JP2000312023A - 受光素子 - Google Patents

受光素子

Info

Publication number
JP2000312023A
JP2000312023A JP11121100A JP12110099A JP2000312023A JP 2000312023 A JP2000312023 A JP 2000312023A JP 11121100 A JP11121100 A JP 11121100A JP 12110099 A JP12110099 A JP 12110099A JP 2000312023 A JP2000312023 A JP 2000312023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoelectric conversion
conversion layer
light
thin film
receiving element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11121100A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Ogimoto
泰史 荻本
Kenji Nakanishi
健司 中西
Kunio Kojima
邦男 小嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP11121100A priority Critical patent/JP2000312023A/ja
Publication of JP2000312023A publication Critical patent/JP2000312023A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光照射による金属絶縁体転移を増幅機能とし
て利用することにより光メモリの高密度化における信号
量の減少、光源の短波長化に対応した受光感度を備え、
かつ、光メモリ用受光素子に適した高速かつ低電圧動作
が可能な受光素子を提供する。 【解決手段】 基板1上に下部電極2、光電変換層3、
透明上部電極4が形成された構造において該光電変換層
3が絶縁体金属転移を示す酸化物薄膜からなり、該光電
変換層3の電極間方向の電気伝導率が電極間に垂直方向
の電気伝導率よりも高く、かつまた、高温、酸化雰囲気
プロセスに耐性があり、光電変換層3の結晶性をアシス
トする下部電極2から形成されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属絶縁体転移を示
す酸化物薄膜を用いた受光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、GaN系材料による青紫色半導体
レーザ(波長λ=400nm前後)、あるいはSHG(第
2次高調波発生)素子を用いた青紫色レーザの開発の実
用化に目処がつき、光源の短波長化による光メモリの高
密度化が期待されている。
【0003】しかしながら、光源の短波長化により微小
化した記録マークから信号を再生する際には次のような
問題があることが、例えば、日経エレクトロニクス199
8.1.26(no.708)pp.127-129に記述されている。これに
よると、(記録マークが縮小されたことによる)信号量
の減少に加え、光メモリ用光ピックアップに用いられて
いた受光素子であるSiのpinフォトダイオードの感
度が低下するために信号再生が難しくなる。この原因と
しては(1)光源が短波長化することによるフォトン数の
減少、(2)量子効率の低下(受光素子の材料であるSi
の光吸収係数は波長が短くなると増大し表面近くで吸収
される確率が高くなるが、表面近くには多くの表面準位
があるため発生したキャリヤが再結合し消失しやすくな
る結果)が挙げられている。
【0004】受光素子の短波長での感度改善の方策とし
ては、青紫色の波長に対応した反射防止膜の改善やpi
n型構造のi層の厚さを調節することで対応するとして
いるが、増幅機能がないpinフォトダイオードでは自
ずと受光感度に限界がある。このような背景の下、光メ
モリの高密度化には記録再生速度及び消費電力の観点か
ら要求される(1)高速動作(<10nsec)、(2)
低動作電圧(<5V)の条件に加えて信号量の減少、光
源の短波長化(青紫色:波長λ=400nm前後)に対応
した受光感度を確保することが可能な増幅機能を有する
受光素子が必要となってきている。
【0005】一方、上記pinフォトダイオードのよう
な受光素子ではないが、「マンガン酸化物に光照射する
際に生じる絶縁体金属転移を用いる光スイッチング素
子」が特開平10-261291号公報に記載されている。特開平
10-261291号公報によれば、単結晶のPr0.7Ca0.3
nO3上に50μmの間隔で金電極を形成し、この電極間
に数Vの直流バイアス電圧をかけながらYAG(イット
リウム−アルミニウム−ガーネット)レーザー光を照射
すると絶縁体金属転移を起こし電気抵抗が大きく変化す
るというものである。上記Pr0.7Ca0.3MnO3にお
ける光照射による絶縁体金属転移については文献Phy
sical Review LettersVol.78, N
o.22, (1997),pp.4257-4260や、Journal of
the Physical Society of
Japan V ol.66, No.11, (1997),pp.3570-3576にも
詳しく記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術である光スイッチング素子を光メモリ用受光素子
として用いるには、(1)絶縁体金属転移を起こした時の
緩和時間が数100nsec〜数μsec以上と長いた
め、応答速度の点で問題があり、 (2) 記録ビットから
の微弱な反射光(数μW)により上記の絶縁体金属転移
を引き起こすには少なくとも数十V以上のバイアス電圧
が必要であることから動作電圧の点においても問題であ
る。
【0007】そこで、本発明は、上記課題を解決するた
めになされたものであり、光照射による金属絶縁体転移
を、増幅機能として利用することにより、光メモリの高
密度化における信号量の減少、光源の短波長化(青紫
色:波長λ=400nm前後)に対応した受光感度を備
え、かつ、光メモリ用受光素子に適した高速かつ低電圧
動作が可能な受光素子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明者らは、光誘起による絶縁体−金属転移を
起こす領域(以下、光電変換層と称す)に作用する電界
強度(電圧/電極間距離)及び金属転移後の電気伝導度
の異方性に着目し、光電変換層を薄膜化することが有用
であることを見出した。さらに、光電変換層が酸化物で
あることから、薄膜構造作製においては、高温、酸化雰
囲気プロセスに下部電極が耐性のあること、光電変換層
の結晶性が重要であることを見出し、以下に示す構造に
より、低電圧動作及び高速応答性を兼ね備えた受光素子
を実現した。
【0009】そして、本願請求項1記載の受光素子は、
基板上に下部電極、光電変換層、透明上部電極をその順
に積層した構造において、該光電変換層が絶縁体金属転
移を示す酸化物薄膜からなることを特徴とする。
【0010】好ましくは、上記受光素子において、該光
電変換層の電気伝導率が異方性を示すことを特徴とす
る。さらに、好ましくは、該光電変換層の電極間方向の
電気伝導率が電極間に垂直方向の電気伝導率よりも高い
ことを特徴とする。
【0011】さらには、上記受光素子は、該光電変換層
が酸素八面体構造を含み、かつ、該光電変換層の電気伝
導率異方性が酸素八面体構造の歪によって誘起されるこ
とを特徴とする。
【0012】また、請求項5記載の受光素子は、下部電
極及び基板として、導電性を示す酸化物単結晶基板を用
いることを特徴とする。さらに、請求項6記載の受光素
子は、下部電極として、酸化物単結晶基板上に導電性酸
化物薄膜を形成してなることを特徴とし、好ましくは、
下部電極として、酸化物単結晶基板上に貴金属及び貴金
属合金薄膜、貴金属及び貴金属合金の酸化物薄膜を順次
形成してなることを特徴とする。
【0013】また、請求項8記載の受光素子は、非酸化
物半導体単結晶を基板として用い、該基板と下部電極と
の間にバッファ層を形成してなることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る受光素子について、 (a)薄膜素子構造(光電変換層における電気伝導率異
方性) (b)素子構造例 導電性酸化物単結晶基板を用いた素子 導電性酸化物薄膜を下部電極として形成した素子 貴金属酸化物薄膜/貴金属薄膜を下部電極として形成
した素子 下部電極/バッファ層/非酸化物半導体単結晶基板を
用いた素子 の順で説明する。
【0015】<実施形態1>まず、本発明の(a)光電
変換層における電気伝導率異方性について、図1に示す
薄膜構造からなる受光素子を用いて説明する。ここで、
膜面内方向をX軸にとり、膜厚方向、すなわち本素子構
造における電極間方向をZ軸にとり説明を進める。本素
子構造においては、基板1上に下部電極2、光電変換層
3、透明上部電極4が順に形成されている。
【0016】受光素子の駆動電圧の低電圧化のために
は、受光時に光電変換層3に印加される電界強度を大き
くすることが重要である。電極間距離は受光する波長の
進入距離以下でできるだけ短くすることが好ましいのだ
が、薄膜構造にすることにより、電極間距離を光電変換
層3の膜厚により制御することができる。よって、電極
間距離をサブμm以下で容易に制御することが可能にな
る。
【0017】受光素子の高速化には受光時に絶縁体金属
転移を起こす光電変換層3の抵抗値Rが素子の応答速度
に影響するため、この光電変換層3の抵抗値Rを少なく
とも電極間方向において可能な限り小さくすること、す
なわち電極間方向の電気伝導率を大きくすることが好ま
しい。
【0018】図2には光電変換層3の電気伝導率の異方
性を示した。横軸には電流方向を膜面内方向X,膜厚方
向Zとし、縦軸に電気伝導率σをとっている。非受光時
の絶縁体における電気伝導率σを白丸で、受光時の金属
に転移した後の電気伝導率σを黒丸で示している。ここ
に示すように、金属絶縁体転移後の光電変換層3の電気
伝導率σはX方向、Z方向と大きく異なる(Δσはσz
−σxの意味)、すなわち、異方性を示しており、さら
に、電極間方向(膜厚方向Z)に高い電気伝導率を得ら
れるように光電変換層3を形成することにより、素子の
時定数を小さくし高速化が可能になる。
【0019】尚、電極が仮に光電変換層3の側面に形成
されている場合は、電極間方向はX方向になり、膜面内
方向の電気伝導率σxを大きくなるようにすればよい。
【0020】次に、このような光電変換層3の電気伝導
率の異方性を本素子構造(薄膜構造)において、どのよ
うに発現させ得るかについて説明する。光電変換層3の
性能を十分に引き出すためには、良好に結晶化した光電
変換層3が必要であるため、下部電極2と格子定数、熱
膨張係数等がよく一致することが求められる。
【0021】図3(a)、(b)には、下部電極の格子
5上に光電変換層6の格子が形成される様子を示してい
る。図3(a)では、下部電極の格子5と光電変換層の
格子6がほぼ一致している場合を示した。しかしなが
ら、薄膜構造においては、格子定数がほぼ一致した場合
でも、歪が導入され、膜面内方向に伸びる方向の応力7
aがかかり、膜厚方向に縮む方向の応力7bがかかる。こ
の様子を図3(b)に示すが、膜面内方向においては、
下地の格子との相互作用により、格子の伸びは抑制され
るため膜厚方向に光電変換層の格子6は縮むこととな
る。このような格子の異方性により、電気伝導率の異方
性は薄膜構造において発現される。
【0022】尚、下部電極の格子5に、光電変換層の格
子6よりも大きなものを用ることにより、光電変換層3
に導入される異方性はさらに大きなものとなる。しかし
ながら、余りに大きな格子定数差がある場合には光電変
換層3の結晶性が劣化する(欠陥、転位の発生)要因に
なりかねないため、この格子定数を適宜選択して用いる
ことが重要である。また、熱膨張係数の差を利用して薄
膜作製時からの冷却プロセスにて歪みを導入することも
可能である。ここでも、余りに大きな熱膨張差を与える
と、膜にヒロック(隆起部分)や剥離が発生するため、
この熱膨張係数を適宜選択して用いることが重要であ
る。
【0023】さらに、光電変換層3として酸素八面体1
1からなる構造を含む酸化物薄膜を用いた場合に、上述
の格子歪みにより、どのように電気伝導率の異方性が発
現するかについて説明する。◆酸素八面体からなる構造
を含む酸化物材料としては、例えば、図4(a)に示す
ABX3という構造式により表わされるペロブスカイト
構造などがよく知られている。ペロブスカイト構造と
は、A原子8が立方体のコーナーに位置し、B原子9が
体心に、X原子10が面心にぞれぞれ位置した構造のこ
とである。
【0024】図4(b)には、このペロブスカイト構造
が含む酸素八面体11だけを抜き出して示した。酸素八
面体11と呼ぶ理由は、X原子10として酸素原子を用
いているためである。酸素原子間を線でつなぎ八面体構
造であることを明示している。このような酸素八面体1
1構造において、一軸方向に応力が加えられた様子を図
4(c)に示した。矢印12は応力により、酸素八面体
11が縮む方向を示している。
【0025】図5には、膜厚方向に光電変換層3を形成
する酸素八面体11構造が変形する(縮む)様子を示し
ている。この応力は、上述の薄膜構造作製時に導入され
るものであり、格子定数、熱膨張係数差、作製プロセス
により生ずる。
【0026】酸素八面体11構造が膜厚方向(Z方
向)、すなわち、電極間方向に縮むことにより、酸素八
面体11が構成するd軌道のうち、d3Z2-r2と表わされ
るZ軸方向の酸素原子間方向に伸びる軌道の重なりが大
きくなり、電気伝導率が大きくなる。一方、膜面内方向
(X方向)においては、酸素八面体が構成するd軌道の
うち、dX2-Y2と表わされるX軸方向の酸素原子間方向
軌道の重なりは、Z方向と比べて小さいため、電気伝導
率は小さい。このようなメカニズムによって酸素八面体
11からなる構造においては、薄膜構造により導入され
る歪によって膜厚方向、すなわち、電極間方向に電気伝
導率の異方性が誘起される。
【0027】また、非受光時の絶縁体相においては、電
気伝導率自体が小さいためにその異方性は問題とはなら
ず、光電変換層3の電気伝導率の異方性による非受光時
の暗電流増加の問題は本素子構造において無視できる。
◆さらに、上記の軌道間の重なりが大きくなることから
絶縁体金属転移に必要なキャリヤ量が増加するために、
同一の印加電圧において絶縁体金属転移を起こすに必要
な最小の光量がより小さくなり、検出可能な光量範囲が
より広くなる。
【0028】以上説明したように、光電変換層3を酸化
物薄膜とすることで、該光電変換層に作用する電界強度
(kV/cm)を極めて高く作用させることが可能になるた
め、駆動電圧の低減(5V以下)が可能になる。また、薄
膜構造から与えられる歪みにより、酸素八面体11構造
の歪みを発生させることで、光電変換層3の電気伝導率
に異方性を発現させることが可能になり、電極間方向の
電気伝導率を高くすることができ、動作速度の高速化
(応答速度<1nsec)が可能になる。さらに、検出
可能な下限光量が小さくなるため、光ディスクの信号検
出に必要な数μWの光量検出が容易になる。
【0029】また、酸素八面体が形成する配位子場であ
るeg軌道とt2g軌道のバンド差が2〜3eVと大きいため
熱輻射による暗電流(光非照射時のバイアス印加下での
電流)が極めて小さくノイズの少ない受光素子が得られ
る。
【0030】<実施形態2>次に、下部電極構造につい
て検討を行う。下部電極に導電性酸化物単結晶基板13
を用いた受光素子を、実施形態2として、図6(a)、
(b)を用いて以下に説明する。
【0031】図6(a)に示すように、導電性酸化物基
板13としてNbをドープしたSrTiO 3基板を用いた。こ
の導電性酸化物基板13上に光電変換層3として酸素八
面体11構造からなるPr0.7Ca0.3MnO3薄膜をゾルゲル法
により形成した。
【0032】形成方法は次の通りである。スピンコーテ
ィングによりPr0.7Ca0.3MnO3溶液を塗布した後、乾燥、
仮焼成(有機成分の除去)を膜厚が100nm程度になる
まで繰り返した後、結晶化アニールを900℃で行う。こ
の後、透明上部電極4としてITOをスパッタにより形
成した。これはITOが、光電変換層と同じく酸化物で
あることからITO形成プロセスにおいて光電変換層3
に酸素欠損などを与える心配がなく、かつ、酸化物上に
形成した際に上部電極自体が酸化されることで光電変換
層3と透明上部電極4との間に不要な酸化層が生成され
ることがないためである。さらに、ITOは、400nm
程度の受光波長に対して透過率が90%以上と高く、有効
に光電変換層3に光を入射させるためには十分な透過率
特性を有している。
【0033】SrTiO3基板を用いたのは、光電変換層3
であるPr0.7Ca0 .3MnO3薄膜と格子定数が近く、かつ僅
かに大きく(SrTiO3:3.905Å、Pr0.7Ca0.3MnO3:3.83
Å)、上述の格子歪みの観点から下地基板として適当で
あるとの理由による。
【0034】このようにして作製した光電変換層3の結
晶性をX線回折により調べたところ、優れた結晶性
((001)配向)を示すエピタキシャルPr0.7Ca0.3Mn
O3薄膜が得られていること、さらに、光電変換層3であ
るPr0.7Ca0.3MnO3薄膜は膜厚方向に格子が縮んでいるこ
とを確認した。
【0035】次に、光電変換層3の電気伝導率の異方性
を調べるために膜厚方向、膜面内方向の抵抗値を測定し
た。すなわち、抵抗値が低いほど、電気伝導率は高く、
抵抗値が高いほど、電気伝導率は低いことを意味する。
膜厚方向の抵抗値は透明上部電極4と導電性酸化物基板
13間にて測定した。膜面内方向の抵抗値は、図6
(b)に示したように、何もドープしていないSrTiO3
基板(絶縁性酸化物単結晶基板14)上に同様に光電変
換層3を形成した後、一対の透明上部電極4をパターニ
ングにより形成した構造を作製し、この透明上部電極4
間にて測定した。
【0036】測定方法としては、光を照射せずに0〜10V
まで電圧を印加しながら絶縁相での抵抗値を測定した
後、10μWのレーザ光を照射しながら、同様に電圧を0〜
10Vまでの範囲で印加しながら転移後の金属相での抵抗
値を測定した。
【0037】絶縁相での抵抗値は、膜厚方向の抵抗値が
膜面内方向の抵抗値と比べて1/1.2〜1/1.5程度と余り差
が見られなかったが、金属相での抵抗値においては、膜
厚方向の抵抗値が膜面内方向の抵抗値と比べて約1/80〜
1/100と小さくなっていることを確認した。すなわち、
膜厚方向の電気伝導率が高くなっていることを確認し
た。
【0038】続いて、上記の2構造(膜厚方向に電極を
配置した構造と膜面内方向に電極を配置した構造)にお
いて、3Vの電圧を印加しながら、波長400nm、パルス
幅が5nsecのレーザ光を1〜10μWの範囲で変えて
照射し、光照射による出力変化を調べたところ、図6
(b)に示す膜面内方向に電極を配置した構造では、5
μW以上の光パルスが検出できたのだが、図6(a)に
示す膜厚方向に電極を配置した構造では1〜10μW全て
の光パルスを検出できた。これは、酸素八面体11の構
造の歪みによって膜厚方向に電気伝導率の異方性を高め
たこと、すなわち、膜厚方向の酸素八面体11構造の軌
道間の重なりが大きくなることから絶縁体金属転移に必
要なキャリヤ量が増加するために、同一の印加電圧にお
いて絶縁体金属転移を起こすに必要な最小の光量がより
小さくなり、検出可能な光量下限がより広くなったため
と考えられる。
【0039】以上述べたように、本発明の素子構造にお
いて光電変換層3の電気伝導率に異方性を発現、電極間
方向の電気伝導率を高くすることができるため動作速度
の高速化(応答速度<1nsec)が可能になること、
検出可能な下限光量が小さくなり、光ディスクの信号検
出に必要な数μWの光量検出が可能であった。
【0040】さらに、下部電極を兼ねた基板として導電
性酸化物単結晶基板13を用いることにより、光電変換
層と格子定数の近い下部電極上に光電変換層3を形成す
ることができるため結晶性の優れた光電変換層3が得ら
れ、また、酸化物単結晶基板上に形成できるため高温、
酸化雰囲気プロセスにおいても下部電極と該光電変換層
3界面に不要な酸化層などが生成することなく、低電
圧、高速動作が可能な受光素子が得られることを示し
た。また、下部電極を形成するプロセスが省けること
は、工業的には大きな利点である。
【0041】このような、導電性酸化物単結晶基板13
としては、ここに示したNbをドープしたSrTiO3基板の
他に、Laをドープした基板も少ないドープ量で高い電気
伝導率を示すために好適である。
【0042】また、ここでは光電変換層3に用いる酸化
物薄膜としてPr0.7Ca0.3MnO3を示したが、その他の組成
や、その他の酸化物、例えばLa1-xCaxMnO3、La1-xSrxMn
O3、La1-xBaxMnO3、Nd1-xSrxMnO3、Sr2MoFeO6、等の酸
素八面体11構造を含む材料を用いても構わない。
【0043】また、ここでは、ゾルゲル法により光電変
換層3を形成した例を示したが、その他、レーザーアブ
レーションや、スパッタ、CVD、等の作製方法を用いて
もよい。
【0044】また、透明上部電極4としては、ITO以
外のもの、例えば、ZnOなどであっても勿論構わない。
さらに、上記構造では波長400nmの受光例を示した
が、その他635、650nmなどの波長に対しても適用可能
である。
【0045】<実施形態3>実施形態3として、下部電
極に導電性酸化物薄膜16を用いた受光素子について図
7(a)、(b)を用いて説明する。◆まず、比較のた
めに、図7(a)に、酸化物単結晶基板14(図示せ
ず)上に下部電極2を形成し、さらに酸化物薄膜からな
る光電変換層3を形成し、最後に透明上部電極4を形成
した概略断面構造の拡大図を示した。
【0046】実施形態2でも述べたように、光電変換層
3は高温、酸化雰囲気プロセスにより形成されるため、
下部電極2としてAl、Ni、Ti、などの遷移金属を用い
た場合、図7(a)に示すように下部電極の酸化に伴う
歪み、界面の乱れ、さらには不要な酸化層15などが光
電変換層3との界面において形成されてしまう。
【0047】このような界面の乱れや膜の表面粗さは、
光電変換層3の結晶性が劣るため受光素子としての性能
が劣化する要因となるばかりでなく、酸化層15(高抵
抗層、あるいは絶縁体層となる)などの発生により素子
の駆動電圧が大きくなる、素子の抵抗値が大きくなるた
め動作速度が低下するなどの問題を引き起こしてしま
う。
【0048】一方、下部電極2として導電性酸化物薄膜
16を用いた構造においては、このような問題を解決で
きることを説明する。図7(b)に、酸化物単結晶基板
14(図示せず)上に下部電極2として導電性酸化物薄
膜16を形成し、さらに酸化物薄膜からなる光電変換層
3を形成し、最後に透明上部電極4を形成した概略断面
構造の拡大図を示した。
【0049】ここでは、酸化物単結晶基板14としてSr
TiO3基板を用いて、導電性酸化物薄膜16としてSrRuO
3薄膜(200nm)をスパッタ法により形成した。さら
に、光電変換層3であるPr0.7Ca0.3MnO3薄膜(100n
m)をレーザーアブレーション法により750℃の酸素雰
囲気中で形成し、最後に透明上部電極4としてITOを
形成した。
【0050】上記素子において、3Vの電圧を印加しなが
ら、波長400nm、パルス幅が5nsecのレーザ光を1
〜10μWの範囲で照射したところ、全ての光パルスを検
出することを確認した。
【0051】この素子構造の断面を電子顕微鏡にて観察
したところ、界面の乱れや表面粗さの増大などはなく、
不要な酸化層なども観察されなかった。これは、下部電
極2そのものが酸化物であるため、酸化物薄膜からなる
光電変換層3を形成する際に、酸化反応を引き起こすこ
とがないためと考えられる。
【0052】さらに、X線回折により膜の結晶性を調べ
たところ、SrRuO3 、Pr0.7Ca0.3MnO 3ともに優れた結晶
性を示すことが確認された。これは、酸化物単結晶基板
14上に導電性酸化物薄膜16を形成するため、この導
電性酸化物薄膜16は結晶性に優れたエピタキシャルな
膜が得られること、さらに光電変換層3の結晶性をアシ
ストする配向下地として適しているためと考えられる。
【0053】以上述べたように、酸化物単結晶基板14
上に下部電極2として導電性酸化物薄膜16を形成する
ことにより、酸化物薄膜からなる光電変換層3の形成プ
ロセスである高温、酸化雰囲気においても下部電極2に
酸化反応による変化が発生しないために表面平坦性に優
れ、かつ、酸化物単結晶基板14の格子を引き継ぎなが
ら、下部電極2、光電変換層3ともに優れた結晶性を示
す膜が得られる。この結果、低電圧、高速動作が可能な
受光素子が得られることを示した。
【0054】ここでは酸化物単結晶基板14としてSrT
iO3を用いたが、他にもLSAT(LaAlO3-Sr2AlTaO6)、NdGa
O3、LaAlO3、YAlO3、LaSrGaO4、LaGaO3、SrLaAlO4など
の単結晶基板を用いても構わない。
【0055】また、導電性酸化物薄膜16としては、こ
こに示したSrRuO3の他に、SrVO3、CaCrO3、SrCrO3、CaM
oO3、SrMoO3、BaMoO3、SrFeO3、CaRuO3、SrIrO3、Sr2R
uO4、LaSrCuO3、LaSrCoO3等を用いることができる。特
に、Sr VO3、SrMoO3、SrRuO3は電極自体の比抵抗が小さ
い(100μΩcm以下)ことからより好ましい。さらに、
光電変換層3に用いる酸化物薄膜の材料組成に合わせて
選択することが可能である。
【0056】<実施形態4>実施形態4として、下部電
極に貴金属酸化物薄膜/貴金属薄膜15を用いた受光素
子について図8(a)、(b)を用いて説明する。◆図
8(a)は、本素子の概略断面構造である。酸化物単結
晶基板14上に下部電極2として貴金属薄膜17aを形
成し、さらに貴金属酸化物薄膜17bを連続して形成し
た後、光電変換層3を形成し、最後に透明上部電極4を
形成した。図8(b)は、図8(a)に示した概略断面
構造の拡大図である。
【0057】上記実施形態でも述べたように、光電変換
層3は高温、酸化雰囲気プロセスにより形成されるた
め、下部電極2としてPtなどの貴金属薄膜を用いること
により、酸化を抑制することが可能であると考えられ
る。
【0058】しかしながら、実際にPtの薄膜を酸化物薄
膜からなる光電変換層3を形成する高温、酸化雰囲気
(750℃、酸素雰囲気、30分の酸素雰囲気)にさらした
場合、膜表面が酸化されることで、平坦性が劣化するこ
とが明らかとなった。
【0059】そこで、図8(a)に示すように、貴金属
薄膜17aを成膜し、その後に同一材料からなる貴金属
酸化物薄膜17bを形成することによりこの問題を解決
できることを説明する。
【0060】ここでは、酸化物単結晶基板14としてSr
TiO3基板を用いて、貴金属薄膜17aとしてIr薄膜
(100nm)を成膜し、引き続いて同一真空中にてIrO2
薄膜(100nm)をスパッタ法により形成した。さら
に、光電変換層3であるPr0.7Ca 0.3MnO3薄膜(100n
m)をレーザーアブレーション法により750℃の酸素雰
囲気中で形成し、最後に透明上部電極4としてITOを
形成した。
【0061】上記素子において、3Vの電圧を印加しなが
ら、波長400nm、パルス幅が5nsecのレーザ光を1
〜10μWの範囲で照射したところ、全ての光パルスを検
出することを確認した。
【0062】この素子構造の断面を電子顕微鏡にて観察
したところ、図8(b)に示すように界面の乱れや表面
粗さの増大などはなく、不要な酸化層なども観察されな
かった。これは、光電変換層3側に予め酸化物として形
成された貴金属酸化物薄膜17bを配することにより酸
化物薄膜からなる光電変換層3を形成する際に、酸化反
応を引き起こすことがないためと考えられる。
【0063】ここで注意しておきたいことは、光電変換
層3形成時の酸化プロセスにより下部電極2が酸化され
た場合は、界面が乱れ表面粗さが増加するなどの問題を
引き起こすが、予め酸化物を形成しておくことで光電変
換層3形成時の酸化プロセスに耐性のある下部電極2を
提供できることである。すなわち、貴金属酸化物薄膜1
7bは、その直下に配された貴金属薄膜17aの酸化防
止層としての役割をも果たしていると考えられる。
【0064】以上述べたように、酸化物単結晶基板14
上に下部電極2として貴金属酸化物薄膜17b/貴金属
薄膜17aを形成することにより、光電変換層3形成時
の酸素雰囲気プロセスにおいて下部電極2が既に安定な
酸化物として形成されているため、表面平坦性に優れ、
導電性に劣る反応生成物などがなくかつ光電変換層3を
還元することがないため酸素欠損が下部電極2により引
き起こされることのない良質な光電変換層3が得られる
ばかりでなく、かつ、下部電極2、光電変換層3ともに
優れた結晶性を示す膜が得られることを示した。
【0065】さらに、貴金属酸化物薄膜17b/貴金属
薄膜17aという構造にしたことにより、下部電極2の
抵抗がほぼ貴金属薄膜単体で得られる抵抗値にまで減少
するため(酸化物薄膜の抵抗値の約1/10)、受光素子全
体のインピーダンスを低減でき、より高速動作に適した
受光素子が得られる。
【0066】このような、貴金属酸化物薄膜17b/貴
金属薄膜17aとしては、ここに示したIrO2/Irの他
に、PtO /Pt、ReO3/Re、RuO2/Ru、OsO2/Os、PdO/P
d、Rh2O3/Rhが好ましく、またこれらの貴金属からなる
貴金属合金酸化物薄膜/貴金属合金薄膜も同様に好適で
ある。
【0067】<実施形態5>実施形態5として、非酸化
物半導体単結晶基板18上にバッファ層を介して酸化物
薄膜からなる下部電極2、酸化物薄膜からなる光電変換
層3を順次形成した受光素子について説明する。◆ま
ず、比較のために、図9(a)に、非酸化物半導体単結
晶基板18上に下部電極2を形成し、さらに酸化物薄膜
からなる光電変換層3を形成し、最後に透明上部電極4
を形成した概略断面構造図を示した。
【0068】繰り返し述べたように、光電変換層3は高
温、酸化雰囲気プロセスにより形成されるため、下部電
極2として貴金属などの耐酸化性の強い材料を用いた場
合においても、光電変換層3形成プロセス時に酸素が基
板と下部電極2との界面にまで拡散しそこで反応がおこ
るために図9(b)の断面拡大図に示すように基板と下
部電極2の酸化に伴う下部電極2の表面粗さの増大など
が発生し高品質な薄膜を得ることが難しい。また、下部
電極2に予め導電性酸化物薄膜16を形成できれば、光
電変換層3形成時にはこの導電性酸化物薄膜16自体が
酸素拡散を防止する役割りを果たすことが期待される
が、導電性酸化物薄膜16形成プロセスにおいて既に基
板表面が酸化反応により荒れてしまうという問題が生じ
てしまう。このため、Siなどの量産され、大面積かつ
低コストの単結晶基板を利用した受光素子の作製は、基
板と膜との熱膨張差による歪みの問題もあり難しい。
【0069】ここで、非酸化物単結晶基板18と下部電
極2との間にバッファ層を形成することにより、上記の
酸化反応の抑制及び熱膨張差による歪み等を緩和できる
ことを説明する。
【0070】最初に、バッファ層として酸化物を用いた
例を説明する。図10は酸化物のバッファ層を用いた素
子の概略断面構造図である。非酸化物単結晶基板16上
に酸化物バッファ層19aを形成し次いで酸化物バッフ
ァ層19bを形成した上に導電性酸化物薄膜16からな
る下部電極2を形成し、光電変換層3、透明上部電極4
を形成している。
【0071】ここでは、非酸化物単結晶基板18として
Si基板、酸化物バッファ層19aとして熱酸化膜Si
O2(100nm)、酸化物バッファ層19bとしてSrTiO3
(50nm)、導電性酸化物薄膜16としてSrRuO3薄膜
(200nm)をスパッタ法により形成した。さらに、光
電変換層3であるPr0.7Ca0.3MnO3薄膜(100nm)をレ
ーザーアブレーション法により750℃の酸素雰囲気中で
形成し、最後に透明上部電極4としてITOを形成し
た。
【0072】上記素子においても、3Vの電圧を印加し
ながら、波長400nm、パルス幅が5nsecのレーザ
光を1〜10μWの範囲で照射したところ、全ての光パル
スを検出することを確認した。
【0073】この素子構造の断面を電子顕微鏡にて観察
したところ、界面の乱れや表面粗さの増大などはなく、
不要な生成層なども観察されなかった。これは、Si表
面に熱酸化膜を形成することにより、まず基板表面での
酸化反応を抑制できたことによると考えられる。
【0074】さらに、X線回折により膜の結晶性を調べ
たところ、SrRuO3 、Pr0.7Ca0.3MnO 3ともに優れた結晶
性を示すことが確認された。これは、酸化物バッファ層
19bとしてSrTiO3が、下部電極2であるSrRuO3の結
晶化に際し十分な役割を果たしたと考えられる。また、
SiO2上に酸化物ペロブスカイト薄膜を形成した場合、
熱膨張差による歪みによって膜が剥離したり、クラック
が発生することはよく知られているのだが、ここではそ
のような問題が発生せず、これも酸化物バッファ層19
bとしてSrTiO3が歪みの緩和層として作用しているた
めと考えられる。
【0075】以上説明したように、基板と下部電極の間
にバッファ層を配することにより、基板と下部電極2と
の格子定数、熱膨張係数の整合性を調整することができ
るため、(1)格子定数の違い、熱膨張係数の違いによ
り発生する歪みによるクラック、剥離、基板と下部電極
2間での相互拡散(物質化学的反応)等を抑制すること
ができ、(2)平坦性、結晶性に優れた比抵抗の小さい
下部電極2が形成でき、(3)下部電極2が光電変換層
3の結晶性の向上に寄与することにより結晶性に優れた
光電変換層3(酸化物薄膜)が、(4)Si等の量産さ
れ安価かつφ300mmもの大口径半導体単結晶基板上にも
形成可能となり、ウエハ辺りの素子数を増やすことがで
きるため、安価かつ高速、高性能な受光素子が得られ
る。
【0076】このようなバッファ層として、酸化物バッ
ファ層の例を示したが、酸化物バッファ層としては、Y
SZ(イットリア安定化ジルコニア)、CeO2、などをS
iO2熱酸化膜と組み合わせて用いることも可能であり、
その他にも例えばIrO2/Ir/SiO2などの金属薄膜を含
む構成であっても勿論構わない。さらに密着性を向上さ
せるためにTiなどの密着層を挿入してもよい。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、該光電変換層に作用す
る電界強度(kV/cm)を極めて高く作用させることが可
能になるため、駆動電圧の低減(5V以下)が可能にな
る。
【0078】また、薄膜構造から与えられる歪みによ
り、酸素八面体構造の歪みを発生させることで、光電変
換層3の電気伝導率に異方性を発現させることが可能に
なり、電極間方向の電気伝導率を高くすることができる
ため動作速度の高速化(応答速度<1nsec)が可能
になる。さらに、検出可能な下限光量が小さくなるた
め、光ディスクの信号検出に必要な数μWの光量検出が
容易になる。
【0079】さらに、酸素八面体が形成する配位子場で
あるeg軌道とt2g軌道のバンド差が2〜3eVと大きいため
熱輻射による暗電流(光非照射時のバイアス印加下での
電流)が極めて小さくノイズの少ない受光素子が得られ
る。
【0080】また、下部電極及び基板として、導電性を
示す酸化物単結晶基板を用いることにより、結晶性の優
れた光電変換層を作製できるため高速、低電圧動作可能
な受光素子が得られる。
【0081】さらに、下部電極として、酸化物単結晶基
板上に少なくとも導電性酸化物薄膜を形成することによ
り、光電変換層の作製プロセスである高温、酸化雰囲気
プロセスに耐性があり、かつ光電変換層の結晶性をアシ
ストすることができるため高速、低電圧動作可能な受光
素子が得られる。
【0082】また、下部電極として、酸化物単結晶基板
上に貴金属及び貴金属合金薄膜、貴金属及び貴金属合金
の酸化物薄膜を順次形成することにより、高温、酸化雰
囲気プロセスに耐性があり、かつ、下部電極自体の比抵
抗が小さくできるため高速動作可能な受光素子が得られ
る。
【0083】また、基板と下部電極との間にバッファ層
を形成することにより、Si等の量産され安価かつφ30
0mmもの大口径半導体単結晶基板上にも形成可能とな
り、ウエハ辺りの素子数を増やすことができるため、安
価かつ高速、高性能な受光素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】素子構造の概略断面図である。
【図2】光電変換層の電気伝導率異方性を示す図であ
る。
【図3】(a)は下部電極の格子上に形成された光電変換
層の格子を示す概略断面図であり、(b)は膜厚方向に応
力が発生した時の光電変換層の格子変形を示す概略断面
図である。
【図4】(a)はペロフスカイト構造(ABX3)を示す図
であり、(b)は酸素八面体構造を示す図であり、(c)は酸
素八面体構造に一軸方向に応力が加えられたときの構造
変形を示す図である。
【図5】膜厚方向に応力が発生した時の光電変換層にお
ける酸素八面体構造の構造変形を示す図である。
【図6】(a)は導電性酸化物単結晶基板上を用いた素子
構造の概略断面図であり、(b)は導電性酸化物単結晶基
板上を用い、一対の上部透明電極を作製した素子構造の
概略断面図である。
【図7】(a)は遷移金属薄膜を下部電極として用いた素
子構造の拡大断面図であり、(b)は導電性酸化物薄膜を
下部電極として用いた素子構造の拡大断面図である。
【図8】(a)は貴金属酸化物薄膜/貴金属薄膜を下部電
極として用いた素子構造の概略断面図であり、(b)は貴
金属酸化物薄膜/貴金属薄膜を下部電極として用いた素
子構造の拡大断面図である。
【図9】(a)は非酸化物単結晶基板上に形成した素子構
造の概略断面図であり、(b)は非酸化物単結晶基板上に
形成した素子構造の拡大断面図である。
【図10】バッファ層を用いた素子構造の概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 下部電極 3 光電変換層 4 透明上部電極 5 下部電極の格子 6 光電変換層の格子 7a 膜面内方向応力 7b 膜厚方向応力 8 A原子 9 B原子 10 X原子 11 酸素八面体 12 変形方向 13 導電性酸化物単結晶基板 14 酸化物単結晶基板 15 酸化層 16 導電性酸化物薄膜 17a 貴金属薄膜 17b 貴金属酸化物薄膜 18 非酸化物半導体単結晶基板 19a 酸化物バッファ層(熱酸化膜SiO2) 19b 酸化物バッファ層(SrTiO3膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小嶋 邦男 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5F049 MA20 MB01 PA06 PA07 PA11 PA20 SE04 SS01 SS02 WA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に下部電極、光電変換層、透明上
    部電極をその順に積層した構造において、該光電変換層
    が絶縁体金属転移を示す酸化物薄膜からなることを特徴
    とする受光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の受光素子において、前記
    光電変換層の電気伝導率が異方性を示すことを特徴とす
    る受光素子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の受光素子において、前記
    光電変換層の電極間方向の電気伝導率が電極間に垂直方
    向の電気伝導率よりも高いことを特徴とする受光素子。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3記載の受光素子
    において、前記光電変換層が酸素八面体構造を含み、か
    つ、光電変換層の電気伝導率異方性が酸素八面体構造の
    歪によって誘起されることを特徴とする受光素子。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4記載の受光素子に
    おいて、下部電極及び基板として、導電性酸化物単結晶
    基板を用いることを特徴とする受光素子。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項4記載の受光素子に
    おいて、下部電極として、酸化物単結晶基板上に導電性
    酸化物薄膜を形成してなることを特徴とする受光素子。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の受光素子において、下部
    電極として、酸化物単結晶基板上に貴金属及び貴金属合
    金薄膜、貴金属及び貴金属合金の酸化物薄膜を順次形成
    してなることを特徴とする受光素子。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項4に記載の受光素子
    において、非酸化物半導体単結晶を基板として用い、該
    基板と下部電極との間にバッファ層を形成してなること
    を特徴とする受光素子。
JP11121100A 1999-04-28 1999-04-28 受光素子 Pending JP2000312023A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11121100A JP2000312023A (ja) 1999-04-28 1999-04-28 受光素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11121100A JP2000312023A (ja) 1999-04-28 1999-04-28 受光素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000312023A true JP2000312023A (ja) 2000-11-07

Family

ID=14802884

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11121100A Pending JP2000312023A (ja) 1999-04-28 1999-04-28 受光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000312023A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100714115B1 (ko) 2005-07-29 2007-05-02 한국전자통신연구원 급격한 mit 소자, 그 소자를 이용한 고전압 잡음제거회로 및 그 제거회로를 포함한 전기전자시스템
JP2008221088A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Yokohama National Univ 酸化物触媒及びそれを用いた気体中の有機物成分の分解方法
CN107681016A (zh) * 2017-09-19 2018-02-09 北京师范大学 电压控制的、光电导呈正负可逆变化的薄膜器件及调控法
JP2018078280A (ja) * 2016-11-08 2018-05-17 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 高い光電変換効率と低い暗電流とが具現可能なイメージセンサ
CN107681016B (zh) * 2017-09-19 2024-06-07 北京师范大学 电压控制的、光电导呈正负可逆变化的薄膜器件及调控法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100714115B1 (ko) 2005-07-29 2007-05-02 한국전자통신연구원 급격한 mit 소자, 그 소자를 이용한 고전압 잡음제거회로 및 그 제거회로를 포함한 전기전자시스템
JP2008221088A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Yokohama National Univ 酸化物触媒及びそれを用いた気体中の有機物成分の分解方法
JP2018078280A (ja) * 2016-11-08 2018-05-17 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 高い光電変換効率と低い暗電流とが具現可能なイメージセンサ
JP7226910B2 (ja) 2016-11-08 2023-02-21 三星電子株式会社 高い光電変換効率と低い暗電流とが具現可能なイメージセンサ
CN107681016A (zh) * 2017-09-19 2018-02-09 北京师范大学 电压控制的、光电导呈正负可逆变化的薄膜器件及调控法
CN107681016B (zh) * 2017-09-19 2024-06-07 北京师范大学 电压控制的、光电导呈正负可逆变化的薄膜器件及调控法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3435966B2 (ja) 強誘電体素子とその製造方法
TWI413240B (zh) A solid-state imaging device, a manufacturing method thereof, and an image pickup device
TWI263777B (en) Ultraviolet sensor and method for manufacturing the same
CN109923687A (zh) 包含金属氧化物缓冲层的太阳能电池和制造方法
JPH09500234A (ja) 配向されて成長した焦電性の層を有するパイロ検出素子およびその製造法
US9748425B2 (en) Photoelectric conversion element and photovoltaic cell
US7365327B2 (en) Electromagnetic radiation sensor and method for fabricating the same
CN113678268A (zh) 肖特基势垒型红外光电探测器
KR102128379B1 (ko) 엑스레이 검출 패널 및 그 제조방법
JPS63271984A (ja) 光メモリ、光記録方法および光メモリの製法
JP6575997B2 (ja) 光電変換素子、光電変換素子の製造方法、固体撮像素子
US7932505B2 (en) Perovskite transition metal oxide nonvolatile memory element
JP2000312023A (ja) 受光素子
JP2006229052A (ja) 太陽電池とその製造方法及びこれに用いる短絡部除去装置
JP2005109473A (ja) 相変化ダイオードメモリセルを使用する超高密度データ記憶装置およびその製造方法
JP2019024057A (ja) 固体撮像素子およびその製造方法
JPS61217087A (ja) 液晶表示装置用非線形抵抗素子
JP7344086B2 (ja) 光電変換素子及びその製造方法並びに積層型撮像素子
JP7457508B2 (ja) 固体撮像素子およびその製造方法
JP5731869B2 (ja) 半導体紫外線受光装置
JP2663568B2 (ja) マトリックス型赤外線固体撮像装置の製造方法
JP2896788B2 (ja) 光検出素子
JP3241798B2 (ja) 超電導デバイスの製造方法
JP3107322B2 (ja) 超電導デバイスの製造方法
JP2737008B2 (ja) 光検出素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051201

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20071205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080916