JP3949557B2 - 鋳造用耐摩耗性アルミニウム合金および同アルミニウム合金鋳物 - Google Patents

鋳造用耐摩耗性アルミニウム合金および同アルミニウム合金鋳物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性に優れ、低温での鋳造やリサイクルが可能な鋳造用アルミニウム合金および当該合金を利用した耐摩耗性アルミニウム合金鋳物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金は、軽量であるとともに、優れた熱伝導性および高い耐蝕性などの諸特性から、自動車や産業機械、航空機、家庭電化製品その他各種分野において、その構成部品素材として広く使用されている。このうち耐摩耗性を必要とする部材には、JIS H−2118によって規定されたAD14.1合金などのSi含有量が14重量%以上のHi−Si系アルミニウム合金(例えば、特許文献1参照。)や、Alと炭化ケイ素および窒化ケイ素などの非金属硬質粒子との複合材であるAl−硬質粒子複合材(例えば、特許文献2参照。)など耐摩耗性を備えたアルミニウム合金が用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−279777号公報(第2−4頁)
【特許文献2】
特開平11−6024号公報(第2−3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの耐摩耗性アルミニウム合金では、鋳造性やリサイクル性に問題があった。すなわち、Hi−Si系アルミニウム合金は、液相線温度つまりアルミニウム合金が完全に溶融する温度が高いため、鋳造する際に鋳造温度を高くしなければ湯流れ性が確保できない。したがって、金型への負担が大きくなり、金型寿命が低下するとともに、鋳造温度を上げる際にエネルギー消費量が増加するため、鋳物の製造コストが上昇すると言う問題があった。また、Al−硬質粒子複合材は、これをリサイクルに供しようとする場合、複合材中に数%〜数十重量%含まれる微細な非金属硬質粒子を除去する必要がある。しかし、非金属硬質粒子の除去には、多大なコストがかかるため、工業的にリサイクルができないと言う問題があった。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる課題は、耐摩耗性に優れ、低温での鋳造やリサイクルが可能な鋳造用アルミニウム合金と、当該合金で鋳造された耐摩耗性アルミニウム合金鋳物とを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明の鋳造用耐摩耗性アルミニウム合金(10)は、「Cu:14〜20重量%,Zn:8.5〜15重量%,Si:5〜8重量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物とからなる」ものである。
【0007】
この発明では、Cuを14〜20重量%およびZnを8.5〜15重量%配合することによって、アルミニウム合金(10)の耐摩耗性などの機械的強度を向上させることができる。また、Siを5〜8重量%配合することによって、アルミニウム合金(10)の流動性を向上させることができるとともに、アルミニウム合金(10)の耐摩耗性を向上させることができる。そして、Cu,ZnおよびSiを上述した所定の割合で配合することによって、Hi−Si系アルミニウム合金に比べてアルミニウム合金(10)の液相線温度を下げることができ、耐摩耗性に優れ、低温での鋳造が可能な鋳造用アルミニウム合金を提供することができる。
【0008】
また、炭化ケイ素および窒化ケイ素などの非金属硬質粒子が含まれないので、リサイクルに供する際、これら非金属硬質粒子を除去する必要がなく、容易にリサイクルすることができる。
【0009】
請求項2に記載した発明の鋳物は、「請求項1に記載のアルミニウム合金で鋳造された」ことを特徴とするものである。
【0010】
これにより量産された鋳造品は耐摩耗性に優れるため、車両用ブレーキディスク材などの摺動部材として最適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例のアルミニウム合金(10)の組織を模式的に示す説明図である。本発明のアルミニウム合金(10)は、Al,Cu,Zn,Siおよび不可避不純物によって構成され、かつ、これらの元素成分がAl−Cu相(12),Al−Zn相(14)およびSi相(16)の3つの組織を形成するものである。
【0012】
Al−Cu相(12)は、主に、Al母材中にCuが固溶した状態で構成された組織である。Cuは、Al母材中に固溶することによって、アルミニウム合金(10)の機械的強度(特に高温引張強さ),硬度および耐摩耗性を向上させるとともに、アルミニウム合金(10)の液相線温度を低下させるためのものである。また、Al母材中に固溶したCuは、アルミニウム合金(10)に対して施される溶体化処理および時効処理によって、Cu−Al金属間化合物(例えば、CuAl2化合物)の形で析出する。このCu−Al金属間化合物は、アルミニウム合金(10)の引張強さをさらに向上させるものである。
【0013】
アルミニウム合金(10)全体の重量に対するCuの配合割合は、14〜20重量%の範囲であることが好ましい。Cuの配合割合が14重量%未満の場合には、十分な耐摩耗性が確保できず、耐摩耗性アルミニウム合金としては不適格となり、逆に、Cuの配合割合が20重量%より多い場合には、アルミニウム合金(10)の比重が増大しアルミニウム合金を素材として使用する最も大きな動機である「軽量化」が達成できなくなるからである。
【0014】
Al−Zn相(14)は、主に、Al母材中にZnが固溶した状態で構成された組織である。Znは、Al母材中に固溶することによって、アルミニウム合金(10)の硬度および耐摩耗性を向上させるとともに、アルミニウム合金(10)の液相線温度を低下させるためのものである。
【0015】
アルミニウム合金(10)全体の重量に対するZnの配合割合は、8.5〜15重量%の範囲であることが好ましい。Znの配合割合が8.5重量%未満の場合には、十分な耐摩耗性が確保できず耐摩耗性アルミニウム合金としては不適格となり、逆に、Znの配合割合が15重量%より多い場合には、ZnはAlやCuに比べて融点が低いため高温引張強さが低下するとともに、アルミニウム合金(10)の比重が増大し当該合金を素材とする製品の軽量化が図れなくなるからである。
【0016】
また、アルミニウム合金(10)全体の重量に対する上述のCuとZnの配合割合の合計は、25〜30重量%の範囲であることが好ましい。CuとZnの配合割合の合計が25重量%未満の場合には、十分な耐摩耗性が確保できず耐摩耗性アルミニウム合金としては不適格となり、逆に、CuとZnの配合割合の合計が30重量%より多い場合には、アルミニウム合金(10)の比重が増大し当該合金を素材とする製品の軽量化が図れなくなるからである。このように、CuとZnの配合割合の合計を25〜30重量%の範囲内にすることによって、耐摩耗性に優れ、かつ、軽量性が維持されたアルミニウム合金(10)を得ることができ、このアルミニウム合金(10)を素材として用いることによって、製品に耐摩耗性と軽量性とを付与することができる。
【0017】
さらに、CuとZnの配合割合の合計が25〜30重量%の範囲内において、Cuの配合割合がZnの配合割合よりも多いほうがより好ましい。上述したように、CuとZnの配合割合の合計を25〜30重量%の範囲内にすることによって、耐摩耗性に優れ、かつ、軽量性が維持されたアルミニウム合金(10)を得ることができるが、この範囲内においてZnの配合割合が多くなるほど高温引張強さが低下するようになるからである。
【0018】
Si相(16)は、主にSiが単体で晶出して構成された組織である。Siは、アルミニウム合金(10)を溶融して鋳造する際に、その流動性を向上させるとともに、アルミニウム合金(10)の耐摩耗性を向上させるためのものである。
【0019】
アルミニウム合金(10)全体の重量に対するSiの配合割合は、5〜8重量%の範囲であることが好ましい。一般にアルミニウム合金は、Siの含有量が12重量%程度のときに液相線温度が最も低くなり、また、Siの含有量が14重量%程度のときに流動性が最も高くなることが知られている。しかし、本発明のアルミニウム合金(10)では、上述したようにCuおよびZnが所定の量添加されているため、最も液相線温度の低い領域つまり共晶点が移動し、Siの配合割合が5〜8重量%の領域において最も低い液相線温度が得られるようになった。したがって、Siの配合割合が5重量%未満の場合にはアルミニウム合金(10)を溶融した際の流動性が低下するため鋳造時に十分な湯流れ性が確保できず、逆に、Siの配合割合が8重量%より多い場合には、アルミニウム合金(10)の液相線温度が上昇するため鋳造温度が高くなる。このようにSiの配合割合が5〜8重量%の範囲を超えると目的の品質のアルミニウム合金が得られなくなる。
【0020】
以上の配合割合に従って、Cu,ZnおよびSiが配合されると、アルミニウム合金(10)は、一般に使用されているアルミニウム合金よりも液相線温度が低下するとともに、耐摩耗性などの機械的強度が向上する。
【0021】
本発明のアルミニウム合金(10)を製造する際には、まず、Al,Si,CuおよびZnの各元素成分が上述した所定の配合割合となるように配合した原料を準備する。続いて、この原料を前炉付溶解炉や密閉溶融炉などの溶融炉に投入し、これらを溶解させる。溶解させた原料すなわちアルミニウム合金(10)の溶湯は、必要に応じて脱マグネシウム処理,脱水素処理および脱介在物処理などの精製処理が施される。そして、精製された溶湯を所定の鋳型などに流し込み、固化させることによって、アルミニウム合金(10)の溶湯を合金地金インゴットなどに成形する。
【0022】
また、本発明のアルミニウム合金(10)を用いてアルミニウム合金鋳物を鋳造する際には、砂型鋳造法,金型鋳造法,低圧鋳造法およびダイカスト法などのあらゆる鋳造法を用いることができる。特に、ダイカスト法を用いると、本発明のアルミニウム合金(10)は液相線温度が低く、溶融時の流動性が高いことから、厚みが1mm程度と極めて薄く、かつ、耐摩耗性に優れた鋳物を量産することが可能である。そして、これらの鋳造法によって得られたアルミニウム合金鋳物は、必要に応じて溶体化処理および時効処理が施される。アルミニウム合金鋳物に溶体化処理および時効処理が施されると、Cu−Al金属間化合物などが析出し、鋳物の機械的強度をさらに向上させることができる。
【0023】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0024】
なお、実施例および比較例における各物性は、アルミニウム合金の溶湯[溶湯試料]、もしくは、該溶湯を120℃±5℃に設定した舟金型に流し込み鋳造したもの[鋳造試料]を試料として、以下の方法で測定した。
(1)引張強さ、伸び:鋳造試料をJIS4号引張試験片に加工し、この試験片の引張強さと伸びとをJIS Z−2201に準拠して、(株)島津製作所製の万能試験機(UMH−10)で測定した。
(2)比摩耗量:大越式摩耗試験機を用い、所定の形状に加工した鋳造試料について、乾式の条件下、相手材FC−25、摩耗距離100m、付加加重2.1kgf、摩耗速度0.96m/sの条件で比摩耗量を測定した。
(3)比重:(株)エー・アンド・ディ製の電子天秤(HF2000)を用いてアルミニウム合金の鋳造試料の空重量および水中重量を測定し、水の密度と合わせて次式(1)により比重を計算した。
合金の空重量/(合金の空重量−合金の水中重量)×水の密度 …(1)
(4)ロックウェル硬度:鋳造試料の硬度をJIS Z−2245に準拠して、ロックウェルBスケールで測定した。
(5)流動長:図3に示すMIT試験機(20)を用いて流動長を測定した。具体的には、熱電対(22)での測定値が640℃となるように電気炉(24)で保温したアルミニウム合金の溶湯試料(26)に、内径5±0.2mmのガラス管耐熱チューブ(28)を挿し、ガラス管耐熱チューブ(28)内の気圧が水銀マノメータ−(30)測定値で560±1Torrとなるように真空ポンプ(32)とバルブ(34)とを操作して一気に減圧し、このときガラス管耐熱チューブ(28)内に吸引される溶湯(26)が凝固するまでの長さ(L)をスケール(36)で測定し、流動長とした。
(6)高温引張強さ:300℃における鋳造試料の高温引張強さをJIS G−0567に準拠して測定した。
(7)液相線温度:アルミニウム合金の溶湯試料が入った小型のるつぼにK熱電対を差し込み、るつぼ内のアルミニウム合金の溶湯が凝固する際の冷却凝固曲線を求め、この曲線より液相線温度を求めた。
【0025】
(実施例1)
Cuの配合割合を16.2重量%,Znの配合割合を10.2重量%(CuとZnの配合割合の合計は26.4重量%),Siの配合割合を6.1重量%そして残部をAlとすることによって、本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲内となるように配合した原料を30kg準備した。この原料を電気式るつぼ溶解炉に投入し、これを溶解させてアルミニウム合金の溶湯を得た。そして、得られた合金の特性を表1に示した。
【0026】
(実施例2)
Cuの配合割合を19.5重量%,Znの配合割合を10.1重量%(CuとZnの配合割合の合計は29.6重量%),Siの配合割合を5.4重量%そして残部をAlとした以外は、実施例1と同じ条件にして、アルミニウム合金の溶湯を得た。そして、得られた合金の特性を表1に示した。
【0027】
(実施例3)
Cuの配合割合を15.4重量%,Znの配合割合を14.1重量%(CuとZnの配合割合の合計は29.5重量%),Siの配合割合を6.0重量%そして残部をAlとした以外は、実施例1と同じ条件にして、アルミニウム合金の溶湯を得た。そして、得られた合金の特性を表1に示した。
【0028】
(実施例4)
Cuの配合割合を14.9重量%,Znの配合割合を10.1重量%(CuとZnの配合割合の合計は25.0重量%),Siの配合割合を5.8重量%そして残部をAlとした以外は、実施例1と同じ条件にして、アルミニウム合金の溶湯を得た。そして、得られた合金の特性を表1に示した。
【0029】
(実施例5)
Cuの配合割合を16.3重量%,Znの配合割合を8.8重量%(CuとZnの配合割合の合計は25.1重量%),Siの配合割合を6.0重量%そして残部をAlとした以外は、実施例1と同じ条件にして、アルミニウム合金の溶湯を得た。そして、得られた合金の特性を表1に示した。
【0030】
(比較例1)
Cuの配合割合を10.5重量%,Znの配合割合を10.5重量%(CuとZnの配合割合の合計は21.0重量%),Siの配合割合を7.4重量%そして残部をAlとすることによって、本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外(Cuの配合割合が少なく、Znの配合割合が範囲内下限側。)となるように配合した以外は、実施例1と同じ条件にして、アルミニウム合金の溶湯を得た。そして、得られた合金の特性を表1に示した。
【0031】
(比較例2)
Cuの配合割合を16.8重量%,Znの配合割合を6.2重量%(CuとZnの配合割合の合計は23.0重量%),Siの配合割合を6.6重量%そして残部をAlとすることによって、本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外(Znの配合割合が少ない。)となるように配合した以外は、実施例1と同じ条件にして、アルミニウム合金の溶湯を得た。そして、得られた合金の特性を表1に示した。
【0032】
(比較例3)
Cuの配合割合を10.0重量%,Znの配合割合を14.4重量%(CuとZnの配合割合の合計は24.4重量%),Siの配合割合を7.2重量%そして残部をAlとすることによって、本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外(Cuの配合割合が少なく、Znの配合割合が範囲内上限側。)となるように配合した以外は、実施例1と同じ条件にして、アルミニウム合金の溶湯を得た。そして、得られた合金の特性を表1に示した。
【0033】
(比較例4)
Cuの配合割合を14.9重量%,Znの配合割合を8.1重量%(CuとZnの配合割合の合計は23.0重量%),Siの配合割合を6.0重量%そして残部をAlとすることによって、本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外(Znの配合割合が少なく、Cuの配合割合が範囲内上限側。)となるように配合した以外は、実施例1と同じ条件にして、アルミニウム合金の溶湯を得た。そして、得られた合金の特性を表1に示した。
【0034】
(比較例5)
本発明のアルミニウム合金を市販の一般的なダイカスト用アルミニウム合金と比較するために、JIS H−2118に規定されるAD12.1合金を準備した。すなわち、表1に示す配合割合で各元素を配合した原料30kgを電気式るつぼ溶解炉に投入し、これを溶解させてアルミニウム合金の溶湯を得た。そして、得られた合金の特性を表1に示した。
【0035】
(比較例6)
本発明のアルミニウム合金を市販の耐摩耗性ダイカスト用アルミニウム合金と比較するために、JIS H−2118に規定されるAD14.1合金を準備した。すなわち、表1に示す配合割合で各元素を配合した原料30kgを電気式るつぼ溶解炉に投入、溶解させてアルミニウム合金の溶湯を得た。そして、得られた合金の特性を表1に示した。
【0036】
【表1】
Figure 0003949557
【0037】
表1より、実施例1〜5で得られた各アルミニウム合金(以下、「実施例合金」という。)は、比較例で得られたアルミニウム合金に比べて、比摩耗量が極めて低くなり、特に、市販の耐摩耗性ダイカスト用アルミニウム合金である比較例6と比較した場合、実施例合金の比摩耗量は、比較例6の比摩耗量のおよそ10分の1となることがわかる。したがって、実施例合金は、極めて耐摩耗性に優れたアルミニウム合金であるといえる。
【0038】
また、実施例合金は、比較例で得られた各アルミニウム合金に比べて、流動長が長くなるとともに、液相線温度が低くなることがわかる。特に市販の一般的なダイカスト用アルミニウム合金である比較例5と比較した場合でも、実施例合金は、その流動長が比較例5の流動長より10%以上長くなるとともに、その液相線温度が比較例5の液相線温度より32〜59℃低くなる。このように、実施例合金は、従来の一般的な市販合金に比べて溶湯の流動性が高く、かつ、液相線温度が低い。したがって、鋳造温度を従来よりも下げることが可能であり、また、従来と同じ鋳造温度で鋳造する場合には、溶湯の湯流れ性が良いため、肉厚の極めて薄い鋳物の鋳造が可能となる。
【0039】
なお、実施例合金は、炭化ケイ素および窒化ケイ素などの非金属硬質粒子を含んでいない。したがって、実施例合金をリサイクルに供したとしても、非金属硬質粒子の除去が不要であるため、簡単にリサイクルできることは容易に推測できる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、耐摩耗性に優れ、低温での鋳造やリサイクルが可能な鋳造用アルミニウム合金および当該合金で鋳造された耐摩耗性アルミニウム合金鋳物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルミニウム合金における組織を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施例で用いた流動長測定用MIT試験機を示す概略図である。
【符号の説明】
(10)…アルミニウム合金
(12)…Al−Cu相
(14)…Al−Zn相
(16)…Si相
(20)…MIT試験機
(22)…熱電対
(24)…電気炉
(26)…アルミニウム合金の溶湯
(28)…ガラス管耐熱チューブ
(30)…水銀マノメータ−
(32)…真空ポンプ
(34)…バルブ
(36)…スケール

Claims (2)

  1. Cu:14〜20重量%,Zn:8.5〜15重量%,Si:5〜8重量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物とからなることを特徴とする鋳造用耐摩耗性アルミニウム合金。
  2. 請求項1に記載のアルミニウム合金で鋳造されたことを特徴とするアルミニウム合金鋳物。
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