JP5059423B2 - アルミニウム合金板 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム合金板に関する技術分野に属するものであり、特には、焼付けと塗装硬化性と曲げ加工性(特にフラットヘム加工性)に優れ、且つ、常温安定性(室温時効抑制)に優れたAl−Mg−Si系アルミニウム合金板(アルミニウムを、以下、Alともいう)に関する技術分野に属するものである。ここで、常温安定性とは、室温時効による材質の低下(強度上昇による成形性や曲げ性の低下等)の生じ難さのことである。常温安定性に優れるものは、室温時効による材質の低下が生じ難い。つまり、室温での材質の経時変化が少ない。
近年、排気ガス等による地球環境問題に対して、自動車などの輸送機の車体の軽量化による燃費の向上が追求されている。このため、特に、自動車の車体に対し、従来から使用されている鋼材に代わって、成形性や焼付硬化性に優れた、より軽量なAl合金材の適用が増加しつつある。
この内、自動車のフード、フェンダー、ドア、ルーフ、トランクリッドなどのパネル構造体の、アウタパネル(外板)やインナパネル(内板)等のパネルには、薄肉でかつ高強度Al合金板として、Al−Mg−Si系のAA乃至JIS6000系 (以下、単に6000系ともいう) のAl合金板の使用が検討されている。
6000系Al合金板は、基本的には、Si、Mgを必須として含み、優れた時効硬化能を有しているため、プレス成形や曲げ加工時には低耐力化により成形性を確保するとともに、成形後のパネルの塗装焼付処理などの、比較的低温の人工時効( 硬化) 処理時の加熱により時効硬化して耐力が向上し、必要な強度を確保できるBH性 (ベークハード性、人工時効硬化能、塗装焼付硬化性) がある。
また、6000系Al合金板は、Mg量などの合金量が多い他の5000系Al合金などに比して、合金元素量が比較的少ない。このため、これら6000系Al合金板のスクラップを、Al合金溶解材 (溶解原料) として再利用する際に、元の6000系Al合金鋳塊が得やすく、リサイクル性にも優れている。
一方、自動車のアウタパネルは、周知の通り、アルミニウム合金板に対し、プレス成形における張出成形時や曲げ成形などの成形加工が複合して行われて製作される。例えば、フードやドアなどの大型のアウタパネルでは、張出などのプレス成形によって、アウタパネルとしての成形品形状となされ、次いで、このアウタパネル周縁部のフラットヘムなどのヘム (ヘミング) 加工によって、インナパネルとの接合が行われ、パネル構造体とされる。
この際、6000系Al合金板では、室温時効という現象がある。特に、およそ3ヶ月〜6ヶ月の室温時効がされると、耐力の上昇と原子の集合体の形成により、焼付けと塗装硬化性と曲げ加工性が著しく低下するとの問題がある。
かかる室温時効による材質の低下を防止する(常温安定性を向上する)ため、主に、原子集合体の制御、特に、Mg−Si原子の集合体(溶体化および焼入れ処理後の室温放置中に形成される)を制御することが、種々提案されている。
例えば、焼き付き硬化性(BH性)に対しては、溶体化処理条件の冷却速度を制御し、示差熱分析曲線のピーク高さに着目するものが提案されている(特願2003-38004)。特開平10-219382 号公報、特開2000-273567 号公報には、Mg−Si原子の集合体の抑制(Si/空孔原子の集合体、GPI)に関して記載されている。特開2003-27170号公報には、Si/空孔原子の集合体の抑制、DSCのピークに関して記載されている。
特開平10-219382 号公報 特開2000-273567 号公報 特開2003-27170号公報
室温時効による材質の低下の防止(常温安定性の向上)技術として従来提案されている技術は、溶体化条件のパターン制御によるものや、復元処理(溶体化後の熱処理)等の熱処理の追加によるものである。このような溶体化条件のパターン制御によるものでは生産性低下を来し、復元処理等の熱処理の追加によるものでは焼鈍工程の追加、コストアップを来すという問題点がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、常温安定性に優れた(室温時効による材質の低下が生じ難い)アルミニウム合金板を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。本発明によれば上記目的を達成することができる。
このようにして完成され上記目的を達成することができた本発明は、アルミニウム合金板に係わり、請求項1〜記載のアルミニウム合金板(第1〜発明に係るアルミニウム合金板)であり、それは次のような構成としたものである。
即ち、請求項1記載のアルミニウム合金板は、Mg:0.35〜1.0質量%、Si:0.5〜1.5質量%、Mn:0.01〜0.2質量%、Cu:0.001〜1.0質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板であって、固溶Si量:0.50〜0.80質量%、固溶Mg量:0.35〜0.60質量%であり、且つ、固溶Si量/固溶Mg量:1.1〜2であることを特徴とするアルミニウム合金板である〔第1発明〕。
請求項2記載のアルミニウム合金板は、SiとMgとの質量比:Si量/Mg量が1以上である過剰Si型Al−Mg−Si系アルミニウム合金板よりなる請求項1記載のアルミニウム合金板である〔第2発明〕。
請求項3記載のアルミニウム合金板は、前記不可避的不純物としてFe:0.2質量%以下、Cr:0.3質量%以下、Zr:0.3質量%以下、V:0.3質量%以下、Ti:0.1質量%以下、Ag:0.2質量%以下、Zn:0.04質量%以下を含む請求項1または2記載のアルミニウム合金板である〔第3発明〕。
請求項4記載のアルミニウム合金板は、更にTi:0.005〜0.2質量%あるいはTi:0.005〜0.2質量%およびB:0.0001〜0.05質量%を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム合金板である〔第4発明〕。
請求項5記載のアルミニウム合金板は、アルミニウム合金の鋳塊を均質化熱処理した後に、40℃/hr以上100℃/hr未満の冷却速度で350℃以下の温度まで一旦冷却し、その後再加熱して熱間圧延した後、焼鈍することなく冷間圧延して製造されたアルミニウム合金板であって、前記熱間圧延での粗圧延の入側温度が490〜380℃であり、粗圧延の終了温度が430℃〜350℃であり、且つ、粗圧延時間が10分以下であると共に、前記熱間圧延での仕上げ圧延終了温度が280〜350℃である請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム合金板である〔第5発明〕。
請求項記載のアルミニウム合金板は、自動車外板用である請求項1〜のいずれかに記載のアルミニウム合金板である〔第発明〕。
本発明に係るアルミニウム合金板は常温安定性に優れていて(室温時効による材質の低下が生じ難くて)有用である。
室温時効のメカニズムについては、種々の説が提唱されているが、Mg−Si系のナノクラスターの形成が関与していることが知られている。本発明者等は、常温安定性に優れた板の固溶、析出状態を研究し、特に固溶Si量と固溶Mg量のバランスを制御すれば、長期間の常温保持後も強度上昇を抑えられ、その後の成形性、曲げ加工性およびベークハード性を劣化させないことを見出した。
本発明に係るAl合金板について特に数値限定理由を以下説明する。
(固溶Si量と固溶Mg量の範囲)
6000系合金で経時変化(室温保持中の強度上昇)が起こる原因については、現時点の学術的な解釈では、室温保持中に、アルミマトリックス中に固溶しているMg、Si原子が、Mg−Si、Si−SiやMg−Mgのナノクラスターが形成することが原因と解釈されている。
これらの現象は、当然、固溶Mg量、固溶Si量が多いほど、変化が起こりやすい。従って、固溶量の上限を規定する必要がある。
ただし、一方で、6000系自動車パネル材に要求される諸特性として、ベークハード性がある。従って、最低限のベークハード性、ベーク後強度を確保するための固溶量の下限値がある。
以上の点から、固溶Si量:0.50〜0.80%、固溶Mg量:0.35〜0.60質量%(質量%を、以下、%ともいう)とすることが必要である。各固溶量ともに、上限を超えると、経時劣化が生じやすくなる。好ましくは、固溶Si量:0.78%以下、固溶Mg量:0.55%以下である。一方、下限値未満では、ベーク後強度、ベークハード性が確保できない。好ましくは、固溶Si量:0.6%以上、固溶Mg量:0.38%以上である。
(固溶Si量/固溶Mg量の比)
本発明者らは、さらに、経時劣化が起こるメカニズムについて、鋭意検討した結果、上記の固溶量範囲だけでは経時変化を抑えることが不充分であり、固溶Si量/固溶Mg量の比を適正に制御することが重要であることを見出した。そのメカニズムとしては、未だ不明な点もあるが、マトリックスに実質固溶している固溶Si量と固溶Mg量の比によって、室温保持中に形成するMg−Siのクラスターが、室温保持中で、クラスターが生成し難い形態または生成速度が遅い形態に変化するためと推察される。
適正な固溶Si量/固溶Mg量の比は1.1〜2である。即ち、固溶Si量/固溶Mg量:1.1〜2とすることが必要である。固溶Si量/固溶Mg量の値が、1.1未満ではベーク後強度が不足し、一方、2を超えると経時変化が大きくなる。より好ましくは、この値が1.2以上、及び/又は、1.8以下であることである。
なお、従来の知見では、添加するMg量、Si量およびその比によって制御がされていたが、それだけでは十分に経時変化を抑えられなかったのが現状である。従来の材料は、固溶Si量/固溶Mg量:2超の場合の水準にあり、経時変化が大きい。
(化学成分組成)
自動車の外板用の板等としては、優れた成形性やBH性、強度、溶接性、耐食性などの諸特性が要求される。このような要求を満足させるために、本発明に係るAl合金板の組成は、Mg:0.35〜1.0%、Si:0.5〜1.5%、Mn:0.01〜1.0%、Cu:0.001〜1.0%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるものとしている。
6000系Al合金板は、リジングマークが生じやすいが、本発明はBH性がより優れた、SiとMgとの質量比Si/ Mgが1 以上であるような過剰Si型の6000系Al合金板に適用されて好ましい。即ち、本発明に係るAl合金板はSiとMgとの質量比:Si量/Mg量が1以上である過剰Si型Al−Mg−Si系アルミニウム合金板よりなることが望ましい〔第2発明〕。6000系Al合金板は、プレス成形や曲げ加工時には低耐力化により成形性を確保するとともに、成形後のパネルの塗装焼付処理などの、比較的低温の人工時効処理時の加熱により時効硬化して耐力が向上し、必要な強度を確保できる優れた時効硬化能(BH性)を有している。この中でも、過剰Si型の6000系Al合金板は、質量比Si/ Mgが1未満の6000系Al合金板に比して、このBH性がより優れている。
Mg、Si、Mn、Cu以外のその他の元素は、基本的には不純物であり、AA乃至JIS 規格などに沿った各不純物レベルの含有量 (許容量) とする。しかし、リサイクルの観点から、溶解材として、高純度Al地金だけではなく、6000系合金やその他のAl合金スクラップ材、低純度Al地金などを溶解原料として多量に使用した場合には、不純物元素が混入される可能性が高い。そして、これら不純物元素を例えば検出限界以下に低減すること自体コストアップとなり、ある程度の含有の許容が必要となる。また、実質量含有しても本発明の目的や効果を阻害しない含有範囲があり、この範囲では各々の含有効果もある。従って、各々以下に規定する量以下の範囲での含有を許容する。
即ち、Fe:0.2%以下、Cr:0.3%以下、Zr:0.3%以下、V:0.3%以下、Ti:0.1%以下を含んでもよい。また、これらに代えて、あるいは、これらに加えて、更にAg:0.2%以下、Zn:0.04%以下を含んでもよい〔第3発明〕。
本発明に係るAl合金板でのSi、Mg、Cu、Mnの作用、及び、Si量、Mg量、Cu量、Mn量の限定理由等を以下説明する。
(Si:0.5〜1.5%)
SiはMgとともに、固溶強化と、塗装焼き付け処理などの前記低温での人工時効処理時に、強度向上に寄与する時効析出物を形成して、時効硬化能を発揮し、自動車のアウタパネルとして必要な特性、例えば170MPa以上の必要強度(耐力)を得るための必須の元素である。従って、本発明に係る過剰Si型の6000系Al合金板にあって、プレス成形性、ヘム加工性などの諸特性を兼備させるための最重要元素である。
また、パネルへの成形後の低温塗装焼き付け処理後(2%ストレッチ付与後170 ℃×20分の低温時効処理時) の耐力を170MPa以上という優れた低温時効硬化能を発揮させるためにも、Si/ Mgを質量比で1.0以上とし、SiをMgに対し過剰に含有させた過剰Si型6000系Al合金組成とすることが好ましい〔第2発明〕。
Si量が0.5%未満では、前記時効硬化能、更には、各用途に要求されるプレス成形性、ヘム加工性などの諸特性を兼備することができない。一方、Siが1.5%超では、特にヘム加工性やプレス成形性が著しく阻害され、更に、溶接性を著しく阻害する。従って、Si量は0.5〜1.5%とする。好ましくは、Si量の下限値は0.6%である。なお、アウタパネルでは、ヘム加工性が特に重視されるため、プレス成形性とともにフラットヘム加工性をより向上させるために、Si量の上限値は1.2%とすることが望ましく、例えばSi量を0.6〜1.2%とより低めの範囲とすることが好ましい。
(Mg:0.35〜1.0%)
Mgは、固溶強化と、塗装焼き付け処理などの前記人工時効処理時に、Siとともに強度向上に寄与する時効析出物を形成して、時効硬化能を発揮し、パネルとして、例えば170MPa以上の必要耐力を得るための必須の元素である。
Mg量が0.35%未満では、絶対量が不足するため、人工時効処理時に前記化合物相を形成できず、時効硬化能を発揮できない。このため、パネルとして必要な170MPa以上の必要耐力が得られない。一方、Mg量が1.0%超では、却って、プレス成形性や曲げ加工性等の成形性が著しく阻害される。従って、Mg量は0.35〜1.0%とする。なお、過剰Si型6000系Al合金組成とする場合にはSi量/Mg量が1以上となるような量とする。また、フラットヘム加工性をより向上させるために、Si量を前記の0.6〜1.2%という、より低めの範囲とする場合には、これに対応して過剰Si型6000系Al合金組成とするためには、Mg量の上限値も0.7%とすることが望ましく、例えばMg含有量を0.2〜0.7%と低めの範囲とすることが好ましい。
(Cu:0.001〜1.0%)
Cuは、比較的低温短時間の人工時効処理の条件で、Al合金材組織の結晶粒内への強度向上に寄与する時効析出物の形成を促進させる効果がある。また、固溶したCuは成形性を向上させる効果もある。Cu量が0.001%未満ではこの効果がない。一方、Cu量が1.0%を越えると、耐応力腐食割れ性や、塗装後の耐蝕性の内の耐糸さび性、及び、溶接性を著しく劣化させる。このため、耐食性が重視される構造材用途などの場合には0.8%以下とすることが好ましい。
(Mn:0.01〜0.2%)
Mnには、均質化熱処理時に分散粒子 (分散相) を生成し、これらの分散粒子には再結晶後の粒界移動を妨げる効果があるため、微細な結晶粒を得ることができる効果がある。後述のように、本発明に係るAl合金板のプレス成形性やヘム加工性はAl合金組織の結晶粒が微細なほど向上する。この点、Mn含有量が0.01%未満ではこれらの効果が無い。一方、Mn量が多くなった場合、溶解、鋳造時に粗大なAl−Fe−Si−(Mn、Cr、Zr)系の金属間化合物や晶析出物を生成しやすく、Al合金板の機械的性質を低下させる原因となる。このため、Mnは0.01〜0.2%の範囲とする。
特に、前記複雑形状や薄肉化、あるいはインナパネル端部とアウタパネル縁曲部内面との間の隙間の存在などによって、加工条件が厳しくなったフラットヘム加工では、Mn量が0.15%を越えた場合、ヘム加工性が低下する。このように加工条件が厳しくなったフラットヘム加工が施される場合には、Mn:0.01〜0.15%とすることが望ましい。
実用上、経時変化により劣化する主要特性である曲げ加工性を確保するために、必須な組織形態として平均結晶粒径も微細化することが望ましい。即ち、板の最表面部から板厚1/4部までの任意の板の表面部と板厚中心部との二箇所での、各平均結晶粒径も各々45μm以下とすることが望ましい。言い換えると、板の最表面部だけではなく、板厚中心部まで、平均結晶粒径を制御することにより、曲げ加工性およびリジングマークの抑制の効果がある。
また、結晶粒径をこの範囲に細かく乃至小さくすることによって、曲げ加工性やプレス成形性が確保乃至向上される。結晶粒径が45μmを越えて粗大化した場合、結晶方位を制御しても、曲げ加工性や張出などのプレス成形性が著しく低下し、成形時の割れや肌荒れなどの不良が生じ易い。
ここで、平均結晶粒径は、SEM−EBSPと、その測定条件を用い、所定の測定領域内に観察される各結晶粒の最大直径を各々測定し、得られた結果の平均値を算出する。なお、SEMは走査型電子顕微鏡のことであり、EBSPはElectron Back Scattering Patternの略称である。
前記Si、Mg、Cu、Mnの他の添加元素として、Ti、Bを添加すると結晶粒微細化効果がある。これらの元素を添加する場合は、前記Si、Mg、Cu、Mnに加えて、更に、Ti:0.005〜0.2%を含有させるか、あるいは、Ti:0.005〜0.2%およびB:0.0001〜0.05%を含有させる〔第4発明〕。
Tiは結晶粒微細化元素である。この効果を発揮させたいときには、Ti、Bの中のTiを含有させる。その際のTiの含有量は0.005%以上とするのがよく、より好ましくは0.01%以上、さらに好ましくは0.015%以上とするのがよい。なお、Tiが過剰になると、巨大なAl−Ti系金属間化合物が晶出して成形性を阻害する。従って、Ti含有量の上限は0.2%とするのがよく、より好ましくは0.1%、さらに好ましくは0.05%とするのがよい。
Ti、Bの中、Tiのみを含有させてもよいが、微量のBと共に含有させてもよい。Bと共に含有させると、結晶粒の微細化効果がさらに向上する。その際のBの含有量は0.0001%以上とするのがよく、より好ましくは0.0005%以上、さらに好ましくは0.0008%以上とするのがよい。一方、Bが過剰になると、Ti−B系の粗大粒子が生成して成形性を低下させる。従って、B含有量の上限は0.05%とするのがよく、より好ましくは0.01%、さらに好ましくは0.005%とする。
不可避的不純物としては、板特性を阻害しないために、その含有量は基本的に少ない方がよいが、板特性を阻害しない範囲で、JIS規格などで記載された6000系アルミニウム合金の各元素の上限値程度までの含有は許容される。
本発明に係るAl合金板は、次のようにして製造するとよい。即ち、アルミニウム合金の鋳塊を均質化熱処理した後に、40℃/hr以上100℃/hr未満の冷却速度で350℃以下の温度まで一旦冷却し、その後再加熱して熱間圧延(以下、熱延ともいう)した後、焼鈍することなく冷間圧延して製造する。その際、熱間圧延での粗圧延の入側温度を490〜380℃とし、粗圧延の終了温度を430℃〜350℃とする。また、粗圧延時間を10分以下とすると共に、前記熱間圧延での仕上げ圧延終了温度を280〜350℃とする。
かかるAl合金板の製造ラインにおいては、比較的大型の鋳塊を用いると共に、熱間圧延後に焼鈍が施されずに冷間圧延されて、効率的な量産化が追求されている。また、同時に、均質化熱処理後に一旦冷却され、その後再加熱されて熱間圧延が施され、リジングマークの防止も追求されている。
上記Al合金板の製造方法の詳細を以下説明する。
(溶解、鋳造)
先ず、溶解、鋳造工程では、6000系成分規格範囲内に溶解調整されたAl合金溶湯を、連続鋳造圧延法、半連続鋳造法(DC鋳造法)等の通常の溶解鋳造法を適宜選択して鋳造する。
(均質化熱処理)
次いで、前記鋳造されたAl合金鋳塊に均質化熱処理を施す。均質化熱処理の温度自体は、常法通り、500℃以上であって融点未満の均質化温度が適宜選択される。この均質化熱処理は、組織の均質化、即ち、鋳塊組織中の結晶粒内の偏析をなくすことを目的とする。この均質化温度が低いと結晶粒内の偏析を十分に無くすことができず、これが破壊の起点として作用するために、伸びフランジ性や曲げ加工性が低下する。
この1回目の均質化熱処理後に、Al合金鋳塊は、一旦、室温近くなど350℃以下の温度まで冷却され、その後熱間圧延を開始する380〜490℃の温度範囲まで再加熱され、熱間圧延(熱間粗圧延)を開始する( この1回目の均質化熱処理をし、冷却後に再加熱することを、以下、2回均熱ともいう) 。
ここで、均質化熱処理後の冷却速度は、40℃/hr以上、100℃/hr未満の冷却速度が好ましい。この特定の冷却速度範囲にすることによって、量産的な熱延ラインにおいても、熱延中の再結晶粒の核生成サイトとして適当なサイズ、分布に、鋳塊中のMg2Si化合物を制御できる。この結果、過剰Si型の6000系Al合金板であっても、熱延中の粗大な再結晶粒 (熱間ファイバー) の生成を抑制し、再結晶の際の組織の均質化を図り、成形時のリジングマーク性を向上させることができる。
実際の鋳塊 (スラブ) は、400〜600mm厚さ、1000〜2500mm幅、5〜10m長さの大きなサイズを有している。このため、バッチ均熱炉内では、均質化熱処理後の冷却速度は20℃/hr未満程度となる。また、炉外に放置しても、30〜40℃/hr程度となる。このような通常の冷却手段で冷却すると、冷却速度が不足して、Mg2Si 化合物などの析出物が粗大化し、2回均熱を行う工程では、強度低下、ベークハード性能(ベークハード後耐力)の低下、曲げ性低下が生じる。
400mm以上の厚みを有する比較的大型の鋳塊の場合には、均質化熱処理後の鋳塊の冷却速度を、上記40℃/hr以上、100℃/hr未満の特定冷却速度範囲とするためには、均熱炉内または炉外でファンにより鋳塊を強制空冷する必要がある。この点、鋳塊が均一に上記特定冷却速度範囲で冷却されるように、鋳塊のサイズや配置に応じて、ファンを適宜配置し、均熱炉内または炉外で強制空冷する。一方、ファンを用いずに、均熱炉内または炉外で放冷した場合、400mm以上の厚みを有する比較的大型の鋳塊の場合には、冷却速度が小さくなり過ぎる。このため、必然的に、下限40℃/hr未満の冷却速度となる。
特開平8 ー232052号公報、特開平7 ー228956号公報等には、均質化熱処理後の冷却速度を100℃/hr以上、150℃/hr以上とするなどの数値も記載されているが、このレベルの高速冷却速度は、小型の鋳塊では可能であるが、上記のような400mm以上の厚みを有する比較的大型の鋳塊では、かなり困難な冷却速度となる。このため、このレベルの高速冷却速度では、鋳塊をミストやスプレーで水冷するなどの別途の強制的な冷却手段が必要となる。それゆえ、強制的な冷却手段による、鋳塊の熱収縮による変形やソリなど、形状に異常が生じる新たな問題が発生する可能性もある。
(熱間圧延)
熱間圧延は、量産化のために、比較的大型の鋳塊を、リバース式の粗圧延機とタンデム式の仕上げ圧延機とから構成される熱延ラインによって施されることが好ましい。この熱延ラインは、通常1基からなるリバース式の粗圧延機と、通常3 〜5 基からなるタンデム式の仕上げ圧延機とから構成される。これら粗圧延機と仕上げ圧延機では、各々複数のパスからなる圧延が施される。
本発明で規定の固溶Si量、固溶Mg量、固溶Si量/固溶Mg量に制御するための方法について、以下説明する。
Al合金の鋳塊を均質化熱処理し、冷却し、再加熱して熱間圧延した後、焼鈍することなく冷間圧延してAl合金板を得、このAl合金板を溶体化・再加熱工程を行った場合のAl合金板(最終板)での固溶量は、均熱工程終了後(熱延開始前)で生成する析出物状態と、熱間圧延終了後のMg−Si系析出物サイズおよび固溶Mg量、固溶Si量と、溶体化条件範囲により熱延板(冷間圧延前)までに存在しているMg−Si析出物が再固溶する量とによって、決まる。
溶体化条件・再加熱条件は、後述の推奨条件があるが、実際の製造工程では、生産性の観点から、完全に再固溶させることはできないため、制御できる範囲は限定される。
従って、本発明で規定する固溶量状態に制御するためには、熱延板までの析出サイズ分布を制御することが重要である。
そのための熱間圧延の条件の指針は、熱間粗圧延中の経過時間とその部位の温度との関係により、通常の温度履歴より速い速度で熱間圧延を行うことである。即ち、Mg2Si 系の析出ノーズ、単体Si析出物の析出ノーズを横切る温度履歴を短くすることにある。このノーズおよび温度履歴を図1に例示する。
本発明者らは多くの実験を行い、その結果、粗圧延入側から出側にかけての温度履歴によってMg−Si系析出物のサイズ分布が変化し、最終的な固溶量状態を制御できることがわかった。
具体的には、粗圧延の圧延時間を通常の粗圧延の圧延時間よりも短くすることにより、固溶Si量/固溶Mg量を2以下にすることができ、ひいては室温での材質の経時変化をおさえることができる。この理由は次のように考えることができる。
基本的傾向として、本発明に係るAl合金板の組成範囲のものでは、高温側にMg2Si 系析出物のノーズが存在し、この領域での析出によりMg固溶量が減少する傾向にある。また、粗圧延温度範囲の中間温度域では単体Siの析出が多い傾向にある。従って、粗圧延での圧延時間を短くすることにより、高温側での析出を促進し、生成するMg2Si 析出物サイズを小さくし、最終的に、固溶Mg量を確保する効果がある。これにより、固溶Si量/固溶Mg量の比を2以下に抑えることができる。
このとき、粗圧延の入側温度は490〜380℃とし、粗圧延の終了温度は430℃〜350℃とし、且つ、粗圧延入側から出側にかけての圧延時間は10分以内とするのがよい〔第6発明〕。粗圧延の入側温度が490℃を超えると析出物が粗大となり、一方、380℃未満の場合には単体Siの析出が多くなる。粗圧延の入側温度は450〜380℃とした方がより好ましい。圧延時間は9分以内とした方がより好ましい。粗圧延の開始温度(粗圧延の入側温度)が490℃あるいはその近傍の温度である場合は、高温のため析出速度が大きいので、圧延時間は8分以内とした方がより好ましい。なお、従来の通常の粗圧延では、圧延時間は約15分間程度であり、最適な固溶量のバランスにならない。
Al合金板の曲げ加工性の確保あるいは向上や、リジングマーク抑制のための推奨事項について、以下、説明する。
(結晶粒径の制御)
板の最表面部から板厚1/4部までの任意の板の表面部と板厚中心部との二箇所で、所望の結晶粒径を満たすため、熱間圧延での粗圧延の開始温度(粗圧延の入側温度)は350〜500℃とし、熱間圧延での仕上げ圧延における総加工率を90%以上とするとともに、仕上げ圧延終了温度を350℃以下とし、更に、巻き取り時の板の平均張力を20MPa以上とすることが好ましい。
熱間圧延での粗圧延開始温度が350℃未満では、熱間圧延終了後に再結晶が進まず、加工集合組織が発達して、リジングマークが発生しやすくなり、一方、粗圧延開始温度が500℃を超えた場合、再結晶が生じて熱間圧延時に粗大な再結晶粒が生成し、リジングマークの原因となる結晶方位成分の再結晶粒がスジ状に並ぶことが多くなる。
熱間圧延での仕上げ圧延終了温度が350℃を超えた場合、特に粗大な再結晶粒が生成しやすくなり、リジングマークの原因となる、板の特定方位の再結晶粒がスジ状に並ぶことが多くなる。これは、巻き取り時の板の平均張力が20MPa未満となった場合も同様である。
仕上げ圧延終了温度が280℃未満では、熱間圧延終了後に再結晶が進まず、加工集合組織が発達して、リジングマークが発生しやすくなる。従って、熱間圧延での仕上げ圧延終了温度は、280℃以上、350℃以下とすることが好ましい。
(熱延板の焼鈍)
熱延板の冷間圧延前の焼鈍 (荒鈍) は基本的に行なわず、製造の効率化や製造コストの低減のために、工程として省略することが好ましい。
(冷間圧延)
熱間圧延した後、冷間圧延を行なって、所望の板厚の冷延板 (コイルも含む) を製作する。
(溶体化および焼入れ処理)
前述のAl合金鋳塊の均熱(均質化熱処理)によって熱延中の再結晶粒の核生成サイトとして適当なサイズと分布に制御した分散粒子を活用し、最終の溶体化および焼入れ処理において、リジングマークを抑制するための再結晶核として、ランダムな方位を持つ再結晶方位とするためには、最終の溶体化処理の昇温速度を100℃/分以上とすることが好ましい。この最終の溶体化処理の100℃/分以上の昇温過程で、上記分散粒子はランダムな再結晶結晶方位の形成の核として働く。最終の溶体化処理の昇温速度は200℃/分以上とすることがより好ましく、300℃/分以上とすることが更に好ましい。
なお、溶体化処理に際しては、板のプレス成形後の塗装焼き付け硬化処理などの人工時効処理により強度向上に寄与する時効析出物を十分粒内に析出させるために、溶体化処理を500℃以上、融点以下の温度とすることが好ましい。
溶体化処理温度からの焼入れ処理では、冷却速度が遅いと、粒界上にSi、Mg2Si などが析出しやすくなり、プレス成形や曲げ加工時の割れの起点となり易く、成形性が低下する。これを防止できるような冷却速度を確保するために、焼入れ処理はファン等の空冷、ミスト、スプレー、浸漬等の水冷手段や条件を各々選択して用い、冷却速度を10℃/秒以上の急冷とすることが好ましい。
本発明においては、成形パネルの塗装焼き付け工程などの人工時効硬化処理での時効硬化性をより高めるため、焼入れ処理後に、強度向上に寄与する時効析出物の析出を促進するために、予備時効処理をしてもよい。この予備時効処理は、60〜150℃、好ましくは70〜120℃の温度範囲に、1〜24時間の必要時間保持することにより行うことが望ましい。この予備時効処理に際し、上記焼入れ処理の冷却終了温度を60〜150℃と高くし、この処理(冷却終了)の後に直ちに再加熱するか、もしくは、再加熱することなく、そのまま保持して行うとよい。あるいは、溶体化処理後常温までの焼入れ処理の後、直ちに(5分以内に)60〜150℃に再加熱して行うとよい。
更に、室温時効抑制のために、前記予備時効処理後に、時間的な遅滞無く、比較的低温での熱処理 (人工時効処理) を行ってもよい。ここで、人工時効処理開始までに時間的な遅滞があった場合、予備時効処理後でも、時間の経過とともに室温時効 (自然時効) が生じ、この室温時効が生じた後では、前記比較的低温での熱処理 (人工時効処理) による効果が発揮しにくくなる。
また、連続溶体化焼入れ処理の場合には、前記予備時効の温度範囲で焼入れ処理を終了し、そのままの高温でコイルに巻き取るなどして行う。なお、コイルに巻き取る前に再加熱しても、巻き取り後に保温しても良い。また、常温までの焼入れ処理の後に、前記温度範囲に再加熱して高温で巻き取るなどしてもよい。
この他、用途や必要特性に応じて、更に高温の時効処理や安定化処理を行い、より高強度化などを図ることなども勿論可能である。
本発明の実施例および比較例を以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
表2に示す条件でAl合金の鋳塊を均質化熱処理 (以下、均熱処理ともいう) し、熱間圧延し、冷間圧延した後、溶体化および焼入れ処理して、表1に示すA〜Mの組成の6000系Al合金板を製造した。なお、表1での各元素の含有量の表示において、「−」の表示は検出限界以下であることを示すものである。
上記Al合金板のより詳細な製造条件は以下の通りである。即ち、表1に示す各組成の500mm 厚さ、2000mm幅、7m長さのAl合金鋳塊を、DC鋳造法により溶製した。これらの鋳塊を、一部(No.10 )のものを除き、2回均熱を行なった。なお、No.10 のものは、1回のみの均熱とし、550℃×4hrの条件で均質化熱処理を施こした後、冷却せずに、直ちに、この温度から熱延の粗圧延を開始した。
上記2回均熱については、550℃×4hrの条件で均質化熱処理(1回目)を施し、この均質化熱処理後に60℃/hrの冷却速度となるように均熱炉内でファンにより鋳塊を200℃以下の温度まで強制空冷した。その後、400℃に再加熱し、この温度で熱延の粗圧延を開始した。
そして、厚さ2.5mmまで熱間圧延した。即ち、熱延の粗圧延をし、仕上げ圧延をして厚さ2.5mmの熱延板を得た。このときの粗圧延の終了温度、仕上げ圧延の終了温度は表2に示すとおりである。この熱延板を、荒鈍を省略した上で(焼鈍することなく)、冷延率60%で直接冷間圧延を行い、厚さ1.0mmの冷延板を得た。
このようにして得た冷延板を、連続式の熱処理設備で、およそ300℃/分の昇温速度で加熱し、550℃の溶体化処理温度に到達した時点で5秒保持する溶体化処理を行い、直ちに室温まで冷却速度100℃/秒以上の急冷にて焼入れた。また、この焼入れ後5分以内に(直ちに)、100℃の温度で2時間保持する予備時効(再加熱)処理を行った。この予備時効処理後は0.6℃/hrで徐冷し、T4調質材を得た。
このT4調質材(調質処理後のAl合金板)から供試板 (ブランク) を切り出し、調質処理後15日の室温時効(室温放置)後の、供試板の平均結晶粒径、固溶Si量、固溶Mg量や特性を測定し、評価した。
このとき、供試板の平均結晶粒径、固溶Si量、固溶Mg量の測定は下記のようにして行った。
(平均結晶粒径)
板の最表面部から板厚1/4部までの任意の板の表面部と板厚中心部との二箇所で、板面方向から、SEM−EBSPを用いて評価した。なお、SEM装置としては、例えば日本電子社製SEM(JEOLJSM5410)を用い、EBSP測定・解析システムとしては、例えばEBSP:TSL社製(OIM)を用いる。試料の測定領域は1000μm×1000μmとし、測定ステップ間隔は例えば3μm以下とする。結晶粒界は、方位差15°以上とした。
(供試板の固溶Si量、固溶Mg量分析)
前記調質処理後15日間の室温時効後の供試板にて固溶量分析を行った。固溶量の評価方法は次のようにした。即ち、熱フェノール抽出残渣分析法により、ポアサイズ0.1μmのメッシュを用いて残渣(材料中の分散粒子)を抽出し、濾された溶液中のSi量、Mg量のICP発光分析によって得た分析値を固溶Si量、固溶Mg量とする。従って、厳密には、0.1μm以下の粒子中のSi量、Mg量も含む値となる。
供試板の特性の測定、評価に関しては、前記調質処理後15日間の室温時効後の供試板の特性としてリジングマーク性、0.2%耐力(AS耐力: MPa)、人工時効硬化処理後の0.2%耐力(BH後耐力: MPa)を測定し、評価した。また、曲げ性について調べた。これらの測定、評価、調査は下記のようにして行った。
(リジングマーク性)
製造されたアルミニウム合金板のリジングマーク性は、実際にプレス成形した後に塗装処理せずとも評価できる。即ち、供試板の圧延方向に直角方向に、引張試験により15%ストレッチした後の、表面粗さRaを測定した。そして、15%ストレッチした後の表面粗さRaが10μm以下を満足するものを、成形時のリジングマーク性が優れていると評価した。
このとき、板の表面粗さRa (算術平均粗さ) は、各々JIS B0601に規定される定義と測定法に基づき、板表面の凸凹を触針式表面粗さ計で測定して求めた。
前記ストレッチを付与するための引張試験は、前記調質処理後15日間の室温時効後のAl合金板からJISZ2201の5号試験片〔25mm×50mmGL(標点距離)×板厚〕を採取し、室温引張りをすることにより行った。このときの試験片の採取方向は圧延方向の「直角方向」にし、引張り方向が圧延方向の直角方向となるようにした。引張り速度は、0.2%耐力までは5mm/分とし、耐力以降は20mm/min とした。
また、前記ストレッチによるリジングマーク性評価を裏付けるために、前記調質処理後15日間の室温時効後のAl合金板についての絞り成形後の成形品表面全面の肌荒れを目視観察し、肌荒れが全く無いものを◎、肌荒れがあるものの、部分的で小さいものを○、肌荒れが全面に亙って大きいものを×と評価した。
この絞り成形は次のようにして行った。即ち、前記調質処理後15日間の室温時効後の供試板から100mmφの試験片を打抜きにより作製し、潤滑油としてCastrol No.700(商品名)を50%に希釈したものを用いて、この試験片をエリクセン試験機によってカップ形状に成形した。ポンチ:50mmφ−肩R4.5mm、ダイス:65.1mmφ−肩R14mm、しわ押さえ圧: 500kgf、絞り比: 2(絞り率=50%)とした。
(AS耐力)
上記調質処理直後のAl合金板から、圧延方向に対し垂直方向のJISZ2201の5号試験片(25mm×50mmGL×板厚)を採取し、室温引張り試験を行った。室温引張り試験は、JISZ2241(1980)(金属材料引張り試験方法)に基づき、室温20℃で試験を行った。このとき、クロスヘッド速度は5mm/分とし、試験片が破断するまで、この一定の速度で行った。この方法によって、0.2%耐力を求め、これをAS耐力とした(N数=5の平均値)。
(BH後耐力)
人工時効処理能(BH性)を調査するため、Al合金板がパネルとしてプレス成形されることを模擬した工程で試験片を製作し、BH後耐力を求めた。即ち、前記JIS5号試験片に2%の歪みを予め与えた後、170℃×20分の低温短時間の人工時効硬化処理を施し、この処理後の試験片について上記と同様の条件で室温引張り試験を行い、0.2%耐力を求め、これをBH後耐力(MPa)とした。なお、このときの引張り方向は圧延方向と平行な方向となるようにした。BH後耐力が190MPa以上を満足するものを良好とした。
(曲げ性)
前記調質処理後15日間の室温時効後の供試板から、長さ150mm×幅30mmの曲げ加工試験片を採取し、自動車アウタパネルのフラットヘミング加工を想定した曲げ性を評価した。即ち、上記曲げ加工試験片に対して、10%の歪みを予め加えた後、角度180°の密着曲げ(内側曲げ半径R=約0.25mm)を行った。曲げ性の評価は、曲げ加工後の試験片縁曲部の割れ発生程度を目視で確認し、下記基準に基づいて5段階で評価した。
0:肌荒れも割れもない。
1:肌荒れが僅かに発生している(割れはない)。
2:肌荒れが発生しているものの、割れはない(微小な割れもない)。
3:微小な割れが発生している。
4:大きな割れが発生している(下記5の段階の場合よりはマイルド)。
5:大きな割れが複数あるいは多数発生している。
上記0〜5のランクの内、0〜2の段階が自動車のアウタパネルとしては合格であり、3〜5の段階は不合格である。なお、前記したヘム部に挟み込まれるインナパネルの薄板化の厳しいヘム加工条件を反映させるため、インナパネルのヘム部への挟み込みは無しとした。
(室温時効による材質の経時変化:曲げ性で評価)
前記T4調質材(調質処理後のAl合金板)から切り出された供試板を3ケ月の室温時効(室温放置)したもの、つまり、調質処理後3ケ月の室温時効(室温放置)を受けた供試板について、曲げ性を調べた。この曲げ性の調査は、前述の曲げ性の評価試験の場合と同様の方法により行った。即ち、上記3ケ月の室温時効後の供試板から長さ150mm×幅30mmの曲げ加工試験片を採取し、この試験片に対して、10%の歪みを予め加えた後、角度180°の密着曲げ(内側曲げ半径R=約0.25mm)を行った。曲げ性の評価は、前述の曲げ性の評価試験の場合と同様、5段階で評価した。
上記測定、評価、調査の結果を、表3〜4に示す。この表3〜4、あるいは更に表1〜2からわかるように、比較例に係るもの(No.10 〜17)は、成形時のリジングマーク性、BH後耐力、調質処理後15日間の室温時効後の曲げ性、調質処理後3ケ月の室温時効後の曲げ性の1種以上が優れておらず、また、これらの中には室温時効による曲げ性の経時変化(調質処理後3ケ月の室温時効後の曲げ性と調質処理後15日間の室温時効後の曲げ性との差、あるいは、調質処理後3ケ月の室温時効後の曲げ性と調質処理後15日間の室温時効後の曲げ性との差/調質処理後15日間の室温時効後の曲げ性)が大きいものがある。
即ち、No.10 のものは、15%ストレッチした後の表面粗さRaが10μm以下を満足していなくて成形時のリジングマーク性が優れていない。また、調質処理後15日間の室温時効後の曲げ性は1の段階であって優れているものの、調質処理後3ケ月の室温時効後の曲げ性は3の段階であって優れていない。更に、室温時効による曲げ性の経時変化も大きい〔(3−1)/1=2〕。
No.11 のものは、BH後耐力が190MPa以上を満足していなくて良好でない。No.12 〜13のものは、BH後耐力が190MPa以上を満足していなくて良好でなく、また、調質処理後3ケ月の室温時効後の曲げ性は3の段階であって優れておらず、更に、室温時効による曲げ性の経時変化も大きい〔(3−1)/1=2〕。No.14 のものは、BH後耐力が190MPa以上を満足していなくて良好でなく、また、15%ストレッチした後の表面粗さRaが10μm以下を満足していなくて成形時のリジングマーク性が優れておらず、更に、絞り成形後の成形品表面が×(肌荒れが全面に亙って大きい)であり、リジングマーク性が良くない。No.15 のものは、調質処理後3ケ月の室温時効後の曲げ性は4の段階であって優れていない。No.16 〜17のものは、調質処理後15日間の室温時効後の曲げ性が3の段階であって優れておらず、調質処理後3ケ月の室温時効後の曲げ性は5の段階であって良くない。このNo.16 〜17の中、No.17 のものは、成形時のリジングマーク性も良くない。
これに対し、本発明の実施例に係るもの(No.1〜9 )は、成形時のリジングマーク性、BH後耐力、調質処理後15日間の室温時効後の曲げ性、調質処理後3ケ月の室温時効後の曲げ性のいずれも優れており、また、室温時効による曲げ性の経時変化も小さい。
即ち、本発明の実施例に係るものは、いずれも15%ストレッチした後の表面粗さRaが10μm以下を満足し、絞り成形後の成形品表面が◎(肌荒れが全くない)又は○(肌荒れがあるものの、部分的で小さい)であり、リジングマーク性が良く、また、いずれもBH後耐力が190MPa以上を満足していて良好である。更に、調質処理後15日間の室温時効後の曲げ性が1の段階であって優れており、調質処理後3ケ月の室温時効後の曲げ性は一部のもの(No.8)を除き2の段階であって優れており、これらは室温時効による曲げ性の経時変化も小さくて良好である〔(2−1)/1=1〕。なお、No.8のものは、調質処理後3ケ月の室温時効後の曲げ性が2.5であり、これは2の段階と3の段階の間にあることを示しているが、2の段階に近いものであったので、明確に不合格といえるものではなく、許容できるレベルのものである。本発明の実施例に係るものの中、リジングマーク性についてはNo.1〜2 、及び、No.4のものが特に優れている。
Figure 0005059423
Figure 0005059423
Figure 0005059423
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本発明に係るアルミニウム合金板は常温安定性に優れており(室温時効による材質の低下が生じ難く)、自動車外板用等として好適に用いることができて有用である。
Mg2Si および単体Siの析出ノーズを横切る温度履歴を示す模式図である。

Claims (6)

  1. Mg:0.35〜1.0質量%、Si:0.5〜1.5質量%、Mn:0.01〜0.2質量%、Cu:0.001〜1.0質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板であって、固溶Si量:0.50〜0.80質量%、固溶Mg量:0.35〜0.60質量%であり、且つ、固溶Si量/固溶Mg量:1.1〜2であることを特徴とするアルミニウム合金板。
  2. SiとMgとの質量比:Si量/Mg量が1以上である過剰Si型Al−Mg−Si系アルミニウム合金板よりなる請求項1記載のアルミニウム合金板。
  3. 前記不可避的不純物としてFe:0.2質量%以下、Cr:0.3質量%以下、Zr:0.3質量%以下、V:0.3質量%以下、Ti:0.1質量%以下、Ag:0.2質量%以下、Zn:0.04質量%以下を含む請求項1または2記載のアルミニウム合金板。
  4. 更にTi:0.005〜0.2質量%あるいはTi:0.005〜0.2質量%およびB:0.0001〜0.05質量%を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム合金板。
  5. アルミニウム合金の鋳塊を均質化熱処理した後に、40℃/hr以上100℃/hr未満の冷却速度で350℃以下の温度まで一旦冷却し、その後再加熱して熱間圧延した後、焼鈍することなく冷間圧延して製造されたアルミニウム合金板であって、
    前記熱間圧延での粗圧延の入側温度が490〜380℃であり、粗圧延の終了温度が430℃〜350℃であり、且つ、粗圧延時間が10分以下であると共に、
    前記熱間圧延での仕上げ圧延終了温度が280〜350℃である請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム合金板。
  6. 自動車外板用である請求項1〜のいずれかに記載のアルミニウム合金板。
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