JP4285760B2 - ガス化溶融システムの運転制御方法及び該システム - Google Patents

ガス化溶融システムの運転制御方法及び該システム Download PDF

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Description

本発明は、廃棄物を熱分解して熱分解ガスを発生させ、該熱分解ガスの燃焼熱で灰分を溶融するガス化溶融システムに関し、特に、起動時に必要とされる燃料コストを低減させ、且つ円滑な起動を可能としたガス化溶融システムの運転制御方法及び該システムに関する。
従来より、都市ごみを始めとして不燃ごみ、焼却残渣、汚泥、埋立ごみ等の廃棄物まで幅広く処理できる技術としてガス化溶融システムが知られている。
ガス化溶融システムの概略を図4に示す。ガス化溶融システムは、熱分解してガス化するガス化炉3と、該ガス化炉33にて生成された熱分解ガス33を高温燃焼し、ガス中の灰分を溶融スラグ化する旋回溶融炉6と、該旋回溶融炉6の排ガスが導入され、排ガス中の未燃分を燃焼させる二次燃焼室12と、減温塔14、反応集じん装置15、蒸気式加熱器16、触媒反応装置17等からなる排ガス処理設備とを備えている。廃棄物の資源化、減容化及び無害化を図るために、旋回溶融炉6からスラグを取り出して路盤材等の土木資材として再利用したり、二次燃焼室12からの高温排ガスからボイラ部13にて廃熱を回収して発電を行うなどしている。
上記したようなガス化溶融システムでは、起動時にガス化炉3の炉底に充填された流動媒体(流動層30)を流動化する操作、及びシステム内を昇温する操作が必要となる。ガス化炉3では、流動層30を流動化するために燃焼空気32を供給するとともに、補助燃料バーナ21を着火して炉内温度を昇温させる。また旋回溶融炉6は、ガス化炉3から流入する高温ガスにより昇温されるとともに、不足する熱量を種火バーナ24、補助燃料バーナ25により補填する。同様に二次燃焼室12では、高温ガスによる昇温とともに補助燃料バーナ27を着火して昇温を行う。
ガス化溶融システムでは、直列に接続されたガス化炉3、溶融炉6、二次燃焼室12の昇温タイミングを適正化して炉内温度を均一化に昇温し、且つ燃料コストを低減することが求められる。
特許文献1(特開2003−302023号公報)では、溶融炉の昇温用バーナの着火前に溶融炉内に過剰の燃焼空気を供給し、この状態で昇温用バーナを着火し、温度センサにより炉内の温度を検出しながら予め設定された昇温テーブルに従って徐々に昇温する運転方法が開示されている。昇温は、昇温用バーナの出力制御及び燃焼空気の導入流量により制御される。これにより、溶融炉内にて過剰の燃焼空気により大量の熱ガスを生成することができ、炉内温度が均一化される。
また、特許文献2(特開2002−22126号公報)では、ガス化炉の起動バーナをを用いて燃料を空気過剰で燃焼させて昇温起動した後に、燃料吹き込みノズルを用いてこの燃料を空気不足で燃焼させて可燃性ガスを発生させ、溶融炉に設けた点火用パイロットバーナを用いて可燃性ガスを燃焼させて炉内を昇温する方法が提案されている。これにより、ガス化炉と溶融炉の昇温タイミングを合わせることができ、また燃料コストを低減することができる。
さらに、特許文献3(特開2001−296013号公報)では、ガス化炉と溶融炉の夫々の起動バーナに供給される空気量を燃料量から独立して調整する構成を提案している。これは、システム全体に対して余分な空気を供給しないことにより溶融炉の冷却を防ぎ、最低の燃料使用量で目標温度に到達する時間を短縮することを可能としている。
特開2003−302023号公報 特開2002−22126号公報 特開2001−296013号公報
特許文献1乃至3に記載されるように、ガス化溶融システムではガス化炉と同時に溶融炉も昇温しており、ガス化炉と溶融炉は同期化された起動操作が行われていた。しかし、流動層ガス化炉を備えるシステムにおいて、流動化が確立されずガス化炉の起動が適切に行われなかった場合に、溶融炉のみが昇温を継続されるため溶融炉に供給される燃料コストが無駄に使われるという問題があった。この場合ガス化炉の流動化が正常化するまで溶融炉は高温に維持され、そのために使用される燃料によりランニングコストが増大してしまうことがある。
また、システムを再起動する場合には、溶融炉の炉壁に溶融スラグが皮膜したスラグコート層が形成されており、溶融炉の昇温段階でこのスラグコート層が溶融することがある。完全に昇温されていない炉内では、スラグコート層の溶融物はスラグ出滓口を閉塞してしまうため、安定した起動が行われない惧れがある。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、起動時における補助燃料等の燃料使用量を低減させてランニングコストを抑え、経済的な運転を可能とするとともに、溶融炉のスラグ出滓口の閉塞を発生させることなく安定した起動を可能としたガス化溶融システムの運転制御方法及び該システムを提案することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、流動層ガス化炉にて廃棄物を熱分解して熱分解ガスを発生させ、該熱分解ガスを溶融炉内に導入し、該溶融炉にて前記熱分解ガスの燃焼熱により灰分を溶融するガス化溶融システムの運転制御方法において、
前記ガス化炉と前記溶融炉を同期させて昇温しながら、前記ガス化炉の炉底から燃焼空気を導入し、
前記昇温開始から所定時間経過後に前記ガス化炉における流動化状態を検出し、流動化が確立されていない場合には前記溶融炉の昇温を停止することを特徴とする。
本発明によれば、ガス化炉の流動化が完全に確立されたことを判断し、該流動化が確立された場合にのみ溶融炉の昇温を行うようにしたため、溶融炉にて無駄な燃料が使用されることがなく、燃料コストを低減して経済的な運転を行うことを可能とする。
また、前記ガス化溶融システムを再起動する場合であって、前記溶融炉の炉壁に溶融スラグが付着固化したセルフコート層が形成されており、
前記溶融炉の昇温時に炉内温度を検出し、該炉内温度が前記セルフコート層の溶融温度に達するより前に、前記溶融炉のスラグ出滓口を加熱する溶融固化物溶融バーナを着火することを特徴とする。
これにより、溶融炉の昇温過程でセルフコート層が溶融した場合であっても、溶融固化物溶融バーナにてスラグ出滓口を加温することによりスラグ出滓口の閉塞を防止することができる。
また、前記溶融炉の昇温停止は、既着火バーナの出力増大停止若しくは未着火バーナの着火停止により行うことを特徴とする。
このように、既に着火しているバーナについては出力増大を停止し、着火していないバーナについては着火を停止することにより、溶融炉内温度が極端に温度低下することなく、昇温のみを停止することが可能である。
さらに、前記流動化状態の検出は、前記ガス化炉に形成された流動層の温度分布に基づき判断することを特徴とする。
これは、流動層内の温度分布を検出し、温度分布が略均一であれば十分な流動化が確立されているものと判断できる。従って、本構成によれば流動層の流動化を正確に検出することができる。
さらにまた、前記流動化が確立されていない場合に、前記ガス化炉の炉底全面もしくは一部局所的に燃焼空気の供給量を一時的に増大することを特徴とする。
これにより、ガス化炉を停止することなく流動化を促進することができ、円滑な起動が可能となる。
また、廃棄物を熱分解して熱分解ガスを発生させる流動層ガス化炉と、該熱分解ガスの燃焼熱により灰分を溶融する溶融炉とからなり、前記溶融炉が、前記熱分解ガスを炉内に導入する熱分解ガスバーナと、該熱分解ガスバーナの着火を促進する種火バーナと、溶融炉内に補助燃料を導入する補助燃料バーナとを備えたガス化溶融システムにおいて、
前記ガス化炉の昇温開始から所定時間経過後に流動化状態を検出する流動化検出手段と、
前記流動化検出手段により検出された流動化状態に基づいて前記補助燃料バーナ、前記種火バーナの着火若しくは出力を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記流動化検出手段により流動化の確立が検出されなかった場合に、前記溶融炉の昇温を停止するように前記補助燃料バーナ及び前記種火バーナを制御することを特徴とする。
さらに、前記流動化検出手段が、前記ガス化炉の流動層内の温度分布を検出する温度センサ群であることを特徴とする。
以上記載のごとく本発明によれば、ガス化炉の流動化が完全に確立されたことを判断し、該流動化が確立された場合にのみ溶融炉の昇温を行うようにしたため、溶融炉にて無駄な燃料が使用されることがなく、燃料コストを低減して経済的な運転を行うことを可能とする。
また、溶融炉の昇温過程において溶融炉壁に付着したセルフコート層が溶融した場合であっても、溶融固化物溶融バーナにてスラグ出滓口を加温することによりスラグ出滓口の閉塞を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例に係るガス化溶融システムの全体構成を示す概略図、図2は起動時の温度制御を示すグラフで、(a)はガス化炉、(b)は溶融炉、(c)は二次燃焼室を夫々示し、図3は本発明の実施例に係るガス化溶融システムの制御フローを示す図である。
図1を参照して、本実施例に係るガス化溶融システムの概略構成を説明する。
廃棄物投入ホッパ1から投入された廃棄物31は、必要に応じて破砕、乾燥された後に給じん機2を介して流動床式ガス化炉3へ定量供給される。流動層ガス化炉3では、温度約120〜230℃、空気比0.2〜0.7程度の燃焼空気32が炉下部から風箱4を介して炉内に吹き込まれ、流動層温度が500〜600℃程度に維持されている。
廃棄物31は流動層ガス化炉3で熱分解ガス化され、ガス、タール、チャー(炭化物)に分解される。タールは、常温では液体となる成分であるが、ガス化炉内ではガス状で存在する。ガス化炉3の不燃物は不燃物排出口5より逐次排出される。
チャーは流動層内で徐々に微粉化され、ガス及びタールに同伴して旋回溶融炉6へ導入される。以下、溶融炉6へ導入されるこれらの成分を総称して熱分解ガス33と呼ぶ。
前記流動層ガス化炉3の炉頂部より排出された熱分解ガス33は、ライニングダクトを経て旋回溶融炉6の熱分解ガスバーナ29へ導入される。該熱分解ガスバーナ29で、熱分解ガス33は燃焼空気34と混合されて炉内に導入され、旋回流を形成する。このとき、燃焼空気は空気比0.9〜1.1、好ましくは1.0程度であると良い。
前記旋回溶融炉6では、熱分解ガス33と燃焼空気34の混合ガスが燃焼することにより炉内温度が1300〜1500℃に維持され、熱分解ガス33中の灰分が溶融、スラグ化される。溶融したスラグは、旋回溶融炉6の内壁面に付着、流下し、炉底部のスラグ出滓口7からスラグ抜出シュート8を経て排出される。旋回溶融炉6から排出されたスラグは、水砕槽9で急冷され、スラグコンベア10により搬出されて水砕スラグとして回収される。回収された水砕スラグは、路盤材等に有効利用することが可能である。
一方、旋回溶融炉6から排出された燃焼排ガスは連結部11を介して二次燃焼室12へ導入される。二次燃焼室12では、燃焼空気35が空気比1.2〜1.5となるように供給されるとともに、必要に応じて補助燃料バーナ27で所定温度まで昇温され、前記燃焼排ガス中の未燃分はここで完全燃焼される。
燃焼排ガスは、ボイラ部13で熱回収されて、200〜250℃程度まで冷却される。ボイラ部13から排出された燃焼排ガスは、減温塔14へ導入され、直接水噴霧により150℃程度まで冷却される。減温塔14から排出された燃焼排ガスは、必要に応じて煙道で消石灰、活性炭が噴霧され、反応集塵装置15に導入される。反応集塵装置15では、燃焼排ガス中の煤塵、酸性ガス、DXN類等が除去される。反応集塵装置15から排出された集塵灰は薬剤処理して埋立処分され、燃焼排ガスは蒸気式加熱器16で再加熱され、触媒反応装置17でNOが除去された後、誘引ファン18を介して煙突19より大気放出される。
流動層ガス化炉3は、炉底部に流動砂が充填された流動層30が形成され、その上方に補助燃料バーナ21が設けられている。炉底部には複数の風箱4が並設されており、該風箱4を介して炉内に燃焼空気32が導入される。尚、起動初期の流動層30は流動媒体が流動していない場合もあるが、本実施例ではこれも含み流動層30と呼称する。通常運転時の流動層30は、500〜600℃程度の温度に維持される。
さらに本実施例では、起動時に流動層30内に位置する少なくとも一の温度センサ22を備える。好適には、流動層内の複数の水平断面であって、かつ同一水平断面上に離間されて配置された複数の温度センサ22からなる温度センサ群を備える。この温度センサ群により流動層の水平方向および鉛直方向の温度分布が検出できる。
旋回溶融炉は6は断面円形状の炉本体を有しており、側壁には熱分解ガス33を吹き込む一又は複数の熱分解ガスバーナ29が配設される。熱分解ガスバーナ29の近傍には、助燃バーナ25が配設される。さらに、炉上部は絞り構造の連結部11を介して二次燃焼室12に連通しており、旋回溶融炉6で発生した燃焼排ガスは二次燃焼室12に送られる。炉底部にはスラグ出滓口7が設けおり、該スラグ出滓口7から下方に延設されたスラグ抜出シュート8を通って溶融スラグが排出されるようになっている。スラグ抜出シュート8にはスラグ出滓口7へ向けて溶融固化物溶融バーナ23が取り付けられており、スラグ出滓口7から排出される溶融スラグが固化して閉塞しないように加温するようになっている。溶融固化物溶融バーナ23は通常は使用しないが、スラグ出滓口7が閉塞あるいは閉塞傾向にある場合に着火し、閉塞の度合いによってバーナ出力を調整しながらスラグ出滓口7を加温し、溶融スラグの固化による閉塞を防止する。
二次燃焼室12には燃焼空気35が供給され、旋回溶融炉6からの燃焼排ガスを完全燃焼する。また、二次燃焼室12の側壁には一又は複数の補助燃料バーナ27が設けられており、二次燃焼室内の温度を維持するようになっている。
次に、図3に基づいて本システムの起動時における制御フローを説明する。図2は、図3に示す制御フローの時系列に対応したガス化炉3、溶融炉6、二次燃焼室12の温度変化を示すグラフである。
まず、ガス化炉3内に流動砂を初期充填量だけ投入し(S1)、燃焼空気32の供給を開始する(S2)とともに、ガス化炉3の補助燃料バーナ21(図中、補助バーナと略す)を着火する(S3)。図2において燃焼空気供給、補助燃料バーナ着火はA点で示される。
そして、ガス化炉3の補助バーナ21の出力を制御することにより、ガス化炉上方のフリーボード部の温度を一定昇温速度にて昇温する(S4)。ガス化炉3のフリーボード部の温度が予め設定した温度以上であるか否かを判断し(S5)、設定温度以上となったらガス化炉3の補助バーナ21の出力を定常値に固定する(S6)。図2においてガス化炉3の補助バーナ21の出力の固定はB点以降で行われ、このときの温度はtである。尚、定常値とは、起動完了後の通常運転時と同等の値である。設定温度以下である場合は、ガス化炉3の補助バーナ21の出力による温度制御を続行する(S4)。さらに、必要に応じて流動砂の追加供給を逐次行う。
ガス化炉3を昇温すると、これに伴い後段側の溶融炉6、二次燃焼室12へ高温ガスが流入し、徐々に昇温し始める。二次燃焼室12は、比較的早い段階で補助燃料バーナ27を着火することが好ましく、一定昇温速度で昇温が行われるように補助燃料バーナ27の出力制御を行う。図2において補助燃料バーナ27の着火はG点で行われ、このときの温度はtである。
溶融炉6では、種火バーナ24を着火し(S7)、次いで補助燃料バーナ25を着火する(S8)。種火バーナ24、補助燃料バーナ25が複数存在する場合には、順次着火するようにしてもよい。図2において種火バーナ24の着火は炉内温度がtであるC点で示される。また、補助燃料バーナ25の着火は炉内温度がtであるD点で示される。
さらに、溶融炉6の補助燃料バーナ25の出力制御を行う(S9)ことにより溶融炉内温度を一定昇温速度にて昇温する。
昇温開始から所定時間経過後、温度センサ22にて検出された温度に基づいてガス化炉3の流動化を確認し(S10)、制御装置20にて流動化の有無を判断する(S11)。図2において流動化の確認は、時間tであるE点で示される。
制御装置20にて流動化が確立されていると判断された場合には、溶融炉内温度の昇温を続行して行う。一方、流動化が確立されていないと判断された場合には、溶融炉内の昇温を停止する(S12)。昇温の停止は、溶融炉6の種火バーナ24、補助燃料バーナ25の着火、出力制御により行う。例えば、既に着火しているバーナは出力増大を停止して現状維持とし、未着火のバーナは着火を停止する。このとき、炉内の極端な温度低下を防止するように、既に着火しているバーナの消火は行わないことが好ましい。図2において、E点にて流動化が確認されない場合には、流動化が確認されるE’点まで昇温を停止して温度を維持する。時間t’におけるE’点にて流動化が確認されたら昇温を再開する。
また、ガス化炉3側では、流動層30の流動化を促進するために、ガス化炉3の炉下部の複数の風箱4の全部もしくは一部から供給する燃焼空気量を増大し、過剰な燃焼空気32を供給することにより流動化を促す(S13)。この操作は、流動化が安定的に確立されるまで複数回繰り返し行ってもよい。流動化の確認は、上記と同様に、流動層30に設置された温度センサ22により温度分布を検出する方法、昇温初期に温度センサ22の検出温度が低いまま上昇してこない部分を検出する方法などが挙げられる。
溶融炉6内の温度は温度センサ26により逐次検出し(S14)、炉内温度が設定温度以上まで昇温されたか否かを判断する(S15)。設定温度は、溶融炉内のスラグコート層の溶融温度より低い温度とし、例えば1000℃程度とする。炉内温度が設定温度以上となった場合には、溶融固化物溶融バーナ23を着火する(S16)。図2において溶融固化物溶融バーナ23の着火は時間tにおけるF点で示される。
設定温度以下の場合は、溶融炉6の補助燃料バーナ25の出力制御を続行する。
補助燃料バーナ25の出力制御により、溶融炉内温度が1300℃程度となるまで一定の昇温速度で昇温を行うとともに、溶融炉内温度が1300℃程度に達したら廃棄物の投入を行い、通常運転を開始する(S17)。
本構成のごとく、起動時に必要とされる各種バーナを着火するとともに燃焼空気を供給して起動操作を行う際に、昇温から所定時間経過後にガス化炉3の流動化を確認し、流動化が確立されていない場合には溶融炉6の昇温を停止することにより、溶融炉6において不要な燃料を供給することを回避でき、燃料コストの低減が可能となる。
また、溶融炉6内が所定温度以上となったら溶融固化物溶融バーナ23を着火してスラグ出滓口7を加温する構成としたため、スラグ出滓口7の閉塞を防止することができる。
本発明の実施例に係るガス化溶融システムの全体構成を示す概略図である。 起動時の温度制御を示すグラフで、(a)はガス化炉、(b)は溶融炉、(c)は二次燃焼室を夫々示す。 本発明の実施例に係るガス化溶融システムの制御フローを示す図である。 従来のガス化溶融システムの全体構成を示す概略図である。
符号の説明
3 ガス化炉
6 旋回溶融炉
7 スラグ出滓口
12 二次燃焼室
20 制御装置
21 補助燃料バーナ(ガス化炉)
22、26 温度センサ
24 種火バーナ
25 補助燃料バーナ(溶融炉)
27 補助燃料バーナ(二次燃焼室)
29 熱分解ガスバーナ
30 流動層

Claims (7)

  1. 流動層ガス化炉にて廃棄物を熱分解して熱分解ガスを発生させ、該熱分解ガスを溶融炉内に導入し、該溶融炉にて前記熱分解ガスの燃焼熱により灰分を溶融するガス化溶融システムの運転制御方法において、
    前記ガス化炉と前記溶融炉を同期させて昇温しながら、前記ガス化炉の炉底から燃焼空気を導入し、
    前記昇温開始から所定時間経過後に前記ガス化炉における流動化状態を検出し、流動化が確立されていない場合には前記溶融炉の昇温を停止することを特徴とするガス化溶融システムの運転制御方法。
  2. 前記ガス化溶融システムを再起動する場合であって、前記溶融炉の炉壁に溶融スラグが付着固化したセルフコート層が形成されており、
    前記溶融炉の昇温時に炉内温度を検出し、該炉内温度が前記セルフコート層の溶融温度に達するより前に、前記溶融炉のスラグ出滓口を加熱する溶融固化物溶融バーナを着火することを特徴とする請求項1記載のガス化溶融システムの運転制御方法。
  3. 前記溶融炉の昇温停止は、既着火バーナの出力増大停止若しくは未着火バーナの着火停止により行うことを特徴とする請求項1記載のガス化溶融システムの運転制御方法。
  4. 前記流動化状態の検出は、前記ガス化炉に形成された流動層の温度分布に基づき判断することを特徴とする請求項1記載のガス化溶融システムの運転制御方法。
  5. 前記流動化が確立されていない場合に、前記ガス化炉の炉底全面もしくは一部局所的に燃焼空気の供給量を一時的に増大することを特徴とする請求項1記載のガス化溶融システムの運転制御方法。
  6. 廃棄物を熱分解して熱分解ガスを発生させる流動層ガス化炉と、該熱分解ガスの燃焼熱により灰分を溶融する溶融炉とからなり、前記溶融炉が、前記熱分解ガスを炉内に導入する熱分解ガスバーナと、該熱分解ガスバーナの着火を促進する種火バーナと、溶融炉内に補助燃料を導入する補助燃料バーナとを備えたガス化溶融システムにおいて、
    前記ガス化炉の昇温開始から所定時間経過後に流動化状態を検出する流動化検出手段と、
    前記流動化検出手段により検出された流動化状態に基づいて前記補助燃料バーナ、前記種火バーナの着火若しくは出力を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記流動化検出手段により流動化の確立が検出されなかった場合に、前記溶融炉の昇温を停止するように前記補助燃料バーナ及び前記種火バーナを制御することを特徴とするガス化溶融システム。
  7. 前記流動化検出手段が、前記ガス化炉の流動層内の温度分布を検出する温度センサ群であることを特徴とする請求項記載のガス化溶融システム。
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