JP2000342189A - 低フェニルアラニンペプチド混合物の製造方法 - Google Patents

低フェニルアラニンペプチド混合物の製造方法

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JP2000342189A
JP2000342189A JP11155725A JP15572599A JP2000342189A JP 2000342189 A JP2000342189 A JP 2000342189A JP 11155725 A JP11155725 A JP 11155725A JP 15572599 A JP15572599 A JP 15572599A JP 2000342189 A JP2000342189 A JP 2000342189A
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phenylalanine
peptide mixture
hydrophobic synthetic
porous hydrophobic
average pore
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JP11155725A
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Hiroki Hayasawa
宏紀 早澤
Hiroshi Miyagawa
博 宮川
Yasushi Kawaguchi
靖 川口
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な低フェニルアラニンペプチド混合物の
製造方法を提供する。 【解決手段】 原料蛋白質を蛋白質分解酵素により加水
分解し、原料蛋白質に含まれるフェニルアラニンの総量
に対する遊離のフェニルアラニン量が60乃至90(重
量)%の範囲であるペプチド混合物を調製し、該ペプチ
ド混合物1重量部(乾燥重量)に対して、それぞれ平均
細孔径2乃至8nm及び平均細孔径12乃至30nmを
有する2種類のポーラス型疎水性合成吸着剤の合計10
乃至20重量部からなる吸着剤に該ペプチド混合物を同
時又は個別に接触させ、遊離のフェニルアラニン及びフ
ェニルアラニンを含むペプチドを吸着除去することを特
徴とする低フェニルアラニンペプチド混合物の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェニルアラニン
を実質的に含有せず、かつ原料蛋白質に対するペプチド
混合物の回収率において優れる低フェニルアラニンペプ
チド混合物の製造方法に関するものである。
【0002】詳しくは、本発明は、原料蛋白質を蛋白質
分解酵素により加水分解し、原料蛋白質に含まれるフェ
ニルアラニンの総量に対する遊離のフェニルアラニン量
が60乃至90(重量)%の範囲であるペプチド混合物
を調製し、該ペプチド混合物1重量部(乾燥重量)に対
して、それぞれ平均細孔径2乃至8nm及び平均細孔径
12乃至30nmを有する2種類のポーラス型疎水性合
成吸着剤の合計10乃至20重量部からなる吸着剤に該
ペプチド混合物を同時又は個別に接触させ、遊離のフェ
ニルアラニン及びフェニルアラニンを含むペプチドを吸
着除去することを特徴とする低フェニルアラニンペプチ
ド混合物の製造方法に関するものである。
【0003】本明細書において、百分率は特に断りのな
い限り、重量による表示である。
【0004】
【従来の技術】フェニルアラニンを実質的に含有しない
ペプチド混合物が要求される理由は次のとおりである。
即ち、芳香族アミノ酸の摂取が制限される病気の食事療
法、例えば、フェニルケトン尿症患者の食事療法におい
ては、血液中のフェニルアラニン濃度が上昇しないよう
通常の食品の摂取量を少なくして、これにより不足する
蛋白質(フェニルアラニンを除く)、カロリー、及びそ
の他の栄養成分を、低フェニルアラニン食品から摂取し
ている。この場合に、通常食品と低フェニルアラニン食
品との混合割合は、血液中のフェニルアラニン濃度を定
期的に検査しながら厳密に計算して決定されるため、低
フェニルアラニン食品中のフェニルアラニン含有量がゼ
ロ又は実質的に含有しない量であれば、通常食品との混
合割合を決定する計算が容易となり、更に通常食品の使
用割合を増やすことができ、患者にとっての経済的及び
心理的負担は軽減されるという利点がある。この点か
ら、従来は、フェニルアラニンを含有しないアミノ酸混
合物の使用が一般的であったが、アミノ酸混合物は、風
味が悪く、浸透圧が高く消化吸収性に劣るという問題点
があり、アミノ酸混合物に代わる蛋白質供給源として、
風味及び消化吸収性が良好なペプチド混合物であってフ
ェニルアラニンを実質的に含有しないものが切望されて
いた。
【0005】前記の理由から従来、低フェニルアラニン
ペプチド混合物の製造方法が開発されており、その方法
を例示すれば次のとおりである。
【0006】原材料として理論的にフェニルアラニンを
含有しないκ−カゼイングリコマクロペプチド(以下、
GMPと記載することがある。)を用いる方法(特開平
2−300137号公報。以下、従来技術1と記載す
る。)、原料蛋白質を蛋白質分解酵素により加水分解
し、活性炭等の吸着剤を使用し、フェニルアラニン等の
芳香属アミノ酸及び芳香属アミノ酸に富むペプチドを吸
着除去するオリゴペプチド混合物の製造方法(特開平3
−272694号公報。以下、従来技術2と記載す
る。)等が知られている。
【0007】また、従来技術2における出発原料である
蛋白質を前処理し、吸着剤として活性炭を使用すること
により、フェニルアラニンを実質的に含有しないペプチ
ド混合物の製造を可能としたペプチド混合物の製造方法
(特開平5−276896号公報。以下、従来技術3と
記載する。)が知られている。この従来技術3には、吸
着剤として多孔性合成吸着剤、いわゆるポーラス型疎水
性合成吸着剤が使用可能であることも開示されている。
【0008】また、一種類のスチレンとジビニルベンゼ
ンの架橋樹脂化合物である吸着樹脂(Amberlite XAD-1
6:ポーラス型疎水性合成吸着剤の一種)を使用してペ
プチド混合物を吸着分画することにより、フェニルアラ
ニンを実質的に含有しないペプチド混合物の製造を可能
としたペプチド混合物の製造方法(特表平7−5063
75号公報。以下、従来技術4と記載する。)が知られ
ている。
【0009】更に、加水分解により分解液中に遊離した
フェニルアラニンの量を酵素膜センサー又は高速液体ク
ロマトグラフィーを使用して、経時的に、かつ短時間で
測定し、原料蛋白質に含まれるフェニルアラニンの総量
に対する遊離のフェニルアラニン量の割合を算出し、そ
の算出した値が予め設定された特定の範囲内(85〜9
5%)に達したときに直ちに加水分解を停止し、活性
炭、疎水性吸着樹脂等を使用してフェニルアラニンを除
去することからなるフェニルアラニン含有量が少ないペ
プチド混合物の製造方法(特開平8−140693号公
報。以下、従来技術5と記載する。)が開示されてい
る。
【0010】しかしながら、これらの従来技術には、次
に記載するとおりの不都合があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術に開示
されているとおり、各種の低フェニルアラニンペプチド
混合物の製造方法が開発されていた。しかしながら、前
記従来技術の低フェニルアラニンペプチド混合物の製造
方法は、フェニルアラニンの除去率、原料蛋白質に対す
るペプチド混合物の回収率等が不十分であるという問題
点があった。
【0012】即ち、前記従来技術1の原材料として用い
られるGMPは、その原料であるκ−カゼインが牛乳カ
ゼインの13%程度含有されるに過ぎず、更にGMPの
含有量はその内の1%であり、フェニルアラニンを含有
する他の牛乳蛋白質と完全に分離、精製するためには、
極めて煩雑な工程を要し、実用的な原料蛋白質とはいえ
ないという問題点があった。
【0013】また、前記従来技術2及び従来技術5にお
いては、ペプチド混合物中にフェニルアラニンが相当量
(フェニルアラニン含有率0.1%以上)残存してお
り、フェニルアラニンの除去率が不十分であり、フェニ
ルアラニンを実質的に含有しないペプチド混合物ではな
いという問題点があった。
【0014】更に、前記従来技術3及び従来技術4にお
いて、吸着剤として活性炭又は一種類のポーラス型疎水
性合成吸着剤を使用することにより前記問題点を解決
し、フェニルアラニンを実質的に含有しないペプチド混
合物の製造を可能としているが、原料蛋白質に対するペ
プチド混合物の回収率が低く、従来技術3は後記する試
験例からも明らかなとおり40%以下であり、また従来
技術4は39.8%であって、回収率が不十分であると
いう問題点があった。
【0015】本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、フ
ェニルアラニンの除去率の向上、及び原料蛋白質に対す
るペプチド混合物の回収率の向上を目的とし、後記する
試験例に一部示されるとおり、種々の低フェニルアラニ
ンペプチド混合物の製造方法、特に種々の原料蛋白質の
加水分解条件及び種々のポーラス型疎水性合成吸着剤の
組み合わせについて試験した。
【0016】その結果、本発明者らは、原料蛋白質を蛋
白質分解酵素により、原料蛋白質に含まれるフェニルア
ラニンの総量に対する遊離のフェニルアラニン量が60
乃至90(重量)%の範囲まで加水分解し、得られたペ
プチド混合物を、2種類のポーラス型疎水性合成吸着剤
を特定量使用し、遊離のフェニルアラニン及びフェニル
アラニンを含むペプチドを吸着除去する低フェニルアラ
ニンペプチド混合物の製造方法が、従来技術に比較し
て、フェニルアラニンの除去率及び原料蛋白質に対する
ペプチド混合物の回収率に優れていることを見い出し、
本発明を完成した。
【0017】本発明の目的は、新規な低フェニルアラニ
ンペプチド混合物の製造方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明は、原料蛋白質を蛋白質分解酵素により加水分解し、
原料蛋白質に含まれるフェニルアラニンの総量に対する
遊離のフェニルアラニン量が60乃至90%の範囲であ
るペプチド混合物を調製し、該ペプチド混合物1重量部
(乾燥重量)に対して、それぞれ平均細孔径2乃至8n
m及び平均細孔径12乃至30nmを有する2種類のポ
ーラス型疎水性合成吸着剤の合計10乃至20重量部か
らなる吸着剤に該ペプチド混合物を同時又は個別に接触
させ、遊離のフェニルアラニン及びフェニルアラニンを
含むペプチドを吸着除去することを特徴とする低フェニ
ルアラニンペプチド混合物の製造方法であり、吸着剤
が、平均細孔径2乃至8nmのポーラス型疎水性合成吸
着剤:平均細孔径12乃至30nmのポーラス型疎水性
合成吸着剤の重量比において4:6乃至6:4からなる
こと(以下、態様1と記載する。)を望ましい態様とし
てもいる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳細に説明
する。
【0020】本発明の方法に使用される原料蛋白質は、
獣乳、卵、魚肉、畜肉等に由来する動物性蛋白質、大
豆、小麦等に由来する植物性蛋白質、カビ、酵母、細菌
等に由来する微生物蛋白質、又はこれらの任意の混合物
であり、特に限定されるものではない。また、これらの
蛋白質を、限外濾過、イオン交換樹脂等の処理により濃
縮した蛋白質濃縮物も使用できる。更に、前記蛋白質を
予め軽度に加水分解した分解物であって、比較的大きな
分子量を有するペプチド混合物を出発原料とすることも
できる。
【0021】この原料蛋白質を水又は温湯に分散し、溶
解する。該溶解液の濃度は格別の制限はないが、通常、
5〜15%程度の蛋白質濃度とすることが効率性及び操
作性の点から望ましい。
【0022】次いで、前記蛋白質溶液を65〜90℃で
1〜30分間程度加熱殺菌することが、雑菌の汚染によ
る腐敗防止の点から望ましい。
【0023】本発明の原料蛋白質の加水分解方法は、原
料蛋白質に含まれるフェニルアラニンの総量に対する遊
離のフェニルアラニン量が60乃至90%の範囲である
ペプチド混合物を調製できる方法であれば特に限定され
るものではなく、常法に従って、蛋白質分解酵素法によ
って行う。具体的には、原料蛋白質に含まれるフェニル
アラニンの総量に対する遊離のフェニルアラニン量が6
0乃至90%の範囲であるペプチド混合物を調製できる
酵素の種類、量、温度、pH、加水分解時間等の蛋白質
分解酵素法による加水分解条件を予備実験で設定し、の
ちペプチド混合物を調製する。
【0024】また、より簡便には、前記従来技術5のペ
プチド混合物の製造方法に従って、加水分解により分解
液中に遊離したフェニルアラニンの量を酵素膜センサー
又は高速液体クロマトグラフィーを使用して、経時的
に、かつ短時間で測定し、原料蛋白質に含まれるフェニ
ルアラニンの総量に対する遊離のフェニルアラニン量の
割合を算出し、その算出した値が60乃至90%の範囲
内に達したときに直ちに加水分解を停止することにより
行うこともできる。
【0025】尚、加水分解の程度の指標として、原料蛋
白質に含まれるフェニルアラニンの総量に対する遊離の
フェニルアラニン量の百分率を用いたのは、この百分率
と加水分解の程度の相関関係が高いためであり、また、
その範囲を60乃至90%としたのは、後記する試験例
からも明らかなとおり、遊離のフェニルアラニン量が6
0%未満では、ペプチド混合物からフェニルアラニンを
十分に吸着除去できずフェニルアラニンが残存するため
であり、遊離のフェニルアラニン量が90%を超えるま
で加水分解した場合は、原料蛋白質に対する最終製品で
ある低フェニルアラニンペプチド混合物の回収率が低下
するためである。
【0026】本発明の原料蛋白質の加水分解の方法に使
用される蛋白質分解酵素は、動物由来(例えば、パンク
レアチン、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン
等)、植物由来(例えば、パパイン、ブロメライン
等)、微生物由来(例えば、乳酸菌、酵母、カビ、枯草
菌、放線菌等)のエンドプロテアーゼ及びエキソプロテ
アーゼ(ペプチダーゼ)、これらの粗精製物、菌体破砕
物等を例示することができる。原料蛋白質に含まれるフ
ェニルアラニンを速やかに遊離させ、低フェニルアラニ
ンのペプチド混合物を製造するためには、フェニルアラ
ニンに対して特異性を有するペプシン、キモトリプシン
等のエンドプロテアーゼ、及びフェニルアラニン等の芳
香属アミノ酸を末端に有するペプチドに対するペプチダ
ーゼ活性をもつ放線菌、酵母、黒麹菌等に由来するエキ
ソプロテアーゼを組み合わせて使用することが望まし
い。
【0027】前記原料蛋白質に対する蛋白質分解酵素の
使用量は、基質濃度、酵素力価、反応温度及び反応時間
により異なるが、一般的には、原料蛋白質1g当り50
〜10000活性単位の割合で酵素を単独、又は複数組
み合わせて添加することにより加水分解が行われる。
尚、酵素の添加は、一括、又は少量若しくは種類毎に分
割し、逐次添加することもできる。
【0028】また、蛋白質加水分解反応のpHは、使用
酵素の至適pHに対応して、pH2〜10の範囲から選
択される。具体的には、前記蛋白質溶液に酵素を添加す
る前に、使用酵素の種類によりpH2〜10の範囲内で
酸又はアルカリ剤の添加により所望のpHに調整するこ
とにより実施される。この場合、酸としては塩酸、クエ
ン酸、リン酸等を、また、アルカリ剤としては水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等をそれぞれ
例示することができる。
【0029】蛋白質加水分解反応の温度は、格別の制限
はなく、酵素作用の発現する最適温度範囲を含む実用に
供せられ得る範囲、即ち、通常30〜70℃の範囲から
選択される。温度を酵素の至適温度より低温又は高温、
例えば50〜60℃の範囲に維持することにより蛋白質
加水分解反応中の腐敗を防止することもできる。
【0030】蛋白質加水分解反応の時間は、使用酵素の
種類及び組合せ、反応温度、初発pH等の反応条件によ
って進行状態が異なることから、前記のとおり、予備実
験で設定された原料蛋白質に含まれるフェニルアラニン
の総量に対する遊離のフェニルアラニン量が60乃至9
0%の範囲であるを調製できる範囲で、反応継続時間を
決定する必要がある。
【0031】酵素反応の停止は、予備実験で設定された
加水分解条件に基づいて加水分解の程度が、原料蛋白質
に含まれるフェニルアラニンの総量に対する遊離のフェ
ニルアラニン量が60乃至90%の範囲内となった時点
で、酵素を失活又は除去することにより行う。失活操作
は加熱処理(例えば、85℃で15分間等)により行う
ことができる。また、除去操作は限外濾過膜(ウルトラ
フィルトレーション)等により実施することができる。
分解液中の酵素の失活又は除去後、必要に応じて、ケイ
ソウ土(例えば、セライト等)、精密濾過(マイクロフ
ィルトレーション)、限外濾過、遠心分離等の操作によ
り分解液から沈殿を除去する。
【0032】得られたペプチド混合物を含有する溶液
は、そのまま使用することもでき、また、必要に応じ
て、この溶液を逆浸透膜法等の公知の方法により濃縮し
た濃縮液として使用することもでき、更に、この濃縮液
を公知の方法により乾燥し、粉末として、後に行われる
ポーラス型疎水性合成吸着剤による処理の前に所定濃度
で水に溶解して使用することもできる。
【0033】本発明の方法に使用されるポーラス型疎水
性合成吸着剤は、直径数nm乃至数十nmの細孔が表面
に多数存在する多孔質構造を有している、いわゆるポー
ラス型であり、樹脂の表面積が大きく吸着性が高く、表
面は疎水性を呈しており、臭気成分、苦味成分、芳香族
アミノ酸等の疎水性物質を、ファン・デル・ワースル力
に基づく疎水性吸着することが知られており、活性炭と
同様な性質を有するが、吸着成分を脱離するための再生
工程が容易であり、工業的には活性炭より使用し易い吸
着剤である。
【0034】また、ポーラス型疎水性合成吸着剤は、主
にスチレン及びジビニルベンゼンの共重合体、又はメタ
クリル酸エステル系ポリマーを樹脂の母体構造として形
成するものである。これらの樹脂はイオン交換基が導入
されておらず、加熱、酸、アルカリ等の物理的及び化学
的処理に対して耐性なため、洗浄、殺菌が容易であっ
て、細菌汚染に対して注意を払うべき食品、医薬品等の
製造のために好適である。
【0035】更に、ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、樹脂の種類に基づき各種の異なった平均細孔径を有
する吸着剤が市販されており、平均細孔径の大きさが吸
着対象物質への親和性に大きく影響することから、平均
細孔径の大きさが吸着剤の選択の指標となるので、目的
に応じ、平均細孔径の大きさに基づいて吸着剤を選択す
る必要がある。
【0036】本発明の方法においては、後記する試験例
からも明らかなとおり、それぞれ平均細孔径2乃至8n
m及び平均細孔径12乃至30nmを有する2種類のポ
ーラス型疎水性合成吸着剤を使用することが低フェニル
アラニンペプチド混合物の製造のためには必要である。
【0037】本発明の方法に使用される平均細孔径2乃
至8nmを有するポーラス型疎水性合成吸着剤は、平均
細孔径が2乃至8nmを有するものであればいずれであ
ってもよいが、例えば市販のセパビーズSP−825、
セパビーズSP−850、ダイヤイオンHP−21(い
ずれも三菱化学社製)、アンバーライトXAD−4、ア
ンバーライトXAD−2000(いずれもローム&ハー
ス社製)等を使用することができる。
【0038】本発明の方法に使用される平均細孔径12
乃至30nmを有するポーラス型疎水性合成吸着剤は、
平均細孔径が12乃至30nmを有するものであればい
ずれであってもよいが、例えば市販のセパビーズHP1
MG、セパビーズHP2MG、セパビーズSP−20
6、ダイヤイオンHP−20(いずれも三菱化学社製)
等を使用することができる。
【0039】本発明の遊離のフェニルアラニン及びフェ
ニルアラニンを含むペプチドの吸着除去方法は、次のと
おり行う。
【0040】前記のとおり調製された原料蛋白質に含ま
れるフェニルアラニンの総量に対する遊離のフェニルア
ラニン量が60乃至90%の範囲であるペプチド混合物
を5乃至20%の濃度の溶液に調整し、前記の2種類の
ポーラス型疎水性合成吸着剤に同時又は個別に接触さ
せ、吸着処理を行う。
【0041】吸着処理は、前記ペプチド混合物と前記の
2種類のポーラス型疎水性合成吸着剤とが効率良く接触
する態様で行うことが望ましく、具体的には、一定量の
ペプチド混合物水溶液の入った容器又はタンクの中に、
スラリー状にした一定量のポーラス型疎水性合成吸着剤
を添加して所定時間攪拌若しくは静置するか、又はカラ
ムに充填した一定量のポーラス型疎水性合成吸着剤に一
定量のペプチド混合物水溶液を所定時間接触する態様で
通過させる方法により行われる。
【0042】カラム法で吸着処理を行う場合には、ペプ
チド混合物水溶液と吸着剤とが接触する時間は通常、空
間速度(Space Volume、以下、SVと記載する。)によ
り表され、吸着剤一体積に対して、同体積のペプチド混
合物水溶液が、1時間で通過する速度がSV=1(単
位;h-1)と定められ、この速度が遅いほどペプチド混
合物水溶液と合成吸着剤とが接触する時間が長くなり吸
着性が高まるが、極端に遅い場合には生産効率が悪くな
るので、通常はSV=0.5〜5h-1の範囲、望ましく
は1〜3h-1の範囲で行うことが望ましい。
【0043】また、吸着処理のpHは、フェニルアラニ
ン等の吸着対象物の吸着剤への吸着の機序が疎水性吸着
に基づくため、吸着対象物が電荷をもたないpH領域で
行うことが好ましく、通常、pH5〜7の範囲で吸着処
理を行うことが望ましい。
【0044】更に、吸着処理の温度は、ペプチド混合物
の物性、風味、細菌増殖等の衛生的条件が考慮されてい
ればいずれであってもよく、特に限定されるものではな
い。
【0045】また、吸着処理において、前記の2種類の
ポーラス型疎水性合成吸着剤は、混合して同時に使用す
ることができ、また、個別に使用すること、即ち、平均
細孔径2乃至8nmを有するポーラス型疎水性合成吸着
剤又は平均細孔径12乃至30nmを有するポーラス型
疎水性合成吸着剤のいずれか一方を使用して吸着処理
し、引き続いて他方のポーラス型疎水性合成吸着剤を使
用して吸着処理すること、のいずれの態様でも使用する
ことができる。
【0046】本発明の方法における吸着剤の使用量につ
いては、後記する試験例からも明らかなとおり、前記の
とおり調製された原料蛋白質に含まれるフェニルアラニ
ンの総量に対する遊離のフェニルアラニン量が60乃至
90%の範囲であるペプチド混合物1重量部(乾燥重
量)に対して、それぞれ平均細孔径2乃至8nm及び平
均細孔径12乃至30nmを有する2種類のポーラス型
疎水性合成吸着剤を合計10乃至20重量部使用するこ
とが低フェニルアラニンペプチド混合物の製造のために
必要である。
【0047】使用済の吸着剤は、酸又はアルカリ剤で洗
浄することにより、吸着されているフェニルアラニン等
の吸着対象物を容易に脱離して再生することができるの
で、反復使用が可能である。
【0048】尚、本発明の方法において吸着剤は、平均
細孔径2乃至8nmのポーラス型疎水性合成吸着剤:平
均細孔径12乃至30nmのポーラス型疎水性合成吸着
剤の重量比において、3:7乃至7:3の範囲で使用す
ることができ、この範囲で遊離のフェニルアラニン量に
応じて変更することが望ましく、遊離のフェニルアラニ
ン量が高い(例えば75%以上)ペプチド混合物を吸着
処理する場合には、平均細孔径2乃至8nmのポーラス
型疎水性合成吸着剤の重量比を多くすることが望まし
い。
【0049】また、態様1において記載されているとお
り、本発明の方法に使用される吸着剤が、平均細孔径2
乃至8nmのポーラス型疎水性合成吸着剤:平均細孔径
12乃至30nmのポーラス型疎水性合成吸着剤の重量
比において4:6乃至6:4からなることが、後記する
試験例からも明らかなとおり、フェニルアラニンの吸着
除去に優れており、かつ原料蛋白質に対するペプチド混
合物の回収率が一層優れることから望ましい。
【0050】以上の方法により、ペプチド混合物中のフ
ェニルアラニンをポーラス型疎水性合成吸着剤に効果的
に吸着させることができ、原料蛋白質に対するペプチド
混合物の回収率を良好に保持して、フェニルアラニンを
実質的に含有しない低フェニルアラニンペプチド混合物
を製造することができる。
【0051】得られた低フェニルアラニンペプチド混合
物を含有する溶液は、そのまま使用することもでき、ま
た、必要に応じて、この溶液を逆浸透膜法等の公知の方
法により濃縮した濃縮液として使用することもでき、更
に、この濃縮液を公知の方法により乾燥し、粉末として
使用することもできる。
【0052】以上の方法により得られた低フェニルアラ
ニンペプチド混合物は、後記する実施例からも明らかな
とおり、フェニルアラニンを実質的に含有せず、風味に
優れている。即ち、本発明の製造方法で得られる低フェ
ニルアラニンペプチド混合物の溶液、その濃縮液又は粉
末は、フェニルアラニンを実質的に含有せず、風味に優
れることから、芳香族アミノ酸の摂取が制限される病態
栄養食用(例えば、肝疾患患者用、フェニルケトン尿症
患者用)の蛋白質源、又は医薬品原料として応用可能で
有用である。
【0053】次に、試験例を示して本発明を詳細に説明
するが、本発明においては、次の試験方法を採用した。
【0054】(1)各アミノ酸の含有率の測定方法 トリプトファン、システイン及びメチオニン以外のアミ
ノ酸については、試料を6N塩酸で110℃、24時間
加水分解し、トリプトファンについては、水酸化バリウ
ムで110℃、22時間アルカリ分解し、システイン及
びメチオニンについては、過ぎ酸処理後、6N塩酸で1
10℃、18時間加水分解し、それぞれアミノ酸分析機
(日立製作所製:835型)により分析し、各アミノ酸
の質量(例えば、フェニルアラニンの総量)を測定し、
併せて全アミノ酸の質量を算出した。遊離の各アミノ酸
の質量(例えば、遊離のフェニルアラニンの質量)は、
試料を分解処理せずに、スルホサリチル酸で除蛋白し、
前記と同様の方法で測定した。
【0055】(2)原料蛋白質に含まれるフェニルアラ
ニンの総量に対する遊離のフェニルアラニン量の百分率
の算出方法 原料蛋白質に含まれるフェニルアラニンの総量に対する
遊離のフェニルアラニン量の百分率Aは、原料蛋白質に
含まれるフェニルアラニンの総量B、及び原料蛋白質を
蛋白質分解酵素により加水分解することにより得られる
ペプチド混合物に含まれる遊離のフェニルアラニン量C
を、前記(1)の方法に従って測定し、次の式により算
出した。
【0056】A(%)=(C/B)×100
【0057】(3)低フェニルアラニンペプチド混合物
中のフェニルアラニン含有率の算出方法 低フェニルアラニンペプチド混合物中のフェニルアラニ
ン含有率Dは、前記(1)の方法に従って測定した低フ
ェニルアラニンペプチド混合物の全アミノ酸の質量E、
及び前記(1)の方法に従って測定した低フェニルアラ
ニンペプチド混合物に含まれるフェニルアラニンの総量
Fに基づいて、次の式により算出した。
【0058】D(%)=(F/E)×100
【0059】(4)原料蛋白質に対する低フェニルアラ
ニンペプチド混合物の回収率の測定方法 原料蛋白質に対する低フェニルアラニンペプチド混合物
の回収率Gは、原料蛋白質に含有される蛋白質の乾燥重
量H、及び得られた低フェニルアラニンペプチド混合物
の乾燥重量Iに基づいて、次の式により算出した。
【0060】G(%)=(I/H)×100
【0061】試験例1 この試験は、従来技術と比較して本発明の低フェニルア
ラニンペプチド混合物の製造方法が優れていることを示
すために行った。
【0062】(1)試料の調製 次に示す3種類の試料を調製した。
【0063】試料1:本発明の実施例1と同一の方法に
より製造した低フェニルアラニンペプチド混合物
【0064】試料2:従来技術3の実施例2と同一の方
法により製造した低フェニルアラニンペプチド混合物
【0065】試料3:従来技術4の実施例2と同一の方
法により製造した低フェニルアラニンペプチド混合物
【0066】(2)試験方法 各試料のフェニルアラニン含有率及び回収率を、いずれ
も前記の試験方法により試験した。
【0067】(3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から
明らかなとおり、いずれの試料もフェニルアラニン含有
率は0%であったが、従来技術の試料2及び試料3に比
較して本発明の試料1は、回収率に優れていることが判
明した。従って、本発明の方法は、フェニルアラニン含
有率については従来技術と同等であるが、フェニルアラ
ニンを実質的に含有しないペプチド混合物の回収率にお
いて顕著に高いことが認められた。
【0068】尚、本発明の試料については、原料蛋白質
の変性工程の付加又は原料蛋白質の種類を変更して試験
したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0069】
【表1】
【0070】試験例2 この試験は、フェニルアラニン含有率及び回収率を指標
として、原料蛋白質の蛋白質分解酵素による適正な加水
分解の程度を調べるために行った。
【0071】(1)試料の調製 酵素反応の停止時期を変更して、表2に示すとおり、加
水分解の程度、即ち、原料蛋白質に含まれるフェニルア
ラニンの総量に対する遊離のフェニルアラニン量の百分
率を段階的に変更したことを除き、実施例1と同一の方
法により4種類の試料(試料番号4〜7)を調製した。
【0072】(2)試験方法 各試料の遊離のフェニルアラニン量の百分率、フェニル
アラニン含有率、及び回収率を、いずれも前記の試験方
法により試験した。
【0073】(3)試験結果 この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から
明らかなとおり、フェニルアラニン含有率が少なく、回
収率に優れた低フェニルアラニンペプチド混合物を製造
するためには、加水分解の程度である原料蛋白質に含ま
れるフェニルアラニンの総量に対する遊離のフェニルア
ラニン量の百分率を60乃至90%の範囲内とすること
が必要であることが判明した。
【0074】尚、本発明の試料については、原料蛋白質
の種類を変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られ
た。
【0075】
【表2】
【0076】試験例3 この試験は、フェニルアラニン含有率及び回収率を指標
として、ポーラス型疎水性合成吸着剤の平均細孔径の大
きさ及びその組合せを調べるために行った。
【0077】(1)試料の調製 平均細孔径の大きさの異なる各種の市販ポーラス型疎水
性合成吸着剤を使用して、ポーラス型疎水性合成吸着剤
の平均細孔径の大きさ及びその組合せを変更したことを
除き、実施例1と同一の方法により次に示す28種類の
試料(試料番号8〜35)を調製した。
【0078】試料8:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径1nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤を単独で使用したことを除き、本発明の実施例1と
同一の方法により製造した低フェニルアラニンペプチド
混合物
【0079】試料9:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径2nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤を単独で使用したことを除き、本発明の実施例1と
同一の方法により製造した低フェニルアラニンペプチド
混合物
【0080】試料10:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径8nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤を単独で使用したことを除き、本発明の実施例1と
同一の方法により製造した低フェニルアラニンペプチド
混合物
【0081】試料11:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径10nmを有するポーラス型疎水性合成
吸着剤を単独で使用したことを除き、本発明の実施例1
と同一の方法により製造した低フェニルアラニンペプチ
ド混合物
【0082】試料12:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径12nmを有するポーラス型疎水性合成
吸着剤を単独で使用したことを除き、本発明の実施例1
と同一の方法により製造した低フェニルアラニンペプチ
ド混合物
【0083】試料13:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径30nmを有するポーラス型疎水性合成
吸着剤を単独で使用したことを除き、本発明の実施例1
と同一の方法により製造した低フェニルアラニンペプチ
ド混合物
【0084】試料14:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径40nmを有するポーラス型疎水性合成
吸着剤を単独で使用したことを除き、本発明の実施例1
と同一の方法により製造した低フェニルアラニンペプチ
ド混合物
【0085】試料15:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径1nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径2nmを有するポーラス型疎水性合
成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実施
例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニンペ
プチド混合物
【0086】試料16:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径1nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径8nmを有するポーラス型疎水性合
成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実施
例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニンペ
プチド混合物
【0087】試料17:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径1nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径10nmを有するポーラス型疎水性
合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実
施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニン
ペプチド混合物
【0088】試料18:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径1nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径12nmを有するポーラス型疎水性
合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実
施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニン
ペプチド混合物
【0089】試料19:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径1nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径30nmを有するポーラス型疎水性
合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実
施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニン
ペプチド混合物
【0090】試料20:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径1nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径40nmを有するポーラス型疎水性
合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実
施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニン
ペプチド混合物
【0091】試料21:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径2nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径8nmを有するポーラス型疎水性合
成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実施
例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニンペ
プチド混合物
【0092】試料22:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径2nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径10nmを有するポーラス型疎水性
合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実
施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニン
ペプチド混合物
【0093】試料23:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径2nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径12nmを有するポーラス型疎水性
合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実
施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニン
ペプチド混合物
【0094】試料24:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径2nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径30nmを有するポーラス型疎水性
合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実
施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニン
ペプチド混合物
【0095】試料25:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径2nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径40nmを有するポーラス型疎水性
合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実
施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニン
ペプチド混合物
【0096】試料26:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径8nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径10nmを有するポーラス型疎水性
合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実
施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニン
ペプチド混合物
【0097】試料27:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径8nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径12nmを有するポーラス型疎水性
合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実
施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニン
ペプチド混合物
【0098】試料28:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径8nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径30nmを有するポーラス型疎水性
合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実
施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニン
ペプチド混合物
【0099】試料29:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径8nmを有するポーラス型疎水性合成吸
着剤及び平均細孔径40nmを有するポーラス型疎水性
合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の実
施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニン
ペプチド混合物
【0100】試料30:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径10nmを有するポーラス型疎水性合成
吸着剤及び平均細孔径12nmを有するポーラス型疎水
性合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の
実施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニ
ンペプチド混合物
【0101】試料31:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径10nmを有するポーラス型疎水性合成
吸着剤及び平均細孔径30nmを有するポーラス型疎水
性合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の
実施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニ
ンペプチド混合物
【0102】試料32:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径10nmを有するポーラス型疎水性合成
吸着剤及び平均細孔径40nmを有するポーラス型疎水
性合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の
実施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニ
ンペプチド混合物
【0103】試料33:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径12nmを有するポーラス型疎水性合成
吸着剤及び平均細孔径30nmを有するポーラス型疎水
性合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の
実施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニ
ンペプチド混合物
【0104】試料34:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径12nmを有するポーラス型疎水性合成
吸着剤及び平均細孔径40nmを有するポーラス型疎水
性合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の
実施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニ
ンペプチド混合物
【0105】試料35:ポーラス型疎水性合成吸着剤とし
て、平均細孔径30nmを有するポーラス型疎水性合成
吸着剤及び平均細孔径40nmを有するポーラス型疎水
性合成吸着剤の2種類を使用したことを除き、本発明の
実施例1と同一の方法により製造した低フェニルアラニ
ンペプチド混合物
【0106】(2)試験方法 各試料のフェニルアラニン含有率及び回収率を、いずれ
も前記の試験方法により試験した。
【0107】(3)試験結果 この試験の結果は、表3に示すとおりである。表3から
明らかなとおり、フェニルアラニン含有率が少なく、回
収率に優れた低フェニルアラニンペプチド混合物を製造
するためには、それぞれ平均細孔径2乃至8nm及び平
均細孔径12乃至30nmを有する2種類のポーラス型
疎水性合成吸着剤を使用することが必要であることが判
明した。
【0108】尚、本発明の試料については、原料蛋白質
の種類、又は加水分解の程度を原料蛋白質に含まれるフ
ェニルアラニンの総量に対する遊離のフェニルアラニン
量が60乃至90%の範囲で変更して試験したが、ほぼ
同様の結果が得られた。
【0109】
【表3】
【0110】試験例4 この試験は、フェニルアラニン含有率及び回収率を指標
として、ポーラス型疎水性合成吸着剤の使用量を調べる
ために行った。
【0111】(1)試料の調製 表4に示すとおり、ペプチド混合物1重量部(乾燥重
量)に対するポーラス型疎水性合成吸着剤の使用量(重
量部で記載する。)を変更したことを除き、実施例1と
同一の方法により4種類の試料(試料番号36〜39)
を調製した。
【0112】(2)試験方法 各試料のフェニルアラニン含有率及び回収率を、いずれ
も前記の試験方法により試験した。
【0113】(3)試験結果 この試験の結果は、表4に示すとおりである。表4から
明らかなとおり、フェニルアラニン含有率が少なく、回
収率に優れた低フェニルアラニンペプチド混合物の製造
方法においては、原料蛋白質に含まれるフェニルアラニ
ンの総量に対する遊離のフェニルアラニン量が60乃至
90%の範囲であるペプチド混合物1重量部(乾燥重
量)に対して、それぞれ平均細孔径2乃至8nm及び平
均細孔径12乃至30nmを有する2種類のポーラス型
疎水性合成吸着剤を合計10乃至20重量部使用するこ
とが必要であることが判明した。
【0114】尚、本発明の試料については、原料蛋白質
の種類、加水分解の程度を原料蛋白質に含まれるフェニ
ルアラニンの総量に対する遊離のフェニルアラニン量が
60乃至90%の範囲で変更し、又はポーラス型疎水性
合成吸着剤の平均細孔径の大きさ及びその組合せを、そ
れぞれ平均細孔径2乃至8nm及び平均細孔径12乃至
30nmを有する2種類のポーラス型疎水性合成吸着剤
を組合せて使用する範囲で変更して試験したが、ほぼ同
様の結果が得られた。
【0115】
【表4】
【0116】試験例5 この試験は、フェニルアラニン含有率及び回収率を指標
として、平均細孔径2乃至8nmのポーラス型疎水性合
成吸着剤:平均細孔径12乃至30nmのポーラス型疎
水性合成吸着剤の重量比の望ましい範囲を調べるために
行った。
【0117】(1)試料の調製 表5に示すとおり、平均細孔径4nmのポーラス型疎水
性合成吸着剤:平均細孔径26nmのポーラス型疎水性
合成吸着剤の重量比を変更したことを除き、実施例1と
同一の方法により4種類の試料(試料番号40〜43)
を調製した。
【0118】(2)試験方法 各試料のフェニルアラニン含有率及び回収率を、いずれ
も前記の試験方法により試験した。
【0119】(3)試験結果 この試験の結果は、表5に示すとおりである。表5から
明らかなとおり、フェニルアラニン含有率が少なく、回
収率に優れた低フェニルアラニンペプチド混合物を製造
するためには、平均細孔径2乃至8nmのポーラス型疎
水性合成吸着剤:平均細孔径12乃至30nmのポーラ
ス型疎水性合成吸着剤の比率が、重量比で4:6乃至
6:4の範囲であることが望ましいことが判明した。
【0120】尚、本発明の試料については、原料蛋白質
の種類、加水分解の程度を原料蛋白質に含まれるフェニ
ルアラニンの総量に対する遊離のフェニルアラニン量が
60乃至90%の範囲で変更し、ポーラス型疎水性合成
吸着剤の平均細孔径の大きさ及びその組合せを、それぞ
れ平均細孔径2乃至8nm及び平均細孔径12乃至30
nmを有する2種類のポーラス型疎水性合成吸着剤を組
合せて使用する範囲で変更し、又は前記2種類のポーラ
ス型疎水性合成吸着剤の合計使用量を、原料蛋白質に含
まれるフェニルアラニンの総量に対する遊離のフェニル
アラニン量が60乃至90%の範囲であるペプチド混合
物1重量部(乾燥重量)に対して、10乃至20重量部
の範囲で変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られ
た。
【0121】
【表5】
【0122】次に実施例を示して本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0123】
【実施例】実施例1 市販の牛乳カゼイン120g(ニュージーランドデイリ
ーボード製。蛋白質の乾燥重量として100g)を蒸留
水880gに溶解し、蛋白質濃度約10%のカゼイン水
溶液1kgを調製した。該カゼイン水溶液に10%水酸
化ナトリウム水溶液を添加し、pHを7.8に調整し、
80℃で10分間加熱殺菌し、液温を50℃に調整し、
パンクレアチンF(天野製薬社製)、PTN6.0S
(ノボ・ノルディスク社製)、及びプロテアーゼAアマ
ノ(天野製薬社製)をそれぞれ蛋白質1g当たり500
活性単位、10000活性単位、及び150活性単位の
割合で添加し、蛋白質加水分解反応を開始した。20時
間経過した時点で、90℃で20分間加熱して酵素を失
活させ、酵素反応を停止し、10℃に冷却した。
【0124】この加水分解液を、ケイソウ土濾過により
不溶物を除去し、凍結乾燥し、粉末状のペプチド混合物
約86gを得た。
【0125】得られたペプチド混合物について、前記試
験方法により試験した結果、原料蛋白質に含まれるフェ
ニルアラニンの総量に対する遊離のフェニルアラニン量
の百分率は70%であった。
【0126】次いで、得られたペプチド混合物85g
(乾燥重量)を、脱イオン水765gに溶解し、10%
濃度のペプチド混合物水溶液850gを得た。
【0127】ポーラス型疎水性合成吸着剤として、平均
細孔径4nmを有するポーラス型疎水性合成吸着剤[セ
パビーズSP−850(三菱化学社製)]及び平均細孔
径26nmを有するポーラス型疎水性合成吸着剤[ダイ
ヤイオンHP−20(三菱化学社製)]の2種類を使用
重量比1:1で混合した合計1105g(ペプチド混合
物1重量部に対する13重量部に相当する。)の吸着剤
を1500ml容量のアクリル製カラムに充填して使用
した。
【0128】前記ペプチド混合物水溶液を前記ポーラス
型疎水性合成吸着剤充填カラムに、流速SV=2h-1
15℃の条件で通液し、前記2種類の吸着剤にペプチド
混合物を同時に接触させ、溶出液を回収し、凍結乾燥
し、低フェニルアラニンペプチド混合物約63gを得
た。
【0129】得られた低フェニルアラニンペプチド混合
物を前記試験方法により試験した結果、低フェニルアラ
ニンペプチド混合物中のフェニルアラニン含有率は0%
であってフェニルアラニンを実質的に含有せず、かつ原
料蛋白質に対する低フェニルアラニンペプチド混合物の
回収率は63%と優れていた。また、風味についても優
れていた。
【0130】実施例2 市販の牛乳乳清蛋白質濃縮物1kg(ミライ社製。蛋白
質の乾燥重量として750g)を脱イオン水5750g
に溶解し、蛋白質濃度約10%の乳清蛋白質水溶液7.
5kgを調製した。該乳清蛋白質水溶液を70℃で1分
間加熱殺菌し、液温を55℃に調整し、10%水酸化カ
リウム水溶液を添加し、pHを9.2に調整し、ビオプ
ラーゼSP−20(ナガセ生化学工業社製)、パンクレ
アチンF(天野製薬社製)、及びアクチナーゼAS(科
研ファルマ社製)をそれぞれ蛋白質1g当たり1500
活性単位、400活性単位、及び5000活性単位の割
合で添加し、蛋白質加水分解反応を開始した。15時間
経過した時点で、90℃で20分間加熱して酵素を失活
させ、酵素反応を停止し、15℃に冷却した。
【0131】この加水分解液を、分画分子量6000の
限外濾過膜(旭化成工業社製)により濾過し、濾液を噴
霧乾燥し、粉末状のペプチド混合物約710gを得た。
【0132】得られたペプチド混合物について、前記試
験方法により試験した結果、原料蛋白質に含まれるフェ
ニルアラニンの総量に対する遊離のフェニルアラニン量
の百分率は65%であった。
【0133】次いで、得られたペプチド混合物700g
(乾燥重量)を、脱イオン水6300gに溶解し、10
%濃度のペプチド混合物水溶液7kgを得た。
【0134】ポーラス型疎水性合成吸着剤として、平均
細孔径5nmを有するポーラス型疎水性合成吸着剤[ア
ンバーライトXAD−4(ローム&ハース社製)]4.
2kgを充填した5l容量のアクリル製カラムNo.1
及び平均細孔径17nmを有するポーラス型疎水性合成
吸着剤[セパビーズHP−2MG(三菱化学社製)]
2.8kgを充填した5l容量のアクリル製カラムN
o.2を使用した。
【0135】前記ペプチド混合物水溶液を前記ポーラス
型疎水性合成吸着剤充填カラムNo.1に、流速SV=
1.5h-1、15℃の条件で通液し、カラムNo.1の
吸着剤にペプチド混合物を接触させ、次いで、この溶出
液を前記ポーラス型疎水性合成吸着剤充填カラムNo.
2に、流速SV=1.5h-1、15℃の条件で通液し、
カラムNo.2の吸着剤にペプチド混合物を接触させ、
即ち、前記2種類の吸着剤にペプチド混合物を個別に接
触させ、溶出液を回収し、凍結乾燥し、低フェニルアラ
ニンペプチド混合物約500gを得た。
【0136】得られた低フェニルアラニンペプチド混合
物を前記試験方法により試験した結果、低フェニルアラ
ニンペプチド混合物中のフェニルアラニン含有率は0%
であってフェニルアラニンを実質的に含有せず、かつ原
料蛋白質に対する低フェニルアラニンペプチド混合物の
回収率は66%と優れていた。また、風味についても優
れていた。
【0137】実施例3 市販の牛乳乳清蛋白質濃縮物500g(デンマークプロ
テイン社製。蛋白質の乾燥重量として375g)及び市
販の大豆蛋白質粉末500g(不二製油社製。蛋白質の
乾燥重量として450g)を脱イオン水7250gに溶
解し、蛋白質濃度約10%の蛋白質水溶液8250gを
調製した。該蛋白質水溶液を70℃で5分間加熱殺菌
し、液温を55℃に調整し、10%水酸化カリウム水溶
液を添加し、pHを9に調整し、パンクレアチンF(天
野製薬社製)、パパインW−40(天野製薬社製)、及
びアクチナーゼAS(科研ファルマ社製)をそれぞれ蛋
白質1g当たり500活性単位、8000活性単位、及
び4000活性単位の割合で添加し、蛋白質加水分解反
応を開始し、遊離アミノ酸濃度測定用酵素膜センサー
(旭化成工業社製)を装着したバイオテックアナライザ
ー(旭化成工業社製)を用いて経時的に、かつ短時間で
この分解液の遊離のフェニルアラニン量を測定し、原料
蛋白質に含まれるフェニルアラニンの総量に対する遊離
のフェニルアラニン量の百分率が88%に達した時点
で、90℃で10分間加熱して酵素を失活させ、酵素反
応を停止し、10℃に冷却した。
【0138】この加水分解液を、ケイソウ土濾過により
不溶物を除去し、凍結乾燥し、粉末状のペプチド混合物
約730gを得た。
【0139】得られたペプチド混合物について、前記試
験方法により確認試験した結果、原料蛋白質に含まれる
フェニルアラニンの総量に対する遊離のフェニルアラニ
ン量の百分率は88%であった。
【0140】次いで、得られたペプチド混合物720g
(乾燥重量)を、脱イオン水5280gに溶解し、12
%濃度のペプチド混合物水溶液6kgを得た。
【0141】ポーラス型疎水性合成吸着剤として、平均
細孔径4nmを有するポーラス型疎水性合成吸着剤[セ
パビーズSP−850(三菱化学社製)]及び平均細孔
径30nmを有するポーラス型疎水性合成吸着剤[セパ
ビーズSP−206(三菱化学社製)]の2種類を使用
重量比6:4で混合した合計8640gの吸着剤を10
l容量のアクリル製カラムに充填して使用した。
【0142】前記ペプチド混合物水溶液を前記ポーラス
型疎水性合成吸着剤充填カラムに、流速SV=2.5h
-1、25℃の条件で通液し、前記2種類の吸着剤にペプ
チド混合物を同時に接触させ、溶出液を回収し、凍結乾
燥し、低フェニルアラニンペプチド混合物約530gを
得た。
【0143】得られた低フェニルアラニンペプチド混合
物を前記試験方法により試験した結果、低フェニルアラ
ニンペプチド混合物中のフェニルアラニン含有率は0%
であってフェニルアラニンを実質的に含有せず、かつ原
料蛋白質に対する低フェニルアラニンペプチド混合物の
回収率は64%と優れていた。また、風味についても優
れていた。
【0144】
【発明の効果】以上詳記したとおり、本発明は、フェニ
ルアラニンを実質的に含有せず、かつ原料蛋白質に対す
るペプチド混合物の回収率において優れる低フェニルア
ラニンペプチド混合物の製造方法に関するものであり、
本発明により奏せられる効果は次のとおりである。 1)原料蛋白質に対するペプチド混合物の回収率を良好
に保持して、フェニルアラニンを実質的に含有しない低
フェニルアラニンペプチド混合物を製造することができ
る。 2)得られた低フェニルアラニンペプチド混合物は、フ
ェニルアラニンを実質的に含有せず、風味に優れること
から、芳香族アミノ酸の摂取が制限される病態栄養食用
(例えば、肝疾患患者用、フェニルケトン尿症患者用)
の蛋白質源、又は医薬品原料として応用可能で有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 靖 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社栄養科学研究所内 Fターム(参考) 4B018 MD20 MD71 ME14 MF12 MF14 4B064 AG01 CA21 CC03 CD20 CE09 DA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料蛋白質を蛋白質分解酵素により加水
    分解し、原料蛋白質に含まれるフェニルアラニンの総量
    に対する遊離のフェニルアラニン量が60乃至90(重
    量)%の範囲であるペプチド混合物を調製し、該ペプチ
    ド混合物1重量部(乾燥重量)に対して、それぞれ平均
    細孔径2乃至8nm及び平均細孔径12乃至30nmを
    有する2種類のポーラス型疎水性合成吸着剤の合計10
    乃至20重量部からなる吸着剤に該ペプチド混合物を同
    時又は個別に接触させ、遊離のフェニルアラニン及びフ
    ェニルアラニンを含むペプチドを吸着除去することを特
    徴とする低フェニルアラニンペプチド混合物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 吸着剤が、平均細孔径2乃至8nmのポ
    ーラス型疎水性合成吸着剤:平均細孔径12乃至30n
    mのポーラス型疎水性合成吸着剤の重量比において4:
    6乃至6:4からなる請求項1に記載の低フェニルアラ
    ニンペプチド混合物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105286016A (zh) * 2015-11-10 2016-02-03 兰州天和生物催化技术有限公司 苯丙氨酸代谢障碍症的酪蛋白水解肽食品
WO2021024622A1 (ja) * 2019-08-02 2021-02-11 味の素株式会社 グリコマクロペプチドの製造方法

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CN114206903A (zh) * 2019-08-02 2022-03-18 味之素株式会社 糖巨肽的制造方法

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