JP2008045192A - 成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板 - Google Patents

成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板 Download PDF

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Abstract

【課題】量産的な熱延ラインによって製造される場合でも、再現性良くプレス成形時のリジングマークを防止でき、曲げ加工性やBH性にも優れたAl- Mg- Si系アルミニウム合金板を提供することを目的とする。
【解決手段】特に、その製造工程において、鋳塊が均質化熱処理後に一旦冷却され、その後再加熱されて熱間圧延が施されたものであり、更に、熱間圧延後に焼鈍が施されずに冷間圧延されたものであるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板において、板の表面部だけではなく板厚中心部まで、7つの結晶方位成分の各存在率の総和を各々45%以下とするとともに、各平均結晶粒径も各々45μm以下として、成形時のリジングマークを防止でき、曲げ加工性やBH性にも優れにアルミニウム合金板とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、パネルへのプレス成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板(以下、アルミニウムを単にAlとも言う)に関するものである。本発明は、成形加工時に発生する表面凸凹(リジングマーク、ローピングとも言う)を抑制でき、焼付け塗装硬化性などのBH性、曲げ性などにも優れたAl−Mg−Si系アルミニウム合金板に関する。本発明で言うアルミニウム合金板とは、圧延後に溶体化および焼入れ処理などの調質が施され、プレス成形などによってパネルに成形加工される前の板のことを言う。
近年、排気ガス等による地球環境問題に対して、自動車などの輸送機の車体の軽量化による燃費の向上が追求されている。このため、特に、自動車の車体に対し、従来から使用されている鋼材に代わって、成形性や焼付硬化性に優れた、より軽量なAl合金材の適用が増加しつつある。
この内、自動車のフード、フェンダー、ドア、ルーフ、トランクリッドなどのパネル構造体の、アウタパネル (外板) やインナパネル( 内板) 等のパネルには、薄肉でかつ高強度Al合金板として、Al−Mg−Si系のAA乃至JIS 6000系 (以下、単に6000系とも言う) のAl合金板の使用が検討されている。
6000系Al合金板は、基本的には、Si、Mgを必須として含み、優れた時効硬化能を有しているため、プレス成形や曲げ加工時には低耐力化により成形性を確保するとともに、成形後のパネルの塗装焼付処理などの、比較的低温の人工時効( 硬化) 処理時の加熱により時効硬化して耐力が向上し、必要な強度を確保できるBH性 (ベークハード性、人工時効硬化能、塗装焼付硬化性) がある。
また、6000系Al合金板は、Mg量などの合金量が多い他の5000系Al合金などに比して、合金元素量が比較的少ない。このため、これら6000系Al合金板のスクラップを、Al合金溶解材 (溶解原料) として再利用する際に、元の6000系Al合金鋳塊が得やすく、リサイクル性にも優れている。
一方、自動車のアウタパネルは、周知の通り、アルミニウム合金板に対し、プレス成形における張出成形時や曲げ成形などの成形加工が複合して行われて製作される。例えば、フードやドアなどの大型のアウタパネルでは、張出などのプレス成形によって、アウタパネルとしての成形品形状となされ、次いで、このアウタパネル周縁部のフラットヘムなどのヘム (ヘミング) 加工によって、インナパネルとの接合が行われ、パネル構造体とされる。
この際、6000系Al合金板を素材とした、プレス成形後のパネルには、リジングマークなどの表面の肌荒れ不良が生じ易いという課題がある。リジングマークは、板のスジ状に並んだ集合組織に起因し、プレス成形などの変形時に、板表面の凹凸となる現象である。このため、アルミニウム合金板の結晶粒が肌荒れを生じない程度に微細であっても、プレス成形によって生じる点がやっかいである。
このリジングマークは、パネル構造体の大型化や形状の複雑化、あるいは薄肉化などによりプレス成形条件が厳しくなった場合に特に生じ易い。また、プレス成形直後には比較的目立たず、そのままパネル構造体として塗装工程に進んだ後に目立ちやすくなるという問題もある。
このリジングマークが生じた場合、特に表面が美麗であることが要求される、外板 (アウタ) 用などのパネル構造体では、外観不良となって使用できない問題となる。
このリジングマークの問題に対し、従来から、鋳塊を500℃以上の温度で均質化熱処理後に冷却して、あるいは室温に冷却後再加熱して、350〜450℃の比較的低温で熱延を開始することにより、過剰Si型6000系Al合金板のリジングマークを防止することが公知である (特許文献1、2 、3参照) 。
6000系Al合金板の集合組織(結晶方位)を制御してリジングマークを改善する方法も種々提案されている。例えば、{100}面の結晶方位成分に着目し、板表層部でのCube方位の集積度を2〜5、板表面部の結晶粒径を45μm以下に微細化することが提案されている (特許文献4参照) 。また、6000系Al合金板における、Goss方位分布密度:3以下、PP方位分布密度:3以下、Brass方位分布密度:3以下にすることも提案されている (特許文献5参照) 。
更に、隣接する結晶方位差を15°以下である結晶粒界の占める割合を20%以上とすることも提案されている (特許文献6参照) 。また、6000系Al合金板における耳率を4%以上、結晶粒径を45μm以下とすることも提案されている (特許文献7参照) 。また、Mgを含有するAl合金であって、合金表面における結晶粒の板面方位が(100)面から10゜以内の結晶粒が占める面積率と、(100)面から20゜以内の結晶粒が占める面積率とを特定の関係とすることも提案されている (特許文献8参照) 。
特許第2823797 号公報 特開平8 ー232052号公報 特開平7 ー228956号公報 特開平11ー189836号公報 特開平11ー236639号公報 特開2003ー171726号公報 特開2000ー96175 号公報 特開2005ー146310号公報
しかし、前記特許文献1〜3のように500 ℃以上の温度で均質化熱処理後に、低温の熱延開始温度まで冷却する場合、この冷却の際の冷却速度が遅いと、Mg2 Si系化合物の凝集化が生じ、析出、粗大化する。このため、その後の工程において溶体化および焼入れ処理を高温、長時間化する必要が生じ、生産性を著しく低下させ、再現性にも問題がある。
近年、生産効率の点から、鋳塊は例えば500mmt以上に大型化している。この大型化した鋳塊ほど、均質化熱処理後に熱延開始温度まで急冷するに際し、その冷却速度および熱延開始温度を安定して制御することは、実際の製造設備上あるいは製造工程上の制約もあって、非常に困難なものとなる。したがって、実際の製造工程では、均質化熱処理後に低温の熱延開始温度まで冷却する場合、その冷却速度は必然的に遅いものとならざるを得ない。このため、現実には、前記比較的低温での熱延開始手段だけでは、最終製品の材料特性が不安定となったり、溶体化および焼入れ処理時の生産性の低下を招き、リジングマーク防止に効果的な方法とは言い難い。
一方、前記特許文献4〜8のような、板の集合組織乃至特性を制御することは、リジングマーク抑制に一定の効果はある。しかし、板の製造方法や条件が大きく変われば、必然的に、その組織や集合組織も大きく変化する。このため、前記特許文献3〜5が前提とする板の製造方法や条件が大きく変われば、前記特許文献3〜5で規定する板の集合組織の規定が、リジングマーク抑制に対して、適合しなくなるという問題がある。
例えば、前記特許文献4〜8では、特許文献6を除いて、前提として、均質化熱処理後に熱間圧延する際には、自然冷却を除いて、一旦冷却、再加熱はしない、通常の一回の均質化熱処理を行なっている。
これに対して、前記特許文献1〜3あるいは特許文献5に開示されているような、リジングマーク抑制のための均質化熱処理では、二段均質化熱処理か二回の均質化熱処理を行なっている。二段均質化熱処理は、均質化熱処理後に鋳塊を冷却して、比較的低温の熱間圧延をするものである。また、二回の均質化熱処理は、均質化熱処理後に鋳塊を一旦室温等に冷却した後、再加熱して低温の熱間圧延をするものである。
このような二回の均質化熱処理の場合には、特許文献6を除く前記特許文献4〜8の通常の一回の均質化熱処理に比して、板の集合組織が大きく異なるようになる。このため、通常の一回の均質化熱処理を前提にしている、特許文献6を除く特許文献4〜8で規定する板の集合組織の規定が、リジングマーク抑制に対して、適合しなくなる。
また、特許文献6では、その特徴たる、隣接する結晶方位差を15°以下である結晶粒界の占める割合を20%以上とする手段(製造方法)は、前記特許文献1〜3のような、リジングマーク抑制のための前記二回の均質化熱処理のみである。このため、前記特許文献1〜3と同様に、鋳塊が大型化した場合には、リジングマーク防止に効果的な方法とは言い難くなる。
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、再現性良くプレス成形時のリジングマークを防止でき、曲げ加工性やBH性にも優れたAl- Mg- Si系アルミニウム合金板を提供しようとするものである。
この目的を達成するために、本発明の成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板の要旨は、質量%で、Mg:0.2〜2.5%、Si:0.3〜2.0%、Mn:0.01〜1.0%、Cu:0.001〜1.0%を含み、残部がAlおよび不純物からなるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板において、板の最表面部から板厚1/4部までの任意の板の表面部と板厚中心部との二箇所での、結晶方位成分であるCube方位、回転Cube方位、Goss方位、Brass方位、S方位、Cu方位、PP方位の7つの結晶方位成分の各存在率の総和が各々45%以下であり、板の最表面部から板厚1/4部までの任意の板の表面部と板厚中心部との二箇所での、各平均結晶粒径も各々45μm以下とする。
BH性を高めるために、前記アルミニウム合金板のSiとMgとの質量比Si/Mgが1以上である過剰Si型Al−Mg−Si系アルミニウム合金板であることが好ましい。
前記アルミニウム合金板が、更に、Fe:1.0%以下、Cr:0.3%以下、Zr:0.3%以下、V:0.3%以下、Ti:0.1%以下、Ag:0.2%以下、Zn:1.0%以下、を含むことを許容する。
本発明が対象とするアルミニウム合金板は、その製造工程において、均質化熱処理後に一旦冷却され、その後再加熱されて熱間圧延が施されたものであるとともに、更に、この熱間圧延後には、焼鈍が施されずに冷間圧延されたものであることが好ましい。
本発明における上記板の集合組織を得るために、前記製造工程において、熱間圧延がリバース式の粗圧延機とタンデム式の仕上げ圧延機とから構成されて各々複数のパスからなる圧延が施される熱延ラインによって施され、前記粗圧延における開始温度が350〜500℃の温度範囲とされ、前記仕上げ圧延における総加工率が90%以上とされるとともに、仕上げ圧延終了温度が350℃以下とされ、更に、巻き取り時の板の平均張力が20MPa以上とされていることが好ましい。
本発明における成形時のリジングマーク性に優れたとは、具体的に、前記アルミニウム合金板を、圧延方向に直角方向に15%ストレッチした後の表面粗さRaが10μm以下であり、圧延方向に直角方向に20%ストレッチした後の表面粗さRaが12μm以下であることが好ましい。
本発明における前記アルミニウム合金板の用途は自動車外板用であることが好ましい。
本発明者等は、前記した二回の均質化熱処理と、熱間圧延後に焼鈍が施されずに冷間圧延されて製造される、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板を対象にして、リジングマークを抑制するための板の結晶方位を研究した。
ここで、板の結晶方位の違いにより、隣接する結晶粒の導入歪み量(結晶性の変形量)が異なり、表面の凹凸であるリジングマークが生じやすくなる、リジングマーク発生のメカニズムや、このメカニズムに対する認識自体は、結晶方位を規定した前記特許文献と同じである。
この結果、本発明が対象とする前記した二回の均質化熱処理と、熱間圧延後に焼鈍が施されずに冷間圧延されて製造される、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の場合には、結晶方位成分であるCube方位、回転Cube方位、Goss方位、Brass方位、S方位、Cu方位、PP方位の7つの結晶方位成分の各存在率の総和がリジングマークに大きく影響することを知見した。
これは、通常の一回の均質化熱処理を前提にした前記特許文献4や前記特許文献5のように、Cube方位の集積度のみや、Goss方位、PP方位、Brass方位の3つだけの分布密度が、リジングマークに大きく影響するとされているのとは、大きく、その認識や結晶方位成分の挙動が異なる。
即ち、本発明で新たに規定する回転Cube方位、S方位、Cu方位などの3つの結晶方位成分は、本発明が対象とする前記した二回の均質化熱処理でも、また、通常の一回の均質化熱処理でも、結構、その存在率は高い。にも係わらず、前記特許文献で、これらの結晶方位成分が規定されていないのは、これら回転Cube方位、S方位、Cu方位などの3つの結晶方位成分が、リジングマークには大きく影響しないと認識されてきたものと推考される。
本発明では、これらCube方位、回転Cube方位、Goss方位、Brass方位、S方位、Cu方位、PP方位の7つの結晶方位成分の各存在率の総和を規定して、これら7つの結晶方位成分を発達させない組織形態とする。
板のプレス成形の際には、板厚方向の全体に力が作用し、板表面から板厚中心部に到る、板厚方向に亙る全体の組織が、板表面のリジングマーク性に影響する。このため、本発明では、この7つの結晶方位成分を発達させない組織形態を、板表面だけではなく、板の表面部から板厚中心部まで規定、制御する。
この7つの結晶方位成分を発達させない組織形態は、再現性良くプレス成形時のリジングマークを防止できる。また、この組織は、リジングマークだけではなく、曲げ加工性やBH性も向上させる。したがって、本発明によれば、再現性良くプレス成形時のリジングマークを防止でき、曲げ加工性やBH性にも優れたAl- Mg- Si系アルミニウム合金板を提供できる。
以下に、本発明Al合金板の実施態様につき具体的に説明する。
(組織)
先ず、本発明Al合金板の組織について説明する。前記した通り、本発明が対象とする前記した二回の均質化熱処理と、熱間圧延後に焼鈍が施されずに冷間圧延されて製造される、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の場合には、結晶方位成分であるCube方位、回転Cube方位、Goss方位、Brass方位、S方位、Cu方位、PP方位の7つの結晶方位成分の各存在率の総和がリジングマークに大きく影響する。これらの結晶方位の違いにより隣接する結晶粒の導入歪み量(結晶性の変形量)が異なり、表面の凹凸(リジングマーク)が生じやすくなる。
ここで、フードやドアなどの大型のアウタパネルの、張出などの板のプレス成形の際には、板厚方向の全体に力が作用し、板表面から板厚中心部に到る、板厚方向に亙る全体の組織が、板表面のリジングマーク性に影響する。このため、本発明では、上記7つの結晶方位成分を発達させない組織形態を、板表面だけではなく、板の表面部から板厚中心部まで規定、制御する。
これらCube方位、回転Cube方位、Goss方位、Brass方位、S方位、Cu方位、PP方位の7つの結晶方位成分を発達させない組織形態は、再現性良くプレス成形時のリジングマークを防止できる。また、この組織は、リジングマークだけではなく、曲げ加工性やBH性も向上させる。したがって、本発明によれば、再現性良くプレス成形時のリジングマークを防止でき、曲げ加工性やBH性にも優れたAl- Mg- Si系アルミニウム合金板を提供できる。
(Al合金の集合組織)
集合組織のでき方は結晶系が同じでも加工法によって異なり、圧延材の場合は圧延面と圧延方向で表わされる。つまり、下記に示す様に圧延面は{○○○}で表現され、圧延方向は<△△△>で表現される。なお、○や△は整数を示している。
かかる表現方法に基づき、各方位は下記のように表される。なお、これら各方位の表現については、長島晋一編著「集合組織」(丸善株式会社刊)や軽金属学会「軽金属」解説Vol.43(1993)P.285〜293などに記載されている。
Cube方位:{001}<100>
CR方位:{001}<520>
RW方位:{001}<110>[Cube方位が(100)面で板面回転した方位]
Goss方位:{011}<100>
Brass方位:{011}<211>
S方位:{123}<634>
Cu方位:{112}<111>
(若しくは、D方位:{4411}<11118>)
SB方位:{681}<112>
また、板の再結晶集合組織については、上記Cube方位が形成されると共に、上記Brass方位やCu方位、S方位に近い再結晶方位が形成されることも知られている。
(100)面を有する方位(Cube方位、RW方位、CR方位)は、成形加工時に歪みが入り難く、変形し難い。またCube方位は、一般的に知られている様に、アルミの再結晶集合組織の主方位であり、Al−Mg系合金やAl−Mg−Si系合金においても主要な結晶方位の1つであり、Cube方位以外のRW方位やCR方位についても、実際の成形加工(例えば、プレス加工や絞り加工等)では板の圧延方向に対して様々な方向から加工を受けるため、これらの方位についても制御することが必要である。
しかし、前記した通り、これら結晶方位成分のみの制御では、本発明が対象とする前記した二回の均質化熱処理と、熱間圧延後に焼鈍が施されずに冷間圧延されて製造される、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板のリジングマークを防止するためには不十分である。
そこで、本発明では、Cube方位、回転Cube方位、Goss方位、Brass方位、S方位、Cu方位、PP方位の7つの結晶方位成分の各存在率の総和を規定して、これら7つの結晶方位成分を発達させない組織形態とする。そして、これら規定する7つの結晶方位成分の存在率の和:Cube方位+回転Cube方位+Goss方位+Brass方位+S方位+Cu方位+PP方位の存在率の和が45%以下であることとする。
板のプレス成形の際には、板厚方向の全体に力が作用し、板表面から板厚中心部に到る、板厚方向に亙る全体の組織が、板表面のリジングマーク性に影響する。このため、本発明では、7つの結晶方位成分を発達させない上記存在率の和を、板の最表面部から板厚1/4部までの任意の板の表面部と板厚中心部との二箇所で各々規定し、この二箇所で、この存在率を各々満足するものとする。
結晶方位成分を発達させず、リジングマークをさらに抑制するためには、この数値が小さいほど好ましく、前記存在率の和を、板の最表面部から板厚1/4部までの任意の板の表面部と板厚中心部との二箇所で、各々、好ましくは43%以下、より好ましくは40%以下とする。言い換えると、本発明では、板の最表面部だけではなく、板厚中心部まで、これらの結晶方位成分を発達させないように制御して、リジングマークを抑制する。
(結晶方位成分存在率の測定)
結晶粒の各結晶方位成分の存在率は、板面方位を、SEM−EBSP[Electron Back Scattering Patternと、EBSD(Electron Back Scattering Diffraction)によって、測定・解析される。ここで、各理想方位から15°以内は、同一方位とする。
SEM装置として、例えば日本電子社製SEM(JEOLJSM5410)、EBSP測定・解析システムとして、例えばEBSP:TSL社製(OIM)を各々用いる。また、試料の測定領域は1000μm×1000μmとし、測定ステップ間隔は例えば3μm以下とする。
(平均結晶粒径)
本発明では、リジングマークを抑制するために、結晶方位と同様に、平均結晶粒径も微細化する。即ち、板の最表面部から板厚1/4部までの任意の板の表面部と板厚中心部との二箇所での、各平均結晶粒径も各々45μm以下とする。言い換えると、本発明では、板の最表面部だけではなく、板厚中心部まで、平均結晶粒径を制御して、リジングマークを抑制する。
また、結晶粒径をこの範囲に細かく乃至小さくすることによって、曲げ加工性やプレス成形性が確保乃至向上される。結晶粒径が45μm を越えて粗大化した場合、結晶方位を制御しても、曲げ加工性や張出などのプレス成形性が著しく低下し、成形時の割れや肌荒れなどの不良が生じ易い。
ここで平均結晶粒径は、上記SEM−EBSPと、その測定条件を用い、所定の測定領域内に観察される各結晶粒の最大直径を各々測定し、得られた結果の平均値を算出する。
(化学成分組成)
先ず、本発明が対象とする6000系Al合金板の化学成分組成について説明する。本発明が対象とする6000系Al合金板は、前記した自動車の外板用の板などとして、優れた成形性やBH性、強度、溶接性、耐食性などの諸特性が要求される。
このような要求を満足するために、Al合金板の組成は、質量%で、Mg:0.2〜2.5%、Si:0.3〜2.0%、Mn:0.01〜1.0%、Cu:0.001〜1.0%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるものとする。なお、各元素の含有量の%表示は全て質量%の意味である。
本発明が対象とする6000系Al合金板は、リジングマークが生じやすいが、BH性がより優れた、SiとMgとの質量比Si/ Mgが1 以上であるような過剰Si型の6000系Al合金板に適用されて好ましい。6000系Al合金板は、プレス成形や曲げ加工時には低耐力化により成形性を確保するとともに、成形後のパネルの塗装焼付処理などの、比較的低温の人工時効処理時の加熱により時効硬化して耐力が向上し、必要な強度を確保できる優れた時効硬化能(BH性)を有している。この中でも、過剰Si型の6000系Al合金板は、質量比Si/ Mgが1未満の6000系Al合金板に比して、このBH性がより優れている。
Mg、Si、Mn、Cu以外のその他の元素は、基本的には不純物であり、AA乃至JIS 規格などに沿った各不純物レベルの含有量 (許容量) とする。しかし、リサイクルの観点から、溶解材として、高純度Al地金だけではなく、6000系合金やその他のAl合金スクラップ材、低純度Al地金などを溶解原料として多量に使用した場合には、不純物元素が混入される可能性が高い。そして、これら不純物元素を例えば検出限界以下に低減すること自体コストアップとなり、ある程度の含有の許容が必要となる。また、実質量含有しても本発明目的や効果を阻害しない含有範囲があり、この範囲では各々の含有効果もある。したがって、各々以下に規定する量以下の範囲での含有を許容する。
その他の合金元素とは、具体的には、Fe:1.0%以下、Cr:0.3%以下、Zr:0.3%以下、V:0.3%以下、Ti:0.1%以下を含んでも良い。また、これらに加えて、あるいは、これらの代わりに、更に、Ag:0.2%以下、Zn:1.0%以下を含んでも良い。
上記6000系Al合金における、各元素の好ましい含有範囲と意義、あるいは許容量について以下に説明する。
Si:0.3〜2.0%
SiはMgとともに、固溶強化と、塗装焼き付け処理などの前記低温での人工時効処理時に、強度向上に寄与する時効析出物を形成して、時効硬化能を発揮し、自動車のアウタパネルとして必要な、例えば170MPa以上の必要強度(耐力)を得るための必須の元素である。したがって、本発明過剰Si型6000系Al合金板にあって、プレス成形性、ヘム加工性などの諸特性を兼備させるための最重要元素である。
また、パネルへの成形後の低温塗装焼き付け処理後(2% ストレッチ付与後170 ℃×20分の低温時効処理時) の耐力を170MPa以上という、優れた低温時効硬化能を発揮させるためにも、Si/ Mgを質量比で1.0以上とし、SiをMgに対し過剰に含有させた過剰Si型6000系Al合金組成とすることが好ましい。
Si量が0.3%未満では、前記時効硬化能、更には、各用途に要求される、プレス成形性、ヘム加工性などの諸特性を兼備することができない。一方、Siが2.0%を越えて含有されると、特にヘム加工性やプレス成形性が著しく阻害される。更に、溶接性を著しく阻害する。したがって、Siは0.3〜2.0%の範囲とする。なお、アウタパネルでは、ヘム加工性が特に重視されるため、プレス成形性とともにフラットヘム加工性をより向上させるために、Si含有量を0.6〜1.2%とより低めの範囲とすることが好ましい。
Mg:0.2〜2.5%
Mgは、固溶強化と、塗装焼き付け処理などの前記人工時効処理時に、Siとともに強度向上に寄与する時効析出物を形成して、時効硬化能を発揮し、パネルとして、例えば170MPa以上の必要耐力を得るための必須の元素である。
Mgの0.2%未満の含有では、絶対量が不足するため、人工時効処理時に前記化合物相を形成できず、時効硬化能を発揮できない。このためパネルとして必要な170MPa以上の必要耐力が得られない。
一方、Mgが2.5%を越えて含有されると、却って、プレス成形性や曲げ加工性等の成形性が著しく阻害される。したがって、Mgの含有量は0.2〜2.5%の範囲で、かつSi/ Mgが質量比で1.0以上となるような量とする。また、フラットヘム加工性をより向上させるために、Si含有量を前記0.2〜1.2%のより低めの範囲とする場合には、これに対応して過剰Si型6000系Al合金組成とするために、Mg含有量も0.2〜0.7%と低めの範囲とすることが好ましい。
Cu:0.001〜1.0%
Cuは、本発明の比較的低温短時間の人工時効処理の条件で、Al合金材組織の結晶粒内への強度向上に寄与する時効析出物の形成を促進させる効果がある。また、固溶したCuは成形性を向上させる効果もある。Cu含有量が0.001%未満ではこの効果がない。一方、1.0%を越えると、耐応力腐食割れ性や、塗装後の耐蝕性の内の耐糸さび性、また溶接性を著しく劣化させる。このため、耐食性が重視される構造材用途などの場合には0.8%以下とすることが好ましい。
Mn:0.01〜1.0%、
Mnには、均質化熱処理時に分散粒子 (分散相) を生成し、これらの分散粒子には再結晶後の粒界移動を妨げる効果があるため、微細な結晶粒を得ることができる効果がある。前記した通り、本発明Al合金板のプレス成形性やヘム加工性はAl合金組織の結晶粒が微細なほど向上する。この点、Mn含有量が0.01%未満ではこれらの効果が無い。
一方、Mn含有量が多くなった場合、溶解、鋳造時に粗大なAl-Fe-Si-(Mn、Cr、Zr) 系の金属間化合物や晶析出物を生成しやすく、Al合金板の機械的性質を低下させる原因となる。また、特に、前記複雑形状や薄肉化、あるいはインナパネル端部とアウタパネル縁曲部内面との間の隙間の存在などによって、加工条件が厳しくなったフラットヘム加工では、Mn含有量が0.15% を越えた場合、ヘム加工性が低下する。このため、Mnは0.01〜1.0%の範囲とし、特に前記加工条件が厳しくなったフラットヘム加工では、より好ましくは0.01〜0.15%の範囲とする。
(製造方法)
次ぎに、本発明Al合金板の製造方法について以下に説明する。本発明では、上記した成分組成のAl合金鋳塊が、均質化熱処理後に一旦冷却され、その後再加熱されて熱間圧延が施されたものであり、更に、熱間圧延後に焼鈍が施されずに冷間圧延されたAl合金板を対象とする。
このような製造ラインにおいては、比較的大型の鋳塊を用いるとともに、熱間圧延後に焼鈍が施されずに冷間圧延されて、効率的な量産化が追求されている。また、同時に、均質化熱処理後に一旦冷却され、その後再加熱されて熱間圧延が施され、リジングマークの防止も追求されている製造ラインである。
(溶解、鋳造)
先ず、溶解、鋳造工程では、上記6000系成分規格範囲内に溶解調整されたAl合金溶湯を、連続鋳造圧延法、半連続鋳造法(DC鋳造法)等の通常の溶解鋳造法を適宜選択して鋳造する。
(均質化熱処理)
次いで、前記鋳造されたAl合金鋳塊に均質化熱処理を施す。均質化熱処理の温度自体は、常法通り、500℃以上で融点未満の均質化温度が適宜選択される。この均質化熱処理は、組織の均質化、すなわち、鋳塊組織中の結晶粒内の偏析をなくすことを目的とする。この均質化温度が低いと結晶粒内の偏析を十分に無くすことができず、これが破壊の起点として作用するために、伸びフランジ性や曲げ加工性が低下する。
この1回目の均質化熱処理後に、Al合金鋳塊は、一旦、室温近くなど350℃以下の温度範囲まで冷却まで冷却され、その後熱間圧延を開始する350〜500℃の温度範囲まで再加熱され、熱間圧延(熱間粗圧延)を開始する( 以下、2 回均熱とも言う) 。
ここで、均質化熱処理後の冷却速度は、40℃/hr以上、100℃/hr以下の冷却速度が好ましい。この特定の冷却速度範囲にすることによって、量産的な熱延ラインにおいても、熱延中の再結晶粒の核生成サイトとして適当なサイズ、分布に、鋳塊中のMg2Si 化合物を制御できる。この結果、過剰Si型の6000系Al合金板であっても、熱延中の粗大な再結晶粒 (熱間ファイバー) の生成を抑制し、再結晶の際の組織の均質化を図り、成形時のリジングマーク性を向上させることができる。
実際の鋳塊 (スラブ) は、400〜600mm厚さ、1000〜2500mm幅、5〜10m長さの大きなサイズを有している。このため、バッチ均熱炉内では、均質化熱処理後の冷却速度は20℃/hr未満程度となる。また、炉外に放置しても、30〜40℃/hr程度となる。このような通常の冷却手段で冷却すると、冷却速度が不足して、Mg2Si 化合物などの析出物が粗大化し、2回均熱工程では、強度低下、ベークハード性能(ベークハード後耐力)の低下、曲げ性低下が生じる。
本発明が対象とする上記400mm以上の厚みを有する比較的大型の鋳塊の場合には、均質化熱処理後の鋳塊の冷却速度を、上記40℃/hr以上、100℃/hr以下のの特定冷却速度範囲とするためには、均熱炉内または炉外でファンにより鋳塊を強制空冷する必要がある。この点、鋳塊が均一に上記特定冷却速度範囲で冷却されるように、鋳塊のサイズや配置に応じて、ファンを適宜配置し、均熱炉内または炉外で強制空冷する。一方、ファンを用いずに、均熱炉内または炉外で放冷した場合、上記比較的大型の鋳塊の場合には、冷却速度が小さくなり過ぎる。このため、必然的に、下限40℃/hr未満の冷却速度となる。
前記した特許文献1〜3では、均質化熱処理後の冷却速度を100℃/hr以上、150℃/hr以上とするなどの数値も記載されているが、このレベルの高速冷却速度は、小型の鋳塊では可能だが、上記した大型の鋳塊では、かなり困難な冷却速度となる。このため、このレベルの高速冷却速度では、鋳塊をミストやスプレーで水冷するなどの別途の強制的な冷却手段が必要となる。それゆえ、強制的な冷却手段による、鋳塊の熱収縮による変形やソリなど、形状に異常が生じる新たな問題が発生する可能性もある。
(熱延ライン)
熱間圧延は、量産化のために、比較的大型の鋳塊を、リバース式の粗圧延機とタンデム式の仕上げ圧延機とから構成される熱延ラインによって施されることが好ましい。この熱延ラインは、通常1 基からなるリバース式の粗圧延機と、通常3 〜5 基からなるタンデム式の仕上げ圧延機とから構成される。これら粗圧延機と仕上げ圧延機では、各々複数のパスからなる圧延が施される。
ここで、板の最表面部から板厚1/4部までの任意の板の表面部と板厚中心部との二箇所で、前記のように規定する7つの結晶方位成分の存在率の和が45%以下を各々満足するために、これら7つの結晶方位成分を発達させないためには、以下の特定熱延条件とすることが好ましい。即ち、前記粗圧延における開始温度が350〜500℃の温度範囲とされ、前記仕上げ圧延における総加工率が90%以上とされるとともに、仕上げ圧延終了温度を350℃以下とされ、更に、巻き取り時の板の平均張力が20MPa以上とされていることが好ましい。
この条件を外れた場合、各々の結晶方位成分が発達し、板の最表面部から板厚1/4部までの任意の板の表面部と板厚中心部との二箇所で、前記7つの結晶方位成分の存在率の和を45%以下にできない可能性が高くなる。
例えば、熱間圧延(粗圧延)開始温度が350℃未満では、熱間圧延終了後に再結晶が進まず、加工集合組織が発達して、リジングマークが発生しやすくなる。一方、熱間粗圧延開始温度が500℃を超えた場合、再結晶が生じて熱間圧延時に粗大な再結晶粒が生成し、リジングマークの原因となる、前記7つの結晶方位成分の再結晶粒がスジ状に並ぶことが多くなる。
更に、熱間圧延終了温度が350℃を超えた場合、特に粗大な再結晶粒が生成しやすくなり、リジングマークの原因となる、板の特定方位の再結晶粒がスジ状に並ぶことが多くなる。これは、巻き取り時の板の平均張力が20MPa未満となった場合も同様である。
一方、熱間圧延終了温度が280℃未満では、熱間圧延終了後に再結晶が進まず、加工集合組織が発達して、リジングマークが発生しやすくなる。したがって、熱間圧延終了温度は、好ましくは280℃以上、350℃以下とする。
(熱延板の焼鈍)
この熱延板の冷間圧延前の焼鈍 (荒鈍) は、基本的に行なわないことが好ましい。この焼鈍 (荒鈍) を省略することによって、板製造の効率化や製造コストの低減が図れる。
(冷間圧延)
冷間圧延では、上記熱延板を圧延して、所望の最終板厚の冷延板 (コイルも含む) に製作する。
(溶体化および焼入れ処理)
上記鋳塊の均熱によって本発明範囲内のサイズ分布と量とに制御した分散粒子を活用し、最終の溶体化および焼入れ処理において、リジングマークを抑制するための再結晶核として、ランダムな方位を持つ再結晶方位とするためには、最終の溶体化処理の昇温速度を100℃/分以上とすることが好ましい。最終の溶体化処理の100℃/分以上の昇温過程で、上記分散粒子は、ランダムな再結晶結晶方位の形成の核として働く。昇温速度は、より好ましくは200℃/分以上、より好ましくは、300℃/分以上である。
なお、溶体化処理の条件は、板のプレス成形後の塗装焼き付け硬化処理などの人工時効処理により強度向上に寄与する時効析出物を十分粒内に析出させるために、好ましくは500℃以上、融点以下までの温度範囲で行う。
次く溶体化処理温度からの焼入れ処理では、冷却速度が遅いと、粒界上にSi、Mg2 Siなどが析出しやすくなり、プレス成形や曲げ加工時の割れの起点となり易く、これら成形性が低下する。この冷却速度を確保するために、焼入れ処理は、ファンなどの空冷、ミスト、スプレー、浸漬等の水冷手段や条件を各々選択して用い、冷却速度を10℃/秒以上の急冷とすることが好ましい。
本発明では、成形パネルの塗装焼き付け工程などの人工時効硬化処理での時効硬化性をより高めるため、焼入れ処理後に、強度向上に寄与する時効析出物の析出を促進するために、予備時効処理をしても良い。この予備時効処理は、60〜150℃、好ましくは70〜120℃の温度範囲に、1〜24時間の必要時間保持することが好ましい。この予備時効処理として、上記焼入れ処理の冷却終了温度を60〜150℃と高くした後に、直ちに再加熱乃至そのまま保持して行う。あるいは、溶体化処理後常温までの焼入れ処理の後に、5分以内に、直ちに60〜150℃に再加熱して行う。
更に、室温時効抑制のために、前記予備時効処理後に、時間的な遅滞無く、比較的低温での熱処理 (人工時効処理) を行っても良い。前記時間的な遅滞があった場合、予備時効処理後でも、時間の経過とともに室温時効 (自然時効) が生じ、この室温時効が生じた後では、前記比較的低温での熱処理による効果が発揮しにくくなる。
また、連続溶体化焼入れ処理の場合には、前記予備時効の温度範囲で焼入れ処理を終了し、そのままの高温でコイルに巻き取るなどして行う。なお、コイルに巻き取る前に再加熱しても、巻き取り後に保温しても良い。また、常温までの焼入れ処理の後に、前記温度範囲に再加熱して高温で巻き取るなどしてもよい。
この他、用途や必要特性に応じて、更に高温の時効処理や安定化処理を行い、より高強度化などを図ることなども勿論可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
次に、本発明の実施例を説明する。表1に示すA〜Jの組成の6000系Al合金板を、表2に示す条件で、均質化熱処理 (均熱処理と略記) および熱間圧延 (熱延と略記) し、更に、冷間圧延を行い、溶体化および焼入れ処理して、製造した。なお、表1中の各元素の含有量の表示において、「−」の表示は、検出限界以下であることを示す。
Al合金板のより具体的な製造条件は以下の通りである。表1に示す各組成の500mm 厚さ、2000mm幅、7m長さの鋳塊を、DC鋳造法により共通して溶製した。これらの鋳塊を共通して2回均熱を行なった。なお、比較例の14、15のみは、1回のみの均熱とし、540℃×4hrの条件で均質化熱処理を施こした後、冷却せずに、直ちに、この温度から熱延粗圧延を開始した。
2回均熱条件は、550℃×4hrの条件で均質化熱処理(1回目)を施し、この均質化熱処理後に、共通して、60℃/hrの特定冷却速度範囲となるように、均熱炉内でファンにより鋳塊を、200℃以下の温度まで強制空冷した。その後、共通して、450℃に再加熱し、この温度で、熱延粗圧延を開始した。
各例とも共通して、表2に示す、粗圧延の各終了温度と、仕上げ圧延の総加工率、各仕上げ圧延終了温度、巻き取り時の平均張力で、厚さ2.5mmまで熱間圧延した。この熱延板を、各例とも共通して、荒鈍を省略した上で、冷延率60%で直接冷間圧延を行い、厚さ1.0mmの冷延板を得た。
そして、この冷延板を、連続式の熱処理設備で、各例とも共通して、昇温速度およそ300℃/分で加熱し、550℃の溶体化処理温度に到達した時点で5秒保持する溶体化処理を行い、直ちに室温まで、冷却速度100℃/秒以上の急冷にて焼入れた。また、この焼入れ後5分以内に(直ちに)、100℃の温度で2時間保持する予備時効(再加熱)処理を行った。この予備時効処理後は0.6℃/hrで徐冷し、T4調質材を得た。
これら調質処理後の各最終製品板から供試板 (ブランク) を切り出し、前記調質処理後15日の室温時効(室温放置)後の、各供試板の組織や特性を測定、評価した。
(供試板組織)
前記調質処理後15日間の室温時効後の供試板の組織として、前記SEM−EBSPおよびEBSDを用いて、板面方位を測定・解析した。即ち、各供試板の板の最表面部と板厚中心部との二箇所でのCube方位、回転Cube方位、Goss方位、Brass方位、S方位、Cu方位、PP方位の7つの結晶方位成分の各存在率の総和を測定した。また、板の最表面部と板厚中心部との二箇所での各平均結晶粒径も測定した。
(供試板特性)
更に、前記調質処理後15日間の室温時効後の供試板の特性として、リジングマーク性、0.2%耐力(As耐力: MPa)、人工時効硬化処理後の0.2%耐力(BH耐力: MPa)を各々測定した。これらの結果を表3 に示す。
(リジングマーク)
製造されたアルミニウム合金板のリジングマーク性は、実際にプレス成形した後に塗装処理せずとも評価できる。即ち、各供試板の圧延方向に直角方向に、引張試験により15%、20%ストレッチした後の、表面粗さRaを測定した。そして、15%ストレッチした後の表面粗さRaが10μm以下、20%ストレッチした後の表面粗さRaが12μm以下を各々満足する例を、成形時のリジングマーク性が優れたと評価した。
板の表面粗さRa (算術平均粗さ) は、各々JIS B0601に規定される定義と測定法に基づき、板表面の凸凹を触針式表面粗さ計で測定して求めた。
前記ストレッチを付与するための引張試験は、前記調質処理後15日間の室温時効後のAl合金板からJISZ2201の5号試験片(25mm×50mmGL×板厚)を採取し、室温引張りを行った。このときの試験片の採取方向は、圧延方向を「直角方向」にし、引張り方向を圧延方向の直角方向とした。引張り速度は、0.2%耐力までは5mm/分、耐力以降は20mm/分とした。
また、前記ストレッチによるリジングマーク性評価を裏付けるために、Al合金板の絞り成形後の成形品表面全面の肌荒れを目視観察し、肌荒れが全く無いものを◎、肌荒れがあるが部分的で小さいものを○、肌荒れが全面に亙って大きいものを×、と各々評価した。
この絞り成形は、前記調質処理後15日間の室温時効後の供試板から100mmφの試験片を打抜きにより作製した上で、潤滑油として商品名Castrol No.700 を50%に希釈したものを用いて、エリクセン試験機によってカップ形状に成形した。ポンチ:50mmφ−肩R4.5mm、ダイス:65.1mmφ−肩R14mm、しわ押さえ圧: 500kgf、絞り比: 2(絞り率=50%)とした。
(AS耐力)
上記調質処理直後のAl合金板から、圧延方向に対し垂直方向のJISZ2201の5号試験片(25mm×50mmGL×板厚)を採取し、室温引張り試験を行った。室温引張り試験は、JISZ2241(1980)(金属材料引張り試験方法)に基づき、室温20℃で試験を行った。また、クロスヘッド速度は、5mm/分で、試験片が破断するまで一定の速度で行った。この方法によって、0.2%耐力を評価し、AS耐力とした(N数=5の平均値)。
(BH後耐力)
人工時効処理能(BH性)を調査するため、これらAl合金板がパネルとしてプレス成形されることを模擬して、前記、JIS5 号試験片に、2%の歪みを予め与えた後、170℃×20分の低温短時間の人工時効硬化処理を施し、処理後の各供試板の(元板の圧延方向に平行な耐力を上記引張試験条件にて、BH後耐力(MPa)として測定した。これらの結果を表3 に各々示す。
(曲げ性)
曲げ性の評価は、供試板から長さ150mm×幅30mmの曲げ加工試験片を採取し、自動車アウタパネルのフラットヘミング加工を想定した曲げ性を評価した。即ち、試験片に対して、10%の歪みを予め加えた後、角度180°の密着曲げ(内側曲げ半径R=約0.25mm)を行った。曲げ性の評価は、曲げ加工後の試験片縁曲部の割れ発生程度を目視で確認し、下記基準に基づいて5段階で評価した。
0:肌荒れ、及び微小な割れが無い。
1:肌荒れが僅かに発生している。
2:肌荒れが発生しているものの微小なものを含めた割れは無い。
3:微小な割れが発生。
4:大きな割れが発生。
5:大きな割れが複数あるいは多数発生。
上記のランクの内、0 〜2 段階が自動車のアウタパネルとしては合格で、3 〜5 段階は不合格である。なお、前記したヘム部に挟み込まれるインナパネルの薄板化の厳しいヘム加工条件を反映させるため、インナパネルのヘム部への挟み込みは無しとした。
表1、2 に示す通り、発明例1〜9は、本発明成分組成範囲内で、かつ、本発明条件範囲で、均質化熱処理および熱間圧延を行なっている。このため、表3 に示す通り、本発明で規定する組織を有する。即ち、板の最表面部と板厚中心部との二箇所での、結晶方位成分であるCube方位、回転Cube方位、Goss方位、Brass方位、S方位、Cu方位、PP方位の7つの結晶方位成分の各存在率の総和が各々45%以下であり、板の最表面部と板厚中心部との二箇所での、各平均結晶粒径も各々45μm以下である。
この結果、前記調質処理後に室温時効して、成形性が低下した過剰Si型の組成の6000系Al合金板の例でも、板の最表面部だけではなく、板厚中心部まで、前記7つの結晶方位成分の各存在率の総和や平均結晶粒径を制御した発明例は、優れたBH性、曲げ加工性を維持しつつ、リジングマーク性が優れている。即ち、前記15%ストレッチした後の表面粗さRaが10μm以下であり、前記20%ストレッチした後の表面粗さRaが12μm以下である。また、前記絞り成形後の板表面全面の肌荒れもなく、この結果を裏付けている。
これに対して、比較例10、14、15は、上記発明例1〜3と同じ合金例Aを用いている。しかし、これら各比較例は、表2に示す通り、製造条件が発明範囲を外れている。比較例10は、仕上げ圧延終了後の巻き取り時の板の平均張力が20MPa未満である。比較例14、15は、1回のみの均熱処理である。
このため、板の最表面部と板厚中心部との二箇所での、結晶方位成分であるCube方位、回転Cube方位、Goss方位、Brass方位、S方位、Cu方位、PP方位の7つの結晶方位成分の各存在率の総和が各々45%を超えている。
この結果、比較例10、14、15は、表3 に示す通り、板の最表面部と板厚中心部との二箇所での、各平均結晶粒径は各々45μm以下であるものの、前記調質処理後に室温時効して成形性が低下した過剰Si型の組成の6000系Al合金板の例では、リジングマーク性が劣る。また、BH性なり、曲げ加工性も劣り、リジングマーク性とこれら特性とを兼備できていない。
比較例11、12、13は、本発明条件範囲で均質化熱処理および熱間圧延を行なっているものの、成分組成が本発明範囲を外れる。Mg含有量が0.2%未満で成分組成が外れる合金Hを用いた比較例11は、本発明組織条件を満足し、リジングマーク性は優れるものの、BH性が発明例に比して著しく劣る。これは、Si含有量が0.3%未満で成分組成が外れる合金Iを用いた比較例12も同様である。
Mn含有量が高めに外れる合金J用いた比較例13は、表3 に示す通り、板の最表面部と板厚中心部との二箇所での、前記7つの結晶方位成分の各存在率の総和が各々45%を超えている。このため、板の最表面部と板厚中心部との二箇所での各平均結晶粒径は各々45μm以下であるものの、前記調質処理後に室温時効して成形性が低下した過剰Si型の組成の6000系Al合金板の例では、リジングマーク性が劣る。また、BH性なり、曲げ加工性も劣る。
図1に発明例1、図2に比較例10の、板の最表面部分の板面方位を前記SEM−EBSPとEBSDによって測定・解析した組織写真を各々参考として示す。図1、2において、粒界として見えている結晶粒部分(粒界内部分)が、各理想方位から15°以内を同一方位とした部分である。
ここで、図1の発明例1の方が全体として各結晶粒部分の色が薄く、図2の比較例10の方が全体として各結晶粒部分の色が濃い。この色の濃さが、Cube方位、回転Cube方位、Goss方位、Brass方位、S方位、Cu方位、PP方位の7つの結晶方位成分の発達状態を示し、色が濃い方が7つの結晶方位成分が発達して、7つの結晶方位成分の各存在率の総和が大きくなる。
したがって、以上の実施例の結果から、本発明における成分や組織の各要件の、リジングマーク性や、BH性、曲げ加工性などを兼備するための臨界的な意義乃至効果が裏付けられる。
Figure 2008045192
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本発明によれば、量産的な熱延ラインによって製造される場合でも、再現性良くプレス成形時のリジングマークを防止でき、曲げ加工性やBH性にも優れたAl- Mg- Si系アルミニウム合金板を提供できる。この結果、自動車、船舶あるいは車両などの輸送機、家電製品、建築、構造物の部材や部品用として、また、特に、自動車などの輸送機の部材に、6000系Al合金板の適用を拡大できる。
発明例Al合金板の組織を示す図面代用写真である。 比較例Al合金板の組織を示す図面代用写真である。

Claims (7)

  1. 質量%で、Mg:0.2〜2.5%、Si:0.3〜2.0%、Mn:0.01〜1.0%、Cu:0.001〜1.0%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板において、板の最表面部から板厚1/4部までの任意の板の表面部と板厚中心部との二箇所での、結晶方位成分であるCube方位、回転Cube方位、Goss方位、Brass方位、S方位、Cu方位、PP方位の7つの結晶方位成分の各存在率の総和が各々45%以下であり、板の最表面部から板厚1/4部までの任意の板の表面部と板厚中心部との二箇所での、各平均結晶粒径も各々45μm以下であることを特徴とする成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板。
  2. 前記アルミニウム合金板が、SiとMgとの質量比Si/Mgが1以上である過剰Si型Al−Mg−Si系アルミニウム合金板である請求項1に記載の成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板。
  3. 前記アルミニウム合金板が、Fe:1.0%以下、Cr:0.3%以下、Zr:0.3%以下、V:0.3%以下、Ti:0.1%以下、Ag:0.2%以下、Zn:1.0%以下を含むことを許容する請求項1または2に記載の成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板。
  4. 前記アルミニウム合金板が、その製造工程において、均質化熱処理後に一旦冷却され、その後再加熱されて熱間圧延が施されたものであるとともに、更に、この熱間圧延後には、焼鈍が施されずに冷間圧延されたものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板。
  5. 前記製造工程において、熱間圧延がリバース式の粗圧延機とタンデム式の仕上げ圧延機とから構成されて各々複数のパスからなる圧延が施される熱延ラインによって施され、前記粗圧延における開始温度が350〜500℃の温度範囲とされ、前記仕上げ圧延における総加工率が90%以上とされるとともに、仕上げ圧延終了温度が350℃以下とされ、更に、巻き取り時の板の平均張力が20MPa以上とされている請求項4に記載の成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板。
  6. 前記アルミニウム合金板を、圧延方向に直角方向に15%ストレッチした後の表面粗さRaが10μm以下であり、圧延方向に直角方向に20%ストレッチした後の表面粗さRaが12μm以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板。
  7. 前記アルミニウム合金板が自動車外板用である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板。
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