JPH11243866A - カゼイン加水分解物及びその製造法 - Google Patents

カゼイン加水分解物及びその製造法

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JPH11243866A
JPH11243866A JP10071371A JP7137198A JPH11243866A JP H11243866 A JPH11243866 A JP H11243866A JP 10071371 A JP10071371 A JP 10071371A JP 7137198 A JP7137198 A JP 7137198A JP H11243866 A JPH11243866 A JP H11243866A
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JP
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casein
hydrolyzate
casein hydrolyzate
amino acid
solution
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Application number
JP10071371A
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English (en)
Inventor
Hiroki Hayasawa
宏紀 早澤
Hiroshi Miyagawa
博 宮川
Hiroshi Ochi
浩 越智
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低分子量で、消化吸収性に優れ、低アミノ酸
遊離率で、アミノ酸スコア100を有し、ほヾ無味無臭
であり、溶液状態で透明で、かつ溶液状態での長期保存
においても混濁、沈殿、凝集、褐変等を生じない、いわ
ゆる保存安定性に優れた特性を具備したカゼイン分解物
及びその製造法を提供する。 【解決手段】 カゼインに吸着性樹脂を接触させて、味
及び臭を吸着除去し、得られた樹脂処理カゼインを蛋白
分解酵素で加水分解した後、不溶物を濾別し、その濾液
を吸着性樹脂に接触させて、苦味ペプチド及び混濁因子
等を吸着除去して無味無臭の分解物を得る。本分解物は
分子量1000ダルトン以下の画分の比率が75重量%
以上であり、かつ3500ダルトン以上の画分の比率が
1重量%未満とするのが好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ほぼ無味無臭であ
り、低分子量であり、遊離アミノ酸含量が低く、アミノ
酸スコアが100と優れており、溶液状態で透明である
ことから、飲料、栄養食品、各種一般食品等の蛋白質素
材として広範に応用可能な新規なカゼイン加水分解物及
びその効率的な製造方法に関するものである。
【0002】詳しくは、本発明は、カゼインの分解率が
17〜30%であること、分子量1000ダルトン以下
の画分の比率が75%(重量)以上であり、かつ分子量
3500ダルトン以上の画分の比率が1%(重量)未満
であること、カゼイン加水分解物に含まれる全アミノ酸
の質量合計に占める遊離アミノ酸の質量合計の割合が1
0%(重量)未満であること、カゼイン加水分解物のア
ミノ酸スコアが100であること、風味が無味無臭であ
ること、カゼイン加水分解物の10%(重量)水溶液
を、セルの厚さ1cmのガラスセルを用いて540nm
の波長で測定した透過率が99%以上であること、及び
pH4において100℃で10分間の加熱処理し、2か
月間保存後に沈殿生成がなく、かつセルの厚さ1cmの
ガラスセルを用いて420nmの波長で測定した吸光度
が0.250以下であること、の理化学的性質を有する
カゼイン加水分解物、並びにその製造法に関する。
【0003】本明細書において、百分率は、透過率を除
き、特に断りのない限り、重量による表示である。ま
た、本明細書において、アミノ酸遊離率は、カゼイン加
水分解物、即ちペプチドと遊離アミノ酸との混合物(乾
燥物)、中の全アミノ酸の合計質量に対する遊離アミノ
酸の合計質量の百分率を意味する。
【0004】
【従来の技術】蛋白質を加水分解して得られる、ペプチ
ドと遊離アミノ酸との混合物は、単独の蛋白質、アミノ
酸混合物等と比較して種々の優位性があるため、各方面
から注目されており、例えば、栄養学的には、ジペプチ
ド及びトリペプチドはアミノ酸とは別の経路で、その構
成アミノ酸の混合物よりも速く吸収されること、蛋白質
の加水分解物は、その構成アミノ酸混合物と比べて個々
のアミノ酸の吸収量に変動がないこと等が明らかになっ
ている[代謝、第27巻、第993〜1000ページ、
1990年]。
【0005】また、食品に含有される蛋白質は、人にと
って異種蛋白質であり、消化が不十分な状態で抗原性を
有したまま体内に吸収された場合、アレルギー症状を呈
し、場合によっては生命の危険を招くケースも存在す
る。この一つの解決策として食品中の蛋白質を酵素によ
り加水分解し、抗原性を低減又は消失させることが行わ
れており、この蛋白質分解物を配合した食品も増加して
いる[特開平4−248959号公報;ジャパニーズ・
ジャーナル・オブ・デイリー・アンド・フード・サイエ
ンス(Japanese Journal of Dairy and Food Scienc
e)、第33巻、第A−5〜A−12ページ、1984
年]。
【0006】以上のとおり、ジペプチド及びトリペプチ
ド等の低分子量ペプチドが、消化吸収性及び栄養生理の
面から極めて有効であることが知られており、ジペプチ
ド及びトリペプチドを主体とした低分子量ペプチド組成
物が蛋白質素材として広く求められている。
【0007】最近、低分子量ペプチド組成物を配合した
スポーツ飲料、疲労回復飲料等の清涼飲料タイプの飲料
が多く開発されている。これらの清涼飲料タイプの飲料
は、pH4前後程度の酸性域に調整され、ホットパッ
ク、レトルト等の方法により加熱殺菌され、充填され、
製品となり、充填後の流通期間は、常温流通で通常2か
月〜1年間程度である。これらの飲料は、視覚的な清涼
感を付与するために透明又は半透明の液体であること要
求されているが、従来の製品は、加熱殺菌直後はいうま
でもなく、この流通期間中に混濁、沈殿、凝集、褐変等
が発生し易く、製品価値を著しく低下させるという問題
があった。
【0008】更に、最近、スポーツ栄養学の発達により
各種アミノ酸、ペプチドの運動能力への効果が明らかに
されており、スポーツ選手用栄養補助食品等に配合する
低分子量ペプチド組成物にも、アミノ酸スコア100で
あることが強く求められていた。
【0009】一方、低分子量ペプチド組成物を得る目的
で、蛋白質を酵素等を使用して常法により加水分解し、
蛋白質加水分解を製造した場合、原料蛋白質に由来する
素材臭、素材味、加水分解により生じた種々の呈味性ペ
プチド等により、不快臭及び不快味が発生し、これが蛋
白質加水分解の広範な利用を妨げる大きな問題であっ
た。
【0010】従来、風味が改善されたカゼイン加水分解
物が幾つか開発されているが、これらを例示すれば次の
とおりである。 (1)カゼインを乳酸菌由来プロテアーゼ、乳酸菌、乳
酸菌破砕物のいずれか一つ又はこれらの混合物で処理す
ることにより、素材臭が低減された風味良好なカゼイン
加水分解物が開示されている(特開平7−303455
号公報。以下、従来技術1と記載する。)。 (2)分解率、分子量分布が特定され、抗原性が低減さ
れた風味良好なカゼイン加水分解物が開示されている
(特開平8−228692号公報。以下、従来技術2と
記載する。)。 (3)溶液は透明であり、保存安定性に優れ、カゼイン
加水分解物1g中に含まれるトリプトファンが4mg以
下である無味無臭のカゼイン加水分解物が開示されてい
る(特開平9−28306号公報。以下、従来技術3と
記載する。)。 (4)苦味及び抗原性のないカゼイン加水分解物が開示
されている(特公昭54−36235号公報。以下、従
来技術4と記載する。)。 (5)苦味、不快味が少ない低アレルゲン性カゼインペ
プチド組成物及びその製造方法が開示されている(特開
平6−113893号公報。以下、従来技術5と記載す
る。)。
【0011】しかしながら、前記従来技術1のようにカ
ゼインを軽度に分解したカゼイン加水分解物は、風味に
ついては満足できるが、分解率が低いため、消化吸収に
優れた低分子量ペプチドの含量がほとんど含有されてい
ないばかりではなく、低いpH域での溶液熱安定性がな
いため、最近需要の高まりつつある酸性飲料へ使用でき
ないという欠点を有していた。
【0012】また、前記従来技術2のカゼイン加水分解
物は、抗原性が低く、風味が良好で、消化吸収性が良い
点において優れているが、無味無臭ではないので、応用
範囲が限定され、加熱処理後の流通期間中に生じる混
濁、沈殿、凝集、褐変等の問題があった。
【0013】前記従来技術3は、溶液は透明であり、無
味無臭であり、加熱処理後の保存安定性の問題も解決し
ているカゼイン加水分解物であるが、加水分解後に風味
を無味無臭になるまで樹脂処理するためにカゼイン加水
分解物1g中に含まれるトリプトファンが4mg以下と
なり、アミノ酸スコア100を満たさないという問題を
有していた。
【0014】前記従来技術3における蛋白質加水分解物
の風味改善のために、従来から食品工業、化学工業等で
広く脱臭、脱色、脱苦味等の処理に用いられている活性
炭等の吸着剤を蛋白質加水分解物に適用した処理が、行
われている。しかしながらこの処理は、原料蛋白質に由
来する素材味及び素材臭を全く除去することなく、加水
分解した後に吸着剤と接触させて風味の改善を行うた
め、加水分解液を多量の吸着剤と長時間接触させなけれ
ばならない。従って、吸着剤との親和性が高く、特に吸
着されやすいアミノ酸を含むペプチドが、過度に吸着さ
れ、不快な味、不快な臭気、色ばかりではなく、ある種
のアミノ酸、有用なペプチド等も一部に除去され、その
結果、製造される蛋白質加水分解物の回収率低下を招く
ばかりでなく、有用成分であるペプチドの喪失により栄
養学的及び機能的な損失を招いていた。
【0015】また、必須アミノ酸であるトリプトファン
は、疎水性の吸着剤で吸着されやすいため、吸着剤処理
後の蛋白質加水分解物がアミノ酸スコア100を満たさ
ないという問題がしばしば発生していた。
【0016】また前記従来技術4においては、抗原性を
低下させると共に苦味を低下させるために、40%の遊
離アミノ酸量まで高度に加水分解したカゼイン加水分解
物を製造する方法を開示しているが、遊離アミノ酸が大
量に生成しているため、その呈味性により清涼飲料への
使用には全く不適当な風味を有するばかりでなく、加熱
による褐変が顕著であるという欠点を生じていた。
【0017】更に、前記従来技術5においては、「苦味
価」を導入し、これを指標として蛋白質分解酵素の組合
せをスクリーニングし、アレルゲン性が低減し、苦味及
び不快味のない低アレルゲン化カゼインペプチドを開示
しているが、その遊離アミノ酸量は30〜55%と高値
であり、前記従来技術4と同様の問題点を有していた。
【0018】これらの従来技術から明らかなとおり、カ
ゼインを原料とする低分子量ペプチドの風味を改善し、
保存期間中の混濁、沈殿、凝集、褐変等の問題を解決
し、アミノ酸スコア100を確保することは種々の検討
にもかかわらず非常に困難であった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術において
は、風味は満足できるが、分解率が低く、低pH域での
溶液熱安定性に問題を残すカゼイン加水分解物、低抗原
性で風味は良好であるが無味無臭ではないカゼイン加水
分解物、無味無臭で保存安定性も優れているがアミノ酸
スコア100を満たさないカゼイン加水分解物、苦味及
び抗原性はないが遊離アミノ酸含量が高く呈味性に問題
のあるカゼイン加水分解物、苦味、不快味は少ないが、
遊離アミノ酸含量が高く呈味性に問題のある低アレルゲ
ン性カゼインペプチド組成物が開示されているのみであ
り、無味無臭であり、加熱殺菌後の保存安定性に優れ、
アミノ酸スコア100を満たすカゼイン加水分解物につ
いては、従来知られていなかった。
【0020】更に、従来、分解率が17〜30%であ
り、分子量1000ダルトン以下の画分の比率が75%
(重量)以上であり、かつ分子量3500ダルトン以上
の画分の比率が1%(重量)未満であり、アミノ酸遊離
率が10%(重量)未満であり、アミノ酸スコアが10
0であり、無味無臭であり、溶液状で透明であり、溶液
状態での長期保存においても沈殿等が生じない、いわゆ
る保存安定性に優れ、優れた消化吸収性を有するカゼイ
ン加水分解物は知られていなかった。
【0021】従って、優れた栄養価を有するカゼインを
原料として用い、溶液状態で保存される飲料等の種々の
食品に、広範囲に応用可能である、透明であり、保存安
定性に優れ、アミノ酸スコア100を有し、風味及び消
化吸収性をも併せて改善されたカゼイン加水分解物が待
望されていた。
【0022】本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、従
来製品の有する前記各種問題点を解決し得る新しい製品
を開発することを目的として鋭意研究を積み重ねた結
果、原料蛋白質に由来する素材臭、素材味等を予め除去
することにより、加水分解反応後の蛋白質加水分解液と
吸着性樹脂との接触を従来法よりも軽度に抑制した場合
であっても、良好な風味と保存安定性が得られるという
事実を見い出した。
【0023】即ち、本発明者らは、カゼインを吸着樹脂
で処理し、該処理済みカゼインを酵素により加水分解
し、加水分解物より不溶物を濾過し、濾液を吸着樹脂で
処理することにより、溶出物質として得られる特定の理
化学的性質を有するカゼイン加水分解物が、従来のカゼ
イン加水分解物では成し得なかった溶液状態で透明で、
保存安定性に優れ、アミノ酸スコア100を有し、無味
無臭であり、かつ消化吸収性に優れるという良好な特性
を具備すること、及び該カゼイン加水分解物を安定して
製造する方法を見出だし、本発明を完成した。
【0024】本発明の目的は、低分子量で、消化吸収性
に優れ、低アミノ酸遊離率で、アミノ酸スコア100を
有し、ほぼ無味無臭であり、溶液状態で透明で、かつ溶
液状態での長期保存においても混濁、沈殿、凝集、褐変
等を生じない、いわゆる保存安定性に優れた特性を具備
したカゼイン加水分解物を提供することである。
【0025】また、本発明の他の目的は、低分子量で、
消化吸収性に優れ、低アミノ酸遊離率で、アミノ酸スコ
ア100を有し、風味がほとんど無味無臭であり、溶液
状態で透明で、かつ溶液状態での長期保存においても混
濁、沈殿、凝集、褐変等が生じない、いわゆる保存安定
性に優れた特性を具備したカゼイン加水分解物の製造方
法を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第一の発明は、次のa)〜g)、 a)カゼインの分解率が17〜30%であること b)分子量1000ダルトン以下の画分の比率が75%
(重量)以上であり、かつ分子量3500ダルトン以上
の画分の比率が1%(重量)未満であること c)カゼイン加水分解物に含まれる全アミノ酸の質量合
計に占める遊離アミノ酸の質量合計の割合が10%(重
量)未満であること d)カゼイン加水分解物のアミノ酸スコアが100であ
ること e)風味が無味無臭であること f)カゼイン加水分解物の10%(重量)水溶液を、セ
ルの厚さ1cmのガラスセルを用いて540nmの波長
で測定した透過率が99%以上であること g)pH4において100℃で10分間の加熱処理し、
2か月間保存後に沈殿生成がなく、かつセルの厚さ1c
mのガラスセルを用いて420nmの波長で測定した吸
光度が0.250以下であること の理化学的性質を有するカゼイン加水分解物である。
【0027】前記課題を解決する本発明の第二の発明
は、カゼインを吸着性樹脂により処理し、該処理カゼイ
ンに蛋白質分解酵素を添加して酵素分解し、酵素反応を
停止し、濾過により不溶物を除去し、得られた濾液を吸
着性樹脂で処理することを特徴とするカゼイン加水分解
物の製造法であり、蛋白質分解酵素が、予め吸着性樹脂
で処理されることを望ましい態様としてもいる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に本発明について詳記するが、
本発明の理解を容易にするために、最初に本発明の第二
の発明、即ち、カゼイン加水分解物の製造方法(以下、
本発明の方法と略記する。)から説明する。
【0029】本発明の方法に使用される出発原料のカゼ
インは、市販品若しくは牛乳、脱脂乳等から公知の方法
により分離された乳酸カゼイン、塩酸カゼイン等の酸カ
ゼイン、ナトリウムカゼイネイト、カリウムカゼイネイ
ト、カルシウムカゼイネイト等のカゼイネイト、又はこ
れらの任意の混合物である。
【0030】この原料カゼインを水又は温湯に分散し、
溶解する。該溶解液の濃度は格別の制限はないが、通常
蛋白質換算で5〜15%前後の濃度範囲にするのが効率
性及び操作性の点から望ましい。
【0031】前記カゼイン溶液を80〜85℃で10分
間程度加熱殺菌することが、雑菌汚染による変敗防止の
点から望ましい。次いで、殺菌した前記カゼイン溶液を
吸着性樹脂で処理する。
【0032】本発明の方法に使用される吸着性樹脂とし
ては、ダウエックスS−112(ダウケミカル社製)、
XAD−7(オルガノ社製)、KS−35(北越炭素社
製)等の市販品を例示することができる。
【0033】本発明の方法におけるカゼインの吸着性樹
脂での処理は、吸着性樹脂をカゼイン溶液へ投入して所
定時間接触させるバッチ式、吸着性樹脂を充填したカラ
ムへカゼイン溶液を通液するカラム式のいずれの方式で
も可能であり、バッチ式では、前記カゼイン溶液に、そ
の味及び臭いの成分を吸着除去するために十分な量の吸
着性樹脂を、その吸着能を考慮して添加し、吸着処理後
の吸着性樹脂を濾過等により分離する。
【0034】また、カラム式では、吸着性樹脂を充填し
たカラムに、その吸着能を考慮して前記カゼイン溶液
を、その味及び臭いの成分を吸着除去するために十分な
流速で通液し、吸着処理後のカゼイン溶液を回収するこ
とにより実施することができる。具体的には、バッチ式
で、吸着性樹脂としてKS−35(北越炭素社製)を使
用した場合には、カゼイン(蛋白質含量85%)1重量
部に対して吸着性樹脂0.3重量部以上を使用すること
により、その味及び臭いの成分を吸着除去することがで
きる。
【0035】次いで、必要があれば、アルカリ又は酸溶
液を用いて、吸着性樹脂で処理されたカゼイン溶液のp
Hを、使用する蛋白質分解酵素の至適pH付近に調整す
ることもできる。このpH調整のためのアルカリ溶液と
しては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム等を、酸溶液としては塩酸、クエン酸、硫酸、酢酸、
リンゴ酸、グルコン酸等をそれぞれ例示することができ
る。
【0036】蛋白質分解酵素を4〜10℃の冷水に分散
し、溶解する。該溶解液の濃度は格別の制限はないが、
通常3〜10%程度の酵素濃度とすることが効率性及び
操作性の点から望ましい。
【0037】本発明の方法で使用する蛋白質分解酵素は
エンドプロテアーゼであり、1種類又は複数種類組み合
わせて使用できる。
【0038】本発明で使用する蛋白質分解酵素として
は、動物由来(例えば、トリプシン、キモトリプシン、
ペプシン等)、植物由来(例えば、パパイン、ブロメラ
イン、フィシン等)、微生物由来(例えば、乳酸菌、酵
母、カビ、枯草菌、放線菌等)のエンドプロテアーゼ、
及びこれらの粗精製物、菌体破砕物等を例示することが
できる。これらの酵素の市販品としては、ビオプラーゼ
(長瀬生化学工業社製)、プロテアーゼN(天野製薬社
製)、PTN(ノボ・ノルディスク社製)、ペプシン
(ボルフガング・ミュールバウアー社製)、パパイン
(アリ社製)等を例示することができる。
【0039】本発明の方法においては、使用する蛋白質
分解酵素を吸着性樹脂で処理することもできる。本発明
の方法に使用される吸着性樹脂としては、ダウエックス
S−112(ダウケミカル社製)、XAD−7(オルガ
ノ社製)、KS−35(北越炭素社製)等の市販品を例
示することができる。
【0040】本発明の方法における蛋白質分解酵素の吸
着性樹脂での処理は、吸着性樹脂を蛋白質分解酵素溶液
へ投入して所定時間接触させるバッチ式、吸着性樹脂を
充填したカラムへ蛋白質分解酵素溶液を通液するカラム
式のいずれの方式でも可能である。
【0041】バッチ式では、前記蛋白質分解酵素溶液
に、その味及び臭いの成分を吸着除去するために十分な
量の吸着性樹脂を、その吸着能を考慮して添加し、吸着
処理後の吸着性樹脂を濾過等により分離する。また、カ
ラム式では、吸着性樹脂を充填したカラムに、その吸着
能を考慮して前記蛋白質分解酵素溶液を、その味及び臭
いの成分を吸着除去するために十分な流速で通液し、吸
着処理後の蛋白質分解酵素溶液を回収することにより実
施することができる。
【0042】具体的には、バッチ式の場合、吸着性樹脂
としてKS−35(北越炭素社製)を使用した場合に
は、蛋白質分解酵素(蛋白質含量40%)1重量部に対
して吸着性樹脂0.2重量部以上を使用することによ
り、その味及び臭いの成分を吸着除去することができ
る。
【0043】次いで、前記吸着性樹脂で処理したカゼイ
ン溶液に蛋白質分解酵素溶液又は前記吸着性樹脂で処理
した蛋白質分解酵素溶液を添加する。複数種類の蛋白質
分解酵素を添加する場合には、カゼイン加水分解物に所
望の分解率及び分子量分布を達成できるならば、一括添
加、又は少量に分割して逐次添加することもできる。
【0044】前記出発原料に対する酵素の使用量は、基
質濃度、酵素力価、反応温度及び反応時間により異なる
が、一般的には出発原料中の蛋白質1g当り1000〜
10000活性単位の割合で酵素を単独、又は複数組み
合わせて添加する。
【0045】酵素反応の温度は格別の制限はなく、酵素
作用の発現する最適温度範囲を含む実用に供せられ得る
範囲から選ばれ、通常30〜70℃の範囲から選ばれ
る。温度を50〜60℃の範囲に維持することで酵素反
応中の腐敗を防止することができる。
【0046】本発明のカゼイン加水分解物の加水分解反
応時間は、使用酵素の種類及び組合せ、反応温度、初発
pH等の反応条件によって進行状態が異なり、酵素反応
の反応継続時間を一定とすると製造バッチ毎に異なる理
化学的性質を有する分解物が生じる可能性があるため、
一概に決定できない。従って、酵素反応をモニターし、
反応継続時間を決定する必要がある。
【0047】加水分解の程度は、加水分解に伴って発生
する不溶物を濾過により除去し、濾液中に含まれるカゼ
イン加水分解物が、分子量1000ダルトン以下の画分
の比率が75%以上であり、分子量3500ダルトン以
上の画分の比率が1%未満であり、かつ分解率が17〜
30%であり、アミノ酸遊離率が10%未満の範囲で反
応温度、反応時間、酵素添加量等の反応条件を設定す
る。
【0048】酵素反応の停止は、分解液中の酵素の失活
又は除去により行われ、常法による加熱失活処理、限外
濾過膜等を用いた分解液からの酵素の除去により実施す
ることができる。加熱失活処理の加熱温度と保持時間
は、使用した酵素の熱安定性を考慮し、十分に失活でき
る条件を設定することができるが、例えば、80〜13
0℃の温度範囲で30分間〜2秒間の保持温度で行うこ
とができる。
【0049】分解液中の酵素の失活後、常法により分解
液を冷却し、濾過により前記カゼイン加水分解反応終了
後の溶液注に存在する加水分解反応及び/又は酵素加熱
失活時に生成した不溶物を除去する。濾過の方法は、例
えば、珪藻土濾過、精密濾過、限外濾過等を例示するこ
とができる。
【0050】次いで、前記不溶物を除去した濾液を吸着
性樹脂により接触処理し、樹脂を分離し、保存安定性に
優れており、無味無臭であり、アミノ酸スコア100で
あり、かつ消化吸収性に優れた本発明のカゼイン加水分
解物を溶液状態で得ることができる。濾液中には加水分
解により生じた苦味ペプチド等の呈味性ペプチドの他、
保存期間中に、混濁、沈殿、凝集、褐変等を惹起する因
子が若干残存しているので、これらをこの接触処理工程
により除去する。
【0051】本発明の方法における前記不溶物を除去し
た濾液の吸着性樹脂での処理は、吸着性樹脂を前記不溶
物を除去した濾液へ投入して所定時間接触させるバッチ
式、吸着性樹脂を充填したカラムへ前記不溶物を除去し
た濾液を通液するカラム式のいずれの方式でも行うこと
ができる。
【0052】バッチ式では、前記不溶物を除去した濾液
に、そのアミノ酸スコア100を確保しながら、苦味ペ
プチドを初めとする呈味性ペプチド、及び混濁、沈殿、
凝集、褐変等を惹起する因子を所定量に低減するために
十分な量の吸着性樹脂を、その吸着能を考慮して添加
し、吸着処理後の吸着性樹脂を濾過等により分離する。
【0053】また、カラム式では、吸着性樹脂を充填し
たカラムに、その吸着能を考慮して、前記不溶物を除去
した濾液を、そのアミノ酸スコア100を確保しなが
ら、苦味ペプチド等の呈味性ペプチド、及び混濁、沈
殿、凝集、褐変等を惹起する因子を所定量に低減するた
めに十分な流速で通液し、吸着処理後の蛋白質分解酵素
溶液を回収することにより実施することができる。
【0054】具体的には、カラム式の場合、吸着性樹脂
としてKS−35(北越炭素社製)を使用し、カゼイン
加水分解物(蛋白質含量88%)の濃度10%溶液を吸
着性樹脂を充填したカラムにSV=10h-1以上の流速
で通液することにより、そのアミノ酸スコア100を確
保しながら、苦味ペプチドを初めとする呈味性ペプチ
ド、及び混濁、沈殿、凝集、褐変等を惹起する因子を所
定量に低減することができる。
【0055】バッチ式の場合は、吸着性樹脂との接触に
より行うことができる。吸着性樹脂としてはダウエック
スS−112(ダウケミカル社製)、XAD−7(オル
ガノ社製)、KS−35(北越炭素社製)等の市販品を
例示することができる。
【0056】得られたカゼイン加水分解物を含有する溶
液は、このまま使用することも可能であり、また、必要
に応じて、この溶液を公知の方法により濃縮した濃縮
液、更に、この濃縮液を公知の方法により乾燥した粉
末、として使用することもできる。
【0057】次に、本発明の第一の発明について記載す
る。前記のとおり本発明の第二の発明により得られたカ
ゼイン加水分解物は、後記する実施例から明らかなとお
り、次のa)〜g)の理化学的性質を有している。
【0058】a)カゼインの分解率が17〜30%であ
る。 b)図1に示すとおり、分子量1000ダルトン以下の
画分の比率が75%以上であり、かつ分子量3500ダ
ルトン以上の画分の比率が1%未満である。図1は、実
施例1により得られた本発明のカゼイン加水分解物の分
子量分布を示し、縦軸及び横軸は、それぞれ分布割合及
び分子量を示す。 c)カゼイン加水分解物に含まれる全アミノ酸の合計質
量に占める遊離アミノ酸の合計質量の割合が10%(重
量)未満である。 d)カゼイン加水分解物のアミノ酸スコアが100であ
る。 e)風味が無味無臭である。 f)カゼイン加水分解物の10%(重量)水溶液をセル
の厚さ1cmのガラスセルを用いて540nmの波長で
測定した透過率が99%以上である。 g)pH4において100℃で10分間加熱処理した場
合、2か月間保存後に沈殿生成がなく、かつセルの厚さ
1cmのガラスセルを用いて420nmの波長で測定し
た吸光度が0.250以下である。
【0059】前記a)〜g)に示したとおり、本発明の
カゼイン加水分解物は、特定の分解率により分子量10
00ダルトンを越えるペプチドを低減し、分子量100
0ダルトン以下の画分の比率を75%以上、分子量35
00ダルトン以上の画分の比率が1%未満とすることに
より、腸管からの消化吸収性に優れ、アミノ酸の遊離を
抑制してアミノ酸遊離率を10%未満とし、原料カゼイ
ン及びカゼイン加水分解濾液の吸着性樹脂への接触によ
り風味が無味無臭でありながらアミノ酸スコア100を
保持し、かつ濾過処理及び原料カゼイン及び加水分解、
濾過後のカゼイン加水分解濾液の吸着性樹脂への接触に
より不溶性物質及び混濁、沈殿、凝集、褐変等を惹起す
る因子を除去することにより溶液状態で透明であり、加
熱殺菌後の溶液状態での保存安定性に優れるという良好
な性質を有するカゼイン加水分解物である。
【0060】本発明のカゼイン加水分解物は、消化吸収
性に優れ、風味が無味無臭であり、アミノ酸スコア10
0を保持し、溶液状態で透明であり、かつ溶液状態での
長期保存においても混濁、沈殿、凝集、褐変等を生じな
い、いわゆる保存安定性に優れているという従来のカゼ
イン加水分解物にはない特徴を有している。
【0061】次に試験例を示して本発明を詳細に説明す
るが、本発明においては、次の試験方法を採用した。 (1)蛋白質の分解率の測定方法 ケルダール法により試料の全窒素を、フォルモール滴定
法により試料のフォルモール態窒素を、それぞれ測定
し、これらの値から次式により蛋白質の分解率を算出し
た。 分解率(%)=(フォルモール態窒素/全窒素)×10
【0062】(2)分子量分布の測定方法 高速液体クロマトグラフィーにより測定した(宇井信生
ら編、「タンパク質・ペプチドの高速液体クロマトグラ
フィー」、化学増刊題102号、第241ページ、株式
会社化学同人、1984年)。ポリハイドロキシエチル
・アスパルタミド・カラム[Poly Hydroxyethyl Aspart
amide Column:ポリ・エル・シー(PolyLC)社製。直径
4.6mm及び長さ200mm]を用い、20mM塩化
ナトリウム、50mMギ酸により溶出速度0.4ml/
分で溶出した。検出は、UV検出器(島津製作所社製)
を用い、データ解析はGPC分析システム(島津製作所
社製)を使用した。
【0063】(3)アミノ酸組成の測定方法 トリプトファン、システイン及びメチオニン以外のアミ
ノ酸については、試料を6規定の塩酸で110℃、24
時間加水分解し、トリプトファンについては、水酸化バ
リウムで110℃、22時間アルカリ分解し、システイ
ン及びメチオニンについては、過ギ酸処理後、6規定の
塩酸で110℃、18時間加水分解し、それぞれアミノ
酸自動分析機(日立製作所社製。835型)により分析
し、アミノ酸の質量を測定した。
【0064】(4)アミノ酸遊離率の算定方法 試料中の各アミノ酸組成を前記(3)の方法により測定
し、これを合計して試料中の全アミノ酸の質量を算出す
る。次いで、スルホサリチル酸で試料を除蛋白し、残留
する各遊離アミノ酸の質量を前記(3)の方法により測
定し、これを合計して試料中の全遊離アミノ酸の質量を
算出する。これらの値から、試料中の遊離アミノ酸含有
率を次式により算出した。 アミノ酸遊離率(%)=(全遊離アミノ酸の質量/全ア
ミノ酸の質量)×100 (5)アミノ酸スコアの算定方法 前記アミノ酸組成の測定方法により測定された試料の各
アミノ酸の質量、ケルダール法により求めた試料の全窒
素量、及び1973年FAO/WHOアミノ酸評点パタ
ン(一般用)(科学技術庁資源調査会・資源調査所編、
「改訂日本食品アミノ酸組成表」、第211〜217ペ
ージ、大蔵省印刷局発行、昭和61年)を使用して、各
アミノ酸ごとに1973年のアミノ酸評点パタンに対す
る割合(%)を次式により算出し、その中の最低値をも
ってアミノ酸スコアとした。尚、最低値が100を上回
る場合のアミノ酸スコアは通例により100とした。
【0065】1973年の評点パタンに対する割合
(%)=試料中の各アミノ酸含量(mg/gN)/評点パタン
の当該アミノ酸量(mg/gN)×100。
【0066】(6)各試料の風味(呈味)試験 調製した各試料を20歳から40歳までの男女各20人
からなるパネルにより、呈味の有無及びその強さについ
て、次の評価方法により官能的に試験した。各試料を 0点:呈味なし 1点:呈味弱い 2点:呈味やや強い 3点:呈味強い の4段階に評価し、各試料の評価点の平均値を算出し、 無味:0.5点未満 弱い呈味:0.5点以上1.5未満 やや強い呈味:1.5点以上2.5未満 強い呈味:2.5点以上3.0未満 の基準により判定した。
【0067】(7)各試料の風味(臭い)試験 調製した各試料を20歳から40歳までの男女各20人
からなるパネルにより、臭いの有無及びその強さについ
て、次の評価方法により官能的に試験した。各試料を 0点:臭いなし 1点:臭い弱い 2点:臭いやや強い 3点:臭い強い の4段階に評価し、各試料の評価点の平均値を算出し、 無臭:0.5点未満 弱い臭い:0.5点以上1.5未満 やや強い臭い:1.5点以上2.5未満 強い臭い:2.5点以上3.0未満 の基準により判定した。
【0068】(8)透過率の測定方法 カゼイン加水分解物試料を、固形分濃度10%で水に溶
解し、セルの厚さ1cmのガラスセルを用い、分光光度
計U−3200型(日立製作所社製)により波長540
nmによりその透過率を測定した。
【0069】(9)保存安定性(沈殿生成)試験方法 カゼイン加水分解物の試料を、クエン酸添加によりpH
4に調整し、固形分濃度10%で水に溶解し、250m
lの透明ガラスビンに充填し、100℃で10分間加熱
して水冷し、37℃の恒温器内で2か月間保存し、沈殿
の生成を肉眼観察し、沈殿有り(+)及び沈殿無し
(−)で表示した。
【0070】(10)保存安定性(着色度)試験 カゼイン加水分解物の試料を、クエン酸添加によりpH
4に調整し、固形分濃度10%で水に溶解し、250m
lの透明ガラスビンに充填し、100℃で10分間加熱
して水冷し、37℃の恒温器内で2か月間保存し、保存
液の上澄液をセルの厚さ1cmのガラスセルを用い、分
光光度計U−3200型(日立製作所社製)により波長
420nmによりその吸光度を測定した。
【0071】試験例1 この試験は、本発明のカゼイン加水分解物と従来技術に
より作成したカゼイン加水分解物とについて、その分解
率、分子量1000ダルトン以下の画分の比率、分子量
3500ダルトン以上の画分の比率、アミノ酸遊離率、
アミノ酸スコア、風味(呈味、臭い)、透過率、及び保
存安定性(沈殿生成、着色度)について比較検討した。
【0072】1)試料の調製 次の従来技術の記載に基づいて調製した4種の試料及び
本発明の方法により調製した1種の試料の合計5種の試
料(試料番号1〜5)を調製した。 試料1:本発明の実施例1で得られた本発明カゼイン加
水分解物。 試料2:従来技術1の明細書に記載の実施例1により、
カゼインをFC−H(ラクトバチルス・ヘルベティカス
菌体濃縮凍結液)で分解して得られたカゼイン加水分解
物。 試料3:従来技術2の明細書に記載の実施例1により、
カゼインをビオプラーゼsp−20(長瀬生化学工業社
製)、プロテア−ゼN(天野製薬社製)、及びPTN
6.0S(ノボ・ノルディスク社製)で分解して得られ
たカゼイン加水分解物。 試料4:従来技術3の明細書に記載の実施例1により、
カゼインをビオプラーゼsp−20(長瀬生化学工業社
製)、プロテア−ゼN(天野製薬社製)、及びPTN
6.0S(ノボ・ノルディスク社製)で分解し、アンバ
ーライトXAD−7(オルガノ社製)で処理して得られ
たカゼイン加水分解物。 試料5:従来技術4の明細書に記載の実施例1により、
カゼインをラクトバチルス・ヘルベティカス(ハンゼン
社市販菌株)粉末破砕物、パンクレアチン(天野製薬社
製)、及びプロテア−ゼA(天野製薬社製)で分解して
得られたカゼイン加水分解物。
【0073】2)試験方法 各試料の分解率、分子量1000ダルトン以下の画分の
比率、分子量3500ダルトン以上の画分の比率、アミ
ノ酸遊離率、アミノ酸スコア、風味(呈味、臭い)、透
過率、及び保存安定性(沈殿生成、着色度)を、いずれ
も前記の試験方法により測定して試験した。
【0074】3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から
明らかなとおり、分解率を17〜30%、分子量100
0ダルトン以下の画分の比率を75%以上、分子量35
00ダルトン以上の画分の比率を1%未満、アミノ酸遊
離率10%未満、アミノ酸スコア100、無味無臭であ
り、透過率が99%以上、及び保存安定性に優れるとい
う良好な性質を併せ持つカゼイン加水分解物は、本発明
のカゼイン加水分解物のみであることが判明した。
【0075】尚、出発原料の種類及び製造法を変更して
試験したが、ほぼ同様な結果が得られた。
【0076】
【表1】
【0077】試験例2 この試験は、アミノ酸スコア、風味(呈味、臭い)、及
び保存安定性(沈殿生成、着色度)を指標として、カゼ
イン加水分解物の適正な分解率、分子量1000ダルト
ン以下の画分の比率、分子量3500ダルトン以上の画
分の比率、アミノ酸遊離率、及び透過率を調べるために
行った。
【0078】1)試料の調製 酵素反応の停止時期を変更し、表2に示すとおり、カゼ
イン加水分解物の分解率を16%、17%、20%、2
5%、30%、33%と変更したことを除き、実施例1
と同一の方法により6種の試料(試料番号6〜11)を
調製した。
【0079】2)試験方法 各試料の分解率、分子量1000ダルトン以下の画分の
比率、分子量3500ダルトン以上の画分の比率、アミ
ノ酸遊離率、アミノ酸スコア、風味(呈味、臭い)、透
過率、及び保存安定性(沈殿生成、着色度)を、いずれ
も前記の試験方法により測定して試験した。
【0080】3)試験結果 この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から
明らかなとおり、アミノ酸スコア100、無味無臭、及
び保存安定性に優れたカゼイン加水分解物は、分解率1
7〜30%、分子量1000ダルトン以下の画分の比率
を75%以上、分子量3500ダルトン以上の画分の比
率を1%未満、アミノ酸遊離率10%未満、及び透過率
99%以上であることが判明した。
【0081】尚、カゼインの種類、蛋白質分解酵素の種
類、及び吸着性樹脂の種類を適宜変更して試験したが、
ほぼ同様な結果が得られた。
【0082】
【表2】
【0083】試験例3 この試験は、アミノ酸スコア、風味(呈味、臭い)、及
び保存安定性(沈殿生成、着色度)を指標としてカゼイ
ン加水分解物の製造方法の条件を調べるために行った。
【0084】1)試料の調製 表3に示すとおり、カゼイン、蛋白質分解酵素、又は分
解失活濾液に対する吸着性樹脂の処理の有無が異なるこ
とを除き、実施例1と同一の方法により、実施例1と同
一の分解率、分子量1000ダルトン以下の画分の比
率、分子量3500ダルトン以上の画分の比率、アミノ
酸遊離率、及び透過率の8種の試料(試料番号12〜1
9)を調製した。
【0085】2)試験方法 各試料のアミノ酸スコア、風味(呈味、臭い)、及び保
存安定性(沈殿生成、着色度)を、いずれも前記の試験
方法により測定して試験した。
【0086】3)試験結果 この試験の結果は、表3に示すとおりである。表3から
明らかなとおり、カゼイン、又はカゼイン及び蛋白質分
解酵素の双方に対して吸着性樹脂による処理を加水分解
前に実施しない場合には、分解失活濾液に対する吸着性
樹脂による処理を実施しても、アミノ酸スコア100を
保持するために分解失活濾液と吸着性樹脂とを短い接触
時間で処理するため、無味無臭の分解物は得られなかっ
た。
【0087】また、濾液に対する吸着性樹脂による処理
を実施しない場合には、カゼイン、又はカゼイン及び蛋
白質分解酵素の双方に対して吸着性樹脂による処理を加
水分解前に実施しても、加水分解や加熱により生じる臭
気及び呈味により無味無臭の分解物が得られないばかり
ではなく、保存安定性も悪化した。従って、アミノ酸ス
コア100、無味無臭、及び保存安定性に優れたカゼイ
ン加水分解物を製造するためには、カゼイン、又はカゼ
イン及び蛋白質分解酵素の双方に対して吸着性樹脂によ
る処理を加水分解前に実施し、かつ濾液に対する吸着性
樹脂による処理を実施する必要があることが判明した。
【0088】尚、カゼインの種類、蛋白質分解酵素の種
類、及び吸着性樹脂の種類を適宜変更して試験したが、
ほぼ同様な結果が得られた。
【0089】
【表3】
【0090】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0091】
【実施例】実施例1 市販カゼイン(ニュージーランド・デイリー・ボード
製)1kgに水9kgを添加し、十分分散させ、10%
水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを7.0に調整
し、カゼインを完全に溶解し、濃度約10%のカゼイン
水溶液を調製した。該カゼイン水溶液を85℃で10分
間加熱殺菌し、液温を50℃に調整し、吸着性樹脂(北
越炭素社製。KS−35)に対して、該溶液をSV(空
間速度)=2h-1の条件で吸着処理し、吸着性樹脂処理
したカゼイン溶液を得た。
【0092】次いで、得られた吸着性樹脂処理カゼイン
溶液(pH7.0)の温度を50℃に調整し、前記水酸
化ナトリウムを添加してpHを9.5に調整し、ビオプ
ラーゼsp−20(長瀬生化学工業社製)1,008,
000活性単位(蛋白質1g当り1200活性単位)及
びニュートラーゼ(ノボ・ノルディスク社製)1,34
4,000単位(蛋白質1g当り1,600活性単位)
を添加し、50℃に保持して加水分解し、酵素反応を分
解率によりモニターし、分解率が23.1%に達した時
点で、85℃で10分間加熱して酵素を失活させ、酵素
反応を停止し、10℃に冷却した。
【0093】この分解液を、濾過助剤としてスタンダー
ドスーパーセル(セライト社製)により濾過し、次いで
得られた濾過液の温度を10℃に調整し、吸着性樹脂
(北越炭素社製。KS−35)に対して、該濾過液をS
V=10h-1の条件で吸着処理し、得られたカゼイン加
水分解物を含有する溶液を常法により濃縮し、噴霧乾燥
し、粉末状のカゼイン加水分解物約0.86kgを得
た。
【0094】得られたカゼイン加水分解物を前記試験方
法により試験した結果は、図1に示すとおりである(図
1については前記のとおりである。)。これらの結果か
ら、カゼイン加水分解物は、分解率23.1%、分子量
1000ダルトン以下の画分が83.0%、3500ダ
ルトン以上の画分が0.2%、アミノ酸遊離率5.1
%、アミノ酸スコア100、透過率99.3%であっ
た。
【0095】また、前記前記試験方法により試験した該
カゼイン加水分解物は、保存安定性において、沈殿が生
成せず、着色度が0.222と低く、ほぼ無味無臭であ
った。
【0096】実施例2 市販カゼイン(メルク社製。ハマーシュタインカゼイ
ン)1.2kgに水8.8kgを添加し、十分分散さ
せ、10%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを
7.0に調整し、カゼインを完全に溶解し、濃度約12
%のカゼイン水溶液を調製した。該カゼイン水溶液を8
5℃で10分間加熱殺菌し、液温を50℃に調整し、吸
着性樹脂(オルガノ社製。XAD−7)に対して、該溶
液をSV=2.5h-1の条件で吸着処理し、吸着性樹脂
処理したカゼイン溶液を得た。
【0097】次いで、得られた吸着性樹脂処理カゼイン
溶液(pH7.0)の液温を50℃に調整し、前記水酸
化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整し、ブロメ
ライン(天野製薬社製)1,224,000活性単位
(蛋白質1g当り1200活性単位)、アルカラーゼ
(ノボ・ノルディスク社製)5,100,000活性単
位(蛋白質1g当り5000活性単位)、トリプシン
(アリ社製)2,040,000活性単位(蛋白質1g
当り2,000活性単位)を添加し、50℃に保持して
加水分解し、酵素反応を分解率によりモニターし、分解
率が25.7%に達した時点で、120℃で3秒間加熱
して酵素を失活させ、酵素反応を停止し、10℃に冷却
した。
【0098】この分解液をマイクローザEMP−313
(旭化成社製。孔径0.25μm)を用い、膜分離法
(マイクロフィルトレーション)により不溶物を濾過
し、次いで得られた濾過液の液温を10℃に調整し、吸
着性樹脂(オルガノ社製。XAD−7)に対して、該濾
過液をSV=8h-1の条件で吸着処理し、得られた処理
溶液を常法により濃縮し、噴霧乾燥し、粉末状のカゼイ
ン加水分解物約1.03kgを得た。
【0099】得られたカゼイン加水分解物を前記試験方
法により試験した結果、分解率25.7%、分子量10
00ダルトン以下の画分が84.3%、3500ダルト
ン以上の画分が0.1%、アミノ酸遊離率6.1%、ア
ミノ酸スコア100、透過率99.4%であった。
【0100】また、前記前記試験方法により試験した該
カゼイン加水分解物は、保存安定性において、沈殿が生
成せず、着色度が0.220と低く、ほぼ無味無臭であ
った。
【0101】実施例3 カゼインナトリウム(ニュージーランド・デイリー・ボ
ード製。アラネート)1.4kgを水12.6kgに溶
解し、濃度約10%のカゼイン水溶液を調製した。該カ
ゼイン水溶液を85℃で10分間加熱殺菌し、液温を5
0℃に調整し、吸着性樹脂(ダウケミカル社製。ダウエ
ックスS−112)に対して、該溶液をSV(空間速
度)=1.5h-1の条件で吸着処理し、吸着性樹脂処理
したカゼイン溶液を得た。
【0102】これとは別に、プロテアーゼN(天野製薬
社製)2,380,000活性単位(蛋白質1g当り
2,000活性単位)、及びスミチームLP(新日本化
学工業社製)5,355,000活性単位(蛋白質1g
当り4,500活性単位)からなる蛋白質分解酵素混合
物を4℃の冷水に分散して溶解し、酵素蛋白質の濃度と
して約10%の蛋白質分解酵素溶液を調製した。該蛋白
質分解酵素溶液を、吸着性樹脂(ダウケミカル社製。ダ
ウエックスS−112)に対して、該溶液をSV=2.
0h-1の条件で吸着処理し、吸着性樹脂処理した蛋白質
分解酵素溶液を得た。
【0103】次いで、得られた吸着性樹脂処理したカゼ
イン溶液の温液を50℃に調整し、前記水酸化カリウム
を添加してpHを9.2に調整し、前記吸着性樹脂処理
した蛋白質分解酵素溶液を添加し、50℃に保持して加
水分解し、経時的に分解率をモニターし、分解率が2
6.1%に達した時点で、120℃で3秒間加熱して酵
素を失活させ、酵素反応を停止し、10℃に冷却した。
【0104】この分解液をSEP−3013(旭化成社
製。分画分子量3000)を用いた膜分離法(ウルトラ
フィルトレーション)により不溶物を濾過し、得られた
濾過液の液温を10℃に調整し、吸着性樹脂(ダウケミ
カル社製。ダウエックスS−112)に対して、該濾過
液をSV=12h-1の条件で吸着処理し、得られたカゼ
イン加水分解物を含有する溶液を常法により濃縮し、噴
霧乾燥し、粉末状のカゼイン加水分解物約1.09kg
を得た。
【0105】得られたカゼイン加水分解物を前記試験方
法により試験した結果、分解率26.1%、分子量10
00ダルトン以下の画分が85.1%、3500ダルト
ン以上の画分が0.1%、アミノ酸遊離率6.3%、ア
ミノ酸スコア100、透過率99.7%であった。
【0106】また、前記前記試験方法により試験した該
カゼイン加水分解物は、保存安定性において沈殿が生成
せず、着色度が0.185と低く、ほぼ無味無臭であっ
た。
【0107】
【発明の効果】以上詳記したとおり、本発明は、ほぼ無
味無臭で低分子量、アミノ酸スコア100、かつ酸性溶
液状態での保存安定性に優れているという良好な性質を
有する新規なカゼイン加水分解物及びその製造方法に関
するものであり、本発明により奏せられる効果は次のと
おりである。 1)本発明のカゼイン加水分解物は、ほぼ無味無臭であ
るので、一般食品、栄養食品等の食品用及び医療用の蛋
白質供給素材として使用できる。 2)本発明のカゼイン加水分解物は、低分子量で消化吸
収性に優れているので、消化吸収能の未熟な乳幼児又は
消化吸収能が低下している高齢者、病人への蛋白質供給
素材として使用できる。 3)本発明のカゼイン加水分解物は、溶液状態での保存
安定性に優れているので、酸性飲料等の蛋白質素材とし
て使用できる。 4)本発明のカゼイン加水分解物は、アミノ酸スコアに
優れているので、スポーツ選手向け食品等の蛋白質素材
として使用できる。 5)本発明の方法により、広範な用途を有するカゼイン
加水分解物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のカゼイン加水分解物の分子量
分布を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次のa)〜g)、 a)カゼインの分解率が17〜30%であること b)分子量1000ダルトン以下の画分の比率が75%
    (重量)以上であり、かつ分子量3500ダルトン以上
    の画分の比率が1%(重量)未満であること c)カゼイン加水分解物に含まれる全アミノ酸の質量合
    計に占める遊離アミノ酸の質量合計の割合が10%(重
    量)未満であること d)カゼイン加水分解物のアミノ酸スコアが100であ
    ること e)風味が無味無臭であること f)カゼイン加水分解物の10%(重量)水溶液を、セ
    ルの厚さ1cmのガラスセルを用いて540nmの波長
    で測定した透過率が99%以上であること g)pH4において100℃で10分間の加熱処理し、
    2か月間保存後に沈殿生成がなく、かつセルの厚さ1c
    mのガラスセルを用いて420nmの波長で測定した吸
    光度が0.250以下であること の理化学的性質を有するカゼイン加水分解物。
  2. 【請求項2】 カゼインを吸着性樹脂により処理し、該
    処理カゼインに蛋白質分解酵素を添加して酵素分解し、
    酵素反応を停止し、濾過により不溶物を除去し、得られ
    た濾液を吸着性樹脂で処理することを特徴とするカゼイ
    ン加水分解物の製造法。
  3. 【請求項3】 蛋白質分解酵素が、予め吸着性樹脂で処
    理される請求項2に記載のカゼイン加水分解物の製造方
    法。
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