JP2006207924A - 旋回式溶融炉とその運用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ごみの発熱量が低い場合であっても、熱分解ガス及びチャーが流入して衝突する溶融炉内壁近傍の温度を灰の溶融温度以上に保持し、かつ溶融炉出口部の耐火材の溶損を防止して溶融炉出口部の耐火材の溶損を防止すること。
【解決手段】ガス化炉1内でごみを熱分解ガスさせて生じた熱分解ガスと微粒子の未燃分(チャー)を熱分解ガスノズル4から旋回式溶融炉2へ供給し、溶融炉2内で燃焼用空気ノズル5から入る燃焼用空気と共に燃焼させる。溶融炉下流部の炉壁面に不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズル14を設置してあるので溶融炉2での安定した灰溶融を維持しつつ、溶融炉出口部3のガス温度の上昇を抑制することができるので、炉出口部3の耐火材の溶損を防止できる。
【選択図】図2
【解決手段】ガス化炉1内でごみを熱分解ガスさせて生じた熱分解ガスと微粒子の未燃分(チャー)を熱分解ガスノズル4から旋回式溶融炉2へ供給し、溶融炉2内で燃焼用空気ノズル5から入る燃焼用空気と共に燃焼させる。溶融炉下流部の炉壁面に不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズル14を設置してあるので溶融炉2での安定した灰溶融を維持しつつ、溶融炉出口部3のガス温度の上昇を抑制することができるので、炉出口部3の耐火材の溶損を防止できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、都市ごみや産業廃棄物等の熱分解ガス化溶融システムにおける旋回式溶融炉に係り、特に耐火材の損傷を防止し、長期間の安定運転が可能な旋回式溶融炉とその運用方法に関する。
エネルギー有効利用の観点から、補助燃料を使用せずに、ごみの持つエネルギーのみで、ごみ中の灰分を溶融可能なごみガス化溶融システムが実用化されている。
ごみガス化溶融システムでは、ガス化炉に投入されたごみを低温、低空気比で熱分解することで熱分解ガスとチャーを生成し、これらの燃料と燃焼用空気を溶融炉へ供給することで、燃焼反応を生じさせ、1300〜1400℃の高温場を得て、チャーに含まれる灰を溶融し、スラグ化して系外へ排出する。
ごみガス化溶融システムの溶融炉には種々の型式が存在するが、ごみの燃焼性及びスラグ回収効率の観点から、旋回式溶融炉が最も多く採用されている。図8には従来の傾斜型の旋回式溶融炉2を用いるごみガス化溶融システムの構成図を示す。
図8に示すようにガス化炉1内に供給されたごみaが空気bにより流動層(図示せず)で500〜650℃の温度で熱分解され、熱分解ガスを生じる。ガス化炉1で生じた熱分解ガスと微粒子の未燃分(チャー)は熱分解ガスノズル4から旋回式溶融炉2へ供給され、該溶融炉2内で燃焼用空気ノズル5から入る燃焼用空気bと共に燃焼する。溶融炉2では前記熱分解ガスと微粒子の未燃分(チャー)の燃焼熱を利用して灰や不燃物は溶融してスラグ化する。この溶融スラグcはスラグ排出口9を経て系外へ排出される。
一方、溶融炉2から排出された燃焼排ガス中の未燃分が溶融炉2の後流側の2次燃焼室7で2次空気ノズル8から供給される2次空気により燃焼して燃焼ガスは廃熱回収ボイラ10に送られてガス中の熱が回収される。また、廃熱回収ボイラ10で熱回収された排ガスは減温装置11で温度降下した後、排ガス中の固形微粒子がバグフィルタ等からなる集塵装置12で回収される。集塵装置12によりクリーンになった排ガスは誘引ファンによって煙突13から大気中に放出される。
旋回式溶融炉2は、炉内の空間を最大限に利用するため、熱分解ガス及びチャーと燃焼用空気を炉の上流部から投入し、かつ、熱分解ガスと燃焼用空気に旋回力を与えることで、滞留時間を確保する工夫がなされている。溶融炉2へ投入された熱分解ガスは燃焼用空気と混合することで燃焼するが、流入部での完全混合は困難なため、炉上流部のガス温度は低く、炉出口部3に行くにしたがってガス温度が高くなる。
一方、熱分解ガスに同伴されて溶融炉2に流入するチャーは炉上流部近傍の内壁面に衝突した後に燃焼し、さらにチャーに含有される灰が溶融する。該灰を安定して溶融させるためには、チャーが衝突する溶融炉2の内壁面近傍のガス温度を灰の融点以上にする必要がある。このため、熱分解ガスと燃焼用空気の投入方法を工夫することで、チャーが溶融炉2の内壁面へ衝突する部分のガス温度を高めているが、前記チャーが衝突する壁面近傍のガス温度を上昇させると、それに応じて炉出口部3のガス温度が高くなる。また、旋回式溶融炉2では、炉出口部3を絞り形状にすることで、炉内ガスの旋回強度を確保しているため、炉出口部3のガス流速が大きい。従って、溶融炉2の出口部3ではガス温度が高く、かつガス流速も大きいので、出口部3の内壁面の耐火材は溶損及び摩耗に対して厳しい環境下に置かれていることになる。
特開平9−42627号公報には、溶融炉内の酸素濃度を調整することで、炉内壁の損傷を防ぐ発明が開示されている。
また、最近では、ごみガス化溶融炉(図示せず)の特徴を生かし、最終処分場の埋立て用のごみや下水汚泥等の混合処理が行われている。この混合ごみは灰分や水分を多く含むため、ガス化溶融炉へ投入される混合ごみの発熱量は一般ごみ単独の場合に比べて大幅に低下する。ガス化溶融炉へ投入される混合ごみの発熱量が低くなると、溶融炉内のガス温度が低下し、未溶融の灰が炉内に堆積するおそれがある。未溶融灰が炉内に堆積するとガス流れが阻害され、圧力損失が増大する。このため、補助燃料をガス化溶融炉へ供給して炉内温度を上昇させ、未溶融の灰を溶融させる必要があるが、混合ごみの発熱量が極端に低い場合には補助燃料の供給量が過大となり、ランニングコストの増大を招くという問題がある。
特開平9−42627号公報
上記特開平9−42627号公報記載の従来技術では、溶融炉2の内周面に設けられた複数のガス吹き出し口のうちの上流側のガス吹き出し口からは、酸素富化ガスと循環ガスとの混合気により気流搬送されてきた廃棄物片が、溶融炉2内頂部に投入されるようになっており、その他のガス吹き出し口からは、酸素富化ガスと循環ガスとの混合気を噴出して、溶融炉2内の全域に渡って旋回流を発生させるようになっている。また、前記混合気の酸素濃度を調整することで、溶融炉2内の温度が焼却灰の融点より50〜100℃高い1,250〜1,400℃に保持される構成である。
しかし、上記公報記載の発明には、溶融炉出口部の耐火材の溶損を防止するための対策はされていない。
しかし、上記公報記載の発明には、溶融炉出口部の耐火材の溶損を防止するための対策はされていない。
本発明の課題は、ごみの発熱量が低い場合であっても、熱分解ガス及びチャーが流入して衝突する溶融炉内壁近傍の温度を灰の溶融温度以上に保持し、かつ溶融炉出口部の耐火材の溶損を防止して溶融炉出口部の耐火材の溶損を防止することである。
上記の問題は、以下の解決手段を用いることで解決できる。
請求項1記載の発明は、一般ごみ、産業廃棄物を熱分解する熱分解ガス化炉で生成した熱分解ガス及びチャーを燃焼して灰分を溶融させる旋回式の溶融炉において、溶融炉下流部側の炉壁面に不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルを設置した旋回式溶融炉である。
請求項1記載の発明は、一般ごみ、産業廃棄物を熱分解する熱分解ガス化炉で生成した熱分解ガス及びチャーを燃焼して灰分を溶融させる旋回式の溶融炉において、溶融炉下流部側の炉壁面に不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルを設置した旋回式溶融炉である。
請求項2記載の発明は、溶融炉の上流部側の炉壁面に熱分解ガス及びチャーの供給ノズルと酸素を富化した燃焼用空気の供給ノズルを設置した請求項1記載の旋回式溶融炉である。
請求項3記載の発明は、空気を酸素濃度の高い空気と窒素濃度の高い空気とに分離する空気性状分離装置を備え、該空気性状分離装置で得られた酸素濃度の高い空気を燃焼用空気ノズルを通して溶融炉内に供給する手段と、前記空気性状分離装置で得られた窒素濃度の高い空気を不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルを通して溶融炉内に供給する手段とを備えた請求項1又は2記載の旋回式溶融炉である。
請求項4記載の発明は、不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルには前記不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの他に被溶融物質を供給する被溶融物質供給路を接続した請求項1ないし4のいずれかに記載の旋回式溶融炉である。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の旋回式溶融炉の燃焼用空気ノズルから溶融炉内に供給する酸素の量及び不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルから溶融炉内に供給する不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの量を溶融炉に設置された温度計の指示値により制御する旋回式溶融炉の運用方法である。
請求項6記載の発明は、被溶融物質供給路に供給する被溶融物質をごみ焼却用の施設及びその他の産業廃棄物の施設から排出される不燃物やばいじんとした請求項5記載の旋回式溶融炉の運用方法である。
(作用)
請求項1記載の発明によれば、旋回式溶融炉での安定な灰溶融を維持しつつ、溶融炉出口部のガス温度の上昇を抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の作用に加えて、溶融炉の上流部の炉壁面に設けられた燃焼用空気供給ノズルから供給される燃焼用空気に酸素を富化するので、低発熱量ごみを処理する場合でも、溶融炉へ流入したチャーが衝突する溶融炉内壁近傍のガス温度を上昇させることが可能となる。
請求項1記載の発明によれば、旋回式溶融炉での安定な灰溶融を維持しつつ、溶融炉出口部のガス温度の上昇を抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の作用に加えて、溶融炉の上流部の炉壁面に設けられた燃焼用空気供給ノズルから供給される燃焼用空気に酸素を富化するので、低発熱量ごみを処理する場合でも、溶融炉へ流入したチャーが衝突する溶融炉内壁近傍のガス温度を上昇させることが可能となる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の作用に加えて、空気性状分離装置で得られた酸素濃度の高い空気を燃焼用空気ノズルを通して溶融炉内に供給して溶融炉の上流部のチャー衝突位置近傍のガス温度を上昇させ、また空気性状分離装置で得られた窒素濃度の高い空気を不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルを通して溶融炉内に供給して溶融炉の出口ガス温度の低下が図れる。特に、処理するごみの発熱量が低下した場合に有効である。
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明の作用に加えて、不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルから不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの他に被溶融物質を供給することができ、不活性ガス又は不活性ガスに富むガスによる冷却効果及び被溶融物質の溶融熱による温度低下の相乗効果により、溶融炉出口ガス温度を低減することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし4のいずれかに記載の旋回式溶融炉の燃焼用空気ノズルから溶融炉内に供給する酸素の量及び不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルから溶融炉内に供給する不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの量を溶融炉に設置された温度計の指示値により制御することで、旋回式溶融炉での安定な灰溶融を維持しつつ、溶融炉出口部のガス温度の上昇を抑制することができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明の作用に加えて、被溶融物質供給路にごみ焼却用の施設及びその他の産業廃棄物の施設から排出される不燃物やばいじんを含む被溶融物質を供給できるので各種の廃棄物などを焼却処理できる。
請求項1記載の発明によれば、炉出口ガス温度の上昇を抑制することで炉出口部耐火材の溶損を防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、溶融炉の上流部の炉壁面に設けられた酸素を富化した燃焼用空気供給ノズルから燃焼用空気を炉内に供給するので、低発熱量ごみを処理する場合でも、溶融炉へ流入したチャーが衝突する溶融炉内壁近傍のガス温度を上昇させることが可能となり、チャー中に含まれる灰の安定溶融が可能となる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、空気性状分離装置で得られた酸素濃度の高い空気を燃焼用空気ノズルを通して溶融炉内に供給して溶融炉の上流部のチャー衝突位置近傍のガス温度を上昇させ、また空気性状分離装置で得られた窒素濃度の高い空気を不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルを通して溶融炉内に供給して溶融炉の出口ガス温度の低下させることができ、特に、処理するごみの発熱量が低下した場合に有効である。
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルから不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの他に被溶融物質を供給することができ、不活性ガス又は不活性ガスに富むガスによる冷却効果及び被溶融物質の溶融熱による温度低下の相乗効果により、溶融炉出口ガス温度を低減することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の旋回式溶融炉の燃焼用空気ノズルから溶融炉内に供給する酸素の量及び不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルから溶融炉内に供給する不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの量を溶融炉に設置された温度計の指示値により制御することで、旋回式溶融炉での安定な灰溶融を維持しつつ、溶融炉出口部のガス温度の上昇を抑制することができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明の効果に加えて、被溶融物質供給路にごみ焼却用の施設及びその他の産業廃棄物の施設から排出される不燃物やばいじんを含む被溶融物質を供給できるので各種の廃棄物などを焼却処理できるので溶融炉の利用範囲が拡大する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図2は、本実施例の溶融炉を用いたごみガス化溶融システムの系統図である。
ごみは図示しない給塵ホッパから定量フィーダを経てガス化炉1へ供給される。一方、ガス化炉1内に供給された空気bは、ガス化炉1内の流動層(図示せず)の流動媒体である流動砂を流動化すると共に500〜650℃の温度でごみと反応して熱分解ガスを生じる。ガス化炉1で生じた熱分解ガスと微粒子の未燃分(チャー)は、ダクト15を通って熱分解ガスノズル4から溶融炉2へ供給され、溶融炉2内で燃焼用空気ノズル5から入る燃焼用空気と共に燃焼する。また、溶融炉2では前記熱分解ガスと微粒子の未燃分(チャー)の燃焼熱を利用して灰や不燃物は溶融してスラグ化する。この溶融スラグはスラグ排出口9及びスラグ排出コンベア(図示せず)を経て系外へ排出される。
図2は、本実施例の溶融炉を用いたごみガス化溶融システムの系統図である。
ごみは図示しない給塵ホッパから定量フィーダを経てガス化炉1へ供給される。一方、ガス化炉1内に供給された空気bは、ガス化炉1内の流動層(図示せず)の流動媒体である流動砂を流動化すると共に500〜650℃の温度でごみと反応して熱分解ガスを生じる。ガス化炉1で生じた熱分解ガスと微粒子の未燃分(チャー)は、ダクト15を通って熱分解ガスノズル4から溶融炉2へ供給され、溶融炉2内で燃焼用空気ノズル5から入る燃焼用空気と共に燃焼する。また、溶融炉2では前記熱分解ガスと微粒子の未燃分(チャー)の燃焼熱を利用して灰や不燃物は溶融してスラグ化する。この溶融スラグはスラグ排出口9及びスラグ排出コンベア(図示せず)を経て系外へ排出される。
一方、溶融炉2から排出された燃焼排ガスは、溶融炉2の後流側の2次燃焼室7に送られ、ここで未燃分が燃焼され、燃焼ガスは廃熱回収ボイラ10に送られて、ガス中の熱が回収される。また、廃熱回収ボイラ10で熱回収された排ガスは減温装置11で温度降下された後、排ガス中の固形微粒子がバグフィルタ等からなる集塵装置12で回収される。集塵装置12によりクリーンになった排ガスは誘引ファン(図示せず)によって煙突13から大気中に放出される。
図2に示すごみガス化溶融システムの旋回式溶融炉2を図1に示す。図1(a)は旋回式溶融炉の側断面を見た図、図1(b)は図1(a)のA−A線断面矢視図及び図1(c)は図1(b)のB−B線断面矢視図である。
図1(a)に示すように、旋回式溶融炉2は内部の燃焼室を断熱材による炉壁で囲んだ中空円筒状であり、旋回式溶融炉2の上流側端部には補助バーナ6が取り付けられ、下流側端部が燃焼排ガスおよび溶融スラグの出口となっている。また、熱分解ガスノズル4及び燃焼用空気ノズル5は、旋回式溶融炉2の上流部分に位置し、不活性ガス又は不活性ガスに富むガスのノズル14(以下不活性ガスノズル14と記す。)が旋回式溶融炉2の下流部分に設けられている。
さらに、熱分解ガスノズル4、燃焼用空気ノズル5及び不活性ガスノズル14などが、旋回式溶融炉2の周方向の接線に沿って設置され、該溶融炉2内ではガスの旋回流が形成される。本実施例では、不活性ガスノズル14を熱分解ガスノズル4および燃焼用空気ノズル5より下流側の溶融炉2の出口部近傍に配置していることに大きな特徴がある。
また、図2に示すように溶融炉2内の雰囲気温度を測定する温度計16を設置しておき、温度計16の指示値に基づき、燃焼用空気ノズル5から溶融炉2内に供給する酸素の量及び不活性ガス供給ノズル14から溶融炉2内に供給する不活性ガスの量を各流量調節弁19,20の開度をコントローラ22により制御して炉内温度を調節する。
図3は、本実施例における溶融炉2の長手方向の炉内ガス平均温度を示す図である。炉内ガス温度は炉入口部付近から上昇し、炉出口部3に行くにしたがって上昇している。しかしながら、不活性ガスノズル14の設置部より炉出口側ではガス温度が低下している。ただし、前記ガス温度の低下した領域でも、排ガス温度は灰の安定溶融及び安定流動に必要な温度以上に保たれているので、システムの安定運用に支障はない。
本発明の他の実施例を図4に示す。本実施例の旋回式溶融炉2の構成は図1に示すものと同じであるが、不活性ガスノズル14から不活性ガスdの他に他焼却設備等から排出される煤塵や自施設(同一ごみガス化溶融システム)のガス化炉1から排出される不燃物を被溶融物質eとして投入しており、不活性ガスdによる冷却効果及び被溶融物質eの溶融熱による温度低下の相乗効果により、炉出口ガス温度を低減することが可能である。
図5が示す実施例は、図1に示す旋回式溶融炉2の他に空気分離装置21を設置し、空気分離装置21で高酸素濃度空気と高窒素濃度空気を生成し、得られた高酸素濃度空気は高酸素濃度空気用ダクト17を通り燃焼用空気ノズル5から旋回式溶融炉2へ供給し、かつ高窒素濃度空気は高窒素濃度空気用ダクト18を通り不活性ガスノズル14から旋回式溶融炉2へ供給する構成である。本実施例では、図6に示すように溶融炉2の上流部のチャー衝突位置近傍のガス温度の上昇と溶融炉2の出口ガス温度の低下が図れる。なお、本実施例は、特に、処理するごみの発熱量が低下した場合に有効な手段である。
図7は縦型の旋回式溶融炉2へ本発明を適用した場合の実施例であり、図1に示す実施例と同等の効果及び作用を有する。すなわち、ガス化炉1内に供給されたごみaが空気bにより流動層(図示せず)で500〜650℃の温度で熱分解され、熱分解ガスを生じる。ガス化炉1で生じた熱分解ガスと微粒子の未燃分(チャー)が熱分解ガスノズル4から縦型の溶融炉2へ供給され、溶融炉2内で燃焼用空気ノズル5から入る燃焼用空気と共に燃焼する。
縦型の旋回式溶融炉2は、図1に示す傾斜型の旋回式溶融炉2と同様に内部の燃焼室を断熱材による炉壁で囲んだ中空円筒状であり、旋回式溶融炉2の上流部分(炉内の下側側面)には熱分解ガスノズル4及び燃焼用空気ノズル5が設けられ、旋回式溶融炉2の下流部分(炉内の上側側面)に不活性ガスノズル14が設けられている。また、旋回式溶融炉2の底部は溶融スラグcの出口となっている。
本発明は、チャー衝突部の温度を高くして良好な灰の溶融を維持しつつ、炉出口部のガス温度を低く保つことで、炉出口部の溶損を防止する溶融炉である。
1 ガス火炉 2 溶融炉
3 炉出口部 4 熱分解ガスノズル
5 燃焼用空気ノズル 6 補助バーナ
7 2次燃焼室 8 2次空気ノズル
9 スラグ排出口 10 廃熱回収ボイラ
11 減温装置 12 集塵装置
13 煙突
14 不活性ガス又は不活性ガスに富むガス供給ノズル
15 ダクト 16 温度計
17 高酸素濃度空気用ダクト 18 高窒素濃度空気用ダクト
19,20 流量調節弁 21 空気分離装置
22 コントローラ
a ごみ b 空気
c 溶融スラグ d 不活性ガス
e 被溶融物質
3 炉出口部 4 熱分解ガスノズル
5 燃焼用空気ノズル 6 補助バーナ
7 2次燃焼室 8 2次空気ノズル
9 スラグ排出口 10 廃熱回収ボイラ
11 減温装置 12 集塵装置
13 煙突
14 不活性ガス又は不活性ガスに富むガス供給ノズル
15 ダクト 16 温度計
17 高酸素濃度空気用ダクト 18 高窒素濃度空気用ダクト
19,20 流量調節弁 21 空気分離装置
22 コントローラ
a ごみ b 空気
c 溶融スラグ d 不活性ガス
e 被溶融物質
Claims (6)
- 一般ごみ、産業廃棄物を熱分解する熱分解ガス化炉で生成した熱分解ガス及びチャーを燃焼して灰分を溶融させる旋回式の溶融炉において、
溶融炉下流部側の炉壁面に不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルを設置したことを特徴とする旋回式溶融炉。 - 溶融炉の上流部側の炉壁面に熱分解ガス及びチャーの供給ノズルと酸素を富化した燃焼用空気の供給ノズルを設置したことを特徴とする請求項1記載の旋回式溶融炉。
- 空気を酸素濃度の高い空気と窒素濃度の高い空気とに分離する空気性状分離装置を備え、該空気性状分離装置で得られた酸素濃度の高い空気を燃焼用空気ノズルを通して溶融炉内に供給する手段と、前記空気性状分離装置で得られた窒素濃度の高い空気を不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルを通して溶融炉内に供給する手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の旋回式溶融炉。
- 不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルには前記不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの他に被溶融物質を供給する被溶融物質供給路を接続したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の旋回式溶融炉。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の旋回式溶融炉の燃焼用空気ノズルから溶融炉内に供給する酸素の量及び不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの供給ノズルから溶融炉内に供給する不活性ガス又は不活性ガスに富むガスの量を溶融炉に設置された温度計の指示値により制御することを特徴とする旋回式溶融炉の運用方法。
- 被溶融物質供給路に供給する被溶融物質はごみ焼却用の施設及びその他の産業廃棄物の施設から排出される不燃物やばいじんとしたことを特徴とする請求項5記載の旋回式溶融炉の運用方法。
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JP2010527433A (ja) * | 2007-05-18 | 2010-08-12 | シゲルゴク,ハッサン | 廃棄物を予備加熱して廃棄物を焼却する方法及びプラント |
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- 2005-01-27 JP JP2005020228A patent/JP2006207924A/ja not_active Withdrawn
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EP2167877B1 (fr) * | 2007-05-18 | 2019-10-30 | Hasan Sigergok | Installation pour l'incineration de dechets avec prechauffage de ceux-ci |
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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