JP3995237B2 - 廃棄物焼却炉の操業方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般廃棄物、産業廃棄物、下水汚泥等の廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉の操業方法、及びこのような操業方法を実施するのに好適な廃棄物焼却炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉として、火格子式又は流動床式廃棄物焼却炉が広く用いられている。その代表的なものの概略図を図6に示す。ホッパ31に投入された廃棄物32は、シュートを通して乾燥ストーカ33に送られ、下からの空気と炉内の輻射熱により乾燥されると共に、昇温されて着火する。着火して燃焼を開始した廃棄物32は、燃焼ストーカ34に送られ、下から送られる燃焼空気により熱分解されてガス化され、一部は燃焼する。そして、更に後燃焼ストーカ35で、廃棄物中の未燃分が完全に燃焼する。そして、燃焼後に残った灰は、主灰シュート36より外部に取り出される。
【0003】
燃焼は主燃焼室37内で行われ、発生した燃焼ガスは、中間天井38の存在により、主煙道39と副煙道40に別れて排出される。主煙道39を通る排ガスには、未燃分はほとんど含まれず、酸素が10%程度以上含まれている。副煙道40を通る排ガスには、未燃ガスが8%程度含まれている。これらの排ガスは、2次燃焼室41で混合され、2次的な燃焼が行われて未燃ガスが完全に燃焼する。2次燃焼室41からの排ガスは、廃熱ボイラ43に送られ、熱交換された後に減温塔、バグフィルタ等を経由して外部に放出される。
【0004】
このような火格子式又は流動床式廃棄物焼却炉において、廃棄物を焼却処理する場合、廃棄物が性状の異なる数多くの物質からなるため、炉内の燃焼状態を一定に維持することは困難であり、主燃焼室37内の温度や燃焼ガスの濃度の分布が時間的、空間的に不均一となることは避けられない。
【0005】
このような課題を解決する方法として、特開平11−211044号公報(特許文献1)には、蓄熱式バーナで発生させた高温気体を、焼却炉の主燃焼室又は二次燃焼室に吹き込む方法が開示されている。
【0006】
また、特開平11−223323号公報(特許文献2)には、蓄熱式バーナで発生させた高温気体を、800℃以上の温度で炉内に吹き込む方法が開示されている。これらの技術は、いずれも焼却炉において発生する排ガス中の、CO及び芳香族系炭化水素等を多く含む未燃ガスや有害物質等を低減させることを目的としたものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−211044号公報
【特許文献2】
特開平11−223323号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−211044号公報に開示される技術においては、高温気体中の酸素濃度が20%以上であるので、このような高温ガスを焼却炉内に吹き込むと、焼却炉内で急に燃焼が進み、局所高温領域が形成される恐れがある。局所高温領域が形成されると、たとえば有害物質であるNOxの発生量が増加するという問題点がある。
【0009】
また、特開平11−223323号公報に記載される技術においては、上記の問題に加え、酸素含有気体を800℃以上の温度で主燃焼室に吹き込んでいるので、廃棄物の熱分解・部分酸化反応が促進され、場合によってはCOが発生する場合がある。
【0010】
このように、前記いずれの技術においても火格子式焼却炉等の焼却炉によって、廃棄物を焼却する際に、排ガス中のNOx、CO及びダイオキシンを含む有害物質を十分に低減させることが困難であるという問題を残している。
【0011】
従来、廃棄物焼却炉において、廃棄物の燃焼に必要な理論空気量で実際の空気量を除した比(空気比)は1.7〜2.0程度である。これは通常の燃焼に必要な空気比である1.05〜1.2に比べて大きくなっている。この理由は、廃棄物には不燃分が多く、かつ不均質なため、燃焼を行うには多量の空気が必要なためである。しかし、空気比が多くなるに従って排ガス量も多くなり、通常の燃焼炉に比べて大きな排ガス処理設備が必要となっている。
【0012】
空気比を小さくすれば排ガス量は低減し、排ガス処理設備がコンパクトになり、その結果廃棄物焼却施設全体が小型化して設備費を低減することができる。これに加えて、排ガス処理のための薬剤量も低減できるので、運転費を低減できる。さらに、熱回収できずに失われる熱量を低減できるので、廃熱ボイラの熱回収率が向上し、これに伴ってごみ発電の発電効率を上げることができる。
【0013】
このように、低空気比燃焼に対する利点は大きいが、低空気比燃焼では燃焼が不安定になるという問題がある。すなわち、従来の燃焼技術では、低空気比で燃焼させると、燃焼が不安定となり、COの発生が増加したり、火炎温度が局所的に上昇してNOxが急増したり、煤が大量に発生したり、クリンカが発生したり、局所的な高温により炉の耐火物の寿命が短くなるという問題点があった。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、燃焼室に気体を吹き込む廃棄物焼却炉の操業方法、特に低空気比燃焼操業方法において、好ましい吹き込み気体の性状、温度を提供し、かつ、好ましい吹き込み方法を提供すること、及びこのような操業方法を行うのに適した廃棄物焼却炉を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、廃棄物焼却炉において廃棄物の燃焼に必要な理論空気量で実際の空気量を除した空気比を1.7より低くする低空気比燃焼操業を行ない、廃棄物焼却炉の燃焼室内に高温ガスを吹き込む廃棄物焼却炉の操業方法であって、前記高温ガスは、その温度[℃]Tが 200 以上で、かつ、高温ガスの中に含まれる酸素の濃度[ vol. %]Cとの関係が、以下の(1)式で表される範囲にあり、かつ、前記高温ガスは、炉内の未燃ガスの燃焼が不安定となりCO発生量を増加させないように(1)式に基づき酸素量と温度の下限が定められ、高温燃焼となり廃棄物の熱分解、ガス化反応を過度に促進しかつ未燃ガスの局所的な燃焼を生じさせてNOx発生量を増加させないように(1)式に基づき酸素量と温度の上限が定められ、さらに前記高温ガスの酸素の濃度と温度の範囲は、高温ガスを吹き込むことにより、廃棄物の熱分解を促進し、廃棄物上の空間によどみ領域を形成して安定な火炎を定在化させ、廃棄物の燃焼を均一化かつ安定させてCOとNOxの発生を抑制するように定められた範囲であることを特徴とする廃棄物焼却炉の操業方法である。
exp(7.78-0.18C)≦T≦exp(7.45-0.11C)…(1)
【0016】
発明者等は、廃棄物焼却炉において、燃焼室内に高温ガスを吹き込む際に発生するCO、NOxと、燃焼室内に吹き込まれる高温ガス中の酸素濃度、高温ガスの温度についてその関係の調査を行った。その結果、排ガス中のCO及びNOxを同時に低減できる高温ガス中の酸素濃度、高温ガスの温度の範囲は、図1においてA線、B線、及びC線で囲まれた領域に限られることを見いだした。炉内に吹き込まれる時点での高温ガスの温度をT[℃]、高温ガス中の酸素濃度をC[vol.%]とすると、A線は
T=exp(7.78-0.18C)
B線は、
T≦exp(7.45-0.11C)
C線は
T=200
に相当する。
【0017】
A線、B線、及びC線で囲まれた領域の酸素濃度と温度を有する高温ガスを燃焼室内に吹き込むことにより、廃棄物の熱分解を促進し、廃棄物上の空間によどみ領域を形成して安定な火炎を定在化させることができる。さらに、熱分解ガスの混合が促進される結果、均一で安定した燃焼が促進されるので、NOx、COの発生を大幅に低減できる。
【0018】
A線より下方の領域では、酸素量が不足し、また、吹き込むガスの温度が低いので未燃ガスの燃焼が不安定となり、その結果COの発生が増加する。またB線より上方の領域では、高温燃焼となり、その結果、廃棄物の熱分解、ガス化反応が過度に促進され、かつ、局所的に未燃ガスが燃焼するので、NOxが増加する。また、C線より下方の領域では、ガスを吹き込んでも周囲の気体の巻き込みや攪拌効果が小さいため、ガス混合が十分に行われない。その結果、局所高温領域が発生し、NOxが増加する。
【0019】
例えば高温ガス中の酸素濃度が12%の場合、低NOx、低COを共に達成する高温ガスの温度は280〜500℃の範囲となる。高温ガス中の酸素濃度が15%の場合、低NOx、低COを共に達成する高温ガスの温度は200〜330℃の範囲となる。
【0020】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、高温ガスの吹き込み場所・領域が、吹き込み場所の温度が400[℃]以上でかつ未燃ガスが存在する空間であることを特徴とするもの(請求項2)である。
【0021】
燃焼室内において、温度が400[℃]以上でかつ未燃ガスが存在する空間は、廃棄物の熱分解が促進される領域、又は廃棄物の熱分解が完了する領域であり、廃棄物の熱分解により未燃ガスが発生し、かつ、火炎が存在する領域である。たとえば紙ごみにおいては約250℃で熱分解が始まり約400℃で熱分解が完了する。プラスチックゴミにおいては約400℃で熱分解が始まり、約500℃で熱分解が完了する。
【0022】
高温ガスは、廃棄物の熱分解が始まらず、乾燥のみが行われている領域に吹き込んでも、排ガスの低NOx、低CO化を促進する効果が小さい。すなわち、未燃ガスが多く存在する領域に吹き込むことが好ましい。高温ガスをこの領域に吹き込むことにより、未燃ガスの燃焼が安定して行われる。よって、本手段においては、高温ガスを吹き込む領域を前述の空間に限定している。
【0023】
前記課題を解決する第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段であって、高温ガスの吹き込み場所・領域が、燃焼開始領域から主燃焼領域までであることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0024】
前述のように、高温ガスは未燃ガスが多く存在する領域に吹き込むことが好ましいが、火格子式、流動床式等の多くの廃棄物焼却炉において、未燃ガスが多く存在する領域は、燃焼開始領域から主燃焼領域までである。ここで燃焼開始領域とは、廃棄物の燃焼が始まる領域であり、主燃焼領域とは、廃棄物の燃焼が実質的に完了する領域である。よって、燃焼開始領域から主燃焼領域までの間に高温ガスを吹き込むことが好ましい。
【0025】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段であって、高温ガスの吹き込み量が一次空気量の10%〜70%であることを特徴とするもの(請求項4)である。
【0026】
一次空気とは、廃棄物を燃焼させる目的で吹き込まれる空気のことであり、高温ガスを吹き込まない方式の従来型の廃棄物焼却炉において吹き込まれた空気のことである。一般に火格子式炉の場合は火格子下の風箱、流動床式炉の場合は流動床下の風箱から吹き込まれる。
【0027】
高温ガスの吹き込み量が一次空気量の10%未満であると、炉内ガスの攪拌に必要な運動量を持たないので、高温ガス吹き込みの効果が十分には発揮されない場合がある。また、高温ガスの吹き込み量が一次空気量の70%を超えると、排ガスの低NOx、低CO化の効果が飽和して、高温ガスの吹き込み量を増やす意味が無くなるばかりでなく、いたずらに排ガス量を増加させ、排ガス処理設備の増大を招くので好ましくない。よって、本手段においては、高温ガスの吹き込み量を一次空気量の10%〜70%の範囲に限定する。
【0028】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、高温ガスの吹き込み量が廃棄物を燃焼させる理論空気量の10%〜70%であることを特徴とするもの(請求項5)である。
【0029】
前記第4の手段においては、高温ガスの吹き込み量の基準値として一次空気量を用いたが、場合によっては、一次空気量が、廃棄物を完全燃焼させるために必要な理論空気量以下となる場合がある。このような場合は、高温ガスの吹き込み量を、廃棄物を燃焼させる理論空気量の10%〜70%とする。なお、理論空気量は、廃棄物の種類から決定する。
【0030】
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第1の手段から第5の手段であって、高温ガスの吹き込み方向が、主燃焼室高さの1/2を超えない高さ位置から、水平から下向き20°の範囲の吹き込み方向であることを特徴とするとするものである。
【0031】
廃棄物から発生する未燃ガスは、通常上向きに流れる。よって、高温ガスの吹き込み方向が上向きであると、未燃ガスと高温ガスの流れが同じ方向の速度成分を持つことになり、攪拌の効果が小さくなって、高温ガス吹き込みの効果が低減する。これに対し、高温ガスの吹き込み方向が水平あるいは下向きであると、上昇する未燃ガスと高温ガスが良く攪拌されるようになり、高温ガスの吹き込み効果を高めることができる。一般に高温ガスの吹き込みに効果がある要因は3Tといわれている。これらは、温度(Temperature)、攪拌(Turbulence)、滞留時間(Time)であるが、特に、高温ガスを下向きに吹き込むことにより、攪拌(Turbulence)、滞留時間(Time)を向上させることができる。
【0032】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第1の手段から第6の手段であって、高温ガスを旋回流として吹き込むことを特徴とするもの(請求項7)である。
【0033】
高温ガスを旋回流として吹き込むことにより、攪拌効果を高めることができ、高温ガスの吹き込み効果を高めることができる。「高温ガスを旋回流として吹き込む」とは、吹き出し口から流出する高温ガス自体が旋回流となっている場合の他、複数の吹き出し口から流出する高温ガスの流れが複合して旋回流となる場合を含むものである。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態の1例である廃棄物焼却炉の操業方法を実施する廃棄物焼却炉の例を示す図である。図2中の1は主燃焼室であり、この主燃焼室1の一方の側(図2の左側)には、廃棄物3を主燃焼室1内に投入するためのホッパ2が設けられている。
【0039】
主燃焼室1の底部には、廃棄物3を移動させながら燃焼させる火格子(ストーカ)が、ホッパ2から遠ざかるに従って下がるように傾斜して設けられている。この火格子には2つの段差が形成されており、3つの部分に分かれる。この3つの火格子を、ホッパ2に近い方から、乾燥ストーカ4、燃焼ストーカ5、後燃焼ストーカ6と呼んでいる。乾燥ストーカ4では主として廃棄物3の乾燥と着火が行われる。燃焼ストーカ5では主として廃棄物3の燃焼が行われるが、廃棄物3は燃焼すると共に熱分解し、未燃ガスを燃焼ガスと共に放出する。燃焼ストーカ5において廃棄物3の燃焼は実質的に完了する。後燃焼ストーカ5上では、僅かに残った廃棄物3中の未燃分を完全に燃焼させる。完全に燃焼した後の燃焼残滓は、主灰シュート7より排出される。
各火格子の下部には、燃焼用空気を供給するための供給管を連結した風箱8が設けられている。
【0040】
ホッパ2と反対側の主燃焼室1の下方及び上方には、主煙道9と副煙道10が設けられ、これらには、ガス冷却設備の一部である廃熱ボイラ11の2次燃焼室12が接続して設けられている。そして、主燃焼室1内には、主燃焼室1の出口近傍に、燃焼ガスを分流するための障壁(中間天井)13が設けられ、燃焼ガスの流れを主煙道9と副煙道10に分流している。
【0041】
図2に示すように、ホッパ2から主燃焼室1内に廃棄物3を投入すると共に、燃焼用空気を各供給管及び風箱8を通して、火格子上を移動する廃棄物3に供給しながら廃棄物3を乾燥させ、さらに燃焼させる。
【0042】
主燃焼室1の側壁にはノズル14が設けられており、このノズル14から、高温ガスが主燃焼室1内に吹き込まれている。なお、この高温ガスは、吹き込まれる時点での温度が200℃以上で、かつ、温度と酸素濃度の関係が前記(1)式を満足するように調整されている。
【0043】
図2においては、ノズル14は乾燥ストーカ4上部及び燃焼ストーカ5の左側上部に設置されている。廃棄物3が焼却される場合、まず水分の蒸発が起こり、次いで熱分解・部分酸化反応が起こる。ここで、熱分解反応は温度が200℃程度で起こり、温度が約400℃となった段階でほぼ完了する。図2に示す例では、乾燥ストーカ4の部分(後段部)及び燃焼ストーカ5の前段部に相当するので、これらの位置にノズル14を設けて高温ガスを吹き込んでいる。廃棄物3の種類によっては、もっと高い温度で熱分解反応が完了するものがあり、この場合は、図2に示す位置より後段側(図の右側)にも、ノズル14を設けることが好ましい。
【0044】
また、ノズル14は、図2に示すように、主燃焼室高さの1/2を超えない高さ位置に設けることが好ましい。その理由は、廃棄物3直上に高温領域を定在させることができるからである。
【0045】
また、温度が400℃以上で、かつ未燃ガスが存在する空間に高温ガスを吹き込むことにより、未燃ガスの燃焼を促進させることができる。よって、未燃ガスを多く含む副煙道ガスと主煙道ガスとが混合する領域、すなわち、中間天井13の上方、二次燃焼室12の入り口部に、高温ガスを吹き込むように、ノズルを側壁、天井、中間天井13,二次燃焼室12入り口に設けてもよい。
【0046】
高温ガスの吹き込み量としては、排ガス処理等を考えるとできるだけ少ない方が良い。しかしながら、吹き込み量が少なくなるとCOが発生し易くなり、完全燃焼をさせることができなくなる。このため、風箱8から吹き込まれる一次空気量の10%〜70%の吹き込み量とすることが望ましい。これにより、COの発生を問題ない程度に抑えることができる。前述のように、吹き込む高温ガスの量は、目的が達成される範囲でできるだけ少ない方が好ましい。よって、排出されるCOやNOxの量を監視しながら、吹き込み量を一次空気量の10%〜70%の範囲で加減することが好ましい。
【0047】
特に、廃棄物3の種類の変動があった場合、吹き込まれる一次空気の量が、廃棄物3を燃焼させるために必要な理論空気量より少なくなることもあり、この場合には多量の高温ガスを吹き込んで、廃棄物3の完全燃焼を促し、COの発生を防止することが好ましい。
【0048】
吹き込まれる一次空気の量が少ないことが分かっている場合は、吹き込む高温ガスの量を、廃棄物3を燃焼させるために必要な理論空気量の10%〜70%の範囲となるようにしてもよい。
【0049】
図2においては、炉の両側面にノズル14を設け、ここから高温ガスを吹き込んでいる。ノズルは水平、又は下向きに設けることが好ましい。このようにすることにより、上昇する未燃ガスとノズルから噴出する高温ガスで攪拌作用を起こさせ、未燃ガスの燃焼を促すことができる。攪拌作用を促す意味では、ノズルは下向けに設けることが好ましいが、あまり角度を付けすぎると、炉幅方向全体に高温ガスが届かなくなる。よって角度は下向き10〜20°の範囲とすることが特に好ましい。
【0050】
さらに、炉幅方向全体に高温ガスの攪拌作用を及ぼすために、高温ガスの吹き込み速度を、炉幅をW[m]とするとき、20W[m/s]以上としている。炉の両側面の対向する位置にノズルを設け、このような高速での吹き込みを行うことにより、焼却炉内に未燃ガスのよどみ領域が形成される。その結果、未燃ガスの炉内での滞留時間が長くなり、高温ガスとの反応時間が長くなることになって、反応が十分に行われる。よどみ領域を形成するには、ノズルを下向きに設置することが特に効果がある。
【0051】
図2におけるノズルの配置を示すために、A−A’断面図、B−B’断面図を図3に示す。ただし、図3においては、本発明に関係のない構造物は図示を省略している。図3において15はよどみ領域、17は炉壁、18は炉天井、19は高温ガス、20は旋回流部、21は未燃ガスである。
【0052】
炉壁17の左右に対向して設けられた1対のノズル14からは、高温ガス19が噴出され、平断面図であるA−A’断面図(a)で見ると、互いに炉中央で衝突している。よって、炉中央部には、炉内ガスの動きが遅く、滞留しているよどみ領域(燃焼安定領域)15が形成されている。
【0053】
図3(b)は、別の実施の形態を示すもので、平断面図である。ノズル14の向きは、その中心軸が互いに平行でかつ所定間隔離れるようにされており、高温ガス19は炉中央部において、所定距離だけ離れてすれ違うようになっている。よって、炉の中央部には旋回流部(旋回領域)20が形成される。
【0054】
すなわち、この実施の形態においては、炉の中央部に、平面的に見るとよどみ領域15又は旋回流部20が形成されていることになる。よって、前述のように、火炎が安定すると共に、ガス同士の混合が促進される。
【0055】
図3(a)において、2つのノズル14から噴出する高温ガスの流速を同じように変えてやることにより、よどみ領域15の大きさを制御することができる。また、両方のノズル14から噴出する高温ガスの流速に差を設けることにより、よどみ領域15の炉の左右方向位置を変えることができる。さらに、ノズル14の向きを、炉の前後方向に、同じ向きに変化させることにより、よどみ領域15の炉の前後方向位置を変えることができる。
【0056】
また、図3(b)において、2つの高温ガス19の間隔を変化させることにより、旋回流部20の大きさを変えることができる。また、2つの高温ガス19に速度差を設けることにより、旋回流部20が形成される炉の左右方向位置を変化させることができる。さらに、2つの高温ガス19の速度を同じように変えてやることにより、旋回流の速度を変えることができる。
【0057】
図3(c)は、図2のB−B’断面図を示すもので、両側の炉壁17に下向きに設けられたノズル14から吹き出された高温ガス19が、上昇する未燃ガス21と衝突してよどみ領域15を形成している様子を示すものである。よどみ領域15においては、燃焼が安定して行われる結果、安定な拡散火炎が形成される。その結果、従来技術と異なり、低空気比率燃焼条件下でも燃焼開始領域での燃焼の不安定性が増幅されず、煤等の発生が抑制され、均一で安定した燃焼が期待できる。
【0058】
また、攪拌作用を及ぼすためには、高温ガスを旋回流としてノズル14より炉内に吹き込むことも有効である。
また、炉側壁近傍のガスの攪拌を十分に行うように高温ガスを吹き込むことにより、燃焼を安定させる効果もあるため、吹き込み速度を少なくとも10[m/s]以上とすることが好ましい。
【0059】
高温ガスを吹き込まないときの炉内の火炎は輝炎であるが、以上のような実施の形態により適正に高温ガスが炉内に吹き込まれると、炉内の火炎は透き通った火炎となり、炉壁から炉床(ストーカ)を観測できるようになる。これは、炉内の温度分布が平均化され、かつ、未燃分の完全燃焼が行われているためと考えられる。よって、炉内の火炎の透明度を観察し、それを、高温ガスが適当に吹き込まれているかどうかの判断基準とすることも可能である。
【0060】
以上の実施の形態においては、CO、NOx、ダイオキシン等の微量有害物質の低減に効果がある。また、図2においては、中間天井13を有する炉を図示しているが、本発明はこのような中間天井を有しない炉においても適用できることは言うまでもない。また、図2においては主燃焼室1内に高温ガスを吹き込んでいるが、2次燃焼室12内に高温ガスを吹き込むようにしてもよい。さらに、高温ガスの吹き込みは炉の片側側面から行うようにしてもよい。さらに、炉の側面からではなく、中間天井、又は天井から吹き込むようにしてもよい。
【0061】
これらの実施の形態において、ノズル14から噴出させる高温ガスとしては、循環排ガスと空気の混合ガスを用いることが適当である。循環排ガスとは、廃棄物焼却炉より排出される排ガスの一部を主燃焼室内に戻し、その顕熱を回収したり、未燃分を再燃焼させたり、排ガス中の残留酸素を有効利用したりするものである。
【0062】
循環排ガスが本発明の限定を満たしている場合は、これをそのまま炉内に吹き込めばよいが、用いられる循環排ガスの温度は200℃より低く、かつ、低空気比燃焼下では、酸素濃度は10%より低いことがある。このため、高温空気製造装置や熱風炉により高温の空気を作り、これを循環排ガスに混合して、温度が200℃以上で酸素濃度と温度との関係が(1)式を満たすような高温ガスとして、炉内に吹き込むようにする。
【0063】
また、2次燃焼室12からの排ガスの温度が十分高く、かつ酸素濃度が高い場合は、高温空気製造装置を設けることなく、これを高温空気の代わりに使って、空気と混合して吹き込んでもよい。さらに、2次燃焼室12からの排ガスの温度が200℃以上で酸素濃度と温度との関係が(1)式を満たすようなものであれば、これを直接炉内に吹き込んでもよい。
【0064】
高温ガスとして、焼却炉から発生する排ガスを全量使用したり、高温ガスの一部のガスとして焼却炉から発生する排ガスを使用する場合は、排ガス中に含まれるダストに含有されるナトリウム塩やカリウム塩等が配管の管壁に付着し、腐食を起こしたり、配管を閉塞させる可能性がある。また、ダストを除去せずに炉内に吹き込んだ場合には、ダストに含まれる有害物質(例えばダイオキシン)により、排出されるこれら有害物質の濃度がかえって増加する危険性も考えられる。
【0065】
このような問題の発生を防ぐためにも、排ガス中のダストを除去することが好ましい。除塵の方法としては、フィルタ方式、サイクロン方式等、周知のものが使用できる。フィルタ方式には濾布を使用するもの、セラミックス系フィルタを使用するものがあるが、排ガスの温度が高い場合は、セラミックス系のフィルタの方が、耐久性、耐熱性の面で優れている。金属繊維で加工された濾布も、使用温度によっては有効である。また、移動層式の除塵装置を用いてもよい。ダストを除去する場所は、できるだけ取り出し口に近い方が、除塵前の配管が短くなるので好ましい。
【0066】
排ガスの取り出し口は、排ガスの温度が高い場所から取り出すことが望ましく、廃熱ボイラ付の焼却炉の場合には、ボイラ部から取り出すことが効果的である。ボイラ部では800℃の高温排ガスを抜き出すことが可能である。また、このような高温排ガスは、効果的にその中に含まれる有害物質を除去することができる。
【0067】
高温空気製造装置の例としては、1対の蓄熱体を用意し、燃焼バーナからの高温排ガスにより第1の蓄熱体を加熱蓄熱し、既に加熱蓄熱されている第2の蓄熱体に空気を入れて、蓄熱体により空気を加熱し、高温排ガスによる蓄熱体の加熱と、蓄熱体による空気の加熱を、切り換えて行うことにより、高温の空気を発生させる蓄熱バーナや、レキュペレータ、燃焼バーナからの燃焼ガスに空気や酸素を混合するもの、酸素富化バーナ等が使用できる。
【0068】
高温空気製造装置や熱風炉からの高温空気と循環排ガスを混合する場合は、エジェクター装置によって混合して炉内に吹き込むようにすることが好ましい。すなわち、高温空気をエジェクター装置に導いて、これを駆動流として循環排ガスを吸引しながら混合して、炉内に吹き込むようにする。このようにすれば、循環排ガスを吸引するためのファン等の特別の可動部を有する装置が必要でないので、装置構成が簡単になると共に、ダストトラブルを軽減することができる。
【0069】
高温ガスが吹き込まれる領域は、主燃焼室1の火格子又は流動床から炉天井までの高さの1/2より下とすることが好ましい。このようにすると、炉内の廃棄物層直上において、ノズルから吹き込まれた高温ガスによって保炎効果が現われるため、炉内の廃棄物層直上に高温領域(火炎)を定在させることができる。よって、廃棄物の熱分解が効率的に行われると共に、高温領域が天井から遠くなるので、天井の焼損程度を軽減することができる。
【0070】
表1に、バーナ燃焼ガスと希釈空気と循環排ガスを混合して高温ガスを調整し、炉内に吹き込む場合に、炉内に吹き込まれる高温ガスの性状(酸素濃度と温度)が本発明の範囲から外れた際に、炉内に吹き込まれる高温ガスの性状を改善するために操作する操作因子と操作方法の対応を示す。たとえば、酸素濃度が本発明の範囲より低く、温度が本発明の範囲より低い場合には、燃焼バーナの燃焼量を高めて吹き込む高温ガスの温度を上昇させると共に、排ガス循環量を少なくし、かつ希釈空気量(高温ガスに混合する空気量)を多くして燃焼安定化効果を高めるようにする。酸素濃度が本発明の範囲より低く、温度が本発明の範囲より高いときは、希釈空気量のみを多くして酸素濃度を高める。
【0071】
【表1】
Figure 0003995237
【0072】
以上の実施の形態においては、炉内によどみ領域や旋回領域を形成するように高温ガスを吹き込む例を示した。このようにすることが燃焼の安定上好ましいことは、先願発明の明細書に記載されるとおりであるが、本発明においては、燃焼開始領域から主燃焼領域で燃焼を安定化することが目的であるので、必ずしも、よどみ領域や旋回領域を形成するように高温ガスを吹き込む必要はない。
【0073】
図4に、本発明の実施の形態の1例である廃棄物焼却炉における排ガス循環系統の概要を示す。図1に詳しく示したように、主燃焼室1からの排ガスは廃熱ボイラ11に導かれ、その一部である2次燃焼室12内で2次燃焼した後、廃熱ボイラ11で熱交換を行い、排ガス処理設備22で清浄化処理されて、煙突23から大気放散される。
【0074】
この実施の形態においては、排ガス処理設備の下流側から、ブロア24によって排ガスを吸引し、ガス混合装置25に導いている。ガス混合装置25には、バーナ燃焼ガス等の高温燃焼ガスが、高温燃焼ガス調節弁26を介して導入されていると共に、希釈空気が希釈空気調節弁27を介して導入されている。
【0075】
ガス混合装置25は、排ガス、高温燃焼ガス、希釈空気を混合し、高温ガスを発生させる。この高温ガスは、主燃焼室1内に吹き込まれる。この高温ガス中の酸素濃度は、酸素濃度調節装置29で調節される。酸素濃度調節装置29は、高温ガス中の酸素濃度が所定の濃度になるように、希釈空気調節弁27の開度を調整する。また、高温ガスの温度は、温度調節装置28で調節される。温度調節装置28は、高温ガスの温度が(1)式で示された範囲になるように高温燃焼ガス調節弁26の開度を調整する。
【0076】
このように、この実施の形態においては、主燃焼室内に吹き込まれる高温ガス中の酸素濃度と温度を調節する機能を有しているので、主燃焼室内に吹き込まれる高温ガス中の酸素濃度と温度を適当な範囲に保つことができる。吹き込まれる高温ガスの流量や流速を調整したい場合は、ブロア24の回転数を調整する等の手段により調整すればよい。
【0077】
図5に、図4に示した排ガス循環系の変形例を示す。この例においては、排ガスを取り出す場所が廃熱ボイラ11の出口である点が図4に示した例と異なっており、全体としての機能は同じであるので、図4と異なる部分のみを説明する。図4における例においては、排ガスは排ガス処理設備22の後方から取り出されているので、その中のダストは除去されており清浄である。しかし、温度は低下してしまっている。
【0078】
図5に示す例では、廃熱ボイラ11の出口から排ガスを取り出しているので、温度の高い排ガスを使用することができる。しかし、この排ガスにはダストが含まれており前述のような弊害があるので、ブロワ24に至る配管中に除塵装置30を設け、ダストを除去して清浄化した排ガスをブロワ24に送出している。
なお、この場合は、排ガスの温度が高いので、高温燃焼ガス製造装置、高温燃焼ガス調節弁26を省略することもできる。
【0079】
図4及び図5に示す例では、循環排ガスにバーナ燃焼ガス等の高温燃焼ガスと希釈空気を混合する例を示しているが、前述のような高温空気製造装置により製造された高温空気を、高温燃焼ガスに代えてガス燃焼装置に導くこともできる。なお、この場合は、希釈空気をガス混合装置に導入して調整する代わりに、高温空気製造装置に導入する空気量を調節して、高温ガスの酸素濃度を調節するようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、燃焼室に高温ガスを吹き込む廃棄物焼却炉の操業方法、特に低空気比燃焼操業方法において、好ましい吹き込み高温ガスの性状、温度を提供し、かつ、好ましい吹き込み方法を提供すること、及びこのような操業方法を行うのに適した廃棄物焼却炉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炉内に吹き込む高温ガスの温度と酸素濃度の関係を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態を適用する廃棄物焼却炉の1例を示す図である。
【図3】図2の部分的な断面を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態の1例である廃棄物焼却炉における排ガス循環系統の概要を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の1例である廃棄物焼却炉における排ガス循環系統の概要を示す図である。
【図6】従来の廃棄物焼却炉の例を示す概要図である。
【符号の説明】
1…主燃焼室、2…ホッパ、3…廃棄物、4…乾燥ストーカ、5…燃焼ストーカ、6…後燃焼ストーカ、7…主灰シュート、8…風箱、9…主煙道、10…副煙道、11…廃熱ボイラ、12…2次燃焼室、13…中間天井、14…ノズル、15…よどみ領域、17…炉壁、18…炉天井、19…高温ガス、20…旋回流部(旋回領域)、21…未燃ガス、22…排ガス処理設備、23…煙突、24…ブロア、25…ガス混合装置、26…高温燃焼ガス調節弁、27…希釈空気調節弁、28…温度調節装置、29…酸素濃度調節装置

Claims (7)

  1. 廃棄物焼却炉において廃棄物の燃焼に必要な理論空気量で実際の空気量を除した空気比を1.7より低くする低空気比燃焼操業を行ない、廃棄物焼却炉の燃焼室内に高温ガスを吹き込む廃棄物焼却炉の操業方法であって、前記高温ガスは、その温度[℃]Tが 200 以上で、かつ、高温ガスの中に含まれる酸素の濃度[ vol. %]Cとの関係が、以下の(1)式で表される範囲にあり、かつ、前記高温ガスは、炉内の未燃ガスの燃焼が不安定となりCO発生量を増加させないように(1)式に基づき酸素量と温度の下限が定められ、高温燃焼となり廃棄物の熱分解、ガス化反応を過度に促進しかつ未燃ガスの局所的な燃焼を生じさせてNOx発生量を増加させないように(1)式に基づき酸素量と温度の上限が定められ、さらに前記高温ガスの酸素の濃度と温度の範囲は、高温ガスを吹き込むことにより、廃棄物の熱分解を促進し、廃棄物上の空間によどみ領域を形成して安定な火炎を定在化させ、廃棄物の燃焼を均一化かつ安定させてCOとNOxの発生を抑制するように定められた範囲であることを特徴とする廃棄物焼却炉の操業方法。
    exp(7.78-0.18C)≦T≦exp(7.45-0.11C)…(1)
  2. 請求項1に記載の廃棄物焼却炉の操業方法であって、高温ガスの吹き込み場所・領域が、吹き込み場所の温度が400[℃]以上でかつ未燃ガスが存在する空間であることを特徴とする廃棄物焼却炉の操業方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の廃棄物焼却炉の操業方法であって、高温ガスの吹き込み場所・領域が、燃焼開始領域から主燃焼領域までであることを特徴とする廃棄物焼却炉の操業方法。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の廃棄物焼却炉の操業方法であって、高温ガスの吹き込み量が一次空気量の10%〜70%であることを特徴とする廃棄物焼却炉の操業方法。
  5. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の廃棄物焼却炉の操業方法であって、高温ガスの吹き込み量が廃棄物を燃焼させる理論空気量の10%〜70%であることを特徴とする廃棄物焼却炉の操業方法。
  6. 請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の廃棄物焼却炉の操業方法であって、高温ガスの吹き込み方向が、主燃焼室高さの1/2を超えない高さ位置から、水平から下向き20°の範囲の吹き込み方向であることを特徴とする廃棄物焼却炉の操業方法。
  7. 請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の廃棄物焼却炉の操業方法であって、高温ガスを旋回流として吹き込むことを特徴とする廃棄物焼却炉の操業方法。
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