JP2004239509A - 廃棄物焼却炉の燃焼制御方法及び廃棄物焼却炉 - Google Patents

廃棄物焼却炉の燃焼制御方法及び廃棄物焼却炉 Download PDF

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Abstract

【課題】廃棄物焼却炉において低空気比燃焼を行った場合においてもCOやNOx等の有害ガスの発生量が低減でき、さらに、焼却炉から排出される排ガス総量を大幅に低減できる廃棄物焼却炉の燃焼制御方法及び廃棄物焼却炉を提供する。
【解決手段】燃焼用一次空気Aを火格子下から燃焼室内に吹き込み、高温ガスBを前記燃焼室内の燃焼開始領域から主燃焼領域までの間の任意の領域に吹き込み、焼却炉から排出された排出ガスを少なくとも一部に含む循環排ガスCを前記燃焼室内の後燃焼領域に吹き込む。
また、前記排ガスCは、焼却炉から排出された排ガスのみからなるものであってもよい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般廃棄物、産業廃棄物、下水汚泥等の廃棄物を焼却する火格子式廃棄物焼却炉の燃焼制御方法、及びこのような燃焼制御方法を実施するのに好適な火格子式廃棄物焼却に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉として、火格子式廃棄物焼却炉が広く用いられている。その代表的なものの概略図を図3に示す。ホッパ31に投入された廃棄物32は、シュートを通して乾燥火格子33に送られ、下からの空気と炉内の輻射熱により乾燥されると共に、昇温されて着火する。着火して燃焼を開始した廃棄物32は、燃焼火格子34に送られ、下から送られる燃焼空気により熱分解されてガス化され、一部は燃焼する。そして、更に後燃焼火格子35で、廃棄物中の未燃分が完全に燃焼する。そして、燃焼後に残った灰は、主灰シュート36より外部に取り出される。
【0003】
燃焼は燃焼室37内で行われ、二次燃焼室41で二次的な燃焼が行われて可燃性ガスが完全に燃焼する。二次燃焼室41からの排ガスは、廃熱ボイラ43に送られ、熱交換された後に減温塔、バグフィルタ等を経由して外部に放出される。
【0004】
このような火格子式又は流動床式廃棄物焼却炉において、廃棄物を焼却処理する場合、廃棄物が性状の異なる数多くの物質からなるため、炉内の燃焼状態を一定に維持することは困難であり、燃焼室37内の温度や燃焼ガスの濃度の分布が時間的、空間的に不均一となることは避けられない。
【0005】
このような課題を解決する方法として、特開平11−211044号公報(特許文献1)には、蓄熱式バーナで発生させた高温気体を、焼却炉の主燃焼室又は二次燃焼室に吹き込む方法が開示されている。この技術は、焼却炉において発生する排ガス中の、CO及び芳香族系炭化水素等を多く含む未燃ガスや有害物質等を低減させることを目的としたものである。
【0006】
また、特開平11−270829号公報(特許文献2)には、ごみ焼却炉において発生した燃焼排ガス中のCO濃度が、予め設定されているダイオキシン低減のための値となるように、燃焼排ガス中のCO値、O値および焼却炉の炉内温度に基づいて、ごみ焼却炉の火格子速度、燃焼用空気量および炉温冷却用空気量を制御する方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−211044号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平11−270829号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来、廃棄物焼却炉において、廃棄物の燃焼に必要な理論空気量で実際に炉内に供給する空気量を除した比(空気比)は1.7〜2.0程度である。これは、一般的な燃料の燃焼に必要な空気比である1.05〜1.2に比べて大きくなっている。この理由は、廃棄物には他の液体燃料や気体燃料に比べて不燃分が多く、かつ不均質なため、燃焼を行うには多量の空気が必要なためである。しかし、空気比が多くなるに従って排ガス量も多くなり、大型の排ガス処理設備が必要となっている。
【0010】
空気比を小さくすれば排ガス量は低減し、排ガス処理設備がコンパクトになり、その結果廃棄物焼却施設全体が小型化して設備費を低減することができる。これに加えて、排ガス処理のための薬剤量も低減できるので、運転費を低減できる。さらに、熱回収できずに失われる熱量を低減できるので、廃熱ボイラの熱回収率が向上し、これに伴ってごみ発電の発電効率を上げることができる。
【0011】
このように、低空気比燃焼に対する利点は大きいが、低空気比燃焼では燃焼が不安定になるという問題がある。すなわち、低空気比で燃焼させると、燃焼が不安定となり、COの発生が増加したり、火炎温度が局所的に上昇してNOxが急増したり、煤が大量に発生したり、クリンカが発生したり、局所的な高温により炉の耐火物の寿命が短くなるという問題点があった。上記特許文献1及び特許文献2に記載されている燃焼技術では、このような問題点を解決することが不十分であった。
【0012】
また、炉温冷却用空気として、空気のみ、或いは、空気に焼却炉からの排ガスを混合して用いることは、新たな空気を炉内に導入することとなるので排ガス総量の低減ができないという問題もある。
【0013】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、廃棄物焼却炉において低空気比燃焼を行った場合においてもCOやNOx等の有害ガスの発生量が低減でき、さらに、焼却炉から排出される排ガス総量を大幅に低減できる廃棄物焼却炉の燃焼制御方法及び廃棄物焼却炉を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
【0015】
請求項1の発明は、火格子式廃棄物焼却炉の燃焼制御方法であって、燃焼用一次空気Aを火格子下から燃焼室内に吹き込み、高温ガスBを前記燃焼室内の燃焼開始領域から主燃焼領域までの間の任意の領域に吹き込み、焼却炉から排出された排出ガスを少なくとも一部に含む循環排ガスCを前記燃焼室内の後燃焼領域に吹き込むことを特徴とする廃棄物焼却炉の燃焼制御方法である。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1において、排ガスCが焼却炉から排出された排ガスのみからなることを特徴とする廃棄物焼却炉の燃焼制御方法である。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、燃焼用一次空気Aにより供給される単位時間当りの酸素量Q1と、高温ガスBにより供給される単位時間当りの酸素量Q2と、循環排ガスCにより供給される単位時間当りの酸素量Q3とが、廃棄物の燃焼に必要な単位時間当りの理論酸素量を1とした場合に、下式(1)及び(2)を満足することを特徴とする廃棄物焼却炉の燃焼制御方法である。
Q1:Q2:Q3=0.8〜1.0:0.1〜0.3:0.1〜0.35 (1)
1.3≦Q1+Q2+Q3≦1.5 (2)
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2において、燃焼用一次空気Aにより供給される単位時間当りの酸素量Q1と、高温ガスBにより供給される単位時間当りの酸素量Q2と、循環排ガスCにより供給される単位時間当りの酸素量Q3とが、廃棄物の燃焼に必要な単位時間当りの理論酸素量を1とした場合に、下式(3)及び(4)を満足することを特徴とする廃棄物焼却炉の燃焼制御方法である。
Q1:Q2:Q3=0.9〜1.0:0.1〜0.3:0.1〜0.3 (3)
1.3≦Q1+Q2+Q3≦1.35 (4)
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかにおいて、Q1とQ2とを所定の値に維持しつつ、Q3を焼却炉内の状況を監視する因子に基づいて調節することを特徴とする廃棄物焼却炉の燃焼制御方法である。
【0018】
請求項6の発明は、請求項5において、焼却炉内の状況を監視する因子が、燃焼室内で発生した可燃性ガスの二次燃焼を行う二次燃焼領域出口近傍における、ガス温度、ガス中O濃度、ガス中CO濃度、ガス中NO濃度のいずれか一つ以上であることを特徴とする廃棄物焼却炉の燃焼制御方法である。
【0019】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかにおいて、循環排ガスCが、燃焼室高さの1/3超えない高さ位置から後燃焼領域に吹き込まれることを特徴とする廃棄物焼却炉の燃焼制御方法である。
【0020】
請求項8の発明は、燃焼用一次空気Aを火格子下から燃焼室内に吹き込む燃焼用一次空気吹き込み手段と、高温ガスBを前記燃焼室内の燃焼開始領域から主燃焼領域までの間の任意の領域に吹き込む高温ガス吹き込み手段と、焼却炉から排出された排ガスを少なくとも一部に含む循環排ガスCを前記燃焼室内の後燃焼領域に吹き込む循環排ガス吹き込み手段とを備えることを特徴とする火格子式廃棄物焼却炉である。
【0021】
請求項9の発明は、請求項8において、循環排ガスCの吹き込みノズルが燃焼室高さの1/3を超えない高さ位置に設けられていることを特徴とする火格子式廃棄物焼却炉である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
【0023】
図1は本発明に係る廃棄物焼却炉30の一実施形態を示す概略側断面図である。
【0024】
図1に示す廃棄物焼却炉30は、燃焼室3と、この燃焼室3の上流側(図1の左側)に配置され廃棄物2を燃焼室3内に投入するためのホッパ1と、このホッパ1と反対側の燃焼室3下流側の上方に連設されるボイラ12とを有する火格子式のニ回流炉である。
【0025】
燃焼室3の底部には、廃棄物2を移動させながら燃焼させる火格子(ストーカ)が設けられている。この火格子は、ホッパ1から遠ざかるに従って下がるように傾斜して設けられている。この火格子には2つの段差が形成されており、3つの部分に分かれる。この3つの火格子を、ホッパ1に近い方から、乾燥火格子5、燃焼火格子6、後燃焼火格子7と呼んでいる。乾燥火格子5では主として廃棄物2の乾燥と着火が行われる。燃焼火格子6では主として廃棄物2の熱分解、部分酸化が行われ、可燃性ガスの燃焼が行われる。燃焼火格子6において廃棄物2の燃焼は実質的に完了する。後燃焼火格子7上では、僅かに残った廃棄物2中の未燃分を完全に燃焼させる。完全に燃焼した後の燃焼灰は、主灰シュート15より排出される。
【0026】
上記乾燥火格子5、燃焼火格子6及び後燃焼火格子7の下部には、それぞれ風箱8,9,10が設けられている。ブロワ13により供給される燃焼用一次空気は、燃焼用一次空気供給管16を通って前記各風箱8,9,10に供給され、各火格子5,6,7を通って燃焼室3内に供給される。なお、火格子下から供給される燃焼用一次空気は、火格子上の廃棄物2の乾燥及び燃焼に使われるほか、火格子の冷却作用、廃棄物の攪拌作用を有する。
【0027】
ホッパ1と反対側の燃焼室3出口には、廃熱ボイラ12の二次燃焼領域17が連設されている。そして、燃焼室3内には、燃焼室3の出口近傍に、廃棄物から発生した可燃性ガスと燃焼ガスを分流するための障壁(中間天井)11が設けられ、可燃性ガスと燃焼ガスの流れを主煙道20と副煙道21に分流している。前記主煙道20と副煙道21に分流された可燃性ガスと燃焼ガスは、廃熱ボイラ12に導かれ、そこで混合・攪拌され、廃熱ボイラ12の一部である二次燃焼領域17内で二次燃焼し、この二次燃焼により発生した燃焼排ガスは廃熱ボイラ12で熱回収される。熱回収された後、廃熱ボイラ12から排出された燃焼排ガスは、ダクト14を通って第一の除塵装置18に送られ、そこで前記燃焼排ガス中に含まれる飛灰の回収が行われる。前記第一の除塵装置18で除塵された後の燃焼排ガスは、消石灰による酸性ガスの中和と、活性炭によるダイオキシン類の吸着が行われ、さらに第二の除塵装置19に送られ、活性炭などが回収される。前記第二の除塵装置19で除塵され、無害化された後の燃焼排ガスは、誘引ファン22により誘引され、煙突23から大気中に放出される。なお、前記除塵装置18,19としては、例えば、バグフィルタ方式、サイクロン方式、電気集塵方式等の除塵装置を用いることができる。
【0028】
このような装置構成において、本発明は、燃焼用一次空気を火格子下から燃焼室内に吹き込み、高温ガスを前記燃焼室内の燃焼開始領域から主燃焼領域までの間の任意の領域に吹き込み、焼却炉から排出された排ガスを少なくとも一部に含む循環排ガスを前記燃焼室内の後燃焼領域に吹き込むことにより、廃棄物焼却炉の燃焼制御を行うものである。なお、図1においては、中間天井11を有し、火格子が傾斜して設けられている炉を図示しているが、本発明はこのような中間天井を有しない炉や火格子が水平に設けられている炉においても適用できることは言うまでもない。
[燃焼用一次空気の吹き込み]
ここで、前記燃焼用一次空気は、上述したように、ブロワ13から燃焼用一次空気供給管16を通って各乾燥火格子5、燃焼火格子6及び後燃焼火格子7のそれぞれの下部に設けられた風箱8,9,10に供給された後、各火格子5,6,7を通って燃焼室3内に供給される。燃焼室3内に供給される燃焼用一次空気の流量は、前記燃焼用一次空気供給管16に設けられた流量調節弁24により調整され、さらに、各風箱に供給される流量は、各風箱に分岐して設けられたそれぞれの供給管16a,16b,16c,16dに備える流量調節弁24a,24b,24c,24dにより調節される。また、前記風箱及び燃焼用一次空気を供給するための燃焼用一次空気供給管等の構成は図示したものに限定されず、焼却炉の規模、形状、用途等により適宜選択され得る。
[高温ガスの吹き込み]
前記高温ガスは、燃焼室3内の燃焼開始領域から主燃焼領域までの間の任意の領域に吹き込まれる。これは、高温ガスは火炎が存在し、可燃性ガスが多く存在する領域に吹き込むことが燃焼を安定させる上で好ましいためである。なお、火格子式或いは流動床式の廃棄物焼却炉において、可燃性ガスが多く存在する領域は、燃焼開始領域から主燃焼領域までである。
【0029】
廃棄物が焼却される場合、まず水分の蒸発が起こり、次いで熱分解・部分酸化反応が起こり、可燃性ガスが生成し始める。ここで燃焼開始領域とは、廃棄物の燃焼が始まり、廃棄物の熱分解、部分酸化により可燃性ガスが生成し始める領域である。また、主燃焼領域とは、廃棄物の熱分解、部分酸化と燃焼が行われ、可燃性ガスが発生し火炎を伴って燃焼している領域であり、火炎を伴う燃焼が完了する点(燃え切り点)までの領域である。燃え切り点より後の領域では、廃棄物中の固形未燃分(チャー)が燃焼するチャー燃焼領域(熾燃焼領域)となる。火格子式焼却炉では燃焼開始領域は乾燥火格子の上部空間であり、主燃焼領域は燃焼火格子の上部空間に相当する。
【0030】
高温ガスを燃焼室3内の燃焼開始領域から主燃焼領域に吹き込むことにより廃棄物層直上によどみ領域または旋回領域を形成して、廃棄物から発生した可燃性ガスの混合、攪拌が促進されるので安定した燃焼が行われる。その結果、CO,NOx、ダイオキシン類等の有害物質の発生を抑制すると共に煤の生成を抑制することができる。このため、焼却炉全体に吹き込む空気の量を減少させ、低空気比燃焼を行うことができる。
【0031】
また、廃棄物層の直上に高温ガスが吹き込まれるので、高温ガスからの熱輻射と顕熱によって加熱され、廃棄物の熱分解が促進される。
【0032】
ここで、前記高温ガスとしては、例えば、ガス温度200〜600℃程度、含有する酸素濃度10〜18%程度のものを用いることが好ましい。これにより、上述の効果がより効果的に発揮され、低NOx化、低CO化がより促進される。
【0033】
前記のガス温度及び酸素濃度となるような高温ガスとしては、返送排ガス又は返送排ガスと空気の混合ガスを用いることが好適である。返送排ガスは、廃棄物焼却炉より排出される排ガスの一部であり、従来はこれを燃焼室内あるいは二次燃焼領域に戻すことによりその顕熱を利用したり、燃焼室内のガス混合を改善して燃焼状態の改善を図ることに用いられているものである。
【0034】
前記返送排ガスが所定の条件を満たしている場合は、返送排ガスをそのまま炉内に吹き込めばよいが、返送排ガスの温度が低く、かつ、酸素濃度が低いことがある。この場合、バーナ燃焼ガス等の高温燃焼ガス、或いは、高温空気製造装置や熱風炉による高温の空気を返送排ガスに混合して、温度と酸素濃度が所定の条件を満たすような高温ガスとして、炉内に吹き込むようにしてもよい。
【0035】
また、二次燃焼領域からの排ガスを返送して使用する場合、その返送排ガスが、温度が十分高く、かつ酸素濃度が高いものであれば、高温空気製造装置等を設けることなく、その返送排ガスを高温空気の代わりに使って、空気と混合して吹き込んでもよい。さらに、二次燃焼領域からの返送排ガスの温度と酸素濃度が所定の条件を満たすようなものであれば、その返送排ガスを高温ガスとして直接炉内に吹き込んでもよい。
【0036】
前記高温空気製造装置の例としては、蓄熱バーナや、レキュペレータ、燃焼バーナからの燃焼ガスに空気や酸素を混合するもの、酸素富化バーナ等が使用できる。
【0037】
ここで、返送排ガスと、高温燃焼ガス或いは高温空気とをガス混合装置により混合して高温ガスを調製する場合に、前記ガス混合装置をエゼクタ装置29とすることもできる。この場合、前記高温燃焼ガス或いは高温空気をエゼクタ装置29に導いて、これを駆動流として、前記返送排ガスを吸引しながら混合して、燃焼室3内に吹き込むようにする。このようにすれば、返送排ガスを導出するためのブロワが必要でないので、装置構成が簡単になると共に、返送排ガス中に含まれるダスト等によるトラブルを軽減することが可能となる。
【0038】
図1においては、高温ガス吹き込み口25は燃焼室3内の燃焼開始領域から主燃焼領域に相当する乾燥火格子5上部及び燃焼火格子6の左側上部に設置されている。ここで、廃棄物の熱分解反応は温度が200℃程度で起こり、温度が400℃程度となった段階でほぼ完了する。高温ガスを可燃性ガスが生成している領域に吹込むことにより、可燃性ガスの混合、攪拌が促進され安定した燃焼が行われる。図1に示す例では、乾燥火格子5の後部及び燃焼火格子6の前部に相当するので、これらの位置にガス吹き出し口25を設けて高温ガスを吹き込んでいる。廃棄物2の組成、性状によっては、もっと高い温度で熱分解反応が完了するものがあり、この場合は、図1に示す位置より後側(図の右側)にも、ガス吹き出し口25を設けることが好ましい。
【0039】
また、ガス吹き出し口25は、図1に示すように、燃焼開始領域から主燃焼領域の各領域における燃焼室高さの1/2を超えない高さ位置に、より好ましくは燃焼室高さの1/3を超えない高さ位置に設けることが好ましい。これにより、燃焼室内の廃棄物層直上において、ガス吹き出し口25から吹き込まれた高温ガスによって保炎効果が現われるため、炉内の廃棄物層直上に高温領域(火炎)を定在させることができる。よって、廃棄物の熱分解が効率的に行われると共に、高温領域が天井から遠くなるので、内壁近傍での消炎が軽減されると共に、天井の焼損程度を軽減することができる。なお、前記燃焼室高さとは、火格子の各部において、主燃焼が行われる空間の高さであって、火格子から燃焼室天井又は二次燃焼用空気が吹き込まれる位置までの高さをいう。
【0040】
図1においては、燃焼室3の両側面に対向して少なくとも一対のガス吹き出し口25を設け、ここから高温ガスを吹き込んでいる。ここで、ガス吹き出し口25はガスの吹き込み方向が水平、又は下向きとなるように設けることが好ましい。
【0041】
廃棄物から発生する可燃性ガスは、通常上向きに流れる。よって、高温ガスの吹き込み方向が上向きであると、可燃性ガスと高温ガスの流れが同じ方向の速度成分を持つことになり、攪拌の効果が小さくなって、高温ガス吹き込みの効果が低減する。これに対し、高温ガスの吹き込み方向が水平あるいは下向きであると、上昇する可燃性ガスと高温ガスが良く攪拌されるようになり、可燃性ガスの燃焼を促すことができる。このような攪拌作用を促す意味では、ガス吹き出し口は下向けに設けることが好ましいが、あまり角度を付けすぎると、燃焼室3の幅方向全体に高温ガスが届かなくなる。よって角度は下向き10〜20°の範囲とすることが特に好ましい。なお、一般に焼却炉の燃焼におけるダイオキシン類などの有害物質を低減する要因は3Tといわれている。これらは、温度(Temperature)、攪拌(Turbulence)、滞留時間(Time)であるが、特に、高温ガスを下向きに吹き込むことにより、攪拌(Turbulence)と、滞留時間(Time)を向上させることができ、高温ガスの攪拌効果により焼却炉内の空間温度をより均一化することができる。
【0042】
なお、前記高温ガスの燃焼室3内への吹き込みは燃焼室3の片側側面からのみ行うようにしてもよい。さらに、燃焼室3の側面からではなく、中間天井、又は天井から吹き込むようにしてもよい。
[焼却炉から排出された排ガスを少なくとも一部に含む循環排ガスの吹き込み]
前記焼却炉から排出された排ガスを少なくとも一部に含む循環排ガスは、燃焼室3内の後燃焼領域に吹き込まれる。
【0043】
ここで、前記焼却炉から排出された排ガスを少なくとも一部に含む循環排ガスとしては、図1に示すように、例えば、焼却炉30から排出され第一の除塵装置18を通過した後の排ガスの一部を抜き出したガス(ガス温度:160〜200℃程度、酸素濃度:5〜8%程度)、或いは、第二の除塵装置19を通過した後の排ガスの一部を抜き出したガス(ガス温度:150〜190℃程度、酸素濃度:5〜8%程度)を用いることができる。また、前記循環排ガスは、焼却炉30から排出された排ガスをそのまま用いても良く、空気を混合したものであっても良い。
【0044】
前記排ガスに空気を混合する場合、混合する空気を駆動流とするエゼクタを用いて排ガスを吸引しながら混合して、燃焼室3内の後燃焼領域に吹き込むようにしてもよい。このようにすれば、排ガスを抜き出すためのブロワが必要でないので、装置構成が簡単になると共に、排ガス中に含まれる腐食性ガス等によるトラブルを軽減することが可能となる。
【0045】
また、前記循環排ガスを吹き込む後燃焼領域とは、燃焼室3内の後燃焼火格子7上方空間をいう。前記循環排ガスを後燃焼領域に吹き込むことにより、燃焼室3内後燃焼領域の火炎温度を低下させ、局所的な高温領域の発生を防止して、NOxの発生を抑制する。さらに、低酸素濃度(5〜8%程度)の循環排ガスを吹き込むことにより、後燃焼領域を還元雰囲気に近づけ、NOxの発生を抑制する。
【0046】
また、後燃焼領域に前記循環排ガスを吹き込むことにより、後燃焼領域での酸素濃度を低下させ、燃料過濃雰囲気に近づけることにより、後燃焼火格子7上の焼却灰に含まれるチャー中の窒素分がNOxに転換されるのを抑制する。
【0047】
また、前記後燃焼領域に循環排ガスを吹き込むための循環排ガス吹き出し口27は、燃焼室高さの1/3を超えない高さ位置に、より好ましくは燃焼室高さの1/5を超えない高さ位置に設けることが好ましい。ここで、前記燃焼室高さとは、火格子の各部において、主燃焼が行われる空間の高さであって、火格子から燃焼室天井又は二次燃焼用空気が吹き込まれる位置までの高さをいう。燃焼室高さの1/3を超えない高さ位置、より好ましくは燃焼室高さの1/5を超えない高さ位置から循環排ガスを後燃焼領域に吹き込むことにより、循環排ガスが火格子上の焼却灰層の直上に吹き込まれ、上述のNOx発生抑制効果がより効果的に発揮される。
【0048】
なお、燃焼室3の後燃焼領域に設けた循環排ガス吹き出し口27はガスの吹き込み方向が水平、又は下向きとなるように設けることが好ましい。循環排ガスの吹き込み方向が上向きであると、後燃焼領域内の雰囲気ガスと循環排ガスの流れが同じ方向の速度成分を持つことになり、攪拌の効果が小さくなって、循環排ガス吹き込みの効果が低減する。これに対し、循環排ガスの吹き込み方向が水平あるいは下向きであると、上昇する後燃焼領域内の雰囲気ガスと循環排ガスが良く攪拌されるようになる。なお、攪拌効果をより向上させるために、循環排ガスが旋回流を形成するように吹き込むことが好ましい。
【0049】
また、前記火格子下から燃焼室3内に吹き込まれる燃焼用一次空気により供給される単位時間当りの酸素量Q1と、前記燃焼室3内の燃焼開始領域から主燃焼領域までの間の任意の領域に吹き込まれる高温ガスにより供給される単位時間当りの酸素量Q2と、前記燃焼室3内の後燃焼領域に吹き込まれる循環排ガスにより供給される単位時間当りの酸素量Q3とは、廃棄物の燃焼に必要な単位時間当りの理論酸素量を1とした場合に、下式(1)及び(2)、より好ましくは下式(3)及び(4)を満足するように吹き込むことが好ましい。
Q1:Q2:Q3=0.8〜1.0:0.1〜0.3:0.1〜0.35 (1)
1.3≦Q1+Q2+Q3≦1.5 (2)
Q1:Q2:Q3=0.9〜1.0:0.1〜0.3:0.1〜0.3 (3)
1.3≦Q1+Q2+Q3≦1.35 (4)
ここで、前記廃棄物の燃焼に必要な単位時間当りの理論酸素量は、燃焼室内に投入される廃棄物の性状及び成分等から決定される廃棄物の単位質量当りの燃焼に必要な酸素量(Nm/kg)と、焼却炉における廃棄物の焼却速度(kg/hr)との積(Nm/hr)により決定される。また、前記Q1は、火格子25,26,27から燃焼室3内に供給される燃焼用一次空気により供給される単位時間当りの酸素量であり、前記燃焼用一次空気の流量を増減させることにより調整する。また、Q2及びQ3は、それぞれ前記燃焼室3内の燃焼開始領域から主燃焼領域までの間の任意の領域に吹き込まれる高温ガスの流量及び前記燃焼室3内の後燃焼領域に吹き込まれる循環排ガスの流量を増減させることにより調整される。
【0050】
なお、以下において、Q1+Q2+Q3をλと記載する。
【0051】
前記Q1,Q2,Q3を上式の範囲とすることにより、廃棄物焼却炉において低空気比燃焼(1.3≦λ≦1.5)を行った場合においてもCOやNOx等の有害ガスの発生量が低減でき、焼却炉から排出される排ガス総量を大幅に低減できる。
【0052】
廃棄物の燃え残りや有害物質の発生を抑制して安定した低空気比燃焼を達成させる配分比としては、Q1:Q2:Q3=1.0:0.1:0.25、λ=1.35を基準とし、炉内に投入される廃棄物の組成や性状等に基づきλを1.3〜1.5の範囲でQ1,Q2,Q3を上記の範囲内で調整する。
【0053】
Q1,Q2,Q3,λの具体例を以下に記載する。
Q1:Q2:Q3=1.0:0.1:0.25、λ=1.35
Q1:Q2:Q3=1.0:0.2:0.1、λ=1.3
Q1:Q2:Q3=1.0:0.25:0.15、λ=1.4
Q1:Q2:Q3=1.0:0.2:0.2、λ=1.4
Q1:Q2:Q3=1.0:0.25:0.2、λ=1.45
Q1:Q2:Q3=1.0:0.3:0.2、λ=1.5
Q1:Q2:Q3=0.9:0.1:0.3、λ=1.3
Q1:Q2:Q3=0.9:0.1:0.35、λ=1.35
Q1:Q2:Q3=0.9:0.2:0.25、λ=1.35
Q1:Q2:Q3=0.9:0.3:0.15、λ=1.35
Q1:Q2:Q3=0.9:0.3:0.1、λ=1.3
Q1:Q2:Q3=0.9:0.25:0.2、λ=1.35
Q1:Q2:Q3=0.8:0.3:0.25、λ=1.35
以下、Q1,Q2,Q3の調整基準を説明する。
【0054】
[Q1の調整基準]
通常の都市ごみ等の廃棄物を乾燥させ燃焼させるにはQ1=1.0を基準とし、灰分の少ない廃棄物や水分の少ない廃棄物、例えばプラスチック等を燃焼する際には、Q1を0.8〜0.9程度に減らし、その代わりにQ2を増加させる。
【0055】
[Q2の調整基準]
通常の都市ごみ等の廃棄物を燃焼させるにはQ2=0.1を基準とし、灰分や水分が少なく可燃分が大部分である廃棄物、例えばプラスチック等、或いは、揮発分の大きい廃棄物を燃焼させる場合には、Q2を増加させる。Q2が少ないと、上述の高温ガス吹き込みの効果が十分に得られない。なお、上記範囲を超えてQ2を増加させると、低空気比燃焼が達成できず、高温ガスを発生させるための燃料代が嵩む。
【0056】
[Q3の調整基準]
まず、廃棄物焼却炉の標準操業基準として、上記基準に基づき、廃棄物の組成や性状等を考慮してQ1及びQ2を決定し、次いでQ3の標準値を設定する。廃棄物焼却炉の実際の操業では標準操業基準で操業していても、焼却炉内の燃焼状況が変化し排出される排ガス中の有害物質量が変動することがある。そこで、前記決定したQ1及びQ2の値は維持したまま、廃棄物焼却炉内の状況を監視する因子に基づいてQ3を調節する。このような燃焼制御方法をとることにより、焼却炉内の燃焼状況が変化しても、燃焼を安定して行うように調整でき、最終的に廃棄物焼却炉から排出される排ガス中の有害物質量を制御しやすくなり、さらに、焼却炉の燃焼制御系を簡単にすることができる。
【0057】
ここで、前記廃棄物焼却炉内の状況を監視する因子としては、例えば、燃焼室3内で発生した可燃性ガスと燃焼ガスの二次燃焼を行う二次燃焼領域17出口近傍における、ガス温度、ガス中O濃度、ガス中CO濃度、ガス中NO濃度のいずれか一つ以上とすることが好ましい。前記監視因子の具体的な組み合わせとしては、例えば、▲1▼ガス温度、▲2▼ガス中O濃度、▲3▼ガス温度とガス中O濃度、▲4▼ガス温度とガス中CO濃度、▲5▼ガス中NO濃度とガス温度、▲6▼ガス中NO濃度とガス中CO濃度、を用いることができる。
【0058】
また、前記Q3を調節する方法としては、燃焼室3内の後燃焼領域に吹き込まれる循環排ガスが焼却炉から排出された排ガスのみからなる場合には、前記排ガスの流量を調節することにより行われ、前記循環排ガスが、例えば、焼却炉から排出された排ガスと空気との混合ガスである場合には、この混合される空気量を調節することにより行うことができる。
【0059】
図2に、Q3の調節方法として、排ガスに混合される空気量を調節する場合における調節手段26の概略構成の一例を示す。図2に示す調節手段26は、第一の除塵装置18を通過した後の排ガスの一部、或いは、第二の除塵装置19を通過した後の排ガスの一部を抜き出し、ブロワ52を介して燃焼室3の後燃焼領域に設けた循環排ガス吹き出し口27から後燃焼領域に循環排ガスを吹き込むための配管28の途中に設けられる。前記調節手段26は、排ガスと空気を混合するためのガス混合装置50と、前記ガス混合装置50に空気を供給するための空気供給配管51と、前記ガス混合装置50に供給する空気量を制御するための空気量制御装置58とを有する。
【0060】
前記空気供給配管51には、空気を取り込むためのブロワ56と、ガス混合装置50に供給する空気量を調節する流量調節弁54とが備えられている。また、前記空気量制御装置58は、前記監視因子を計測する計測手段59からの計測信号に基づき排ガスに混合する空気量を決定し、その空気量となるように前記流量調節弁54を制御する。
【0061】
なお、後燃焼領域に吹き込まれる循環排ガスが焼却炉から排出された排ガスのみからなる場合には、前記配管28の途中に設けられたダンパの開度を制御することにより循環排ガス流量の調節が行われる。
【0062】
表1及び表2に実際の廃棄物焼却炉におけるQ3の調節方法の一例を示す。監視因子が基準値から変動した場合における排ガス中における有害物質量の変動と、Q3をどのように調節するのかを示している。
【0063】
Q3の調節は、排ガスに混合される空気量を調節すること、又は、循環排ガスとして焼却炉から排出された排ガスのみを用いる場合は吹き込む排ガス量を調節することにより行う。さらに、前記循環排ガスは、二次燃焼領域17入口近傍の後燃焼領域の燃焼室3側壁から、後燃焼領域内の雰囲気ガスの流れに対向する方向に旋回流を形成するように吹き込む。
【0064】
ここで、前記廃棄物焼却炉内の状況を監視する因子である二次燃焼領域17出口近傍でのガス温度、ガス中O濃度、ガス中CO濃度、ガス中NO濃度のそれぞれの基準値、及び、その計測手段は以下に示すとおりである。
[基準値]
ガス温度:950±50℃
ガス中O濃度:6.0±0.5%
ガス中CO濃度:平均30ppm以下
(瞬間値が100ppmを超えないように制御)
ガス中NO濃度:100ppm以下
[計測手段]
ガス温度:温度センサ(熱電対、放射温度計)
ガス中O濃度:酸素濃度計
ガス中CO濃度:CO濃度計
ガス中NO濃度:NO濃度計
【0065】
【表1】
Figure 2004239509
【0066】
【表2】
Figure 2004239509
【0067】
焼却炉内で廃棄物と熱分解によって発生する可燃性ガスを適正な速度や温度等の範囲内で燃焼させた場合に、CO、NOx、DXN(ダイオキシン類)等の有害物質の発生が最も抑制される。
【0068】
表1において、二次燃焼領域17出口近傍でのガス温度が高い場合((1)の場合)は、燃焼室での燃焼が抑制され、その結果二次燃焼領域での燃焼が急激に行われるためガス温度が上昇していると考えられる。この場合、焼却炉から排出されるCO濃度及びDXN濃度は減少するか変化が無いがNOx濃度は増加するため、Q3を増加させて、酸素の供給量を増加し燃焼室での燃焼を適正に行うようにする。
【0069】
二次燃焼領域17出口近傍でのガス中O濃度が高い場合((2)の場合)は、必要以上の酸素が供給された状態で炉内の燃焼が行われていると考えられる。この場合、焼却炉から排出されるCO濃度及びDXN濃度は減少するか変化は無いが、NOx濃度は増加するため、Q3を減少させて、酸素の供給量を少なくする。反対に、二次燃焼領域17出口近傍でのガス中O濃度が低い場合((3)の場合)は、酸素の供給量がやや不足した状態で炉内の燃焼が行われていると考えられる。この場合、焼却炉から排出されるNOx濃度は減少するが、CO濃度及びDXN濃度は増加するか変化の無い状態となるため、Q3を増加させて酸素の供給量を多くする。
【0070】
二次燃焼領域17出口近傍でのガス中CO濃度が低い場合((4)の場合)は、炉内の燃焼が適正に行われている状態と考えられる。この場合は、特に調節の必要は無くQ3はそのままの状態で維持する。
【0071】
二次燃焼領域17出口近傍でのガス温度が低く、ガス中O濃度が高い場合((5)の場合)は、燃焼室の後燃焼領域に吹き込む循環排ガスの流量が過剰であるため、炉内温度が低下し、燃焼が不安定になっていると考えられる。この場合、焼却炉から排出されるCO濃度及びDXN濃度が増加するため、Q3を減少させて炉内温度を上昇させ、燃焼を安定化させる。
【0072】
二次燃焼領域17出口近傍でのガス温度が低く、ガス中O濃度が低い場合((6)の場合)は、燃焼室の後燃焼領域に吹き込む循環排ガスの流量が不足しており、燃焼が抑制され、ガス温度が低下していると考えられる。この場合、焼却炉から排出されるCO濃度及びDXN濃度が増加するため、Q3を増加させて燃焼を促進させる。
【0073】
二次燃焼領域17出口近傍でのガス中CO濃度が高く、ガス温度が高い場合((7)の場合)は、燃焼室での燃焼が不完全で、二次燃焼領域での燃焼が急激に行われるためガス温度が上昇しており、また、未燃焼の可燃性ガスが残存していると考えられる。この場合、焼却炉から排出されるCO濃度及びDXN濃度が増加するため、Q3を増加させて燃焼を適正化させる。
【0074】
二次燃焼領域17出口近傍でのガス中CO濃度が高く、ガス温度が低い場合((8)の場合)は、廃棄物の供給量が減って燃焼室の後燃焼領域に吹き込む循環排ガスの流量が過剰になったため、炉内温度が低下し、燃焼が不安定になっていると考えられる。この場合、焼却炉から排出されるCO濃度及びDXN濃度が増加するため、Q3を減少させて炉内温度を上昇させ、燃焼を安定化させる。
【0075】
二次燃焼領域17出口近傍でのガス中NO濃度が高く、ガス温度が高い場合((9)の場合)は、燃焼室での燃焼が抑制され、その結果二次燃焼領域での燃焼が急激に行われるためガス温度が上昇し、ガス中NO濃度が増加していると考えられる。この場合にはQ3を増加させて酸素の供給量を増加させ、燃焼室での燃焼を適正化させるようにする。
【0076】
二次燃焼領域17出口近傍でのガス中NO濃度が低いが、CO濃度が高い場合((10)の場合)は、燃焼室での燃焼が不十分であり、未燃焼の可燃性ガスが残存していると考えられる。この場合には、Q3を増加させて燃焼を適正化させる。
【0077】
二次燃焼領域17出口近傍でのガス中NO濃度が低く、CO濃度も低い場合((11)の場合)は、炉内の燃焼が適正に行われている状態と考えられる。この場合は特に調節の必要は無くQ3はそのままで維持する。
【0078】
上記のように制御することにより、複雑な制御を行うことなく効果的に廃棄物焼却炉から排出されるCO、NOx、DXN等の有害物質の量を低減することが可能となる。
【0079】
また、表2には、実際の廃棄物焼却炉において、実施例としてQ1:Q2:Q3=1.0:0.1:0.25、λ=1.35として廃棄物の燃焼を行った場合に、焼却炉から排出される排ガス中のCO濃度、NOx濃度、DXN濃度を測定した結果を示す。なお、表2には、比較例1及び比較例2として、主燃焼領域に吹き込むガスとして高温ガスを用いる代わりに空気を用いて、さらに、後燃焼領域に吹き込むガスとして廃棄物焼却炉から排出された排ガスを用いる代わりに空気を用いて、火格子下から吹き込む燃焼用一次空気により供給される単位時間当りの酸素量q1、主燃焼領域に吹き込む空気により供給される単位時間当りの酸素量q2、後燃焼領域に吹き込む空気により供給される単位時間当りの酸素量q3及びλ’=q1+q2+q3を表2に示すように設定した場合の焼却炉から排出される排ガス中のCO濃度、NOx濃度、DXN濃度を測定した結果を示す。
【0080】
【表3】
Figure 2004239509
【0081】
表2に示すように、実施例では、低空気比燃焼(λ=1.35)が達成でき、CO、NOx、DXNの発生が抑制されている。それに対し、比較例1では、低空気比燃焼が達成できず(λ’=1.7)、またNOxの発生量が多い。比較例2では、低空気比燃焼(λ’=1.3)を行うと、NOxの発生量は低くなるが、COの発生が多い。これは、炉内の燃焼状態が不安定になり、可燃性ガスが未燃のままCOとして排出されており、さらに煤などの未燃分が発生し、これらによりダイオキシン類の発生量も高くなっている。
【0082】
また、高温ガスや循環排ガスの吹き込み流量の調整を焼却炉から排出される排ガス流量に対する比率を用いて行ってもよい。これにより、簡便に吹き込み流量の設定や調整を行うことができる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、廃棄物焼却炉において低空気比燃焼を行った場合においてもCOやNOx等の有害ガスの発生量が低減でき、さらに、焼却炉から排出される排ガス総量を大幅に低減できる廃棄物焼却炉の燃焼制御方法及び廃棄物焼却炉が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃棄物焼却炉の一実施形態を示す概略側断面図である。
【図2】本発明に係る排ガスに混合される空気量調節手段の概略構成の一例を示す図である。
【図3】従来技術に係る廃棄物焼却炉の一例を示す概略側断面図である。
【符号の説明】
1 ホッパ
2 廃棄物
3 燃焼室
4 焼却灰
5 乾燥火格子
6 燃焼火格子
7 後燃焼火格子
8,9,10 風箱
11 障壁(中間天井)
12 廃熱ボイラ
13 ブロワ
14 ダクト
15 主灰シュート
16,16a,16b,16c,16d 燃焼用一次空気供給管
17 二次燃焼領域
18 第一の除塵装置
19 第二の除塵装置
20 主煙道
21 副煙道
22 誘引ファン
23 煙突
24,24a,24b,24c,24d 流量調節弁
25 高温ガス吹き込み口
26 調節手段
27 循環排ガス吹き出し口
28 配管
29 エゼクタ装置
30 廃棄物焼却炉

Claims (9)

  1. 火格子式廃棄物焼却炉の燃焼制御方法であって、
    燃焼用一次空気Aを火格子下から燃焼室内に吹き込み、
    高温ガスBを前記燃焼室内の燃焼開始領域から主燃焼領域までの間の任意の領域に吹き込み、
    焼却炉から排出された排出ガスを少なくとも一部に含む循環排ガスCを前記燃焼室内の後燃焼領域に吹き込むことを特徴とする廃棄物焼却炉の燃焼制御方法。
  2. 排ガスCが焼却炉から排出された排ガスのみからなることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物焼却炉の燃焼制御方法。
  3. 燃焼用一次空気Aにより供給される単位時間当りの酸素量Q1と、
    高温ガスBにより供給される単位時間当りの酸素量Q2と、
    循環排ガスCにより供給される単位時間当りの酸素量Q3とが、
    廃棄物の燃焼に必要な単位時間当りの理論酸素量を1とした場合に、下式(1)及び(2)を満足することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃棄物焼却炉の燃焼制御方法。
    Q1:Q2:Q3=0.8〜1.0:0.1〜0.3:0.1〜0.35 (1)
    1.3≦Q1+Q2+Q3≦1.5 (2)
  4. 燃焼用一次空気Aにより供給される単位時間当りの酸素量Q1と、
    高温ガスBにより供給される単位時間当りの酸素量Q2と、
    循環排ガスCにより供給される単位時間当りの酸素量Q3とが、
    廃棄物の燃焼に必要な単位時間当りの理論酸素量を1とした場合に、下式(3)及び(4)を満足することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃棄物焼却炉の燃焼制御方法。
    Q1:Q2:Q3=0.9〜1.0:0.1〜0.3:0.1〜0.3 (3)
    1.3≦Q1+Q2+Q3≦1.35 (4)
  5. Q1とQ2とを所定の値に維持しつつ、
    Q3を焼却炉内の状況を監視する因子に基づいて調節することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の廃棄物焼却炉の燃焼制御方法。
  6. 焼却炉内の状況を監視する因子が、燃焼室内で発生した可燃性ガスの二次燃焼を行う二次燃焼領域出口近傍における、ガス温度、ガス中O濃度、ガス中CO濃度、ガス中NO濃度のいずれか一つ以上であることを特徴とする請求項5に記載の廃棄物焼却炉の燃焼制御方法。
  7. 循環排ガスCが、燃焼室高さの1/3を超えない高さ位置から後燃焼領域に吹き込まれることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の廃棄物焼却炉の燃焼制御方法。
  8. 燃焼用一次空気Aを火格子下から燃焼室内に吹き込む燃焼用一次空気吹き込み手段と、
    高温ガスBを前記燃焼室内の燃焼開始領域から主燃焼領域までの間の任意の領域に吹き込む高温ガス吹き込み手段と、
    焼却炉から排出された排ガスを少なくとも一部に含む循環排ガスCを前記燃焼室内の後燃焼領域に吹き込む循環排ガス吹き込み手段とを備えることを特徴とする火格子式廃棄物焼却炉。
  9. 循環排ガスCの吹き込みノズルが燃焼室高さの1/3を超えない高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の火格子式廃棄物焼却炉。
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