂と、ポリイミド樹脂及び/又は
ポリスルフォン樹脂との混合体であり、最も好ましくは
芳香族ポリアミド樹脂とポリイミド樹脂との混合体であ
る。
【0042】ここで言うポリスルフォン樹脂とはパラフ
ェニレンユニット及び/又はパラビフェニレンユニット
がスルフォン基とエーテル基及び/又はイソプロピリデ
ン基で結合された繰り返し単位で構成された、製膜可能
な分子量有する実質的に非結晶性のポリマーであり、例
えばポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリア
リルスルフォン等が挙げられる。
【0043】また、ここで言う中空糸複合膜の多孔質支
持層を形成するポリイミド樹脂は溶剤可溶性でも、また
溶剤不溶性でも良い。溶剤不溶性のポリイミドは、その
前駆体である可溶性ポリイミド、ポリアミド酸又はポリ
イソイミドのドープを使用し、製膜の後、例えば加熱、
紫外線の照射等により溶剤不溶のポリイミドからなる多
孔層を形成させる事ができる。
【0044】また本発明の複合膜には、必要に応じ、複
合膜の緻密層にわずかに発生したピンホール(連通微細
孔)を塞ぐために、シリコーンやポリアセチレン等の気
体透過性の高い素材で緻密層表面をコーティング又は目
止め処理を行っても良いし、気体の選択性をより高める
ために、該緻密層に塩素ガス、フッ素ガス、塩素化合
物、フッ素化合物等による表面処理やプラズマ処理を施
しても良い。
【0045】また本発明は、第二の発明として中空糸複
合膜の優れた製造方法を提供する。即ち、
【0046】
【化11】
【0047】から選ばれる一種以上のテトラカルボン酸
二無水物(A)と、該テトラカルボン酸二無水物と等モ
ル量である
【0048】
【化12】
【0049】から選ばれる一種以上のテトラアミン成分
(B)と
【0050】
【化13】
【0051】から選ばれる一種以上のジアミン(C)を
必須成分として含有するアミン成分(D)とを重合させ
た、実質的に溶剤に可溶なポリ(イミダゾピロロン−イ
ミド)共重合体前駆体のドープ(a)と、多孔質支持層
を形成するための重合体のドープ(b)とを、多重円環
ノズルを用い、同時に多層構造の中空糸状に共押し出し
を行い、次いで凝固液と接触させ凝固させた後、該前駆
体を加熱によりポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重
合体化する事を特徴とする、ポリ(イミダゾピロロン−
イミド)共重合体からなる緻密層を有するポリ(イミダ
ゾピロロン−イミド)共重合体中空糸複合膜の製造方法
を提供する。
【0052】本発明の製造方法によれば、実質的な緻密
層を有するポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体
からなる高分子層と、該共重合体素材と実質的に異なっ
た高分子から形成された多孔質支持層とを有する中空糸
複合膜を工業生産レベルで提供できる。
【0053】前述のポリ(イミダゾピロロン−イミド)
共重合体からなる高分子層は、分離対象物質の分離活性
層となる実質的に連通孔を有さない緻密層と多孔質構造
部を有するいわゆる非対称膜構造であってもよく、また
紡糸ドープの溶剤組成、紡糸条件等を適宜調整する事に
より得られる該高分子層が緻密層のみから形成されたい
わゆる均質膜構造であってもよい。緻密層をより薄く製
造できる点から、非対称膜構造の高分子層がより好まし
い。
【0054】本発明で用いるドープ(a)とは、前述の
テトラカルボン酸二無水物(A)と、テトラアミン
(B)及びジアミン(C)を必須成分とするアミン成分
(D)とを等モル量重合させた、ポリ(イミダゾピロロ
ン−イミド)共重合体の前駆体が溶剤に溶解したもので
ある。ここでいう前駆体とは、加熱により最終的にポリ
(イミダゾピロロン−イミド)共重合体からなる緻密な
分離層を有する高分子層を形成する重合体であり、有機
溶剤に実質的に可溶で、凝固液中で固化し膜形成可能で
あり、適度な加熱によりポリ(イミダゾピロロン−イミ
ド)共重合体に変化する重合体であればよく、例えばポ
リアミド体、ポリイミド体、ポリイソイミド体、ポリイ
ミダゾール体等の一種以上の構造を有する重合体が好適
に挙げられる。むろん前駆体の構造はどのような構造で
も良く、本発明を何等制限するものでは無い。
【0055】これら前駆体は一般には、上述のテトラカ
ルボン酸二無水物(A)と、これと等モル量のアミン成
分(D)を、これらモノマーを溶解する、例えばN,N
−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,
N−ジメチルアセトアミド等の反応溶媒中で必要に応じ
て、例えばピリジン、安息香酸、無水酢酸、トリエチル
アミン、トリフルオロ酢酸無水物、塩化チオニル、ジシ
クロカルボジイミド等の一種以上の反応助剤を添加して
重合する事により得られる。
【0056】中空糸複合膜の紡糸に使用するポリ(イミ
ダゾピロロン−イミド)共重合体の前駆体のドープ
(a)は、テトラカルボン酸無二水物(A)とアミン成
分(D)とを反応させた溶液そのものをドープとして直
接使用することができるし、また一旦反応溶液中より該
前駆体を固形物として落として、適切な有機溶媒に再溶
解してドープとする事もできる。紡糸ドープ(a)のポ
リマー固形物の濃度は5重量%〜35重量%であれば良
く、好ましくは15重量%〜30重量%である。
【0057】本発明で用いるドープ(b)とは、多孔質
支持層を形成するための重合体を溶剤に溶解したもので
あり、これら重合体としては、前述に記載の溶剤可溶性
の重合体が挙げられる。また必要に応じ、さらにこれら
樹脂にポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体の前
駆体を混合してもよい。
【0058】ドープ(b)の重合体としてより好ましく
は、ポリイミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリベンゾ
イミダゾール樹脂、芳香族ポリアミド樹脂から選ばれる
1種以上の樹脂からなる混合物である。さらに好ましく
は芳香族ポリアミド樹脂又は、芳香族ポリアミド樹脂
と、ポリイミド樹脂及び/又はポリスルフォン樹脂混合
物であり、最も好ましくは芳香族ポリアミド樹脂とポリ
イミド樹脂との混合物である。
【0059】多孔質支持層を形成するドープ(b)のポ
リマー固形物の濃度は10重量%〜35重量%である事
が好ましく、さらに好ましくは15重量%〜30重量%
である。ドープの溶液粘度は湿式紡糸可能であれば特に
制限はない。
【0060】本発明のドープ(a)及び(b)中に使用
できる溶剤は、前記の前駆体及び多孔質支持層を形成す
る樹脂を溶解するものであって、後述の凝固液と相溶性
を有するものを使用できる。例えば、ジクロロメタン、
クロロホルム、1,1,2-トリクロロエタン等のハロゲン化
アルキル、オルトクロルフェノール、パラクロルフェノ
ール、ジクロロフェノール等のハロゲン化フェノール、
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトア
ミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶剤、ジメチ
ルスルフォキシド、スルフォラン等のイオウ系溶剤、そ
の他、ヘキサメチルホスホロトリアミド、γ-ブチルラ
クトン、ジオキサン等の一種以上の有機溶剤が使用でき
る。好ましくはN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の水溶性
の有機溶剤である。
【0061】また、ドープ(a)及び(b)には、ドー
プの安定性、可紡性の向上、生成される複合膜の気体透
過・選択性の向上等を目的として、必要に応じて低分子
量のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンの添
加、アセトン、テトラヒドロフラン等の揮発性成分の添
加、トルエン、キシレン、酢酸等の貧溶剤の添加、エチ
レンレングリコール、グリセリン等の水溶性多価アルコ
ール等の添加、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化カリ
ウム、臭化カリウム、臭化マグネシウム等の無機塩類、
トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジプロピルアミ
ン等のアミン類、メタノール、エタノール、nプロパノ
ール、イソプロパノール等のアルコール類、水等を少量
添加することができる。
【0062】本発明においては、ドープ(a)及び
(b)を多重円環ノズルから同時に中空糸状に押し出
す。本発明で使用する多重円環ノズルは公知のものが使
用できる。好ましいノズルの模式図を図1に示す。図
中”1”は主に中空糸の形状を保つ為の気体又は液体
(以下芯材と称する)を流出するノズル芯部の開口部で
あり、図中”2”、”3”はドープ(a)又は(b)を
流出するスリットである。複合中空糸膜の内側部に多孔
質支持層を有し、外側部に緻密層を有する高分子層を有
する複合膜を製造する場合は、”1”より芯材を流出さ
せながら、”2”よりドープ(b)を、”3”よりドー
プ(a)を同時に押し出せば良く、外側部に多孔質支持
層を有し、内側部に高分子層を有する複合膜を製造する
場合は、”1”より芯材を流出させながら、”2”より
ドープ(a)を”3”よりドープ(b)を同時に押し出
せば良い。このようにすることによって、多重円環ノズ
ルのスリットの数により、2層以上の多層構造の中空糸
状の膜ができる。
【0063】本発明の製造方法によれば、例えばドープ
液の組成、濃度、温度、凝固液の組成、内管流体の組
成、紡糸条件等を適切に選ぶ事により緻密層は中空糸の
内側表面及び/又は外側表面いずれにも形成可能であ
る。このうち中空糸の外側表面に緻密層を形成した複合
膜が、例えばドープを一旦気相中に押し出し、次いで凝
固液中に浸せきし固化させるいわゆる公知の乾湿式法で
容易に製造する事ができ、その量産性と、得られる複合
膜の気体の透過・選択特性に優れるため好ましい。また
中空糸複合膜の寸法は、ノズルの寸法、ドープの押し出
し量、紡糸ドラフト等を適宜調整することにより、実用
用途に適した外径、内径等に適宜調整できる。
【0064】中空状にドープを押し出す時の芯材として
使用する流体は気体でも液体でも良く、例えば窒素、空
気等の気体又は、水、プロパノール、エタノール、メタ
ノール、グリセリン及びこれらの混合液体等が使用でき
る。また必要に応じて、これらの液体芯材に、例えば塩
化リチウム、臭化リチウム、塩化カリウム、等の無機塩
類又は、N-メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセト
アミド等の該樹脂の溶剤又は、アセトン、メチルエチル
ケトン、キシレン、トルエン、酢酸等の該樹脂の貧溶剤
を適宜添加する事ができる。
【0065】ドープを押し出す雰囲気は、例えば空気、
窒素等の気相であっても良いし、溶剤等の蒸気雰囲気で
あってもよい。雰囲気は適宜、気流の調整、また必要に
応じて温度、湿度等を調整する事ができる。
【0066】多重円環ノズルから、中空糸状に同時に押
し出された多層構造の重合体ドープは、凝固液と接触さ
せる事により完全に凝固できる。凝固液は前記ポリイミ
ダゾピロロン前駆体及び複合膜の多孔質支持層を形成す
る各種重合体を凝固するのに十分な貧溶剤であればよ
く、例えばN-プロパノール、イソプロパノール、メタ
ノール、エタノール等の低級アルコール類、アセトン、
水等から選ばれる一種以上の混合液体が使用できる。好
ましくは水又は水と他の有機溶剤の混合液体である。ま
た必要に応じて水又は水溶液の水素イオン濃度を調整し
てもよい。本発明の製造方法は、さらにこのようにして
得られたポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体の
前駆体かならなる緻密層を有する高分子層と、多孔質支
持層の2層構造からなる中空糸複合膜を加熱処理する事
により該前駆体を縮重合させ、ポリ(イミダゾピロロン
−イミド)化する事を特徴とする。加熱条件は、該前駆
体の緻密層が実質的にポリ(イミダゾピロロン−イミ
ド)共重合体に変化する条件であり、且つ多孔層を形成
する重合体の多孔質構造が実質的に変性しない条件であ
れば良い。好ましくは、減圧下又は不活性ガス雰囲気で
200℃〜450℃、より好ましくは250〜400℃
で30分〜24時間、好ましくは2時間〜8時間の加熱
処理である。ここでいう減圧下とは、中空糸複合膜を構
成する樹脂が熱処理中酸化等の熱劣化の影響を実質的に
受けない程度であれば良く、200トール以下、好まし
くは20トール以下の減圧雰囲気である。また不活性ガ
スとして窒素、アルゴン、ヘリウム等が好適に挙げられ
る。
【0067】加熱処理は、凝固により得られた中空糸複
合膜を、そのまま連続的に加熱処理することもできる
し、適当な長さにそろえた中空糸複合膜の束の状態で行
ってもよく、またモジュール化の後に行っても良い。
【0068】加熱処理による、該前駆体からポリ(イミ
ダゾピロロン−イミド)共重合体への変化は赤外吸収ス
ペクトルにより容易に確認できる。また得られた複合膜
に残存する有機溶剤及び各種添加剤は実質的に除去され
ることが好ましく、除去は例えば温水洗浄及び/又は残
留溶剤を可溶する低沸点溶剤で洗浄及び置換した後に真
空加熱乾燥を行う等の公知の方法で実施できる。残留有
機溶剤特にドープ用溶剤の除去はポリイミダゾピロロン
化の為の加熱処理行程の前に行う事が好ましい。
【0069】
【発明の実施の形態】本発明は、例えば複合膜の場合、
上述のテトラカルボン酸二無水物(A)と、アミン成分
(D)とを等モル量部分縮重合させ、これを溶剤に溶か
して緻密層用紡糸ドープとし、多孔質層を形成する樹脂
を溶剤に溶かし多孔質層用紡糸ドープとし、これを、多
重円環ノズルから共押し出しし、押し出された中空糸状
膜を加熱処理することにより実施する。得られた中空糸
膜は例えばモジュール化して空気分離膜として窒素又は
酸素富化空気の製造や水の脱気等の用途に使用する。
【0070】
【実施例】本発明を以下実施例によりさらに詳しく説明
する。 [実施例1]窒素雰囲気下、室温で、アミン成分(D)
としてジアミノベンジジン0.15モル[テトラアミン
(B)]及び3,3'−ジヒドロキシベンジジン0.15
モル[ジアミン(C)]を、脱水処理したN,N'−ジメ
チルアセトアミド(以下DMACと略記する)1000
gに溶解し、次いでこの溶液を氷冷しながら、テトラカ
ルボン酸二無水物(A)として6FDA0.3モル溶解
したDMAC850gの溶液をゆっくりと滴下した。滴
下終了後氷冷しつつ4時間攪拌したのち、この溶液に約
0.9モル量のピリジンを添加し十分攪拌した後、次い
で約0.9モル量の無水酢酸を添加しさらに3時間攪拌
した。得られた反応溶液を多量の水中に落とし、固形物
を分離した。得られた固形物をさらに多量の水で数回洗
浄し、十分に溶剤置換を行った後、この固形物を約10
0℃の真空オーブン中で十分乾燥してポリ(イミダゾピ
ロロン−イミド)共重合体の前駆体固形物を得た。得ら
れた固形物をイソプロピルアルコールをわずかに添加し
たDMACに24重量部溶解し、孔径20μmのステン
レスフィルターで濾過し、次いで減圧脱泡を行い紡糸ド
ープ(a)を得た。マトリイミド5218(チバガイギ
ー社:可溶性ポリイミド)と、コーネックス(帝人株式
会社:ポリメタフェニレンイソフタルアミド)を、4/
6重量比で、DMACに25重量部溶解し、孔径20μ
mのステンレスフィルターでろ過し、減圧脱泡を行い紡
糸用ドープ(b)を得た。これらのドープ液を、円管外
径よりφ1.8−φ1.5−φ1.1−φ0.45−φ0.
23[mm]の多重円管ノズルを使用し、中心部円管よ
り水を流しつつ、内側の円環より複合膜の多孔質支持層
を形成させる為のドープ(b)を約3.2g/minの
吐出量で、外側の円環より約50℃に加温したポリ(イ
ミダゾピロロン−イミド)前駆体のドープ液(a)を約
0.7g/minの吐出量で、同時に空気雰囲気中に吐
出した後、連続して5℃に調整したイソプロピルアルコ
ール/水が65/35重量部である混合凝固液中に導入
し凝固させ、連続して約20m/minの巻き取り速度
でボビンに巻き取った。得られた中空糸を流水中へ浸漬
し十分に洗浄した後、水切り乾燥を行い、さらに水/イ
ソプロピルアルコールの7/3重量部の混合液に一晩浸
せきした後、約120℃で十分な真空乾燥を行った。次
いで真空中で350℃で8時間熱処理を行い該前駆体を
ポリ(イミダゾピロロン−イミド)化した。得られた中
空糸複合膜は、内径約220μm、外径約470μm、中
空糸断面の顕微鏡観察により、中空糸内側多孔質支持層
厚さ/中空糸外側ポリ(イミダゾピロロン−イミド)層
厚さの比が約6:1であり、中空糸外表面に緻密層を有
する中空糸複合膜であった。得られた中空糸複合膜の各
気体透過速度をそれぞれ純ガスを使用し25℃雰囲気、
ΔP=約2[kg/cm2]でASTM D1434に
準じて圧力法で測定した。結果を以下に示す。 酸素:2.71×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] 窒素:0.28×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg]
【0071】[実施例2] 窒素雰囲気下、室温でアミ
ン成分(D)としてジアミノベンジジン0.15モル
[テトラアミン(B)]、3,3'−ジヒドロキシベンジ
ジン0.09モル[ジアミン(C)]、及び9,9−ビス
(4−アミノフェニル)フルオレン0.06モル[その
他のアミン]を、脱水処理したDMAC1200gに溶
解した。次いでこの溶液を氷冷し、テトラカルボン酸二
無水物(A)として6FDA0.3モル溶解したDMA
C850gの溶液をゆっくりと溶液を攪拌しながら滴下
し、滴下終了後氷冷下で4時間攪拌した。次いでこの溶
液に約0.9モル量のピリジンを添加し十分攪拌し、次
いで0.9モル量の無水酢酸を添加しさらに3時間攪拌
した。得られた反応溶液を多量の水の中に落とし、固形
物を分離した。さらに多量の水で数回洗浄し、十分に溶
剤置換を行った後、この固形物を約100℃の真空オー
ブン中で乾燥してポリ(イミダゾピロロン−イミド)共
重合の前駆体の固形物を得た。紡糸ドープ(a)を、得
られた(イミダゾピロロン−イミド)共重合体の前駆体
を用いて調整した以外、実施例1と同様の方法でポリ
(イミダゾピロロン−イミド)共重合体からなる緻密層
を有する中空糸複合膜を得た。得られた中空糸複合膜の
酸素透過速度と窒素透過速度を実施例1と同様の方法で
測定した。結果を以下に示す。 酸素:6.67×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] 窒素:0.76×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] 二酸化炭素:33.24×10ー5[cm3(STP)/cm2
sec・cmHg]
【0072】[実施例3]窒素雰囲気下、室温で、アミ
ン成分(D)として、ジアミノベンジジン0.12モル
[テトラアミン(B)]、3,3'−ジアミノ−4,4'−
ジヒドロキシビフェニル[ジアミン(C)]0.12モ
ル、及び9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレ
ン0.06モル[その他のアミン]を、脱水処理したD
MAC1000gに溶解し、次いでこの溶液を氷冷しな
がら、テトラカルボン酸二無水物(A)として6FDA
0.3モル溶解したDMAC850gの溶液をゆっくり
と滴下した。滴下終了後氷冷しつつ6時間攪拌した後、
得られた反応溶液を多量の水中に落とし、固形物を分離
した。得られた固形物をさらに多量の水で数回洗浄し、
十分に溶剤置換を行った後、この固形物を約100℃の
真空オーブン中で十分乾燥してポリ(イミダゾピロロン
−イミド)共重合体の前駆体固形物を得た。得られた固
形物をイソプロピルアルコールをわずかに添加したDM
ACに25重量部溶解し、孔径20μmのステンレスフ
ィルターで濾過し、次いで減圧脱泡を行い紡糸ドープ
(a)を得た。
【0073】紡糸ドープ(a)として得られた(イミダ
ゾピロロン−イミド)共重合体の前駆体を用いて調製し
た以外、実施例1と同様の方法でポリ(イミダゾピロロ
ン−イミド)共重合体からなる緻密層を有する中空糸複
合膜を得た。 酸素:3.10×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] 窒素:0.33×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg]
【0074】[実施例4]アミン成分(D)として、ジ
アミノベンジジン0.15モル[テトラアミン
(B)]、及び4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピ
リデン)ビス[2−アミノ−フェノール)0.15モル
[ジアミン(C)]を使用した以外,実施例1と同じ方
法でポリ(イミダゾピロロン−イミド)前駆体の固形物
を得た。得られた固形物をイソプロピルアルコールをわ
ずかに添加したDMACに25重量部溶解し、孔径20
μmのステンレスフィルターで濾過し、次いで減圧脱泡
を行い該前駆体の紡糸ドープ(a)を得た。また、マト
リイミド5218/コーネックス/レーデルA−100
(アモコパフォーマンスプロダクツ社:ポリエーテルス
ルフォン)を3/6/1重量比で、DMACに25重量
部溶解し、孔径20μmのステンレスフィルターでろ過
し、減圧脱泡を行い紡糸用ドープ(b)を得た。上記の
紡糸ドープ(a)と(b)を使用する以外実施例1と同
様の方法でポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体
からなる緻密層を有する中空糸複合膜を得た。得られた
中空糸複合膜の酸素透過速度と窒素透過速度を実施例1
と同様の方法で測定した。結果を以下に示す。 酸素:3.59×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] 窒素:0.51×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg]
【0075】[実施例5]紡糸ドープ(b)の組成をポ
リベンゾイミダゾール/コーネックス/DMAC=10
/16/74重量%に調製し、熱処理を300℃で6時
間行った以外、実施例1と同じ方法で中空糸複合を得
た。尚使用したポリベンゾイミダゾールはジアミノベン
ジジンとイソフタル酸を常法にて重合して得られたポリ
マーを使用した。得られた中空糸複合膜の酸素透過速度
と窒素透過速度を実施例1と同様の方法で測定した。結
果を以下に示す。 酸素:3.25×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] 窒素:0.38×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] [実施例6]紡糸ドープ(b)の組成を、コーネックス
(帝人株式会社:ポリメタフェニレンイソフタルアミ
ド)/NMP/イソプロピルアルコール=20/81/
1重量部の溶液に調製し、熱処理を300℃で5時間行
った以外、実施例1と同じ方法で中空糸複合を得た。得
られた中空糸複合膜の酸素透過速度と窒素透過速度を実
施例1と同様の方法で測定した。結果を以下に示す。 酸素:2.12×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] 窒素:0.26×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg]
【0076】[実施例7]アミン成分(D)を、1,2,
4,5−テトラアミノベンゼン0.06モル[テトラアミ
ン(B)]と、3,3',4,4'−テトラアミノジフェニ
ルエーテル0.18モル[テトラアミン(B)]、と、
3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシベンジジン
0.06モル[ジアミン(C)]とした以外実施例1と
同じ方法で重合したポリ(イミダゾピロロン−イミド)
共重合体の前駆体を紡糸ドープ(a)とした以外、実施
例1と同じ方法で中空糸複合膜を得た。得られた中空糸
複合膜の酸素透過速度と窒素透過速度を実施例1と同様
の方法で測定した。結果を以下に示す。 酸素:1.54×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] 窒素:0.18×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg]
【0077】(比較例1)アミン成分としてジアミノベ
ンジジン0.15モルと2,2−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)]ヘキサフルオロプロパン0.15モルを
使用した以外、実施例1と同様の方法でポリ(イミダゾ
ピロロン−イミド)共重合体の前駆体の固形物を得た。
紡糸ドープ(a)にこのポリ(イミダゾピロロン−イミ
ド)共重合体の前駆体を用いる以外実施例1と同様の方
法でポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体からな
る緻密層を有する中空糸複合膜を得た。
【0078】得られた中空糸複合膜の酸素透過速度と窒
素透過速度を実施例1と同じ方法で測定した。結果を以
下に示す。 酸素:5.90×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] 窒素:1.24×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] 以上より、アミン成分(D)中に本発明の必須成分であ
るジアミン(C)を有さない場合は、酸素と窒素の分離
係数が低いことがわかる。
【0079】(比較例2)窒素雰囲気下、室温で3,3'
−ジヒドロキシベンジジン0.3モルを脱水処理したD
MAC950gに溶解した。次いで窒素雰囲気下で攪拌
しつつ6FDA0.3モルの粉体を5回に分けて10分
置きに投入した。投入終了後さらに室温で2.5時間攪
拌した。その後この反応溶液にさらにDMACを100
0g加え、次いで1.2モル量の無水酢酸と、1.2モル
量のピリジンを添加し、窒素雰囲気下、室温で1時間攪
拌の後、55℃まで昇温してさらに2時間攪拌した。室
温付近まで放冷後、得られた反応溶液を多量のイソプロ
パノール中に落とし、濾過し固形物を分離した。得られ
た固形物をさらに多量のエタノールで十分洗浄した後、
約100℃の真空オーブン中で乾燥してポリイミドの粉
末を得た。紡糸ドープ(a)にこのポリイミドを用いる
以外実施例1と同様の方法でポリイミドからなる緻密層
を有する中空糸複合膜を得た。得られた中空糸複合膜の
酸素透過速度と窒素透過速度を実施例1と同じ方法で測
定した。結果を以下に示す。 酸素:0.88×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] 窒素:0.11×10ー5[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg] 以上より、ポリイミドのみからなる緻密層であると、気
体の透過速度が低いことがわかる。
【0080】(比較例3)窒素雰囲気下、室温で3,4,
4'−トリアミノジフェニルエーテルを、ジアミノベン
ジジン10ミリモルを脱水処理したDMAC50gに溶
解し、この溶液にトリエチルアミンを10ミリモル添加
した。次いでこの溶液を氷冷しながら、6FDA10.
1ミリモル溶解したDMAC溶液50gをゆっくりと滴
下し、滴下終了後氷水浴中で冷却しつつ4時間攪拌し
た。得られた重合溶液をシャーレに流延し、乾燥器内で
70℃、4時間乾燥後、この膜を200℃で4時間真空
中で熱処理した後、さらに330℃で真空中で4時間熱
処理を行い厚さ約27μmのフィルムを得た。得られた
フィルムの酸素と窒素の気体透過係数をそれぞれ純ガス
を使用し25℃雰囲気、ΔP=約2[kg/cm2]で
ASTM D1434に準じて圧力法で測定した。結果
を以下に示す。 酸素:5.68×10-10[cm3(STP)・cm/cm2
sec・cmHg] 窒素:1.04×10ー10[cm3(STP)・cm/cm2
sec・cmHg] 以上より、アミン成分(D)中に本発明の必須成分であ
るジアミン(C)を有さない場合は、酸素と窒素の分離
係数が低いことがわかる。
【0081】(比較例4)窒素雰囲気下、室温で1,2,
4,5−テトラアミノベンゼン10ミリモルを脱水処理
したDMAC60gに溶解し、この溶液にトリエチルア
ミンを10ミリモル添加した。次いでこの溶液を氷冷し
ながら、6FDA10.1ミリモル量溶解したDMAC
溶液50gをゆっくりと滴下し、滴下終了後氷水浴中で
冷却しつつ4時間攪拌した。得られた重合溶液をシャー
レに流延し、乾燥器内で70℃、4時間乾燥後、この膜
を200℃4時間真空中で熱処理した後、さらに330
℃で4時間真空中で熱処理を行い製膜した、得られたフ
ィルムはもろく、亀裂が生じ易く気体透過特性は測定で
きなかった。 (比較例5)窒素雰囲気下、室温でジアミノベンジジン
5ミリモルと4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
0.5ミリモルを脱水処理したDMAC60gに溶解
し、次いでこの溶液を氷冷しながら、6FDA10.1
ミリモル量溶解したDMAC溶液50gをゆっくりと滴
下し、滴下終了後氷水浴中で冷却しつつ4時間攪拌し
た。得られた重合溶液をシャーレに流延し、乾燥器内で
70℃、4時間乾燥後、この膜を200℃4時間真空中
で熱処理した後、さらに330℃で4時間真空中乾燥忌
中で減圧下熱処理を行い製膜した。得られたフィルムの
酸素と窒素の気体透過係数をそれぞれ純ガスを使用し2
5℃雰囲気、ΔP=約2[kg/cm2]でASTM
D1434に準じて圧力法で測定した。結果を以下に示
す。 酸素:11.31×10-10[cm3(STP)・cm/cm2
・sec・cmHg] 窒素:2.21×10ー10[cm3(STP)・cm/cm2
sec・cmHg] 以上より、アミン成分(D)中に本発明の必須成分であ
るジアミン(C)を有さない場合は、酸素と窒素の分離
係数が低いことがわかる。
【0082】
【発明の効果】特に優れた気体透過・分離性を示し、且
つ、耐溶剤性、耐熱性、可撓性等の、実用膜として適用
可能な優れた物理的特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための多層押し出しノズルの
模式図である。Aはノズル断面図、Bはノズル吐出口の
形状である。
【符号の説明】
1 内管液通路 2 ドープ液”(b)”通路 3 ドープ液”(a)”通路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 から選ばれる一種以上のテトラカルボン酸二無水物
    (A)、並びに、 【化2】 から選ばれる一種以上のテトラアミン(B)と 【化3】 から選ばれる一種以上のジアミン(C)とを必須成分と
    して含有する、テトラカルボン酸二無水物(A)と等モ
    ル量のアミン成分(D)を縮重合させたポリ(イミダゾ
    ピロロン−イミド)共重合体からなる緻密層を有するこ
    とを特徴とする、ポリ(イミダゾピロロン−イミド)共
    重合体分離膜。
  2. 【請求項2】テトラカルボン酸二無水物(A)が4,4'
    −(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無
    水物であり、テトラアミン(B)が3,3',4,4'−テ
    トラアミノビフェニル、1,2,4,5−テトラアミノベ
    ンゼン、3,3',4,4'−テトラアミノジフェニルエー
    テルから選ばれる一種以上のテトラアミンであり、ジア
    ミン(C)が4,4'−(ヘキサフルオロイソプロピリデ
    ン)ビス[2−アミノ−フェノール]、3,3'−ジヒド
    ロキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジアミ
    ノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニルから選ばれる一種
    以上のジアミンである請求項1記載の分離膜。
  3. 【請求項3】テトラアミン(B)とジアミン(C)との
    モル比が7/3〜3/7であり、且つテトラアミン
    (B)とジアミン(C)の合計モル量が、アミン成分
    (D)の全モル量の30%〜100%である請求項1又
    は2記載の分離膜。
  4. 【請求項4】分離膜が中空糸複合膜である請求項1〜3
    のいずれか1項記載の分離膜。
  5. 【請求項5】多孔質支持層を形成する樹脂がポリイミド
    樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、
    ポリベンゾイミダゾール樹脂、芳香族ポリアミド樹脂か
    ら選ばれる1種以上の樹脂からなる混合物であることを
    特徴とする請求項4に記載の分離膜。
  6. 【請求項6】 【化4】 から選ばれる一種以上のテトラカルボン酸二無水物
    (A)、並びに、 【化5】 から選ばれる一種以上のテトラアミン(B)と 【化6】 から選ばれる一種以上のジアミン(C)とを必須成分と
    して含有する、テトラカルボン酸二無水物(A)と等モ
    ル量のアミン成分(D)を重合させた、溶剤可溶性のポ
    リ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体前駆体のドー
    プ(a)と、多孔質支持層を形成するための重合体のド
    ープ(b)とを、多重円環ノズルを用い、同時に多層構
    造の中空糸状に共押し出しを行い、次いで凝固液と接触
    させ凝固させた後、該ポリ(イミダゾピロロン−イミ
    ド)共重合体前駆体を、加熱によりポリ(イミダゾピロ
    ロン−イミド)共重合体化する事を特徴とする、ポリ
    (イミダゾピロロン−イミド)共重合体からなる緻密層
    を有するポリ(イミダゾピロロン−イミド)共重合体中
    空糸複合膜の製造方法。
  7. 【請求項7】テトラカルボン酸二無水物(A)が4,4'
    −(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無
    水物であり、テトラアミン(B)が3,3’,4,4'−
    テトラアミノビフェニル、1,2,4,5−テトラアミノ
    ベンゼン、3,3',4,4'−テトラアミノジフェニルエ
    ーテルから選ばれる一種以上のテトラアミンであり、ジ
    アミン(C)が4,4'−(ヘキサフルオロイソプロピリ
    デン)ビス[2−アミノ−フェノール]、3,3'−ジヒ
    ドロキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジア
    ミノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニルから選ばれる一
    種以上のジアミンである請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 テトラアミン(B)とジアミン(C)と
    のモル比が、7:3〜3:7であり、且つテトラアミン
    (B)とジアミン(C)の合計モル量がアミン成分
    (D)の30%〜100%である請求項6又は7記載の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 多孔質支持層を形成する為の樹脂ドープ
    (b)が、ポリイミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリ
    エーテルイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、芳
    香族ポリアミド樹脂から選ばれる1種以上の樹脂からな
    る混合物であることを特徴とする請求項6〜8いずれか
    1項記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 加熱を、減圧下又は不活性ガスの雰囲
    気下で250℃〜400℃で行う事を特徴とする請求項
    6〜9のいずれか1項記載の製造方法。
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