JPH06145866A - 鋳造性に優れた高圧鋳造用アルミニウム合金 - Google Patents
鋳造性に優れた高圧鋳造用アルミニウム合金Info
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- JPH06145866A JPH06145866A JP30390992A JP30390992A JPH06145866A JP H06145866 A JPH06145866 A JP H06145866A JP 30390992 A JP30390992 A JP 30390992A JP 30390992 A JP30390992 A JP 30390992A JP H06145866 A JPH06145866 A JP H06145866A
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- pressure casting
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 鋳造性に優れた緻密度の高い高圧鋳造用アル
ミニウム合金を得る。 【構成】 重量%で,Si;4〜12%,Mg;0.2
〜0.6%,Ti;0.3%以下,B;0.001〜
0.01%を含む高圧鋳造用アルミニウム合金とした。
また,これに,Cu;2〜5%を加えたり,Sr;0.
002〜0.02%を添加することもできる。
ミニウム合金を得る。 【構成】 重量%で,Si;4〜12%,Mg;0.2
〜0.6%,Ti;0.3%以下,B;0.001〜
0.01%を含む高圧鋳造用アルミニウム合金とした。
また,これに,Cu;2〜5%を加えたり,Sr;0.
002〜0.02%を添加することもできる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,鋳造性に優れた緻密度
の高い高圧鋳造用アルミニウム合金に関するものであ
る。
の高い高圧鋳造用アルミニウム合金に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アルミホイールを始めとする自動車部品
の多くは重要保安部品であり,高品質が要求される。し
かも,低燃費化,高性能化のために,軽量化,薄肉化が
近年益々図られている。この要求を満足する方法とし
て,高圧鋳造法が最近用いられている。
の多くは重要保安部品であり,高品質が要求される。し
かも,低燃費化,高性能化のために,軽量化,薄肉化が
近年益々図られている。この要求を満足する方法とし
て,高圧鋳造法が最近用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,高圧鋳
造法といえども溶湯補給が難しい部分に,とリわけ,薄
肉部と薄肉部に挟まれた厚肉部に,大きな収縮巣を発生
することがある。このような局部的な欠陥の発生を抑え
る方法としてアキュラッド法と呼ばれている局部加圧法
があるが,これは,製品の形状にかかわらず,どこでも
適用できる方法ではない。
造法といえども溶湯補給が難しい部分に,とリわけ,薄
肉部と薄肉部に挟まれた厚肉部に,大きな収縮巣を発生
することがある。このような局部的な欠陥の発生を抑え
る方法としてアキュラッド法と呼ばれている局部加圧法
があるが,これは,製品の形状にかかわらず,どこでも
適用できる方法ではない。
【0004】一方,重力鋳造法や低圧鋳造法で,組織の
均一化,引け巣の分散を目的として添加したり,高圧鋳
造法で粗大な偏析の発生を抑制することを目的としてB
を添加することはある。しかし,鋳造性の改善を目的と
してBを添加することは高圧鋳造ではなかった。なぜな
ら,高い加圧力のために,殆どの部分において欠陥が発
生しなかったり,高速で溶湯がキャビティ内に入るため
に等軸晶が発生しやすくなり,あえてTiBを添加する
必要がなかったからである。また,TiBを添加すれば
細かい等軸晶が発生するために,凝固前線は広い幅をも
って進行し,溶湯の補給通路が直線的でなくなり,完全
な補給が難しくなり収縮によるポロシティが発生しやす
くなることが重力鋳造法と同様に予想されたからであ
る。
均一化,引け巣の分散を目的として添加したり,高圧鋳
造法で粗大な偏析の発生を抑制することを目的としてB
を添加することはある。しかし,鋳造性の改善を目的と
してBを添加することは高圧鋳造ではなかった。なぜな
ら,高い加圧力のために,殆どの部分において欠陥が発
生しなかったり,高速で溶湯がキャビティ内に入るため
に等軸晶が発生しやすくなり,あえてTiBを添加する
必要がなかったからである。また,TiBを添加すれば
細かい等軸晶が発生するために,凝固前線は広い幅をも
って進行し,溶湯の補給通路が直線的でなくなり,完全
な補給が難しくなり収縮によるポロシティが発生しやす
くなることが重力鋳造法と同様に予想されたからであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで,本発明では,鋳
造性に優れた高圧鋳造用のAl−Si−Mg系合金に,
微細化剤としてのTi以外にBを添加する。本発明にお
ける高圧鋳造用アルミニウム合金では,重量%で,S
i;4〜12%,Mg;0.2〜0.6%,Ti;0.
3%以下,B;0.001〜0.01%を含む高圧鋳造
用アルミニウム合金とした。また,重量%で,Si;4
〜12%,Cu;2〜5%,Mg;0.2〜0.6%,
Ti;0.3%以下,B;0.001〜0.01%を含
む高圧鋳造用アルミニウム合金とした。さらに,これら
に,Srを0.002〜0.02%を添加した高圧鋳造
用アルミニウム合金とした。
造性に優れた高圧鋳造用のAl−Si−Mg系合金に,
微細化剤としてのTi以外にBを添加する。本発明にお
ける高圧鋳造用アルミニウム合金では,重量%で,S
i;4〜12%,Mg;0.2〜0.6%,Ti;0.
3%以下,B;0.001〜0.01%を含む高圧鋳造
用アルミニウム合金とした。また,重量%で,Si;4
〜12%,Cu;2〜5%,Mg;0.2〜0.6%,
Ti;0.3%以下,B;0.001〜0.01%を含
む高圧鋳造用アルミニウム合金とした。さらに,これら
に,Srを0.002〜0.02%を添加した高圧鋳造
用アルミニウム合金とした。
【0006】
【作用】本発明合金においては,高圧鋳造法で加圧力を
上げても,溶湯補給が難しいために発生した粗大な欠陥
が,Bの添加により著しく改善された。これは,Bの添
加により発生した微細な収縮巣の部分に加圧力のために
溶湯が容易に補給しやすくなったこと,また,初晶のア
ルミのデンドライトが細かいために加圧力によりそれが
容易に移動しやすくなり収縮巣が減少しやすくなったこ
となどが考えられる。
上げても,溶湯補給が難しいために発生した粗大な欠陥
が,Bの添加により著しく改善された。これは,Bの添
加により発生した微細な収縮巣の部分に加圧力のために
溶湯が容易に補給しやすくなったこと,また,初晶のア
ルミのデンドライトが細かいために加圧力によりそれが
容易に移動しやすくなり収縮巣が減少しやすくなったこ
となどが考えられる。
【0007】本発明合金の各成分の限定理由を以下に示
す。 Si;鋳造性および強度向上のために必要不可欠な元素
であり,そのために4%以上添加する。しかし,12%
を超えると初晶Siが晶出し延性が低下するので,4〜
12%とする。 Mg;強度を向上させる効果を有し,そのために0.2
%以上添加するが,0.6%を超えると共晶部にMg2
Siを多量に形成し,強度向上の効果に比較して延性が
低下するので,0.2〜0.6%とする。 Ti;等軸晶の発生を促し,収縮巣を減少させる。しか
し,0.3%を超えるとTiAl3 化合物が発生し延性
が低下するので,0.3%以下とする。 B;Tiと共存することにより等軸晶の発生を促進し,
収縮巣を減少させる。0.001%未満ではその効果が
不十分であり,0.01%を超えてもその効果の向上は
期待できないので,0.001〜0.01%とする。 Cu;強度の向上,切削性の向上のために2%以上添加
するが,5%を超えると耐蝕性が低下するので,2〜5
%とする。 Sr;共晶Siを微細化するために,0.002%以上
添加するが,0.05%を超えて添加してもその効果の
向上は期待できないので,0.002〜0.05%とす
る。
す。 Si;鋳造性および強度向上のために必要不可欠な元素
であり,そのために4%以上添加する。しかし,12%
を超えると初晶Siが晶出し延性が低下するので,4〜
12%とする。 Mg;強度を向上させる効果を有し,そのために0.2
%以上添加するが,0.6%を超えると共晶部にMg2
Siを多量に形成し,強度向上の効果に比較して延性が
低下するので,0.2〜0.6%とする。 Ti;等軸晶の発生を促し,収縮巣を減少させる。しか
し,0.3%を超えるとTiAl3 化合物が発生し延性
が低下するので,0.3%以下とする。 B;Tiと共存することにより等軸晶の発生を促進し,
収縮巣を減少させる。0.001%未満ではその効果が
不十分であり,0.01%を超えてもその効果の向上は
期待できないので,0.001〜0.01%とする。 Cu;強度の向上,切削性の向上のために2%以上添加
するが,5%を超えると耐蝕性が低下するので,2〜5
%とする。 Sr;共晶Siを微細化するために,0.002%以上
添加するが,0.05%を超えて添加してもその効果の
向上は期待できないので,0.002〜0.05%とす
る。
【0008】
【実施例】表1に示す化学成分を有する合金を厚肉部と
薄肉部を有する金型に鋳込み,図1に断面を示す試料1
を得た。そして,得られた各試料の厚肉部の密度から健
全率を求めた。健全率は,最高密度を示した薄肉部の密
度でそれぞれの密度を除して求めた。得られた結果,す
なわち,各種合金の健全率を表2に示す。なお,鋳造条
件は,鋳造温度は740℃,加圧力は500Kgf/c
m2 ,ゲート比は8,射出速度は50mm/secとし
た。
薄肉部を有する金型に鋳込み,図1に断面を示す試料1
を得た。そして,得られた各試料の厚肉部の密度から健
全率を求めた。健全率は,最高密度を示した薄肉部の密
度でそれぞれの密度を除して求めた。得られた結果,す
なわち,各種合金の健全率を表2に示す。なお,鋳造条
件は,鋳造温度は740℃,加圧力は500Kgf/c
m2 ,ゲート比は8,射出速度は50mm/secとし
た。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】表2からわかるように,Bを添加していな
い比較合金(No.1,No.2,No.3)の場合,
反ゲート側の健全率が低い。一方,本発明合金(No.
4,No.5,No.6)の場合,反ゲート側を含めて
各位置とも高い健全率を示し,引け巣が大きく減少し
た。
い比較合金(No.1,No.2,No.3)の場合,
反ゲート側の健全率が低い。一方,本発明合金(No.
4,No.5,No.6)の場合,反ゲート側を含めて
各位置とも高い健全率を示し,引け巣が大きく減少し
た。
【0012】
【発明の効果】以上のように,本発明合金を高圧で鋳造
すれば,従来のアルミ合金に比べて引け巣が少なく,高
い健全率を示す鋳物が得られる。このため,アルミホイ
ール等の重要保安部品に最適な合金と言える。
すれば,従来のアルミ合金に比べて引け巣が少なく,高
い健全率を示す鋳物が得られる。このため,アルミホイ
ール等の重要保安部品に最適な合金と言える。
【図1】本発明合金を鋳造した試料の1実施例を示す断
面図である。
面図である。
1 試料
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で,Si;4〜12%,Mg;
0.2〜0.6%,Ti;0.3%以下,B;0.00
1〜0.01%を含む高圧鋳造用アルミニウム合金。 - 【請求項2】 重量%で,Si;4〜12%,Cu;2
〜5%,Mg;0.2〜0.6%,Ti;0.3%以
下,B;0.001〜0.01%を含む高圧鋳造用アル
ミニウム合金。 - 【請求項3】 重量%で,Sr;0.002〜0.02
%を含む請求項1または請求項2記載の高圧鋳造用アル
ミニウム合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30390992A JPH06145866A (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 鋳造性に優れた高圧鋳造用アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30390992A JPH06145866A (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 鋳造性に優れた高圧鋳造用アルミニウム合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06145866A true JPH06145866A (ja) | 1994-05-27 |
Family
ID=17926731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30390992A Pending JPH06145866A (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 鋳造性に優れた高圧鋳造用アルミニウム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06145866A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1096028A2 (en) * | 1999-10-21 | 2001-05-02 | Kabushiki Kaisha Daiki Aluminium Kogyosho | High-strength aluminum alloy for pressure casting and cast aluminum alloy comprising the same |
US6866085B2 (en) | 2000-01-19 | 2005-03-15 | Nippon Light Metal Co., Ltd. | Plastically worked cast aluminum alloy product, a manufacturing method thereof and a coupling method using plastic deformation thereof |
EP2014780A1 (en) * | 2007-07-06 | 2009-01-14 | Nissan Motor Co., Ltd. | Casting aluminium alloy and internal combustion engine cylinder head |
US8292589B2 (en) | 2006-06-29 | 2012-10-23 | Hitachi Metals Precision, Ltd. | Casting aluminum alloy, cast compressor impeller comprising the alloy, and process for producing the same |
CN111270111A (zh) * | 2020-04-01 | 2020-06-12 | 湖南理工学院 | 一种含Ti和B的铝硅合金及其制备方法 |
-
1992
- 1992-11-13 JP JP30390992A patent/JPH06145866A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1096028A2 (en) * | 1999-10-21 | 2001-05-02 | Kabushiki Kaisha Daiki Aluminium Kogyosho | High-strength aluminum alloy for pressure casting and cast aluminum alloy comprising the same |
EP1096028A3 (en) * | 1999-10-21 | 2002-02-06 | Kabushiki Kaisha Daiki Aluminium Kogyosho | High-strength aluminum alloy for pressure casting and cast aluminum alloy comprising the same |
US6866085B2 (en) | 2000-01-19 | 2005-03-15 | Nippon Light Metal Co., Ltd. | Plastically worked cast aluminum alloy product, a manufacturing method thereof and a coupling method using plastic deformation thereof |
US8292589B2 (en) | 2006-06-29 | 2012-10-23 | Hitachi Metals Precision, Ltd. | Casting aluminum alloy, cast compressor impeller comprising the alloy, and process for producing the same |
EP2014780A1 (en) * | 2007-07-06 | 2009-01-14 | Nissan Motor Co., Ltd. | Casting aluminium alloy and internal combustion engine cylinder head |
US8999080B2 (en) | 2007-07-06 | 2015-04-07 | Nissan Motor Co., Ltd. | Casting aluminum alloy and internal combustion engine cylinder head |
US9828660B2 (en) | 2007-07-06 | 2017-11-28 | Nissan Motor Co., Ltd. | Method for producing an aluminum alloy casting |
CN111270111A (zh) * | 2020-04-01 | 2020-06-12 | 湖南理工学院 | 一种含Ti和B的铝硅合金及其制备方法 |
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