JP2019209362A - アルミニウム合金の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、微細化された金属間化合物を含むアルミニウム合金の製造方法を提供する。【解決手段】本発明のアルミニウム合金の製造方法は、アルミニウム溶湯1に、当該アルミニウム溶湯1が凝固する際に生成し得る金属間化合物4の晶出核2を添加する添加工程と、前記晶出核2を含む前記アルミニウム溶湯1を金型に注ぐ注型工程と、を有することを特徴とする。アルミニウム溶湯1(液相L)には、固相Sからアルミニウム溶湯1(液相L)に遊離した晶出核2と、生成した初晶核3とによって、高い核密度で核生成が行われる。【選択図】図2

Description

本発明は、アルミニウム合金の製造方法に関する。
従来、アルミニウム溶湯中に金属中間化合物を形成させることでアルミニウム合金の結晶粒を微細化するアルミニウム合金の製造方法が知られている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。この製造方法で得られたアルミニウム合金は、結晶粒が微細化することで、強度、伸び、疲労などの機械的特性や加工性(成形性)に優れたものとなる。
このようなアルミニウム合金の製造方法は、アルミニウムスクラップ材を原料とした、いわゆるリサイクルアルミニウム合金の製造に適用すると、アルミニウム一次地金を得るアルミニウム製錬法の3%程度のエネルギ消費に低減することができる。また、この製造方法で得られたリサイクルアルミニウム合金は、前記のように結晶粒が微細化されることで、一般的なアルミニウム二次合金であるADC12と比べて1.5程度の強度を発揮することもできる。
特開2004−292899号公報 特開2000−319741号公報
しかしながら、従来の製造方法(例えば特許文献1及び特許文献2参照)では、得られたアルミニウム合金における金属間化合物が粗大化することがある。そして、この粗大化した金属間化合物は、アルミニウム合金の破壊の起点になるとともに、加工性(成形性)を著しく悪化する。また、Feが多く含まれるアルミニウムスクラップ材を原料にする場合には、金属間化合物が粗大化する傾向が特に顕著となる。
そこで、本発明の課題は、微細化された金属間化合物を含むアルミニウム合金の製造方法を提供することにある。
前記課題を解決する本発明のアルミニウム合金の製造方法は、アルミニウム溶湯に、当該アルミニウム溶湯が凝固する際に生成し得る金属間化合物の晶出核を添加する添加工程と、前記晶出核を含む前記アルミニウム溶湯を金型に注ぐ注型工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、微細化された金属間化合物を含むアルミニウム合金の製造方法を提供することができる。
(a)は、本発明の実施例に係るアルミニウム合金の製造方法の説明図、(b)は、比較例の製造方法の説明図である。 本発明の実施例に係る製造方法の温度保持工程における保持時間[sec]と、金属間化合物の大きさ[μm]との関係を表すグラフである。 (a)は、本発明の実施例で原料として使用したアルミニウム素材の走査電子顕微鏡による反射電子像写真である。(b)は、本発明の実施例に係る製造方法にて得られたアルミニウム合金の走査電子顕微鏡による反射電子像写真である。
次に、本発明の実施形態に係るアルミニウム合金の製造方法について説明する。
本実施形態の製造方法は、アルミニウム溶湯に、当該アルミニウム溶湯が凝固する際に生成し得る金属間化合物の晶出核を添加する添加工程と、前記晶出核を含む前記アルミニウム溶湯を所定温度の下に所定時間保持する温度保持工程と、前記晶出核を含む前記アルミニウム溶湯を金型に注ぐ注型工程と、を有している。
≪添加工程≫
晶出核が添加されるアルミニウム溶湯について説明する。
<アルミニウム溶湯>
晶出核を添加する前のアルミニウム溶湯は、Siと、Feと、Cuと、Mgと、Znと、を主に含んでいる。
[Si:6.5〜8.5質量%]
Si含有量は、6.5〜8.5質量%とすることで、得られるアルミニウム合金の剛性、耐摩耗性を向上させ、熱膨張を低減させる。また、Si含有量は、8.5質量%以下とすることで液相線温度を適度に抑えることができ、原料の溶解、及びアルミニウム合金の鋳造が容易となる。
[Fe:0〜0.9質量%]
Fe含有量は、0〜0.9質量%とすることで、得られるアルミニウム合金の剛性、耐摩耗性を向上させ、熱膨張を低減させる。
[Cu:0.15〜0.35質量%]
Cu含有量は、0.15〜0.35質量%とすることで、得られるアルミニウム合金の高温での機械的強度を向上させるとともに、熱膨張を低減させる。
[Mg:0.25〜0.45質量%]
Mg含有量は、0.25〜0.45質量%とすることで、得られるアルミニウム合金の強度を向上させることができる。また、Mg含有量は、0.45質量%以下とすることで、アルミニウム合金に優れた靭性を付与することができる。
[Zn:0.3〜0.6質量%]
Zn含有量は、0.3〜0.6質量%とすることで、得られるアルミニウム合金の強度を向上させることができる。
[Al及び不可避的不純物:残部]
アルミニウム溶湯は、前記のSi、Fe、Cu、Mg、及びZnを除いた残部が、Alと不可避的不純物とで構成されている。
また、アルミニウム溶湯には、晶出核を添加する前に、さらにMnとBeとを添加することが望ましい。
Mnは、アルミニウム溶湯が凝固する際に、晶出するAlFeSi系金属間化合物を粒子状にすることができる。Mn配合量は、アルミニウム溶湯におけるFe含有量の0.6倍に設定することが望ましい。
Beは、アルミニウム溶湯における酸化抑制に効果を発揮し、特にMgの酸化消耗を抑える。また、Beは、アルミニウム溶湯が凝固する際に、晶出するAlFeSi系金属間化合物を粒子状にすることができる。Be配合量は、アルミニウム溶湯中の含有量が0.01〜0.1質量%程度となるように設定することができる。
<晶出核>
アルミニウム溶湯に添加する晶出核としては、アルミニウム溶湯が凝固する際に生成し得る金属間化合物と結晶整合性が良好なものが選択される。
晶出核の添加量としては、アルミニウム溶湯の質量の1/10〜1/3程度に設定することができる。
このような晶出核としては、不整合度δに基づいて選択されるもの、前記の金属間化合物そのものが挙げられる。
[不整合度δに基づくもの]
不整合度δに基づいて選択される晶出核としては、下記のBramfittの式で示される不整合度δが10%以下であるものが挙げられる。
Figure 2019209362
(但し、前記式中、(hkl)は異質核粒子の低次指数面、[uvw]は(hkl)面の低次指数方向、(hkl)は核生成する金属の低次指数面、[uvw]は(hkl)面の低次指数方向、d[uvw]は[uvw]方向に沿った原子間距離、d[uvw]は[uvw]方向に沿った原子間距離、θは[uvw]と[uvw]との間の角度である)
このような晶出核としては、例えば、VC、TiC、TiB、AlB、ZrC、NbC、WCなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。中でもTiCが好ましい。
[金属間化合物]
晶出核として選択される金属間化合物としては、例えば、MgSi系、AlFe系、AlMn系、AlNi系、AlCu系、AlFeSi系、AlFeMn系、AlFeMnSi系、AlFeMnSiCr系、AlFeNi系、AlMnNi系、AlFeMnNi系、AlCr系、AlTi系、AlZr系、AlFeNi系の金属間化合物などが挙げられるがこれに限定されるものではない。中でもFe系金属間化合物が好ましく、特にAlFeSi系金属間化合物が好ましい。これらの金属間化合物は、1種又は2種以上が選択されて晶出核として使用される。
≪温度保持工程≫
本実施形態の製造方法の温度保持工程においては、前記晶出核を含む前記アルミニウム溶湯を所定温度の下に所定時間保持される。
本実施形態での所定温度は、アルミニウム溶湯の温度が低下していく過程で、アルミニウム溶湯内に初晶核が形成され得る温度を想定している。
本実施形態での保持時間としては、数十秒から1分間前後を想定しているがこれに限定されることなく適宜に設定することができる。
この温度保持工程においてアルミニウム溶湯に初晶核が形成されると、添加された晶出核と一緒になってアルミニウム溶湯内の核密度は一挙に増加する。
また、アルミニウム溶湯は、所定温度の下に所定時間保持されることで、後記するようにアルミニウム溶湯内での核サイズは微小となる。
≪注型工程≫
本実施形態の製造方法の注型工程では、温度保持工程後のアルミニウム溶湯が所定の金型内に注がれる。
アルミニウム溶湯は、金型内で増加した核(添加した晶出核及び初晶核)を起点に金属間化合物が成長する。この際、核が増加したことで、金属間化合物が一気に晶出し、アルミニウム溶湯が凝固して得られるアルミニウム合金中の金属間化合物は微細化する。また、温度保持工程によって核サイズが微小となることとも相俟って、アルミニウム合金中の金属間化合物は、さらに確実に微細化する。
≪作用効果≫
次に、本実施形態に係るアルミニウム合金の製造方法の奏する作用効果について説明する。
本実施形態の製造方法は、アルミニウム溶湯に金属間化合物の晶出核を添加するので、アルミニウム溶湯が凝固して得られるアルミニウム合金中の金属間化合物が微細化する。
これにより得られたアルミニウム合金は、強度、伸び、疲労などの機械的特性や加工性(成形性)に優れたものとなる。
また、本実施形態の製造方法は、アルミニウム溶湯を所定温度下に所定時間保持する温度保持工程を有しているので、金属間化合物を晶出させる核サイズが微小化する。これによりアルミニウム合金中の金属間化合物は、さらに確実に微細化する。
また、本実施形態の製造方法は、添加工程において、鉄を含むアルミニウム溶湯中にベリリウムとマンガンとを添加し、さらに晶出核を添加する。
このような製造方法によれば、アルミニウム合金中に晶出する金属間化合物を粒子状にすることができ、金属間化合物をさらに微細化することができる。また、このような製造方法によれば、アルミニウム溶湯における成分酸化を抑制することができる。
本実施形態に係る製造方法は、晶出核がBramfittの式で示される不整合度δが10%以下であるものから選択される。
このような製造方法によれば、アルミニウム合金中の金属間化合物を、より確実に微細化することができる。
本実施形態に係る製造方法は、晶出核が金属間化合物から選択される。このような製造方法によれば、アルミニウム合金中の金属間化合物を、より確実に微細化することができる。
本実施形態に係る製造方法は、晶出核としてAlFeSi系金属間化合物又はTiCからなるものを選択することによって、アルミニウム合金中の金属間化合物を、より確実に微細化することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更することができる。
前記実施形態では、アルミニウム溶湯としてSi、Fe、Cu、Mg、及びZnを含むものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、公知のアルミニウム合金に含まれる構成成分をさらに含むものを使用することができる。また、アルミニウム溶湯は前記の構成成分の全てを含む必要はなく、少なくとも公知の金属間化合物を構成することができる元素を所定量で含んでいればよい。
次に、本発明の実施例に係るアルミニウム合金の製造方法と、比較例に係るアルミニウム合金の製造方法とを比較しながら、本発明をさらに具体的に説明する。
図1(a)は、実施例に係るアルミニウム合金の製造方法の工程説明図である。図1(b)は、比較例としての従来のアルミニウム合金の製造方法の工程説明図である。
(実施例1)
≪添加工程≫
図1(a)に示すように、本実施例の製造方法では、その添加工程において、アルミニウム溶湯1(液相L)の冷却前に、アルミニウム溶湯1に対して晶出核2(固相S)を添加した。
アルミニウム溶湯1は、原料となる所定のアルミニウム素材を加熱溶融して調製した。アルミニウム素材は、Siが10質量%、Feが1質量%、残部がAlと0.01質量%未満の不可避成分であるものを使用した。晶出核2としては、α−AlFeSiを含むものを使用した。
アルミニウム溶湯の温度は、720℃であった。晶出核2の添加量は、アルミニウム溶湯の質量の3分の1に設定した。添加時の晶出核2の温度は、500℃であった。
≪温度保持工程≫
図1(a)に示すように、本実施例の製造方法では、温度保持工程において、アルミニウム溶湯1(液相L)の温度を590℃まで徐々に低下させた。アルミニウム溶湯1の温度が低下していく過程で、アルミニウム溶湯1内には初晶核3が生成された。つまり、アルミニウム溶湯1(液相L)には、固相Sからアルミニウム溶湯1(液相L)に遊離した晶出核2と、生成した初晶核3とによって、高い核密度で核生成が行われた。
本実施例の製造方法においては、このような「核生成」が、アルミニウム溶湯1を所定温度の下に所定時間保持することで行われた。
アルミニウム溶湯(符号省略)は、温度を下げていく過程で初晶核を形成する。本実施例での温度保持工程は、例えば、初晶核が形成され得る温度の下に、アルミニウム溶湯を所定時間保持する。この保持時間と、アルミニウム溶湯が凝固して得られるアルミニウム合金中の金属間化合物の大きさとは、相関関係を有する。
図2は、保持時間[sec]と、金属間化合物の大きさ[μm]との関係を表すグラフである。
図2に示すように、保持時間[sec]を0[sec]から増加させていくと、金属間化合物の大きさ[μm]は徐々に減少していくとともに極小値を迎える。その後、さらに保持時間[sec]を増加させていくと、金属間化合物の大きさ[μm]は極小値を境に逆に増加していく。
本実施例では、金属間化合物の大きさ[μm]が小さくなる保持時間[sec]の範囲(t1〜t2)を好適時間範囲として設定した。具体的には、本実施例の製造方法では、保持温度590℃の下に、保持時間[sec]を20〜90[sec]の範囲内になるように設定した。
≪注型工程≫
次に、本実施例の製造方法は、図1(a)に示す温度保持工程後のアルミニウム溶湯1(液相L)を、所定の金型(図示省略)に注ぐことで注型工程を行った。
アルミニウム溶湯は、金型内で増加した核(添加した晶出核2及び初晶核3)を起点に金属間化合物4が成長した。この際、核が増加したことで、金属間化合物4が一気に晶出し、アルミニウム溶湯1(温度保持工程参照)が凝固して得られるアルミニウム合金5(固相S)中の金属間化合物4は微細化した。また、温度保持工程によって核サイズが微小となることとも相俟って、アルミニウム合金5中の金属間化合物4は、確実に微細化する。ちなみに、温度保持工程を経て得られたアルミニウム合金5は、この温度保持工程を行わないで得られたアルミニウム合金5と比べて、金属間化合物4の大きさ[μm]が23%減少した。
図3(a)は、本実施例でアルミニウム溶湯1の原料としたアルミニウム素材の走査電子顕微鏡(SEM)による反射電子像写真(200倍)である。図3(b)は、本実施例の製造方法にて得られたアルミニウム合金5(固相S)の走査電子顕微鏡(SEM)による反射電子像写真(200倍)である。
図3(b)に示すように、本実施例の製造方法で得られたアルミニウム合金5における金属間化合物4の大きさは、図3(a)のアルミニウム素材における金属間化合物4の大きさと比べて格段に小さくなっていたことが確認できた。
(実施例2)
≪添加工程≫
図1(a)に示すように、本実施例の製造方法では、その添加工程において、アルミニウム溶湯1(液相L)の冷却前に、アルミニウム溶湯1に対してAl−TiC母合金(固相S)を添加した。
アルミニウム溶湯1としては、Siが7質量%、Feが0.5質量%、Cuが0.2質量%、Mgが0.4質量%、Znが0.5質量%、残部がAlと0.01質量%未満の不可避成分であるものを使用した。晶出核2としては、TiCを含むものを使用した。
アルミニウム溶湯の温度は、720℃であった。晶出核2の添加量は、アルミニウム溶湯の質量の10分の1に設定した。添加時の晶出核2の温度は、500℃であった。
≪温度保持工程≫
図1(a)に示すように、実施例の製造方法では、温度保持工程において、アルミニウム溶湯1(液相L)の温度を590℃まで徐々に低下させた。アルミニウム溶湯1の温度が低下していく過程で、アルミニウム溶湯1内には初晶核3が生成された。つまり、アルミニウム溶湯1(液相L)には、固相Sからアルミニウム溶湯1(液相L)に遊離した晶出核2と、生成した初晶核3とによって、高い核密度で核生成が行われた。
この実施例の製造方法においては、このような「核生成」が、アルミニウム溶湯1を所定温度の下に所定時間保持することで行われた。
本実施例の製造方法では、保持温度590℃の下に、保持時間[sec]を20〜90[sec]の範囲内になるように設定した。
≪注型工程≫
次に、本実施例の製造方法は、図1(a)に示す温度保持工程後のアルミニウム溶湯1(液相L)を、所定の金型(図示省略)に注ぐことで注型工程を行った。
アルミニウム溶湯は、金型内で増加した核(添加した晶出核2及び初晶核3)を起点に金属間化合物4が成長した。この際、核が増加したことで、金属間化合物4が一気に晶出し、アルミニウム溶湯1(温度保持工程参照)が凝固して得られるアルミニウム合金5(固相S)中の金属間化合物4は微細化した。また、温度保持工程によって核サイズが微小となることとも相俟って、アルミニウム合金5中の金属間化合物4は、確実に微細化する。ちなみに、温度保持工程を経て得られたアルミニウム合金5は、この温度保持工程を行わないで得られたアルミニウム合金5と比べて、金属間化合物4の大きさ[μm]が11%減少した。
(比較例)
図1(b)に示すように、比較例の製造方法は、本実施形態と異なって、冷却前のアルミニウム溶湯1(液相L)には、晶出核2(固相S)が存在しない。次いで、アルミニウム溶湯1が所定の温度に冷却されることで、アルミニウム溶湯1中には、初晶核3が成形する。さらにアルミニウム溶湯1が冷却されると、初晶核3周りに金属間化合物が成長して粗大化した金属間化合物4aが形成されるとともにアルミニウム溶湯1が凝固することでアルミニウム合金5(固相S)が形成される。
1 アルミニウム溶湯
2 晶出核
3 初晶核
4 金属間化合物
4a 金属間化合物
5 アルミニウム合金
L 液相
S 固相

Claims (7)

  1. アルミニウム溶湯に、当該アルミニウム溶湯が凝固する際に生成し得る金属間化合物の晶出核を添加する添加工程と、
    前記晶出核を含む前記アルミニウム溶湯を金型に注ぐ注型工程と、
    を有することを特徴とするアルミニウム合金の製造方法。
  2. 前記添加工程と前記注型工程との間に、
    前記晶出核を含む前記アルミニウム溶湯を所定温度下に所定時間保持する温度保持工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  3. 前記添加工程においては、鉄を含む前記アルミニウム溶湯中にベリリウムとマンガンとを添加し、さらに前記晶出核を添加することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  4. 前記晶出核は、下記のBramfittの式で示される不整合度δが10%以下であるものから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
    Figure 2019209362
    (但し、前記式中、(hkl)sは異質核粒子の低次指数面、[uvw]sは(hkl)s面の低次指数方向、(hkl)nは核生成する金属の低次指数面、[uvw]nは(hkl)n面の低次指数方向、d[uvw]sは[uvw]s方向に沿った原子間距離、d[uvw]nは[uvw]n方向に沿った原子間距離、θは[uvw]sと[uvw]nとの間の角度である)
  5. 前記晶出核は、前記金属間化合物から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  6. 前記晶出核は、AlFeSi系金属間化合物からなることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  7. 前記晶出核は、TiCからなることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
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