JP2000297915A - 流動層式燃焼炉の運転方法 - Google Patents

流動層式燃焼炉の運転方法

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JP2000297915A
JP2000297915A JP11105038A JP10503899A JP2000297915A JP 2000297915 A JP2000297915 A JP 2000297915A JP 11105038 A JP11105038 A JP 11105038A JP 10503899 A JP10503899 A JP 10503899A JP 2000297915 A JP2000297915 A JP 2000297915A
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Tomohiko Hirao
知彦 平尾
Yuji Fujiwara
祐治 藤原
Munechika Ito
宗親 井藤
Shizuo Kataoka
静夫 片岡
Osamu Nojiri
治 野尻
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Takuma Co Ltd
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Takuma Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動層式燃焼炉に於いて、流動媒体や機器内
壁への溶融物質の付着を防止して、燃焼物の安定した高
温流動燃焼を可能にする。 【解決手段】 流動層燃焼が進行中の炉本体内へカルシ
ウム化合物とマグネシウム化合物の何れか一方又は両方
を供給し、流動媒体や機器内壁への溶融物質の付着を防
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業廃棄物や汚泥
(下水汚泥・産業廃棄物汚泥)、都市ごみ、RDF、石
炭等(以下、燃焼物と呼ぶ)を燃焼させる循環流動層炉
や循環流動層ボイラ、流動層炉、流動層ボイラ(以下、
流動層式燃焼炉と呼ぶ)の運転方法の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】流動層式燃焼炉は都市ごみや下水汚泥、
産業廃棄物、RDF等の幅広い燃焼物を効率よく燃焼さ
せることができ、広く実用に供されている。而して、上
記流動層式燃焼炉には、炉本体の上方まで吹き上げた流
動媒体(砂)をサイクロンへ導入し、ここで分離した流
動媒体や灰等の固形物を炉本体下部の流動層内へ戻すよ
うにした循環流動層炉と、サイクロン等を省略して構造
の簡素化を図った非循環型の流動層炉とがあるが、何れ
の型式の流動層式燃焼炉であっても、砂等の流動媒体が
円滑に流動することにより、燃焼物と流動媒体と燃焼用
空気の三者が十分に攪拌混合されることが、安定した流
動層燃焼を達成するための必須の要件となる。
【0003】一方、流動層式燃焼炉へ供給される燃焼物
の中には、その内部にカリウムやリン、ナトリウム等の
低軟化点物質を容易に形成する物質を多量に含んだもの
が存在し、これ等のK、P、Na等を多量に含んだ燃焼
物を高温燃焼(又は高温焼却)させた場合には、炉本体
やサイクロンの内部に於いて燐酸カリウムや燐酸ナトリ
ウム、酸化燐と結合する二酸化珪素等の比較的軟化温度
の低い各種の化合物が生成される。そして、生成された
低軟化点化合物は、炉本体やサイクロン内で容易に軟化
若しくは溶融し、機器内壁や流動媒体等へ付着すること
になる。
【0004】しかし、生成された低軟化点化合物が軟化
若しくは溶融して流動媒体や機器内壁面へ付着すると、
流動媒体の粘性が高まるだけでなく、場合によっては流
動媒体の塊状化を招くことになり、流動媒体そのものの
流動性が著しく悪化することになる。その結果、循環式
流動層炉にあっては、流動媒体の円滑な循環が困難にな
ったり、炉本体やサイクロンの内部で結晶物が成長して
流動媒体の循環路に閉塞を生じたりすることがあり、更
に流動層の流動が不十分となって燃焼状態が悪化した
り、流動層の空気抵抗が増加して押込ファンの動力費が
増加する等の様々な不都合が起生し、安定した流動層式
燃焼炉の運転が困難となる。
【0005】また、上述の如き各種の不都合の発生を避
けるため、燃焼温度や炉内温度を下げた場合には、未燃
ガスが増加したり、燃焼物の処理量が低下する等の別の
問題が起生することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従前の流動
層式燃焼炉に於ける上述の如き問題、即ち燃焼物内に含
まれるカリウムやリン、ナトリウム等の化合物である各
種の低軟化点物質の生成により流動媒体の流動性等が阻
害され、安定した運転が困難になると云う問題を解決せ
んとするものであり、消石灰や石灰石等のカルシウム化
合物や水酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物を流
動層式燃焼炉内へ供給することにより、炉本体内等に於
ける前記低軟化点物質の生成を抑制すると共に、生成さ
れた物質の軟化点を上昇させ、高能率で安定した流動層
燃焼を可能にした流動層式燃焼炉の運転方法を提供する
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、長期に
亘って流動層式燃焼炉の開発を行なって来たが、開発の
過程に於いて流動媒体の一部又は全部を石灰石や酸化
マグネシウムに替えることにより、燃焼物の燃焼時に生
じた硫黄酸化物を除去する方法、流動媒体の一部又は
全部を酸化アルミニウムに焼成担持せしめたCaO(結
晶相CaO・6Al2 3 )等に替え、これ等の酸化触
媒作用を活用して燃焼速度を高めることにより流動層炉
の燃焼維持温度を引き下げて、窒素酸化物の発生量を低
減する方法、流動媒体の一部又は全部を生石灰や酸化
マグネシウムに替えることにより、燃焼により生じた塩
化水素ガスを除去する方法、等の各種の排ガス処理方法
の開発試験を実施して来た。また、これ等の開発試験の
実施を通して、流動媒体の一部を生石灰や酸化マグネシ
ウムに置き替えした場合には、流動層燃焼の温度が相当
高温になったときでも、主要な流動媒体である砂の流動
性が殆んど悪化しないことを見出した。
【0008】本件発明は、本願発明者等の上記知見を基
にして創作されたものであり、請求項1の発明は、流動
層燃焼が進行中の炉本体内へカルシウム化合物とマグネ
シウム化合物の何れか一方又は両方を供給し、流動媒体
や機器内壁への溶融物の付着を防止するようにしたこと
を発明の基本構成とするものである。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明に於い
て、カルシウム化合物を消石灰、生石灰又は炭酸カルシ
ウムとすると共に、マグネシウム化合物を水酸化マグネ
シウム、酸化マグネシウム又は炭酸マグネシウムとする
ようにしたものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項1の発明に於い
て、カルシウム化合物とマグネシウム化合物の何れか一
方又は両方を、燃焼物に混合して炉本体内へ供給する
か、又は流動媒体に混合して炉本体内へ供給するか、若
しくは単独で炉本体内へ供給するようにしたものであ
る。
【0011】請求項4の発明は、請求項1の発明に於い
て、カルシウム化合物又はマグネシウム化合物の何れか
一方又は両方の供給量を、燃焼物の燃焼により生ずる燃
焼残渣量の20〜500wt%とするようにしたもので
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態の実
施に用いた循環流動層炉の断面概要図であり、図1に於
いて1は炉本体(ライザー部)、2はサイクロン部、3
はループシール部、4はウインドボックス、5は流動ノ
ズル、6は熱風発生炉、7はオーバヘッドバーナ、8は
燃焼物供給口、9は混合供給装置、10は押込送風機、
Fは燃焼物、Bは流動層、Cは流動媒体、Dは溶融物質
の固着防止剤、Aは一次燃焼空気、Gは燃焼ガスであ
る。
【0013】燃焼物Fは、燃焼物ピット12から混合供
給装置(燃料フィーダ)9を通して供給され、燃焼物供
給口8より炉本体(ライザー部)1の下方の流動層B上
へ供給される。また、一次燃焼空気Aはウインドボック
ス4から流動ノズル5を通して流動層B内へ噴出され、
燃焼物Fの所謂流動燃焼が行なわれる。尚、炉本体1の
下方側壁からは、図示されてはいないが適宜量の二次燃
焼空気が炉本体1内へ供給され、未燃焼ガス等の二次燃
焼が行なわれる。同様に、炉本体1の下方内部へは熱量
供給のために適宜量の化石燃料(補助燃料)が供給され
る場合がある。また、起動時にはオーバヘッドバーナ7
又は熱風発生炉6が作動され、炉本体1の昇温用の熱が
供給される。図1に示した本実施形態に於いては、オー
バーヘッドバーナ7と熱風発生炉6の両方を設けている
が、何れか一方を設けるだけでもよい。
【0014】流動層Bを形成する流動媒体Cには通常平
均粒径が0.1mm〜1mmの硅砂が使用されており、
流動ノズル5から噴出される一次燃焼空気Aによって激
しく攪拌・流動され、流動層Bが形成される。また、高
温状態にある流動層B内へ供給された燃焼物Fは、一次
燃焼空気Aによって流動媒体Cと攪拌されつつ燃焼され
る。燃焼により生じた燃焼ガスGや攪拌状態にある流動
媒体Cの一部は、一次燃焼空気Aにより上方へ吹き上げ
られ、炉本体1の上方の開口部1aを通してサイクロン
部2内へ流入、ここで燃焼ガスGと流動媒体Cや固形灰
(図示省略)との分離が行なわれる。分離された流動媒
体Cや固形灰はループシール部3を通して炉本体1の下
方へ戻される。このように、流動媒体Cは連続的に循環
され、炉本体1内を可燃物と流動媒体Cとが攪拌され乍
ら上昇する間に、可燃物が完全燃焼される。
【0015】尚、上記循環流動層炉の構造や作動は公知
であるため、ここではその詳細な説明を省略する。ま
た、図示されてはいないが、サイクロン2の下流側には
廃熱回収ボイラや空気予熱器、冷却塔、排ガス浄化装置
等が、また炉本体1の下方部には流動層B内から灰分を
取り出す灰取出し装置等が設けられていることは勿論で
ある。
【0016】前記混合供給装置9は、後述する固着防止
剤サイロ11から移送されてきた固化防止剤Dと、燃焼
物ピット12から移送されてきた燃焼物Fとを混合し、
両者の混合物を供給口8を通して流動層B上へ供給する
ものであり、本実施形態では公知のスクリュー式フィダ
が用いられている。
【0017】前記固着防止剤サイロ11には、流動媒体
Cである硅砂やサイクロン部2の内壁面に低軟化点物質
の溶融したものが固着して、流動媒体Cの流動性が損な
われるのを防止する機能を備えた溶融物質の固着防止剤
Dが貯留されている。
【0018】即ち、当該流動媒体の固着防止剤Dは、基
本的には燃焼物F内に存在するKやNa、P等によって
燃焼残渣内に形成される低軟化点化合物の生成量を減少
させると共に、生成された化合物の軟化温度そのものを
高める機能を果すものであり、本発明では固着防止剤D
として、消石灰や生石灰(石灰石)等のカルシウム化合
物と、水酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物との
何れか一方又は両方が用いられており、図1の実施形態
では石灰石の粒体(平均粒径0.2mm〜5mm)がサ
イロ11内に貯留されている。尚、固着防止剤Dとして
は、石灰石CaOの他に、消石灰Ca(OH)2 、炭酸
カルシウムCaCO3 等のカルシウム化合物や水酸化マ
グネシウムMg(OH)2 、酸化マグネシウムMgO、
炭酸マグネシウムMgCO3 等のマグネシウム化合物が
使用可能であり、塊状、粒状又は粉体状の何れであって
もよい。また、カルシウム化合物とマグネシウム化合物
とは、夫々単独で用いても或いは混合して用いてもよ
い。
【0019】而して、KやNa、P等を多量に含有する
燃焼物Fが流動層Bや炉本体1内で高温燃焼をすると、
2 O−P2 5 系、Na2 O−P2 5 系、P2 5
−SiO2 系等の軟化温度の比較的低い低軟化点化合物
が形成される。今、これ等の低軟化点化合物が存在する
中へ、例えばCa化合物が投入されると、燐酸カルシウ
ム(Ca3 (PO4 2 )が生成され、これによって前
記低軟化点化合物であるK2 O−P2 5 系、Na2
−P2 5 系、P2 5 −SiO2 系の化合物のバラン
スが変化する。その結果、具体的には燃焼残渣(灰)の
軟化点(軟化温度)が上昇することになり、低軟化点化
合物の溶融による流動媒体Cへの固着が減少し、流動媒
体Cの流動性が損われ難くなる。尚、このことはCa化
合物に替えてMg化合物を投入した場合でも同様であ
り、前記低軟化点化合物のバランスが変って燃焼残渣
(灰)の軟化温度が上昇し、低軟化点化合物の溶融・固
着による流動媒体Cの流動性の低下が防止されることに
なる。
【0020】各種の試験の結果から、前記燃焼残渣
(灰)内に存在する各種の低軟化点化合物が軟化して、
流動媒体C等へ固着するのは、燃焼残渣(灰)中のK、
Na、Pの含有重量比((K+Na+P)の重量/灰重
量)が約2%を越えた点から激しくなることが判ってお
り、仮りに燃焼温度が前記低軟化点化合物の軟化点を越
える高温度であったとしても、前記重量比が約2%以下
であれば、流動媒体Cの流動性が著しく低下しないこと
が判明している。
【0021】また、必要とする固着防止剤Dの添加量は
K、Na、Pの含有量が同一であっても、流動層式燃焼
炉の内部に於ける燃焼物Fの燃焼温度によって大きく変
ることが実機テストによって確認されている。図2は、
燃焼物Fの燃焼温度と、流動媒体Cへの低軟化点物質の
固着を有効に防止するために必要とする固着防止剤Dの
燃焼残渣量に対する添加比率Q(固着防止剤重量/燃焼
残渣重量)との関係を示す線図である。
【0022】図2からも明らかなように、カルシウム化
合物やマグネシウム化合物から固着防止剤Dの必要添加
量は燃焼物Fの燃焼温度によって大きく変わり、且つ最
低添加比率(曲線L1 )と最大添加比率(曲線L2 )と
の間には相当の開きが現われてくる。
【0023】尚、上述のように、固着防止剤Dの必要添
加比率Qに大きな幅(又は差)があるのは、燃焼物F
内に含有されている(K+Na+P)重量に差があるこ
と、流動層式燃焼炉に於ける流動媒体Cの流動状態や
循環状態に差があること、及び燃焼残渣中に存在する
他の化合物の影響が同じでないこと等が原因であると想
定される。
【0024】また、図2からも明らかなように、燃焼物
Fの燃焼温度と添加比率Qは直線関係になく、温度とと
もに必要添加比率Qの増加率は大きくなる。具体的に
は、700℃の燃焼では20〜50%の添加率Qである
のに対し、1000℃では最低100%、多い場合は5
00%の添加比率Qを必要とする場合のあることが、実
機テストによって判明している。
【0025】前記流動層式燃焼炉内への固着防止剤Dの
供給は、本実施形態のように燃焼物Fに固着防止剤Dを
予かじめ混合しておき、燃焼物Fと共に流動層B上へ供
給する方式だけでなく、流動媒体Cの補給ライン(図示
省略)や流動媒体Cの循環通路(例えば図1の通路3
a)に固着防止剤Dの供給口を設け、流動媒体C内へ直
接に固着防止剤Dを混入するようにしてもよい。また、
流動層式燃焼炉の炉本体の適宜箇所に固着防止剤Dの供
給口を設け、当該供給口から直接に炉本体内へ固着防止
剤Dを供給するようにしてもよい。
【0026】前記第1の燃焼物Fに混合する方式にあっ
ては、燃焼物Fの供給量が変っても、常に予かじめ設定
した比率で正確に所定量の固着防止剤Dを投入でき、余
剰な固着防止剤Dの消費が無くなり、好都合である。し
かし、固着防止剤Dの添加量の増減を短時間内に調整す
ることが難かしいと云う難点がある。また、第2の流動
媒体C内へ直接に供給する方式は、流動媒体C同士の固
着をより有効に防止することができて好都合である。し
かし、添加量の増減を短時間内に調整し難いと云う問題
がある。更に、第3の固着防止剤Dのみを単独で炉本体
内へ供給する方式は、固着防止剤Dの供給量を迅速に調
整できると云う利点を有しているが、燃焼物Fの投入量
の変化に応じて常時固着防止剤Dの供給量を調整する必
要があり、手数がかかると云う問題がある。従って、燃
焼物Fの種類や燃焼量、流動層式燃焼炉の構造等に応じ
て、前記三種の方式の中から適宜の固着防止剤Dの供給
法が選定される。
【0027】また、図1の実施形態に於いては、循環流
動層炉に本発明を適用しているが、本発明が循環流動層
ボイラやサイクロンを使用しない通常の流動層炉、流動
層ボイラへも適用できることは勿論である。
【0028】
【実施例1】循環流動層炉を用いて、水分79〜83
%、可燃分75%DS、発熱量4500kcal/kg
DS、燃焼残渣中のP、K、Naの成分比率が夫々2
1.4wt%、4.9wt%、0.9wt%である脱水
下水汚泥を燃焼物Fとして燃焼させた。尚、燃焼物Fで
ある脱水下水汚泥はポンプ投入により循環流動層炉内へ
供給し、炉投入熱量を300,000kcal/hとし
た。また、循環流動層炉の運転条件は、全空気量420
Nm3 /h、補助熱量供給用の灯油量23l/h、一次
空気供給量300Nm3 /hであった。
【0029】上記条件下に於ける脱水下水汚泥の燃焼に
於いて、炉内最高温度を880℃とすると、サイクロン
部2の内部に低軟化点化合物の結晶物の付着が始まり、
且つこの付着した結晶物が順次成長し、最終的(約2時
間後)にはサイクロン部2の下方出口近傍で閉塞が生じ
た。このため、循環流動層炉の運転を停止しなければな
らなくなった。
【0030】そこで、発生する燃焼残渣(約4kg/
h)の約50wt%に相当する量の粒状の石灰石を投入
汚泥に混合し、両者の混合体を炉本体1内へ供給すると
共に、炉内最高温度を約880℃にした状態下で運転を
再開した。尚、再運転後の循環流動層炉の運転条件は、
炉投入熱量約300,000kcal/h、全空気量4
20Nm3 /h、供給灯油量24l/h、一次空気供給
量300Nm3 /hであり、炉内最高温度は前述の通り
約880℃であった。この状態下で約144時間連続的
に運転をしたが、サイクロン部2の内部に於ける付着物
の生成は皆無となり、順調な連続燃焼を継続することが
できた。
【0031】
【実施例2】流動層炉を用いて、水分58%、可燃分8
5%DS、発熱量3500kcal/kgDS、燃焼残
渣中のP、K、Naの成分比率が夫々15wt%、23
wt%、0.9wt%である産業廃棄物を、燃焼物Fと
して燃焼させた。流動層B内の砂温度を700℃とした
とき、約50時間ほどの燃焼運転で流動層B内の砂が相
互に固着し始め、流動状態の維持が不能になった。その
ため、燃焼物Fの投入を中止し、流動層炉の運転を中止
した。
【0032】そこで、燃焼残渣量の40wt%に相当す
る水酸化マグネシウムを燃焼物(産業廃棄物)F内へ混
合し、両者の混合体を炉本体内へ供給するようにして、
当初とほぼ同じ700℃の砂温度下で燃焼運転を再開し
た。約3ヶ月継続して運転をしたが、流動媒体(砂)C
に低軟化点化合物の固着は一切発生せず、順調に流動層
燃焼を継続することができた。
【0033】
【発明の効果】本発明では、流動層燃焼が進行中の炉本
体内へカルシウム化合物とマグネシウム化合物の何れか
一方又は両方を供給し、炉本体内部や機器内部に於ける
低溶融点物質の発生を減少させると共に低融点物質の軟
化点を高めてその溶融を防止する構成としている。その
結果、流動媒体や機器内壁への低軟化点化合物の溶融固
着が皆無となり、流動媒体Cの流動性が悪化したり、流
動媒体の流通路が閉塞したりすることが防止されて、高
温燃焼の状態下に於いても安定した流動層燃焼を継続す
ることができる。本発明は上述の通り、優れた実用的効
用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した循環流動層炉の断面概要図で
ある。
【図2】燃焼物の燃焼温度と、必要とする固着防止剤の
燃焼残渣量に対する添加比率Q(wt%)との関係を示
す線図である。
【符号の説明】
1は炉本体(ライザー部)、2はサイクロン部、3はル
ープシール部、4はウインドボックス、5は流動ノズ
ル、6は熱風発生炉、7はオーバーヘッドバーナ、8は
燃焼物供給口、9は混合供給装置、10は押込送風機、
11は固着防止剤サイロ、12は燃焼物ピット、Aは一
次燃焼空気、Bは流動層、Cは流動媒体、Dは溶融物質
の固着防止剤、Fは燃焼物、Gは燃焼ガス、Qは固着防
止剤の燃焼残渣量に対する添加比率(wt%)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井藤 宗親 兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号 株 式会社タクマ内 (72)発明者 片岡 静夫 兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号 株 式会社タクマ内 (72)発明者 野尻 治 兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号 株 式会社タクマ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層燃焼が進行中の炉本体内へカルシ
    ウム化合物とマグネシウム化合物の何れか一方又は両方
    を供給し、流動媒体や機器内壁への溶融物質の付着を防
    止するようにしたことを特徴とする流動層式燃焼炉の運
    転方法。
  2. 【請求項2】 カルシウム化合物を消石灰、生石灰又は
    炭酸カルシウムとすると共に、マグネシウム化合物を水
    酸化マグネシウム、酸化マグネシウム又は炭酸マグネシ
    ウムとするようにした請求項1に記載の流動層式燃焼炉
    の運転方法。
  3. 【請求項3】 カルシウム化合物とマグネシウム化合物
    の何れか一方又は両方を、燃焼物に混合して炉本体内へ
    供給するか、又は流動媒体に混合して炉本体内へ供給す
    るか、若しくは単独で炉本体内へ供給するようにした請
    求項1に記載の流動層式燃焼炉の運転方法。
  4. 【請求項4】 カルシウム化合物又はマグネシウム化合
    物の何れか一方又は両方の供給量を、燃焼物の燃焼によ
    り生ずる燃焼残渣量の20〜500wt%とするように
    した請求項1に記載の流動層式燃焼炉の運転方法。
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