JP2000001500A - ホエータンパクペプチド、このホエータンパクペプチド の製造法、並びにこのホエータンパクペプチドを含有す る栄養組成物 - Google Patents

ホエータンパクペプチド、このホエータンパクペプチド の製造法、並びにこのホエータンパクペプチドを含有す る栄養組成物

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JP2000001500A
JP2000001500A JP10164015A JP16401598A JP2000001500A JP 2000001500 A JP2000001500 A JP 2000001500A JP 10164015 A JP10164015 A JP 10164015A JP 16401598 A JP16401598 A JP 16401598A JP 2000001500 A JP2000001500 A JP 2000001500A
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protein peptide
salts
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Hiroki Hayasawa
宏紀 早澤
Yoshitaka Tamura
吉隆 田村
Hiroshi Miyagawa
博 宮川
Toshikazu Shichino
俊和 七野
Yoko Akazome
陽子 赤染
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高塩濃度下で耐酸・耐熱性を有するホエータ
ンパクペプチド、その製造法および同ペプチドを含有す
る栄養組成物を提供する。 【解決手段】 a)ナトリウム塩類、カリウム塩類、マ
グネシウム塩類およびカルシウム塩類からなる群より選
択される1種の塩類または2種以上の混合塩類を含有す
るpH5以下の酸性溶液において、121℃で15分間
の加熱しても沈殿を生成せず、加熱後に着色および濁り
を生じないこと、b)トリプトファンと遊離L−リジン
との比率が0.21〜0.69であること、c)必須ア
ミノ酸に対するアミノ酸スコアが100であること、並
びにd)加熱後に液状で保存しても透明性が損なわれな
いこと、の性質を有することを特徴とするホエータンパ
クペプチド、このペプチドの製造法、並びにこのペプチ
ドを含有する栄養組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、加熱後経
時的に着色および濁りを生成せず、アミノ酸スコア10
0を満たし、トリプトファンと遊離L−リジンとの比率
が0.21〜0.69であり、高塩濃度下で耐酸性およ
び耐熱性を有するホエータンパクペプチド、このホエー
タンパクペプチドの製造法、並びにこのホエータンパク
ペプチドを含有する栄養組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、健康志向の高まりを反映して良質
な窒素源とともに、日本人に不足しているカルシウム等
のミネラルを補給する方法に高い関心が寄せられてい
る。窒素源およびその製造法については、従来、以下の
技術が知られている。特開平7−264992号公報に
は、タンパク質分解物の苦味、不快臭等を低減するため
に、タンパク質をプロテアーゼ、ペプチダーゼにより分
解し、限外濾過膜処理し、陰イオン交換樹脂で処理する
ことにより得られるペプチド含有組成物およびその製造
方法が開示されている。しかしながら、この方法により
得られたペプチドの遊離アミノ酸は、50〜80%(重
量。以下、特に断りのない限り同じ。)と高いため、苦
味および不快臭が低減されていてもアミノ酸臭が最終製
品の味を左右するばかりではなく、レトルト処理等の加
熱処理、保存中の着色、風味の劣化等が回避され得な
い。さらに、スープ等の加工食品原料として高濃度の塩
類と共存させて使用する場合、安定性についてなんら検
討がなされていない。
【0003】また、カゼイン水溶液にトリプシンを添加
して加水分解し、pH調整により沈殿を除去して製造さ
れる耐酸性カゼインホスホペプチド混合物、その製造
法、および当該混合物を含有する健康食品(特開平5−
336894号公報)、バシラス・サチリス由来のエン
ド型プロテアーゼ、トリプシンおよびパパインの3種類
の酵素により加水分解した乳化性および熱安定性に優れ
た乳清蛋白分解物の製造法、並びにこの乳清蛋白分解物
を使用した抗アレルギー性調製乳(特開平7−2038
44号公報)が知られている。しかしながら、エンドプ
ロテアーゼのみで分解したペプチドは、バリン、フェニ
ルアラニン、ロイシン、イソロイシンなどの疎水性アミ
ノ酸を含む2〜20個程度のアミノ酸残基から成り、強
い苦味を有することが知られており(佐藤昌康著、「味
覚の科学」、朝倉書店、1981年)、窒素源としてペ
プチドを摂取する場合、大きな問題となる。
【0004】また、特開平4−252194号公報には
コラーゲンペプチドの精製方法が開示されているが、コ
ラーゲンは原料蛋白質に苦味を示すアミノ酸含量が低
く、その分解物は苦味の程度が低いという利点がある反
面、他の動物性蛋白質と比較した場合、必須アミノ酸で
あるトリプトファンを全く含まないために、アミノ酸ス
コア100を満たさない。
【0005】その他従来の技術で得られるペプチドは、
良好な風味を有するものもあるが、その高塩濃度下での
耐酸性および耐熱性において不十分であり、これらの点
に関して何ら検討がなされていないのが現状である。従
って、その加工方法、用途および使用量が制限されると
いう欠点を有しており、スポーツ飲料、炭酸飲料、ジュ
ース等の酸性飲料原料、特にスープ、流動食等の塩類添
加加工食品原料として使用する場合、大きな障害となっ
ていた。
【0006】このような欠点を改善するための試みも種
々行われているが、従来、有効な方法は開発されておら
ず、前記欠点のない新規なペプチドの開発が待望されて
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術に鑑み
て、この出願の発明者らは、従来法で製造されたペプチ
ドの欠点を改善するために、ペプチドの性質について詳
細な研究を行った。その結果、従来法により製造された
ペプチドでは得られなかった加熱後経時的な着色および
濁りが生成せず、アミノ酸スコア100を満たし、高塩
濃度下で耐酸性および耐熱性を有する新規なペプチド、
およびその製造法を見い出し、この発明を完成した。
【0008】この出願は、加熱後経時的な着色および濁
りが生成せず、アミノ酸スコア100を満たし、高塩濃
度下で耐酸性および耐熱性を有する新規なペプチドを提
供することを課題としている。この出願はまた、高塩濃
度下で耐酸性および耐熱性を有するホエータンパク質を
簡便、かつ高収率で製造する方法を提供することを課題
としている。
【0009】さらにまた、この出願は、高塩濃度下で耐
酸性および耐熱性を有するホエータンパクペプチドを安
定に含有する栄養組成物を提供することを課題としても
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】この出願は、前記の課題
を解決するための第一の発明(以下、第一発明と記載す
る)として、次のa)からd)、 a)ナトリウム塩類、カリウム塩類、マグネシウム塩類
およびカルシウム塩類からなる群より選択される1種の
塩類または2種以上の混合塩類を含有するpH5以下の
酸性溶液において、121℃で15分間加熱しても沈殿
を生成せず、加熱後に着色および濁りを生じないこと、 b)トリプトファンと遊離L−リジンとの比率が0.2
1〜0.69であること、 c)必須アミノ酸に対するアミノ酸スコアが100であ
ること、並びに d)加熱後に液状で保存しても透明性が損なわれないこ
と、 の性質を有することを特徴とするホエータンパクペプチ
ドを提供する。
【0011】またこの出願は、第二の発明(以下、第二
発明と記載する)として、ホエータンパク質を蛋白分解
酵素で酵素分解し、吸着樹脂処理し、トリプトファンと
遊離L−リジンとの比率を0.21〜0.69に調整す
ることを特徴とする高塩濃度下で耐酸性および耐熱性を
有するホエータンパクペプチドの製造法を提供する。さ
らにこの出願は、第三の発明(以下、第三発明と記載す
る)として、次のa)からd)、 a)ナトリウム塩類、カリウム塩類、マグネシウム塩類
およびカルシウム塩類からなる群より選択される1種の
塩類または2種以上の混合塩類を含有するpH5以下の
酸性溶液において、121℃で15分間加熱しても沈殿
を生成せず、加熱後に着色および濁りを生じないこと、 b)トリプトファンと遊離L−リジンとの比率が0.2
1〜0.69であること、 c)必須アミノ酸に対するアミノ酸スコアが100であ
ること、並びに d)加熱後に液状で保存しても透明性が損なわれないこ
と、 の性質を有することを特徴とするホエータンパクペプチ
ドを含有する栄養組成物を提供する。
【0012】なお、前記の第一発明および第三発明にお
いては、塩類または混合塩類の濃度が、ホエータンパク
ペプチド1g当たりナトリウムとして最高500mg、
カリウムとして最高90mg、マグネシウムとして最高
500mgおよびカルシウムとして最高500mgであ
ることを望ましい態様としてもいる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この出願の各発明について
詳しく説明するが、理解を容易にするために、先ず第二
発明について説明する。第二発明の製造方法に使用する
出発原料は、ホエータンパク質を主成分とするものであ
れば、如何なるものでも使用することができるが、市販
の各種ホエータンパク質、例えば、濃縮ホエータンパク
質(WPC)、分離ホエータンパク質(WPI)等が望
ましい。また、牛乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳から
ホエータンパク質を常法により精製することもできる。
【0014】具体的な製造工程を例示すれば以下のとお
りである。すなわち、前記ホエータンパク質を0.1〜
10%の濃度で水に溶解し、pHを7〜8、望ましくは
pH7.2に調整し、70〜90℃、望ましくは80℃
の温度で3〜10分間、望ましくは6分間の殺菌を行
い、のち、この溶液に蛋白分解酵素を添加し、タンパク
質を加水分解する。加水分解に使用する酵素は、動物由
来、植物由来、微生物由来等のエンドペプチダーゼおよ
びエキソペプチダーゼである。酵素の使用量は、基質で
あるホエータンパク質の重量に対して0.1〜6%程度
が望ましい。加水分解は、被処理液の初期pHを8.5
〜9.5に調整し、25〜60℃、望ましくは55℃の
温度で4〜12時間保持して実施される。加水分解の停
止は、加熱、例えば、80℃で10分間の加熱により酵
素を失活させることにより行われ、次いで、室温に冷却
し、限外濾過処理を行い、精製する。
【0015】得られた加水分解溶液のpHを6.5〜
7.5に調整し、吸着剤によりトリプトファンと遊離L
−リジンとの比率を0.21〜0.69、望ましくは
0.25〜0.39に調整する。具体的には次のとおり
である。吸着剤として両性イオン交換樹脂、例えばKS
−35(北越炭素社製)、弱塩基性陰イオン交換体、例
えばDEAEセファデックスA−25(ファルマシア社
製)等を充填したカラムに前記加水分解溶液を通液し、
排出された処理液のトリプトファン含量および遊離L−
リジン含量を後記する試験方法により経時的に測定し、
トリプトファンと遊離L−リジンとの比率を算出し、そ
の比率を0.21〜0.69の範囲に調整する。
【0016】次いで、得られた加水分解溶液を、公知の
方法により濃縮し、濃縮された液状のホエータンパクペ
プチドを製造することもできる。また、濃縮液を公知の
方法により乾燥し、粉末状のホエータンパクペプチドを
製造することもできる。次に、第一発明について記載す
る。前記第二発明の製造法により得られた第一発明のホ
エータンパクペプチドは、稀薄溶液に限定されるもので
はなく、常法により処理して製造される濃縮物、粉末等
あらゆる形態のペプチドである。そして、このホエータ
ンパクペプチドは、後記する試験例から明らかなとお
り、次のa)からb)の全ての性質を有している。 a)高濃度の塩類、具体的には、ホエータンパクペプチ
ド1g当たりナトリウムとして500mg以下、カリウ
ムとして90mg以下、マグネシウムとして500mg
以下およびカルシウムとして500mg以下の高濃度で
塩類を含有し、pH5以下の酸性溶液中において、12
1℃の温度で、15分間加熱しても沈殿を生成せず、加
熱後経時的に着色および濁りも生じない。 b)トリプトファンと遊離L−リジンとの比率が0.2
1〜0.69、望ましくは0.25〜0.39である。 c)必須アミノ酸に対するアミノ酸スコアが100であ
る。 d)加熱後液状で長期間保存しても透明性が損なわれな
い。
【0017】これらa)〜b)は、従来のペプチドには
ない、優れた性質である。次に、第三発明について記載
する。前記のホエータンパクペプチドを含有する栄養組
成物は、あらゆる飲料、食品を対象とするものであり、
飲料としては清涼飲料、スポーツ飲料、ジュース等を例
示することができる。特に透明な飲料に使用する場合、
経時的に着色および濁り防止効果等について、後記する
試験例から明らかなとおり、従来品と比較して顕著な有
意差が認められる。
【0018】また、健康食品を製造する場合には、原料
に第一発明のホエータンパクペプチドを添加して混合
し、常法により製造することができ、さらに、製品に直
接混合することもできる。このペプチドには苦味、臭気
がなく、安全性が高いので、添加量には制限はないが、
経済性から、0.1〜10%の割合で添加して混合する
ことが望ましい。
【0019】次に、試験例を示してこの発明の作用効果
を説明する。なお、以下の試験例においては、次の試験
方法を採用した。 (1)遊離L−リジン含量の測定方法 リジン測定用酵素電極、10mML−リジン標準液、
0.1Mリン酸L−リジン測定用緩衝液および洗浄用界
面活性剤(いずれもサクラ精機社製)を用い、バイオテ
ックアナライザー(サクラ精機社製)により遊離L−リ
ジン濃度をバッチ方式またはオンライン方式で測定し
た。 (2)トリプトファン含量の測定方法 公知の紫外部吸光測定法(日本化学会編、「実験化学講
座23 生物化学I」、第146ページ、丸善、195
7年)により、バッチ方式またはオンライン方式で定量
した。なお、トリプトファンと遊離L−リジンとの比率
は、前記トリプトファン含量を前記遊離L−リジン含量
で除して得られる比率である。 (3)アミノ酸組成の測定方法 トリプトファン、システインおよびメチオニン以外のア
ミノ酸については、試料を6M塩酸により110℃で2
4時間加水分解し、システインおよびメチオニンについ
ては過ギ酸処理後6M塩酸により110℃で18時間加
水分解し、それぞれアミノ酸分析機(日立製作所社製)
により分析し、アミノ酸の質量を測定した。また、以下
の試験例において使用したクエン酸、塩化カルシウム、
塩化マグネシウム、リン酸水素二カリウムおよび精製食
塩は、いずれもナカライテスク社製の試薬であり、使用
したレトルト殺菌機は、日坂製作所製のFlavor Aceで
ある。 試験例1 この試験は、ホエータンパクペプチドの、高塩濃度下で
の耐熱性および耐酸性を調べるために行った。 (1)試料の調製 次の方法により16種類の試料を調製した。 試料1:後記実施例1と同一の方法により調製したホエ
ータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
塩化カルシウムをカルシウム濃度として5%添加した試
料 試料2:後記実施例1と同一の方法により調製したホエ
ータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
塩化マグネシウムをマグネシウム濃度として5%添加し
た試料 試料3:後記実施例1と同一の方法により調製したホエ
ータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
リン酸水素二カリウムをカリウム濃度として0.9%添
加した試料 試料4:後記実施例1と同一の方法により調製したホエ
ータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
精製食塩をナトリウム濃度として5%添加した試料 試料5:市販のWPC(ミライ社製)に、クエン酸およ
び溶解水を添加し、タンパク質重量当たり5%の濃度の
溶液に調整し、塩化カルシウムをカルシウム濃度として
5%添加した試料 試料6:市販のWPC(ミライ社製)に、クエン酸およ
び溶解水を添加し、タンパク質重量当たり5%の濃度の
溶液に調整し、塩化マグネシウムをマグネシウム濃度と
して5%添加した試料 試料7:市販のWPC(ミライ社製)に、クエン酸およ
び溶解水を添加し、タンパク質重量当たり5%の濃度の
溶液に調整し、リン酸水素二カリウムをカリウム濃度と
して0.9%添加した試料 試料8:市販のWPC(ミライ社製)に、クエン酸およ
び溶解水を添加し、タンパク質重量当たり5%の濃度の
溶液に調整し、精製食塩をナトリウム濃度として5%添
加した試料 試料9:試料1を121℃で15分間レトルト殺菌した
試料 試料10:試料2を121℃で15分間レトルト殺菌し
た試料 試料11:試料3を121℃で15分間レトルト殺菌し
た試料 試料12:試料4を121℃で15分間レトルト殺菌し
た試料 試料13:試料5を121℃で15分間レトルト殺菌し
た試料 試料14:試料6を121℃で15分間レトルト殺菌し
た試料 試料15:試料7を121℃で15分間レトルト殺菌し
た試料 試料16:試料8を121℃で15分間レトルト殺菌し
た試料 (2)試験方法 試料1〜試料16のそれぞれの透過度(660nm)を
自記分光光度計(日立製作所製。U−3210型)によ
り測定し、さらに、各試料30mlを遠心管に分取し、
2000rpmで5分間遠心し、沈殿物量[容量(m
l)]を測定した。 (3)試験結果 この試験結果は表1に示すとおりである。表1から明ら
かなとおり、試料1〜試料4(いずれも第一発明のホエ
ータンパクペプチドを含む。)は、試料5〜試料8と比
較して、顕著に高い耐酸性が認められた。また、試料9
〜試料12は、試料13〜試料16と比較して酸性下に
おいて顕著な耐熱性が認められた。
【0020】従って、この発明のホエータンパクペプチ
ドは、極めて優れた耐酸性を高塩濃度下で有しているこ
と、および酸性下における耐熱性を有していることが判
明した。なお、出発原料および製造法を変更し、他の従
来品を対照として試験したが、ほぼ同一の結果が得られ
た。
【0021】
【表1】
【0022】試験例2 この試験は、ホエータンパクペプチドの耐酸性および耐
熱性に対する塩濃度の影響を調べるために行った。 (1)試料の調製 次の方法により4種類の試料を調製した。 試料17:後記実施例1と同一の方法により調製したホ
エータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
塩化カルシウムをカルシウム濃度として2.5%添加
し、121℃で15分間レトルト殺菌した試料(ホエー
タンパクペプチド1g当たりカルシウムとして500m
gを含有する試料) 試料18:後記実施例1と同一の方法により調製したホ
エータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
塩化マグネシウムをマグネシウム濃度として2.5%添
加し、121℃で15分間レトルト殺菌した試料(ホエ
ータンパクペプチド1g当たりマグネシウムとして50
0mgを含有する試料) 試料19:後記実施例1と同一の方法により調製したホ
エータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
リン酸水素二カリウムをカリウム濃度として0.45%
添加し、121℃で15分間レトルト殺菌した試料(ホ
エータンパクペプチド1g当たりカリウムとして90m
gを含有する試料) 試料20:後記施例1と同一の方法により調製したホエ
ータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
精製食塩をナトリウム濃度として2.5%添加し、12
1℃で15分間レトルト殺菌した試料(ホエータンパク
ペプチド1g当たりナトウムとして500mgを含有す
る試料) (2)試験方法 試料17〜試料20について、試験例1と同一の方法に
より試験を実施した。 (3)試験結果 この試験結果は表2に示すとおりである。表2から明ら
かなとおり、後記実施例1と同一の方法により調製した
この発明のホエータンパクペプチドは、ホエータンパク
ペプチド1g当りカルシウム、マグネシウム、カリウム
およびナトリウムをそれぞれ500mg、500mg、
90mgおよび500mgまで含有する溶液中でも、顕
著に高い耐熱性および耐酸性を示した。なお、出発原料
および製造法を変更し、他の従来品を対照として試験し
たが、ほぼ同一の結果が得られた。
【0023】また、この試験では、各塩類の最高値のみ
の結果を示したが、前記の各塩類の濃度よりも低い塩類
濃度においては、いずれも耐熱性および耐酸性が認めら
れた。
【0024】
【表2】
【0025】試験例3 この試験は、ホエータンパクペプチドに及ぼす複数の塩
類添加の影響を調べるために行った。 (1)試料の調製 次の方法により6種類の試料を調製した。 試料21:後記実施例1と同一の方法により調製したホ
エータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
さらに塩化カルシウムをカルシウム濃度として2.5%
および塩化マグネシウムをマグネシウム濃度として1.
25%添加し、121℃で15分間レトルト殺菌した試
料(ホエータンパクペプチド1g当たりカルシウム50
0mgおよびマグネシウム250mgの試料) 試料22:後記実施例1と同一の方法により調製したホ
エータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度に調整し、さらに
塩化カルシウムをカルシウム濃度として2.5%、およ
びリン酸水素二カリウムをカリウム濃度として0.22
5%添加し、121℃で15分間レトルト殺菌した試料
(ホエータンパクペプチド1g当たりカルシウム500
mgおよびカリウム45mgの試料) 試料23:後記実施例1と同一の方法により調製したホ
エータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
塩化カルシウムをカルシウム濃度として2.5%、およ
び精製食塩をナトリウム濃度として1.25%添加し、
121℃で15分間レトルト殺菌した試料(ホエータン
パクペプチド1g当たりカルシウム500mgおよびナ
トリウム250mgの試料) 試料24:後記実施例1と同一の方法により調製したホ
エータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
塩化カルシウムをカルシウム濃度として1.25%、お
よび塩化マグネシウムをマグネシウム濃度として1.2
5%添加し、121℃で15分間レトルト殺菌した試料
(ホエータンパクペプチド1g当たりカルシウム250
mgおよびマグネシウム250mgの試料) 試料25:後記実施例1と同一の方法により調製したホ
エータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
塩化カルシウムをカルシウム濃度として1.25%、お
よびリン酸水素二カリウムをカリウム濃度として0.2
25%添加し、121℃で15分間レトルト殺菌した試
料(ホエータンパクペプチド1g当たりカルシウム25
0mgおよびカリウム45mgの試料) 試料26:後記実施例1と同一の方法により調製したホ
エータンパクペプチドに、クエン酸および溶解水を添加
し、タンパク質重量当たり5%の濃度の溶液に調整し、
塩化カルシウムをカルシウム濃度として1.25%、お
よび精製食塩をナトリウム濃度として1.25%添加
し、121℃で15分間レトルト殺菌した試料(ホエー
タンパクペプチド1g当たりカルシウム250mgおよ
びナトリウム250mgの試料) (2)試験方法 試料21〜試料26について、試験例1と同一の方法に
より試験を実施した。 (3)試験結果 この試験結果は表3に示すとおりである。表3から明ら
かなとおり、後記実施例1と同一の方法により調製した
ホエータンパクペプチドは、カルシウムをホエータンパ
クペプチド1g当り500mg以下の割合で含有する場
合、カリウムがホエータンパクペプチド1g当り最高4
5mgまで、マグネシウムがホエータンパクペプチド1
g当り最高250mgまで、およびナトリウムがホエー
タンパクペプチド1g当り最高250mgまで、顕著に
高い耐熱性および耐酸性を有することが認められた。
【0026】なお、この試験では、複数の各塩類の存在
によっても、全て耐熱性および耐酸性において優れてい
た。また、出発原料および製造法を変更し、他の従来品
を対照として試験したが、ほぼ同一の結果が得られた。
【0027】
【表3】
【0028】試験例4 この試験は、加熱後のホエータンパクペプチドを液状で
長期間保存した場合の影響を調べるために行った。 (1)試料の調製 次の方法により8種類の試料を調製した。 試料27:液状の前記試料17を室温で6か月間保存し
た試料 試料28:液状の前記試料18を室温で6か月間保存し
た試料 試料29:液状の前記試料19を室温で6か月間保存し
た試料 試料30:液状の前記試料20を室温で6か月間保存し
た試料 試料31:液状の前記試料17を37℃で6か月間保存
した試料 試料32:液状の前記試料18を37℃で6か月間保存
した試料 試料33:液状の前記試料19を37℃で6か月間保存
した試料 試料34:液状の前記試料20を37℃で6か月間保存
した試料 (2)試験方法 試料27〜試料34について試験例1と同一の方法によ
り試験を実施した。 (3)試験結果 この試験結果は表4に示すとおりである。表4から明ら
かなとおり、後記実施例1と同一の方法により調製した
ホエータンパクペプチドは、6ヶ月間もの長期渡って液
状で保存した場合でも、透明性およびpHがともにほと
んど変化せず、製造直後とほぼ同一の良好な状態であっ
た。なお、出発原料および製造法を変更し、他の従来品
を対照として試験したが、ほぼ同一の結果が得られた。
【0029】
【表4】
【0030】試験例5 この試験は、第二発明の方法により得られたホエータン
パクペプチドとホエータンパク質の風味を調べるために
行った。 (1)試料の調製 実施例1と同一の方法によりホエータンパクペプチドを
調製した。このホエータンパクペプチドをイオン交換水
(20℃)で希釈してタンパク固形分含有量を3%に調
整して試料35とした。また、実施例1で使用した市販
のWPC(ミライ社製)も同様にイオン交換水(20
℃)で希釈してタンパク固形分含有量を3%に調整して
試料36とした。 (2)試験方法 男女各20人のパネラーに、試料35および試料36を
飲用させ、風味が好ましいと判定する試料を1点と評価
し、その合計点を比較した。 (3)試験結果 この試験結果は、試料35の合計点が38点、試料36
のそれが2点であり、後記実施例1と同一の方法により
調製したホエータンパクペプチドは、市販のWPC(ミ
ライ社製)と比較して風味は良好であることが判明し
た。なお、出発原料および製造法を変更し、他の従来品
を対照として試験したが、ほぼ同一の結果が得られた。 試験例6 この試験は、ホエータンパクペプチドにおけるトリプト
ファンと遊離L−リジンとの比率を調べるために行っ
た。 (1)試料の調製 次の方法により14種類の試料を調製した。 試料37:トリプトファンと遊離L−リジンとの比率を
0.39に調整したことを除き、後記実施例1と同一の
方法により調製したホエータンパクペプチドに、溶解水
を添加し、クエン酸によりpH3に調整し、タンパク質
重量当たり5%濃度の溶液に調整し、塩化カルシウムを
カルシウム濃度として5%添加した試料 試料38:トリプトファンと遊離L−リジンとの比率を
0.25に調整したことを除き、後記実施例2と同一の
方法により調製したホエータンパクペプチドに、溶解水
を添加し、クエン酸によりpH3に調整し、タンパク質
重量当たり5%濃度の溶液に調整し、塩化カルシウムを
カルシウム濃度として5%添加した試料 試料39:トリプトファンと遊離L−リジンとの比率を
0.21に調整したことを除き、後記実施例1と同一の
方法により調製したホエータンパクペプチドに、溶解水
を添加し、クエン酸によりpH3に調整し、タンパク質
重量当たり5%濃度の溶液に調整し、塩化カルシウムを
カルシウム濃度として5%添加した試料 試料40:トリプトファンと遊離L−リジンとの比率を
0.69に調整したことを除き、後記実施例1と同一の
方法により調製したホエータンパクペプチドに、溶解水
を添加し、クエン酸によりpH3に調整し、タンパク質
重量当たり5%濃度の溶液に調整し、塩化カルシウムを
カルシウム濃度として5%添加した試料 試料41:市販のWPC(ミライ社製)に溶解水を添加
し、クエン酸によりpH3に調整し、タンパク質重量当
たり5%濃度の溶液に調整し、塩化カルシウムをカルシ
ウム濃度として5%添加した試料。なお、この試料のト
リプトファンと遊離L−リジンとの比率は無限大であ
る。 試料42:トリプトファンと遊離L−リジンとの比率を
0.07に調整したことを除き、後記実施例1と同一の
方法により調製したホエータンパクペプチドに、溶解水
を添加し、クエン酸によりpH3に調整し、タンパク質
重量当たり5%濃度の溶液に調整し、塩化カルシウムを
カルシウム濃度として5%添加した試料 試料43:トリプトファンと遊離L−リジンとの比率を
0.90に調整したことを除き、後記実施例1と同一の
方法により調製したホエータンパクペプチドに、溶解水
を添加し、クエン酸によりpH3に調整し、タンパク質
重量当たり5%濃度の溶液に調整し、塩化カルシウムを
カルシウム濃度として5%添加した試料 試料44:後記実施例1と同一の方法により調製したホ
エータンパクペプチドを使用して、実施例3と同一の方
法により調製したスポーツ飲料 試料45:後記実施例2と同一の方法により調製したホ
エータンパクペプチドを使用して、実施例3と同一の方
法により調製したスポーツ飲料 試料46:トリプトファンと遊離L−リジンとの比率を
0.21に調整したことを除き、後記実施例1と同一の
方法により調製したホエータンパクペプチドを使用し
て、実施例3と同一の方法により調製したスポーツ飲料 試料47:トリプトファンと遊離L−リジンとの比率を
0.69に調整したことを除き、後記実施例1と同一の
方法により調製したホエータンパクペプチドを使用し
て、実施例3と同一の方法により調製したスポーツ飲料 試料48:市販のWPC(ミライ社製)を使用して、実
施例3と同一の方法により調製したスポーツ飲料 試料49:トリプトファンと遊離L−リジンとの比率を
0.07に調整したことを除き、後記実施例1と同一の
方法により調製したホエータンパクペプチドを使用し
て、実施例3と同一の方法により調製したスポーツ飲料 試料50:トリプトファンと遊離L−リジンとの比率を
0.90に調整したことを除き、後記実施例1と同一の
方法により調製したホエータンパクペプチドを使用し
て、実施例3と同一の方法により調製したスポーツ飲料 (2)試験方法 試料37〜試料43の透過度を試験例1と同一の方法に
より測定し、アミノ酸スコアは、FAO/WHO/UN
Uが1985年に定めた成人に対する必須アミノ酸量か
ら算出し、試料44〜試料50の風味を試験例5と同一
の方法により試験した。 (3)試験結果 この試験結果は表5および表6に示すとおりである。表
5および表6から明らかなとおり、試料41以外の試料
については極めて優れた透過度を示し、試料42以外の
試料についてはアミノ酸スコア100を満たしていた。
また、試料48および50以外の試料については望まし
い風味を有していることが認められた。
【0031】以上の結果から、トリプトファンと遊離L
−リジンの比率が0.21〜0.69、望ましくは0.
25〜0.39であるホエータンパクペプチドは、透過
度、アミノ酸スコアおよび風味において良好であること
が判明した。
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】次に、実施例を示してこの発明をさらに具
体的に説明するが、この発明は、以下の実施例に限定さ
れるものではない。
【0035】
【実施例】実施例1 市販のWPC(ミライ社製)850gを5%の濃度で水
に溶解し、80℃で6分間加熱殺菌し、加熱した溶液の
pHを水酸化ナトリウムにより9.0に調整し、豚の結
晶トリプシン(ノボインダストリー社製)を基質に対し
て0.1%、バシラス・サチリス由来のプロテアーゼN
アマノ(天野製薬社製)を1.0%、ラクトバシラス・
ヘルベティカス菌体破砕物を0.1%の割合で添加し、
55℃で7時間加水分解を実施した。のち130℃で2
秒間加熱して酵素を失活させ、公称分画分子量3000
の膜(旭化成社製)で限外濾過し、SV=2で吸着樹脂
(北越炭素社製。KS−35)で処理し、トリプトファ
ンと遊離L−リジンの比率を0.39に調整した。この
処理液を常法により濃縮し、凍結乾燥し、粉末状のホエ
ータンパクペプチド約460gを得た。
【0036】得られたホエータンパクペプチドは、ホエ
ータンパクペプチド1g当たりナトリウムとして最高5
00mg、カリウムとして最高90mg、マグネシウム
として最高500mgおよびカルシウムとして最高50
0mgを含有し、クエン酸によるpH5以下の酸性溶液
中において、121℃で15分間の加熱によっても沈殿
を生成せず、加熱後経時的に着色および濁りもなく、優
れた風味を有し、液状で保存した場合にも風味が損なわ
れなかった。また、前記試験方法により分析した必須ア
ミノ酸含量は表7に示すとおりであり、アミノ酸スコア
は100を満たしていた。
【0037】
【表7】
【0038】実施例2 WPCの代わりに市販のWPI(ミライ社製)を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、粉末状のホ
エータンパクペプチド約470gを得た。得られたホエ
ータンパクペプチドは、前記試験方法と同一の方法によ
り測定したトリプトファンと遊離L−リジンの比率は
0.25であり、ホエータンパクペプチド1g当たりナ
トリウムとして最高500mg、カリウムとして最高9
0mg、マグネシウムとして最高500mgおよびカル
シウムとして最高500mgを含有し、クエン酸による
pH5以下の酸性溶液中において、121℃で15分間
の加熱によっても沈殿を生成せず、加熱後経時的に着色
および濁りもなく、優れた風味を有し、液状で保存した
場合にも風味が損なわれなかった。また、アミノ酸スコ
アは100を満たしていた。 実施例3 100g当たり次の配合割合の原料を水に溶解し、10
0ml容の缶(東洋製罐社製)に95mlを充填し、密
封し、のちレトルト殺菌機(日坂製作所製)により12
1℃で15分レトルト殺菌し、風味良好なスポーツ飲料
9700缶を得た。
【0039】実施例1と同一の方法により製造した ホエータンパクペプチド 5.00(g) ステビア(守田化学工業社製) 0.03 フレーバー(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.15 クエン酸(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.60 アスコルビン酸ナトリウム(ロシュビタミン社製)0.12 塩化カルシウム(ナカライテスク社製) 0.16 塩化マグネシウム(ナカライテスク社製) 0.17 溶解水 93.77 合計 100.00 実施例4 100g当たり次の配合割合の原料を水に溶解し、10
0ml容の缶(東洋製罐社製)に95mlを充填し、密
封し、のちレトルト殺菌機(日坂製作所製)により12
1℃で15分レトルト殺菌し、風味良好な炭酸飲料97
50缶を得た。
【0040】実施例1と同一の方法により製造した ホエータンパクペプチド 5.00(g) ステビア(守田化学工業社製) 0.02 フレーバー(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.15 クエン酸(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.60 1%炭酸水 94.23 合計 100.00 なお、1%炭酸水は、炭酸飲料用STKカーボネーター
(昭和炭酸社製)により製造した。 実施例5 100g当たり次の配合割合の原料を水に溶解し、10
0ml容の缶(東洋製罐社製)に95mlを充填し、密
封し、のちレトルト殺菌機(日坂製作所製)により12
1℃で15分レトルト殺菌し、風味良好なりんご果汁飲
料4800缶を得た。
【0041】実施例1と同一の方法により製造した ホエータンパクペプチド 5.00(g) りんご濃縮果汁(東京果汁工業社製。BX70%) 5.80 ステビア(守田化学工業社製) 0.01 フレーバー(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.15 クエン酸(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.60 溶解水 88.44 合計 100.00 実施例6 100g当たり次の配合割合の原料を均一に粉体混合
し、風味良好なポタージュスープ粉末1kgを得た。こ
のポタージュスープ粉末は、30gを160mlの熱湯
で溶解して飲用する。
【0042】実施例1と同一の方法により製造した ホエータンパクペプチド 5.00(g) ポタージュミックス粉末(日本スタンゲ社製) 28.20 澱粉(松谷化学工業社製) 38.80 チキンエキス(日研フーズ社製) 2.50 酵母粉末(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 1.00 脱脂粉乳(森永乳業社製) 20.00 食塩(鳴門塩業社製) 2.50 香料(高砂香料工業社製) 2.00 合計 100.00
【0043】
【発明の効果】以上、詳しく説明したとおり、この出願
の発明は、高塩濃度下で耐酸性および耐熱性を有するホ
エータンパクペプチド、このペプチドの製造法並びにこ
ペプチドを含有する栄養組成物であり、この発明によっ
て奏せられる効果は次のとおりである。 1)この発明のホエータンパクペプチドは、高塩濃度下
で耐酸性および耐熱性を有し、従来製品に見られない優
れた風味と、高い保存性効果を有する。 2)この発明の製造方法によれば、高塩濃度下で耐酸性
および耐熱性を有するホエータンパクペプチドを簡便、
かつ高収率で製造することができる。 3)この発明のホエータンパクペプチドを利用すること
により、混濁および沈殿が生成せず、風味の優れた酸性
飲料等の栄養組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮川 博 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社栄養科学研究所内 (72)発明者 七野 俊和 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社栄養科学研究所内 (72)発明者 赤染 陽子 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社栄養科学研究所内 Fターム(参考) 4B018 LB08 LE03 LE05 MS01 MS02 MS07 MS15 4B064 AG01 CA21 CD02 CD20 CE09 DA10 4H045 AA10 AA20 AA30 BA09 BA53 CA43 EA01 FA16 FA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次のa)からd)、 a)ナトリウム塩類、カリウム塩類、マグネシウム塩類
    およびカルシウム塩類からなる群より選択される1種の
    塩類または2種以上の混合塩類を含有するpH5以下の
    酸性溶液において、121℃で15分間加熱しても沈殿
    を生成せず、加熱後に着色および濁りを生じないこと、 b)トリプトファンと遊離L−リジンとの比率が0.2
    1〜0.69であること、 c)必須アミノ酸に対するアミノ酸スコアが100であ
    ること、並びに d)加熱後に液状で保存しても透明性が損なわれないこ
    と、 の性質を有することを特徴とするホエータンパクペプチ
    ド。
  2. 【請求項2】 塩類または混合塩類の濃度が、ホエータ
    ンパクペプチド1g当たりナトリウムとして最高500
    mg、カリウムとして最高90mg、マグネシウムとし
    て最高500mgおよびカルシウムとして最高500m
    gである請求項1のホエータンパクペプチド。
  3. 【請求項3】 ホエータンパク質を蛋白分解酵素で酵素
    分解し、吸着樹脂処理し、トリプトファンと遊離L−リ
    ジンとの比率を0.21〜0.69に調整することを特
    徴とするホエータンパクペプチドの製造法。
  4. 【請求項4】 次のa)からd)、 a)ナトリウム塩類、カリウム塩類、マグネシウム塩類
    およびカルシウム塩類からなる群より選択される1種の
    塩類または2種以上の混合塩類を含有するpH5以下の
    酸性溶液において、121℃で15分間加熱しても沈殿
    を生成せず、加熱後に着色および濁りを生じないこと、 b)トリプトファンと遊離L−リジンとの比率が0.2
    1〜0.69であること、 c)必須アミノ酸に対するアミノ酸スコアが100であ
    ること、並びに d)加熱後に液状で保存しても透明性が損なわれないこ
    と、 の性質を有することを特徴とするホエータンパクペプチ
    ドを含有する栄養組成物。
  5. 【請求項5】 塩類または混合塩類の濃度が、ホエータ
    ンパクペプチド1g当たりナトリウムとして最高500
    mg、カリウムとして最高90mg、マグネシウムとし
    て最高500mgおよびカルシウムとして最高500m
    gである請求項4のホエータンパクペプチドを含有する
    栄養組成物。
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