JP3396001B2 - ペプチド混合物の新規な製造法 - Google Patents
ペプチド混合物の新規な製造法Info
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Description
を含有したペプチド混合物を、常に安定した状態で、一
定の品質で製造する方法に関するものである。詳しく
は、本発明は、1種若しくは2種以上の蛋白質からなる
原料蛋白質の水溶液又は予め軽度に加水分解した原料蛋
白質の水溶液(以下これらの水溶液をまとめて原料水溶
液と記載することがある)に、蛋白分解酵素を添加し、
原料蛋白質又は予め軽度に加水分解した原料蛋白質の加
水分解を開始し、加水分解により分解液中に遊離した特
定アミノ酸の量を経時的に測定し、原料蛋白質又は予め
軽度に加水分解した原料蛋白質に含まれる特定アミノ酸
の総量に対する遊離した特定アミノ酸の量の割合を算出
し、その算出した値が予め設定された特定の範囲内に達
したとき直ちに加水分解を停止することを特徴とするペ
プチド混合物の新規な製造法、である。本明細書におい
て、百分率は、特に断りのない限り、重量による表示で
ある。
等)又は植物性蛋白質(大豆、小麦等)を蛋白分解酵素
で分解して得られるペプチド混合物には、増粘性、起泡
性、抗酸化性、易消化吸収性、ミネラル可溶化性、低抗
原性等の性質、上皮細胞成長因子、細胞増殖因子、カル
シウム吸収促進機能、オピオイド様活性等の生理活性機
能が知られており(食品と開発、第26巻、第11号、
第28〜36ページ、1991年)、畜肉、水産練り製
品、パン、菓子、ミネラル強化食品、乳幼児用食品、ス
ポーツ飲料、一般栄養食品、経腸栄養剤、蛋白アレルギ
ー対応食品、特殊栄養食品、医薬品等の製造に不可欠な
原料の一つとなっている。
用されるペプチド混合物の製造方法としては、用途に応
じてそれぞれ異なるが、 a)遊離のアミノ酸の生成をできるだけ制限するために
原料蛋白質をエンドペプチダーゼのみで分解して目的の
ペプチド混合物を製造する方法 b)原料蛋白質をエンドペプチダーゼとエキソペプチダ
ーゼの組み合わせで分解し、逆に所定量の遊離アミノ酸
を含有させたペプチド混合物を製造する方法、及び、 c)これらペプチド混合物からウルトラフィルトレーシ
ョン(UF)、リバースオスモシス(RO)、ゲル濾
過、イオン交換樹脂法等の分離操作により更に目的とす
るペプチド混合物を精製、分取する方法、等に大別する
ことができる。
のとおりである。 1)蛋白質をエンド型プロテアーゼ及びエキソ型プロテ
アーゼ共存水系下に、0.5〜10時間酵素分解し、苦
味の極めて少ない平均鎖長3〜10のオリゴペプチドを
得ることを特徴とするオリゴペプチド混合物の製造法が
開示されている(特開昭62−143697号公報)。
〜20%(w/v)となるように分散させ、酸によってpH
を1〜4に調整し、2種以上の酸性プロテアーゼを同時
に又は逐次的に添加して25〜60℃の温度で8〜72
時間遊離のアミノ酸の生成をおさえつつ酵素分解反応を
行い低分子ペプチド組成物を製造する方法が開示されて
いる(特公昭57ー45560号公報)。
酵素で部分分解する方法において、カゼイン溶液の通液
速度を制御してカゼインの部分分解物を製造する方法が
開示されている(特公平3−31421号公報)。
る物質と溶解促進剤を混合溶解した後、単数もしくは複
数の蛋白質分解酵素を添加し消化反応せしめて蛋白分解
物を製造するに際し、少なくとも前期蛋白分解物を添加
した後の溶液の粘度を経時的に計測し、該粘度が大きく
上昇して下降するその下降前に消化反応を停止すること
を特徴とする不溶解物の生成を防止した蛋白質分解物の
製造方法が開示されている(特公平3−58252号公
報)。
プチドのプロテアーゼ加水分解物であって、フィッシャ
ー値が30から60の範囲であるペプチド混合物を製造
する方法において、分解率が5〜25%となった時点で
加熱処理して酵素を失活させる方法が開示されている
(特開平2−300137号公報)。
して蛋白分解物を製造する方法において、ペプチドセン
サーでペプチド濃度を測定する方法及びペプチドの平均
鎖長を測定する方法が開示されている(食品産業バイオ
リアクターシステム技術研究組合編、「実践バイオリア
クター」、第166〜184ページ、食品産業バイオリ
アクターシステム技術研究組合発行、1990年)。
分解してグルテン分解物を製造する方法において、グル
テン分解物の疎水性を逆相高速液体クロマトグラフィー
(以下高速液体クロマトグラフィーをHPLCと記載す
る)で経時的に計測して泡末安定性に優れたグルテン分
解物が製造できることが開示されている(食品産業バイ
オリアクターシステム技術研究組合編、「実践バイオリ
アクター」、第106〜126ページ、食品産業バイオ
リアクターシステム技術研究組合発行、1990年)。
ン、グルタミン酸等のアミノ酸発酵における工程管理に
おいて目的生産物である遊離アミノ酸量を測定すること
が知られている(食品工業、第34巻、第16号、第1
〜11ページ、1991年)。
るように、従来、蛋白分解酵素で原料の蛋白質を分解し
てペプチド混合物を製造する場合、分解反応の終点を、
反応時間、蛋白溶液の通液速度等を指標とし、分解物の
粘度、分解率、疎水度等を測定することにより決定して
いたが、これらの方法では、刻々変化する分解物の理化
学的性状、特に遊離のアミノ酸量を正確に把握すること
が極めて困難であり、従来のペプチド混合物の製造法に
おいては、製造バッチごとにペプチド混合物が含有する
遊離アミノ酸量及び組成が異なり、ペプチド混合物の品
質が一定しないという致命的な欠点がありその改善が強
く要請されている状況にあった。
記従来技術に鑑みて、常に安定した状態で、一定の品質
でペプチド混合物を製造する方法について鋭意研究を行
った結果、加水分解物により分解液中に遊離する特定の
アミノ酸の量を、経時的に、かつ短時間で測定し、原料
蛋白質に含まれている該特定アミノ酸の量との割合を算
出し、その値が、特定の範囲内に達したときに直ちに加
水分解を停止することにより、所望のペプチド混合物が
得られることを見い出し、本発明を完成した。本発明の
目的は、遊離アミノ酸の量及び組成が一定し、品質が良
好であるペプチド混合物を容易に製造し得る新規な方法
を提供することにある。
明は、一定品質のペプチド混合物の製造法であって、1
種若しくは2種以上の蛋白質からなる原料蛋白質の水溶
液又は予め軽度に加水分解した原料蛋白質の水溶液に、
1種若しくは2種以上の蛋白分解酵素を添加し、原料蛋
白質又は予め軽度に加水分解した原料蛋白質の加水分解
を開始し、加水分解により分解液中に遊離したアミノ酸
から選択された特定アミノ酸の量を経時的に、かつ短時
間で測定し、原料蛋白質又は予め軽度に加水分解した原
料蛋白質に含まれる特定アミノ酸の総量に対する遊離し
た特定アミノ酸の量の割合を算出し、その算出した値が
予め設定された特定の範囲内に達したとき直ちに加水分
解を停止することを特徴とするペプチド混合物の製造法
であり、遊離したアミノ酸から選択された特定アミノ酸
が、リジン、フェニルアラニン、ロイシン又はアルギニ
ンであることを望ましい態様としてもいる。
法の出発原料として使用する原料蛋白質は、動物性蛋白
質(例えば、獣乳由来、卵由来、魚肉由来、畜肉由来
等)、植物性蛋白質(穀類由来、海草由来、種子由来
等)又はこれらの任意の混合物であり、特に限定される
ものではない。また、蛋白質を予め軽度に加水分解した
分解物であって、更に蛋白分解酵素により分解し得る大
きい分子量のペプチド混合物を出発原料とすることもで
きる。原料蛋白質又は予め軽度に加水分解した原料蛋白
質を、蛋白質換算で10%前後の濃度で水に溶解し、溶
解液のpHをアルカリ溶液又は酸溶液を用いて、使用す
る蛋白分解酵素の至適pH付近に調整し、原料水溶液を
調製する。
ば、パンクレアチン、ペプシン、トリプシン等)、植物
由来(例えば、パパイン、ブロメライン等)、微生物由
来(例えば、かび、放線菌、細菌、乳酸菌等)の蛋白分
解酵素又はこれらの任意の組合わせの蛋白分解酵素を目
的に応じ適宜選択し、所定量を添加する。例えば、エン
ドペプチダーゼを原料蛋白質1g当たり2000〜50
00PUN単位、エキソペプチダーゼを原料蛋白質1g
当たり20〜100活性単位の添加を、望ましい態様と
して例示することができる(PUN単位及び活性単位に
ついては後記する)。
常は酵素の至適温度に所定時間保持して蛋白質の酵素に
よる加水分解を行い、分解中に微生物の増殖が懸念され
る場合は、必要に応じて酵素の至適温度より高温域又は
低温域の温度に所定時間保持して蛋白質の酵素による加
水分解を行うこともできる。
定アミノ酸の量を経時的に、かつ短時間で測定する。具
体的には、例えば、HPLC、バイオテックアナライザ
ー(旭化成工業社製)、パフュージョン・クロマトグラ
フィー(パーセプティブ・バイオシステム社製。BioCA
D)等を用いることができる。使用する原料蛋白質及び
酵素の種類により遊離するアミノ酸の量が異なるので、
大量に遊離するアミノ酸を特定アミノ酸として選択する
のが望ましい。特に望ましい態様として、分解液中に遊
離した特定アミノ酸の量をオンラインにより、測定する
ことを例示できる。また、特定アミノ酸としては、リジ
ン、フェニルアラニン、ロイシン、アルギニン等が特に
好適なものとして例示される。これらにより、分解液中
に遊離した特定アミノ酸の量を経時的に、かつ短時間に
測定し、出発原料である蛋白質に含まれる特定アミノ酸
の総量に対する遊離した特定アミノ酸量の割合が予め設
定された特定の範囲に達した時、直ちに反応液中の酵素
を失活又は除去し、加水分解を停止する。前記特定の範
囲は、目的とするペプチド混合物、使用する原料、使用
する酵素等により異なるが、例えば、遊離したリジンの
量を経時的、かつ短時間で測定しながら、乳清蛋白質を
加水分解する場合、遊離リジンの量の範囲として5〜4
0%を例示することができる。
は除去して加水分解を停止する方法は、特に限定される
ものではなく、適宜の方法が使用されるが、該加水分解
を停止するまでに、時間的ずれを伴う場合もあり(例え
ば、ある量の分解液を加熱し、酵素を失活させるまで、
30〜60分を要する場合もある)、この場合加水分解
が進行するおそれがあるので、予め予備試験を行い、所
定の条件のもとに、分解の進行程度(例えば、特定の遊
離アミノ酸の生成速度)を測定し、酵素の失活又は除去
に要する時間を考慮し、前記特定の範囲を決定し、設定
することが望ましい。
分解液を、公知の方法により濃縮し、濃縮液とすること
もでき、また、この濃縮液を公知の方法により乾燥し、
粉末とすることもできる。更に、ペプチド混合物を含有
する液を、限外濾過、ゲル濾過等公知の方法により精製
し、公知の方法により濃縮し、濃縮液とすることもで
き、また、この濃縮液を公知の方法により乾燥し、粉末
とすることもできる。
えば、タンク式、チューブ式、カラム式等)、分解処理
方式(例えば、回分式、連続式、逐次式等)、酵素の失
活、分離又は除去方法、ペプチドの精製方法等は、公知
の方法及び装置を使用することが可能であり、特に限定
されるものではない。以上のようにして、遊離アミノ酸
の量及び組成が常に一定であり、かつ品質が変動しない
ペプチド混合物を製造し得る。
りである。エンドペプチダーゼのPUN単位は、カゼイ
ン[ハマーシュタイン(Hammerstein)。メルク社製]に
エンドペプチダーゼを作用させ、30℃で1分間に1μ
gのチロシンに相当するアリルアミノ酸のフォリン試薬
での呈色反応を示す酵素活性が1PUN単位である。
次の方法により測定した。エキソペプチダーゼを含有す
る粉末を0.2g/100mlの割合で0.1モルのリ
ン酸緩衝液(pH7.0)に分散又は溶解し酵素溶液と
する。一方、ロイシルパラニトロアニリド(国産化学社
製。以下Leu−pNAと記載する)を0.1モルのリ
ン酸緩衝液(pH7.0)に溶解して2mMの基質溶液
を調製する。酵素溶液1mlに基質溶液1mlを加え3
7℃で5分間反応させた後、30%の酢酸溶液2mlを
加えて反応を停止させる。反応液をメンブランフィルタ
ーで濾過し、波長410nmで濾液の吸光度を測定す
る。エキソペプチダーゼの活性単位は、1分間に1μm
olのLeu−pNAを分解するのに必要な酵素量が1
活性単位であり、次式により算出した。 活性単位(粉末1g当たり)=20×(A/B) (ただし、前記の式においてA及びBは、それぞれ波長
410nmにおける試料の吸光度及び0.25mMパラ
ニトロアニリンの吸光度である)
が、本発明においては、次の試験方法を採用した。 (1)アミノ酸組成の測定方法 トリプトファン、システイン及びメチオニン以外のアミ
ノ酸については、試料を6N塩酸で110℃、24時間
加水分解し、トリプトファンについては、水酸化バリウ
ムで110℃、22時間アルカリ分解し、システイン及
びメチオニンについては、過ぎ酸処理後、6N塩酸で1
10℃、18時間加水分解し、それぞれアミノ酸分析機
(日立製作所製。835型)により分析し、アミノ酸の
質量を測定した。
(日立製作所製。835型)により分析し、遊離アミノ
酸の質量を測定した。そして前記アミノ酸組成の分析で
得られた各アミノ酸の質量に対する遊離アミノ酸質量の
百分率を算出した。
0.1M燐酸L−リジン測定用緩衝液及び洗浄用界面活
性剤(いずれも旭化成工業社製)を用い、バイオテック
アナライザー(旭化成工業社製)により遊離リジン濃度
を測定し、原料蛋白質のリジン含有量に対する分解溶液
の遊離リジン含有量から全リジンに対する遊離リジンの
量の割合を算出した。
0mm)カラムをHPLC(島津製作所製)に装着し、
分解液0.1mlを供給し、溶離液A(0.1%トリフ
ルオロ酢酸溶液)に対する溶離液B(0.1%トリフル
オロ酢酸−アセトニトリル溶液)の割合が100分間で
50%となる濃度勾配で1.5ml/分の流速で溶出を
行った。
解溶液のホルモル態窒素量の百分率であり、次の方法に
より求めた。蛋白分解溶液4mlと蒸留水30mlを混
合し、0.2N水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液でp
Hを6.8に調整する。この溶液を0.2N水酸化ナト
リウム溶液でpHを8.0に調整したホルマリン溶液5
mlを添加し、0.1N水酸化ナトリウム溶液でpHが
7.9に達するまで滴定する。この時の滴定量をAm
l、0.1N水酸化ナトリウム溶液のファクターをF、
原料蛋白質溶液の蛋白濃度をB(%)として、分解率を
次式から算出した。 分解率(%)=22.3×A×F/B
製造方法、即ち、反応時間を指標にして酵素分解を停
止する方法及び分解率を指標にして酵素分解を停止す
る方法と、本発明の方法とにより、ペプチド混合物を
製造し、得られたペプチド混合物の品質(遊離アミノ酸
組成及び遊離アミノ酸量の変動)に及ぼす影響を比較検
討した。
前記の方法では、酵素分解を分解率が23%に達した
時に停止したこと、前記の本発明の方法では、分解液
中の遊離リジン濃度を経時的に、かつ短時間で測定し、
リジンの遊離率が15%に達した時点で酵素分解を停止
したこと、を除き、実施例1と同一の方法により乳清蛋
白質溶液の加水分解をそれぞれ5回反復して実施し、合
計15種類の試料を調製した。
方法により測定し、5回の結果の平均値と標準偏差を算
出した。
かなように、各方法で製造したペプチド混合物の各遊離
アミノ酸量及び遊離アミノ酸の合計量の平均値には多少
の差はあったが、遊離した各アミノ酸の量の標準偏差及
び遊離アミノ酸量の合計の標準偏差は、の本発明の方
法が最も小さく、安定しており、次いでの方法の変動
が少なく、の方法は最も変動が大きく製造上品質が不
安定であることが認められた。
件で、加水分解を実施した場合の各方法を比較するため
に行った。 1)試料の調製及び試験方法 蛋白質原料として牛乳カゼイン(商品名ALACID。
蛋白質含量90%。ニュージーランドデーリーボード
製)1kgを脱イオン水9kgに懸濁させ、20%カセ
イソーダ溶液でpHを7.0に調整して溶解したこと、
前記の方法では、酵素分解を9時間で停止したこと、
前記の方法では、酵素分解を分解率が30%に達した
時に停止したこと、及び前記の本発明の方法では、分
解液中の遊離リジン濃度を経時的に、かつ短時間で測定
し、リジンの遊離率が32%に達した時点で酵素分解を
停止したこと、を除き、試験例1と同一の方法により加
水分解をそれぞれ5回反復して実施し、合計15種類の
試料を調製した。
かなように、各方法で製造したペプチド混合物の各遊離
アミノ酸量及び遊離アミノ酸の合計量の平均値には多少
の差はあったが、遊離した各アミノ酸の量の標準偏差及
び遊離アミノ酸量の合計の標準偏差は、の本発明の方
法が最も小さく、安定しており、次いでの方法であ
り、の方法は最も変動が大きく製造上品質が不安定で
あることが認められた。
質及び分解条件で、加水分解を実施した場合の各方法を
比較するために行った。 1)試料の調製及び試験方法 蛋白質原料として大豆蛋白(商品名SUPRO。蛋白含
量90%。不二製油社製)に変更したこと、前記の方
法では、酵素分解を6時間で停止したこと、前記,方
法では、酵素分解を分解率が13%に達した時に停止し
たこと、及び前記の本発明の方法では、分解液中の遊
離リジン濃度を経時的に、かつ短時間に測定し、リジン
の遊離率が21%に達した時点で酵素分解を停止したこ
と、を除き、試験例1と同一の方法により加水分解をそ
れぞれ5回反復して実施し、合計15種類の試料を調製
した。
かなように、各方法で製造したペプチド混合物の各遊離
アミノ酸量及び遊離アミノ酸の合計量の平均値には多少
の差はあったが、遊離した各アミノ酸の量の標準偏差及
び遊離アミノ酸量の合計の標準偏差は、の本発明の方
法が最も小さく、安定しており、次いでの方法であ
り、の方法は最も変動が大きく製造上品質が不安定で
あることが認められた。尚、蛋白質原料を畜肉、魚肉、
卵等に変更して同様に試験したが、いずれの場合も遊離
アミノ酸組成及び遊離アミノ酸量は、本発明の方法が最
も変動が少なく、安定していることが判明した。
めに行った。 1)試料の調製及び試験方法 バイオテックアナライザー(旭化成工業社製)の代わり
にHPLC(島津製作所製)を用いて経時的に、かつ短
時間で分解液の遊離リジンの量を測定したこと以外は、
前記試験例1のの方法と同一の方法により乳清蛋白質
からペプチド混合物を調製した。
かなように、分解液の遊離リジンの量をバイオテックア
ナライザーで測定した場合も、HPLCで測定した場合
も、各アミノ酸の遊離量の平均値及び遊離アミノ酸量の
合計の平均値は異なるが、各アミノ酸の遊離量の標準偏
差及び遊離アミノ酸量の合計の標準偏差は、両者に大差
のないことが認められた。従って、これら遊離アミノ酸
量のいずれの測定方法も、本発明に使用し得ることが判
明した。尚、蛋白質の種類及び加水分解条件を変更して
試験したが、ほぼ同様な結果が得られた。
るために行った。 1)試料の調製及び試験方法 HPLC(島津製作所製)を用いて経時的に、かつ短時
間で分解液の遊離フェニルアラニンの量を測定し、遊離
フェニルアラニン量が25%に達した時点で酵素分解を
停止したことを除き、試験例2のの方法と同一の方法
によりカゼインからペプチド混合物を調製した。
かなように、分解液の遊離フェニルアラニンの量を測定
した場合も、各アミノ酸の遊離量の標準偏差及び遊離ア
ミノ酸量の合計の標準偏差は小さく、カゼインから品質
の一定したペプチド混合物が、得られることが認められ
た。尚、蛋白質の種類及び加水分解条件を変更して試験
したが、ほぼ同様な結果が得られた。
アミノ酸の種類を変更して試験した。 1)試料の調製及び試験方法 HPLC(島津製作所製)を用いて経時的に、かつ短時
間で分解液の遊離ロイシンの量を測定し、遊離ロイシン
量が10%に達した時点で酵素分解を停止したことを除
き、試験例3のの方法と同一の方法により大豆蛋白質
からペプチド混合物を調製した。
かなように、分解液の遊離ロイシンの量を測定した場合
も、各アミノ酸の遊離量の標準偏差及び遊離アミノ酸量
の合計の標準偏差は小さく、大豆蛋白質から品質の一定
したペプチド混合物が、得られることが認められた。ま
た、遊離アルギニンの量を測定した場合についても、ほ
ぼ同様の結果が得られた。測定する特定アミノ酸の種類
を前記ロイシン及びアルギニン以外のアミノ酸に変更し
た場合、又は、蛋白質の種類及び加水分解条件を変更し
た場合についても試験したが、ほぼ同様な結果が得られ
た。
道水100部及び石灰5部を添加し、コーンスティープ
リカーに含まれている酸を中和し、濾過助剤としてセラ
イト50部を添加して濾過し、濾液Aを得た。これとは
別に、フィシュリバー20部、モラセス35部及び水道
水200部の混合液にセライト50部を添加して濾過
し、濾液Bを得た。前記濾液A及び濾液B等量混合液5
00部にグルコース5部、リン酸一カリウム2.5部、
リン酸二カリウム2.5部及び酢酸ナトリウム5部を添
加し、30%水酸化ナトリウムでpHを6.4に調整
し、水を添加して1000部に調整した。
シラス・ヘルベティカスを培養し、得られた培養液を遠
心分離して乳酸菌菌体を回収し、滅菌水に菌体を懸濁
し、遠心分離して乳酸菌菌体を回収する操作を2回反復
して菌体を洗浄し、のち20%の濃度で菌体を滅菌水に
懸濁し、超音波破砕機(ブランソン社製。SONIFIER mod
el 250)により菌体を破砕し、凍結乾燥し、乳酸菌由来
のエキソペプチダーゼ粉末約25gを得た。
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1 乳清蛋白質含量75%の市販乳清蛋白質粉末(カリフォ
ルニア・プロテイン社製)1kgを、脱イオン水9kg
に溶解し、70℃に5分間保持して殺菌し、pHを9.
0に調整し、市販のプロテアーゼNアマノ(天野製薬社
製)150万PUN単位(乳清蛋白質1g当たり200
0PUN単位)及び前記参考例1と同一の方法で調製し
たラクトバシラス・ヘルベチカス菌体破砕物4万活性単
位(乳清蛋白質1g当たり60活性単位)を添加し、5
0℃に保持して加水分解を開始し、バイオテックアナラ
イザー(旭化成工業社製)を用いて経時的に、かつ短時
間で遊離リジンの量を測定し、遊離リジン量が14%に
達した時点で、80℃で6分間加熱して酵素を失活さ
せ、酵素分解を停止させ、のち常法により凍結乾燥し、
乳清蛋白質からペプチド混合物約950gを得た。前記
の製造法を2回反復して得られたペプチド混合物を、前
記試験方法により試験した結果、各遊離アミノ酸の量及
び遊離アミノ酸の合計量にはほとんど差異が認められな
かった。
製。エマソフトEX−100)1kgを、脱イオン水9
kgに溶解し、pHを7.0に調整し、70℃で5分間
保持して殺菌した。この小麦蛋白質溶液に市販のパンク
レアチン(天野製薬社製)を200万PUN単位(小麦
蛋白質1g当たり2500PUN単位)及び前記参考例
1と同一の方法で調製したラクトバシラス・ヘルベチカ
ス菌体破砕物6万活性単位(小麦蛋白質1g当たり75
活性単位)を添加し、50℃に保持して加水分解を開始
し、バイオテックアナライザー(旭化成工業社製)を用
いて経時的に、かつ短時間で遊離リジンの量を測定し、
遊離リジン量が34%に達した時点で、80℃で10分
間加熱して酵素を失活させ、酵素分解を停止させ、のち
凍結乾燥し、小麦蛋白質からペプチド混合物約950g
を得た。前記の製造法を2回反復して得られたペプチド
混合物を、前記試験方法により試験した結果、各遊離ア
ミノ酸の量及び遊離アミノ酸の合計量にはほとんと差異
が認められなかった。
製。エマソフトEX−100)500g及び蛋白質含量
90%の市販大豆蛋白粉末(不二製油社製。商品名SU
PRO)500gを脱イオン水9kgに溶解し、pHを
7.0に調整し、70℃で5分間保持して殺菌した。こ
の混合蛋白質溶液に市販のパンクレアチン(天野製薬社
製)85万PUN単位(蛋白質1g当たり1000PU
N単位)、プロテアーゼNアマノ(天野製薬社製)17
0万PUN単位(蛋白質1g当たり2000PUN単
位)及び前記参考例1と同一の方法で調製したラクトバ
シラス・ヘルベチカス菌体破砕物4万活性単位(蛋白質
1g当たり47活性単位)を添加し、50℃に保持して
加水分解を開始し、HPLC(島津製作所製)を用いて
経時的に、かつ短時間で遊離アルギニンの量を測定し、
遊離アルギニン量が21%に達した時点で80℃で10
分間加熱し、酵素を失活させ、酵素分解を停止させ、の
ち凍結乾燥し、ペプチド混合物約950gを得た。前記
の製造法を2回反復して得られたペプチド混合物を、前
記試験方法により試験した結果、各遊離アミノ酸の量及
び遊離アミノ酸の合計量にはほとんど差異が認められな
かった。
ルニア・プロテイン社製)500g及び蛋白質含量90
%の市販大豆蛋白粉末(不二製油社製。商品名SUPR
O)500gを脱イオン水9kgに溶解し、70℃に5
分間保持して殺菌し、pHを9.0に調整し、市販のプ
ロテアーゼNアマノ(天野製薬社製)250万PUN単
位(蛋白質1g当たり4848PUN単位)及び前記参
考例1と同一の方法で製造したラクトバシラス・ヘルベ
チカス菌体破砕物4万活性単位(蛋白質1g当たり48
活性単位)を添加し、50℃に保持して加水分解を開始
し、バイオテックアナライザー(旭化成工業社製)を用
いて経時的に、かつ短時間で遊離リジンの量を測定し、
遊離リジン量が18%に達した時点で80℃で6分間加
熱し、酵素を失活させ、酵素分解を停止させ、凍結乾燥
し、ペプチド混合物約950gを得た。前記の製造法を
2回反復して得られたペプチド混合物を、前記試験方法
により試験した結果、各遊離アミノ酸の量及び遊離アミ
ノ酸の合計量にはほとんど差異が認められなかった。
混合物の新規な製造法であり、本発明によって奏せられ
る効果は次のとおりである。 1)各遊離アミノ酸の量及び遊離アミノ酸の合計量がほ
ぼ一定のペプチド混合物が得られる。 2)目的とするペプチド混合物が常に安定して得られ
る。 3)一定品質のペプチド混合物を簡便に製造することが
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 一定品質のペプチド混合物の製造法であ
って、1種若しくは2種以上の蛋白質からなる原料蛋白
質の水溶液又は予め軽度に加水分解した原料蛋白質の水
溶液に、1種若しくは2種以上の蛋白分解酵素を添加
し、原料蛋白質又は予め軽度に加水分解した原料蛋白質
の加水分解を開始し、加水分解により分解液中に遊離し
たアミノ酸から選択された特定アミノ酸の量を経時的
に、かつ短時間で測定し、原料蛋白質又は予め軽度に加
水分解した原料蛋白質に含まれる特定アミノ酸の総量に
対する遊離した特定アミノ酸の量の割合を算出し、その
算出した値が予め設定された特定の範囲内に達したとき
直ちに加水分解を停止することを特徴とするペプチド混
合物の製造法。 - 【請求項2】 遊離したアミノ酸から選択された特定ア
ミノ酸が、リジン、フェニルアラニン、ロイシン又はア
ルギニンである請求項1に記載のペプチド混合物の製造
法。
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-
1994
- 1994-10-14 JP JP27430494A patent/JP3396001B2/ja not_active Expired - Fee Related
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