JP2004256598A - 可燃物のガス化方法及び装置並びにガス化溶融システム - Google Patents

可燃物のガス化方法及び装置並びにガス化溶融システム Download PDF

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Abstract

【課題】安定的にガス化を継続することができ、またシール性に優れる可燃物のガス化方法及び装置並びにガス化溶融システムを提供すること。
【解決手段】水平断面が略矩形の流動層ガス化炉2内に、沈降する流動媒体の流動層301と活発に上昇する流動媒体の流動層300との間を流動媒体が循環する流動媒体の循環流を形成し、流動層炉2に供給された可燃物aを流動層ガス化炉2内の流動媒体の循環流中でガス化してガスとチャーを生成し、流動層ガス化炉2より排出されたガスとチャーを、灰分を溶融してスラグ化する溶融炉7に導入する。沈降する流動媒体の流動層301中に可燃物供給手段13より可燃物aを圧縮して流動層ガス化炉2内をシールしながら定量的に押し出し、押し出された可燃物aを流動層301中でガス化することで、流動層ガス化炉2内のガス化状態を安定的に維持し、同時に流動層ガス化炉2内のガスの系外ヘの漏洩を防止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみや産業廃棄物或いは、バイオマスといった可燃物をガス化し、生成したガスとチャーと灰分を溶融炉へ送り高温で燃焼させ、灰分を溶融するガス化溶融施設に用いる可燃物のガス化方法及び装置並びにガス化溶融システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、都市ごみや産業廃棄物或いは、バイオマスや医療廃棄物等の廃棄物を流動層ガス化炉において還元雰囲気下でガス化(熱分解)し、該ガス化された生成ガス、チャー及び灰分を溶融炉に導入し高温燃焼させ、灰分を溶融する方法を用いた、流動層式ガス化溶融施設がある。
【0003】
流動層式ガス化溶融施設におけるガス化炉は、2段の構成からなる炉の一段目の炉であって、後段に設置される溶融炉に対して、可燃分・灰分を微粒子化し、高い発熱量を保持した状態で送り込むための炉としての役割を果たすものである。従って、溶融炉における燃焼の安定化のためには、ガス化炉で被処理物の質・量の変動を吸収して生成ガスの質・量の変動を平均化するいわゆる緩衝機能を備えることが望まれる。
【0004】
本願出願人の先行出願として特許文献1に開示される流動層ガス化炉がある。この流動層ガス化炉は、流動層における層内に流動媒体の循環流を形成させて熱を拡散させ、局所的な熱の滞留を防ぐ効果が優れている。すなわち、流動媒体の循環流を形成することによって、層内全体の温度の均一化、熱の局所偏在を防止し、局所高温場でのクリンカ発生による流動化不良を防止する。また、層内温度が450〜650℃と比較的低温なので、安定的な熱分解ガス及び熱分解残渣の溶融炉への供給により、旋回式溶融炉における燃焼条件が安定化したために、旋回式溶融炉の温度を灰分のスラグ化に必要な最低限の温度に安定して維持することが可能となった。このことにより、スラグは安定して排出され、溶融炉におけるスラグ排出部の閉塞が回避され、スラグの質が安定したために重金属の溶出は充分に抑制され、更に、異常な高温を生じることがないため、溶融炉耐火物の寿命を延ばすことが可能となった。さらに、廃棄物自身の熱量による自己熱溶融の達成、燃焼に必要な投入ガス総量の低減(いわゆる低空気比燃焼)による炉・施設全体のコンパクト化が達成できた。
【0005】
他方、流動層ガス化炉におけるガス化のさらなる安定化のためには、投入される可燃物の供給量を適切に制御して定量的に供給してやる必要がある。この点、従来の流動層ガス化炉においては、可燃物供給口は、例えば特許文献1に開示があるように、流動層界面(流動層表面とその上部空間との界面)から鉛直方向で上方の位置に設置されており、この上方の供給口から流動層に適宜廃棄物が落下供給されるものであったため、次のような問題が生じていた。
【0006】
▲1▼廃棄物の定量供給性を確保するため、従来は、定量的供給を可能とする機器類(2軸の定量供給スクリューコンベヤ等のコンベヤ、受槽、掻き取り機により構成されたもの)を供給系に設置する必要があった。このため、設置機器における可燃物の詰り、機器の不具合・故障、定期的メンテナンス等の必要性が増していた。また、機器点数の多さは、供給制御の複雑さ、設置スペースの増大、設備コストの増大の要因ともなっていた。
【0007】
▲2▼平均的な可燃物供給量は一定であっても、供給機器の構造に応じて、炉内への可燃物の瞬時的な供給量は変動する。従来、定量供給機によって「定量供給」を行ってはいたが、完全にガス化量の変動を抑制することはできず、完全燃焼を行なわせるための空気比の設定を高くせざるを得なかった。このため、極めて安定的なガス化を達成するべく厳密な定量性の向上が求められていた。
【0008】
▲3▼ガス化炉においては、流動層ガス化炉内を負圧に保って系外に炉内の気体成分(未燃ガス)を漏洩させないことが絶対条件であり、このシール性の確保についても万全を期さなければならない。従来では、可燃物供給系にダブルダンパやロータリバルブ等を設置してシール性を確保していた。しかし、このために、監視の負担増大、及び複雑な制御の必要性が生ずることとなっていた。
【0009】
▲4▼また、仮に可燃物供給装置からの供給口の位置を流動層中に直接供給できるように移動させたとしても、可燃物供給系の供給量変動が何の緩衝作用も受けずにそのまま流動層中に伝わってしまい、定量性が改善されず、そればかりか従来よりも炉内圧力値が高くなっているのでシール性が確保できなくなって炉内ガスが逆流する危険が高くなってしまう。
尚、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−332614号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の課題を解決するものであり、流動層炉において安定的にガス化を継続することができ、また、ガスの漏洩に対するシール性に優れた可燃物のガス化方法及び装置並びにガス化溶融システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、可燃物を圧縮して流動層ガス化炉内をシールしつつ該流動層ガス化炉内の流動層中に該可燃物を定量的に押し出し、押し出された可燃物を該流動層中でガス化することを特徴とする可燃物のガス化方法にある。
流動層中に可燃物を定量的に押し出すから、炉内のガス化状態を維持・安定化させることに優れる可燃物のガス化方法を提供できる。更に安定的にガス化を行うことで得られる生成ガス、チャー、及び灰分を安定的に溶融炉に導入させることができ、溶融炉内の状態を安定的に維持することができる。また可燃物を圧縮して流動層ガス化炉内をシールしつつ該流動層ガス化炉内の流動層中に該可燃物を供給すると、該圧縮された可燃物によって可燃物供給系のシール性を確保することができる。このため、従来、シール性を確保するために設置していたダブルダンパやロータリバルブ等が不要となる。なお可燃物供給系のシール性は、炉内ガスの炉外への漏洩を防ぐために必須の要件であるが、さらに炉外空気が炉内へリークして炉内温度を上昇させてしまうことを防止するためにも有効である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記流動層に流動媒体の循環流を形成し、該流動媒体の循環流中に前記可燃物を押し出すことを特徴とする請求項1に記載の可燃物のガス化方法にある。
流動媒体の循環流中に可燃物を押し出すから、流動媒体によって掻き取られた可燃物が流動層内に定量的に供給され、従来に比べて飛躍的に可燃物供給における定量性を向上させることができる。さらに従来のように定量的供給を可能とする機器類(2軸の定量供給スクリューコンベヤ等のコンベヤ、受槽、掻き取り機により構成されたもの)を不要とする、簡便な可燃物のガス化方法を提供できる。
前記可燃物は、沈降する流動媒体の流動層中に供給することが好ましい。可燃物を、沈降する流動媒体の流動層中に供給することにより、可燃物供給手段から流動層炉内に定量的に押し出された可燃物は流動媒体の循環流によって掻き取られるため、流動層炉内の可燃物のガス化量は極めて安定となる。さらに、沈降する流動媒体の流動層領域に可燃物が供給されるため、可燃物は速やかに流動媒体中に呑み込まれ、熱分解ガス化が速やかに行なわれる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、可燃物をガス化する流動層ガス化炉と、該可燃物を圧縮して該流動層ガス化炉内をシールしつつ定量的に該流動層ガス化炉内の流動層中に該可燃物を押し出す可燃物供給手段を備えたことを特徴とする可燃物のガス化装置にある。
可燃物を圧縮して流動層ガス化炉内をシールしつつ定量的に該流動層ガス化炉内の流動層中に該可燃物を押し出す可燃物供給手段を備えているので、炉内のガス化状態を維持・安定化させることに優れる可燃物のガス化装置を提供できる。更に安定的にガス化を行うことで得られる生成ガス、チャー、及び灰分を安定的に溶融炉に導入させることができ、溶融炉内の状態を安定的に維持することができる。また圧縮した可燃物によって可燃物供給系のシール性を確保することができるため、従来、シール性を確保するために設置していたダブルバンパやロータリバルブ等が不要となる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、前記流動層ガス化炉は、前記流動層内に流動媒体の循環流を形成するための手段を備え、該流動媒体の循環流中に前記可燃物供給手段の供給口を設けたことを特徴とする請求項3に記載の可燃物のガス化装置にある。
流動媒体の循環流中に可燃物供給手段の供給口を設けたので、流動媒体の循環流によって可燃物が流動層炉内に掻き取られて供給されることにより、流動媒体によって可燃物が流動層内に極めて定量的に供給されるから、従来に比べて飛躍的に可燃物供給における定量性を向上させることができる。さらに従来のように定量的供給を可能とする機器類(2軸の定量供給スクリューコンベヤ等のコンベヤ、受槽、掻き取り機により構成されたもの)を不要とする、簡便な可燃物のガス化装置を提供できる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、前記可燃物供給手段の供給口は、前記流動層中の炉内圧力値が−2〜+10kPaGとなる位置に設けられたことを特徴とする請求項3又は4に記載の可燃物のガス化装置にある。
これによって可燃物供給系からのガスの漏洩を効果的に防ぐことができ、炉内圧のシール性を充分に確保できる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、前記流動層ガス化炉は、水平断面が略矩形であることを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の可燃物のガス化装置にある。
これによって本発明の可燃物のガス化装置に用いて好適な流動層炉の形状を提供できる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、可燃物を圧縮して流動層ガス化炉内をシールしつつ定量的に該流動層ガス化炉内の流動層中に該可燃物を押し出す可燃物供給手段と、供給された可燃物をガス化する流動層ガス化炉と、該流動層ガス化炉にて得られる生成物を導入して該生成物に含まれる灰分を溶融スラグ化する溶融炉を備えたことを特徴とするガス化溶融システムにある。
可燃物を圧縮して流動層ガス化炉内をシールしつつ定量的に該流動層ガス化炉内の流動層中に該可燃物を押し出す可燃物供給手段を備えているので、流動層ガス化炉内のガス化状態を維持・安定化させることができる。そしてこの安定的にガス化を行うことで得られる生成ガス、チャー、及び灰分を安定的に溶融炉に導入させることができ、溶融炉内の状態を安定的に維持することができる。また圧縮した可燃物によって可燃物供給系のシール性を確保することができるため、従来、シール性を確保するために設置していたダブルバンパやロータリバルブ等が不要となる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、前記流動層ガス化炉は、前記流動層内に流動媒体の循環流を形成するための手段を備え、該流動媒体の循環流中に前記可燃物供給手段の供給口を設けたことを特徴とする請求項7に記載の可燃物のガス化溶融システムにある。
流動媒体の循環流中に可燃物供給手段の供給口を設けたので、流動媒体の循環流によって可燃物が流動層炉内に掻き取られて供給されることにより、流動媒体によって可燃物が流動層内に極めて定量的に供給されるから、従来に比べて飛躍的に可燃物供給における定量性を向上させることができる。さらに従来のように定量的供給を可能とする機器類(2軸の定量供給スクリューコンベヤ等のコンベヤ、受槽、掻き取り機により構成されたもの)を不要とする、簡便なガス化溶融システムを提供できる。
【0020】
請求項9に記載の発明は、前記圧縮された可燃物から得られる水分を前記可燃物供給手段から搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送された水分を前記溶融炉から排出される排ガス中に噴霧する水分噴霧手段とを設けたことを特徴とする請求項7又は8に記載の可燃物のガス化溶融システムにある。
これによって燃焼排ガスの温度調整が行える。また場合によっては別途この水分(汚水)を処理する汚水処理設備が不要になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態にかかるガス化装置を図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一符号は同一の機器を示すものとする。図1は本発明の一実施の形態にかかるガス化装置と旋回式溶融炉とを組み合わせて構成されたガス化溶融システムを示す全体構成図である。このガス化溶融システムは、可燃物供給手段13から流動層炉(流動層ガス化炉)2に供給された可燃物aが、流動層炉2内においてガス化されてガスとチャーと灰分とされた後、旋回式溶融炉7において高温燃焼され、灰分を溶融処理し、一方排ガスは廃熱ボイラ214などを経た後に大気に放出されるように構成されている。以下このガス化溶融システム全体の概略構成をその動作とともに説明する。
【0022】
まずごみクレーン51によってごみピット800からホッパー53に投入された処理対象の可燃物aは、破砕機12によって破砕された後、搬送コンベア55によって可燃物供給手段(一軸の圧縮フィーダ)13に供給された後、水平断面が略矩形の流動層炉2に定量供給される。なお前記破砕処理は、可燃物aを可燃物供給手段13においてスムーズに圧縮して十分なシール効果を発揮するために必要である。もちろんホッパー53に投入される可燃物aが、すでに破砕済であったり、元々破砕不要な性状であれば、破砕機12は不要となる。
【0023】
水分の多い可燃物処理を考慮して、可燃物供給手段13から発生する汚水は汚水ドレン57を介して汚水処理溜め59に抜き出す。可燃物供給手段13は可燃物aを圧縮するので、水分の多い可燃物aに対しては、含有する水分を圧搾脱水する圧搾脱水手段を兼ねている。なお圧搾脱水手段は可燃物供給手段13とは別に設置してもよい。この圧搾脱水手段により得られた脱水分である汚水は、第二導管61によって例えば旋回式溶融炉7から排出される排ガスの温度調整のために、可燃ガスを溶融炉7に導入する第一導管60とは別に、旋回式溶融炉7の三次チャンバ10に導入される。これによってガス化装置2の後段における溶融炉7にて可燃ガス組成変動による溶融炉7の温度の維持・調整制御が可能となり、場合によっては別途汚水処理設備が必要なくなる。またこの汚水は、併設された水処理施設にて処理を行った後、この処理水を施設内にて例えば下記する水槽21の水として用いて水の有効利用を図ることや、直接汚水を流動層炉2のフリーボード6へ散水ノズル502を介して供給することで流動層炉内の温度を調整することも可能である。
【0024】
一方可燃物aが定量供給された流動層炉2下部に設置した風箱3A,3Bには各々一次ガス(流動化ガス)b1,b2が送入され、分散板4を経て上方に向かってガスを吹き出すことで、分散板4上に流動媒体の循環流、即ち質量速度の比較的小さい流動化ガスb1と質量速度の比較的大きい流動化ガスb2を炉底部より供給して、沈降する流動媒体の流動層301と活発に上昇する流動媒体の流動層300とを形成し、該沈降する流動媒体の流動層301と該活発に上昇する流動媒体の流動層300との間を流動媒体が循環する流動媒体の循環流を形成している。
【0025】
約450℃〜650℃に維持される流動層5の沈降する流動層301に可燃物供給手段13より直接供給された可燃物aは、この沈降する流動層301に呑み込まれつつ熱分解ガス化され、該ガス化によりガス、タール、チャー、灰分を生成する。そして、流動媒体の循環流によりチャーが流動層301内にて微粒子とされ、ガスに同伴してフリーボード6に移行する。また、流動層炉2の炉底の排出口(不燃物排出シュート)201から不燃物が流動媒体と共に排出される。不燃物中の金属類は、流動層5内が還元的な雰囲気に維持されているため、未酸化で付着物が除かれた状態で回収され得る。流動層炉2の炉底から排出された不燃物と流動媒体は不燃物排出装置202から分別装置204に移送されて磁力選別乃至機械的に分級された後に、流動媒体はコンベア203によって流動層炉2に戻され、不燃物は選別装置205に移送されて金属と不燃物に選別される。流動層炉2のフリーボード6の温度は、650℃〜850℃に維持されるように、例えばフリーボード6に空気を供給し、また汚水500をフリーボード6上部よりに設けた散水ノズル502を介して供給することで制御される。この汚水500は、ごみピット汚水501を混合することもできる。
【0026】
この実施の形態では流動層炉2として水平断面が略矩形で不燃物排出口201を1つにしたタイプを用いたので、例えば特許文献1の図5に示すような不燃物排出口が二つ以上あるタイプを用いた場合に比べ、複数の不燃物排出口201を集合させる装置が不要であるばかりか、排出口201である垂直な不燃物排出シュートのみでよいので、不燃物排出性能及びシール性能に優れ、またコストの大幅な削減が可能である。
【0027】
次に微粉状のチャーや灰分を同伴した生成ガス400は、第一導管60を通して旋回式溶融炉7の一次室8に一次室8の軸線を中心とする仮想円の円周に対して略接線方向に供給され、一次室8の側面に設けられたノズルkから供給される予熱ガス(下記する空気予熱器215から供給される)と混合されるとともに旋回流を形成し、およそ1300℃から1400℃程度の高温にて反応する。なお一次室8と二次室9には、昇温用バーナ15,16が設置され、必要に応じて補助燃料が燃焼される。
【0028】
そして生成ガス400に同伴された灰分は旋回式溶融炉7内の高温雰囲気下にてスラグ化し、その多くは旋回流の遠心力により炉壁面に形成された溶融スラグ層に補足される。この溶融スラグ層により、炉壁面のセルフコーティングが行なわれるから、炉壁面の保護がなされる。また、重力の作用により下方に流下した溶融スラグは、二次室9の出口乃至溶融炉底部に設けられたスラグ排出口11から排出され、水槽21の水中に受け入れられ急冷され、スラグコンベア19によって連続的にスラグgとして系外に搬出される。
【0029】
なお、溶融スラグをスラグ排出口11から直接水槽21に落下させると、スラグコンベア19にて運搬されるスラグ粒の大きさが不揃いとなったり、大きなスラグ塊が落下した時に大量の発生水蒸気により炉内圧の上昇を招いたりする恐れがあるが、この問題を解決するには、例えばスラグ排出口11から落下した溶融スラグを、その上を水(例えば水槽21から供給する水)が流れる滑り台のような水砕トラフ上の水流中で急冷して小粒状のスラグ粒とした後に水とともに水槽21に導くようにすればよい。
【0030】
一方二次室9から排出されるガス中に残留する未燃分は、三次室10にてさらに下記する空気予熱器215から供給される三次ガスと反応し完全燃焼した後に、旋回式溶融炉7から排出され、この排ガス213は、高温二次空気予熱器228、廃熱ボイラ214、空気予熱器215、エコノマイザ216、第一,第二集塵器217,221、誘引通風器222、排ガス再加熱器223、触媒塔226、煙突227を経て大気へ放出される。エコノマイザ216から出た排ガス213は、必要に応じて第一集塵器217に入る前に、消石灰等の中和剤219、薬剤又は活性炭218を添加される。ボイラ給水がエコノマイザ216へ供給され、予熱された後、廃熱ボイラ214で加熱されて蒸気(スチーム)にされ、例えば蒸気タービンを駆動するなどに利用される。空気が空気予熱器215へ供給され、加熱された後、空気管211を介して旋回式溶融炉7の各部分、及び必要な場合はフリーボード6にも供給される。なお、廃熱ボイラ214にて回収された蒸気は、流動層炉2乃至溶融炉7にガスに混合して導入することもできる。また空気予熱器215で加熱された空気は、流動層炉2の排出口201の外周に設けた空気ジャケットでさらに加熱した後に空気管211を介して旋回式溶融炉7等に供給しても良い。
【0031】
廃熱ボイラ214、エコノマイザ216、及び空気予熱器215の底部に溜まる微粒子180,181,182、第一集塵器217において分離される飛灰183は、処理器190において薬品により処理される。また、飛灰183は、旋回式溶融炉7におけるスラグ化率を向上させるため、流動層炉2又は旋回式溶融炉7へ戻すこともできる。
【0032】
図1の装置においては、流動層炉2の燃焼反応が低空気比(すなわち、可燃物の完全燃焼に必要な空気量を1.0としたときの空気量が約0.4以下)による低温部分燃焼とされ、流動層温度が450℃〜650℃に維持されることにより、高熱量の可燃ガスを発生させることができる。また、低空気比により還元雰囲気で燃焼が行なわれるので、不燃物中に鉄、アルミが未酸化の有価物として得られる。流動層炉2で発生された高熱量の可燃ガス及びチャーは、旋回式溶融炉7において、1300℃〜1500℃、好ましくは1350℃程度の高温での反応を行なうことができ、灰を溶融させ、ダイオキシンを分解させることができる。一次室8は、上端に昇温用バーナ15を備えるとともに、空気予熱器215(及び酸素製造装置)からの予熱ガス(空気、酸素、酸素富活空気)を軸線のまわりに旋回するように供給する複数の空気ノズルkを備える。二次室9は、一次室8とその下端で連通されるとともに、二次室9の下方部分に配置され溶融灰分を排出可能なスラグ排出口11、一次室8と連通する部分の付近に配置される昇温用バーナ16、及び予熱ガスを供給する空気ノズルkを備える。
【0033】
本発明においては、流動層炉2を低空気比低温度(450℃〜650℃)とし、発熱を最小限に抑えて、ゆるやかに燃焼させることにより、可燃分を多量に含む生成ガス400を得ることができ、ガス、タール、チャーの可燃分の大部分を生成ガス400として次段の溶融炉7において利用できる。なお図1において溶融炉として旋回式溶融炉7を用いる場合を示したが、これに限定されるものではなく、溶融炉として別異のものを用いることも可能である。この場合、排ガス処理フローは図1のものと同一とすることもできる。
【0034】
図2は前記図1に示すガス化溶融システムの内の流動層炉(可燃物のガス化装置)2の部分を拡大して示す概略構成図である。同図に示すようにこの可燃物のガス化装置においては、一軸の圧縮フィーダからなる可燃物供給手段13の供給口14を、流動層炉2の流動層5を構成する流動媒体の循環流中に、特にこの実施の形態では沈降する流動媒体の流動層301領域の略界面に、接続している。
【0035】
ここで可燃物供給手段13は、先(供給口14方向)に向かって供給路131の内径を絞るとともに、供給路131内に軸(一軸)132に螺旋状の羽根133を取り付けた回転送り部材135を収納し、回転送り部材135の軸132の一端をモータ等の駆動手段139に接続して構成されている。さらに羽根133のピッチは先に行くほど狭くされているので、可燃物aを所定の圧縮率(圧縮率とは圧縮前の可燃物の嵩密度と圧縮後の可燃物の嵩密度の比率であり、その値は可燃物の性質によるが、例えば40〜100%)に圧縮した状態で供給口14から流動媒体の循環流中に押し出すことができる。そして供給口14から流動媒体中へ定量的に押し出された可燃物aは、図3に示すように、流動媒体の循環流によって掻き取られ、流動媒体中に取り込まれる。特にこの実施の形態のように可燃物aを沈降する流動媒体の流動層301領域(特にその略界面)に、即ち流動媒体の下降循環流中に直接供給すれば、可燃物aに対して流動媒体が与える抗力が大きくなり、供給口14から押し出される可燃物aの掻き取りの定量性が向上する。つまり可燃物aの供給安定性が向上するので、ガス化溶融施設トータルとして低空気比(およそ1.3)での完全燃焼を従来よりも安定して行うことができる。またこの流動媒体の循環流は、掻き取った可燃物やその燃焼熱を速やかに流動層内に拡散させる効果もあるので、供給口付近の流動層が局所的に高温になることがなく、層内全体にわたって厳格に温度を監視・制御する必要がない。図4(a)は特許文献1のように可燃物を流動層の上方から流動層へ落下させて供給する可燃物供給方法を用いた場合の燃焼排ガス(旋回式溶融炉から排出された後のガス)213中のO濃度とCO濃度の測定値を示す図であり、図4(b)は図1,2に示すような可燃物供給方法を用いた場合の燃焼排ガス(旋回式溶融炉7から排出された後のガス)213中のO濃度とCO濃度の測定値を示す図である。両図に示すように、本発明にかかる可燃物供給方法を用いた場合の方が、同じO濃度(即ち同じ空気比)において、完全燃焼を従来よりも安定して行うことができることが分かる。
【0036】
これにより従来可燃物aの安定供給のために設置していたコンベヤ、受槽、掻き取り機等が不要となる。さらに圧縮した可燃物aを供給口14から流動層5中へ供給するので、可燃物a自体が供給口14をシールし、このため従来シールのために設置していたダブルダンパ、ロータリーバルブ等が不要となる。流動層炉2内の鉛直方向の圧力分布は、図2に示すように、フリーボード6内では−2〜−1kPaG程度で一定であるが、流動層5内においては界面より下方に向かうほど流動媒体の重量がかかるので、炉内圧力(流動層内圧力)が急激に上昇していき、流動層5の最深部の圧力はフリーボード6内圧力よりも10kPaG以上高くなる。しかし、可燃物供給手段13により圧縮された可燃物aにより十分なシールを行うことができるため、炉内圧力値が−2〜+10kPaGとなる位置に供給口14を設置することにより、炉内ガスの炉外への漏洩を防ぐことができる。さらに炉外空気が炉内へリークして炉内温度を上昇させてしまうことも同時に防止される。これらのことから可燃物供給系が大幅に簡素化でき、また可燃物供給位置を下げることができるので、設備スペースとコストの両面で大きな削減効果がある。また図2における弁401は、緊急停止時などに、可燃物供給系内の空間に可燃ガスが入り込んできた場合、この可燃ガスを速やかに排出し、爆発の危険を回避するために操作する弁である。
【0037】
なおフリーボード6部分の炉内圧力は、図1に示すダンパ230のダンパ開度によって制御できる。例えばこのダンパ開度を上げるほど誘引通風器222の吸引効果が強まるので、ガス化炉(フリーボード6)内圧力をより負圧にできる。
【0038】
ところで供給路131の根元側部分の下部には、水分の比較的多い可燃物aを圧縮・移送した際に生じる脱水汚水を図1に示す汚水ドレン57に抜く配管138が接続されている。ここでは、水分の比較的多い可燃物は自動的に脱水されるので、低カロリーのごみに対しても旋回式溶融炉7内でのスラグの溶融に必要とされる温度を維持することができる。
【0039】
また上記実施の形態においては、流動層炉2としてその水平断面が略矩形の流動層炉2を用いたが、流動層炉2の上部のフリーボード6の部分はこの形状でなくても良く、たとえばその水平断面を円形等の他の形状にしてもよい。即ち図2に示す流動層炉2の内、少なくとも流動層5の循環流を形成する部分の領域S1の水平断面を略矩形にすれば良く、その上の領域S2はどのような形状にしても良い。
【0040】
また本発明に用いる流動層炉2は図2に示す構造の流動層炉2に限定されず、他の各種形状・構造であってもよいことは言うまでもない。図5,図7には他の各種形状・構造の流動層炉2の例を示している。これらの図において図2に示す流動層炉2と同一又は相当部分には同一符号を付している。
【0041】
即ち図5に示す流動層炉2は、不燃物排出口201が二つあるタイプであり、風箱3Aの両側に風箱3B,3Bを設置することで、分散板4上の流動層5の中央において質量速度の比較的小さい流動化ガスb1を、分散板4上の流動層5の両側において質量速度の比較的大きい流動化ガスb2を供給して、中央に沈降する流動媒体の流動層301を、その両側に活発に上昇する流動媒体の流動層300を形成し、両流動層301,300の間を流動媒体が循環する流動媒体の循環流を形成している。
【0042】
そしてこの流動層炉2においても、沈降する流動媒体の流動層301の中(特にその略界面)に直接可燃物を供給するため、可燃物供給手段13の供給口14を、沈降する流動媒体の流動層301の中(特にその略界面)に接続している。図5では流動層炉2の紙面奥側の側壁に可燃物供給手段13の供給口14を接続した状態を示している。このように構成しても、流動媒体によって掻き取られた可燃物が流動層5内に定量的に供給されるから、従来に比べて飛躍的に可燃物供給における定量性を向上させることができ、流動層炉2内のガス化状態を維持・安定化させることに優れる可燃物のガス化方法を提供できる。なおこの流動層炉2もその水平断面を略矩形状に形成しているが、矩形状にするのは少なくとも流動層5の循環流を形成する部分の領域S1だけで良く、その上の領域S2(フリーボード6の部分)はどのような形状にしても良い。
【0043】
図6は図5に示す流動層炉2を用いた他のガス化溶融システムの全体構成図である。このガス化溶融システムにおいても、ごみクレーン51によってごみピット800からホッパー53に投入された処理対象の可燃物aは、破砕機12によって破砕された後、搬送コンベア55によって可燃物供給手段(一軸の圧縮フィーダ)13に供給された後、前記流動層炉2に定量供給される。なお前記破砕処理は、可燃物aを可燃物供給手段13においてスムーズに圧縮して十分なシール効果を発揮するために必要である。もちろんホッパー53に投入される可燃物aが、すでに破砕済であったり、元々破砕不要な性状であれば、破砕機12は不要となる。
【0044】
水分の多い可燃物処理を考慮して、可燃物供給手段13から発生する汚水は汚水ドレン57を介して汚水処理溜め59に抜き出す。可燃物供給手段13は可燃物aを圧縮するので、水分の多い可燃物aに対しては、含有する水分を圧搾脱水する圧搾脱水手段を兼ねている。なお圧搾脱水手段は可燃物供給手段13とは別に設置してもよい。この圧搾脱水手段により得られた脱水分である汚水は、第二導管61によって例えば旋回式溶融炉7から排出される排ガスの温度調整のために、可燃ガスを溶融炉7に導入する第一導管60とは別に、旋回式溶融炉7の三次チャンバ10に導入される。これによってガス化装置2の後段における溶融炉7にて可燃ガス組成変動による溶融炉7の温度の維持・調整制御が可能となり、場合によっては別途汚水処理設備が必要なくなる。またこの汚水は、併設された水処理施設にて処理を行った後、この処理水を施設内にて例えば下記する水槽21の水として用いて水の有効利用を図ることや、直接汚水を流動層炉2のフリーボード6へ散水ノズル502を介して供給することで流動層炉内の温度を調整することも可能である。
【0045】
流動層炉2に定量供給された可燃物aは、流動層炉2でガス化されてガスとチャーと灰分とされた後、前記図1に示すガス化溶融システムと同様に、旋回式溶融炉7において高温燃焼され、灰分を溶融処理し、一方排ガスは廃熱ボイラ214などを経た後に大気に放出される。
【0046】
また図7に示す流動層炉2は、流動層炉2の内部の両側にそれぞれ風箱3,3を設置してその中央に一つの不燃物排出口201を設置したタイプであり、両側の分散板4,4上にそれぞれ質量速度の比較的小さい流動化ガスb1と質量速度の比較的大きい流動化ガスb2とを供給し、それぞれの分散板4,4上で沈降する流動媒体の流動層301と活発に上昇する流動媒体の流動層300を形成して両流動層301,300の間を流動媒体が循環する流動媒体の循環流を形成している。なお、流動層炉2の両側に可燃物供給手段13を設置することもできる。
【0047】
そしてこの流動層炉2においても、沈降する流動媒体の流動層301の中(特にその略界面)に直接可燃物を供給するため、前記可燃物供給手段13の供給口14を、沈降する流動媒体の流動層301の中(特にその略界面)に接続している。このように構成しても、流動媒体によって掻き取られた可燃物が流動層5内に定量的に供給されるから、従来に比べて飛躍的に可燃物供給における定量性を向上させることができ、流動層炉2内のガス化状態を維持・安定化させることに優れる可燃物のガス化方法を提供できる。なおこの流動層炉2の場合、流動層5の表面近傍の中央に、ディフレクタDfを設置しても良い。またこの流動層炉2においてもその水平断面を略矩形状に形成しているが、矩形状にするのは少なくとも流動層5の循環流を形成する部分の領域S1だけで良く、その上の領域S2(フリーボード6の部分)はどのような形状にしても良い。
【0048】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば以下のような優れた効果を有する。
(1)請求項1に記載の発明によれば、流動層中に可燃物を定量的に押し出すから、炉内のガス化状態を維持・安定化させることに優れる可燃物のガス化方法を提供できる。更に安定的にガス化を行うことで得られる生成ガス、チャー、及び灰分を安定的に溶融炉に導入させることができ、溶融炉内の状態を安定的に維持することができる。また可燃物を圧縮して流動層ガス化炉内をシールしつつ該流動層ガス化炉内の流動層中に該可燃物を供給すると、該圧縮された可燃物によって可燃物供給系のシール性を確保することができる。このため、従来、シール性を確保するために設置していたダブルダンパやロータリバルブ等が不要となる。なお可燃物供給系のシール性は、炉内ガスの炉外への漏洩を防ぐために必須の要件であるが、さらに炉外空気が炉内へリークして炉内温度を上昇させてしまうことを防止するためにも有効である。
【0049】
(2)請求項2に記載の発明によれば、流動媒体の循環流中に可燃物を押し出すから、流動媒体によって掻き取られた可燃物が流動層内に定量的に供給され、従来に比べて飛躍的に可燃物供給における定量性を向上させることができる。さらに従来のように定量的供給を可能とする機器類(2軸の定量供給スクリューコンベヤ等のコンベヤ、受槽、掻き取り機により構成されたもの)を不要とする、簡便な可燃物のガス化方法を提供できる。
【0050】
(3)請求項3に記載の発明によれば、可燃物を圧縮して流動層ガス化炉内をシールしつつ定量的に該流動層ガス化炉内の流動層中に該可燃物を押し出す可燃物供給手段を備えているので、炉内のガス化状態を維持・安定化させることに優れる可燃物のガス化装置を提供できる。更に安定的にガス化を行うことで得られる生成ガス、チャー、及び灰分を安定的に溶融炉に導入させることができ、溶融炉内の状態を安定的に維持することができる。また圧縮した可燃物によって可燃物供給系のシール性を確保することができるため、従来、シール性を確保するために設置していたダブルバンパやロータリバルブ等が不要となる。
【0051】
(4)請求項4に記載の発明によれば、流動媒体の循環流中に可燃物供給手段の供給口を設けたので、流動媒体の循環流によって可燃物が流動層炉内に掻き取られて供給されることにより、流動媒体によって可燃物が流動層内に極めて定量的に供給されるから、従来に比べて飛躍的に可燃物供給における定量性を向上させることができる。さらに従来のように定量的供給を可能とする機器類(2軸の定量供給スクリューコンベヤ等のコンベヤ、受槽、掻き取り機により構成されたもの)を不要とする、簡便な可燃物のガス化装置を提供できる。
【0052】
(5)請求項5に記載の発明によれば、可燃物供給系からのガスの漏洩を効果的に防ぐことができ、炉内圧のシール性を充分に確保できる。
【0053】
(6)請求項6に記載の発明によれば、本発明の可燃物のガス化装置に用いて好適な流動層炉の形状を提供できる。
【0054】
(7)請求項7に記載の発明によれば、可燃物を圧縮して流動層ガス化炉内をシールしつつ定量的に該流動層ガス化炉内の流動層中に該可燃物を押し出す可燃物供給手段を備えているので、流動層ガス化炉内のガス化状態を維持・安定化させることができる。そしてこの安定的にガス化を行うことで得られる生成ガス、チャー、及び灰分を安定的に溶融炉に導入させることができ、溶融炉内の状態を安定的に維持することができる。また圧縮した可燃物によって可燃物供給系のシール性を確保することができるため、従来、シール性を確保するために設置していたダブルバンパやロータリバルブ等が不要となる。
【0055】
(8)請求項8に記載の発明によれば、流動媒体の循環流中に可燃物供給手段の供給口を設けたので、流動媒体の循環流によって可燃物が流動層炉内に掻き取られて供給されることにより、流動媒体によって可燃物が流動層内に極めて定量的に供給されるから、従来に比べて飛躍的に可燃物供給における定量性を向上させることができる。さらに従来のように定量的供給を可能とする機器類(2軸の定量供給スクリューコンベヤ等のコンベヤ、受槽、掻き取り機により構成されたもの)を不要とする、簡便なガス化溶融システムを提供できる。
【0056】
(9)請求項9に記載の発明によれば、燃焼排ガスの温度調整が行える。また場合によっては別途この水分(汚水)を処理する汚水処理設備が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる可燃物のガス化装置を用いて構成されたガス化溶融システムを示す全体構成図である。
【図2】図1に示すガス化溶融システムの内の流動層炉(ガス化装置)2の部分の拡大概略構成図である。
【図3】供給口14部分の拡大図である。
【図4】図4(a),(b)はそれぞれ、従来の可燃物供給方法を用いた場合と、図1,2に示す可燃物供給方法を用いた場合の、燃焼排ガス中のO濃度とCO濃度の測定値を示す図である。
【図5】他の流動層炉2の拡大概略構成図である。
【図6】図5に示す流動層炉2を用いた他のガス化溶融システムの全体構成図である。
【図7】他の流動層炉2の拡大概略構成図である。
【符号の説明】
a 可燃物
b1,b2 流動化ガス
2 流動層炉(可燃物のガス化装置)
3A,3B 風箱(流動化ガス供給手段)
4 分散板(流動化ガス供給手段)
5 流動層
6 フリーボード
7 旋回式溶融炉(溶融炉)
8 一次室
9 二次室
10 三次室
11 スラグ排出口
12 破砕機
13 可燃物供給手段
14 供給口
15,16 昇温用バーナ
19 スラグコンベア
21 水槽
g スラグ
51 ごみクレーン
53 ホッパー
55 搬送コンベア
57 汚水ドレン
59 汚水処理溜め
60 第一導管
61 第二導管
131 供給路
132 軸
133 羽根
135 回転送り部材
138 配管
139 駆動手段
180,181,182 微粒子
183 飛灰
190 処理器
201 排出口
202 不燃物排出装置
203 コンベア
204 分別装置
205 選別装置
211 空気管
k 空気ノズル
213 排ガス
214 廃熱ボイラ
215 空気予熱器
216 エコノマイザ
217 第一集塵器
218 薬剤又は活性炭
219 中和剤
221 第二集塵器
222 誘引通風器
223 排ガス再加熱器
224 高圧蒸気
226 触媒塔
227 煙突
228 高温二次空気予熱器
230 ダンパ
300 上昇する流動層
301 沈降する流動層
400 生成ガス
401 弁
500 汚水
501 ごみピット汚水
502 散水ノズル
800 ごみピット

Claims (9)

  1. 可燃物を圧縮して流動層ガス化炉内をシールしつつ該流動層ガス化炉内の流動層中に該可燃物を定量的に押し出し、押し出された可燃物を該流動層中でガス化することを特徴とする可燃物のガス化方法。
  2. 前記流動層に流動媒体の循環流を形成し、該流動媒体の循環流中に前記可燃物を押し出すことを特徴とする請求項1に記載の可燃物のガス化方法。
  3. 可燃物をガス化する流動層ガス化炉と、該可燃物を圧縮して該流動層ガス化炉内をシールしつつ定量的に該流動層ガス化炉内の流動層中に該可燃物を押し出す可燃物供給手段を備えたことを特徴とする可燃物のガス化装置。
  4. 前記流動層ガス化炉は、前記流動層内に流動媒体の循環流を形成するための手段を備え、該流動媒体の循環流中に前記可燃物供給手段の供給口を設けたことを特徴とする請求項3に記載の可燃物のガス化装置。
  5. 前記可燃物供給手段の供給口は、前記流動層中の炉内圧力値が−2〜+10kPaGとなる位置に設けられたことを特徴とする請求項3又は4に記載の可燃物のガス化装置。
  6. 前記流動層ガス化炉は、水平断面が略矩形であることを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の可燃物のガス化装置。
  7. 可燃物を圧縮して流動層ガス化炉内をシールしつつ定量的に該流動層ガス化炉内の流動層中に該可燃物を押し出す可燃物供給手段と、供給された可燃物をガス化する流動層ガス化炉と、該流動層ガス化炉にて得られる生成物を導入して該生成物に含まれる灰分を溶融スラグ化する溶融炉を備えたことを特徴とするガス化溶融システム。
  8. 前記流動層ガス化炉は、前記流動層内に流動媒体の循環流を形成するための手段を備え、該流動媒体の循環流中に前記可燃物供給手段の供給口を設けたことを特徴とする請求項7に記載の可燃物のガス化溶融システム。
  9. 前記圧縮された可燃物から得られる水分を前記可燃物供給手段から搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送された水分を前記溶融炉から排出される排ガス中に噴霧する水分噴霧手段とを設けたことを特徴とする請求項7又は8に記載の可燃物のガス化溶融システム。
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