JP2000301444A - 研磨部材 - Google Patents

研磨部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨シートの落下を防止すると共に、交換作
業の効率を著しく向上することのできる研磨部材を提供
する。 【解決手段】 端面研磨装置の定盤の上部を囲む枠形状
を有すると共にその一端部に設けられたフランジ部6を
有する枠体1と、この枠体1の前記フランジ部6に固着
される弾性部材2と、この弾性部材2の上面に載置され
る研磨用シート3とを具備することにより、研磨用シー
トの交換作業の効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信用ファイバ
などの棒状部材の端面を研磨する端面研磨装置に用いる
研磨部材に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信用ファイバは、コネクタの主要部
材であるフェルールの中心孔内にファイバを接着固定し
た後、フェルール端面とファイバ端面とを同時に平滑に
研磨し鏡面に仕上げて使用される。この研磨仕上げした
フェルール及びファイバの研磨面が、フェルールの中心
軸と垂直な面でなかったり、あるいは、研磨面に傷があ
ったりすると、フェルール同士が対向接続される光コネ
クタにおいて、対向位置精度が劣化し損失が大きくなっ
てしまう。そのため、光ファイバを含むフェルールの研
磨面は高精度に研磨仕上げする必要がある。
【0003】従来の光ファイバ端面研磨装置として、例
えば、特開平3−26456号公報に開示されたものが
ある。この公報に開示された光ファイバ端面研磨装置
は、自転円盤の同心円上で回転する偏心盤を持ち、この
偏心盤に公転用のモータの回転を伝達する遊星歯車を持
ち、これらを研磨盤に結合させて研磨盤を自転および公
転させる一方、この研磨盤に固定した研磨部材に対し
て、治具盤に保持された多数の光ファイバの端面を押し
付けて研磨するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
光ファイバ端面研磨装置にあっては、自転および公転す
る研磨盤に固定された研磨部材に対して、治具盤に保持
された多数の光ファイバの端面を押し付けて研磨を行っ
ている。この場合、長期の使用によって研磨部材が目詰
まりして使用不能となって交換が必要となったり、異な
る粗さの研磨部材と交換が必要となったりすることがあ
る。ところが、従来の研磨部材は、例えば、図5(a)
に示すように、研磨盤101に両面テープ102等で弾
性シート103を接着し、その上に研磨シート104を
載置するもの、あるいは、図5(b)に示すように、弾
性シート103上に研磨シート104を張り付け、この
研磨シート104が張り付けられた弾性シート103を
研磨盤101上に載置するものである。
【0005】このような研磨部材を用いて研磨する場
合、一般的に、水や研磨液等を使用しながら行われる。
そのため、研磨シート104を交換する際に、前者の場
合には弾性シート103上の研磨液を、後者の場合には
研磨盤101上の研磨液を拭き取る必要があり、このよ
うな作業を行うにはどうしても人手に頼ることになり、
作業効率が良くないという問題がある。
【0006】また、前者の場合、研磨盤101上に弾性
シート103を介して研磨シート104を載置し、後者
の場合、研磨シート104が張り付けられた弾性シート
103を研磨盤101上に載置しているだけであるた
め、研磨回転中にこれらが落下してしまうという問題が
ある。本発明は、このような事情に鑑み、研磨シートの
落下を防止すると共に、交換作業の効率を著しく向上す
ることのできる研磨部材を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、端面研磨装置の定盤の上部を囲む枠
形状を有すると共にその一端部に設けられたフランジ部
を有する枠体と、この枠体の前記フランジ部に固着され
る弾性部材と、この弾性部材の上面に載置される研磨用
シートとを具備することを特徴とする研磨部材にある。
【0008】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記弾性部材は、表面が鏡面に仕上げられたゴムシ
ートであることを特徴とする研磨部材にある。本発明の
第3の態様は、第1又は2の態様において、前記研磨用
シートは、前記弾性部材に対して着脱自在に粘着してい
ることを特徴とする研磨部材にある。かかる本発明で
は、研磨シートの交換を行う際に、研磨部材ごと容易に
交換することができるため、研磨液等の拭き取りも必要
なく、作業効率が著しく向上する。また、弾性部材の表
面が鏡面に仕上げられているため、研磨用シートを弾性
部材上に載置するだけで確実に粘着され、研磨回転中に
ずれ落ちることがない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明の実
施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一
実施形態に係る研磨部材の斜視図及び分解断面図であ
り、図2は、その組立断面図である。図示するように、
本実施形態の研磨部材10は、枠体1と、この枠体に接
着される弾性部材2と、弾性部材2上に載置される研磨
用シート3とからなる。
【0010】枠体1は、中央部に厚さ方向に貫通する貫
通孔4が形成されたリング状の嵌合部5と、この嵌合部
5の上端部に一体的に設けられたフランジ部6とを有す
る。また、このフランジ部の周縁には、軸方向外側に向
かって突出する突出部7が、全周に亘って形成されてい
る。また、弾性部材2は、例えば、CR,シリコーン、
ウレタン、NBR、天然ゴム、SBR等の材料からな
り、厚さが例えば、2mm程度のゴムシートであり、枠
体1のフランジ部に接着剤等で固着されている。枠体1
に固着された弾性部材2の少なくとも外側の表面は、例
えば、表面荒さが、Ra1.6μm以下の鏡面に仕上げ
られている。
【0011】そして、研磨用シート3が、この弾性部材
2上に載置されている。この研磨用シート3は、弾性部
材2との間に粘着剤等は介さずに載置されているだけで
あり、これらの間に粘着剤等は用いられていない。しか
しながら、弾性部材2の表面が鏡面に仕上げられている
ため、研磨用シート3は、弾性部材2の表面に十分に粘
着されている。
【0012】なお、本実施形態では、嵌合部5及びフラ
ンジ部6と、弾性部材2とを別部材としているが、これ
らを例えば、ゴムなどの弾性部材で一体成形するように
してもよい。このような研磨部材10は、詳しくは後述
するが、端面研磨装置の研磨盤25の上部に装着され、
研磨用シート3にフェルールを当接させて研磨盤25を
回転させることにより、フェルールの先端面が研磨され
る。
【0013】以下、このような研磨部材が搭載される端
面研磨装置の一例を説明する。図3は、本発明の一実施
形態に係る端面研磨装置の一例を示す平面視である。本
発明の研磨部材10が装着される端面研磨装置として
は、例えば、図3に示すように、自転用モータ11の回
転軸には第1自転伝達盤12の中心部が固結され、この
第1自転伝達盤12には回転中心を支点とする同心円上
に複数の第1連結ピン13が固定されている。そして、
この各第1連結ピン13は対応する各回転伝達盤14の
偏心部に回転自在に連結され、この各回転伝達盤14に
は偏心部に第2連結ピン15が固定されている。各第2
連結ピン15は第2自転伝達盤16に回転自在に連結さ
れている。
【0014】一方、公転用モータ17の回転軸には駆動
歯車18の中心部が固結され、この駆動歯車18には従
動歯車19が噛み合っている。この従動歯車19は公転
伝達軸20の下部外周に固結され、この公転伝達軸20
の上部外周には装置本体21の軸受筒部22が嵌合して
いる。そして、この公転伝達軸20には回転中心より所
定量偏心した位置に自転用回転軸23が回転自在に嵌入
し、この自転用回転軸23の下端部は第2自転伝達盤1
6の中心部に固結されている。
【0015】また、自転用回転軸23の上端部は結合部
材24を介して研磨盤25に結合されている。そして、
本発明の研磨部材10は、図2に示すように、この研磨
盤25の上面部に一体回転自在に嵌合されている。すな
わち、研磨盤25の上部に、枠体1の貫通孔4に嵌合さ
れると共に、弾性部材2が研磨盤25の上面に当接して
係止されている。
【0016】そのため、研磨盤25の上面の平面度が弾
性部材2に反映され、その上に載置された研磨用シート
3にも反映される。例えば、本実施形態では、研磨盤2
5の上面は、図示しないが中央部が若干突出した略円錐
状に形成されているため、研磨用シートも略円錐状とな
っている。このように、本発明の研磨部材10は、研磨
盤25に枠体1の貫通孔4を嵌合するだけで容易に装着
できる。すなわち、研磨シート3を交換する際は、研磨
部材10ごと、すなわち、枠体1を研磨盤25から取り
外して交換すればよいため、研磨の際に使用される研磨
液等の拭き取りも必要なく、研磨シートの交換作業の効
率を著しく向上することができる。
【0017】なお、本実施形態では、手動で研磨部材1
0を交換するようにしたが、自動的に交換するようにし
てもよい。例えば、図4に示すように、弓状の支持部材
50等により研磨部材10の嵌合部4を側方から係合
し、支持部材50を上昇させてフランジ部6に当接して
研磨部材10を研磨盤25から抜き取って持ち上げるよ
うにすれば、上下左右の単純な移動だけで研磨部材10
の自動交換を比較的容易に実行することができる。
【0018】
【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明した
ように、研磨部材を端面研磨装置の研磨盤の上部を囲む
枠形状を有すると共にその一端部に設けられたフランジ
部を有する枠体と、この枠体の前記フランジ部に固着さ
れる弾性部材と、この弾性部材の上面に載置される研磨
用シートとで構成するようにしたので、研磨シートの交
換を行う場合、研磨部材ごと交換すればよいため、研磨
液の拭き取りが必要なく作業効率を向上することができ
る。
【0019】また、弾性部材の表面が鏡面に仕上げられ
ているので、弾性部材上に研磨シートを載置するだけ
で、粘着剤等を用いることなく確実に粘着することがで
き、研磨回転中にずれ落ちることがない。また、容易に
剥がすこともでき交換も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る研磨部材の斜視図で
ある。
【図2】本発明の一実施形態に係る研磨部材の組立断面
図である。
【図3】端面研磨装置の一例を示す平面図である。
【図4】研磨部材の支持機構の概略を示す断面図及び平
面図である。
【図5】従来技術に係る研磨部材の断面図である。
【符号の説明】
1 枠体 2 弾性部材 3 研磨用シート 10 研磨部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 真理 千葉県習志野市屋敷4丁目3番1号 セイ コー精機株式会社内 Fターム(参考) 2H038 CA22 3C049 AA07 AA11 AA16 BC02 CA01 CB04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端面研磨装置の定盤の上部を囲む枠形状
    を有すると共にその一端部に設けられたフランジ部を有
    する枠体と、この枠体の前記フランジ部に固着される弾
    性部材と、この弾性部材の上面に載置される研磨用シー
    トとを具備することを特徴とする研磨部材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記弾性部材は、表
    面が鏡面に仕上げられたゴムシートであることを特徴と
    する研磨部材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記研磨用シ
    ートは、前記弾性部材に対して着脱自在に粘着している
    ことを特徴とする研磨部材。
  4. 【請求項4】 端部にフランジ部を有し前記フランジ部
    に固着した弾性部材と前記弾性部材上の研磨シートから
    なる枠体を、研磨盤上に配置し、 前記研磨シートにフェルールを当接し、 前記研磨盤を回転し、前記フェルールの端面を研磨する
    端面研磨方法。
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