JP4154371B2 - 流動床式ガス化溶融炉の廃棄物供給停止時における保温方法 - Google Patents

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本発明は、都市ごみや産業廃棄物等の廃棄物を処理するための流動床式ガス化溶融炉において、前記廃棄物の供給が一時停止した際に化石燃料等の補助燃料の使用量を抑えながら炉内を保温するための方法に関するものである。
従来、廃棄物を処理するための手段として、例えば特許文献1に記載されるような流動床式ガス化溶融炉が知られている。この流動床式ガス化溶融炉は、流動化ガスにより流動層が形成される流動床式ガス化炉と、その後段の溶融炉とを備えるもので、前記流動床式ガス化炉は、その流動層に投入された廃棄物を燃焼させて熱分解ガスを生成し、前記溶融炉は、前記流動床式ガス化炉により生成された熱分解ガスをさらに燃焼させて同ガス中の灰分を溶融させることによりスラグを生成する。
特開2001−296013号公報
前記ガス化溶融炉は、ごみ等の廃棄物を燃料にしてその廃棄物自身を燃焼・溶融させるシステムであるため、何らかのトラブルで廃棄物の供給が一時停止した場合、それは燃料補給の停止に等しく、炉内温度の低下に直結する。特に、流動床式ガス化炉においては、炉内に供給される燃焼用空気や炉の冷却等に使用される水等の顕熱により炉内が急速に低下するのみならず、流動層への流動化ガスの供給によって流動層の温度も低下することになり、その後の再起動時に相当の時間を要してしまう不都合が存する。
このような不都合を解消する手段として、ガス化炉及び溶融炉にそれぞれ設けられているバーナに都市ガスや重油、灯油等の化石燃料を供給して当該バーナを運転することにより炉内を保温することが考えられる。
しかしながら、主燃料たる廃棄物の供給が停止されているにもかかわらずガス化炉内の流動層温度及び溶融炉内温度を適当な温度(一般に流動層温度は500℃〜600℃、溶融炉内温度は1000℃程度)に保持するには多量の化石燃料が必要となり、維持管理費の著しい増大は免れ得ない。また、化石燃料の使用量の増加はCO排出量の増大ひいては地球温暖化につながるため、当該使用量の削減はきわめて重要な課題である。
本発明はこのような事情に鑑み、化石燃料等の補助燃料の使用量を抑えながら、廃棄物供給停止時における流動床式ガス化溶融炉内の温度低下を有効に抑止できる保温方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、流動媒体に流動化ガスを供給することにより流動層を形成し、この流動層に供給される廃棄物をガス化する流動床式ガス化炉と、この流動床式ガス化炉で生成された熱分解ガス中の可燃成分を燃焼させて同ガス中の灰分を溶融させる溶融炉とを備えた流動床式ガス化溶融炉において、前記流動床式ガス化炉への廃棄物の供給が停止されたときに、前記溶融炉に設けられているバーナを運転する一方、前記流動床式ガス化炉への廃棄物の供給を停止した後、前記流動層の温度を監視して当該温度が低下し始めた時点またはその近傍の時点で当該流動床式ガス化炉への流動化ガスの供給を停止させるものである。
この方法によれば、流動床式ガス化炉への廃棄物の供給が停止されたときに、当該流動床式ガス化炉への流動化ガスの供給を停止させることにより、当該供給による流動層の温度低下を回避することができるとともに、溶融炉に設けられているバーナを運転することによって同溶融炉内を保温することができる。しかも、前記流動化ガスの供給を停止することによって、流動床式ガス化炉内を保温するための昇温バーナの運転を不要とし、もしくはその運転に要する補助燃料量を大幅に削減することができるとともに、当該流動床式ガス化炉から前記流動化ガスが前記溶融炉内に流れ込むことが防がれる分、当該溶融炉内を保温するのに必要な熱量も少なくなり、当該溶融炉のバーナにおける補助燃料の消費量を低く抑えることができる。
また、前記流動床式ガス化炉への廃棄物の供給を停止した後、前記流動層の温度を監視して当該温度が低下し始めた時点またはその近傍の時点で前記流動化ガスの供給を停止するので、流動床式ガス化炉内の保温は担保しながら、廃棄物供給停止直後に流動化ガスの供給をしばらく継続することによって、残存廃棄物の燃焼による局所的な高温場の発生やクリンカの発生を防ぐことができる。また、比較的短時間で再起動した時に急激な燃焼が発生するのを防止することも可能である。
本発明では、前記流動床式ガス化炉における流動層への流動化ガスの供給を停止した後、この流動床式ガス化炉と前記溶融炉とを連通する熱分解ガス通路内に通常運転時における流動化ガス供給量よりも少ない供給量で空気を供給して、当該空気を前記溶融炉内にその熱分解ガス導入口から流し込むことが、より好ましい。この方法によれば、前記熱分解ガス導入口から溶融炉内に少量の空気を導入することにより、当該溶融炉におけるバーナの運転による局所的な過熱状態の発生を抑制することができる。従って、当該過熱に起因する不都合、例えば、溶融炉内壁を構成する耐火物の損耗や、炉壁に付着して固化していたスラグが溶融、流下してスラグ出滓口を塞ぐといった不都合を回避することができる。しかも、前記空気の供給量は通常運転時での流動化ガスの供給量に比べて僅かでよいので、溶融炉のバーナによる保温燃焼に要する補助燃料の消費量は低く抑えることが可能である。
ここで、前記溶融炉における過熱を回避する手段として、前記空気の供給に代え、流動化ガスを通常運転時よりも絞って供給することが考え得るが、その場合、少量とはいえ流動化ガスの供給による流動層温度の低下は免れ得ない。また、通常運転時の流動化ガスの供給量は大きいためにその供給のためのブロアの容量も大きく、当該流動化ガスの供給量を抑えて運転すると前記ブロアにおけるサージングの発生等が懸念される。これに対して、前記のように流動床式ガス化炉と前記溶融炉とを連通する熱分解ガス通路内に通常運転時における流動化ガス供給量よりも少ない供給量で空気を供給するようにすれば、当該空気の供給による流動床式ガス化炉内の温度低下を招くことなく溶融炉内の過熱を抑制することができる。
また本発明は、流動媒体に流動化ガスを供給することにより流動層を形成し、この流動層に供給される廃棄物をガス化する流動床式ガス化炉と、この流動床式ガス化炉で生成された熱分解ガス中の可燃成分を燃焼させて同ガス中の灰分を溶融させる溶融炉とを備えた流動床式ガス化溶融炉において、前記流動床式ガス化炉への廃棄物の供給が停止されたときに、前記溶融炉に設けられているバーナを運転する一方、前記流動床式ガス化炉への流動化ガスの供給を停止させ、その停止後、この流動層よりも上側の位置から当該流動床式ガス化炉内の空間に通常運転時における流動化ガス供給量よりも少ない供給量で空気を供給して当該空気を前記溶融炉内にその熱分解ガス導入口から流し込むものである。
この方法においても、流動床式ガス化炉への廃棄物の供給が停止されたときに、当該流動床式ガス化炉への流動化ガスの供給を停止させることにより、当該供給による流動層の温度低下を回避することができるとともに、溶融炉に設けられているバーナを運転することによって同溶融炉内を保温することができる。しかも、前記流動化ガスの供給を停止することによって、流動床式ガス化炉内を保温するための昇温バーナの運転を不要とし、もしくはその運転に要する補助燃料量を大幅に削減することができるとともに、当該流動床式ガス化炉から前記流動化ガスが前記溶融炉内に流れ込むことが防がれる分、当該溶融炉内を保温するのに必要な熱量も少なくなり、当該溶融炉のバーナにおける補助燃料の消費量を低く抑えることができる。
また、前記熱分解ガス導入口から溶融炉内に少量の空気を導入することにより、当該溶融炉におけるバーナの運転による局所的な過熱状態の発生を抑制することができる。従って、当該過熱に起因する不都合、例えば、溶融炉内壁を構成する耐火物の損耗や、炉壁に付着して固化していたスラグが溶融、流下してスラグ出滓口を塞ぐといった不都合を回避することができる。しかも、前記空気の供給量は通常運転時での流動化ガスの供給量に比べて僅かでよいので、溶融炉のバーナによる保温燃焼に要する補助燃料の消費量は低く抑えることが可能である。
ここで、前記溶融炉における過熱を回避する手段として、前記空気の供給に代え、流動化ガスを通常運転時よりも絞って供給することが考え得るが、その場合、少量とはいえ流動化ガスの供給による流動層温度の低下は免れ得ない。また、通常運転時の流動化ガスの供給量は大きいためにその供給のためのブロアの容量も大きく、当該流動化ガスの供給量を抑えて運転すると前記ブロアにおけるサージングの発生等が懸念される。これに対して、前記のように流動層よりも上側の位置から当該流動床式ガス化炉内空間に通常運転時における流動化ガス供給量よりも少ない供給量で空気を供給するようにすれば、流動層温度の低下を招くことなく溶融炉内の過熱を抑制することができる。また、この場合、流動床式ガス化炉に設けられている二次空気供給口やガス化炉昇温バーナを利用して同炉内に空気を供給することも可能であり、その場合には、既存の設備を利用して前記過熱の抑制を図ることも可能である。
この発明では、前記廃棄物の供給停止と同時に流動化ガスの供給を停止してもよいが、一般には、前記廃棄物の供給を停止しても流動層内に残存する廃棄物の燃焼によって流動層内の温度はしばらく上昇するので、前記流動床式ガス化炉への廃棄物の供給を停止した時点から遅れて前記流動化ガスの供給を停止することが、より好ましい。さらに具体的には、前記流動床式ガス化炉への廃棄物の供給を停止した後、前記流動層の温度を監視して当該温度が低下し始めた時点またはその近傍の時点で前記流動化ガスの供給を停止する方法が好適である。このような方法によれば、流動床式ガス化炉内の保温は担保しながら、廃棄物供給停止直後に流動化ガスの供給をしばらく継続することによって、残存廃棄物の燃焼による局所的な高温場の発生やクリンカの発生を防ぐことができる。また、比較的短時間で再起動した時に急激な燃焼が発生するのを防止することも可能である。
以上の方法は、前記溶融炉が、その炉頂に前記バーナを有し、このバーナの近傍に前記熱分解ガス導入口を有するものである場合に、特に有効である。
以上のように、本発明は、流動床式ガス化炉への廃棄物の供給が停止したときに、溶融炉のバーナは運転する一方、前記流動床式ガス化炉への前記流動化ガスの供給は停止するようにしたものであるので、保温のための化石燃料等の補助燃料の使用量を抑えながら、流動床式ガス化溶融炉内の温度低下を有効に抑止することができる効果がある。
本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明方法が適用される流動床式ガス化溶融炉を具備する廃棄物処理設備の全体構成を示したものである。なお、本発明方法は流動床式ガス化炉及び溶融炉を具備する流動床式ガス化溶融炉の保温について広く適用し得るものであり、当該ガス化溶融炉が導入される廃棄物処理設備の全体構成については特に問わない。
同図において、廃棄物としてのごみは一旦、ごみピット1に貯留され、図示しないクレーンによって給じん機2のホッパ2aに投入される。給じん機2は前記ごみを定量的に流動床式ガス化炉3に供給する。
この流動床式ガス化炉3では、例えば空気比0.2〜0.4の条件で部分燃焼が行われ、砂層等からなる流動層の温度を450〜650℃に維持した低温熱分解すなわち一次燃焼が行われる。投入されたごみのうちの不燃物は炉床下部より抜き出され、スクリューコンベア5及び振動フィーダ6及び図示しない磁選機を経て不燃物、非鉄金属、鉄分、流動砂にそれぞれ分離されて、そのうちの流動砂が流動床式ガス化炉3の砂層に戻されて再利用される。
この流動床式ガス化炉3で発生した熱分解ガスは、溶融炉4に導かれて例えばトータル空気比1.3の条件下でさらに燃焼する。この溶融炉4内では旋回流が形成されて約1300℃の高温燃焼が行われ、その熱により前記熱分解ガス中の灰分が溶融してスラグとして分離されるとともにダイオキシン等のガス中の有害物質が分解される。前記溶融スラグは溶融炉4の底部から抜出されてコンベア等を含むスラグ搬出装置7により搬出され、その下方のスラグ水さい装置8で冷却されて回収される。
この旋回流溶融炉4から排出される溶融炉排ガスは、空気加熱器9及び廃熱ボイラ10を通り、ここで同ガス中の熱が回収される。さらに、当該排ガスはガス冷却器11で冷却され、バグフィルタ12で除塵される。このようにして浄化された排ガスは誘引ファン13を経て脱硝装置14を通り、煙突15から排出される。
次に、前記流動床式ガス化炉3及び溶融炉4により構成される流動床式ガス化溶融炉の構造の詳細を図2を参照しながら説明する。
前記流動床式ガス化炉3の底部には、多数のガス噴射口22をもつ分散板20が設けられ、その下方に風箱24が形成されている。そして、この風箱24から前記分散板20のガス噴射口22を通じて例えば上向きに流動化ガスが噴射されることにより、この分散板
20の上方に砂粒子からなる流動層26が形成される。また、前記分散板20の中央には不燃物抜出し口28が設けられ、この不燃物抜出し口28から抜出された不燃物が前記スクリューコンベア5及び振動フィーダ6に導かれる。
前記流動層26の上方には、前記給じん機2に接続される廃棄物投入口30が設けられ、この廃棄物投入口30と前記給じん機2とを結ぶ経路中に同経路を開閉するダンパ32が設けられている。前記廃棄物投入口30と略同等の高さ位置にはガス化炉昇温バーナ34が設けられ、そのさらに上方に二次燃焼用のフリーボード36が形成されており、炉頂部には熱分解ガス排出口38が設けられている。
一方、旋回式溶融炉4は、その炉頂部にバーナ40を有し、そのすぐ下方に熱分解ガス導入口42を有しており、この熱分解ガス導入口42が熱分解ガス通路であるダクト44を介して前記流動床式ガス化炉3の熱分解ガス排出口38に接続されている。また、この溶融炉4の底部にはスラグ出滓口46が設けられ、このスラグ出滓口46に前記スラグ搬出装置7が接続されている。
この流動床式ガス化溶融炉において、前記流動床式ガス化炉3内にその廃棄物投入口30から投入された都市ごみ等の廃棄物は、まず同炉3内の流動層26で一次燃焼し、これにより熱分解ガスが生成される。この熱分解ガスは炉頂の熱分解ガス排出口38からダクト44を通じて溶融炉4の熱分解ガス導入口42に導かれ、同炉4内に導入される。この溶融炉4内では前記熱分解ガス中の可燃成分がさらに高温燃焼し、この燃焼により発生する熱でガス中の灰分が溶融してスラグとして炉壁に付着する。このスラグは炉底のスラグ出滓口46へ流下し、炉外へ導出される。
このような通常運転中に、何らかの原因で主燃料たるごみの供給が一時停止しまった場合、その供給停止にかかわらず炉内を保温することが望まれる。そのための運転方法を、図3のグラフも参照しながら説明する。
まず、前記ごみの供給停止(図3では「給じん停止」)と同時に、給じん機2と流動床式ガス化炉3との間に設けられているダンパ32を閉じる一方、溶融炉4ではその炉頂にあるバーナ40の油量を上げて同炉4の保温に入る。なお、このバーナ40は通常運転時において停止しているものであってもよく、その場合には、ごみの供給が停止された時点でバーナ40を点火するようにすればよい。
このごみ供給停止直後の時点では、ごみの供給が止まっていてもガス化炉3の流動層26内にはまだごみが残存しており、その残存ごみの燃焼が続いているため、流動化ガスの供給を続けていてもガス化炉の温度は低下しない。逆に、新しいごみの投入がない分だけ図3に示すように流動層温度は上昇する。
その後、炉の容量にも拠るが、一般には約5〜10分が経過した時点で、流動層26内のごみが全て燃え尽き、当該流動層26の温度が低下し始める。そこで、この時点もしくはその近傍の時点で流動化ガスの供給を停止する。このような流動化ガスの供給停止により、その後の流動層26の温度低下を有効に抑制することができる。また、ガス化炉3全体の温度についても、同炉3からの放熱及び高温空気のリークに起因する僅かな冷却だけですむために、温度低下は少なく、基本的にガス化炉3内での昇温バーナ34による助燃は不要となる。
なお、この流動化ガスの供給停止はごみ等の廃棄物の供給停止と同時に行ってもよいが、この実施の形態のように、ごみ供給停止時点から少し遅れて流動化ガスの供給を停止させる(換言すれば、ごみ供給停止時点からしばらくは流動化ガスの供給を継続する)よう
にすれば、残存ごみの燃焼による局所的な高温場の発生やクリンカの発生を防ぐことができる。また、ごみ供給停止後に比較的短時間で再起動した時に急激な燃焼が発生するのを防止することも可能になる。
このような運転を行うには、例えば前記ごみの供給停止から一定時間が経過した時点で流動化ガスの供給を停止するようにしてもよいし、流動層26内に例えば熱電対からなる温度計を配設し、その測定温度の変化を監視するようにしてもよい。後者の方法によれば、実際の流動層温度に基づくより適正なタイミングで流動化ガスの供給停止を実行することが可能になる。
さらに、流動床式ガス化炉3内においては、前記流動層26への流動化ガスの供給停止と同時に、当該流動層26よりも上側の位置にある二次空気供給口37または昇温用バーナ34のダンパを開いてここから同炉3のフリーボード36内に空気を供給する。この空気の供給量は、通常運転時における流動化ガスの供給量よりも少なくてよく、一般には当該流動化ガス供給量の1/5〜1/2程度でよい。
このような少量の空気の供給により、当該空気をダクト44から熱分解ガス導入口42を通じて溶融炉4の炉頂付近に流し込むことができ、これによってバーナ40の運転による局所的な過熱を抑制することができる。従って、当該過熱に起因する不都合、例えば、溶融炉炉頂付近の耐火物の損耗や、炉壁に固着しているスラグが溶融、流下してスラグ出滓口46を塞ぐといった不都合を防止することができる。
なお、前記空気の供給分だけガス化炉の温度は低下することになるが、当該空気の供給量は僅かであり、しかも、当該空気は流動化ガスのように流動層26内に供給されるものではないので、流動床式ガス化炉3内の温度、特に流動層温度にはほとんど影響を与えない。さらに、溶融炉4内に流れ込む空気量も僅かであることから、同炉4のバーナ40における化石燃料の消費量にもほとんど影響がない。また、通常運転時においても前記二次空気供給口37や昇温バーナ34から炉内に供給される空気量は僅かであって当該空気供給には元々容量の小さいブロアが用いられていることから、当該ブロアに無理な運転を強いることなく空気供給量を適正な量に制限することが可能である。
また、このような空気供給により前記溶融炉4のバーナ運転による過熱を抑制する手段として、例えば流動床式ガス化炉3と溶融炉4とを連結しているダクト44に図2に示すような空気供給口48を設けて、この空気供給口48から前記ダクト44内に空気を供給するようにしてもよい。このような構成によれば、流動床式ガス化炉3側の温度低下を招くことなく溶融炉4の炉頂近傍に適量の空気を流し込むことが可能であり、前記と同様に溶融炉4内での過熱を有効に抑制することができる。この場合の空気供給量も、前記と同じく流動化ガス供給量の1/5〜1/2程度でよい。
以上のような保温運転を行うことにより、補助燃料たる化石燃料の消費量を抑えながら、各炉3,4内の温度の低下、特に流動層温度の低下を有効に抑止することができる。よって、その後のごみ供給再開時には、ガス化炉3及び溶融炉4をわずかに昇温するだけで操業可能な温度(砂層部温度450℃以上、溶融炉温度1000℃以上)に迅速に復帰させることができる。また、ガス化炉からの排ガス量が減るために、溶融炉4でのバーナ40による助燃量も削減することが可能である。具体的には、前記保温運転操作により、例えば一炉の処理規模が30t/24hの流動床式ガス化溶融炉において、保温に要する助燃量が従来の250リットル/hから120リットル/hに削減され、また、トラブル解消後の昇温時間も5時間から1時間程度まで短縮されることが確認できた。
さらに、本発明では、ごみ供給停止時に前記の各操作、特に、溶融炉バーナ40の油量
アップ操作及び流動層温度に基づく流動化ガスの停止操作を制御する制御装置を装備することにより、前記各操作を自動化してトラブル時の運転員の負荷を減らし、また、トラブル発生時の誤操作をより確実に防止することも可能である。
本発明方法が適用される流動床式ガス化溶融炉を具備する廃棄物処理設備の全体構成図である。 前記流動床式ガス化溶融炉の構造を示す断面図である。 前記流動床式ガス化溶融炉のごみ供給停止時における流動層温度の時間変化を示すグラフである。
符号の説明
3 流動床式ガス化炉
4 溶融炉
26 流動層
34 流動床式ガス化炉用昇温バーナ
36 フリーボード(流動層よりも上側の空間)
37 二次空気供給口
40 溶融炉用バーナ
42 熱分解ガス導入口
44 ダクト(熱分解ガス通路)
48 空気供給口

Claims (6)

  1. 流動媒体に流動化ガスを供給することにより流動層を形成し、この流動層に供給される廃棄物をガス化する流動床式ガス化炉と、この流動床式ガス化炉で生成された熱分解ガス中の可燃成分を燃焼させて同ガス中の灰分を溶融させる溶融炉とを備えた流動床式ガス化溶融炉において、前記流動床式ガス化炉への廃棄物の供給が停止されたときに、前記溶融炉に設けられているバーナを運転する一方、前記流動床式ガス化炉への廃棄物の供給を停止した後、前記流動層の温度を監視して当該温度が低下し始めた時点またはその近傍の時点で当該流動床式ガス化炉への流動化ガスの供給を停止させることを特徴とする流動床式ガス化溶融炉の廃棄物供給停止時における保温方法。
  2. 前記流動床式ガス化炉における流動層への流動化ガスの供給を停止した後、この流動床式ガス化炉と前記溶融炉とを連通する熱分解ガス通路内に通常運転時における流動化ガス供給量よりも少ない供給量で空気を供給して当該空気を前記溶融炉内にその熱分解ガス導入口から流し込むことを特徴とする請求項1記載の流動床式ガス化溶融炉の廃棄物供給停止時における保温方法。
  3. 流動媒体に流動化ガスを供給することにより流動層を形成し、この流動層に供給される廃棄物をガス化する流動床式ガス化炉と、この流動床式ガス化炉で生成された熱分解ガス中の可燃成分を燃焼させて同ガス中の灰分を溶融させる溶融炉とを備えた流動床式ガス化溶融炉において、前記流動床式ガス化炉への廃棄物の供給が停止されたときに、前記溶融炉に設けられているバーナを運転する一方、前記流動床式ガス化炉への流動化ガスの供給を停止させ、その停止後、この流動層よりも上側の位置から当該流動床式ガス化炉内の空間に通常運転時における流動化ガス供給量よりも少ない供給量で空気を供給して当該空気を前記溶融炉内にその熱分解ガス導入口から流し込むことを特徴とする流動床式ガス化溶融炉の廃棄物供給停止時における保温方法。
  4. 前記流動床式ガス化炉への廃棄物の供給を停止した時点から遅れて当該流動床式ガス化炉への前記流動化ガスの供給を停止することを特徴とする請求項記載の流動床式ガス化溶融炉の廃棄物供給停止時における保温方法。
  5. 前記流動床式ガス化炉への廃棄物の供給を停止した後、前記流動層の温度を監視して当該温度が低下し始めた時点またはその近傍の時点で前記流動床式ガス化炉への前記流動化ガスの供給を停止することを特徴とする請求項記載の流動床式ガス化溶融炉の廃棄物供給停止時における保温方法。
  6. 前記溶融炉は、その炉頂に前記バーナを有し、このバーナの近傍に前記熱分解ガス導入口を有するものであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の流動床式ガス化溶融炉の廃棄物供給停止時における保温方法。
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