JP3386635B2 - カゼイン加水分解物 - Google Patents

カゼイン加水分解物

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JP3386635B2 JP20779895A JP20779895A JP3386635B2 JP 3386635 B2 JP3386635 B2 JP 3386635B2 JP 20779895 A JP20779895 A JP 20779895A JP 20779895 A JP20779895 A JP 20779895A JP 3386635 B2 JP3386635 B2 JP 3386635B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、低分子量で、遊離
アミノ酸含量が低く、好ましくない風味を有するトリプ
トファンの含量が低く、溶液状態で透明であり、かつ溶
液状態での長期保存においても沈殿等が生じない、いわ
ゆる保存安定性に優れる新規なカゼイン加水分解物に関
するものである。本発明のカゼイン加水分解物は、消化
吸収性に優れ、風味がほとんど無味無臭であり、保存安
定性に優れるため、溶液状態で保存される飲料等の広範
な用途に利用できる。 【0002】本明細書において、百分率は、透過率を除
き、特に断りのない限り、重量による表示である。 【0003】 【従来の技術】蛋白質を経口摂取した場合、消化管腔内
及び刷子縁膜表面でジペプチド及びトリペプチド等の低
分子量ペプチド又は遊離アミノ酸に分解され、腸管上皮
細胞においてペプチド輸送系又はアミノ酸輸送系により
別個の経路で吸収され、その吸収速度は、ジペプチド及
びトリペプチド等の低分子量ペプチドの方が同一組成の
遊離アミノ酸よりも大きいことが明らかにされてきてい
る(代謝、第27巻、第993ペ−ジ、1990年)。
また、蛋白質の酵素加水分解物と、当該酵素加水分解物
と同一アミノ酸組成のアミノ酸混合物との消化吸収性を
比較すると、アミノ酸混合物ではアミノ酸の種類により
不均一な吸収となるのに対して、当該酵素加水分解物で
は、各アミノ酸は投与組成に近いバランスで吸収される
ことが明らかにされてきている(代謝、第27巻、第9
93ペ−ジ、1990年)。以上のとおり、ジペプチド
及びトリペプチド等の低分子量ペプチドが、蛋白質栄養
源として極めて有効であることが知られてきており、消
化吸収性及び栄養生理の面から、ジペプチド及びトリペ
プチド等を主成分とした低分子量ペプチド組成物が求め
られている。 【0004】最近、いわゆるスポ−ツ飲料、疲労回復飲
料等として低分子量ペプチド組成物を配合した清涼飲料
タイプの飲料が盛んに開発されているが、これらの飲料
は、清涼感を出すために透明又は半透明の液体であるこ
とが要求されている。 【0005】一方、これらの飲料は、清涼感を出すため
pHを4〜5程度の酸性域に調整され、ホットパック、
レトルト等の形で流通されるため加熱殺菌され、かつ充
填後の流通期間は製品の賞味有効期間に対応するため常
温流通で2か月〜1年間程度の比較的長期間となってい
る。そのため、加熱殺菌直後はいうまでもなく、この賞
味有効期間中に混濁、沈殿、凝集及び褐変等が発生し易
く、製品価値を著しく低下するという問題が生じてい
た。 【0006】また、これらの飲料は、通常、風味を整え
るために糖類、甘味料、フレ−バ−等を同時に配合する
ことが必要であり、これらの成分とアミノ酸等の窒素成
分が同時に存在することにより、窒素成分単独で存在す
る時よりも加熱時及び加熱処理後の保存期間中の混濁、
沈殿、凝集及び褐変等がより一層発生し易いという問題
が生じていた。 【0007】従って、従来は、蛋白質の酵素加水分解物
を飲料素材として利用するため、及び加熱時の安定性を
向上させるため、酵素加水分解物の出発原料であるカゼ
イン含有乳清蛋白質からカゼインを除去することにより
耐熱非苦味性ペプチド生成物を製造する方法(特表昭6
3−502003号公報)が開示されている。 【0008】また、乳漿蛋白質の酵素水解物の加熱時に
生じる沈殿を特定条件下で遠心又は濾過によって除去す
ることにより、水溶性乳漿蛋白質水解物を製造する方法
(特公平5−82412号公報)が開示されている。 【0009】しかしながら、これらは乳清蛋白質(乳漿
蛋白質)に関するものであり、比較的熱に不安定なカゼ
インに関するものではなく、加熱時に生じる沈殿につい
てのみ除去しており、加熱処理後の保存期間中に生じる
混濁、沈殿、凝集及び褐変等の問題の解決方法について
は開示されていない。 【0010】更に、比較的熱に不安定なカゼインの酵素
加水分解物を飲食品に利用するために、風味が向上した
カゼイン加水分解物(特公昭54−36235号公報)
が開示されており、本願出願人も風味が向上したカゼイ
ン加水分解物について既に特許出願を行った(特願平6
−122958号及び特願平7−66906号)。 【0011】しかしながら、これらのカゼイン加水分解
物、特に特願平7−66906号のカゼイン加水分解物
は、加水分解処理のみによって風味が向上したカゼイン
加水分解物が得られる点で優れてはいるが、無味無臭の
状態ではないので、応用範囲が限定され、加熱処理後の
保存期間中に生じる混濁、沈殿、凝集及び褐変等の問題
の解決方法については開示されていない。 【0012】これまで、保存期間中に生じる混濁、沈
殿、凝集及び褐変等の防止については、コラ−ゲンの酵
素分解物の経時的な二次的オリの発生防止に関する方法
(特開平4−252194号公報)が開示されているの
みである。 【0013】これらの従来技術から明らかなように、比
較的熱に不安定なカゼインを原料とする低分子量ペプチ
ドを飲料等に配合した場合の加熱処理後の保存期間中の
混濁、沈殿、凝集及び褐変等の防止については何ら解決
方法が示されていなかった。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】前記従来技術において
は、耐熱非苦味性乳清蛋白質酵素加水分解物、水溶性低
分子量乳漿蛋白質水解物、風味が向上したカゼイン加水
分解物又は経時的な二次的オリの発生が防止されたコラ
−ゲン酵素分解物が開示されているのみであり、加熱処
理後の保存期間中の保存安定性が改善されたカゼイン加
水分解物については知られていない。 【0015】更に、従来、分子量1000ダルトン以下
の画分の比率が80%以上であり、分子量3500ダル
トン以上の画分の比率が1%未満であり、アミノ酸遊離
率が10%未満であり、1g中に含まれるトリプトファ
ンが4mg以下であり、溶液状態で透明であり、溶液状
態での長期保存においても沈殿等が生じない、いわゆる
保存安定性に優れ、優れた消化吸収性を有し、かつ風味
がほとんど無味無臭であるカゼイン加水分解物は知られ
ていない。 【0016】従って、優れた栄養価を有するカゼインを
原料として用い、溶液状態で保存される飲料等の種々の
食品に、広範囲に応用可能である、透明であり、保存安
定性に優れ、風味及び消化吸収性をも併せて改善された
カゼイン加水分解物が待望されていた。 【0017】本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、従
来製品の有する前記各種問題点を解決し得る新しい製品
を開発することを目的として鋭意研究を積み重ねた結
果、カゼインを酵素により加水分解し、加水分解物より
不溶物を濾過し、濾液を特定の樹脂により接触処理する
ことにより、溶出物質として得られる特定の理化学的性
質を有するカゼイン加水分解物が、従来のカゼイン加水
分解物では成し得なかった、溶液状態で透明で、保存安
定性に優れ、無味無臭であり、かつ消化吸収性に優れる
という良好な特性を具備することを見い出し本発明を完
成した。 【0018】本発明の目的は、低分子量で、消化吸収性
に優れ、低アミノ酸遊離率でトリプトファン含量が低
く、風味がほとんど無味無臭であり、溶液状態で透明で
あり、かつ溶液状態での長期保存においても混濁、沈
殿、凝集及び褐変等が生じない、いわゆる保存安定性に
優れるという優れた特性を具備したカゼイン加水分解物
を提供することにある。 【0019】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第1の発明は、次のa)〜d)の理化学的性質; a)分子量1000ダルトン以下の画分の比率が80%
(重量)以上であり、且つ分子量3500ダルトン以上
の画分の比率が1%(重量)未満であること、 b)カゼイン加水分解物に含まれる全アミノ酸の質量合
計に占める遊離アミノ酸の質量合計の割合が10%(重
量)未満であること、 c)カゼイン加水分解物1g中に含まれるトリプトファ
ンが4mg以下であること、 d)カゼイン加水分解物の10%(重量)水溶液をセル
の厚さ1cmのガラスセルを用いて540nmの波長で
測定した透過率が99%以上であること、を有すること
を特徴とするカゼイン加水分解物である。 【0020】次に本発明について詳述する。 【0021】本発明のカゼイン加水分解物の製造に出発
原料として使用するカゼインは、市販品又は牛乳、脱脂
乳等から公知の方法により分離された乳酸カゼイン、塩
酸カゼイン等の酸カゼイン、ナトリウムカゼイネイト、
カリウムカゼイネイト等のカゼイネイト、若しくはこれ
らの任意の割合の混合物である。 【0022】この原料カゼインを水又は温湯に分散し、
溶解する。該溶解液の濃度は格別の制限はないが、通
常、蛋白濃度として、5〜15%程度の濃度範囲にする
のが効率性及び操作性の点から望ましい。 【0023】次いで、前記カゼイン溶液に、以下の蛋白
分解酵素を添加して加水分解を行う。 【0024】本発明のカゼイン加水分解物の製造に使用
する蛋白分解酵素は、エンドプロテア−ゼであり、1種
類又は複数種類組み合わせて使用できる。 【0025】本発明に使用するエンドプロテア−ゼとし
ては、ビオプラ−ゼ(長瀬生化学工業社製)、プロレザ
−(天野製薬社製)、プロテア−ゼS(天野製薬社
製)、サビナ−ゼ(ノボ・ノルディスク社製)、GOD
O B.A.P(合同酒精社製)、プロテア−ゼN(天
野製薬社製)、GODO B.N.P(合同酒精社
製)、ニュ−トラ−ゼ(ノボ・ノルディスク社製)、ア
ルカラ−ゼ(ノボ・ノルディスク社製)、トリプシン
(ノボ・ノルディスク社製)、キモトリプシン(ノボ・
ノルディスク社製)、ズブチリシン(ノボ・ノルディス
ク社製)、パパイン(天野製薬社製)、ブロメライン
(天野製薬社製)等の市販品を例示することができる。 【0026】複数種類のエンドプロテア−ゼを使用する
場合には、カゼイン加水分解物に、所望の分子量分布及
びアミノ酸遊離率を達成できるならば同時に添加しても
順次添加してもよい。 【0027】本発明において、アミノ酸遊離率とは、カ
ゼイン加水分解物、いわゆるペプチドと遊離アミノ酸と
の混合物(乾燥物)中の全アミノ酸の質量合計に対する
遊離アミノ酸の質量合計の割合(百分率)をいう。 【0028】カゼインに対するエンドプロテア−ゼの使
用量は、基質濃度、酵素力価、反応温度及び反応時間に
より異なるが、一般的には、カゼイン中の蛋白質1g当
り3000〜10000活性単位の割合で添加すること
により加水分解が行われる。 【0029】本発明のカゼイン加水分解反応のpHは、
使用酵素の最適pHを含む範囲内に調整することが望ま
しい。具体的には、前記カゼイン溶液に酵素を添加する
前に、使用酵素の最適pHを含む範囲内にpHを調整
し、該使用酵素の最適pHを含む範囲内にpHを保持し
て、カゼイン加水分解反応を行うことが望ましい。一般
に、加水分解反応のpHは、酵素添加後、加水分解反応
の進行とともに低下するので、酵素添加前のpH調整
を、アルカリ剤の添加によりpH8以上のアルカリ側に
調整しておくことが望ましい。この場合、アルカリ剤と
しては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム等を例示することができる。 【0030】本発明のカゼイン加水分解反応の温度は格
別の制限はなく、酵素作用の発現する最適温度範囲を含
む実用に供せられ得る範囲から選ばれる。通常、30〜
70℃の範囲から選ばれる。温度を50〜60℃の範囲
に維持することでカゼイン加水分解反応中の腐敗を防止
することもできる。 【0031】本発明のカゼイン加水分解反応の時間は、
使用酵素の種類及び組合せ、反応温度、初発pH等の反
応条件によって進行状態が異なり、酵素反応の反応継続
時間を一定とすると製造バッチ毎に異なる理化学的性質
を有する分解物が生じる可能性があるため、一概に決定
できない。従って、酵素反応をモニタ−し、反応継続時
間を決定する必要がある。 【0032】加水分解の程度を、加水分解に伴って発生
する不溶物を濾過により除去した後の濾液中に含まれる
カゼイン加水分解物が分子量1000ダルトン以下の画
分の比率が80%以上であり、分子量3500ダルトン
以上の画分の比率が1%未満であり、かつアミノ酸遊離
率が10%未満となるように、反応温度、反応時間、酵
素添加量等の反応条件を設定すればよい。 【0033】酵素反応の停止は、加熱(例えば、85℃
で15分間等)して酵素を失活させることにより行う。 【0034】次いで、前記カゼイン加水分解反応終了後
の溶液中に存在する加水分解反応時及び/又は酵素加熱
失活時に生成した不溶物を濾過することにより除去す
る。 【0035】ここで、不溶物の濾過は、精密濾過及び/
又は限外濾過、若しくは珪藻土及び/又は限外濾過で行
うことができる。 【0036】続いて、前記不溶物を除去した濾液を特定
の樹脂により接触処理し、樹脂を分離して、目的とする
溶液状態で透明で、保存安定性に優れ、無味無臭であ
り、かつ消化吸収性に優れた本発明のカゼイン加水分解
物を含有する溶液を得ることができる。濾液中には通常
トリプトファンが乾燥物1g当り7〜8mg程度含まれ
ているが、この接触処理工程によりトリプトファンを4
mg以下に除去する。更に、濾液中には、保存期間中
に、混濁、沈殿、凝集及び褐変等を惹起する因子が残存
しており、これらをこの接触処理工程により除去する。 【0037】接触処理は、イオン交換樹脂、疎水性樹脂
等の樹脂との接触により行うことができる。イオン交換
樹脂としては、アンバ−ライトXAD−7(オルガノ社
製)、アンバ−ライトIR−120A(オルガノ社製)
等を例示することができる。また、疎水性樹脂として
は、KS−35(北越炭素社製)、ダウエックスS−1
12(ダウケミカル社製)を例示することができる。樹
脂の使用量はトリプトファン、及び混濁、沈殿、凝集及
び褐変等を惹起する因子を所定量に低減するのに十分な
量を設定すればよい。 【0038】得られた本発明のカゼイン加水分解物を含
有する溶液は、このまま使用することもでき、また、必
要に応じて、この溶液を公知の方法により濃縮した濃縮
液として使用することもでき、更に、この濃縮液を公知
の方法により乾燥し、粉末として使用することもでき
る。 【0039】更に、本発明のカゼイン加水分解物の製造
方法の好ましい態様として、前記、不溶物の除去をした
後、風味改善又は物性改善等のためにエンドプロテア−
ゼ又はエキソプロテア−ゼを添加してアミノ酸遊離率が
10%を超えない範囲で二次的な加水分解を行い、以後
の処理を行うことができる。 【0040】以上のようにして得られた本発明のカゼイ
ン加水分解物は、後記する実施例からも明らかなよう
に、次のa)〜d)の理化学的性質を有している。 a)図1に示すとおり、分子量1000ダルトン以下の
画分の比率が80%以上であり、かつ分子量3500ダ
ルトン以上の画分の比率が1%未満である。図1は、実
施例1により得られた本発明のカゼイン加水分解物の分
子量分布を示し、縦軸及び横軸は、それぞれ分布割合及
び分子量を示す。 b)カゼイン加水分解物に含まれる全アミノ酸の質量合
計に占める遊離アミノ酸の質量合計の割合が10%未満
である。 c)カゼイン加水分解物1g中に含まれるトリプトファ
ンが4mg以下である。 d)カゼイン加水分解物の10%水溶液をセルの厚さ1
cmのガラスセルを用いて540nmの波長で測定した
透過率が99%以上である。 【0041】前記a)〜d)に示した通り、本発明のカ
ゼイン加水分解物は、十分な分解率で分子量1000ダ
ルトンを越えるペプチドを低減し、分子量1000ダル
トン以下の画分の比率を80%以上、分子量3500ダ
ルトン以上の画分の比率を1%未満とすることにより腸
管からの消化吸収性に優れ、アミノ酸の遊離を抑制した
ことによりアミノ酸遊離率を10%未満とし、樹脂への
接触処理により1g中に含まれるトリプトファンを4m
g以下とすることにより風味がほとんど無味無臭であ
り、かつ濾過処理及び樹脂への接触処理により不溶性物
質を除去することにより溶液状態で透明であり、溶液状
態での長期保存においても沈殿等が生じない、いわゆる
保存安定性に優れるという良好な性質を併せもったカゼ
イン加水分解物である。本発明のカゼイン加水分解物
は、消化吸収性に優れ、風味がほとんど無味無臭であ
り、溶液状態で透明であり、かつ溶液状態での長期保存
においても混濁、沈殿、凝集及び褐変等が生じない、い
わゆる保存安定性に優れているという特徴を有してい
る。 【0042】次に、試験例を示して本発明を詳述する
が、本発明においては、次の試験方法を採用した。 【0043】(1)アミノ酸組成の測定方法 トリプトファン、システイン及びメチオニン以外のアミ
ノ酸については、試料を6N塩酸で110℃、24時間
加水分解し、トリプトファンについては、水酸化バリウ
ムで110℃、22時間アルカリ分解し、システイン及
びメチオニンについては、過ぎ酸処理後、6N塩酸で1
10℃、18時間加水分解し、それぞれアミノ酸分析機
(日立製作所製:835型)により分析し、各アミノ酸
の質量を測定した。 【0044】(2)遊離アミノ酸組成の測定方法 スルホサリチル酸で試料を除蛋白し、アミノ酸分析機
(日立製作所製:835型)により分析し、各遊離アミ
ノ酸の質量を測定した。 【0045】(3)アミノ酸遊離率(カゼイン加水分解
物の全アミノ酸の量に対する遊離アミノ酸の量の割合)
の算出方法 前記アミノ酸組成の測定方法で得られたカゼイン加水分
解物に含まれる各アミノ酸の質量の総和である全アミノ
酸の質量合計を100として、これに対する前記遊離ア
ミノ酸組成の測定方法で得られたカゼイン加水分解物に
含まれる各遊離アミノ酸の質量の総和である全遊離アミ
ノ酸の質量合計の百分率を算出した。 【0046】(4)分子量分布の測定方法 高速液体クロマトグラフィ−(宇井信生ら編、「タンパ
ク質・ペプチドの高速液体クロマトグラフィ−」、化学
増刊第102号、第241ペ−ジ、株式会社化学同人、
1894年)により次のとおり測定した。ポリハイドロ
キシエチル・アスパルアミド・カラム[Poly Hydroxyet
hyl Aspartamide column: ポリ・エル・シ−(Poly
LC)社製。直径4.6mm及び長さ200mm]を
用い、20mM塩化ナトリウム、50mMぎ酸により溶
出速度0.4ml/分で溶出した。検出はUV検出器
(島津製作所製)を用い、デ−タ解析はGPC分析シス
テム(島津製作所製)を使用した。 【0047】(5)風味(匂い、呈味)試験方法 20歳から40歳までの男女各20人のパネルにより官
能的に試験し、匂い及び呈味の各項目について、その有
無及びその強さについて、かなり強い(5点)、強い
(4点)、弱い(3点)、やや弱い(2点)、無し(1
点)の5段階にそれぞれ評価を行い、その評価点の平均
値をもって表した。 【0048】(6)透過率の測定方法 カゼイン加水分解物試料を、固形分濃度10%で水に溶
解し、セルの厚さ1cmのガラスセルを用いて、分光光
度計U−3200型(日立製作所製)により、波長54
0nmによりその透過率を測定した。 【0049】(7)保存安定性(沈殿生成、着色度)試
験方法 カゼイン加水分解物試料を、クエン酸添加によりpH4
に調整し、固形分濃度10%で水に溶解し、250ml
の透明ガラスビンに充填し、85℃でホットパックして
水冷し、37℃の恒温器にて2ケ月間保存し、沈殿の生
成を肉眼観察し、沈殿有り(+)及び沈殿無し(−)で
表した。 【0050】更に、前記保存水溶液の上澄液をセルの厚
さ1cmの石英セルを用いて、分光光度計U−3200
型(日立製作所製)により、波長420nmにおけるそ
の吸光度を測定した。 【0051】試験例1 この試験は、本発明のカゼイン加水分解物と従来技術に
より作成したカゼイン加水分解物とについて、その分子
量1000ダルトン以下の画分の比率、分子量3500
ダルトン以上の画分の比率、アミノ酸遊離率、1g中に
含まれるトリプトファン含量、風味(匂い、呈味)、透
過率、及び保存安定性(沈殿生成、着色度)について比
較検討した。 【0052】1)試料の調製 次の3種の従来技術の記載に基づいて調製した試料及び
本発明の方法により調製した1種の試料の合計4種の試
料(試料番号1〜4)を調製した。 【0053】試料1:本発明の実施例1で得られた本発
明カゼイン加水分解物。 【0054】試料2:特願平6−122958号の明細
書に記載の実施例1に従って、カゼインをFC−H(ラ
クトバチルス・ヘルベティカス菌体濃縮凍結液)で分解
することにより得られたカゼイン加水分解物。 【0055】試料3:特願平7−66906号の明細書
に記載の実施例1に従って、カゼインをビオプラ−ゼs
p−20(長瀬生化学工業社製)、プロテア−ゼN(天
野製薬社製)及びPTN6.0S(ノボ・ノルディスク
社製)で分解することにより得られたカゼイン加水分解
物。 【0056】試料4:特公昭54−36235号公報に
記載の実施例1に従って、カゼインをラクトバチルス・
ヘルベティカス(ハンゼン社市販菌株)粉末破砕物、パ
ンクレアチン(アマノ製薬社製)及びアマノA(アマノ
製薬社製)で分解することにより得られたカゼイン加水
分解物。 【0057】2)試験方法 各試料の分子量1000ダルトン以下の画分の比率、分
子量3500ダルトン以上の画分の比率、アミノ酸遊離
率、1g中に含まれるトリプトファン含量、風味(匂
い、呈味)、透過率、及び保存安定性(沈殿生成、着色
度)を、いずれも前記の試験方法により測定して試験し
た。 【0058】3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から
明らかなように、分子量1000ダルトン以下の画分の
比率を80%以上、分子量3500ダルトン以上の画分
の比率を1%未満、アミノ酸遊離率10%未満、1g中
に含まれるトリプトファン含量4mg以下、ほとんど無
味無臭であり、透過率が99%以上及び保存安定性に優
れるという良好な性質を併せもつカゼイン加水分解物
は、本発明のカゼイン加水分解物のみであることが判明
した。尚、出発原料の種類及び製造法を変更して試験し
たが、ほぼ同様な結果が得られた。 【0059】 【表1】【0060】試験例2 この試験は、風味(匂い、呈味)及び保存安定性(沈殿
生成、着色度)を指標として、カゼイン加水分解物の適
正な分子量1000ダルトン以下の画分の比率、分子量
3500ダルトン以上の画分の比率、アミノ酸遊離率、
1g中に含まれるトリプトファン含量及び透過率を調べ
るために行った。 【0061】1)試料の調製 本発明の方法及び次の5種の方法により6種類の試料
(試料番号5〜10)を調製した。 【0062】試料5:本発明の実施例1で得られた本発
明カゼイン加水分解物。 【0063】試料6:樹脂による接触処理を行わなかっ
たことを除き、本発明の実施例1と同一の方法により得
られたカゼイン加水分解物。 【0064】試料7:分解率を16.0%に変えたこと
を除き、本発明の実施例1と同一の方法により得られた
カゼイン加水分解物。 【0065】試料8:分解率を16.0%に変えたこと
及び樹脂による接触処理を行わなかったことを除き、本
発明の実施例1と同一の方法により得られたカゼイン加
水分解物。 【0066】試料9:分解率を35.0%に変えたこと
を除き、本発明の実施例1と同一の方法により得られた
カゼイン加水分解物。 【0067】試料10:分解率を35.0%に変えたこと
及び樹脂による接触処理を行わなかったことを除き、本
発明の実施例1と同一の方法により得られたカゼイン加
水分解物。 【0068】2)試験方法 各試料の分子量1000ダルトン以下の画分の比率、分
子量3500ダルトン以上の画分の比率、アミノ酸遊離
率、1g中に含まれるトリプトファン含量、風味(匂
い、呈味)、透過率、及び保存安定性(沈殿生成、着色
度)を、いずれも前記の試験方法によ測定して試験し
た。 【0069】3)試験結果 この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から
明らかなように、風味がほとんど無味無臭であり、溶液
状態で透明であり、かつ溶液状態での長期保存において
も沈殿等が生じない、いわゆる保存安定性に優れるとい
う良好な特性を有するカゼイン加水分解物は、分子量1
000ダルトン以下の画分の比率を80%以上、分子量
3500ダルトン以上の画分の比率を1%未満、アミノ
酸遊離率10%未満、1g中に含まれるトリプトファン
含量4mg以下、及び透過率が99%以上であることが
判明した。 【0070】尚、原料カゼインの種類、エンドプロテア
−ゼの種類を変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得
られた。 【0071】 【表2】【0072】 【発明の実施の形態】本発明のカゼイン加水分解物の製
造には、出発原料として市販のカゼイン(ニュ−ジ−ラ
ンドデイリ−ボ−ド社製)が用いられる。カゼイン水溶
液として、該市販のカゼイン(ニュ−ジ−ランドデイリ
−ボ−ド製)1kgに水9kgを添加し、よく分散さ
せ、10%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、溶液の
pHを7.0に調整し、カゼインを完全に溶解した濃度
約10%のカゼイン水溶液が用いられる。加水分解に使
用するエンドプロテア−ゼとして、ビオプラ−ゼsp−
20(長瀬生化学工業社製) 1,008,000活性単位(蛋白
質1g当り 1,200活性単位)、プロテア−ゼN(天野製
薬社製)1,680,000 活性単位(蛋白質1g当り 2,000活
性単位)、及びPTN6.0S(ノボ・ノルディスク社
製) 5,880,000活性単位(蛋白質1g当り 7,000活性単
位)が組み合わせて用いられる。 【0073】加水分解反応及びその停止は、該カゼイン
水溶液を85℃で10分間加熱殺菌し、50℃に温度調
整し、水酸化ナトリウムを添加してpHを9.5に調整
し、前記組み合わせのエンドプロテア−ゼを添加して加
水分解反応を開始し、経時的に酵素反応を分解率により
モニタ−し、分解率が24.1%に達した時点で、80
℃で6分間加熱して酵素を失活させ、酵素反応を停止
し、10℃に冷却することにより行うことができる。こ
の加水分解液に存在する加水分解反応時及び/又は酵素
加熱失活時に生成した不溶物の濾過は、濾過助剤として
スタンダ−ドス−パ−セル(東京硅藻土社製)を添加し
て吸引濾過することにより行うことができる。 【0074】得られた濾過液の樹脂による接触処理及び
噴霧乾燥は、該濾過液をカラムに充填した疎水性樹脂
[KS−35(北越炭素社製)]に対して、SV(空間
速度)=2h-1、温度10℃の条件で接触処理し、常法
により濃縮し、噴霧乾燥し、噴霧乾燥品を得ることによ
り行うことができる。得られた噴霧乾燥品は、0.92
kgであった。 【0075】得られた本発明のカゼイン加水分解物を前
記試験方法により試験した結果、該カゼイン加水分解物
は、分子量1000ダルトン以下の画分の比率が81.
0%、3500ダルトン以上の画分の比率が0.3%、
アミノ酸遊離率が4.1%、1g中に含まれるトリプト
ファンが3.5mg及び透過率が99.5%であった。
また、前記試験方法により試験した該カゼイン加水分解
物は、風味(匂い、呈味)は、ほとんど無味無臭であ
り、保存安定性(沈殿は無く、着色も無い。)に優れた
物質であった。 【0076】 【実施例】次に実施例を示して本発明を更に詳述する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 【0077】実施例1 市販のカゼイン(ニュ−ジ−ランドデイリ−ボ−ド製)
1kgに水9kgを添加し、均一に分散させ、10%水
酸化ナトリウム水溶液を添加して、溶液のpHを7.0
に調整し、カゼインを完全に溶解し、濃度約10%のカ
ゼイン水溶液を調製した。該カゼイン水溶液を85℃で
10分間加熱殺菌し、50℃に温度調整し、水酸化ナト
リウムを添加してpHを9.5に調整し、ビオプラ−ゼ
sp−20(長瀬生化学工業社製) 1,008,000活性単位
(蛋白質1g当り 1,200活性単位)、プロテア−ゼN
(天野製薬社製)1,680,000 活性単位(蛋白質1g当り
2,000活性単位)、及びPTN6.0S(ノボ・ノルデ
ィスク社製) 5,880,000活性単位(蛋白質1g当り 7,0
00活性単位)を添加して加水分解反応を開始し、経時的
に酵素反応を分解率によりモニタ−し、分解率が24.
1%に達した時点で、80℃で6分間加熱して酵素を失
活させ、酵素反応を停止し、10℃に冷却した。この加
水分解液に濾過助剤としてスタンダ−ドス−パ−セル
(東京硅藻土社製)を添加し、吸引濾過し、次いで得ら
れた濾過液をイオン交換樹脂[アンバ−ライトXAD−
7(オルガノ社製)]に対して、SV(空間速度)=
2.5h-1、温度10℃の条件で接触処理し、得られた
カゼイン加水分解物を含有する溶液を常法により濃縮
し、噴霧乾燥し、噴霧乾燥品0.90kgを得た。 【0078】得られたカゼイン加水分解物を前記試験方
法により試験した結果の一部を図1に示す。これらの結
果、カゼイン加水分解物は、分子量1000ダルトン以
下の画分の比率が83.1%、3500ダルトン以上の
画分の比率が0.1%、アミノ酸遊離率が6.7%、1
g中に含まれるトリプトファンが3.4mg及び透過率
が99.4%であった。また、前記試験方法により試験
したアミノ酸組成(カゼイン加水分解物1g当り)は次
のとおりであった。 【0079】 全アミノ酸組成 遊離アミノ酸組成 [mg/g] [mg/g] L−アスパラギン酸 69.72 0.94 L−スレオニン 40.38 2.25 L−セリン 50.88 3.43 L−グルタミン酸 230.69 1.81 L−グリシン 18.31 1.28 L−アラニン 30.48 2.11 L−バリン 55.77 1.49 L−シスチン 2.76 N.D. L−メチオニン 24.62 3.64 L−イソロイシン 45.00 1.56 L−ロイシン 71.94 7.79 L−チロシン 37.51 4.03 L−フェニルアラニン 30.66 5.00 L−トリプトファン 3.40 0.39 L−リジン 58.72 4.99 L−ヒスチジン 19.21 1.35 L−アルギニン 18.07 1.54 L−プロリン 110.08 N.D. L−アスパラギン L−アスパラギン酸に含まれる 0.83 L−グルタミン L−グルタミン酸に含まれる 0.81 【0080】また、前記試験方法により試験した該カゼ
イン加水分解物は、風味(匂い、呈味)は、ほとんど無
味無臭であり、保存安定性(沈殿は無く、着色も無
い。)に優れた物質であった。 【0081】実施例2 市販のカゼインナトリウム(蛋白質含量85%。ユニ−
レ・フランス社製)1kgに水9kgを加え、よく攪拌
混合し、カゼインナトリウムを完全に溶解し、濃度約1
0%のカゼイン水溶液を調製した。該カゼイン水溶液を
80℃で10分間加熱殺菌し、50℃に温度調整し、水
酸化ナトリウムを添加してpHを9.0に調整し、ブロ
メライン(天野製薬社製)13,600,000活性単位(蛋白質
1g当り16,000 活性単位)、ニュ−トラ−ゼ(ノボ・
ノルディスク社製)1,770,000 活性単位(蛋白質1g当
り 2,000活性単位)、及びプロテア−ゼS(天野製薬社
製)1,020,000 活性単位(蛋白質1g当り 1,200活性単
位)を添加して加水分解反応を開始し、経時的に酵素反
応を分解率によりモニタ−し、分解率が25.6%に達
した時点で、80℃で6分間加熱して酵素を失活させ、
酵素反応を停止し、10℃に冷却した。この加水分解液
をマイクロ−ザEMP−313(孔径0.25μm :旭
化成社製)を用い、膜分離法(マイクロフィルトレ−シ
ョン)により、不溶物を濾過し、次いで得られた濾過液
を疎水性樹脂[KS−35(北越炭素社製)]に対し
て、該濾過液をSV(空間速度)=2h-1、温度10℃
の条件で接触処理し、得られたカゼイン加水分解物を含
有する溶液を常法により濃縮し、噴霧乾燥し、噴霧乾燥
品0.74kgを得た。 【0082】得られたカゼイン加水分解物を前記試験方
法により試験した結果、該カゼイン加水分解物は、分子
量1000ダルトン以下の画分の比率が82.5%、3
500ダルトン以上の画分の比率が0.2%、アミノ酸
遊離率が5.3%、1g中に含まれるトリプトファンが
3.5mg及び透過率が99.4%であった。また、前
記試験方法により試験した該カゼイン加水分解物は、風
味(匂い、呈味)は、ほとんど無味無臭であり、保存安
定性(沈殿は無く、着色も無い。)に優れた物質であっ
た。 【0083】 【発明の効果】以上詳述したように本発明は、溶液状態
で透明で、保存安定性に優れ、ほとんど無味無臭であ
り、かつ消化吸収性に優れるという良好な性質を併せも
った新規なカゼイン加水分解物であり、本発明によって
奏せられる効果は、次のとおりである。 1)本発明のカゼイン加水分解物は、溶液状態で透明
で、溶液状態での長期保存においても混濁、沈殿、凝集
及び褐変等が生じない、いわゆる保存安定性に優れてい
るので、賞味有効期間の長い、加熱殺菌を伴うスポ−ツ
飲料、疲労回復飲料等の清涼飲料タイプの透明な飲料へ
の蛋白質素材として好適に使用できる。 2)本発明のカゼイン加水分解物は、ほとんど無味無臭
であるので、各種の味付けが可能であり、前記飲料に限
定されず、一般食品、栄養食品等の食品用及び医療用の
蛋白質栄養源としても使用できる。 3)本発明のカゼイン加水分解物は、消化吸収性にも優
れているので、体力消耗により消化吸収能が低下してい
る者の疲労回復食品として、又は高度の消化吸収性が要
求されるスポ−ツ選手への蛋白質供給源用素材として使
用できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1は、本発明のカゼイン加水分解物の分子量
分布を示す。
フロントページの続き (72)発明者 越智 浩 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳 業株式会社栄養科学研究所内 (56)参考文献 特開 平2−138991(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23J 3/10 - 3/34 A23L 1/305 A23L 2/66 C12P 21/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 次のa)〜d)の理化学的性質; a)分子量1000ダルトン以下の画分の比率が80%
    (重量)以上であり、かつ分子量3500ダルトン以上
    の画分の比率が1%(重量)未満であること、 b)カゼイン加水分解物に含まれる全アミノ酸の質量合
    計に占める遊離アミノ酸の質量合計の割合が10%(重
    量)未満であること、 c)カゼイン加水分解物1g中に含まれるトリプトファ
    ンが4mg以下であること、 d)カゼイン加水分解物の10%(重量)水溶液をセル
    の厚さ1cmのガラスセルを用いて540nmの波長で
    測定した透過率が99%以上であること、を有すること
    を特徴とするカゼイン加水分解物。
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