JP4240498B2 - 循環流動炉より生成した焼却灰より高品質骨材を製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下水汚泥、都市ごみ、産業廃棄物、石炭等固形炭素質系の廃棄物を焼却し、焼却に伴い発生する灰を溶融して骨材等を製造する、循環流動炉より生成した焼却灰より高品質骨材を製造する方法に関する。
従来、下水汚泥、都市ごみ、産業廃棄物等の焼却処理システムとして、これら廃棄物を気泡型流動炉で焼却し、焼却灰を灰溶融炉で溶融してスラグ化して路盤材等建築用骨材を製造するシステムが広く用いられている。
かかるシステムに用いる気泡型流動炉は、流動砂の大きな熱容量と攪拌による一様温度のため、特に汚泥のような高含水率の廃棄物の燃焼に適している。そして気泡型流動炉での焼却により発生する焼却灰は灰溶融炉で溶融され、冷却、固化してスラグとされ、建築用骨材等として利用されるが、灰の溶融温度を低くするために灰溶融炉には灰と共に溶融助剤が供給されて塩基度(CaO/SiO比)が調整される。前記スラグは、温度管理された再加熱によりスラグ中に結晶の核を生成、成長させることによって高品位化され強度が高められる。
このような、気泡型流動炉と灰溶融炉を用いた廃棄物焼却及び骨材製造システムの一例について図5を参照しながら説明する。
図5において、システムは、廃棄物31を気泡型流動炉36に供給する圧送ポンプ32、前記気泡型流動炉36に空気を供給するブロワ43、前記空気を予熱する空気予熱器37、白煙防止器38、ガス冷却塔39、バグフィルタ40、誘引ファン41、白煙防止器用ファン44、排煙処理塔42、前記バグフィルタ40で捕集された飛灰を貯留する灰ホッパー45、灰溶融炉側ホッパー49、灰と溶融助剤を灰溶融炉53に供給する供給機50、ガス冷却塔55、スラグ結晶化コンベア56、スラグ加熱用バーナ57等より構成されている。
例えば、有機系廃棄物(脱水ケーキ)31は、圧送ポンプ32により気泡型流動炉36に安定連続供給され、流動層61で略均一に攪拌混合されて乾燥、熱分解、部分燃焼され、フリーボード62で未燃ガスが燃焼する。該燃焼排ガスはフリーボード62を出て空気予熱器37で流動空気ブロワ43から送られる空気を約650℃に昇温することによって熱回収され、前記昇温された空気は前記流動層61に加熱及び燃焼用空気として吹き込まれる。前記空気予熱器37を出た燃焼排ガスは、白煙防止器38で白煙防止器用ファン44から送られる空気によって更に約300℃まで冷却され、バグフィルタ40で焼却灰が捕集除去される。その後、燃焼排ガスは排煙処理塔42で酸性ガス(SOx、HCl)が除去されて排出される。
前記バグフィルタ40で捕集された焼却灰は灰ホッパー45に貯留後、灰輸送機46により灰溶融炉側ホッパー49に定量供給される。該灰溶融炉側ホッパー49には灰溶融温度を低くするための溶融助剤が溶融助剤ホッパー47下部の溶融助剤供給器48により定量的に供給される。前記灰溶融炉側ホッパー49に定量供給された焼却灰と溶融助剤は定量供給器50を介して灰溶融炉53に定量供給され、燃焼ノズル52から噴出する燃焼ガスによって1400〜1700℃の高温場に保持されている炉内で略瞬時に溶融され、溶融した焼却灰は炉下部より排出され冷却固化しスラグとなる。灰溶融炉53内の燃焼ガスは、炉上部の2次燃焼室54での2次燃焼で未燃燃料が完全燃焼され、ガス冷却塔55で約300℃まで冷却された後前記気泡型流動炉からの排ガスと合流して前記バグフィルタ40で灰分が捕集除去され、排煙処理塔42で酸性ガス(SOx、HCl)が除去されて排出される。
前記スラグは結晶化コンベア56上を搬送されながら加熱バーナ59によって再加熱(700℃1h+900℃1h)等の温度管理がなされて結晶化され、高品質骨材60となる。バーナ燃焼排ガスは前記ガス冷却塔55に導入され、該冷却塔55を出た排ガスは前記冷却塔39を出た排ガスと合流して前記バグフィルタ40に導入される。
しかしながら、上記したようなシステムにおいては、焼却灰に溶融助剤を混合して塩基度(CaO/SiO比)を適正に調整することが難しく、更に時間的応答性が遅いため、灰溶融炉の安定運転が難しく、灰溶融炉は炉内温度が溶流点を150〜200℃越えるように運転されるのが普通である。また、溶融助剤、即ち塩基度調整剤として使用される石灰石(CaCO)は生石灰(CaO)に比べて安価であるが、CaCOが高温でCaOとなる反応(CaCO→CaO+CO)時に二酸化炭素が発生して燃焼阻害を惹起し、炉内温度が安定しない傾向にある。さらに、スラグを結晶化して強度の高い結晶質スラグとするためには冷却速度を小さくする必要があり、冷却速度を調節するためにスラグを再加熱するバーナが必要である。
本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、焼却灰の塩基度調整が容易で、灰溶融炉を安定的に運転でき、燃料の消費量が少なく、焼却灰を溶融して得られたスラグを強度の高い結晶質スラグとするために厳しい温度管理を伴うことなしに廃棄物を焼却して高品質骨材を製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、循環流動炉で焼却した廃棄物の焼却灰を排ガス中より捕捉して灰溶融炉で溶融した後、該溶融スラグを冷却しながら結晶化させる結晶化コンベアを有する焼却灰溶融システムにおいて、
前記循環流動炉の炉内脱硫・脱塩の際の余剰となるよう石灰石を廃棄物とともに前記循環流動炉に供給して該石灰石(CaCO)が高温でCaOとなる熱分解反応を生じせしめる第1のステップと、
前記循環流動炉からの排ガスに水を噴射して前記熱分解反応により生成された生石灰(CaO)と水で二次脱硫を行う第2ステップと、
炉内脱硫に使用した石灰分が混合されている焼却灰を二次脱硫後の排ガス中より補足して前記灰溶融炉に投入して溶融スラグを得る第3のステップと、
前記灰溶融炉内で得られた溶融スラグを前記結晶化コンベアで徐冷して結晶化して高品質骨材を製造する第4のステップよりなり、
前記灰溶融炉に投入された焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が0.45〜2.5の範囲に入るように前記石灰石(CaCO)の供給量を設定したことを特徴とする。
これにより灰溶融炉に溶融助剤を投入することなく運転できるとともに、生石灰(CaO)に比べて安価である石灰石(CaCO)を用いての運転が可能となる。
又灰溶融炉には石灰石(CaCO)を投入しないために、CaCOが高温でCaOとなる反応(CaCO→CaO+CO)時に二酸化炭素が発生して燃焼阻害を惹起することなく、炉内温度が安定する。
請求項2は前記第1のステップが脱水ケーキと石灰石(CaCO)を循環流動炉6に定量連続供給して該石灰石(CaCO)が高温でCaOとなる熱分解反応を生じせしめるステップであることにある。
脱水ケーキと石灰石(CaCO)を循環流動炉に定量連続供給するために、循環流動炉の流動層で攪拌混合され、流動炉のフリーボードから排出される燃焼排ガス中の焼却灰の組成は均一化される。
前記第のステップが、灰溶融炉内で得られた溶融スラグを断熱構造の前記結晶化コンベアで徐冷して高品質骨材を製造するステップである。
断熱構造であるために、厳しい温度管理を要せずに結晶化度の高い高品質の骨材を製造することができる。
本発明により灰溶融温度を低く保ちながら溶融炉の安定運転が可能となる。
請求項は、前記第のステップが、灰溶融炉内で得られた溶融スラグを再加熱することなく前記結晶化コンベアで徐冷して高品質骨材を製造するステップである場合に、
前記灰溶融炉に投入された焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が1.2〜2.5の範囲に入るように前記石灰石(CaCO)の供給量を設定したことを特徴とする。
これにより本発明によれば、石灰石を循環流動炉に廃棄物と共に供給することによって灰溶融炉における燃焼の安定化ができるので、灰の塩基度が1.2〜2.5と高く灰の溶融温度が高い場合でも、システムを安定的に運転できる点で効果を発揮する。
請求項は、前記第のステップが、灰溶融炉内で得られた溶融スラグを再加熱することなく前記結晶化コンベアで徐冷して高品質骨材を製造するステップである場合に、
前記灰溶融炉に投入された焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が0.88〜1.2の範囲に入るように前記石灰石(CaCO)の供給量を設定したことを特徴とする。
これにより、灰溶融温度を低く保ちながら溶融炉の安定運転が可能となるとともに、厳しい温度管理を伴うスラグの再加熱の必要がなく、単なる徐冷で結晶化度が高く強度の高い高品質骨材を製造することができる。さらに、灰溶融炉での助燃料の低減とともにスラグ再加熱のための燃料が不要となり、燃料消費が大幅に低減される。
請求項6の発明は、前記灰溶融炉に投入された焼却灰がCaO−SiO−Alの3成分系である場合に、前記焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が0.88〜2.5で且つCaOとAlとの重量比(%)が(CaO:Al=60〜90:40〜10)になるように、前記石灰石(CaCO)の供給量を設定したことを特徴とする。
かかる発明は前記灰溶融炉に投入された焼却灰がCaO−SiO−Alの3成分系である場合に、再加熱有無に関わらず冷却速度がある程度以下であれば結晶化度が高い。
かかる発明によれば、前記循環流動炉の炉内脱硫・脱塩の際の余剰となるよう石灰石を前記循環流動炉に供給して該石灰石(CaCO)が高温でCaOとなる熱分解反応を生じせしめ、更に前記灰溶融炉投入時の焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が0.45〜2.5の範囲に入るように前記石灰石(CaCO)の供給量を設定することを提案する。即ち廃棄物と共に循環流動炉に供給される石灰石は、前記循環流動炉の炉内脱硫・脱塩の際の余剰となるよう石灰石を前記循環流動炉に供給して該石灰石(CaCO)が高温でCaOとなる熱分解反応を生じせしめると、灰溶融炉側でCaCOが高温でCaOとなる反応(CaCO→CaO+CO)時に二酸化炭素が発生して燃焼阻害を惹起することがない。
この場合に焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が0.45〜0.88となるように調節すると、灰溶融炉における溶融温度を低くすることができ、塩基度(CaO/SiO比)が0.88〜1.2となるように調節すると灰溶融炉における溶融温度を低くすることができると共に厳しい温度管理を要せずに結晶化度の高い高品質の骨材を製造することができ、更に塩基度(CaO/SiO比)が0.88〜2.5となるように調節すると厳しい温度管理を要せずに結晶化度の高い高品質の骨材を製造することができる。
そして循環流動炉に廃棄物と共に石灰石(CaCO)を投入すると、これらは循環流動炉の流動層で攪拌混合され、流動炉のフリーボードから排出される燃焼排ガス中の焼却灰の組成は均一化される。そしてCaCOが高温でCaOとなる反応(CaCO→CaO+CO)は循環流動炉で起るので、灰溶融炉は安定した運転が可能となる。
廃棄物中の無機分、即ち灰分の溶融温度は灰分の組成、特に塩基度(CaO/SiO比)によって定まり、一例を挙げるとCaO−SiO二成分系の場合、図2示されるような関係がある。図2によれば、融解温度は塩基度が約0.45と1.2の間で極小値となり、0.45と1.2の間ではやや高くなるが、全体的にはこの間で融解温度が低い。
さらに、発明者らは、CaO−SiO−Alの3成分系の結晶化について図3に示す試験結果を得た。同図において、陰影を施した成分領域で結晶化が良好なアノーサイト領域となる(前記焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が0.88〜2.5で且つCaOとAlとの重量比(%)が(CaO:Al=60〜90:40〜10)になる領域)。一般的な高分子系脱水ケーキ、脱硫剤(CaCO)により脱硫した場合、及び脱硫剤(CaCO)を増加した場合の焼却灰の性状を、それぞれT1、T2、T3として、表1に示す。
Figure 0004240498
表1にはCaO+SiOを100%として求めた塩基度(CaO/SiO)が最下欄に記載してある。図3にCaO+SiO+Alを100%とした場合のCaO、SiO、Alの%がT1、T2、T3としてプロットしてある。T3はアノーサイト領域に入っているが、T1、T2はアノーサイト領域外である。
図3において、塩基度(CaO/SiO)一定の線はCaOが0%、Alが100%の点を通る直線となる。結晶化が良好なアノーサイト領域は塩基度が0・88〜2.5の範囲で且つCaOとAlとの重量比(%)が(CaO:Al=60〜90:40〜10)になる領域である。図4にT1とT3の場合のスラグについて、冷却速度と結晶化度との関係を示す。T1(塩基度0.15)の場合は冷却速度が速くなるにしたがって結晶化度が低下しているが、T3(塩基度1.0)の場合は、再加熱有無に関わらず冷却速度がある程度以下であれば結晶化度が高い。
一方、二成分系(CaO−SiO)での混合比と融点の関係を示す図2に見られるように塩基度(CaO/SiO比)が約1.2を越えると灰の融解温度が高くなる。したがって、灰の塩基度を0.88〜1.2に納めれば、灰の融解温度も低く、結晶化も再加熱して冷却速度を非常に遅くすることなく良好にすることができる。塩基度が1.2〜2.5では、溶融温度は高くなるが、結晶化は再加熱して温度管理を行うことなく良好にすることができる。本発明によれば、石灰石を循環流動炉に廃棄物と共に供給することによって灰溶融炉における燃焼の安定化ができるので、灰の塩基度が1.2〜2.5と高く灰の溶融温度が高い場合でも、システムを安定的に運転できる点で効果を発揮するものである。
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
循環流動炉に廃棄物とともに石灰石(CaCO)を投入することによって、焼却灰の組成は均一化し、灰溶融炉の安定運転が可能となる。
焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が0.45〜2.5、好ましくは0.88〜2.5の範囲に入るように循環流動炉に廃棄物とともに石灰石(CaCO)を投入することによって、灰溶融温度を低く保ちながら溶融炉の安定運転が可能となるとともに、厳しい温度管理を伴うスラグの再加熱の必要がなく、単なる徐冷で結晶化度が高く強度の高い高品質骨材を製造することができる。さらに、灰溶融炉での助燃料の低減とともにスラグ再加熱のための燃料が不要となり、燃料消費が大幅に低減される。
焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が0.45〜2.5、特に1.2〜2.5の範囲に入るように循環流動炉に廃棄物とともに石灰石(CaCO)を投入することによって、溶融スラグの高品位化が可能となるとともに、厳しい温度管理を伴うスラグの再加熱の必要がなく、断熱構造の前記結晶化コンベアで再加熱することなく冷却して(単なる徐冷)で結晶化度が高く強度の高い高品質骨材を製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の実施の形態に係わる循環流動炉による焼却灰塩基度調整システムの構成を示す。システムは、ホッパに投入された有機系廃棄物(脱水ケーキ)1と溶融助剤28を圧送する圧送ポンプ2、循環流動炉6、ホットサイクロン7、空気予熱器8、白煙防止器9、ガス冷却塔10、バグフィルタ11、誘引ファン12、煙突13、流動空気ブロワ14、白煙防止ファン15、灰ホッパ16等よりなる廃棄物焼却システムと、灰溶融炉側灰ホッパ18、灰定量供給機19、灰溶融炉22、二次燃焼室23、ガス冷却塔24、結晶化コンベア25等からなる焼却灰溶融システムにより構成されている。
有機系廃棄物(脱水ケーキ)1と溶融助剤である石灰石(CaCO)28は、圧送ポンプ2により循環流動炉6に定量連続供給され、該流動炉6の砂層部29で乾燥、熱分解、一部燃焼してフリーボード30で未燃ガスが燃焼する。炉内では、有機系廃棄物(脱水ケーキ)1と共に供給された石灰石(CaCO)28により脱硫・脱塩が行われる。前記フリーボード30から排出される燃焼排ガスと流動砂はホットサイクロン7で流動砂が分離され、分離された高温の排ガスは空気予熱器8を通って流動層29での流動兼燃焼用の空気を約650℃に加熱昇温した後、白煙防止器9で更に空気を加熱昇温し、ガス冷却塔10で約300℃に冷却されてバグフィルタ11で排ガス中の焼却灰が捕集除去された後に煙突13を通って排出される。
バグフィルタ11で捕集された焼却灰は、灰ホッパ16に貯留後、灰輸送機17により灰溶融側灰ホッパ18に供給される。該焼却灰中には炉内脱硫に使用した石灰分が均一に混合されている。前記灰溶融側灰ホッパ18内の焼却灰は、灰定量供給器19により灰供給ノズル20を介して灰溶融炉22に定量供給され、燃焼ノズル21から供給される助燃料26の燃焼によって1400〜1700℃の高温場に保持されている炉内で略瞬時に溶融される。溶融スラグは炉の下部より排出され、燃焼排ガスは炉の上部から二次燃焼室23に排出されて二次燃焼により完全燃焼される。該燃焼ガスは、ガス冷却塔24において約200℃に冷却された後、前記白煙防止器9からの排ガスに合流してガス冷却塔10に導入される。
該ガス冷却塔10では下部から水が噴霧状に噴射され、炉内脱硫の際の余剰石灰石(CaCO)が熱分解して生成された生石灰(CaO)と水が亜硫酸生成反応、消石灰生成反応をするので、二次脱硫が行われることになる。溶融スラグは断熱構造の結晶化コンベア25で徐々に冷却され、結晶化度の高い高品質骨材27として取出される。この結晶化に際しては、従来のような再燃バーナによる温度コントロールは不要である。なお、結晶化コンベア25で発生する水蒸気等は前記ガス冷却塔24に誘引される。
本発明によれば、焼却灰の塩基度調整が容易で、灰溶融炉を安定的に運転でき、燃料の消費量が少なく、焼却灰を溶融して得られたスラグを強度の高い結晶質スラグとするために厳しい温度管理を伴うスラグ再加熱の必要のなしに廃棄物を焼却して高品質骨材を製造できる。
本発明の実施の形態に係わる循環流動炉による焼却灰塩基度調整システムの構成を示す図である。 CaO−SiO二成分系での混合比と融点の関係を示す図である。 CaO−SiO−Alの三成分系の成分比率と結晶化領域の関係を示す図である。 スラグの徐冷速度と結晶化度の関係を示す図である。 従来の気泡型流動炉と灰溶融炉を用いた廃棄物焼却及び骨材製造システムの一例である。
符号の説明
1 脱水ケーキ
2 圧送ポンプ
6 循環流動炉
7 ホットサイクロン
8 空気予熱器
10 ガス冷却塔
11 バグフィルタ
16 灰ホッパ
17 灰輸送機
18 灰溶融炉側灰ホッパ
19 灰定量供給器
22 灰溶融炉
23 二次燃焼室
24 ガス冷却塔
25 結晶化コンベア
27 高品質骨材
28 溶融助剤

Claims (6)

  1. 循環流動炉で焼却した廃棄物の焼却灰を排ガス中より捕捉して灰溶融炉で溶融した後、該溶融スラグを冷却しながら結晶化させる結晶化コンベアを有する焼却灰溶融システムにおいて、
    前記循環流動炉の炉内脱硫・脱塩の際の余剰となるよう石灰石を廃棄物とともに前記循環流動炉に供給して該石灰石(CaCO)が高温でCaOとなる熱分解反応を生じせしめる第1のステップと、
    前記循環流動炉からの排ガスに水を噴射して前記熱分解反応により生成された生石灰(CaO)と水で二次脱硫を行う第2ステップと、
    炉内脱硫に使用した石灰分が混合されている焼却灰を二次脱硫後の排ガス中より補足して前記灰溶融炉に投入して溶融スラグを得る第3のステップと、
    前記灰溶融炉内で得られた溶融スラグを前記結晶化コンベアで徐冷して結晶化して高品質骨材を製造する第4のステップよりなり、
    前記灰溶融炉に投入された焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が0.45〜2.5の範囲に入るように前記石灰石(CaCO)の供給量を設定したことを特徴とする循環流動炉より生成した焼却灰より高品質骨材を製造する方法。
  2. 前記第1のステップが脱水ケーキと石灰石(CaCO)を循環流動炉に定量連続供給して該石灰石(CaCO)が高温でCaOとなる熱分解反応を生じせしめるステップである請求項1記載の循環流動炉より生成した焼却灰より高品質骨材を製造する方法。
  3. 前記第のステップが、灰溶融炉内で得られた溶融スラグを断熱構造の前記結晶化コンベアで徐冷して高品質骨材を製造するステップである請求項1記載の循環流動炉より生成した焼却灰より高品質骨材を製造する方法。
  4. 前記第のステップが、灰溶融炉内で得られた溶融スラグを再加熱することなく前記結晶化コンベアで徐冷して高品質骨材を製造するステップである場合に、
    前記灰溶融炉に投入された焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が1.2〜2.5の範囲に入るように前記石灰石(CaCO)の供給量を設定したことを特徴とする請求項1記載の循環流動炉より生成した焼却灰より高品質骨材を製造する方法。
  5. 前記第のステップが、灰溶融炉内で得られた溶融スラグを再加熱することなく前記結晶化コンベアで徐冷して高品質骨材を製造するステップである場合に、
    前記灰溶融炉に投入された焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が0.88〜1.2の範囲に入るように前記石灰石(CaCO)の供給量を設定したことを特徴とする請求項1記載の循環流動炉より生成した焼却灰より高品質骨材を製造する方法。
  6. 前記灰溶融炉に投入された焼却灰がCaO−SiO−Alの3成分系である場合に、前記焼却灰の塩基度(CaO/SiO比)が0.88〜2.5で且つCaOとAlとの重量比(%)が(CaO:Al=60〜90:40〜10)になるように、前記石灰石(CaCO)の供給量を設定したことを特徴とする請求項1記載の循環流動炉より生成した焼却灰より高品質骨材を製造する方法。
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