JPH0622446B2 - 不快味のない易溶性乳蛋白加水分解物の製造方法 - Google Patents
不快味のない易溶性乳蛋白加水分解物の製造方法Info
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- JPH0622446B2 JPH0622446B2 JP61066537A JP6653786A JPH0622446B2 JP H0622446 B2 JPH0622446 B2 JP H0622446B2 JP 61066537 A JP61066537 A JP 61066537A JP 6653786 A JP6653786 A JP 6653786A JP H0622446 B2 JPH0622446 B2 JP H0622446B2
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- solution
- peptide
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、経腸栄養剤、栄養補強食品、栄養飲料等の飲
食品素材として利用するのに適した不快味のない、易溶
性乳蛋白加水分解物の製造方法に関する。
食品素材として利用するのに適した不快味のない、易溶
性乳蛋白加水分解物の製造方法に関する。
従来の技術的背景 近年、蛋白質を酵素により加水分解して得られるペプチ
ド、特にジ- およびトリ- ペプチドを主成分とする低分
子ペプチドは、それと同一組成のアミノ酸混合物に比べ
て腸管吸収が優れていることから、経腸栄養剤、栄養補
強食品等に利用されてきている。
ド、特にジ- およびトリ- ペプチドを主成分とする低分
子ペプチドは、それと同一組成のアミノ酸混合物に比べ
て腸管吸収が優れていることから、経腸栄養剤、栄養補
強食品等に利用されてきている。
而して、蛋白源として乳蛋白質を用い、これを酵素で従
来法に従つて加水分解を行つて得られるペプチドは苦味
を有することが多く、従つて、その摂食上障害をきたす
ことがあり、加うるに、このペプチドには不溶性のもの
もみられるので溶液形態にした場合沈澱物を形成する。
したがつて、乳蛋白質を従来法に従つて酵素分解して得
られるペプチドは経口経腸栄養剤、栄養補強食品や飲料
等の窒素源として利用しがたかつた。
来法に従つて加水分解を行つて得られるペプチドは苦味
を有することが多く、従つて、その摂食上障害をきたす
ことがあり、加うるに、このペプチドには不溶性のもの
もみられるので溶液形態にした場合沈澱物を形成する。
したがつて、乳蛋白質を従来法に従つて酵素分解して得
られるペプチドは経口経腸栄養剤、栄養補強食品や飲料
等の窒素源として利用しがたかつた。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、乳蛋白質を酵素分解して得られるペプチドの
利用上の問題点に鑑み、なされたものであつて、乳蛋白
質から不快味のない、かつ易溶性の低分子ペプチドを有
利に製造するための酵素的加水分解方法を提供すること
を目的とする。
利用上の問題点に鑑み、なされたものであつて、乳蛋白
質から不快味のない、かつ易溶性の低分子ペプチドを有
利に製造するための酵素的加水分解方法を提供すること
を目的とする。
本発明者らは、乳蛋白質をアルカリ性領域の pHに調整
した溶液中で、パンクレアチンとバチルス属由来の微生
物プロテアーゼとを併用して酵素的に、加水分解するこ
とにより、上記目的を達成することに成功し、本発明を
なすに至つた。
した溶液中で、パンクレアチンとバチルス属由来の微生
物プロテアーゼとを併用して酵素的に、加水分解するこ
とにより、上記目的を達成することに成功し、本発明を
なすに至つた。
以下本発明を詳しく説明する。
発明の構成 本発明の特徴は、乳蛋白質もしくは乳蛋白質を主成分と
する乳蛋白含有物を pH をアルカリ性領域に調整した溶
液中で、パンクレアチンとバチルス属由来の微生物プロ
テアーゼとを同時的もしくは段階的に作用させて酵素的
に加水分解し、得られた酵素分解混合物から不溶物を分
離し除去することにある。
する乳蛋白含有物を pH をアルカリ性領域に調整した溶
液中で、パンクレアチンとバチルス属由来の微生物プロ
テアーゼとを同時的もしくは段階的に作用させて酵素的
に加水分解し、得られた酵素分解混合物から不溶物を分
離し除去することにある。
ここで用いる乳蛋白質はカゼイン、ラクトアルブミン
(ホエー蛋白質)を包含し、乳蛋白含有物としては全
乳、脱脂乳等を例示し得る。
(ホエー蛋白質)を包含し、乳蛋白含有物としては全
乳、脱脂乳等を例示し得る。
問題点を解決するための手段 本発明では、上掲したような乳蛋白質もしくは乳蛋白含
有物を、乳蛋白質の濃度が 0.5%〜30%、好ましくは 5
%〜15%の水溶液になるように溶解した溶液を加熱殺菌
した後、50℃の温度に維持してアルカリによりその p
h を 7〜11、好ましくは 8.0〜10.0のアルカリ性領域に
調整する。なお、乳蛋白質として酸カゼインのように水
中で溶解し難いものを用いる時は、水中に可及的少量の
酸もしくはアルカリを添加し、加温下に溶解するとよ
い。
有物を、乳蛋白質の濃度が 0.5%〜30%、好ましくは 5
%〜15%の水溶液になるように溶解した溶液を加熱殺菌
した後、50℃の温度に維持してアルカリによりその p
h を 7〜11、好ましくは 8.0〜10.0のアルカリ性領域に
調整する。なお、乳蛋白質として酸カゼインのように水
中で溶解し難いものを用いる時は、水中に可及的少量の
酸もしくはアルカリを添加し、加温下に溶解するとよ
い。
本発明において上記溶液中の乳蛋白質に作用させるのに
用いる酵素、パンクレアチンは、豚の膵臓より得られる
ものであつて、日本薬局方に掲載のものに準じたものを
用いるのが好ましい。また、本発明で同じく用いるバチ
ルス属由来の微生物プロテアーゼとしてはバチルス・ス
ブチリス(Bacillus subtilis)由来のプロテアーゼであ
る「ビオプラーゼ」(ナガセ生化学工業社製)、「中性
プロテアーゼ」(同社製)および「プロテアーゼ N」
(天野製薬社製)等の中性ならびにアルカリ性領域で作
用するものが好ましい。
用いる酵素、パンクレアチンは、豚の膵臓より得られる
ものであつて、日本薬局方に掲載のものに準じたものを
用いるのが好ましい。また、本発明で同じく用いるバチ
ルス属由来の微生物プロテアーゼとしてはバチルス・ス
ブチリス(Bacillus subtilis)由来のプロテアーゼであ
る「ビオプラーゼ」(ナガセ生化学工業社製)、「中性
プロテアーゼ」(同社製)および「プロテアーゼ N」
(天野製薬社製)等の中性ならびにアルカリ性領域で作
用するものが好ましい。
これらの酵素の使用量は、基質である乳蛋白質の種類、
濃度および消化温度と時間により異なるも、一般的には
基質に対して0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5 重量
%である。
濃度および消化温度と時間により異なるも、一般的には
基質に対して0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5 重量
%である。
また、これらの酵素を作用させるための反応温度は、該
酵素の至適温度である30〜60℃、好ましくは40〜50℃で
あり、一方反応時間は乳蛋白質の種類、濃度、酵素量お
よび反応温度により異なるが、通常 3〜48時間、好まし
くは 6〜24時間である。
酵素の至適温度である30〜60℃、好ましくは40〜50℃で
あり、一方反応時間は乳蛋白質の種類、濃度、酵素量お
よび反応温度により異なるが、通常 3〜48時間、好まし
くは 6〜24時間である。
本発明では、パンクレアチンとバチルス属由来の微生物
プロテアーゼを併用するものであるが、その使用に当つ
ては、上記両者の酵素をそれぞれ水溶液としたものを、
乳蛋白質の水溶液へ同時に添加して作用させるか、段階
的に添加して作用させてもよく、段階的に添加する場合
は両酵素の添加順序は問わない。
プロテアーゼを併用するものであるが、その使用に当つ
ては、上記両者の酵素をそれぞれ水溶液としたものを、
乳蛋白質の水溶液へ同時に添加して作用させるか、段階
的に添加して作用させてもよく、段階的に添加する場合
は両酵素の添加順序は問わない。
基準としての乳蛋白質に対して上記両者の酵素を作用さ
せるに当つての反応液の pH は、酵素添加前の原料水溶
液の pH を前述のようにアルカリ性領域に調整した後は
特に調整を行うことなく、反応を進行させる。そのた
め、反応中の pH は急激に低くなつて中性付近( pH6.6
〜7.0)になるが、反応終了時までこの pH のままで加水
分解反応は進行する。
せるに当つての反応液の pH は、酵素添加前の原料水溶
液の pH を前述のようにアルカリ性領域に調整した後は
特に調整を行うことなく、反応を進行させる。そのた
め、反応中の pH は急激に低くなつて中性付近( pH6.6
〜7.0)になるが、反応終了時までこの pH のままで加水
分解反応は進行する。
なお、上記反応に際し、乳蛋白質として酸カゼインを用
いた場合には、その溶液中の10%以上になると粘性が増
大するため、適度の撹拌を行いながら、反応を進行させ
ることが好ましい。
いた場合には、その溶液中の10%以上になると粘性が増
大するため、適度の撹拌を行いながら、反応を進行させ
ることが好ましい。
反応終了後、得られた乳蛋白加水分解物は、酵素失活の
ための85℃以上の温度で 5分以上加熱処理した後、冷却
して 5℃以下の温度に16時間以上放置して不溶物を形成
させ、該不溶物を分離、除去する。この不溶物は、変成
ペプチドおよび難溶性ペプチドから成ると考えられる
が、これらは下記方法により効率的に分離、除去され
る。
ための85℃以上の温度で 5分以上加熱処理した後、冷却
して 5℃以下の温度に16時間以上放置して不溶物を形成
させ、該不溶物を分離、除去する。この不溶物は、変成
ペプチドおよび難溶性ペプチドから成ると考えられる
が、これらは下記方法により効率的に分離、除去され
る。
不溶物の分離、除去のための第一の手段は連続高速遠心
分離法の適用であり、これにより比較的比重の大きい不
溶物を除去することができる。次に第二の手段は濾過法
の適用であり、これには濾過綿を使用した方法と、ゼー
タプラス瀘材を使用した方法とがそれぞれ単独に、もし
くは組合わせて使用し得る。
分離法の適用であり、これにより比較的比重の大きい不
溶物を除去することができる。次に第二の手段は濾過法
の適用であり、これには濾過綿を使用した方法と、ゼー
タプラス瀘材を使用した方法とがそれぞれ単独に、もし
くは組合わせて使用し得る。
これらの二つの手段の適用により、不溶物を完全に分
離、除去し乳蛋白加水分解物溶液を清澄することが可能
である。
離、除去し乳蛋白加水分解物溶液を清澄することが可能
である。
因に、濾過綿とは綿状のセルロースであつて、これを水
中に分散させ、濾過筒中に積層してフイルターとして使
用する。
中に分散させ、濾過筒中に積層してフイルターとして使
用する。
また、ゼータプラス瀘材とはセルロースと珪藻土とから
成る瀘材であつて、これをフイルターに形成したもので
ある。
成る瀘材であつて、これをフイルターに形成したもので
ある。
該フイルターは、ゼータ電位による吸着作用と通常の多
孔性物質による物理的濾過作用との相乗的作用により高
い濾過効率で濾別を行い得るものであつて、コロイド状
の微細な不純物も有効に濾別し得る。
孔性物質による物理的濾過作用との相乗的作用により高
い濾過効率で濾別を行い得るものであつて、コロイド状
の微細な不純物も有効に濾別し得る。
さらに、上記ゼータプラス瀘材を、セライト(和光純薬
社製、ハイフロスーパーセル)と 1:4の割合で混合した
ものを濾過助剤として用いると、一そう高い濾過効率で
上記不純物を濾別することができる。
社製、ハイフロスーパーセル)と 1:4の割合で混合した
ものを濾過助剤として用いると、一そう高い濾過効率で
上記不純物を濾別することができる。
上述のようにして、不溶物を除去して得られる乳蛋白加
水分解物は、通常の乾燥手段である凍結乾燥もしくは噴
霧乾燥により乾燥することにより粉末化して製品とす
る。
水分解物は、通常の乾燥手段である凍結乾燥もしくは噴
霧乾燥により乾燥することにより粉末化して製品とす
る。
このようにして得られる乳蛋白加水分解物製品は、アミ
ノ酸とジペプチドおよびトリペプチドを主要成分とする
低分子ペプチドであつて、水に対する溶解性が良好で、
4W/W%濃度の水溶液での pH は 6.0〜7.0 の中性であ
り、苦味もほとんど感じない。
ノ酸とジペプチドおよびトリペプチドを主要成分とする
低分子ペプチドであつて、水に対する溶解性が良好で、
4W/W%濃度の水溶液での pH は 6.0〜7.0 の中性であ
り、苦味もほとんど感じない。
したがつて、本発明により得られる製品は、経腸栄養
剤、栄養補給飲食品等の窒息源素材乃至は医薬品素材と
して有効に利用し得る。
剤、栄養補給飲食品等の窒息源素材乃至は医薬品素材と
して有効に利用し得る。
叙上のとおり、本発明は、乳蛋白質をパンクレアチンと
バチルス属由来の微生物プロテアーゼとを併用して加水
分解することにより、酵素分解反応中の pH を調整した
り、反応後の反応液を中和し、脱塩する等の操作を行う
ことなく、上記窒素源として良好な低分子ペプチドを有
利に製造することを可能としたものである。以下に実施
例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
バチルス属由来の微生物プロテアーゼとを併用して加水
分解することにより、酵素分解反応中の pH を調整した
り、反応後の反応液を中和し、脱塩する等の操作を行う
ことなく、上記窒素源として良好な低分子ペプチドを有
利に製造することを可能としたものである。以下に実施
例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例に示した低分子ペプチドの収率、平均ペプ
チド鎖長、遊離アミノ酸含量および分子量分布は下記に
より測定した。
チド鎖長、遊離アミノ酸含量および分子量分布は下記に
より測定した。
ペプチドの収率 ペプチドの平均ペプチド鎖長(APL) アミノ基の定量は TNBS(トリニトロベンゼンスルホン
酸) 法により行い、完全加水分解は6N HCl中で 110℃で
24時間行つた。
酸) 法により行い、完全加水分解は6N HCl中で 110℃で
24時間行つた。
遊離アミノ酸定量 測定可能な濃度の溶液としたものについて、日立 835型
アミノ酸自動分析計で定量した。
アミノ酸自動分析計で定量した。
分子量分布 Sephadex(セファデックス)G-15 カラム(1.5×150cm)
を用い、1%酢酸溶液を平衡溶出液として使用してゲル
濾過を行つた。検出は各フラクシヨンを完全加水分解
し、ニンヒドリン法によりアミノ酸量として定量した。
さらに、各フラクシヨンのAPLを上記の方法により
測定して分子量分布を求めた。
を用い、1%酢酸溶液を平衡溶出液として使用してゲル
濾過を行つた。検出は各フラクシヨンを完全加水分解
し、ニンヒドリン法によりアミノ酸量として定量した。
さらに、各フラクシヨンのAPLを上記の方法により
測定して分子量分布を求めた。
実施例1 酸カゼイン(ニユージーランド製、ラクテイツクカゼイ
ン)1kg をK2CO3 20g及びNa2CO3 20g添加した水10に
加え、60℃まで加温しながら溶解させた溶液を、90℃以
上の温度で15分間加熱殺菌を行つた。
ン)1kg をK2CO3 20g及びNa2CO3 20g添加した水10に
加え、60℃まで加温しながら溶解させた溶液を、90℃以
上の温度で15分間加熱殺菌を行つた。
次いで、この溶液に50℃の温度で、 4規定苛性ソーダ水
溶液100mlを添加してpH 8.0〜9.0 に調整した。
溶液100mlを添加してpH 8.0〜9.0 に調整した。
得られた酸カゼイン溶液に、予め、適当量の水に溶解も
しくは懸濁したパンクレアチン(天野製薬社製:日本薬
局方記載品)7g及びバチルス・ズブチリス(Bacillus su
btilis) 由来のプロテアーゼN(天野製薬社製)15gを別々
の溶液として順次添加し、50℃に保持したまま16時間反
応させた。反応終了後、85℃で10分以上加熱して酵素を
失活させた後、5℃以下で16時間放置した。放置後、室
温にもどすことなく、高速遠心機で不純物を除去し、さ
らに濾過綿濾過及びゼータプラスフイルター濾過により
処理して反応液を清澄化した。この液をロータリーエバ
ポレーターで濃縮し、さらに凍結乾燥してペプチド粉末
860g を得た(収率86%) 。
しくは懸濁したパンクレアチン(天野製薬社製:日本薬
局方記載品)7g及びバチルス・ズブチリス(Bacillus su
btilis) 由来のプロテアーゼN(天野製薬社製)15gを別々
の溶液として順次添加し、50℃に保持したまま16時間反
応させた。反応終了後、85℃で10分以上加熱して酵素を
失活させた後、5℃以下で16時間放置した。放置後、室
温にもどすことなく、高速遠心機で不純物を除去し、さ
らに濾過綿濾過及びゼータプラスフイルター濾過により
処理して反応液を清澄化した。この液をロータリーエバ
ポレーターで濃縮し、さらに凍結乾燥してペプチド粉末
860g を得た(収率86%) 。
この標品は平均ペプチド鎖長 2.0、ジ及びトリペプチド
含量は57%、遊離アミノ酸含量が30%であった。
含量は57%、遊離アミノ酸含量が30%であった。
また、上記標品のゲル濾過による分子量分布(ゲル濾過
パターン)は添付図に示すとおりであつた。
パターン)は添付図に示すとおりであつた。
表1は、図1のクロマトグラフィーにおける各フラクシ
ョンの平均ペプチド鎖長(APL)と完全加水分解後の
アミノ酸量について測定結果をまとめたものである。表
中、矢印()以降のフラクションがAPL 3以下であ
り、ジ・トリペプチド及びアミノ酸画分である。
ョンの平均ペプチド鎖長(APL)と完全加水分解後の
アミノ酸量について測定結果をまとめたものである。表
中、矢印()以降のフラクションがAPL 3以下であ
り、ジ・トリペプチド及びアミノ酸画分である。
次に、上述のようにして得られた乳蛋白加水分解物の呈
味性についてパネルテストにより試験した結果を下記表
に示す。なお、比較として本発明の方法に従わないで調
製した乳蛋白加水分解物についても同様にして試験を行
い、その結果を併せて表に示した。
味性についてパネルテストにより試験した結果を下記表
に示す。なお、比較として本発明の方法に従わないで調
製した乳蛋白加水分解物についても同様にして試験を行
い、その結果を併せて表に示した。
試料の調製: 試料A(本発明) 実施例1で得られたペプチド粉末を4W/W%濃度になるよ
うに水に溶解した溶液。
うに水に溶解した溶液。
試料B(比較例) 実施例1において、プロテアーゼN を用いずにパンクレ
アチンのみを用いるほかは、実施例1に記載したと同様
の手順により調製したペプチド粉末を4W/W%濃度になる
ように水に溶解した溶液。
アチンのみを用いるほかは、実施例1に記載したと同様
の手順により調製したペプチド粉末を4W/W%濃度になる
ように水に溶解した溶液。
試料C(比較例) 実施例1において、パンクレアチンを用いずにプロテア
ーゼN のみを用いるほかは、実施例1に記載したと同様
の手順により調製したペプチド粉末を4W/W%濃度になる
ように水に溶解した溶液。
ーゼN のみを用いるほかは、実施例1に記載したと同様
の手順により調製したペプチド粉末を4W/W%濃度になる
ように水に溶解した溶液。
試料D(比較例) 実施例1において、酵素としてパンクレアチン及びプロ
テアーゼN に代えてトリプシン 10gを用いるほかは、実
施例1に記載と同様の手順により調製したペプチド粉末
を4W/W%濃度になるように水に溶解した溶液。
テアーゼN に代えてトリプシン 10gを用いるほかは、実
施例1に記載と同様の手順により調製したペプチド粉末
を4W/W%濃度になるように水に溶解した溶液。
パネルテスト: 上掲の各試料について、年令が10代乃至50代の各10名づ
つ(計50名)を選んで官能テストを行い、「不快味が強
い」「不快味を感じる」「不快味なし」の中であてはま
る項目を選択してもらった。表2は各試料の選択した項
目の人数をまとめたものである。
つ(計50名)を選んで官能テストを行い、「不快味が強
い」「不快味を感じる」「不快味なし」の中であてはま
る項目を選択してもらった。表2は各試料の選択した項
目の人数をまとめたものである。
上表にみられるとおり、本発明の方法に従つて調製され
た乳蛋白加水分解物(試料A)は、従来法により調製さ
れたものに比べて不快味のないことがわかる。
た乳蛋白加水分解物(試料A)は、従来法により調製さ
れたものに比べて不快味のないことがわかる。
実施例2 実施例1において、パンクレアチン50g とプロテアーゼ
N 10gを添加し、50℃で 8時間作用させることを除いて
は、実施例1記載と同様の手順に従つて820gのペプチド
を得た。この標品は、平均ペプチド鎖長 1.8、遊離アミ
ノ酸は32%で、ゲル濾過による分子量分布は実施例1で
のペプチドとほぼ同様なパターンを示した。
N 10gを添加し、50℃で 8時間作用させることを除いて
は、実施例1記載と同様の手順に従つて820gのペプチド
を得た。この標品は、平均ペプチド鎖長 1.8、遊離アミ
ノ酸は32%で、ゲル濾過による分子量分布は実施例1で
のペプチドとほぼ同様なパターンを示した。
実施例3 実施例1において、プロテアーゼN の代わりにナガセ生
化学工業製の「ビオプラーゼコンク(150,000 PUN/g)15g
を添加し、50℃、16時間作用させる以外は実施例1に記
載と同様の手順に従つて 850g のペプチド粉末を得た。
この製品の平均ペプチド鎖長は 2.0、遊離アミノ酸含有
は30%であつた。また、分子量分布は実施例1における
ペプチドとほぼ同様のパターンを示した。
化学工業製の「ビオプラーゼコンク(150,000 PUN/g)15g
を添加し、50℃、16時間作用させる以外は実施例1に記
載と同様の手順に従つて 850g のペプチド粉末を得た。
この製品の平均ペプチド鎖長は 2.0、遊離アミノ酸含有
は30%であつた。また、分子量分布は実施例1における
ペプチドとほぼ同様のパターンを示した。
実施例4 実施例1において酵素を同時に添加することなく、ま
ず、プロテアーゼN 15gを50℃で 3時間作用させた後、
パンクレアチン 7g を添加し、さらに12時間作用させる
以外は実施例1に記載したと同様の手順に従つて、 890
g のペプチドを得た。この標品は、平均のペプチド鎖長
2.0、遊離アミノ酸含量は30%であり、ゲル濾過による
分子量分布は実施例1とほぼ同様であつた。
ず、プロテアーゼN 15gを50℃で 3時間作用させた後、
パンクレアチン 7g を添加し、さらに12時間作用させる
以外は実施例1に記載したと同様の手順に従つて、 890
g のペプチドを得た。この標品は、平均のペプチド鎖長
2.0、遊離アミノ酸含量は30%であり、ゲル濾過による
分子量分布は実施例1とほぼ同様であつた。
実施例5 実施例1において、基質を酸カゼインの代わりに牛乳の
ホエー蛋白質であるラクトアルブミン(バイオプロ:バ
イオアイソレート社製)1kgを用いて水10に溶解さ
せ、90℃15分間加熱殺菌後 pH を 4N KOH で pH 9.3 に
調整し、パンクレアチンとプロテアーゼN を50℃、16時
間作用させることを除いては、実施例1に記載と同様の
手順に従つて 810g のペプチド組成物を調製した。得ら
れたペプチド標品の平均ペプチド鎖長 2.3、遊離アミノ
酸27%で分子量分布もほぼ実施例1と同様であつた。
ホエー蛋白質であるラクトアルブミン(バイオプロ:バ
イオアイソレート社製)1kgを用いて水10に溶解さ
せ、90℃15分間加熱殺菌後 pH を 4N KOH で pH 9.3 に
調整し、パンクレアチンとプロテアーゼN を50℃、16時
間作用させることを除いては、実施例1に記載と同様の
手順に従つて 810g のペプチド組成物を調製した。得ら
れたペプチド標品の平均ペプチド鎖長 2.3、遊離アミノ
酸27%で分子量分布もほぼ実施例1と同様であつた。
図1は、本発明実施例1における調製品のセファデック
スG15で測定した分子量分布パターンを示す図であり、
縦軸は完全加水分解後のニンヒドリン法による各フラク
ションのアミノ酸量(ロイシン換算量)を、横軸はフラ
クションナンバー(各6ml)を示している。なお、カラ
ム流速は24ml/hで、添加試料量は構成アミノ酸量で42mg
であった。(試料の回収率:94%)
スG15で測定した分子量分布パターンを示す図であり、
縦軸は完全加水分解後のニンヒドリン法による各フラク
ションのアミノ酸量(ロイシン換算量)を、横軸はフラ
クションナンバー(各6ml)を示している。なお、カラ
ム流速は24ml/hで、添加試料量は構成アミノ酸量で42mg
であった。(試料の回収率:94%)
Claims (2)
- 【請求項1】乳蛋白質もしくは乳蛋白質を主成分とする
乳蛋白含有物を、 pH をアルカリ性領域に調整した溶液
中で、パンクレアチンとバチルス属由来の微生物プロテ
アーゼとを同時的もしくは段階的に作用させ酵素的に加
水分解し、得られた酵素分解混合物から不溶物を分離
し、除去することを特徴とする不快味のない易溶性乳蛋
白加水分解物を製造する方法。 - 【請求項2】乳蛋白質もしくはその含有物の溶液の pH
を 7〜11、好ましくは 8.0〜10.0に調整する特許請求の
範囲第(1)項記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61066537A JPH0622446B2 (ja) | 1986-03-25 | 1986-03-25 | 不快味のない易溶性乳蛋白加水分解物の製造方法 |
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JP61066537A JPH0622446B2 (ja) | 1986-03-25 | 1986-03-25 | 不快味のない易溶性乳蛋白加水分解物の製造方法 |
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-
1986
- 1986-03-25 JP JP61066537A patent/JPH0622446B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
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WO2012176658A1 (ja) | 2011-06-24 | 2012-12-27 | カルピス株式会社 | 脳機能改善用ペプチドの酵素的製造方法 |
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JPS62224245A (ja) | 1987-10-02 |
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