JP2006229052A - 太陽電池とその製造方法及びこれに用いる短絡部除去装置 - Google Patents

太陽電池とその製造方法及びこれに用いる短絡部除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】短絡部除去の影響を及ぼす範囲をできるだけ非連続的にした太陽電池とその製造方法及びこれに用いる短絡部除去装置を提供する。
【解決手段】上部電極層と光電変換層と下部電極層を含む太陽電池において、前記光電変換層に生じた電気的短絡部分を、光電変換層及び光電変換層上に形成された透明電極層とともに、刃物又は熱拡散のないレーザ光により除去する。この除去装置の一例は、フェムト秒レーザ(41)と、減衰器(42)と、光電流測定装置(45)とを備え、レーザの出力を落とした状態で光電変換層上を走査して光電流を測定し、光電流の極小部位においてレーザの出力を一時的に高くする。これにより、光電変換層の中の短絡部が周りに熱的影響を与えることなく、すなわち除去による周辺部での新たな漏れ電流の発生を抑えた状態で除去できる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ロットの歩留まり向上を目的とする太陽電池とその製造方法及びこれに用いる短絡部除去装置に関するものである。
従来の太陽電池としては、各種太陽電池のうち、化合物半導体太陽電池やアモルファスシリコン太陽電池は、大面積に製造でき、製造コストも安価である一方、大面積なものになると、電気的に短絡した箇所が多く発生し、歩留まりを悪くする原因となる。特に、ステンレス基板などの金属基体が用いられている場合には基板に多数の傷痕や凹凸があり、製造工程中に於ける製造装置内壁から発生するダストが表面に付着するなどの要因で、数十nm〜数百nmの半導体層がこのような表面を完全にカバーし難くピンホールが発生して短絡を発生させることが知られている。また、光電変換層が多結晶の場合には粒界が存在して短絡経路になることも知られている。このいずれの短絡も歩留りを著しく低下させることが知られている。
それら太陽電池素子に形成されている典型的な構造を以下に記す。図2Aは、p型層とn型層とが上部電極により分路的に短絡している例を示すものであり、21は上部電極、22aはn型光電変換層、22bはp型光電変換層、23は下部電極つきの基板、24は短絡部である。図2Bは、下部電極と上部電極が短絡している例を示すものであり、同じく21は上部電極、22aはn型光電変換層、22bはp型光電変換層、23は下部電極つきの基板、24は短絡部である(例えば、特許文献1参照)。
これらのような構成では、上部電極21の表面側から入射した光により、光電変換層に発生した電流は、太陽電池素子内に上記短絡部24より形成される閉回路で消費されるために、充分な光電変換機能を発揮できない。
これらの問題を解決するために、短絡部を除去する方法がいくつか考えられている。その方法は、検出工程と除去工程とに分かれており、検出としては、微細な光(レーザビーム含む)を太陽電池表面に当てて生じる光電流を測定することにより同定する方法(laser beam induced current法:LBIC法など)や、太陽電池に電流を流して短絡部に発生するジュール熱を赤外線検出装置を用いて同定する方法などがあった(例えば、特許文献2の従来技術参照)。
除去としては、位置を同定された微小な短絡部に対し、レーザ光を用いてその部分にレーザを照射することにより、ピンホール部を加熱し、飛散させる方法があった(例えば、特許文献2参照)。図5は、前記特許文献2に記載された従来の短絡部除去装置を示すものである。図5において、51〜52はアモルファス太陽電池であり、熱画像測定部53と制御部55で熱画像により短絡部を同定し、54〜57のレーザ加工装置で短絡部を除去していた。
検出と除去を同時に行う方法として、一つ目の例として、pn接合やpin接合などの起電力半導体層に対して、逆方向にバイアス電圧を印加する方法である(例えば、特許文献3参照)。こうすることにより、短絡部(以下ピンホールと呼ぶ)に電流が集中し、その結果、ジュール熱が発生して短絡部の金属が酸化して絶縁層となるか、あるいはその際の熱によって、その部分の金属が飛散してしまうことにより、ピンホール部の欠陥を消滅させるというものがあった。この方法は検出装置が不要なことや、コスト的に安価で且つ簡便であることが特徴である。
図6は、前記特許文献3に記載された従来の短絡部除去装置を示すものである。図6において、61は下部電極つき基板,62a,bは光電変換層、63は上部電極であり、以上は太陽電池の基本構成部位であり、64は逆バイアスを印加する電極であり、下部電極61と逆バイアス印加電極64との間に耐電圧以下の電圧を印加して短絡部65を除去していた。
2つ目の例として、導電性基体又は裏面電極をカソード電極として電解還元し、裏面電極と透明導電層が短絡している箇所周辺の透明導電層を還元し、これを電解液中に溶解するようにするものがあった(例えば、特許文献4参照)。図7は、前記特許文献4に記載された従来の短絡部除去装置を示すものである。図7において、71は下部電極、72aはn型光電変換層、72bはp型光電変換層、73は上部電極層、74は電解液、75は上部電極と下部電極との間の短絡経路、76は電解還元用の太陽電池と対向する電極、77は容器である。
特開2000−36610号公報(第2頁、図3,4) 特開平08−037317号公報(第2頁、図4) 特開平10−012901号公報(第2頁、図1) 特開2004−241618号公報(第4−5頁、図1、3)
しかし、前記従来の構成では除去の際には、いずれの場合も作用に対して効果に閾値が存在する反応系であるために、閾値以下の領域での物質の状態の劣化が発生し、別の形態での漏れ電流が発生していた。たとえば、レーザアブレーションではピンホール部を加熱する際に加熱領域周辺が熱で溶けて変質するという問題や、熔けた導電膜が再付着して新たな短絡部が発生するという問題があった。また、電解エッチングでは、集電電極が前記透明導電層の溶解箇所の上に形成されると再度短絡が発生するという問題があった。また、逆バイアスを欠ける方法では、ジュール熱によってピンホール部を酸化あるいは飛散させることにより、短絡箇所が絶縁した状態になるものの、電圧の印加時間、印加電圧値などの条件により、必ずしも全ての短絡箇所が絶縁状態になるわけではないという問題があった。また、電圧を印加していく過程で、耐電圧以上の電圧を印加してしまい、太陽電池の素子を破壊してしまうという問題や、発熱が大きすぎて飛散が発電層にのみ偏りいっそうピンホール部を大きくしてしまうという問題があった。また、以上の例では、共通して、端部の絶縁状態を向上させるという課題や、除去後の表面形状の凹凸が太陽電池特性に与える影響の問題が残っている。さらに、検出と除去を別々の方法で行うときには、前記従来の構成ではサンプルの付け替えや、装置間の位置情報のやり取りで、位置ズレをなくすという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、短絡部除去の影響を及ぼす範囲をできるだけ非連続的にした太陽電池とその製造方法及びこれに用いる短絡部除去装置を提供する。
本発明の太陽電池は、上部電極層と光電変換層と下部電極層を含む太陽電池において、前記光電変換層に生じた電気的短絡部分を、光電変換層及び光電変換層上に形成された透明電極層とともに、刃物又は熱拡散のないレーザ光により除去したことを特徴とする。
本発明の太陽電池の製造方法は、上部電極層と光電変換層と下部電極層を含む太陽電池の製造方法において、前記光電変換層に生じた電気的短絡部分を検査により探し、光電変換層及び光電変換層上に形成された透明電極層とともに、刃物又は熱拡散のないレーザ光により除去することを特徴とする。
本発明の除去装置は、上部電極層と光電変換層と下部電極層を含む太陽電池の前記光電変換層に生じた電気的短絡部分を除去する装置であって、光電変換層にレーザを出力を下げた状態で照射し、前記光電変換層の上下に形成された電極層を通して得られた信号を、前記レーザの出力として制御する手段を含むことを特徴とする。
本発明の別の除去装置は、上部電極層と光電変換層と下部電極層を含む太陽電池の前記光電変換層に生じた電気的短絡部分を除去する装置であって、光電変換層に微細光を照射する手段と、前記光電変換層を物理的に除去する除去手段と、前記光電変換層の上下に形成された電極層を通して得られた信号を、前記除去手段に加えることを特徴とする。
本発明によれば、電気的短絡により太陽電池素子の変換効率の低下を防止し、規格値割れするモジュールも少なくなり、歩留まりの向上が出来る。また、スキャンによる短絡部検出ステップにおいて引き続き除去を行うことにより、位置ズレをなくすことができるという効果がある。
本発明の太陽電池は、図1A−Bに示す除去された領域(11)を含む光電変換層(12a,b)を備え、前記光電変換層の除去端面が変質層を備えない構成とする。本構成によって、上部電極の表面側から入射した光により光電変換層に発生した電流は、太陽電池素子内の短絡部で消費されることがないために、光電変換機能を向上させることができる。
ここで、本発明における太陽電池のpn接合部の一例除去方法は、光電変換層あるいは光電変換層上に形成された透明電極層33に対して、鋭利な刃物35を接触させる。本構成によって、除去端部を変質させずに太陽電池のpn接合部の除去を可能にできる。
また、本発明における太陽電池のpn接合部の一例除去方法は、光電変換層44に対して直接、あるいは光電変換層上に形成されている透明電極層を通して、レーザの吸収により生じる変化の寸法が熱拡散の寸法よりも十分に短くなる条件の前記レーザ光43を照射する構成とする。本構成によって、除去端部を変質させずに太陽電池のpn接合部の除去を可能にできる。
さらに、本発明における太陽電池の短絡部除去装置は、光電変換層44にレーザを出力を減衰器42を通して低くした状態で照射し、前記光電変換層の上下に形成された電極層を通して得られた信号45を、前記レーザの出力に反映させる。本構成によって、位置ずれを発生させることなく太陽電池のpn接合部を除去ができる。
ここで、前記方法を可能にするために、光電変換層からの信号により前記加工用レーザの極短パルス発生器のミラーの向きを変位させたり、光路の途中に非線形光学素子を置き、その屈折率を制御する信号に変換する。本構成の装置により、加工用レーザの出力を大きく変化させることが出来、加工用レーザと検査用レーザとを兼用することが出来る。
また、本発明における太陽電池の短絡部除去装置は、光電変換層33に微細光を照射する手段31と、前記光電変換層を物理的に除去する除去手段35と、前記光電変換層の上下に形成された電極層を通して得られた信号34を、前記除去手段に反映させる手段とを有する。本構成によって、位置ずれを発生させることなく太陽電池のpn接合部を除去ができる。
本発明においては、除去された領域が前記光電変換層の少なくともpn接合部であることが好ましい。
また、除去された領域の面積が、受光面積に対して0.05%以上10%未満であることが好ましい。
また、レーザのパルス幅が10フェムト秒以上1ピコ秒以下の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、光電変換層及び光電変換層上に形成された透明電極層に熱拡散の悪影響を与えないからである。
また、レーザの出力を下げた状態で前記光電変換層に照射し、前記光電変換層の上下に形成された電極層を通して得られた信号を前記加工用レーザの出力として制御に加えることが好ましい。
また、加工用レーザの出力として制御に加える方法が、前記信号により前記加工用レーザのビーム増幅器の同調を変化させることが好ましい。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
実施形態1の製造方法では、まず、図8Aに示すように、少なくとも表面が絶縁性である帯状の基板81上に下部電極膜82を形成する(工程(i))。基板81には、たとえばポリイミドフィルムや表面に絶縁層が形成された金属基板を用いることができる。たとえば、SiO2などからなる絶縁層を表面に形成した可撓性を有するステンレス基板を用いることができる。基板81として、ロールに巻き取ることができる程度の可撓性を有する基板を用いることによって、ロール状に巻かれた基板を送り出して加工(成膜やパターニングなど)したのち、再びロール状に巻き取るロール・ツー・ロール方式で太陽電池を製造できる。下部電極膜82は、金属で形成でき、たとえばMoで形成できる。下部電極膜82は、スパッタリング法や蒸着法で形成できる。
次に、図8Bに示すように、下部電極膜82の一部を、基板81の長手方向と直交する方向にストライプ状に除去することによって、複数の短冊状の下部電極82aを形成する(工程(ii))。下部電極膜82の除去は、メカニカルスクライブ法や、レーザースクライブ法や、リフトオフ法によって行うことができる。
次に、図8Cに示すように、複数の下部電極82aを覆うように、I族元素とIII族元素とVI族元素とを含む光電変換層83aを形成する(工程(iii))。光電変換層83aは、蒸着法などの一般的な方法で形成できる。光電変換層83aはpn接合を有し、吸収した光を電力に変える機能を持つ。I族元素にはCuを用いることができ、III族元素にはIn及びGaから選ばれる少なくとも1つの元素を用いることができ、VI族元素にはSe及びSから選ばれる少なくとも1つの元素を用いることができる。より具体的には、光電変換層83aは、Cu(In,Ga)Se2、Cu(In,Ga)3Se5又はCu(In,Ga)5Se8や、これらのCuと(In,Ga)との組成比が変化した化合物、又はこれらのSeの一部をSで置き換えた化合物で形成できる。
これらCIS系太陽電池においては一般的に半導体層自体のシート抵抗は高いために光電変換層全面にわたる透明な上部電極84を必要とし、通常は可視光に対する透明性と電気伝導度性に優れた特性を持つSnO2,In23,ITO(In23+SnO2)、ZnO:Al膜等を用いる。該上部電極84のシート抵抗としては100Ω/□以下であることが望ましい。これらの作製方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタリング法、スプレー法等を用いることができる。
このCIS系太陽電池等の多結晶太陽電池やアモルファス太陽電池は、表面凹凸が大きく、ピンホール状の欠陥(短絡的性質を有することが多い)が多いことがわかっている。この欠陥上に抵抗率の低い透明導電膜を上部電極層84として形成することにより、欠陥部分に流れ込む電流はかなり大きなものとなる。これを図2A−Bに示す短絡部24と呼ぶ。
ここで、短絡部24の位置が透明導電体層上に設けたグリッド電極から離れている場合は、短絡部24に流れ込む時の抵抗が大きいため電流損失は比較的少ないが、逆に短絡部24がグリッド電極の下にある場合は短絡部により損失する電流はより大きなものとなる。
また、完全な短絡とはいかないまでも、短絡的部位においては、太陽電池の使用時間の経過と共に次第に電気抵抗が低下し、光電変換効率等の特性が劣化する現象も見られることがわかっている。これは、水分が存在すると水分との相互作用によりイオン性の物質が生成するためであることが知られている。
次に、図8Dに示すように、下部電極82aと光電変換層83aとを用いて、基板81の長手方向に直列接続された2以上のユニットセル85を形成する(工程(iv))。具体的には、短冊状の多層膜83と短冊状の上部電極84とを形成したのち、上部電極84(及び光電変換層83)をパターニングする。透明電極84は、ITO(Indium Tin Oxide)などで形成できる。ユニットセル85の電極82aは、隣接するユニットセル85の透明電極84と接続しており、これによって隣接するユニットセル85が直列接続される。
本実施の形態では太陽電池としてCIS系の例を示したが、単一結晶若しくは多結晶半導体又はアモルファス半導体のいずれも用いることができ、さらには、基板上に形成された多結晶半導体薄膜であっても良い。具体的には結晶系の場合、例えばCISやシリコンやGaAs等が好適に用いられ、また、アモルファス系の場合、シリコンやシリコンゲルマニウムなどが好適に用いられる。
結晶系太陽電池の場合は一般的に基板を必要としないが、アモルファス半導体や一部の多結晶半導体の場合は薄膜であるため基板上に堆積される。例えばCIS系太陽電池の場合は、基板上に薄膜のp層、n層から成る半導体接合を形成する。さらに、分光感度や電圧の向上を目的として接合を2以上積層したいわゆるタンデム式であっても良い。前記基板材料がガラスやセラミックスのように絶縁性である場合には下部電極として導電性の層を設ける。
また、前記基板材料が導電性である場合、下部電極を設ける必要はない。導電性の基板材料としてはFe,Ni,Cr,Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pb等の金属若しくはこれらの合金、例えば真鍮、ステンレス鋼等の薄板又はその複合体が挙げられる。
短絡部の特定と除去には、図3に示す太陽電池短絡部除去装置を用いた。短絡不良部位を特定するために、光電変換層33にレンズ32で0.2mm径に絞った50mWの光源31(水銀ランプ)を0.2mm間隔で照射し、発生する光電流を微小電流計34で測定し、位置情報として記録した。光電流を取り出すために、上部透明電極に上部に取り出し電極として金を蒸着している。また、光電流測定時に負荷抵抗を流れる電流を測っているが。これは、負荷がゼロのときは不良部位と正常部位とで、光電流に差が見られない可能性もあるためであり、負荷抵抗を流れる電流を測定すると、より正確に短絡部を同定できる。
課題に記したように、太陽電池の上部電極と下部電極との間にある光電変換層が、ピンホール等により失われていて下部電極と上部電極が直接接触したり、半導体層が完全に失われていないまでも低抵抗なシャントとなっている場合には、光によって発生した電流が上部電極を平行に流れてシャント部の低抵抗部分に流れ込むことになり電流を損失することになる。この様な電流損失があると、上記方法で調べた太陽電池の短絡電流や開放電圧は低下するので短絡部を同定できる。
本実施例では集光した白色光を用いているが、LASER Beam Induced Current法(LBIC法)や、モノクロミック・ビーム・インデュースト・カレント法(MBIC法)、エレクトロン・ビーム・インデュースト・カレント法(EBIC法)、表面光起電力法(Surface Photo Voltage法:SPV法)、前記特許文献3に記載の逆バイアスを印加して短絡部での発熱を赤外線として検出する方法などの場合も同様に短絡部を同定できた。
除去方法としては、光電流の極小部位において、次ステップの光電流測定後に検出光の0.2mm後方に0.2mm幅の刃先35を接触させ、次の測定位置まで移動させる。このことにより、光電変換層33上を0.2mm刃物35が移動することになり、光電変換層33が0.2mm角の大きさで除去される。除去のメカニズムとしては、光電変換層と電極層の硬度さを利用したものであり、上部からの局所圧力、あるいは横面から局所圧力により光電変換部が電極部から剥離する物理現象を利用している。この刃物を押し当てて局所的な剥離を起こさせる方法は、除去後の端部に化学的に与える影響が最も少ない方法である。また、本実施の形態では、光電変換層と電極層の硬度が大きく違うために、ほとんどの場合すべての光電変換層が除去される。ここで、刃物の材料としては、ダイヤモンドや強化処理した金属などがあげられる。
pn接合をふくむこの光電変換層を除去した後、アセトンで洗浄し、乾燥をおこない、短絡箇所が除去された光起電力素子が完成される。除去方法としては、このほかレーザアブレーションなどの方法があるが、実施の形態2で詳しく説明する。
図9に除去前後の太陽電池特性の例を示す。図9に示す試料は、除去前の変換効率が12.0%と、一見して欠陥が無いように見えるサンプルであったが、面積比にして0.1%の光電流の極小部位を除去することにより、変換効率は13.0%であり、改善度では1.0%である。除去した面積の分発生するキャリア数は減少するが、短絡部に流れ込む電流(短絡部で再結合するキャリア)を減らすことができた。
前記除去された領域の面積は、受光面積に対して0.05%以上の場合に変換効率の向上度合いが実用的であった。また、除去する面積が10%以上の場合では、変換効率の向上はするものの、除去前の変換効率も極端に低いものであり、除去後の効率が正常部位に対して10%以上低いものとなるために実用的ではなかった。
また、あらかじめ上記方法で短絡部(光電流の極小部位)の位置情報を集めておき、その座標位置において刃先を接触させ、光電変換部表面の直交する2軸において±0.1mmの範囲を移動させた場合には、位置ズレの可能性は残るがpn接合を含む光電変換層の除去を行うことができ、同様の効率改善効果が見られた。
除去した部位に対しては、防湿などの対策の表面封止材としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル25重量%)と、安定剤、架橋剤、接着助剤、抗酸化剤を混合して処方組された、厚さ600ミクロンのEVAシートを、ラミネート装置を用いて除去された部位を有する太陽電池の表面に形成した。その際の代表的な形成条件は、真空度5Torrで150℃25分である。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2の太陽電池短絡部除去装置である。図4において、41〜43は短絡部を検出するための励起光源兼除去のためレーザ加工源であり、太陽電池の上部電極層を通して光電変換層44に照射する構成を保有している。
試料の作成方法は実施の形態1に記述したとおりであるので、ここでは省略する。作製した試料の短絡部を特定するために、チタンサファイアレーザの出力光をパルス圧縮器41cで100フェムト秒に圧縮できる装置を用い、そのレーザ光を減衰器42を通して5mJ/cm2にしたもの(波長は355nm、繰り返し周波数は1kHz)を用いてレンズ43を通して微細径にした。そのビームの直径は10μmである。加工される試料は電流出力を取り出すために、光電変換相乗に上部電極層上と集電電極(金)が形成されたものである。前記レーザ光を0.2mm間隔で走査しながら上部電極層を通して光電変換層に照射し、発生した光電流を微小電流計45で測定した。光電流の出力をモニターした。
光電流をレーザ出力に反映させる装置としては、まず光電流を電圧に変換する装置に入力する。また、その出力電圧は5Vで飽和する様に設定、あるいはデジタル回路を用いて95%以下の電流値になったときに5Vの電圧出力が出るように設計されているものを用いる。この電圧はパルス増幅器の共振ミラーの角度を変化させる装置に印加してあり、印加電圧なしではレーザ光41dの出力は5mJ/cm2であり、5Vの印加で丁度共振光路が形成されて出力が0.5mJ/cm2に増幅されるように調整されている。なお、このように共振状態をずらす方法は、加工用レーザのダイナミックレンジの広い出力調整に効果が大きい。
前記レーザ光を光電変換層に照射して光電変換層を加熱蒸発させて除去した。ここで、レーザのパルス幅は100フェムト秒であるので、光電変換層あるいは光電変換層上に形成された透明電極層に対して、レーザの吸収により生じる変化の寸法は、熱拡散の寸法よりも十分に短い。そのため、ビームを吸収して発生した熱が周辺部に伝わるよりも早く、ビームを吸収した領域が加熱されて蒸発することになる。その結果、除去後の端部の走査型電子顕微鏡観察や断面のEBIC観察において質的変化は観測されてなかった。
ここで、チタンサファイアレーザの増幅器の同調をずらして強度への反映を行っているが、減衰器としてはこのほか、電圧によって屈折率の変化する光学非線形素子などを光路に垂直でない方向に挿入して、電圧印加時に同調をずらす方法でも同様の効果が得られた。
ここで加工時のレーザのパルス幅は100フェムト秒であるが、パルス幅は10フェムト秒から1ピコ秒の範囲である場合に、除去した周辺の端部の変質が無く、除去後の端面における短絡が発生しなかった。
ここで、極短パルスレーザとしてチタンサファイアレーザを用いているが、このほか自由電子レーザやサイクロトロン放射光のパルスを時間圧縮して用いる方法でも同様の効果がある。また、検出のレーザと加工のレーザを共用するために、位置ズレがまったく起こらない。
本実施例では波長として355nmの光を用いているが、光電変換層が吸収する波長の光であればどの波長でもよい。また、波長を変化させることにより、光吸収係数の違いから除去の深さを制御することができる。
除去後は、アセトンで洗浄及び乾燥をおこない、短絡箇所が除去された光起電力素子が形成する。その後の工程は実施の形態1に記述したとおりであるので、ここでは省略する。
[産業上の利用可能性]
本発明にかかる太陽電池は、化石燃料の代替エネルギー源としての利用形態を有し、地球環境保護等として有用である。また携帯用機器の電源等の用途にも応用できる。
図1A−Bは本発明の実施の形態1における太陽電池の斜視図と断面図であり、図1Aはpn接合部が短絡している場合の短絡部を除去した太陽電池の斜視図と断面図、図1Bは上部電極層と下部電極層とが短絡している場合の短絡部を除去した太陽電池の斜視図と断面図である。 図2A−Bは従来技術における太陽電池の短絡の断面図であり、図2Aはpn接合部が短絡している場合の太陽電池の断面図、図2Bは上部電極層と下部電極層とが短絡している場合の太陽電池の断面図である。 図3は本発明の実施の形態1における太陽電池の短絡部の除去装置の模式的斜視図である。 図4は本発明の実施の形態2における太陽電池の短絡部の除去装置の模式的斜視図である。 図5は従来の太陽電池の短絡部の除去方法のを示す一部切り欠き図であり、検出方法として赤外線検出装置と除去方法としてレーザ加工装置を用いた例である。 図6は従来の太陽電池の短絡部の除去方法を示す断面図であり、検出と除去を兼ね備えた逆バイアス印加装置を用いた例である。 図7は従来の太陽電池の短絡部の除去方法を示す断面図であり、検出と除去を兼ね備えた電解溶出装置を用いた例である。 図8A−Dは本発明の実施の形態1における太陽電池の製造方法の模式的工程図であり、図8Aは下部電極の形成工程、図8Bは下部電極のスクライブ工程、図8Cは光電変換層の形成工程、図8Dは完成図である。 図9は本発明の実施の形態1における太陽電池の短絡部位除去前後の電流電圧特性である。
符号の説明
11,21,63,73 上部電極層
12a,22a,62a,72a n型光電変換層
12b,22b,62b,72b p型光電変換層
13,23,61,71 下部電極層
14 除去部
24,65,75 短絡部
31 光源
32 レンズ
33,44,83,83a 光電変換層
34 光電流測定装置
35 スクライブ装置(刃物)
41 フェムト秒レーザ
42 減衰器
43,57 集光レンズ
45 光電流測定装置
51 透明基板
52 太陽電池
53 赤外線発生位置検出装置
54 加工用レーザ
55 制御装置
56 ミラー
64 逆バイアス印加電極
74 電解液
76 対向電極
77 容器
81 基板
82,82a 下部電極
84 上部電極
85 ユニットセル

Claims (10)

  1. 上部電極層と光電変換層と下部電極層を含む太陽電池において、前記光電変換層に生じた電気的短絡部分を、光電変換層及び光電変換層上に形成された透明電極層とともに、刃物又は熱拡散のないレーザ光により除去したことを特徴とする太陽電池。
  2. 前記除去された領域が前記光電変換層の少なくともpn接合部である請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記除去された領域の面積が、受光面積に対して0.05%以上10%未満である請求項1又は2に記載の太陽電池。
  4. 上部電極層と光電変換層と下部電極層を含む太陽電池の製造方法において、前記光電変換層に生じた電気的短絡部分を検査により探し、光電変換層及び光電変換層上に形成された透明電極層とともに、刃物又は熱拡散のないレーザ光により除去することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  5. 前記除去された領域が前記光電変換層の少なくともpn接合部である請求項4に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記レーザのパルス幅が10フェムト秒以上1ピコ秒以下の範囲である請求項4に記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記レーザの出力を下げた状態で前記光電変換層に照射し、前記光電変換層の上下に形成された電極層を通して得られた信号を前記加工用レーザの出力として制御に加える請求項4〜6のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  8. 前記加工用レーザの出力として制御に加える方法が、前記信号により前記加工用レーザのビーム増幅器の同調を変化させる請求項7に記載の太陽電池の製造方法。
  9. 上部電極層と光電変換層と下部電極層を含む太陽電池の前記光電変換層に生じた電気的短絡部分を除去する装置であって、
    光電変換層にレーザを出力を下げた状態で照射し、前記光電変換層の上下に形成された電極層を通して得られた信号を、前記レーザの出力として制御する手段を含むことを特徴とする太陽電池の短絡部の除去装置。
  10. 上部電極層と光電変換層と下部電極層を含む太陽電池の前記光電変換層に生じた電気的短絡部分を除去する装置であって、
    光電変換層に微細光を照射する手段と、前記光電変換層を物理的に除去する除去手段と、前記光電変換層の上下に形成された電極層を通して得られた信号を、前記除去手段に加えることを特徴とする太陽電池の短絡部の除去装置。
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