JP2000319741A - Al−Mg−Si系合金板 - Google Patents
Al−Mg−Si系合金板Info
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Abstract
系合金板よりもプレス成形性(特に深絞り成形性,張出
し成形性,曲げ加工性)を高めたAl−Mg−Si系合
金板を提供する。 【解決手段】 Al−Mg−Si系合金板の集合組織に
ついて、少なくともCube方位の方位密度をプレス成
形の種類に応じて制御することにより、該プレス成形に
合わせて改善されたプレス成形性を与えるものであり、
例えば深絞り成形性を高めたAl−Mg−Si系合金板
を得るにあたっては、Cube方位の方位密度に対する
S方位の方位密度の割合(S/Cube)を1以上と
し、Cube方位の方位密度に対するGoss方位の方
位密度の割合(Goss/Cube)を0.3以下と
し、且つ結晶粒径を80μm以下とすればよい。
Description
ル等の材料に好適な金属板で、一般にJIS6000系
に属するAl−Mg−Si系合金板に関するものであ
り、プレス成形性、特に張出し成形性や曲げ加工性が求
められる自動車のエンジンフードやトランクフード等、
又は深絞り成形性が求められる自動車ドアやフェンダー
等に好適な材料としてのAl−Mg−Si系合金板に関
するものである。
鋼板が使用されてきたが、最近では、排ガス低減や燃費
削減を目的とする車体軽量化の要求が高まるにつれてA
l合金板が用いられることが多くなっている。強度的に
鋼板と対抗し得るアルミニウム材料は知られているが、
その様なアルミニウム材料では、一般に深絞り成形や張
出し成形等のプレス成形性が劣っているため、プレス成
形性についての改善が強く望まれている。成形性に優れ
るアルミニウム合金板としては、従来からAl−Mg系
合金が主として用いられてきたが、塗料の焼付硬化性が
劣ることや、プレス成形時にストレッチャストレインマ
ークが発生しやすいこと等から、近年JIS 6000
系のAl−Mg−Si系合金が注目される様になった。
そして、6009合金や6010合金、さらには特開平
5−295475号公報に開示された合金等のAl−M
g−Si系合金が自動車ボディパネルに適用される様に
なった。
径などの組織形態を制御することにより成形性を向上さ
せることが提案されている。例えば、特開平5−295
476号公報に集合組織及び結晶粒径を最適化して深絞
り性を向上させたAl−Mg系合金板が提案されてお
り、特開平8−325663号公報に各方位の割合を抑
制したプレス成形性に優れたAl−Mg−Si系合金板
が提案されている。
のAl−Mg−Si系合金板は、未だ成形性が充分とは
いえず、自動車メーカーから更なる成形性の向上が要求
されている。
ものであり、その目的とするところは、従来のJIS6
000系のAl−Mg−Si系合金板よりもプレス成形
性(特に深絞り成形性,張出し成形性,曲げ加工性)を
高めたAl−Mg−Si系合金板を提供することにあ
る。
明のAl−Mg−Si系合金板とは、Al−Mg−Si
系合金板の集合組織について、少なくともCube方位
の方位密度をプレス成形の種類に応じて制御することに
より、該プレス成形に合わせて改善されたプレス成形性
を与えたことを要旨とするものである。
対するS方位の方位密度の割合(S/Cube)を1以
上とし、Cube方位の方位密度に対するGoss方位
の方位密度の割合(Goss/Cube)を0.3以下
とし、且つ結晶粒径を80μm以下として、深絞り成形
性を高めたAl−Mg−Si系合金板;Cube方位
密度を[Cube]と表し、RW方位密度を[RW]と表し、CR
方位密度を[CR]と表し、Brass方位密度を[Brass]
と表し、Goss方位密度を[Goss]と表し、PP方位密
度を[PP]と表し、C方位密度を[C] と表し、S方位密度
を[S] と表したとき、下記式で求められるX1の値が0
以上である集合組織を有することにより張出し成形性を
高めたAl−Mg−Si系合金板;下記式で求められ
るYの値が11以下である集合組織を有することにより
プレス曲げ加工性を高めたAl−Mg−Si系合金板が
挙げられる。 X1=0.02[Cube]−1.8 [RW]+1.05[CR]−2.84[Brass]−
0.22[Goss]−0.76[PP]−0.32[C] −1.49[S] +5.2 Y=0.66[Cube]−1.98[RW]+2.26[CR]+4.48[Brass]−
1.36[Goss]−1.17[PP]+1.67[C] +0.07[S] 上記又はのAl−Mg−Si系合金板において、結
晶粒径が80μm以下であることが好ましい。
となる集合組織を有する様に、Al−Mg−Si系合金
板の集合組織を制御することにより、優れた張出し成形
性を有するAl−Mg−Si系合金板を得ることができ
る。 X2=0.38[Cube]+0.76[CR]−1.97[RW]−0.42[Goss]−
1.50
制御すれば実プレス成形性に優れたAl−Mg−Si系
合金板を得ることができ、このとき平均結晶粒径を30μ
m以下とすることが好ましい。なお、本発明において実
プレス成形性とは、張出し成形性と深絞り成形性を兼備
する特性である。
分としては、Mg:0.1〜2.0%、Si:0.1〜
2.0%とすることが望ましく、合金成分として、更に
Fe:1.0%以下(0%を含まない)、Mn:1.0
%以下(0%を含まない)、Cr:0.3%以下(0%
を含まない)、Zr:0.3%以下(0%を含まな
い)、V:0.3%以下(0%を含まない)、Ti:
0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選択さ
れる1種以上を合計で0.01〜1.5%含有させれ
ば、成形性を高めることができ望ましい。
い)、Ag:0.2%以下(0%を含まない)、Zn:
1.0%以下(0%を含まない)よりなる群から選択さ
れる1種以上を合計で0.01〜1.5%含有させる
か、Snを0.2%以下(0%を含まない)含有させれ
ば、焼付塗装時の時効硬化速度を高めることができ望ま
しい。
系合金について集合組織とプレス成形性の関係につい
て、鋭意実験を重ねてきた。その結果、圧延後のAl−
Mg−Si系合金板には、種々の方位に集合組織が見ら
れるが、その集合組織の中にはプレス成形性の向上に有
効なものと、悪影響があるもの、さらには影響がないも
のがあり、特定の集合組織を制御することがプレス成形
性の向上に非常に有効であることを見出し、本発明に想
到した。
いて説明すると、アルミニウム合金板の場合、Cube
方位,CR方位,RW方位,Goss方位,Brass
方位,PP方位,C方位(Copper方位),S方位
に集合組織が発達することが知られている(図1参
照)。これらの集合組織の体積分率が変化すると塑性異
方性が変化する。集合組織のでき方は同じ結晶系の場合
でも加工法によって異なり、圧延による板材の集合組織
の場合には、圧延面と圧延方向で表されており、圧延面
は{ABC}で表現され、圧延方向は<DEF>で表現
される(A,B,C,D,E,Fは整数)。かかる表現
方法に基づいて、各方位は以下のように示される。 Cube方位 {001}<100> CR方位 {001}<520> RW方位 {001}<110> Goss方位 {011}<100> Brass方位 {011}<211> PP方位 {011}<122> C方位 {112}<111> S方位 {123}<634>
方位に対する各方位の強度を比率で示したものであり、
本発明では基本的に、これらの方位から±10度以内の
方位のずれは同一の方位因子に属するものと定義する。
ただしBrass方位とPP方位に関しては±8度以内
の方位のずれは同一の方位因子に属するものと定義す
る。
織はこれらの方位因子から成立しており、これらの構成
比率が変化すると板材の塑性異方性が変化し、プレス成
形性が良くも悪くもなる。しかし、少なくともCube
方位の方位密度をプレス成形の種類に応じて制御するこ
とにより、優れたプレス成形性を達成することができ
る。具体的には、張出し成形性,深絞り成形性,プレス
曲げ加工性に応じて集合組織を制御することが好まし
い。
常のX線回折法を用いて、最低3面(板の表面,表面か
ら厚み1/4の部分,板の厚さ方向の中心部の3面)の
完全正極点図または不完全正極点図を測定し、それから
結晶粒方位分布関数を用いて求めてもよいし、或いは電
子線回折法やSEM(Scanning Electron Microscop
y)−ECP(Electron Channeling Pattern )法,
SEM−EBSP(Electron Back Scattered Patte
rn )法等により得られた測定データをもとに方位密度
を求めてもよい。方位分布は板厚方向に変化しているた
め、板厚方向に何点か任意に採取し、平均の値を求める
ことが好ましい。
晶粒径,合金組成,製造条件との関係について説明す
る。
板の絞り込みが容易で且つポンチで押し出し変形させた
ときのポンチの側部が破断しにくいことである。
形性に及ぼす影響を詳細に調査した結果、集合組織とし
て、Cube方位及びGoss方位は深絞り性を低下
させること、S方位は深絞り性を向上させること、
その他の方位の影響は無視できることを見出した。
位密度に対するS方位の方位密度の割合(S/Cub
e)が1以上であり、かつCube方位の方位密度に対
するGoss方位の方位密度の割合(Goss/Cub
e)が0.3以下である時に深絞り性が飛躍的に良くな
る。
径の影響が特に大きく、結晶粒径に関しては、80μm
を超えると成形時に粒界破壊などが発生しやすくなって
成形性が低下することがわかった。
−Si系合金板は、Cube方位の方位密度に対するS
方位の方位密度の割合(S/Cube)が1以上であ
り、Cube方位の方位密度に対するGoss方位の方
位密度の割合(Goss/Cube)が0.3以下であ
る集合組織を有し、且つ結晶粒径が80μm以下であ
る。好ましい結晶粒径は60μm以下である。
界が高いことである。この条件を満足するための支配因
子は3つあり,塑性異方性が弱いこと,加工硬化能が高
いこと,ひずみ速度感受性指数が高い値を示すことであ
る。集合組織が弱いものが張出し成形性に優れることは
従来からわかっていたことであるが、圧延で板を製造す
る場合、完全に等方的なもの(換言すると集合組織が弱
い)を得ることは不可能で、何らかの方位が強くなる。
本発明者らは集合組織を種々変化させたAl−Mg−S
i系合金板の張出し成形性を評価し、各集合組織因子が
張出し成形性に及ぼす影響を詳細に調査した結果、Cu
be方位密度を[Cube]とし、RW方位密度を[RW]とし、
CR方位密度を[CR]とし、Brass方位密度を[Bras
s] とし、Goss方位密度を[Goss]とし、PP方位密
度を[PP]とし、C方位密度を[C] とし、S方位密度を
[S] として、下記式で表されるX1の値が0以上である
集合組織を有する場合に張出し成形性を満足することが
できることを見い出した。 X1=0.02[Cube]−1.8 [RW]+1.05[CR]−2.84[Brass]−
0.22[Goss]−0.76[PP]−0.32[C] −1.49[S] +5.2 更なる張出し成形性の向上のためには、X1の値が1以
上が好ましく、2以上が特に好ましい。
とされるが、張出し成形性に関しては、これは必ずしも
絶対条件ではない。好ましい条件についてまとめると、
結晶粒径の上限は、粒界破壊防止の点から80μm以
下、特に60μm以下であることが好ましい。
位密度を[Cube]と表し、またCR方位密度,RW方位密
度,Goss方位密度を、夫々[CR],[RW],[Goss]と表
したとき、下記式で求められるX2の値が0以上となる
様な集合組織が得られれば、張出し成形性に優れたAl
−Mg−Si系合金板を得ることが可能である。 X2=0.38[Cube]+0.76[CR]−1.97[RW]−0.42[Goss]−
1.50
た回帰曲線を基に導出したものであり、Cube方位及
びCR方位の集合組織は、張出し成形性の向上に非常に
有効であるが、RW方位及びGoss方位の集合組織は
張出し成形性に悪影響を与え、これら以外の方位(例え
ばBrass方位,S方位,Copper方位)の集合
組織は張出し成形性にさほど大きな影響を与えないとい
う結果を定量的に表すものである。
出し成形性に加えて、深絞り成形性の要素が要求され
る。より詳細に説明すれば、張出し成形試験では、短冊
状の試験片の両端を例えば200kNの高い圧力でクラ
ンプし且つクランプ型には摺動を防止する為の溝が形成
されているので、張出し成形を行っても試験片の両端が
成形加工部に追随して流れ込むことはないが、実際のプ
レス成形ではクランプ型と板材の間で摺動があり、深絞
り性も要求される。本発明者らは、集合組織とプレス成
形性の関係に関する研究を重ねる中で、張出し性を高め
るには、Cube方位密度を高めることが非常に有効で
あるが、一方でCube方位密度を高めると深絞り性に
悪影響を及ぼすことを見出した(図2参照)。従って、
実際のプレス成形を行うにあたっては、Cube方位密
度を適度な範囲で高めることが重要である。すなわち、
張出し成形性を向上させるという観点からCube方位
密度の下限は5とすることが望ましく、8以上であればよ
り望ましい。一方、Cube方位密度が高すぎると、強
度が低下し、板材の流れ込み(摺動)がある場合の張出
し性を劣化させるので(深絞り性を劣化させる)ので、
Cube方位密度の上限は15とすることが望ましく、
12以下がより望ましい。
時に満足する実プレス成形性は、結晶粒を微細化するこ
とによる強度上昇で向上するものであり(図3参照)、
平均結晶粒径を30μm以下とすることが望ましく、25μ
m以下とすればより望ましい。
た状態でプレスしたときの湾曲部の外部に「サケキズ」
が発生しにくいことをいう。
せたAl−Mg−Si系合金板の曲げ加工性を形性を評
価し、各集合組織因子が曲げ加工性に及ぼす影響を詳細
に調査した結果、Cube方位密度を[Cube]とし、RW
方位密度を[RW]とし、CR方位密度を[CR]とし、Bra
ss方位密度を[Brass] とし、Goss方位密度を[Gos
s]とし、PP方位密度を[PP]とし、C方位密度を[C] と
し、S方位密度を[S]として、下記式で表されるYの値
が11以下である集合組織を有するときに曲げ加工性を
満足できることを見い出した。 Y=0.66[Cube]−1.98[RW]+2.26[CR]+4.48[Brass]−
1.36[Goss]−1.17[PP]+1.67[C] +0.07[S] 更なる曲げ加工性の向上のためには、Yの値が10以下
であることが好ましい。
されるが、プレス曲げ加工性に関しては、張出し成形性
の場合と同様に、必ずしも絶対条件ではない。好ましい
条件についてまとめると、結晶粒径の上限は、粒界破壊
防止の点から80μm以下、特に60μm以下であるこ
とが好ましい。
0系に属するもので、上記集合組織の条件を満足するも
のであれば、プレス成形性を満足することができるが、
その合金組成は、プレス成形性の種類に拘わらず、以下
の数値範囲が好ましい。
である。MgとSiは、G.P.ゾーンと称されるMg
2Si組成の集合体(クラスター)又は中間相を形成
し、ベーキング処理(焼付塗装)による高強度化に寄与
する元素であり、Mg及びSi共に、0.1%以上必要
であり、0.4%以上であると望ましい。但し、多過ぎ
るとベーキング処理時にかえって強度が劣化するので、
Mg及びSi共に、2.0%以下とすべきであり、1.
5%以下であると望ましい。
製造する場合に、結晶粒を微細化する効果を有する。従
ってこれらの元素1種以上を添加すれば、粒界破壊を起
こしにくくすることができ、より成形性を高めることが
できる。また、これらの元素は均質化処理の間や熱間圧
延中に析出物を多く形成する。これらの析出物は、再結
晶方位の優先核生成サイトとして働き、好適な集合組織
を形成するためにも有効である。しかし、上限値を超え
て各元素を含有させると、Alとこれらの元素との間で
粗大な化合物が生成し破壊の起点となり却って成形性を
悪化させるため、上記上限値以下の添加とすることが望
ましい。より望ましい添加量は、Mnが0.6%以下、
Crが0.2%以下、Zrが0.2%以下、Vが0.2
%以下、Tiが0.05%以下である。尚、これらの元
素は合計量では0.01%以上1.5%以下とすること
が望ましい。
低コスト化の観点から、Alスクラップ材を原料として
板材を製造してもよく、この場合Feは不可避的に多量
に含まれる。Feは、Fe系晶出物[α-AlFeSi,β-Al
FeSi,Al2Fe,Al2(Fe,Mn),Al12(Fe,Mn)3Cu12,Al7Cu2F
e等]を形成し、結晶粒の微細化効果および再結晶方位
の優先核生成サイトとして働く元素であり、少な過ぎる
と、結晶粒微細化効果が得られないと共に、所望の集合
組織の形成を阻害するので、0.1%以上とすることが
必要であり、0.3%より多ければ望ましい。一方、多
過ぎても、粗大な晶出物が形成され、これが破壊の起点
となると共に所望の集合組織の形成を阻害し、成形性が
著しく劣化するので、1.5%以下とすることが必要で
あり、1.0%以下であると望ましい。尚、本発明によ
れば、Alスクラップ材を原料として、Fe含有量が
0.3%を超えているAl−Mg−Si系合金板や0.
6%を超えているAl−Mg−Si系合金板においても
優れた張出し成形性が得られる。
上限値を超えると、粗大な化合物を形成して成形性が劣
化するので、上記上限値以下の添加とすることが望まし
い。より望ましい添加量は、Cuが0.6%以下、Ag
が0.1%以下、Znが0.6%以下である。また、こ
れらの元素は合計量では0.01%以上1.5%以下と
することが望ましい。
時の時効を促進する元素であり、多過ぎると粗大な化合
物を形成して成形性が劣化するので0.2%以下とする
ことが望ましく、0.1%以下であるとより望ましい。
処理,熱間圧延,冷間圧延,最終焼鈍の工程を経て製造
されるが、化学組成や各工程の設定条件により、得られ
る集合組織は変わるので、一連の製造工程として、総合
的に条件を選択して、目的とする集合組織を得られれば
よい。よって、各工程における製造条件は、特に限定し
ない。
行われている鋳造方法であればよく、連続鋳造が一般的
である。
r,Fe,Zr,V等の遷移金属を添加する場合には、
析出物を所望の形態に制御することが重要である。これ
らの析出物は再結晶方位の優先核生成サイトとして働
き、どのような集合組織が形成されるかを支配するから
である。またこれらの析出物は結晶粒径をも支配し、成
形割れ限界を大きく左右する。従って最適均質化熱処理
条件は、Mn,Cr,Fe,Zr,V等の遷移金属の種
類、添加量に応じて適宜選択する必要がある。
程や冷間圧延工程の最適条件は、均質化熱処理で形成さ
れる析出物の形態によって変化するので適宜選択するこ
とが好ましい。また、熱間圧延及び冷間圧延における温
度,圧下率、及びその組み合わせは適宜選択できるが、
一般に、熱間圧延は300〜550℃程度で行ない、冷
間圧延は室温〜150℃程度で行ない、各圧延工程の最
終パス圧下率や最終冷延率は10〜95%程度とするこ
とが好ましい。さらに、熱間圧延後、冷間圧延を行なう
前に荒鈍、即ち熱延時に生じた不均一組織に焼鈍を施し
て再結晶させることによって均一組織にしてもよいし、
冷間圧延の途中で中間焼鈍を行なってもよい。熱間圧延
後に荒鈍を行なう場合と行なわない場合、冷間圧延の途
中で中間焼鈍を行なう場合と行なわない場合では、最適
な圧延条件は異なる。よって、荒鈍,中間焼鈍、さらに
これらの焼鈍処理条件に応じて、圧延条件を選択するこ
とが好ましい。尚、最終冷延率とは、冷間圧延工程の途
中で中間焼鈍を行なった場合は中間焼鈍から最終厚みま
での圧下率をいい、中間焼鈍を行なわない場合は冷間圧
延率に該当する。
行なう。溶体化処理は、処理温度(特に限定しないが、
一般に500〜580℃)まで1段で急速に加熱しても
よいし、徐加熱後、急速に処理温度まで加熱するという
2段階加熱によってもよい。また、処理温度における保
持時間も適宜選択でき、これらの溶体化処理条件によっ
ても、集合組織は変化する。また、溶体化処理後、水冷
するか、空冷するかについても、合金組成,圧延条件,
溶体化処理条件等に応じて適宜選択する。
件,荒鈍条件,溶体化処理条件などを複合的に制御する
ことによって、最適な集合組織を形成することができ、
プレス成形性を大きく向上させることができる。従っ
て、これらの製造条件は、個々には従来の製造条件とオ
ーバーラップするものもあるが、一連の製造工程として
は特殊な組み合わせを行うことで要求される成形性に好
適な集合組織を得ることができる。
30%以下と低い時には深絞り成形性に優れた集合組織
を得ることが容易であり、最終冷間圧延率が50%程度
の時には張出し成形性に優れた集合組織を得ることが容
易であり、最終冷間圧延率が70%以上と高い時には曲
げ加工性に優れた集合組織を得ることが容易である。ま
た、深絞り成形性に優れた集合組織は、冷間圧延の途中
で焼鈍を行なうことが効果的である。尚、最終冷間圧延
率とは、冷間圧延の途中で焼鈍を行なった場合に焼鈍後
行なう圧延率をいい、途中で焼鈍を行なわない場合には
冷間圧延率が最終冷間圧延率となる。
るが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前
・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全
て本発明の技術範囲に包含される。
方法について説明する。
板の厚み方向の中心部の3面について、通常のX線回折
法でターゲットはCuを用い、管電圧50kV、管電流
200mAの条件で、(100),(110),(11
1)完全正極点図を測定し、それから結晶方位分布関数
を用いて各面における各方位の方位密度を計算し、それ
らの平均をとって板材全体の方位密度を求めた。
の長さの線分によって完全に切られた結晶粒の数をかぞ
え、その切断長さの平均値を求めて、結晶粒径とした。
強く押えて、一辺が40mmの角筒型パンチで板材が割
れるまで深絞り変形を行ない、板材が割れるときの深絞
り高さ(mm)を測定した。絞り高さが高い程、深絞り
成形性に優れていることを示し、13.3mm以上であ
れば、要求を満足できる。
ミネラルオイルを用いた。
試験片に切り、直径101.6mmの球状張出しパンチ
を用い、潤滑剤としてR−303Pを用いて、しわ押え
圧力200kN、パンチ速度4mm/sで張出し成形
し、試験片が割れるときの高さ(mm)を求めた。
優れていることを意味し、要求される張出し成形性を満
足するためには27.5mm超、好ましくは29mm以
上であればよい。
て、180°曲げ密着させた。湾曲部の外部の「サケキ
ズ」の有無を目視で判定した。「サケキズ」が認められ
ない場合を良好とし、認められた場合を不良とした。
Si系合金のうち、特に深絞り性を高めたAl−Mg−
Si系合金,張出し成形性を高めたAl−Mg−Si系
合金,曲げ加工性を高めたAl−Mg−Si系合金の順
に、具体的な実施例に基づいて説明するが、本発明のA
l−Mg−Si系合金は、以下の実施例に限定されるも
のではない。
間焼鈍の欄における(A:B)の表示は、A℃でB時間
保持したことを示す。
系合金〕実施例1 Al−0.6%Mg−1.2%Si合金(以下、本実施
例において「ベース合金」といい、表1中、F1,F
2,F9,F10が該当する)、Al−0.6%Mg−
1.2%Si−0.2%Mn合金(以下、本実施例にお
いて「Mn添加合金」といい、表1中、F3〜5,F1
1〜13が該当する)、Al−0.6%Mg−1.2%
Si−0.2%Fe合金(以下、本実施例において「F
e添加合金」といい、表1中、F6〜8,F14〜16
が該当する)用いて、厚み500mmの板材を鋳造し、
表1に示す均質加熱処理を施した。
み30mmの板材とし、続いて熱間仕上げ圧延により厚
み5mmの板材とした。粗圧延における最終パス圧下率
は70%とした。仕上げ圧延の開始温度は、表1に示す
通りである。荒鈍(480℃で2分間保持)を施した
後、冷間圧延をして、厚み1mmの板材を得た。冷間圧
延時に行なう中間焼鈍の位置を変化させることにより、
最終冷間圧延率を変化させた。ここで、最終冷間圧延率
とは、中間焼鈍を行なった時点の厚みから、最終的に得
られる厚み1mmまでに行なった圧延率をいう。冷間圧
延により得られた厚み1mmの板材を溶体化処理した。
質化処理条件,仕上げ圧延開始温度,最終冷間圧延率,
中間焼鈍の条件,溶体化処理条件を表1に示すように変
化させることにより、集合組織及び結晶粒径を変化させ
たF1〜16材を得た。
R方位,Brass方位,Goss方位,PP方位,C
方位,S方位の各方位密度を測定し、深絞り性に関係あ
るCube方位密度に対するS方位密度の割合(S/C
ube),Cube方位密度に対するGoss方位密度
の割合(Goss/Cube)を算出した。得られたF
1〜16材について、角筒絞り試験を行った。
織,結晶粒径と併せて、表1に示す。
はGoss/Cubeが0.3超の合金(F9, 10,
12,13,15,16)は、絞り高さが13.4mm
未満であった。また、S/Cubeが1.0未満、又は
Goss/Cubeが0.3超の合金であっても、結晶
粒径が80μm超の合金(F11)は、絞り高さが1
3.4未満で、深絞り成形性を満足できない。一方、S
/Cubeが1.0以上でGoss/Cubeが0.3
以下で、結晶粒径が80μm以下の合金(F1〜8)
は、絞り高さが13.4mm以上で、深絞り成形性を満
足していた。
g−Si合金F21,31と、Mn,Fe,Cr,Z
r,V,Tiの少なくともいずれか1種を含有するAl
−Mg−Si系合金F22〜30,32〜38)につい
て、製造条件(均質化処理条件,熱間仕上げ圧延の開始
温度,中間焼鈍条件,最終冷延率,溶体化処理条件)を
表2に示すように変えた以外は実施例1の場合と同様に
して、表2に示すような集合組織及び結晶粒径を有する
合金板F21〜38を得た。
行った。
織,結晶粒径と併せて、表2に示す。
Tiの少なくともいずれか1種を所定範囲内で含有する
合金組成で、S/Cube及びGoss/Cubeの割
合が本発明の範囲で、且つ結晶粒径が80μm以下の合
金(F21〜30)は、絞り高さが13.4mm以上
で、深絞り成形性に優れている。
e,Cr,Zr,V及びTiの少なくともいずれか1種
を含有するAl−Mg−Si系合金にGP促進元素(C
u,Ag,Zn及びSnの少なくとも1種)を含有する
合金)について、製造条件(均質化処理条件,熱間仕上
げ圧延の開始温度,中間焼鈍条件,最終冷延率,溶体化
処理条件)を表2に示すように変えた以外は実施例1の
場合と同様にして、表3に示すような集合組織及び結晶
粒径を有する合金板F41〜55を得た。
行った。
織,結晶粒径と併せて、表3に示す。
Tiの少なくともいずれか1種及びGP促進元素を所定
範囲内で含有する合金組成で、S/Cube及びGos
s/Cubeの割合が本発明の範囲で、且つ結晶粒径が
80μm以下の合金(F41〜48)は、絞り高さが1
3.4mm以上で、深絞り成形性に優れている。
系合金〕実施例4 ベース合金(表4中、H1,H2,H9,H10が該当
する)、Mn添加合金(表4中、H3〜5,H11〜1
3が該当する)、Fe添加合金(表4中、H6〜8,H
14〜16が該当する)用いて、厚み500mmの板材
を鋳造し、表1に示す均質加熱処理を施した。
み30mmの板材とし、続いて熱間仕上げ圧延により厚
み10〜1.5mmの板材とした。続いて、冷間圧延を
して、厚み1mmの板材を得た。冷間圧延により得られ
た厚み1mmの板材を、550℃で一定時間保持すると
いう溶体処理をして、表4に示す集合組織及び結晶粒径
を有する板材H1〜16を得た。
開始温度,冷間圧延率,溶体化処理条件を表4に示すよ
うに変化させることにより、集合組織及び結晶粒径を変
化させた。最終冷間圧延率は、熱間仕上げ圧延により得
られる板材の厚みを変えることにより変化させた。ま
た、溶体化処理条件は、溶体化処理温度(550℃)ま
での加熱方法及び保持時間を表4に示すように変えた。
表中、溶体化処理において「急速」とあるのは、急速加
熱(1000℃/min)のことであり、「2段」とあ
るのは、300℃まで徐加熱(40℃/h)し、300
℃で1時間保持した後、550℃まで急速加熱(100
0℃/min)したことを意味する。溶体化処理後、水
中で焼入れした。
R方位,Brass方位,Goss方位,PP方位,C
方位,S方位の各方位密度を測定し、X値を算出した。
割れ限界高さを測定した。測定結果を、製造方法(最終
冷間圧延率,溶体化処理温度及び保持時間,加熱速
度)、結晶粒径及び集合組織とともに表4に示す。
限界高さは、27.5mm超であり、一方、X値が0未
満の場合には、割れ限界高さは27.5mm以下と小さ
くなった。さらに、X値が2.4以上のときには、割れ
限界高さを29.5mm以上とすることができる。
g−Si系合金H21,31と、Mn,Fe,Cr,Z
r,V,Tiの少なくともいずれか1種を含有するAl
−Mg−Si系合金H22〜30,32〜38)につい
て、製造条件(均質化処理条件,熱間仕上げ圧延の開始
温度,最終冷延率,溶体化処理条件)を表5に示すよう
に変えた以外は実施例1の場合と同様にして、表5に示
すような集合組織及び結晶粒径を有する合金板H21〜
38を得た。
行った。
織,結晶粒径と併せて、表5に示す。
限界高さは、27.5mm超であり、一方、X値が0未
満の場合には、割れ限界高さは27.5mm以下と小さ
くなった。さらに、X値が2.5以上のときには、割れ
限界高さを29.5mm以上とすることができる。
e,Cr,Zr,V及びTiの少なくともいずれか1種
を含有するAl−Mg−Si系合金にGP促進元素(C
u,Ag,Zn及びSnの少なくとも1種)を含有する
合金]について、製造条件(均質化処理条件,熱間仕上
げ圧延の開始温度,最終冷延率,溶体化処理条件)を表
6に示すように変えた以外は実施例4の場合と同様にし
て、表6に示すような集合組織及び結晶粒径を有する合
金板H41〜55を得た。
行った。
織,結晶粒径と併せて、表6に示す。
限界高さは、27.5mm超であり、一方、X値が0未
満の場合には、割れ限界高さは27.5mm以下と小さ
くなった。さらに、X値が2.5以上のときには、割れ
限界高さを29.5mm以上とすることができる。
合金〕実施例7 ベース合金(表7中、M1,M2,M9,M10が該当
する)、Mn添加合(表7中、M3〜5,M11〜13
が該当する)、Fe添加合金(表7中、M6〜8,M1
4〜16が該当する)用いて、厚み500mmの板材を
鋳造し、表7に示す均質加熱処理を施した。
み30mmの板材とし、続いて熱間仕上げ圧延により厚
み10〜1.5mmの板材とした。続いて、冷間圧延を
して、厚み1mmの板材を得た。冷間圧延により得られ
た厚み1mmの板材を、550℃で一定時間保持すると
いう溶体化処理をして、表7に示す集合組織及び結晶粒
径を有する板材M1〜16を得た。
開始温度,冷間圧延率,溶体化処理条件を表7に示すよ
うに変化させることにより、集合組織及び結晶粒径を変
化させた。最終冷間圧延率は、熱間仕上げ圧延により得
られる板材の厚みを変えることにより変化させた。ま
た、溶体化処理は、溶体化処理温度(550℃)までの
加熱方法及び保持時間を表7に示すように変えた。表
中、溶体化処理において「急速」とあるのは、急速加熱
(1000℃/min)のことであり、「2段」とある
のは、300℃まで徐加熱(40℃/h)して、300
℃で1時間保持した後、550℃まで急速加熱(100
0℃/min)したことを意味する。溶体化処理後、水
中で焼入れした。
R方位,Brass方位,Goss方位,PP方位,C
方位,S方位の各方位密度を測定し、Y値を算出した。
割れ限界高さを測定した。測定結果を、製造方法(最終
冷間圧延率,溶体化処理温度及び保持時間、加熱速
度)、結晶粒径及び集合組織とともに表7に示す。
曲げ加工性は良好であり、Y値が11.0超の場合には
曲げ加工性不良であった。
g−Si合金M21,31と、Mn,Fe,Cr,Z
r,V,Tiの少なくともいずれか1種を含有するAl
−Mg−Si系合金M22〜30,32〜38)につい
て、製造条件(均質化処理条件,熱間仕上げ圧延の開始
温度,最終冷延率,溶体化処理条件)を表8に示すよう
に変えた以外は実施例7の場合と同様にして、表8に示
すような集合組織及び結晶粒径を有する合金板M21〜
38を得た。
を行った。
織,結晶粒径と併せて、表8に示す。
曲げ加工性は良好であり、Y値が11.0超の場合には
曲げ加工性不良であった。
e,Cr,Zr,V及びTiの少なくともいずれか1種
を含有するAl−Mg−Si系合金にGP促進元素(C
u,Ag,Zn及びSnの少なくとも1種)を含有する
合金について、製造条件(均質化処理条件,熱間仕上げ
圧延の開始温度,最終冷延率,溶体化処理条件)を表9
に示すように変えた以外は実施例7の場合と同様にし
て、表9に示すような集合組織及び結晶粒径を有する合
金板M41〜55を得た。
行った。
織,結晶粒径と併せて、表9に示す。
曲げ加工性は良好であり、Y値が11.0超の場合には
曲げ加工性不良であった。
DC鋳造法または薄板連続鋳造法により造塊し、得られ
た鋳塊を540℃、8時間の均質化処理を行った後、表
1,2に示す種々の圧下率及び終了温度で熱間圧延を行
った。得られた種々の厚さの板材の一部は、中間焼鈍を
施した後、冷間圧延を行い、厚さ1mmの板材とし、そ
の後溶体化処理を行い、水焼入れしてT4材を得た。中
間焼鈍の有無と焼鈍温度,冷間圧延率,溶体化処理時の
昇温速度及び到達温度は、表1,2に併記する。
から厚み1/4の部分,板の厚さ方向の中心部の3面に
ついて、X線回折装置を用いて(100),(11
0),(111)の完全正極点図を測定し、結晶方位分
布関数を用いて各面における各方位の方位密度を計算
し、それらの平均を取って板材全体の方位密度を求め、
前記X値を算出した。
として、101.6mmφの球頭張出し治具を用い、長
さ180mm,幅110mmの試験片に潤滑剤を塗布
し、成形速度4mm/s、しわ押さえ圧200kNで張
出し成形試験を行い、割れ限界歪み率を測定した。上記
割れ限界歪み量は、成形前の試験片表面の全面に亘って
φ6.0mmの円を各円が隣接する様に転写しておき、
成形後の割れが発生した円の長手方向の歪み増加量を測
定し、割れ限界歪み率とした。 [割れ限界歪み率]=([割れが発生した楕円の長径]
−[円の直径])/[円の直径]×100 結果は、表10,11に示す。
におけるNo.19〜26が本発明に係るAl−Mg−
Si系合金板であり、いずれも割れ限界歪み率が大き
く、張出し成形性に優れている。
び表11におけるNo.27〜32は、いずれもXが負
の値である場合の比較例であり、割れ限界歪み率が小さ
く、張出し成形性に劣っていることが分かる。
i系合金〕実施例11 表12,13に示す種々の成分組成のAl合金を用い、
表12及び表13に示した製造条件に従ったこと以外は、
実施例10と同様にして試験片を得た。
領域毎に、クロスカット法で行い、結晶粒を100個以上
カットして求めた平均切片長さを平均粒径として算出し
た。
た張出し成形性試験におけるしわ押さえ圧を50kNに
変えることで張出し成形加工時に押さえ型と試験片の間
に摺動摩擦(流れ込み現象)を発生させて、割れ限界高
さを測定することで評価した。
におけるNo.13〜20が本発明に係るAl−Mg−
Si系合金板であり、いずれも割れ限界高さが高く、実
プレス成形性に優れている。
び表13におけるNo.21〜22は、いずれもCub
e方位密度が5〜15の範囲以外の例であり、割れ限界
高さが低く実プレス成形性に劣っていることが分かる。
で、深絞り成形性,張出し成形性,曲げ加工性等といっ
たプレス成形性に優れたAl−Mg−Si系合金板が提
供できることとなった。
すグラフである。
を示すグラフである。
Claims (12)
- 【請求項1】 Al−Mg−Si系合金板の集合組織に
ついて、少なくともCube方位の方位密度をプレス成
形の種類に応じて制御することにより、該プレス成形に
あわせて改善されたプレス成形性を与えたものであるこ
とを特徴とするAl−Mg−Si系合金板。 - 【請求項2】 Cube方位の方位密度に対するS方位
の方位密度の割合(S/Cube)を1以上とし、Cu
be方位の方位密度に対するGoss方位の方位密度の
割合(Goss/Cube)を0.3以下とし、且つ結
晶粒径を80μm以下とすることにより、深絞り成形性
を高めたことを特徴とするAl−Mg−Si系合金板。 - 【請求項3】 Cube方位密度を[Cube]と表し、RW
方位密度を[RW]と表し、CR方位密度を[CR]と表し、B
rass方位密度を[Brass] と表し、Goss方位密度
を[Goss]と表し、PP方位密度を[PP]と表し、C方位密
度を[C] と表し、S方位密度を[S] と表したとき、下記
式で求められるX1の値が0以上である集合組織を有す
ることにより張出し成形性を高めたことを特徴とするA
l−Mg−Si系合金板。 X1=0.02[Cube]−1.8 [RW]+1.05[CR]−2.84[Brass]−
0.22[Goss]−0.76[PP]−0.32[C] −1.49[S] +5.2 - 【請求項4】 Cube方位密度を[Cube]と表し、RW
方位密度を[RW]と表し、CR方位密度を[CR]と表し、B
rass方位密度を[Brass] と表し、Goss方位密度
を[Goss]と表し、PP方位密度を[PP]と表し、C方位密
度を[C] と表し、S方位密度を[S] と表したとき、下記
式で求められるYの値が11以下である集合組織を有す
ることによりプレス曲げ加工性を高めたことを特徴とす
るAl−Mg−Si系合金板。 Y=0.66[Cube]−1.98[RW]+2.26[CR]+4.48[Brass]−
1.36[Goss]−1.17[PP]+1.67[C] +0.07[S] - 【請求項5】 結晶粒径が80μm以下である請求項3
又は4に記載のAl−Mg−Si系合金板。 - 【請求項6】 Al−Mg−Si系合金板内部の様々な
方位に形成された集合組織において、Cube方位密度
を[Cube]と表し、またCR方位密度,RW方位密度,G
oss方位密度を、夫々[CR],[RW],[Goss]と表したと
き、下記式で求められるX2の値が0以上であることを
特徴とする張出し成形性に優れたAl−Mg−Si系合
金板。 X2=0.38[Cube]+0.76[CR]−1.97[RW]−0.42[Goss]−
1.50 - 【請求項7】 Cube方位密度が5以上15以下である
ことを特徴とする実プレス成形性に優れたAl−Mg−
Si系合金板。 - 【請求項8】 平均結晶粒径が30μm以下である請求項
7に記載のAl−Mg−Si系合金板。 - 【請求項9】 合金成分として、 Mg:0.1〜2.0%(重量%の意味:以下同じ)、 Si:0.1〜2.0%、 を含有する請求項1〜8のいずれかに記載のAl−Mg
−Si系合金板。 - 【請求項10】 合金成分として、更に Fe:1.0%以下(0%を含まない)、 Mn:1.0%以下(0%を含まない)、 Cr:0.3%以下(0%を含まない)、 Zr:0.3%以下(0%を含まない)、 V :0.3%以下(0%を含まない)、 Ti:0.1%以下(0%を含まない) よりなる群から選択される1種以上を合計で0.01〜
1.5%含有する請求項9に記載のAl−Mg−Si系
合金板。 - 【請求項11】 合金成分として、更に Cu:1.0%以下(0%を含まない)、 Ag:0.2%以下(0%を含まない)、 Zn:1.0%以下(0%を含まない)、 よりなる群から選択される1種以上を合計で0.01〜
1.5%含有する請求項9または10に記載のAl−M
g−Si系合金板。 - 【請求項12】 合金成分として、更に Sn:0.2%以下(0%を含まない) を含有する請求項9〜11のいずれかに記載のAl−M
g−Si系合金板。
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JP5921099 | 1999-03-05 | ||
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