JP5582982B2 - アルミニウム合金及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム合金及びその製造方法に関する。
現在、アルミニウム(Al)合金において、マグネシウム(Mg)は、主な合金元素中の一つである。このようなマグネシウムの添加でアルミニウム合金は強度が増加し、表面処理に有利であり、耐蝕性が向上する。しかし、マグネシウムをアルミニウム溶湯内で合金化する過程中に化学的に高い酸化性を有したマグネシウムによって、酸化物や介在物がアルミニウム溶湯に混入されて溶湯品質を低下させる問題点を起こす。このようなマグネシウムの添加による酸化物または介在物の混入を抑制するために、マグネシウムの添加時、SFなどの保護ガスで溶湯表面を塗布する方法が利用されうる。
しかし、アルミニウム合金の製造工程上、大規模に添加されるマグネシウムを保護ガスで完璧に保護することは難しい。さらに、保護ガスとして使われるSFは、高価であるだけではなく、環境問題を誘発するガスであって、全世界的に次第にその使用が規制されている。
これにより、本発明は、親環境的に製造されながら、優れた合金特性を有するアルミニウム合金及びその製造方法を提供することである。また、本発明は、このようなアルミニウム合金を利用した加工製品を提供することである。このような課題は、例示的に提示され、本発明の範囲が、このような課題によって制限されるものではない。
本発明の一形態によるアルミニウム合金の製造方法が提供される。この方法は、カルシウム系化合物を含む母合金及びアルミニウムを提供する工程と、前記母合金及び前記アルミニウムが溶解された溶湯を形成する工程と、前記溶湯を鋳造する工程と、を含み、前記母合金は、母材にカルシウムを添加して製造される。
前記製造方法の一側面によれば、前記母材は、純粋マグネシウム、マグネシウム合金、純粋アルミニウム及びアルミニウム合金のうち何れか一つであり、前記マグネシウム合金は、合金元素としてアルミニウムを含みうる。
前記製造方法の他の側面によれば、鉄(Fe)を1.0重量%以下(0超過)で添加する工程をさらに含みうる。
前記製造方法のまた他の側面によれば、前記母合金の製造方法は、前記母材を溶解して母材溶湯を形成する工程と、前記母材溶湯にカルシウムを添加する工程と、を含みうる。
前記製造方法のさらに他の側面によれば、前記母合金の製造方法は、前記母材及び前記カルシウムを投入する工程と、前記母材及び前記カルシウムをともに溶解させる工程と、を含みうる。
前記製造方法のさらに他の側面によれば、前記母材は、マグネシウム及びアルミニウムのうち何れか一つ以上を含み、前記カルシウム系化合物は、前記カルシウムと前記母材のマグネシウムまたはアルミニウムとが反応して生成されたものであり得る。前記カルシウム系化合物は、Mg−Ca化合物、Al−Ca化合物及びMg−Al−Ca化合物のうち何れか一つ以上を含みうる。前記Mg−Ca化合物は、MgCaを含みうる。前記Al−Ca化合物は、AlCa及びAlCaのうち何れか一つ以上を含みうる。前記Mg−Al−Ca化合物は、(Mg、Al)Caを含みうる。
本発明の他の形態によるアルミニウム合金の製造方法が提供される。この方法は、カルシウム及びアルミニウムを提供する工程と、前記カルシウム及び前記アルミニウムが溶解された溶湯を形成する工程と、前記溶湯を鋳造する工程と、を含み、前記カルシウムは、アルミニウム合金内に0.1ないし40重量%の範囲になるように添加される。
本発明の一形態によるアルミニウム合金は、前述したアルミニウム合金の製造方法によって製造されたアルミニウム合金を含みうる。
本発明の他の形態によるアルミニウム合金は、アルミニウム基地と、前記アルミニウム基地に存在するカルシウム系化合物と、を含む。前記アルミニウム基地には、カルシウムが固溶限度以下で固溶される。
前記アルミニウム合金の一側面によれば、前記アルミニウム合金は、鉄(Fe)を1.0重量%以下(0超過)でさらに含みうる。
前記アルミニウム合金の他の側面によれば、前記アルミニウム基地は、境界を成し、互いに区分される複数個の領域を有し、前記境界には、前記カルシウム系化合物が存在することができる。
前記アルミニウム合金のまた他の側面によれば、前記アルミニウム基地は、境界を成し、互いに区分される複数個の領域を有し、前記領域内には、前記カルシウム系化合物が存在することができる。例えば、前記領域は、結晶粒であり、前記境界は、結晶粒界であり得る。他の例として、前記領域は、相異なる相によって限定される相領域であり、前記境界は、相境界であり得る。
本発明のまた他の形態によるアルミニウム合金は、カルシウムが固溶限度まで固溶されたアルミニウム基地と、前記アルミニウム基地に存在するカルシウム系化合物と、を含む。前記アルミニウム合金内のカルシウムの含有量は、0.1ないし40重量%範囲であり得る。
前記アルミニウム合金の一側面によれば、前記領域の平均大きさが、同一条件で製造されたアルミニウム合金であって、前記カルシウム系化合物を有していないアルミニウム合金に比べてさらに小さいことがある。
前記アルミニウム合金の他の側面によれば、引張強度は、同一条件で製造されたアルミニウム合金であって、前記カルシウム系化合物を有していないアルミニウム合金に比べてさらに大きく、そして/または延伸率は、さらに大きいか、同等であり得る。
本発明の実施形態によるアルミニウム合金の製造方法によれば、アルミニウム溶湯内にマグネシウムを添加する過程で、従来に使われるSFなどの保護ガスの量を顕著に減少させるか、使わない場合にも、安定的にアルミニウム鋳造工程を行うことができる。したがって、アルミニウム内に添加されるマグネシウムの含有量を容易に増加させることができながらも、環境的な側面及びコスト的な側面で長所を有しうる。
また、鋳造中に、アルミニウムの溶湯にマグネシウムの高い酸化性による酸化物または介在物の混入を防止することができるので、溶湯の清浄度を向上させて溶湯の品質を改善させることができる。
このようなアルミニウム溶湯の品質改善で、これにより鋳造されるアルミニウム合金は、従来に比べて不純物の含有量が顕著に減少して、強度、延伸率などのような機械的特性がさらに優れた値を表すことができる。
また、本発明の実施形態によるアルミニウム合金は、母合金内に含まれたカルシウム系化合物が基地内に分散されることによって、分散強化の効果及び結晶粒の微細化の効果などを誘発して、アルミニウム合金の機械的特性を顕著に改善させることができる。
また、アルミニウム合金内にマグネシウム含有量を容易に増加させることができるということによって、鉄の含有量を減少させる場合にも、アルミニウムダイキャスティング時に発生する焼着を防止することができて、鉄による耐蝕性及び延伸率の悪化を防止することができる。
また、母合金内に固溶された形態であるカルシウム投入が可能であり、この際、母合金内に既固溶されたカルシウムの含有量が分かるので、これに基づいて計算された希釈化率を活用することによって、アルミニウム溶湯に直接カルシウムを添加する時に比べて溶湯内でのカルシウム含有量の制御が相対的に容易である。したがって、アルミニウム合金の基地に固溶されるカルシウム含有量を500ppm以下の目的する範囲で再演性あるように制御することができる。
本発明によるアルミニウム合金の製造時に利用される母合金の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。 マグネシウム母合金内のカルシウム系化合物の成分を分析した結果である。 本発明によるアルミニウム合金の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態によって、カルシウムが添加されたマグネシウム母合金を添加したアルミニウム合金の成分を分析した結果である。 本発明の一実施形態によって、カルシウムが添加されたマグネシウム母合金を添加したアルミニウム合金と純粋マグネシウムを添加したアルミニウム合金との鋳造材の表面を比較観察した結果である。 6061合金にカルシウムが添加されたマグネシウム母合金を添加して製造したアルミニウム合金及び市販のアルミニウム合金である6061合金の微細組職を比較観察した結果である。
以下、添付図面を参照して、本発明による望ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、相異なる多様な形態として具現され、単に本実施形態は、本発明の開示を完全にさせ、当業者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
本発明の一実施形態によれば、母材に所定の添加剤としてカルシウム(Ca)を添加して、母合金を製造した後、この母合金をアルミニウムに添加することによって、アルミニウム合金を製造することができる。母合金は、純粋マグネシウムまたはマグネシウム合金を母材として使うマグネシウム母合金と純粋アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として使うアルミニウム母合金とを含みうる。
この実施形態で、純粋マグネシウムまたは純粋アルミニウムは、意図的に投入された合金元素がない状態であって、マグネシウムまたはアルミニウムを製造する過程中に不可避に投入される不純物を含む実質的意味と定義する。マグネシウム合金またはアルミニウム合金は、マグネシウムまたはアルミニウムに意図的に他の合金元素を添加して製造した合金である。マグネシウム合金は、合金元素としてアルミニウムを含み、合金元素としてアルミニウムを含むマグネシウム合金をマグネシウム−アルミニウム合金と指称することができる。このようなマグネシウム−アルミニウム合金は、合金元素としてアルミニウムのみを添加したものだけではなく、アルミニウムの以外の他の合金元素もともに添加されたものも含みうる。
図1は、本発明の一実施形態によるアルミニウム合金を作るために、アルミニウム溶湯に添加される母合金の製造方法を示すフローチャートである。図1を参照すると、母合金の製造方法は、母材溶湯形成工程(ステップS1)、添加剤添加工程(ステップS2)、撹拌・維持工程(ステップS3)、鋳造工程(ステップS4)及び冷却工程(ステップS5)を含みうる。
母材溶湯形成工程(ステップS1)は、例えば、マグネシウムを坩堝に入れてマグネシウムを溶融させ、マグネシウム溶湯を形成しうる。例えば、坩堝を600ないし800℃に加熱してマグネシウムを溶融させることができる。加熱温度が600℃未満であれば、マグネシウム溶湯が形成され難く、加熱温度が800℃を超過すれば、マグネシウム溶湯が発火する危険がある。
他の例として、母材溶湯形成工程(ステップS1)は、母材としてアルミニウムまたはアルミニウム合金を使う場合、溶湯の温度を600ないし900℃範囲で加熱してアルミニウム溶湯を形成しうる。
次いで、添加剤添加工程(ステップS2)では、母材溶湯に添加剤としてカルシウムを添加することができる。
撹拌・維持工程(ステップS3)では、母材溶湯を適切な時間の間に撹拌するか、及び/または維持することができる。例えば、母材溶湯を1ないし400分範囲内で撹拌するか、及び/または維持することができる。ここで、撹拌・維持時間が1分未満であれば、母材溶湯に添加剤であるカルシウムが十分に混じらず、400分を超過すれば、母材溶湯の撹拌・維持時間が無駄に長くなる。
添加されるカルシウムは、母材100重量部に対して0.0001ないし100重量部の範囲で添加され、好ましくは、0.001ないし30重量部範囲で添加されうる。添加剤が0.0001重量部未満である場合には、添加剤による効果(硬度増加、酸化減少、発火温度増加及び保護ガス減少)が小さいことがある。また、母合金を通じて添加されるカルシウム系化合物の量は、一定部門希釈化されて添加され、したがって、母合金内に添加されるカルシウムの含量が高いほど同一のカルシウムの総量に対して添加される母合金の量は減少しうる。但し、カルシウムが100重量部以上である場合には、製造の難易度が増加しうるので、望ましくないこともあり、このような点で30重量部以下で添加することがさらに望ましい。
一方、母材として純粋マグネシウムまたはマグネシウム合金を使って溶湯を形成する場合、マグネシウム溶湯の発火を防止するために、付加的に少量の保護ガスが選択的に提供されることがある。保護ガスは、通常のSF、SO、CO、HFC−134a、NovecTM612、非活性ガス及びその等価物、またはこれらの混合ガスを用いて、マグネシウム溶湯の発火を抑制することができる。しかし、本発明で、このような保護ガスが必ずしも必要なものではなく、提供されないこともある。
すなわち、前述したように、添加剤添加工程(ステップS2)で、カルシウムを添加する場合には、溶湯内のマグネシウムの耐酸化性を増加させて発火温度を高めることによって、マグネシウムの溶解時に必要な保護ガスの量を著しく低減させて使うか、または使わないこともある。したがって、この実施形態によるマグネシウム母合金の製造は、環境上の理由で規制対象であるSFなどのような保護ガス使用によって発生する問題点を解決することができる。
母材溶湯の撹拌・維持工程(ステップS3)が完了すれば、母材溶湯を鋳型に入れて鋳造し(ステップS4)、冷却させた後、鋳型から凝固された母合金を分離させる(ステップS5)。例えば、鋳造工程(ステップS4)での鋳型の温度は、常温(例えば、25℃)ないし400℃の温度範囲を有しうる。冷却工程(ステップS5)では、鋳型を常温まで冷却させた後、母合金を鋳型から分離させることができるが、常温以前でも母合金の凝固が完了する場合には、鋳型から母合金を分離させることができる。
前記鋳型は、金型、セラミック型、グラファイト型及びその等価物のうちから選択された何れか一つを利用することができる。また、鋳造方式は、砂型鋳造、ダイキャスティング(die casting)、重力鋳造、連続鋳造、低圧鋳造、スクイズキャスティング、ロストワックス鋳造(lost wax casting)、チキソキャスティング(thixo casting)などが挙げられる。重力鋳造は、溶融状態の合金を重力を用いて鋳型に注入する方法を指称し、低圧鋳造は、溶融された合金の溶湯面にガスを用いて圧力をかけて鋳型内に溶湯を注入する方式を指称することができる。チキソキャスティングは、半溶融状態での鋳造技術であって、通常的な鋳造と鍛造との長所を融合した方式である。しかし、本発明は、鋳型の種類及び鋳造の方式を限定するものではない。
このように製造されたマグネシウム母合金は、境界を成し、互いに区分される複数個の領域を有した基地を有する。この際、互いに区分される複数個の領域は、典型的に結晶粒界に区分される複数の結晶粒であり、また他の例として、2以上の相異なる相の相境界によって限定される複数の相領域であり得る。
一方、このような母合金の基地には、母合金の製造過程で生成されたカルシウム系化合物が分散されて存在することができる。このようなカルシウム系化合物は、添加剤添加工程(ステップS2)で母材溶湯内に添加されたカルシウムが、母材内で母材または母材内の他の合金元素と反応して生成されたものであり得る。
例えば、母材が、純粋マグネシウムまたはマグネシウム合金である場合には、カルシウムとマグネシウムとの反応でMg−Ca化合物、例えば、MgCaが形成される。他の例として、母材が、純粋アルミニウムまたはアルミニウム合金である場合には、カルシウムがアルミニウムと反応してAl−Ca化合物、例えば、AlCa、AlCaも形成される。
マグネシウム合金が、マグネシウム‐アルミニウム合金である場合には、カルシウムがマグネシウム及び/またはアルミニウムと反応して、Mg−Ca化合物、Al−Ca化合物及びMg−Al−Ca化合物のうち何れか一つ以上を含みうる。例えば、Mg−Ca化合物は、MgCaであり、Al−Ca化合物は、AlCa及びAlCaのうち何れか一つ以上を含み、Mg−Al−Ca化合物は、(Mg、Al)Caであり得る。
カルシウム系化合物は、このような結晶粒間の境界である結晶粒界または相領域間の境界である相境界に分布される確率が高い。これは、このような境界部分が、結晶粒または相領域の内部に比べて開放された構造であって、相対的に高いエネルギーを有しているので、カルシウム系化合物の核生成及び成長に有利な場所を提供することができるためである。
図2には、本発明による母合金の一実施形態であって、マグネシウム−アルミニウム合金を母材とし、これにカルシウムを添加して製造したマグネシウム母合金の微細組職及び成分をTEM(transmission electron microscope)で分析した結果が表われている。
図2の(a)は、製造したマグネシウム母合金の微細組職をBFモードで観察した結果であり、図2の(b)ないし(d)は、同一のマグネシウム母合金をTEMでマッピング(mapping)を行った結果であって、それぞれマグネシウム、アルミニウム及びカルシウムに対する結果である。
図2の(a)及び(b)に表わしたように、結晶粒界に棒状(rod type)の化合物(矢印)が、マグネシウム基地に形成されていることが分かる。この際、マグネシウム基地は、境界を有して区分される領域(結晶粒)が複数形成されており、化合物は、このような領域の境界(結晶粒界)に沿って形成されているということが分かる。図2の(c)及び(d)を参照すると、棒状の化合物でアルミニウム及びカルシウムの信号強度が高く(明るい部分)、これにより、棒状の化合物は、Al−Ca化合物であるということが分かる。このようなAl−Ca化合物は、AlCaまたはAlCaであり得る。これにより、マグネシウム−アルミニウム合金にカルシウムを添加した場合、カルシウムとアルミニウムとの反応でAl−Ca化合物が形成されたということを確認することができる。
一方、前記の分析結果には、Al−Ca化合物が母合金基地の結晶粒界に分布すると分析され、これは、結晶粒の境界部分として開放構造を有する結晶粒界の特性上、結晶粒の内部よりは結晶粒界でカルシウム系化合物が分布する確率が高いためであると解析される。但し、このような分析結果が、あらゆるカルシウム系化合物である全的に結晶粒界にのみ分布すると本発明を限定するものではなく、場合によって、結晶粒の内部にも、このようなカルシウム系化合物が発見されうる。
前述した方法で製造された母合金は、本発明によるアルミニウム合金を製造するための合金化工程にアルミニウム溶湯に提供されるための用途として利用されうるが、これに必ずしも限定されるものでなく、場合によって、母合金自体が特定用途のための合金として使われる。
例えば、前述した方法で製作したアルミニウム母合金の場合には、アルミニウム−カルシウム合金として活用されうる。前述したように、純粋アルミニウムまたはアルミニウム合金にカルシウムを添加して製造したアルミニウム合金には、基地相にカルシウム系化合物が形成される。この際、アルミニウム基地には、カルシウムが固溶限度まで固溶されている。
すなわち、アルミニウムにカルシウムを添加する場合、アルミニウムに固溶され、もし固溶限度を超過してカルシウムを添加する場合には、余剰のカルシウムが、前述したように、アルミニウムと反応してAl−Ca化合物を形成しうる。この際、アルミニウムが、マグネシウムを含むアルミニウム合金である場合には、カルシウム系化合物としてAl−Ca化合物の以外にMg−Ca化合物、Mg−Al−Ca化合物などが形成される。
このようなカルシウム系化合物が、基地の結晶粒界または相境界に微細に存在する場合、結晶粒界または相境界の移動を妨害する要素として作用することによって、組職微細化に寄与することによって、引張強度、延伸率などのような機械的特性を向上させることができる。場合によって、このようなカルシウム系化合物は、不均一核生成座を提供してアルミニウム−カルシウム合金の凝固時、結晶粒を微細化する役割を行うことができる。また、カルシウム系化合物は、金属間化合物として基地に比べて高い強度を表わし、このようなカルシウム系化合物が基地に微細に分散される場合、電位の移動を抑制する要素として作用して、アルミニウム合金の強度増加に寄与することができる。
例えば、カルシウムは、アルミニウム合金内に0.1ないし40重量%範囲にあるように添加されうる。0.1重量%以下では、前述したAl−Ca化合物による効果が表われないこともあり、40重量%以上では、脆性が増加するにつれて機械的特性が悪化される。前述した目的のために、望ましくは、10ないし30重量%の範囲、さらに望ましくは、15ないし30重量%、さらに望ましくは、15ないし25重量%の範囲を有しうる。
但し、場合によって、アルミニウム基地に固溶されるカルシウムの量を可能な限り小さくすることが有利な時がある。一例として、アルミニウム基地に固溶されるカルシウムの固溶量が500ppm以下で調節されることができない場合、カルシウムが添加されるアルミニウム溶湯内の気泡が発生するなどアルミニウム溶湯の品質を低下させ、このような溶湯で鋳造された鋳造材の場合にも、このような気泡に起因した多数の微細気孔を内部に保有して、鋳造材の強度及び延伸率に悪影響を与えうる。
また、一般的に、カルシウムが、Al−Mg−Si合金に添加される場合に、合金の強度向上に重要な役割を行うMgSi相の生成を抑制して、機械的特性を低下させることもある。このような場合は、アルミニウム合金において、アルミニウム基地に固溶されるカルシウムの含有量を固溶限度以下、一例として、500ppm以下になるように調節することが必要である。アルミニウム溶湯に直接カルシウムを添加する場合には、溶湯内で消失されるカルシウムの量を正確に制御し難いので、アルミニウム内に固溶されるカルシウムの量を500ppm以下で再演性あるように制御し難い。したがって、このような場合には、アルミニウムに直接カルシウムを添加する代わりに、カルシウムを添加して製造した母合金を添加することによって、前述した問題を解決することができる。
すなわち、アルミニウムまたはマグネシウムにカルシウムを直接添加して製造した母合金には、添加されたカルシウムの少量がアルミニウムまたはマグネシウムに固溶され、大部分はカルシウム系化合物の形態で存在する。このようなカルシウム系化合物は、金属間化合物としてアルミニウムの融点(658℃)よりさらに高い融点を有している。一例として、Al−Ca化合物であるAlCaまたはAlCaの融点は、それぞれ1079℃及び700℃であって、アルミニウムの融点に比べて高い。
したがって、このような少量固溶された純粋カルシウムとカルシウム系化合物とを含む母合金をアルミニウム溶湯に投入する場合、極めて少量の純粋なカルシウムのみが希釈化されてアルミニウム内に供給され、カルシウムの大部分はカルシウム系化合物の形態で提供されることによって製造されたアルミニウム合金は、500ppm以下の少量のカルシウムが固溶されたアルミニウム基地相に固溶されていないカルシウム系化合物が分散されて分布される組職を有する。これにより、カルシウムが500ppmを超過して固溶される場合の問題点を解決すると同時に、カルシウム系化合物の分布による機械的特性の向上の効果を同時に得られる。
前述したように、カルシウム系化合物は、アルミニウム合金内で微細な粒子形態で分散されて分布することができ、カルシウム系化合物の分散分布によってアルミニウム合金の強度が増加しうる。また、本発明によるアルミニウム合金の場合、カルシウム系化合物が存在していないアルミニウム合金に比べてさらに微細で小さな結晶粒または相領域の平均大きさを有しうる。このような結晶粒または相領域の微細化は、強度、延伸率などのような機械的特性を向上させることができる。
以下、本発明によるアルミニウム合金の製造方法についてより具体的に説明する。本発明の一実施形態によるアルミニウム合金の製造方法は、カルシウム系化合物を含む母合金及びアルミニウムを提供する工程、母合金及びアルミニウムが溶解された溶湯を形成する工程及び溶湯を鋳造する工程を含む。
例えば、母合金及びアルミニウムが溶解された溶湯を形成するために、まずアルミニウムを溶解して溶湯を形成し、このアルミニウム溶湯にカルシウム系化合物を含む母合金を添加して溶解することで形成しうる。他の例として、アルミニウムと母合金とを坩堝などのような溶解用の装置内にともに投入した後、加熱してともに溶解することで形成することもできる。
図3は、本発明によるアルミニウム合金の製造方法の一実施形態であって、アルミニウム溶湯を先に形成した後、これにより、前述した方法で製造した母合金を添加して溶解する方式を利用したアルミニウム合金の製造方法のフローチャートである。
以下、アルミニウム母合金の製造方法のうち、前述した母合金の製造方法と重畳される部分については、説明を省略する。
図3に示されたように、本発明の一実施形態によるアルミニウム合金の製造方法は、アルミニウム溶湯形成工程(ステップS11)、母合金添加工程(ステップS12)、撹拌・維持工程(ステップS13)、鋳造工程(ステップS14)及び冷却工程(ステップS15)を含みうる。
アルミニウム溶湯形成工程(ステップS11)では、アルミニウムを坩堝に入れて600ないし900℃範囲で加熱してアルミニウム溶湯を形成する。アルミニウム溶湯形成工程(ステップS11)で利用されたアルミニウムは、純粋アルミニウム、アルミニウム合金及びその等価物のうちから選択された何れか一つであり得る。アルミニウム合金は、1000系、2000系、3000系、4000系、5000系、6000系、7000系及び8000系の塑性加工用(Wrought)アルミニウムまたは100系、200系、300系、400系、500系、700系の鋳造用(Casting)アルミニウムのうちから選択された何れか一つであり得る。
ここで、アルミニウム合金についてさらに具体的に説明する。アルミニウム合金は、その使用用途によって種類も多様に開発され、アルミニウム合金の種類は、現在ほとんどの国でアメリカ・アルミニウム協会(Aluminum Association of America)の規格を採択して分類している。表1は、合金系列別に主要合金元素の構成を千単位で示しており、各合金系列に他の改良元素をさらに添加して4桁数字をさらに細分化して合金名を付ける。
最初の数字は、前記のように、主要合金元素を表わす合金系列を表示し、二番目の数字は、基本合金を0で表示し、改良した合金を1〜9という数字で表示し、独自的に開発した新たな合金は、N字を付ける。例として、2xxxは、Al−Cu系アルミニウムの基本合金であり、21xx〜29xxは、Al−Cu系基本合金を改良した合金であり、2Nxxは、協会規格の以外に開発した新たな合金の場合である。三番目と四番目の数字は、純粋なアルミニウムの場合、アルミニウムの純度を表示し、合金である場合、過去に使ったアルコア社の合金名称である。例として、純粋アルミニウムの場合、1080はアルミニウムが99.80%Al以上であり、1100は99.00%Alを表わす。このようなアルミニウム合金の主要構成は、下記表2のようである。
次いで、母合金添加工程(ステップS12)では、前記アルミニウム溶湯に前述した方法で製造した母合金を添加する。この際、母合金添加工程(ステップS12)で利用された母合金は、アルミニウム100重量部に対して0.0001ないし30重量部が添加されうる。この際、母合金の形態は、塊状の形態で添加されうるが、本発明が、これに限定されるものではなく、粉末形態、グレニュル形態など他の形態を有しうる。また、母合金の大きさも、制限するものではない。
このような母合金の添加時、母合金に固溶された少量の純粋カルシウムと基地相に晶出されて存在するカルシウム系化合物もともにアルミニウム溶湯内に提供される。前述したように、アルミニウム溶湯内に提供されるカルシウム系化合物は、Mg−Ca化合物、Al−Ca化合物及びMg−Al−Ca化合物のうち何れか一つ以上を含みうる。
この際、母合金がマグネシウム母合金である場合、酸化を防止するために、付加的に少量の保護ガスが提供されることがある。保護ガスは、通常のSF、SO、CO、HFC−134a、NovecTM612、非活性ガス及びその等価物、またはこれらの混合ガスを用いて、マグネシウム母合金の酸化を抑制することができる。
しかし、本発明で、このような保護ガスが必ずしも必要なものではなく、提供されないこともある。すなわち、本発明の実施形態のように、カルシウム系化合物を含むマグネシウム母合金を添加する場合には、マグネシウム母合金の耐酸化性の増加で耐発火抵抗性が増加し、従来のようなカルシウム系化合物を含まないマグネシウムを添加する場合に比べて溶湯に酸化物などの不純物の介在が顕著に減少する。したがって、本発明による時、保護ガスを使わないとしても、アルミニウム溶湯の清浄度が大きく向上して溶湯の品質を顕著に改善することができる。
次いで、撹拌・維持工程(ステップS13)では、前記アルミニウム溶湯を適切な時間の間に撹拌及び/または維持することができる。例えば、アルミニウム溶湯を1ないし400分間撹拌または維持することができる。ここで、撹拌・維持時間が1分未満であれば、アルミニウム溶湯にマグネシウム母合金が十分に混じらず、撹拌・維持時間が400分を超過すれば、アルミニウム溶湯の撹拌・維持時間が無駄に長くなる。
次いで、アルミニウム溶湯の撹拌・維持工程(ステップS13)が完了すれば、前記アルミニウム溶湯を鋳型に入れて鋳造し(ステップS14)、冷却させた後、鋳型から凝固された合金を分離させる(ステップS15)。鋳造工程(ステップS14)での鋳型の温度は、常温(例えば、25℃)ないし400℃の温度範囲を有しうる。冷却工程(ステップS15)では、鋳型を常温まで冷却させた後、母合金を鋳型から分離させることができるが、常温以前でも母合金の凝固が完了する場合には、鋳型から母合金を分離させることができる。鋳造方式については、母合金の製造方法について詳しく説明したので、説明を省略する。
このように製造されたアルミニウム合金は、1000系、2000系、3000系、4000系、5000系、6000系、7000系及び8000系の塑性加工用(Wrought)アルミニウムまたは100系、200系、300系、400系、500系、700系の鋳造用(Casting)アルミニウムのうちから選択された何れか一つであり得る。
前述したように、マグネシウム母合金を利用する場合、アルミニウム溶湯の清浄度の向上によって鋳造されるアルミニウム合金の機械的性質が顕著に向上する。すなわち、マグネシウム母合金の耐発火性に対する抵抗の増加に起因した溶湯の清浄度の向上によって、これにより鋳造されるアルミニウム合金内にも機械的特性を劣化させる酸化物や介在物のような不純物がなく、鋳造されたアルミニウム合金の内部の気泡発生も顕著に減少する。このように鋳造されたアルミニウム合金の内部が、従来のものに比べてさらに清浄な状態を有することによって、本発明によるアルミニウム合金は、従来のものに比べて優れた降伏強度及び引張強度を有する。また、強度が増加するにも、延伸率を同等であるか、さらに優秀になる理想的な機械的特性を有する。
したがって、同一のマグネシウム含有量を有するアルミニウム合金を製造しても、本発明による時、溶湯の品質を清浄にさせる効果によって鋳造されたアルミニウム合金の特性が良好になりうる。また、アルミニウムに添加されるマグネシウムの溶湯内での損失が減少して、実際従来に比べてさらに小さな量のマグネシウムを添加しても、アルミニウム合金内に含まれるマグネシウムの含有量を実質的に同様に製造することができることによって、経済的なアルミニウム合金の製造が可能となる。また、本発明によるマグネシウム母合金をアルミニウム溶湯に添加する場合、従来に比べてアルミニウム溶湯内でのマグネシウムの不安定性が顕著に改善されるので、マグネシウムの含量を従来に比べて容易に増加させることができる。
マグネシウムは、アルミニウムに最大15重量%まで固溶され、固溶時にアルミニウム合金の機械的特性を向上させることができる。例えば、300系または6000系のアルミニウム合金にマグネシウムを添加すれば、アルミニウム合金の強度及び延伸率が向上する。しかし、従来には、前述したマグネシウムの高い酸化性によってマグネシウムによる酸化物及び介在物が溶湯に混入されてアルミニウム合金の品質を低下させ、このような問題は、添加されるマグネシウムの含有量が増加するほど深刻化するので、たとえ保護ガスを使っても、アルミニウム溶湯に添加されるマグネシウムの含有量を安定的に増加させることが非常に難しかった。
これに比べて、本発明による時、アルミニウム溶湯内にマグネシウム母合金を安定的に添加することができるので、アルミニウム合金内にマグネシウムの含有量を従来に比べて容易に増加させ、マグネシウムの比率を増加させながらも、鋳造性を確保することができる。したがって、本発明によるマグネシウム母合金を300系または6000系のアルミニウム合金に添加することによって、酸化物や介在物の混入を抑制して鋳造性だけではなく、強度及び延伸率も向上し、さらに、現在実質的に使用できない500系または5000系のアルミニウム合金を使用可能にできる。
一例として、本発明によるアルミニウム合金は、マグネシウムの固溶量が0.1重量%以上はもとより、5重量%以上、さらに6重量%以上、さらに10重量%以上から固溶限である15%までも容易に増加させることができる。
このようなアルミニウム合金内でのマグネシウムの安定性は、アルミニウム合金の廃棄物リサイクル時にも有利に作用することができる。例えば、アルミニウム合金の製造のための廃棄物をリサイクルする過程でマグネシウムの含有量が高い状態である場合、これを要求される比率で減少させる工程(以下、ジメギング工程と称する)を経る。この際、要求されるマグネシウム含有量の比率が低いほどジメギング工程の難易度及び必要となるコストが増加する。
例えば、383アルミニウム合金の場合、マグネシウムを0.3重量%まで低めることは技術的に容易でるが、0.1重量%まで低めることは非常に難しい。また、マグネシウムの比率を低めるために塩素ガス(Cl)を使うが、このような塩素ガスの使用は、環境に有害であり、さらにコストが発生する問題点がある。
しかし、本発明によってカルシウム系化合物を含むマグネシウム母合金を用いて製造されたアルミニウム合金は、マグネシウムの比率を0.3重量%以上に維持することが可能であるので、技術的、環境的、コスト的利点がある。
また、本発明によるアルミニウム合金は、前述した製造過程のうち、例えば、アルミニウム溶湯形成工程(ステップS11)または母合金添加工程(ステップS12)以後に、鉄(Fe)を少量添加する工程をさらに含みうる。この際、添加される鉄の量は、従来に比べてさらに小さな値を有しうる。すなわち、従来からアルミニウム合金を鋳造、例えば、ダイキャスティングする場合に、鉄系金属からなる金型とアルミニウム鋳造材との間の焼着発生によって金型が損傷される問題が発生し、これを解決するために、従来からアルミニウム合金のダイキャスティング時に1.0ないし1.5重量%の鉄をアルミニウム合金内に添加した。しかし、このような鉄の添加によってアルミニウム合金の耐蝕性及び延伸率が減少するまた他の問題が発生することがある。
しかし、前述したように、本発明によるアルミニウム合金は、マグネシウムの含有量を高い比率で有することができ、マグネシウムを高含量で添加時、従来に比べて顕著に少ない比率の鉄を添加しても、従来に表われた金型との焼着問題を大きく改善することができる。したがって、従来にダイキャスティングされたアルミニウム合金の鋳造材に表われた耐蝕性及び延伸率の減少の問題を解決させうる。
この際、前述したアルミニウム合金を製造する過程で添加される鉄(Fe)の含有量は、アルミニウム合金に対して1.0重量%以下(0超過)、さらに嚴格には、0.2重量%以下(0超過)であり、これにより、アルミニウム合金の基地には、該当する組成範囲の鉄が含まれうる。
以下、本発明によって製造されたアルミニウム合金の特性について具体的に説明する。
本発明の製造方法によって製造されたアルミニウム合金は、アルミニウム基地及びアルミニウム基地に存在するカルシウム系化合物を含む。この際、アルミニウム基地には、カルシウムが固溶限度以下、一例として、500ppm以下で固溶されている。
この際、アルミニウム基地は、境界を成し、互いに区分される複数個の領域を有することができ、この際、前記境界または領域の内部に、前記カルシウム系化合物が存在することができる。アルミニウム基地は、アルミニウムを主な成分とするが、他の合金元素が固溶されているか、またはカルシウム系化合物の以外の他の化合物が、別個の相として形成されている金属組織体をいうものと定義されうる。
この際、互いに区分される複数個の領域は、典型的に結晶粒界に区分される複数の結晶粒であり、また他の例として、2以上の相異なる相の相境界によって限定される複数の相領域であり得る。
本発明によるアルミニウム合金の場合、母合金内に形成されたカルシウム系化合物に起因する機械的特性の向上効果を有しうる。既に前述したように、母合金がアルミニウム溶湯に添加される場合、母合金に含まれるカルシウム系化合物もともに溶湯に添加され、カルシウム系化合物は、カルシウムと他の金属元素とが反応して形成された金属間化合物として、いずれもアルミニウムの融点よりさらに高い融点を有している。
したがって、このようなカルシウム系化合物を含む母合金をアルミニウム溶湯に投入する場合、カルシウム系化合物は、溶湯内部で溶融されずに維持され、このような溶湯を鋳造してアルミニウム合金を製造する場合、アルミニウム合金内に前記カルシウム系化合物が含まれうる。
このようなカルシウム系化合物は、アルミニウム合金内で微細な粒子形態で分散されて分布することができる。この際、カルシウム系化合物は、金属間化合物として基地であるアルミニウムに比べて高強度物質であり、したがって、このような高強度物質の分散分布によってアルミニウム合金の強度が増加する。
一方、カルシウム系化合物は、アルミニウム合金が液相から固相に相遷移される過程で核生成が起きる場所を提供することができる。すなわち、アルミニウム合金の凝固時、液相から固相への相遷移は、核生成及び成長の形態でなされ、この際、カルシウム系化合物自体が不均一核生成座(heterogeneous nucleation site)として機能することによって、カルシウム系化合物と液相とが界面で優先的に固相への相遷移のための核生成が起こる。このように核生成された固相は、カルシウム系化合物の周辺に形成しながら成長する。
このようなカルシウム系化合物が複数個に分散されるように分布する場合、それぞれのカルシウム系化合物の界面で成長された固相が互いに合って境界を成し、このように形成された境界は、結晶粒界または相境界をなしうる。したがって、カルシウム系化合物が核生成座として機能すれば、カルシウム系化合物は、結晶粒または相領域の内部に存在し、前記結晶粒または相領域は、カルシウム系化合物が存在しない場合に比べて微細化される効果を表わせる。
また、カルシウム系化合物は、結晶粒間の境界である結晶粒界または相領域間の境界である相境界に存在することができる。このような境界部分は、結晶粒または相領域の内部に比べて開放された構造であって、相対的に高いエネルギーを有しているので、カルシウム系化合物の核生成及び成長に有利な場所を提供することができるためである。
このように、カルシウム系化合物が、アルミニウム合金の結晶粒界または相境界に分布される場合には、このようなカルシウム系化合物が、結晶粒界または相境界の移動の障害物として作用して、結晶粒界または相境界の移動を抑制して結晶粒または相境界の平均大きさを減少させることができる。
したがって、本発明によるアルミニウム合金の場合、このようなカルシウム系化合物が存在していないアルミニウム合金に比べて平均的にさらに微細であり、小さな結晶粒または相領域の大きさを有しうる。このようなカルシウム系化合物に起因した結晶粒または相領域の微細化は、アルミニウム合金の強度及び延伸率の向上効果を同時にもたらしうる。
また、本発明によるアルミニウム合金のアルミニウム基地は、1000系、2000系、3000系、4000系、5000系、6000系、7000系及び8000系の塑性加工用(Wrought)アルミニウムまたは100系、200系、300系、400系、500系、700系の鋳造用(Casting)アルミニウムのうちから選択された何れか一つであり得る。
以下、本発明の理解を助けるために、実施例を提供する。但し、下記の実施例は、本発明の理解を助けるためのものであり、本発明が、下記の実施例によって限定されるものではない。
表3は、カルシウムを添加して製造した母合金を用いて製造したアルミニウム合金(実施例1)とカルシウムを添加していない純粋なマグネシウムを添加して製造したアルミニウム合金(比較例1)との鋳造特性を比較して表わす。この際、実施例1に使われた母合金は、マグネシウム母合金であって、具体的に、母材としてアルミニウムを含むマグネシウム合金に母材に対して0.3の重量比でカルシウムを添加して製造したものである。
実施例1は、アルミニウム2750gに前記マグネシウム母合金305gを添加して製造したものであり、これに比べて、比較例1は、アルミニウム2750gに純粋マグネシウム305gを添加して製造したものである。
表3を参照すると、溶湯表面に浮かぶ不純物の量(ドロス量)が、純粋マグネシウムを添加した時(比較例1)よりマグネシウム母合金(実施例1)を添加した時に少なく生じるということが分かる。また、アルミニウム合金内のマグネシウム含有量は、純粋マグネシウムを添加した時(比較例1)よりマグネシウム母合金を添加した時(実施例1)にさらに高いということが分かる。これにより、本発明の製造方法による場合、純粋マグネシウムを添加する方法に比べてマグネシウムの損失が顕著に減少するということが分かる。
また、溶湯の流動性及びアルミニウム合金の硬度も純粋マグネシウムを添加した時(比較例1)よりマグネシウム母合金を添加した時(実施例1)にさらに優れたものであることが分かる。
図4の(a)には、実施例1のアルミニウム合金の組職をEPMAで観察した結果が表われており、図4の(b)ないし(d)には、EPMAを利用した成分マッピング結果として、それぞれアルミニウム、カルシウム、マグネシウムのマッピング結果が表われている。
図4の(b)ないし(d)を通じて分かるように、アルミニウム基地相にカルシウム、マグネシウム及びアルミニウムが同一位置で検出され、これにより、カルシウムは、マグネシウム及び/またはアルミニウムと反応してカルシウム系化合物として存在するということが分かる。
図5は、実施例1及び比較例1によるアルミニウム合金の鋳造材の表面を比較した結果である。
図5を参照すると、比較例1(b)の純粋マグネシウムを添加したアルミニウム合金の鋳造材より実施例1(a)のマグネシウム母合金を添加したアルミニウム合金の鋳造材(a)がさらにきれいな表面を有することを確認することができる。これは、マグネシウム母合金に添加されたカルシウムによって鋳造性が向上したためである。すなわち、純粋マグネシウムが添加されたアルミニウム合金(比較例1)は、鋳造時、純粋マグネシウムの酸化によって表面に発火された痕跡が示す一方、カルシウムが添加されたマグネシウム母合金を使って鋳造されたアルミニウム合金(実施例1)の場合には、発火現象が抑制されてきれいな表面が得られる。これにより、マグネシウム母合金を添加する場合には、純粋マグネシウムを添加する時に比べて溶湯の品質が顕著に向上して鋳造性が改善されたということが分かる。
表4は、市販のアルミニウム合金である6061合金にカルシウムを添加して製造したマグネシウム母合金を添加して製造したアルミニウム合金(実施例2)の機械的特性を6061合金(比較例2)と比較して示す。実施例2による試片は、鋳造後に圧出してT6熱処理を行い、比較例2のデータは、ASM規格にある値(T6熱処理データ)を参照した。
表4に表わされるように、本発明による実施例2のアルミニウム合金は、引張強度及び降伏強度でさらに高い値を示し、延伸率は、比較例2による市販のアルミニウム合金に比べて優れた特性を表わしたということが分かる。
図6には、実施例2及び比較例2の微細組職を観察した結果が表われている。図6を参照すると、本発明による実施例2のアルミニウム合金(a)の結晶粒が、市販のアルミニウム合金による比較例2(b)に比べて微細になったということが分かる。
実施例2のアルミニウム合金での結晶粒の微細化は、結晶粒界に分布するカルシウム系化合物によって結晶粒界の成長が抑制されたか、またはカルシウム系化合物が凝固時、核生成座として機能したためであると判断される。このような結晶粒の微細化によって本発明によるアルミニウム合金が優れた機械的特性を示すものと判断される。
本発明の実施形態は下記のものを含む。
<1> カルシウム系化合物を含む母合金及びアルミニウムを提供する工程と、
前記母合金及び前記アルミニウムが溶解された溶湯を形成する工程と、
前記溶湯を鋳造する工程と、を含み、
前記母合金は、母材にカルシウムを添加して製造されたものであることを特徴とするアルミニウム合金の製造方法。
<2> 前記母材は、純粋マグネシウムまたはマグネシウム合金であることを特徴とする<1>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<3> 前記マグネシウム合金は、アルミニウムを含むものであることを特徴とする<2>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<4> 前記母材は、純粋アルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とする<1>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<5> 鉄(Fe)を1.0重量%以下(0超過)で添加する工程をさらに含むことを特徴とする<2>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<6> 前記鉄(Fe)を0.2重量%以下で添加することを特徴とする<5>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<7> 前記母合金は、アルミニウム100重量部に対して0.0001〜30重量部の範囲であることを特徴とする<1>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<8> 前記カルシウムは、前記母材100重量部に対して0.0001〜100重量部の範囲で添加されることを特徴とする<1>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<9> 前記カルシウムは、前記母材100重量部に対して固溶限度以上100重量部以下の範囲で添加されることを特徴とする<8>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<10> 前記溶湯を形成する工程は、
前記アルミニウムを溶解してアルミニウム溶湯を形成する工程と、
前記アルミニウム溶湯に、前記母合金を添加して溶解する工程と、
を含むことを特徴とする<1>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<11> 前記溶湯を形成する工程は、
前記アルミニウム及び前記母合金を投入する工程と、
前記アルミニウム及び前記母合金をともに溶解する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<12> 前記母合金の製造方法は、
前記母材を溶解して母材溶湯を形成する工程と、
前記母材溶湯にカルシウムを添加する工程と、
を含むことを特徴とする<1>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<13> 前記母合金の製造方法は、
前記母材及び前記カルシウムを投入する工程と、
前記母材及び前記カルシウムをともに溶解させる工程と、
を含むことを特徴とする<1>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<14> 前記母材は、マグネシウム及びアルミニウムのうち何れか一つ以上を含み、前記カルシウム系化合物は、前記カルシウムと前記母材のマグネシウムまたはアルミニウムとが反応して生成されたものであることを特徴とする<1>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<15> 前記カルシウム系化合物は、Mg−Ca化合物、Al−Ca化合物及びMg−Al−Ca化合物のうち何れか一つ以上を含むことを特徴とする<14>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<16> 前記Mg−Ca化合物は、Mg Caを含むことを特徴とする<15>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<17> 前記Al−Ca化合物は、Al Ca及びAl Caのうち何れか一つ以上を含むことを特徴とする<15>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<18> 前記Mg−Al−Ca化合物は、(Mg、Al) Caを含むことを特徴とする<15>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<19> 前記アルミニウムは、純粋アルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とする<1>に記載のアルミニウム合金の製造方法。
<20> カルシウム及びアルミニウムを提供する工程と、
前記カルシウム及び前記アルミニウムが溶解された溶湯を形成する工程と、
前記溶湯を鋳造する工程と、を含むアルミニウム合金の製造方法であり、
前記カルシウムは、アルミニウム合金内に0.1ないし40重量%の範囲になるように添加されることを特徴とするアルミニウム合金の製造方法。
<21> <1>〜<20>のうち何れか一項によるアルミニウム合金の製造方法によって製造されたアルミニウム合金。
<22> 前記アルミニウム合金は、1000系、2000系、3000系、4000系、5000系、6000系、7000系及び8000系の塑性加工用(Wrought)アルミニウムまたは100系、200系、300系、400系、500系及び700系の鋳造用(Casting)アルミニウムのうちから選択された何れか一つを含むことを特徴とする<21>に記載のアルミニウム合金。
<23> アルミニウム基地と、
前記アルミニウム基地に存在するカルシウム系化合物と、を含み、
前記アルミニウム基地は、カルシウムが固溶限度以下で固溶されたことを特徴とするアルミニウム合金。
<24> 前記カルシウムは、500ppm以下で固溶されたことを特徴とする<23>に記載のアルミニウム合金。
<25> 鉄(Fe)を1.0重量%以下(0超過)でさらに含むことを特徴とする<23>に記載のアルミニウム合金。
<26> 鉄(Fe)を0.2重量%以下でさらに含むことを特徴とする<25>に記載のアルミニウム合金。
<27> 前記アルミニウム基地は、境界を成し、互いに区分される複数個の領域を有し、前記境界には、前記カルシウム系化合物が存在することを特徴とする<23>に記載のアルミニウム合金。
<28> 前記アルミニウム基地は、境界を成し、互いに区分される複数個の領域を有し、前記領域内に、前記カルシウム系化合物が存在することを特徴とする<23>に記載のアルミニウム合金。
<29> 前記領域は、結晶粒であり、前記境界は、結晶粒界であることを特徴とする<27>または<28>に記載のアルミニウム合金。
<30> 前記領域は、相異なる相によって限定される相領域であり、前記境界は、相境界であることを特徴とする<27>または<28>に記載のアルミニウム合金。
<31> カルシウムが、固溶限度まで固溶されたアルミニウム基地と、
前記アルミニウム基地に存在するカルシウム系化合物と、を含むアルミニウム合金であり、前記アルミニウム合金内のカルシウムの含有量は、0.1ないし40重量%範囲であることを特徴とするアルミニウム合金。
<32> 前記カルシウム系化合物は、Mg−Ca化合物、Al−Ca化合物及びMg−Al−Ca化合物のうち何れか一つ以上を含むことを特徴とする<23>または<31>のうち何れか一項に記載のアルミニウム合金。
<33> 前記Mg−Ca化合物は、Mg Caを含むことを特徴とする<32>に記載のアルミニウム合金。
<34> 前記Al−Ca化合物は、Al Ca及びAl Caのうち何れか一つ以上を含むことを特徴とする<32>に記載のアルミニウム合金。
<35> 前記Mg−Al−Ca化合物は、(Mg、Al) Caを含むことを特徴とする<32>に記載のアルミニウム合金。
<36> 前記アルミニウム基地は、1000系、2000系、3000系、4000系、5000系、6000系、7000系及び8000系の塑性加工用(Wrought)アルミニウムまたは100系、200系、300系、400系、500系及び700系の鋳造用(Casting)アルミニウムのうちから選択された何れか一つを含むことを特徴とする<23>または<31>に記載のアルミニウム合金。
<37> 前記領域の平均大きさが、同一条件で製造されたアルミニウム合金であって、前記カルシウム系化合物を有していないアルミニウム合金に比べてさらに小さいことを特徴とする<27>または<28>に記載のアルミニウム合金。
<38> 引張強度が同一条件で製造されたアルミニウム合金であって、前記カルシウム系化合物を有していないアルミニウム合金に比べてさらに大きいことを特徴とする<23>に記載のアルミニウム合金。
<39> 引張強度は、同一条件で製造されたアルミニウム合金であって、前記カルシウム系化合物を有していないアルミニウム合金に比べてさらに大きく、延伸率はさらに大きいか、同等であることを特徴とする<23>に記載のアルミニウム合金。
発明の特定実施形態及び実施例についての以上の説明は、例示及び説明を目的として提供された。したがって、本発明は、前記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の技術的思想内で、当業者によって、前記実施形態を組み合わせて実施するなどさまざまな多くの修正及び変更が可能であることは明白である。
本発明は、アルミニウム合金及びその製造方法関連の分野に適用可能である。

Claims (30)

  1. カルシウム系化合物を含む母合金及びアルミニウムを提供する工程と、
    前記母合金及び前記アルミニウムが溶解された溶湯を形成する工程と、
    前記溶湯を鋳造する工程と、を含み、
    前記母合金は、母材にカルシウムを添加して製造されたものであり、前記母材は、純粋マグネシウム、または、アルミニウムを含むマグネシウム合金であることを特徴とするアルミニウム合金の製造方法。
  2. 鉄(Fe)を1.0重量%以下(0超過)で添加する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  3. 前記鉄(Fe)を0.2重量%以下で添加することを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  4. 前記母合金は、アルミニウム100重量部に対して0.0001〜30重量部の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  5. 前記カルシウムは、前記母材100重量部に対して0.0001〜100重量部の範囲で添加されることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  6. 前記カルシウムは、前記母材100重量部に対して固溶限度以上100重量部以下の範囲で添加されることを特徴とする請求項5に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  7. 前記溶湯を形成する工程は、
    前記アルミニウムを溶解してアルミニウム溶湯を形成する工程と、
    前記アルミニウム溶湯に、前記母合金を添加して溶解する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  8. 前記溶湯を形成する工程は、
    前記アルミニウム及び前記母合金を投入する工程と、
    前記アルミニウム及び前記母合金をともに溶解する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  9. 前記母合金の製造方法は、
    前記母材を溶解して母材溶湯を形成する工程と、
    前記母材溶湯にカルシウムを添加する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  10. 前記母合金の製造方法は、
    前記母材及び前記カルシウムを投入する工程と、
    前記母材及び前記カルシウムをともに溶解させる工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  11. 前記カルシウム系化合物は、前記カルシウムと前記母材のマグネシウムまたはアルミニウムとが反応して生成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  12. 前記カルシウム系化合物は、Mg−Ca化合物、Al−Ca化合物及びMg−Al−Ca化合物のうち何れか一つ以上を含むことを特徴とする請求項11に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  13. 前記Mg−Ca化合物は、MgCaを含むことを特徴とする請求項12に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  14. 前記Al−Ca化合物は、AlCa及びAlCaのうち何れか一つ以上を含むことを特徴とする請求項12に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  15. 前記Mg−Al−Ca化合物は、(Mg、Al)Caを含むことを特徴とする請求項12に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  16. 前記アルミニウムは、純粋アルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  17. カルシウム系化合物を含む母合金及びアルミニウムを提供する工程と、
    前記母合金及び前記アルミニウムが溶解された溶湯を形成する工程と、
    前記溶湯を鋳造する工程と、を含み、
    前記母合金は、母材にカルシウムを固溶限度を超過して添加して製造されたものであり、前記母材は、純粋アルミニウムまたはアルミニウム合金であり、前記母合金はAl−Ca化合物を含むことを特徴とするアルミニウム合金の製造方法。
  18. 請求項1〜請求項17のうち何れか一項によるアルミニウム合金の製造方法によって製造されたアルミニウム合金。
  19. 前記アルミニウム合金は、1000系、2000系、3000系、4000系、5000系、6000系、7000系及び8000系の塑性加工用(Wrought)アルミニウムまたは100系、200系、300系、400系、500系及び700系の鋳造用(Casting)アルミニウムのうちから選択された何れか一つを含むことを特徴とする請求項18に記載のアルミニウム合金。
  20. アルミニウム基地と、
    前記アルミニウム基地に存在するカルシウム系化合物と、を含み、
    前記アルミニウム基地は、カルシウムが固溶限度以下で固溶されたことを特徴とする請求項18に記載のアルミニウム合金。
  21. 前記カルシウムは、500ppm以下で固溶されたことを特徴とする請求項20に記載のアルミニウム合金。
  22. 鉄(Fe)を1.0重量%以下(0超過)でさらに含むことを特徴とする請求項20に記載のアルミニウム合金。
  23. 鉄(Fe)を0.2重量%以下でさらに含むことを特徴とする請求項22に記載のアルミニウム合金。
  24. 前記アルミニウム基地は、境界を成し、互いに区分される複数個の領域を有し、前記境界には、前記カルシウム系化合物が存在することを特徴とする請求項20に記載のアルミニウム合金。
  25. 前記アルミニウム基地は、境界を成し、互いに区分される複数個の領域を有し、前記領域内に、前記カルシウム系化合物が存在することを特徴とする請求項20に記載のアルミニウム合金。
  26. 前記領域は、結晶粒であり、前記境界は、結晶粒界であることを特徴とする請求項24または25に記載のアルミニウム合金。
  27. 前記領域は、相異なる相によって限定される相領域であり、前記境界は、相境界であることを特徴とする請求項24または25に記載のアルミニウム合金。
  28. 前記領域の平均大きさが、同一条件で製造されたアルミニウム合金であって、前記カルシウム系化合物を有していないアルミニウム合金に比べてさらに小さいことを特徴とする請求項24または25に記載のアルミニウム合金。
  29. 引張強度が同一条件で製造されたアルミニウム合金であって、前記カルシウム系化合物を有していないアルミニウム合金に比べてさらに大きいことを特徴とする請求項20に記載のアルミニウム合金。
  30. 引張強度は、同一条件で製造されたアルミニウム合金であって、前記カルシウム系化合物を有していないアルミニウム合金に比べてさらに大きく、延伸率はさらに大きいか、同等であることを特徴とする請求項20に記載のアルミニウム合金。
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